JP2000191988A - 粘着テープ及びその製造方法 - Google Patents

粘着テープ及びその製造方法

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JP2000191988A
JP2000191988A JP36722698A JP36722698A JP2000191988A JP 2000191988 A JP2000191988 A JP 2000191988A JP 36722698 A JP36722698 A JP 36722698A JP 36722698 A JP36722698 A JP 36722698A JP 2000191988 A JP2000191988 A JP 2000191988A
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pressure
sensitive adhesive
adhesive tape
film
thermoplastic resin
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JP36722698A
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Hisayoshi Hamano
尚吉 浜野
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Sumika Plastech Co Ltd
Kyodo Giken Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumika Plastech Co Ltd
Kyodo Giken Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 手切れ性及び機械的強度が良好で嵩張らない
粘着テープの提供を目的とする。 【解決手段】 熱可塑性樹脂製フィルムからなる薄物の
幅方向に形成されてなる多数の溝状の凹部と、厚さ方向
に形成されてなる多数の微細な孔とを有する薄物からな
る基材であって、該孔の形成時に生じたバリは平坦化さ
れてなる基材及び粘着剤層からなる粘着テープとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は粘着テープ及びその
製造方法に関する。詳しくは、本発明は、粘着テープの
基材の幅方向に形成されてなる多数の溝状の凹部と、基
材の厚さ方向に形成されてなる多数の微細な孔とを有す
る基材であって、該孔の形成時に生じたバリは平坦化さ
れている基材および粘着剤層からなる、手切れ性および
機械的強度が良好で嵩張らない粘着テープ及びその製造
方法に関する。本明細書において「手切れ性」とは、鋏
や鋸歯状のカッター等の切断具を使用せずに手の指先の
みで粘着テープを幅方向に真っ直ぐに切断し得る性能を
意味し、「孔」とは基材の一方の面から他方の面まで貫
通している孔(以下、この孔を「貫通孔」と言う)のみ
ならず、貫通していない孔(以下、この孔を「非貫通
孔」と言う)をも意味するものとする。
【0002】
【従来の技術】粘着テープは一般に、図1に示す通り、
樹脂・紙・布・金属等からなる薄物の基材1と、基材1
の一面の上に塗布された粘着剤層2とからなり、ロール
状に重ね巻きされた巻物の形態で市販されている。この
形態の粘着テープは、粘着テープを巻物から必要な長さ
にまで引き出したあと所望の箇所で切断して用いられ
る。巻物からの粘着テープの引き出し易さを高めるため
に、粘着剤を塗布していない基材1の面である背面3の
上に必要に応じて剥離剤が塗布される。ここで、前記の
「嵩張らない粘着テープ」とは、図1に示す巻物の厚さ
(径方向の長さ)を低減させた粘着テープを意味する。
【0003】幅方向に多数の溝状の凹部を有する基材と
粘着剤層とからなる手切れ性の良好な粘着テープとし
て、特許第2694854号公報に記載された粘着テー
プが知られている。この粘着テープは、一方の面が平滑
面4に、他方の面が幅方向に多数の溝状の凹部5を有す
る面(非平滑面)6に形成されてなるポリオレフィン樹
脂製基材7(図2参照)と、基材7の非平滑面6上に塗
布された粘着剤層8とからなる粘着テープ(図3参照)
である。この粘着テープの手切れ性は基材の幅方向に形
成されてなる多数の溝状の凹部5によるものであり、そ
の特徴は真っ直ぐに切断することができる点にある。
【0004】この粘着テープの製造方法について前記公
報には、図4に示すように、溶融されたポリオレフィン
樹脂11を押出機12でフィルム等の薄物に押出した
後、この薄物を、表面が非平滑な面である絞ロール13
(絞の形状は、薄物の幅方向に多数の溝状の凹部を付与
する形状である)と、表面が実質的に平滑な面である平
滑ロール14との間で押圧することにより薄物の表面に
絞の形状を転写し、次いで、絞の形状を転写した薄物
を、その非平滑面の側が電極15に向き合うように位置
させて、表面が実質的に平滑な面である平滑ロール16
と電極15との間を通すことによってコロナ放電処理を
施して基材を得、この基材の非平滑面の上に粘着剤を塗
布する製造方法が例示されている。
【0005】他方、厚さ方向に多数の微細な孔を有する
基材と粘着剤層とからなる手切れ性の良好な粘着テープ
として、特開平8−199123号公報に記載された粘
着テープが知られている。この粘着テープは、多数のテ
ーパー状の貫通孔を有するプラスチックフィルム(前記
公報には、具体的なプラスチックとしてポリエステル、
ポリプロピレン他が例示されている)なる基材と粘着剤
層とからなる粘着テープであり、手切れ性は基材の厚さ
方向に形成されてなる多数の孔によるものである。
【0006】この粘着テープの製造方法について前記公
報には、表面に微細なダイヤモンド粒子を付着させた第
一ロールと、硬質の平滑表面を有する第二ロールとの間
にフィルムを通して両ロールによりフィルムを押圧し、
第一ロールの表面の微細な粒子によってフィルムに貫通
孔を形成させて基材を得、この基材に粘着剤を塗布する
製造方法が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記の特許第
2694854号公報に記載された粘着テープについて
は、基材の幅方向に多数の溝状の凹部を形成することは
粘着テープの長手方向の抗張力等の機械的強度を低下さ
せる要因となるから、手切れ性の良好な粘着テープを得
るために溝状の凹部の深さを大にすればするほど、粘着
テープの機械的強度はそれと共に低下するという問題
点、すなわち手切れ性の良好さと機械的強度の良好さと
が両立し難いという問題点が存在する。
【0008】他方、前記の特開平8−199123号公
報に記載された粘着テープについては、この粘着テープ
の手切れ性は良好であるが、基材のどちら側の面に粘着
剤を塗布したとしても、図1に示す巻物の厚さが大にな
るという嵩張りの問題点を持っている。嵩張りの問題点
が発生する原因については以下の通り考えられる。基材
の貫通孔は、先端の鋭利なダイヤモンド粒子をフィルム
の一方の面から他方の面に向かってロール間で押圧する
という物理的な方法で形成されるものであるから、基材
の他方の面の孔21の周辺部には、孔21を形成させる
ことによって生じた基材片(以下、該基材片を「バリ2
2」と言う)が、孔21の周辺部において基材23の表
面から上方向に立ち上がった状態で存在しており(図5
参照)、基材23の表面からのバリ22の高さは孔の径
(図5に示す孔径D)が大ほど大である。
【0009】図5に示す立ち上がったバリ22を有する
基材23の一方の面(図5の下側の面)に粘着剤を塗布
する場合には、バリ22の高さに起因して粘着テープの
厚さが大になり嵩張りの問題点が発生する。反対に、基
材23の他方の面(図5の上側の面)に粘着剤を塗布す
る場合には、粘着性を向上させるためにはバリ22全体
を粘着剤で覆わなければならず、その結果、粘着テープ
の厚さが大になり嵩張りの問題点が発生する。
【0010】本発明の目的は、手切れ性および機械的強
度が良好で嵩張らない粘着テープ及びその製造方法を提
供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、手切れ性お
よび機械的強度が良好で嵩張らない粘着テープの開発に
ついて研究を重ねてきた。その結果、幅方向に形成され
てなる多数の溝状の凹部と、厚さ方向に形成されてなる
多数の微細な孔とを有する基材であって、該孔の形成時
に生じたバリを平坦化させた基材を用いることによっ
て、手切れ性および機械的強度が良好で嵩張らない粘着
テープが得られることを見い出したことを発端として、
本発明を完成させるに至った。
【0012】すなわち、本発明は、熱可塑性樹脂製フィ
ルムからなる薄物の幅方向に形成されてなる多数の溝状
の凹部と、厚さ方向に形成されてなる多数の微細な孔と
を有する薄物からなる基材であって、該孔の形成時に生
じたバリは平坦化されてなる基材および粘着剤層からな
る粘着テープである。また、本発明は、熱可塑性樹脂製
フィルムからなる薄物の幅方向に形成されてなる多数の
溝状の凹部と、厚さ方向に形成されてなる多数の微細な
孔とを有する薄物からなる基材の少なくとも一方の面に
粘着剤を塗布してなる粘着テープであって、該孔の形成
が次の工程からなる粘着テープの製造方法である。 工程(1):熱可塑性樹脂製フィルムからなる薄物の厚
さ方向に、針ロールで多数の微細な孔を形成する工程 工程(2):針ロールで厚さ方向に形成されてなる多数
の微細な孔を有する薄物を押圧下に熱処理する工程 以下、本発明について詳細に説明するが、本発明を図に
よって説明する場合、図示したものは本発明の例に過ぎ
ず、本発明は図示されたものに限定されるものではな
い。また、図は本発明を分かり易く描くことに重点を置
いており、縮尺は必ずしも実際のものを正確に反映した
ものではない。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の粘着テープの斜視図を図
6に例示する。この図に示す粘着テープの基材31は熱
可塑性樹脂製フィルムからなる単層の薄物であって、そ
の幅方向には多数の溝状の凹部32(図2に示す溝状の
凹部5と同様の凹部)が形成され、厚さ方向には多数の
微細な孔33が形成されており、粘着剤層34は凹部が
存在する面に塗布されている。この粘着テープの手切れ
性は凹部32および孔33の両方によるものであるか
ら、手切れ性を凹部6のみによって発現させている図3
に示す粘着テープに比べて凹部の深さを浅くすることが
でき、その結果、基材の厚さを薄くした粘着テープを得
ることができる。
【0014】本発明の粘着テープの基材にかかる熱可塑
性樹脂の種類は特に制限されず、例えば溶融押出成形法
やインフレーション法等の成形方法でフィルム状に成形
し得るものであればよい。かかる熱可塑性樹脂として、
ポリオレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレート樹脂
やポリエチレンナフタレート樹脂等のポリエステル樹
脂;硬質塩化ビニル樹脂等の塩化ビニル樹脂;ポリメチ
ルメタクリレート樹脂等のメタクリル樹脂等を例示する
ことができ、好ましい熱可塑性樹脂としてポリオレフィ
ン樹脂やポリエステル樹脂を例示し得る。ポリオレフィ
ン樹脂としてポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、
エチレンとプロピレンとの共重合体樹脂、エチレン及び
/又はプロピレンと他の一種または二種以上のα−オレ
フィンとの共重合体樹脂などを例示することができ、好
ましいポリオレフィン樹脂としてポリエチレン樹脂やポ
リプロピレン樹脂を例示し得る。ここで、α−オレフィ
ンとしてブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘ
プテン−1、オクテン−1、ノネン−1、4−メチルペ
ンテン−1、デセン−1等を例示し得る。
【0015】本発明の粘着テープの基材にかかる熱可塑
性樹脂はポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂の単独
であってもよいが、ポリエチレン樹脂は融点が比較的低
いために、基材に粘着剤を塗布した後の乾燥工程の温度
を高めることができないので乾燥工程に時間がかかり、
その結果、粘着テープの生産性に満足できない場合があ
る。また、ポリプロピレン樹脂は比較的高い融点を有す
るものの柔軟性が不十分であり、また、図4に示す押出
機12と絞ロール13・平滑ロール14との間におい
て、フィルムに対してその加工方向(図の上下方向)に
張力(配向)がかかってフィルムの幅方向の引裂強度が
増大し、その結果、粘着テープの手切れ性に好ましくな
い影響を与える場合がある。そこで、特に手切れ性およ
び柔軟性が良好であり、且つ、粘着テープの生産性も良
好な粘着テープを得たい場合には、ポリプロピレン系樹
脂10重量%〜80重量%、ポリエチレン系樹脂10重
量%〜80重量%及び熱可塑性エラストマー10重量%
〜80重量%を含む熱可塑性樹脂組成物で例示するよう
な熱可塑性樹脂組成物を用いればよい。
【0016】前記熱可塑性樹脂組成物にかかるポリプロ
ピレン系樹脂とはプロピレンから誘導される高分子鎖を
主体とする熱可塑性樹脂であって、公知の樹脂であって
もよい。該樹脂としてプロピレンの単独重合体樹脂(ホ
モポリプロピレン樹脂);プロピレンとエチレンとの共
重合体樹脂、プロピレンとブテンとの共重合体樹脂、プ
ロピレンとエチレンとブテンとの共重合体樹脂等のプロ
ピレンと1種また2種以上のα−オレフィンとの共重合
体樹脂;これら樹脂の混合物を例示することができ、共
重合体樹脂はランダム共重合体樹脂であってもブロック
共重合体樹脂であってもかまわない。「粘着テープの生
産性の向上」の観点から、耐熱性に優れた(融点の高
い)ホモポリプロピレン樹脂が好ましい。ポリプロピレ
ン系樹脂の物性は特に限定されず、粘着テープの用途等
に応じて適宜に設定すればよいが、手切れ性の観点から
はメルトフローレート(以下、MFRとも言う)が約3
0g/10分以上なる大のものが好ましい。
【0017】前記熱可塑性樹脂組成物にかかるポリエチ
レン系樹脂とは、エチレンから誘導される高分子鎖を主
体とする熱可塑性樹脂であって、公知の樹脂であっても
よい。該樹脂としてエチレンの単独重合体樹脂(ホモポ
リエチレン樹脂);エチレンとプロピレンとの共重合体
樹脂、エチレンとブテンとの共重合体樹脂、エチレンと
プロピレンとブテンとの共重合体樹脂等のエチレンと1
種また2種以上のα−オレフィンとの共重合体樹脂;こ
れら樹脂の混合物を例示することができ、共重合体樹脂
はランダム共重合体樹脂であってもブロック共重合体樹
脂であってもかまわない。フィルムに成形するときの製
膜安定性の観点から、例えば高圧重合法によって製造さ
れる分岐型低密度ポリエチレン樹脂などの溶融張力の大
きい樹脂が好ましい。ポリエチレン系樹脂のMFR・密
度などの物性については特に限定はなく、成形性や粘着
テープの用途等に応じて適宜に設定すればよい。
【0018】前記熱可塑性樹脂組成物にかかる熱可塑性
エラストマーとは、ゴムと類似の物理的特性(例えば柔
軟性や反発弾性)を有しているにもかかわらず、通常の
ゴムとは対照的に、熱可塑性樹脂と同様に加工し得る高
分子物質である。熱可塑性エラストマーは公知の熱可塑
性エラストマーであってもよく、エチレンとプロピレン
との共重合体(EPR)、エチレンとブテンとの共重合
体(EBR)、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、
プロピレンとα−オレフィン(ブテン等)との共重合体
等のオレフィン系熱可塑性エラストマー;オレフィン重
合体の分子鎖の片末端または両末端にスチレン重合体が
結合した型の共重合体等のスチレン−オレフィン系熱可
塑性エラストマー;スチレンとブタジエンとのブロック
共重合体(SB、SBS)やその水素添加物(SEB、
SEBS)等のスチレン−ブタジエン系熱可塑性エラス
トマー;スチレンとイソプレンとのブロック共重合体
(SI、SIS)やその水素添加物(SEP、SEP
S)等のスチレン−イソプレン系熱可塑性エラストマー
を例示し得る。
【0019】好ましい熱可塑性エラストマーは、フィル
ムの柔軟性や強度および組成物における分散性を向上さ
せる観点から、EPRやEBR等のエチレンとα−オレ
フィンとの共重合体であるオレフィン系熱可塑性エラス
トマーであって、密度が0.900g/cc以下のもの
である。密度が0.900g/ccより大のものは、エ
ラストマーではなく結晶性の樹脂であるから、柔軟性や
分散性の観点から好ましくない。熱可塑性エラストマー
のMFRは特に制限されないが、組成物における分散性
の観点から、該MFRと組成物を構成するポリプロピレ
ン系樹脂やポリエチレン系樹脂のMFRとが大きくかけ
離れていなことが好ましい。
【0020】前記熱可塑性樹脂組成物を構成する成分の
配合割合は、ポリプロピレン系樹脂10重量%〜80重
量%、ポリエチレン系樹脂10重量%〜80重量%及び
熱可塑性エラストマー10重量%〜80重量%である
が、耐熱性に優れたフィルムを得るという観点から、ポ
リプロピレン系樹脂が組成物の連続相を形成し得る割合
であるポリプロピレン系樹脂50重量%以上が好まし
い。また、フィルムの柔軟性や強度を向上させる観点か
らは熱可塑性エラストマーを増量すればよく、製膜安定
性を向上させる観点からはポリエチレン系樹脂を増量す
ればよい。
【0021】前記熱可塑性樹脂組成物を用いた場合の好
ましい基材、すなわち耐熱性・柔軟性・機械的強度がよ
り優れた基材の物性は、(イ)熱機械測定における1%
以上の寸法変化が観測される温度が120℃以上である
こと;(ロ)前記1%の寸法変化時の荷重がMD方向お
よびTD方向ともに1.0kg/20mm幅以下である
こと;(ハ)引張試験における伸びがMD方向およびT
D方向ともに50%以上であることである。前記(イ)
が満たされている基材は耐熱性がより優れており、前記
(ロ)が満たされている基材は柔軟性がより優れてお
り、前記(ハ)が満たされている基材は機械的強度がよ
り優れている(伸びがあり脆くない)。
【0022】前記熱可塑性樹脂組成物を用いた場合の好
ましい基材は、MD方向の伸びが500%以下であるこ
とが好ましい。伸びが500%より大きい基材の場合、
粘着テープを手で切る際に切断の開始点において基材が
伸びてしまい、その部分にネッキング現象が発生して基
材の引裂強度が上昇し、その結果、手切れ性が良好でな
くなる場合がある。
【0023】本発明の粘着テープの基材にかかる凹部の
形状は特に限定されず、例えば基材の一方の端から他方
の端まで連続的に形成されたブイ(V)字谷形の形状で
ある(図2参照)。図2に示す形状は好ましい形状であ
るが、本発明の粘着テープの基材にかかる凹部の形状は
この形状のものに限定されず、ユー(U)字谷形のごと
き他の形状のものであってもよく、また、切れ目のある
非連続的に形成されてなるものであってもよい。
【0024】本発明の粘着テープの基材にかかる凹部の
サイズ(図2参照)について、深さDは好ましくは0.
02mm〜0.3mm、より好ましくは0.03〜0.
3mm、さらに好ましくは0.04mm〜0.12mm
であり、0.02mm未満では手切れ性が不満足であ
り、0.3mmより大では手切れ性は良好なるものの長
手方向の抗張力が小であり、深さが極端に大になると巻
物から粘着テープを展開する時に粘着テープが思わぬ箇
所で切れるという不都合の起こることがある。凹部同士
の間隔Wは、手切れ性の良好な粘着テープを得るという
観点から好ましくは0.5mm〜5mm、より好ましく
は0.6mm〜1.4mmである。厚さTは用途等によ
って適宜決定すればよく、一般に0.04mm〜0.4
mmの範囲内である。また、厚さTと深さDとの差(T
−D)は、手切れ性の良好な粘着テープを得るという観
点から、一般に0.01mm〜0.1mmである。
【0025】本発明の粘着テープの基材にかかる凹部を
形成する方法は制限されないが、前記の特許第2694
858号公報に記載された方法(図4参照)、すなわち
薄物を絞ロール13と平滑ロール14との間で押圧して
薄物に凹部を形成する方法が簡便で一般的な方法であ
る。この方法において、薄物として用いる熱可塑性樹脂
製フィルムは未延伸フィルムでも延伸フィルムでも構わ
ないが、未延伸フィルムの方が好ましい。なぜなら、延
伸フィルムを用いる場合、凹部を形成するためには延伸
フィルムを加熱して軟化させねばならないところ、軟化
させると延伸度が低下するので、延伸フィルムを用いる
意義が低下するからである。なお、図4に示す方法で凹
部を形成させる場合、押出機12から押し出された直後
の未だ軟化状態にある薄物をそのまま絞ロール13と平
滑ロール14との間で押圧してもよいし、予め製造され
た室温下の薄物(固化状態にある薄物)を加熱して軟化
させたあと、絞ロール13と平滑ロール14との間で押
圧してもよい。図4に示す方法で凹部を有する薄物を製
造する場合、凹部の形状を不都合な程度にまで変形させ
たり等しない限り、薄物の機械的強度を高める等の目的
のために、絞ロールと平滑ロールとによる押圧の後に薄
物を延伸処理してもよい。
【0026】ここで、本願明細書で用いられる基材等の
薄物にかかる「平滑面」とは実質的に平滑な面を意味す
る用語であって、物理的に全く凹凸のない面を意味する
ものではなく、絞ロール等を用いて積極的に凹部等を形
成させて得られる「非平滑面」に対して用いられる用語
である。従って、前記の絞ロールと平滑ロールとによる
押圧後の延伸処理によって、平滑ロールと接触した履歴
を有する面に非平滑面とは比較にならいな程度の多少の
凹凸が平滑面に発生したとしても、その程度の凹凸を有
する面は非平滑面ではなく平滑面であると言う。同様
に、本願明細書でいう「平滑ロール」とは、実質的に平
滑な表面を有するロールを意味するものであって、物理
的に厳密な意味での平滑な表面を有するロールを意味す
るものではない。
【0027】本発明の粘着テープの基材にかかる多数の
微細な孔の孔径・孔密度(孔数)は、粘着テープに手切
れ性を付与し得る範囲でありさえすればよく、一般に孔
径D(図5参照)は2μm〜4mm、好ましくは20μ
m〜800μm、更に好ましくは20μm〜400μm
であり、孔密度は、孔径Dにも関係するが、単位表面積
(1cm2 )当たり4個〜400個、好ましくは9個〜
72個である。ここで、本発明において、孔形状が円形
の場合の孔径とはその直径を意味するが、孔形状が円形
以外の形状の場合の孔径とは、該孔と同面積の円の直径
を意味するものとする。孔形状(孔径Dの部分の形状)
は粘着テープに手切れ性を付与し得るものでありさえす
ればよく、孔を形成するための針等の治具の形状に依存
するが、円形・楕円形・角形・不定形である。孔配列も
粘着テープに手切れ性を付与し得るものでありさえすれ
ばよく、無秩序な配列であってもよいし格子状のごとき
秩序ある配列であってもよいが、粘着テープを真っ直ぐ
に切断する観点から粘着テープの幅方向の直線状に配列
することが好ましい。
【0028】本発明の粘着テープの切断の開始点での手
切れ性の良否は、粘着テープの切断の開始点である幅方
向の端部の引き裂き性の良否に依存し、端部の引き裂き
性の良否は引き裂きに対する抵抗(端裂抵抗)の大小に
依存するから、切断の開始点での手切れ性を良好にする
ためには、基材の端部の孔密度を基材の中央部の孔密度
より大とするというように孔密度に傾斜を持たせてもよ
い。
【0029】本発明の粘着テープにかかる粘着剤は特に
制限されず、粘着テープの分野において公知の粘着剤で
あってもよい。粘着剤としてアクリル系粘着剤、ビニル
エーテル系粘着剤、シリコン系粘着剤、ゴム系粘着剤等
を例示し得る。粘着剤の形態も特に制限されず、溶液型
粘着剤、エマルジョン型粘着剤、ホットメルト型粘着剤
等のどの型のものでもよい。後記の孔径d(図8参照)
が十分に小さくない場合、基材のどちら側に粘着剤を塗
布した時でも粘着剤の裏抜け(裏抜けとは、粘着剤等の
塗布剤が基材の反対側の面にまで達すること)が起こり
易くなるので、裏抜けの問題を起こさないためには粘度
(20℃)が約8000cps〜約70000cps、
好ましくは約20000cps〜約50000cpsな
る高粘度の粘着剤が好ましい。孔径dが小さい場合は約
2000cps〜約8000cpsなる低粘度の粘着剤
でも裏抜けの問題が起こらない。
【0030】本発明の粘着テープは、基材の一方の面の
みに粘着剤を塗布してなる粘着テープだけでなく、基材
の他の面にも粘着剤を塗布した両面粘着テープも意味す
るものとし、また、再剥離型のテープも意味するものと
する。再剥離型の粘着テープとする場合、粘着剤は再剥
離型のテープの分野で公知の粘着剤の中から適宜選んで
もよい。基材への粘着剤の塗布方法は特に制限されず、
例えばロールコーター法など粘着テープの分野で公知の
方法を採用してもよい。
【0031】本発明の粘着テープにかかる粘着剤層の厚
さは特に制限されず、粘着テープのサイズ(基材の幅や
厚さ)や用途等に応じて適宜決めればよく、一般に10
μm〜50μmである。本発明の粘着テープの製造方法
は特に制限されないが、好ましい方法として前記の製造
方法を例示し得る。
【0032】工程(1)にかかる熱可塑性樹脂製フィル
ムは前記に例示した熱可塑性樹脂から製造されるフィル
ムであり、また熱可塑性樹脂をフィルムに成形する方法
は制限されず、前記の溶融押出法やインフレーション法
等の公知の方法で成形してもよい。工程(1)にかかる
熱可塑性樹脂製フィルムからなる薄物に針ロールで多数
の微細な孔を形成させる方法は制限されないが、図7に
示す方法が簡便で好ましい方法である。この方法は、表
面がシリコンゴムやウレタン樹脂のような軟質の素材で
被覆された平滑なロール(この平滑ロール41は公知の
ロールである)と針ロール42との間で薄物23を例え
ば室温下に押圧することによって、多数の微細な孔21
を有する薄物23を連続的に製造する方法である。図7
の左側から連続的に供給される熱可塑性樹脂製フィルム
からなる薄物23を、針ロール42と平滑ロール41と
の間に通して両ロール41・42で押圧し、針ロール4
2の針45が平滑ロール41の軟質の素材に突き刺さる
程度にまで針45を薄物に貫通させることによって、多
数の微細な孔21を有する薄物23が得られる。針ロー
ルとは多数の微細な径の硬い突起状物を表面に有するロ
ールを意味し、該ロールとしては先端が鋭利な多数の硬
質の金属製の微細な径の針状物を表面に埋め込んだロー
ルを例示することができ、このロールは公知である。
【0033】図5は、図7に示す態様で得られる多数の
微細な孔21を有する熱可塑性樹脂製フィルムからなる
薄物23を、一個の孔21に焦点を当てて模式的に示す
断面図であり、図5に示す薄物23の上側の面すなわち
平滑ロール41と接触した履歴を有する面の孔21の周
辺部には、バリ22が面から上方向に立ち上がった状態
で存在している。
【0034】工程(2)にかかる押圧下の熱処理は、例
えば加熱された表面が平滑な金属ロールと表面が平滑な
ゴムロールとの間で薄物を押圧する処理であって、面か
ら上方向に立ち上がっていた図5に示すバリ22は、こ
の工程において図8に示すように実質的に平坦化され
る。図8はバリ22が平坦化された薄物23を模式的に
示す断面図である。図5に示す薄物23の面から上方向
に立ち上がっていたバリ22は、押圧下の熱処理よって
図8に示すように、薄物23の上側の面とほぼ同一の面
にまで平坦化される。すなわち、図8に示す薄物23
は、孔21を有しているにもかかわらず面から上方向に
立ち上がったバリ22を実質的に持たないものである。
図8に示す平坦化されたバリ22は孔21を覆うので、
図8の上側の孔径dは押圧下の熱処理前の孔径(図5の
上側の孔径)より小さい孔径にまで縮小化される。孔径
dは一般に孔径Dの約1/10〜約1/4であるが、熱
可塑性樹脂製フィルムからなる薄物の種類等の条件を適
宜選ぶことにより、孔径dを部分的にゼロにすることが
でき、この場合の孔は非貫通孔となる。ここで、「孔径
dが部分的にゼロである」とは、孔のいずれかの部分
(例えば薄物の表面に近い内部)が塞がれていることを
意味する。
【0035】バリが平坦化され且つ孔径dが部分的にゼ
ロである(非貫通孔である)薄物は、孔が非貫通孔であ
るから低粘度の粘着剤でさえも裏抜けの問題を起こさ
ず、且つ、バリが平坦化されているから粘着剤を有効に
塗布することができる(粘着剤の塗布量が少なくてす
む)という観点から、更に、印刷インク(印刷インクの
粘度は概して低粘度である)を用いて粘着テープの背面
に文字や絵柄等を印刷する場合、孔が非貫通孔であるか
ら裏抜けの問題を起こさず、且つ、バリが平坦化されて
いるから鮮明に印刷できるという観点から、好ましいも
のである。
【0036】工程(2)における熱処理の温度は、粘着
テープの基材としての特性を阻害せずにバリを平坦化さ
せる得る温度であり、熱可塑性樹脂の軟化点等の熱的特
性に応じて適宜設定すればよい。一般に、熱可塑性樹脂
がポリプロピレン樹脂のときの熱処理温度は約120℃
〜約240℃であり、ポリエチレン樹脂のときの熱処理
温度は約80℃〜約180℃である。
【0037】本発明の粘着テープにかかる基材の最も単
純な態様は、図6に示すような、幅方向に形成されてな
る多数の溝状の凹部32と、厚さ方向に形成されてなる
多数の微細な孔33(バリは平坦化されている)とを有
する熱可塑性樹脂製フィルムのみからなる単層の基材3
1である。この基材の製造方法として、先ず例えば図4
に示す方法で幅方向に多数の溝状の凹部を有するフィル
ムを製造した後、次いで該フィルムに図7に示すような
方法で立ち上がったバリを有する多数の孔21を厚さ方
向に形成させ、最後に該フィルムを押圧下に熱処理する
製造方法を例示することができる。なお、図示はしてい
ないが、図6に示す基材31において、粘着剤層34は
基材31の平滑面(図の上側の面)に塗布してもよい
し、基材31の両面に塗布してもよい。
【0038】本発明の粘着テープにかかる基材は図6に
示す態様のものに限定されず、本発明の目的を損なわな
い限りにおいて、複数枚のフィルムを積層してなる多層
のものであってもよく、基材用の素材としては樹脂の他
に紙・布・金属等を例示し得る。多層の基材としては、
幅方向に形成されてなる多数の溝状の凹部を有する熱可
塑性樹脂製フィルムと、厚さ方向に形成されてなく多数
の微細な孔を有する熱可塑性樹脂製フィルムとの積層フ
ィルムからなる基材が好ましい。中でも厚さ方向に形成
されてなる多数の微細な孔を有する熱可塑性樹脂製フィ
ルムが熱可塑性樹脂製延伸フィルムである基材がさらに
好ましい。
【0039】図9は多層の基材51に粘着剤52を塗布
してなる本発明の粘着テープの別の態様を示す斜視図で
ある。この図に示す基材は上下2つの層を接着剤53で
積層してなるものであって、上側の層は孔54を有する
層であり、下側の層は凹部55を有する層である。ここ
で、上側の層としては、ポリプロピレン樹脂等のポリオ
レフィン樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂等のポ
リエステル樹脂などから製造される一軸または二軸に延
伸されたフィルムを例示することができる。図9に示す
ような多層の基材の製造方法として、(イ)バリが平坦
化された孔を有する上側の層と凹部を有する下側の層と
を別々に製造した後、これらの層を接着剤等で積層して
基材を得る方法、(ロ)バリが平坦化されていない孔を
有する上側の層と凹部を有する下側の層とを別々に製造
した後、これらの層を接着剤等で積層し、次いで積層し
た薄物を押圧下に熱処理して基材を得る方法、を例示し
得る。図示はしていないが、図9に示す基材51におい
て、基材51の下側の層は凹部が下向きになるように位
置させてもよく、粘着剤は基材の上側の層に塗布しても
よいし、上側および下側の双方の層に塗布してもよい。
【0040】また、図示はしていないが、図9に示すよ
うな2層の基材を用いる粘着テープの場合、未だ孔を形
成していない上側の層と凹部を有する下側の層とを積層
してなる薄物に針ロールで孔を形成し(図7参照)、し
かるのち押圧下に熱処理して基材を得、該基材に粘着剤
を塗布してもよい。この場合、基材における凹部の位置
は図9に示すように基材の内部に位置していてもよい
し、基材の外側に向かって位置していてもよい。
【0041】更に、図示はしていないが、図9に示すよ
うな基材51と類似の基材は、バリが平坦化された又は
平坦化されていない孔を有するフィルムの上に溶融押出
法により熱可塑性樹脂製フィルムを積層して薄物を得た
後、該薄物の熱可塑性樹脂製フィルムの側を絞ロールに
向き合わせて図4に示す絞ロール13と平滑ロール14
との間で押圧することにより、熱可塑性樹脂製フィルム
の側に凹部を形成することにより製造し得る。この基材
における凹部は、基材の外側に向かって位置している。
【0042】多層の基材を用いる場合、得られる粘着テ
ープの手切れ性が阻害されない限り、全ての層が孔を有
することは必須ではない。例えば、図10に例示するよ
うな上側の層、中間の層および下側の層の3つの層を積
層してなる基材61を用いる粘着テープの場合、孔を有
さないと良好な手切れ性を示さない層(基材の上側の
層)には孔62を形成するが、孔を有していなくても手
切れ性の良好な樹脂・紙・布・金属等からなる層(孔も
凹部も有さない中間の層や、凹部を有する下側の層)に
孔を形成することは必須ではない。図10に示す粘着テ
ープにおいて、粘着剤63は基材61の下側の層の非平
滑面64に塗布されており、図9に示す粘着テープの場
合のように平滑面に塗布されているものではない。な
お、図示はしていないが、図10に示す粘着テープにお
いて、粘着剤は基材の上側の層に塗布してもよいし、上
側および下側の双方の層に塗布してもよい。
【0043】図10に示すような多層の基材の製造方法
として、(イ)バリが平坦化された孔を有する上側の
層、中間の層および下側の層を別々に製造した後、これ
らの層を接着剤等で積層して基材を得る方法、(ロ)バ
リが平坦化されていない孔を有する上側の層、中間の層
および下側の層を別々に製造した後、これらの層を接着
剤等で積層し、次いで積層した薄物を押圧下に熱処理し
て基材を得る方法、(ハ)前記(ロ)の方法において、
上側の層と中間の層とを接着剤等で積層した後、これを
押圧下に熱処理し、次いで熱処理した薄物と下側の層と
を接着剤等で積層して基材を得る方法、を例示し得る。
【0044】図示はしていないが、図10に示すような
多層の基材において、上側の層のみならず中間の層も良
好な手切れ性を示すものでない場合、中間の層にも孔を
形成すればよい。また、図示はしていないが、図10に
示すような多層の基材において、上側の層および中間の
層のみならず凹部を有する下側の層も孔を有していても
よい。これらの基材は、前記の製造方法に準じて製造す
ることができる。
【0045】図9や図10に例示する多層の基材におい
て、孔を有さないと良好な手切れ性を示さない層の厚さ
は、粘着テープの用途等によって適宜に決定すればよく
特に制限されさないが、一般に1μm〜200μm、好
ましくは10μm〜80μmである。多層の基材を用い
る場合、各層の素材や層と層とを接合する接着剤を選ぶ
ことによって、層間割れ(粘着テープを切断したとき、
切断部において層と層とが剥がれる現象)の起こり難い
粘着テープを得ることができる。なお、基材や粘着剤層
は、本発明の目的を損なわない範囲で、粘着テープの用
途等に応じて各種の充填剤や着色剤等を含んでいてもよ
い。
【0046】本発明の基材を構成する層は、粘着剤を塗
布する基材の面と粘着剤との親和性を高めるために、ま
た、接着剤による層同士の接合を高めるために、粘着剤
や接着剤を塗布する層の面を予めコロナ放電処理やプラ
イマー処理しておいてもよく、これらの前処理は粘着テ
ープの分野で良く知られたものである。
【0047】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例によりその範囲を限
定されるものではない。実施例1 密度が0.950g/cc、190℃・2.16kgで
のメルトインデックスが10の高密度ポリエチレン樹脂
Aと、密度が0.920g/cc、190℃・2.16
kgでのメルトインデックスが15の分岐型低密度ポリ
エチレンBとを、AとBの混合比率が40/60となる
ように混合し、160℃〜190℃にて単軸押出機−T
ダイによって押出加工を行って溶融フィルムを得た。フ
ィルム製造に当たっては該溶融フィルムの一面を平滑面
に形成できるようなゴムロールと他面を凹凸面に形成で
きるような表面を有する絞ロールとで押圧し冷却固化
し、両面を45ダインの強度にコロナ処理して絞りフィ
ルム(以下、PEフィルムと呼ぶ。)を得た。
【0048】また、OPPフィルム25μm(商品名
サントックス(株)製PA−20両面コロナ処理)に3
0μm径の針で縦、横2mm間隔の正目で貫通させ、そ
の後120℃の加熱ロールに抱かせて加圧し、孔開きの
OPPフィルムを得た。上記PEフィルムを上記孔開き
のOPPフィルムとラミネートした。ラミネートはドラ
イラミネートとしウレタン系 硬化型接着剤(商品名
#3540ノーテープ工業(株)製)を、リバースコー
ターでPEフィルムの平滑面に固形分5μm厚みで塗布
し、孔開きのOPPフィルムとラミネートをした。
【0049】こうして得た複合フィルムのPEフィルム
面にアクリル系粘着剤(商品名OLY5094昭和高分
子(株)製)を固形部分の厚みが25μmになるように
塗布し粘着テープを得た。性能評価をPEフィルムの結
果(参考例1)と併せ、表1に示した。実施例2 230℃・2.16kgでのメルトインデックスが50
のポリプロピレン樹脂Aと、密度が0.919g/c
c、190℃・2.16kgでのメルトインデックスが
7.0の分岐型低密度ポリエチレンBと、密度が0.8
70g/cc、190℃・2.16kgでのメルトイン
デックスが5.0の超低密度ポリエチレンC(ダウケミ
カル製エンゲージEG8200)とを、A/B/Cの混
合比率が60/20/20となるように混合し、180
℃〜200℃にて単軸押出機−Tダイによって押出加工
を行って溶融フィルムを得た。フィルム製造に当たって
は該溶融フィルムの一面を平滑面に形成できるようなゴ
ムロールと他面を凹凸面に形成できるような表面を有す
る絞ロールとで押圧し冷却固化し、両面を45ダインの
強度にコロナ処理して絞フィルム(以下、CPPフィル
ムと呼ぶ。)を得た。
【0050】次いで、OPPフィルム25μm(商品名
トレファンYT−22東レ(株)製)と、上記CPP
フィルムとをラミネートした。ラミネート接着剤および
塗布厚みは実施例1同様とした。但し、該接着剤はCP
Pフィルムの平面ではなく溝入りの凹凸面に塗布しラミ
ネートした。こうして得た、複合フィルムを実施例1と
同様の条件で孔あけ後、熱加熱、閉口させた。次いでC
PPフィルム面にアクリル系剥離剤(商品名ピーロイル
#1010一方社油脂工業(株))を重量0.5kg/
2 をグラビヤコーターで塗布し、反対面のOPPフィ
ルム面に粘着剤を実施例1と同様に散布し、粘着テープ
を得た。性能評価結果をCPPフィルムの結果(参考例
2)と併せ表1に示した。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】幅方向に形成されてなる多数の溝状の凹
部と、厚さ方向に形成されてなる多数の微細な孔とを有
する基材であって、該孔の形成時に生じたバリを平坦化
させた基材を用いることによって、手切れ性および機械
的強度が良好で嵩張らない本発明の粘着テープを得るこ
とができる。本発明の粘着テープは、熱可塑性樹脂製フ
ィルムからなる薄物の幅方向に形成されてなる多数の溝
状の凹部と、前記工程(1)及び工程(2)によって厚
さ方向に形成されてなる多数の微細な孔とを有する薄物
からなる基材の少なくとも一方の面に粘着剤を塗布する
ことによって製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ロール状に重ね巻きされた巻物の形態の粘着テ
ープを示す斜視図である。
【図2】一方の面が平滑面に、他方の面が幅方向に多数
の溝状の凹部を有する面(非平滑面)に形成されてなる
熱可塑性樹脂製基材を示す斜視図である。
【図3】図2に示す基材と粘着剤層とからなる従来の粘
着テープを示す斜視図である。
【図4】図2に示す基材の製造方法を示す図である。
【図5】孔の周辺部において立ち上がったバリを有する
薄物を示す断面図である。
【図6】本発明の粘着テープを示す斜視図である。
【図7】薄物に針ロールで多数の微細な孔を形成する方
法を示す面である。
【図8】バリが平坦化された薄物を示す断面図である。
【図9】本発明の別の粘着テープを示す斜視図である。
【図10】本発明の更なる粘着テープを示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1…基材 2…粘着剤層 3…背面 4…平滑面 5…凹部 6…非平滑面 7…基材 8…粘着剤層 11…溶融されたポリオレフィン樹脂 12…押出機 13…絞ロール 14…平滑ロール 15…電極 16…平滑ロール 21…孔 22…バリ 23…薄物 31…基材 32…凹部 33…孔 41…平滑ロール 42…針ロール 45…針 51…基材 52…粘着材層 53…接着剤 54…孔 55…凹部 61…基材 62…孔 63…粘着剤層 64…非平滑面 65…接着剤

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂製フィルムからなる薄物の
    幅方向に形成されてなる多数の溝状の凹部と、厚さ方向
    に形成されてなる多数の微細な孔とを有する薄物からな
    る基材であって、該孔の形成時に生じたバリは平坦化さ
    れてなる基材および粘着剤層からなる粘着テープ。
  2. 【請求項2】 基材の厚さが0.04mm〜0.4m
    m、凹部の深さが0.02mm〜0.3mm、凹部の間
    隔が0.5mm〜5mmの凹部であり、基材の厚さと凹
    部の深さとの差が0.01mm〜0.1mmである請求
    項1記載の粘着テープ。
  3. 【請求項3】 基材が、幅方向に形成されてなる多数の
    溝状の凹部を有する熱可塑性樹脂製フィルムと、厚さ方
    向に形成されてなる多数の微細な孔を有する熱可塑性樹
    脂製フィルムとの積層フィルムからなる基材である請求
    項1記載の粘着テープ。
  4. 【請求項4】 厚さ方向に形成されてなる多数の微細な
    孔を有する熱可塑性樹脂製フィルムが熱可塑性樹脂製延
    伸フィルムである請求項3記載の粘着テープ。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂製フィルムがポリオレフィ
    ン樹脂製フィルムである請求項1記載の粘着テープ。
  6. 【請求項6】 粘着剤が基材の凹部を有する面に塗布さ
    れてなる請求項1記載の粘着テープ。
  7. 【請求項7】 孔径が2μm〜4mm、孔密度が4個〜
    400個(1cm2当たり)である請求項1記載の粘着
    テープ。
  8. 【請求項8】熱可塑性樹脂製フィルムからなる薄物の幅
    方向に形成されてなる多数の溝状の凹部と、厚さ方向に
    形成されてなる多数の微細な孔とを有する薄物からなる
    基材の少なくとも一方の面に粘着剤を塗布してなる粘着
    テープの製造方法であって、該孔の形成が次の工程から
    なる粘着テープの製造方法。 工程(1):熱可塑性樹脂製フィルムからなる薄物の厚
    さ方向に、針ロールで多数の微細な孔を形成する工程 工程(2):針ロールで厚さ方向に形成されてなる多数
    の微細な孔を有する薄物を押圧下に熱処理する工程
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006022193A (ja) * 2004-07-07 2006-01-26 Sekisui Film Kk 粘着テープ基材及び粘着テープ
WO2009119515A1 (ja) * 2008-03-26 2009-10-01 リンテック株式会社 粘着シート
CN108192516A (zh) * 2018-02-05 2018-06-22 江苏新光镭射包装材料股份有限公司 一种仿树蛙足垫结构钢化膜及其加工方法

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