JP2000191938A - 耐熱性黄色顔料並びに該耐熱性黄色顔料を用いた塗料及び樹脂組成物 - Google Patents

耐熱性黄色顔料並びに該耐熱性黄色顔料を用いた塗料及び樹脂組成物

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JP2000191938A
JP2000191938A JP10367321A JP36732198A JP2000191938A JP 2000191938 A JP2000191938 A JP 2000191938A JP 10367321 A JP10367321 A JP 10367321A JP 36732198 A JP36732198 A JP 36732198A JP 2000191938 A JP2000191938 A JP 2000191938A
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峰子 大杉
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一之 林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた分散性と優れた耐熱性を有するととも
に、耐熱性改善処理工程の前後における色相の変化が小
さい耐熱性黄色顔料を工業的に得る。 【解決手段】 含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面にFe及
びAlからなる含水酸化物が被着されており、該被着含
水酸化物中のFe量が上記含水酸化鉄粒子粉末に対して
0.1〜50重量%であって、Al量が上記含水酸化鉄
粒子粉末に対して0.1〜10重量%であり、且つ、上
記被着含水酸化物中のAlとFeの原子比が1:0.5
〜1:20である平均長軸径0.1〜1.0μmの複合
含水酸化鉄粒子粉末であることを特徴とする耐熱性黄色
顔料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた分散性と優れた
耐熱性、殊に、耐熱温度255℃以上を有するととも
に、耐熱性改善処理工程の前後における色相の変化が小
さい耐熱性黄色顔料を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】黄色顔料は、ビヒクル中や樹脂組成物中
に分散させて、樹脂、塗料、印刷インキ、道路アスファ
ルトを製造する際の着色顔料として広く使用されてい
る。黄色は交通上の規則や警戒を表す色であることか
ら、殊に、道路アスファルト用や路面表示塗料(トラフ
ィックペイント)用着色顔料としての用途が拡大してお
り、作業能率の面からビヒクル中や樹脂組成物中におけ
る分散性が優れていることが要求される。
【0003】従来、黄色顔料としては、クロム酸鉛、ク
ロム酸ストロンチウム、硫化カドミウム、含水酸化鉄等
が知られており、広く使用されている。
【0004】上記クロム酸鉛、クロム酸ストロンチウ
ム、硫化カドミウム等は、耐熱性に優れているため、樹
脂、塗料、印刷インキ等の着色顔料として広く使用され
ているが、毒性、発癌性を有することから、衛生及び安
全性の観点から、また、環境汚染防止の観点から代替黄
色顔料が強く要求されている。
【0005】黄色顔料としての含水酸化鉄粒子粉末は、
無毒であり、衛生及び安全性の観点から、また、環境汚
染防止の観点から優れたものではあるが、耐熱性の点で
劣っているという問題がある。
【0006】即ち、含水酸化鉄粒子は、Fe・n
Oで示される通り結晶水を有しており、加熱温度を
上げていくと、一般に200℃前後で脱水が開始し、2
30℃程度の温度で赤褐色のヘマタイト(α−Fe
)粒子に変態する。
【0007】そのため、通常200℃以上の高温度で成
形加工されているポリエチレン、ポリプロピレン、スチ
レン重合体、ポリアミド、ポリオレフィン、ABSなど
の熱可塑性樹脂や施工時に200〜260℃で加熱した
り、溶融樹脂と共に使用される路面表示用塗料(トラフ
ィックペイント)等に含水酸化鉄粒子粉末を使用するこ
とは困難であった。
【0008】そこで、含水酸化鉄粒子粉末の耐熱性を向
上させるために種々の処理を施すことが行われている
が、耐熱性改善処理工程の前後で色相の変化が大きい
と、着色顔料の命ともいうべき色相面からの製品設計が
困難となることから、耐熱性改善処理工程の前後におけ
る色相の変化ができるだけ小さいことが要求される。
【0009】従来、含水酸化鉄粒子の耐熱性を向上させ
るための改善が種々試みられており、(1)含水酸化鉄
粒子をオートクレーブを用いて水又はアルカリ水溶液中
で水熱処理する方法(特公昭53−28158号公報
等)、(2)含水酸化鉄粒子の粒子表面をアルミニウム
化合物、ケイ素化合物等で被覆したり、含有、固溶させ
る方法(特公平6−17237号公報等)、(3)上記
(1)の方法と(2)の方法を組み合わせる方法(特公
昭49−16531号公報、特公昭54−7293号公
報、特公昭55−8462号公報、特開昭57−577
55号公報等)等が知られている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】優れた分散性と優れた
耐熱性を有するとともに、耐熱性改善処理工程の前後に
おける色相の変化が小さい含水酸化鉄粒子粉末は現在最
も要求されているところであるが、これら諸特性を有す
る含水酸化鉄粒子粉末は未だ得られていない。
【0011】即ち、前出(1)の方法による処理を行っ
た含水酸化鉄粒子粉末は、耐熱性が向上したものではあ
るが、粒子の形態や粒度分布が耐熱性改善処理工程の前
後で大きく変化し、その結果、色相の変化が大きいもの
であった。
【0012】前出(2)の方法による処理を行った含水
酸化鉄粒子粉末は、色相の変化は小さいものではある
が、含水酸化鉄粒子粉末が凝集した状態でアルミニウム
化合物等による被覆処理を行っているため、得られた含
水酸化鉄粒子粉末は分散性が悪く、また、耐熱性も不十
分なものであった。
【0013】前出(3)の方法による処理を行った含水
酸化鉄粒子粉末は、耐熱性が向上したものではあるが、
前出(1)の方法と同様に耐熱性改善処理工程の前後に
おける色相の変化が大きいものであった。
【0014】そこで、本発明は、優れた分散性と優れた
耐熱性を有するとともに、耐熱性改善処理工程の前後に
おける色相の変化が小さい耐熱性黄色顔料を得ることを
技術的課題とする。
【0015】
【課題を解決する為の手段】前記技術的課題は、次の通
りの本発明によって達成できる。
【0016】即ち、本発明は、含水酸化鉄粒子粉末の粒
子表面にFe及びAlからなる含水酸化物が被着されて
おり、該被着含水酸化物中のFe量が上記含水酸化鉄粒
子粉末に対して0.1〜50重量%であって、Al量が
上記含水酸化鉄粒子粉末に対して0.1〜10重量%で
あり、且つ、上記被着含水酸化物中のAlとFeの原子
比が1:0.5〜1:20である平均長軸径0.1〜
1.0μmの複合含水酸化鉄粒子粉末であることを特徴
とする耐熱性黄色顔料である(本発明1)。
【0017】また、本発明は、上記本発明1における複
合含水酸化鉄粒子粉末に含まれる可溶性ナトリウム塩の
量がNa換算で1000ppm以下であって、可溶性硫
酸塩の量がSO換算で2000ppm以下であること
を特徴とする耐熱性黄色顔料である(本発明2)。
【0018】また、本発明は、上記本発明1及び本発明
2に係る各複合含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面がアルミ
ニウムの水酸化物で被覆されていることを特徴とする耐
熱性黄色顔料である。
【0019】また、本発明は、前記いずれかの耐熱性黄
色顔料を塗料構成基材中に配合したことを特徴とする塗
料である。
【0020】また、本発明は、前記いずれかの耐熱性黄
色顔料を用いて着色したことを特徴とするゴム・樹脂組
成物である。
【0021】本発明の構成を詳しく説明すれば、次の通
りである。
【0022】先ず、本発明に係る耐熱性黄色顔料につい
て述べる。
【0023】本発明に係る耐熱性黄色顔料は、含水酸化
鉄粒子粉末の粒子表面にFe及びAlからなる含水酸化
物が被着されており、該被着含水酸化物中のFe量が上
記含水酸化鉄粒子粉末に対して0.1〜50重量%であ
って、Al量が上記含水酸化鉄粒子粉末に対して0.1
〜10重量%であり、且つ、該被着含水酸化物中のAl
とFeの原子比が1:0.5〜1:20である平均長軸
径0.1〜1.0μmの複合含水酸化鉄粒子粉末からな
る。
【0024】被着含水酸化物中のFe量が含水酸化鉄粒
子粉末に対し0.1重量%未満である場合には、ビヒク
ル中や樹脂組成物中における分散性改良効果や耐熱性向
上効果、殊に、耐熱温度255℃以上が得られない。5
0重量%を超える場合には、得られる複合含水酸化鉄粒
子粉末は十分な分散性と耐熱性を有しているが、効果が
飽和するため必要以上に含有させる意味がない。得られ
る複合含水酸化鉄粒子粉末の分散性と耐熱性及び工業的
な生産性を考慮すれば、被着含水酸化物中のFe量は、
含水酸化鉄粒子粉末に対し0.5〜40重量%が好まし
く、より好ましくは1〜30重量%である。
【0025】被着含水酸化物中のAl量が含水酸化鉄粒
子粉末に対し0.1重量%未満である場合には、ビヒク
ル中や樹脂組成物中における分散性改良効果や耐熱性向
上効果、殊に、耐熱温度255℃以上が得られない。1
0重量%を超える場合には、得られる複合含水酸化鉄粒
子粉末は十分な分散性と耐熱性を有しているが、効果が
飽和するため必要以上に含有させる意味がない。得られ
る複合含水酸化鉄粒子粉末の分散性と耐熱性の改善及び
工業的な生産性を考慮すれば、被着含水酸化物中のAl
量は、含水酸化鉄粒子粉末に対し0.5〜8重量%が好
ましく、より好ましくは1〜6重量%である。
【0026】被着含水酸化物中のAlとFeの原子比が
1:20を超える場合には、Alに対するFeの存在割
合が多すぎるため、Fe及びAlからなる含水酸化物に
よる被着処理工程の前後における色相の変化が大きくな
り好ましくない。1:0.5未満である場合には、Al
に対するFeの割合が少ないために、Fe及びAlから
なる含水酸化物の含水酸化鉄粒子表面への密着性が下が
り、その結果、十分な分散性や耐熱性が得られない。分
散性と耐熱性の改善及び被着処理前後の色相の変化幅を
考慮すれば、AlとFeの原子比は1:1〜1:10の
範囲が好ましい。
【0027】複合含水酸化鉄粒子粉末の粒子形状は針状
である。ここで「針状」とは、文字どおりの針状はもち
ろん、紡錘状や米粒状などを含む意味である。
【0028】複合含水酸化鉄粒子粉末は、平均長軸径が
0.1〜1.0μmであり、好ましくは0.12〜0.
8μm、より好ましくは0.15〜0.6μmである。
【0029】平均粒子径が0.1μm未満の場合には、
粒子の微細化による分子間力の増大により、ビヒクル中
や樹脂組成物中における分散が困難となる。平均粒子径
が1.0μmを越える場合には、大粒子化に伴い、ビヒ
クル中や樹脂組成物中における均一な分散が困難とな
る。
【0030】複合含水酸化鉄粒子粉末は、平均短軸径が
0.01〜0.20μm、軸比(平均長軸径/平均短軸
径)(以下、「軸比」という。)が2〜20、BET比
表面積値が10〜180m/gであることが好まし
い。
【0031】平均短軸径は、上記平均長軸径の上限値及
び下限値と同様の理由により、0.012〜0.15μ
mがより好ましく、更により好ましくは0.015〜
0.10μmである。
【0032】軸比が20を超える場合には、ビヒクル中
での粒子の絡み合いが多くなり、分散性が悪くなったり
粘度が増加することがある。軸比が2未満の場合には、
十分なスティフネスを有する塗膜を得ることが困難であ
る。ビヒクル中での分散性及び得られる塗膜のスティフ
ネスを考慮すれば、軸比は2.5〜18の範囲がより好
ましく、更により好ましくは3〜15の範囲である。
【0033】BET比表面積値は、上記平均長軸径など
の上限値及び下限値と同様の理由により、10〜150
/gがより好ましく、更により好ましくは10〜1
00m/gである。
【0034】本発明に係る耐熱性黄色顔料は、耐熱温度
が255℃以上、好ましくは260℃以上の優れた耐熱
性を有している。
【0035】本発明に係る耐熱性黄色顔料は、光沢度が
70〜110%、好ましくは、80〜110%である。
【0036】本発明に係る耐熱性黄色顔料の色相は、L
値が50〜75、a値が5〜25、b値が40〜
60であり、耐熱性改善処理工程の前後における色相の
変化幅は、ΔL値が絶対値で1.0以下、好ましくは
0.5以下であって、Δa値が絶対値で1.0以下、
好ましくは0.5以下であって、Δb値が絶対値で
1.0以下、好ましくは0.5以下である。
【0037】本発明に係る耐熱性黄色顔料は、必要によ
り、高純度化したものが好ましく、高純度化されていな
い耐熱性黄色顔料に比べてより優れた分散性と耐熱性を
得ることができる。
【0038】可溶性ナトリウム塩の量はNa換算で10
00ppm以下が好ましく、より好ましくは700pp
m以下であり、さらにより好ましくは500ppm以下
である。可溶性硫酸塩の量はSO換算で2000pp
m以下が好ましく、より好ましくは1500ppm以下
であり、さらにより好ましくは1000ppm以下であ
る。可溶性ナトリウム塩及び可溶性硫酸塩の量が上記上
限値を超える場合は高純度化が不十分であり、分散性改
良の効果や耐熱性向上の効果が得られ難い。
【0039】高純度化された複合含水酸化鉄粒子粉末の
平均長軸径、平均短軸径、軸比(長軸径/短軸径)、B
ET比表面積値、色相及び耐熱性改善処理工程の前後に
おける色相の変化幅の各諸特性は、高純度化されていな
い本発明に係る複合含水酸化鉄粒子粉末の前記各諸特性
とほぼ同程度である。
【0040】本発明に係る高純度化された耐熱性黄色顔
料は、耐熱性がより向上したものであり、耐熱温度が2
65℃以上、好ましくは275℃以上の優れた耐熱性を
有している。
【0041】本発明に係る高純度化された耐熱性黄色顔
料は、分散性がより向上したものであり、光沢度が80
〜120%、好ましくは85〜120%である。
【0042】本発明に係る耐熱性黄色顔料は、必要によ
り、粒子表面に更にアルミニウムの水酸化物が被覆され
ていてもよく、粒子表面がアルミニウムの水酸化物で被
覆されていない場合に比べ、ビヒクル中や樹脂組成物中
への分散性がより優れており、しかも、耐熱性がより向
上する。
【0043】アルミニウムの水酸化物による被覆量は、
Fe及びAlからなる含水酸化物が被着されている含水
酸化鉄粒子粉末に対しAl換算で0.1〜20.0重量
%である。
【0044】0.1重量%未満の場合には、Fe及びA
lからなる含水酸化物が被着されている含水酸化鉄粒子
粉末の粒子表面にアルミニウムの水酸化物を十分、沈
澱、被着することが困難となり、分散性改良の効果や耐
熱性向上の効果が得られ難い。20.0重量%を超える
場合には、分散性改良の効果や耐熱性向上の効果は得ら
れるが、効果がほぼ飽和に達するので、必要以上に添加
する意味がない。含水酸化鉄粒子粉末の分散性改良の効
果や耐熱性向上の効果及び工業的な生産性を考慮すれ
ば、好ましくは0.15〜15重量%である。
【0045】本発明に係るアルミニウムの水酸化物で被
覆された複合含水酸化鉄粒子粉末の平均長軸径、平均短
軸径、軸比(長軸径/短軸径)、BET比表面積値及び
色相の各諸特性は、アルミニウムの水酸化物で被覆され
ていない本発明に係る複合含水酸化鉄粒子粉末の前記各
諸特性とほぼ同程度である。
【0046】本発明に係る更にアルミニウムの水酸化物
で被覆された耐熱性黄色顔料は、耐熱性がより向上した
ものであり、耐熱温度が265℃以上、好ましくは27
5℃以上の優れた耐熱性を有している。
【0047】本発明に係る更にアルミニウムの水酸化物
で被覆された耐熱性黄色顔料は、分散性がより向上した
ものであり、光沢度が75〜115%、好ましくは85
〜115%である。
【0048】本発明に係る高純度化され、且つ、アルミ
ニウムの水酸化物で被覆された耐熱性黄色顔料は、耐熱
性が更により向上したものであり、耐熱温度が270℃
以上、好ましくは280℃以上の優れた耐熱性を有して
いる。
【0049】本発明に係る高純度化され、且つ、アルミ
ニウムの水酸化物で被覆された耐熱性黄色顔料は、分散
性が更により向上したものであり、光沢度が85〜12
0%、好ましくは90〜120%である。
【0050】次に、本発明に係る耐熱性黄色顔料を配合
した塗料について述べる。
【0051】本発明に係る耐熱性黄色顔料を配合した塗
料は、塗膜にした場合、光沢度は70〜110%、好ま
しくは75〜110%であり、塗膜の耐熱温度は265
℃以上、好ましくは270℃以上であって、色相はL
値が50〜75、a値が5〜25、b値が40〜6
0であることが好ましい。
【0052】本発明に係る粒子表面にアルミニウムの水
酸化物が被覆された耐熱性黄色顔料を配合した塗料は、
塗膜にした場合、光沢度は75〜115%、好ましくは
80〜115%であり、塗膜の耐熱温度は270℃以
上、好ましくは275℃以上であって、色相はL値が
50〜75、a値が5〜25、b値が40〜60で
あることが好ましい。
【0053】本発明に係る高純度化された耐熱性黄色顔
料を配合した塗料は、塗膜にした場合、光沢度は80〜
120%、好ましくは85〜120%であり、塗膜の耐
熱温度は275℃以上、好ましくは280℃以上であっ
て、色相はL値が50〜75、a値が5〜25、b
値が40〜60であることが好ましい。
【0054】本発明に係る高純度化され、且つ、粒子表
面に更にアルミニウムの水酸化物が被覆された耐熱性黄
色顔料を配合した塗料は、塗膜にした場合、光沢度は8
5〜125%、好ましくは90〜125%であり、塗膜
の耐熱温度は280℃以上、好ましくは285℃以上で
あって、色相はL値が50〜75、a値が5〜2
5、b値が40〜60であることが好ましい。
【0055】本発明に係る塗料中における耐熱性黄色顔
料の配合割合は、塗料構成基材100重量部に対し1.
0〜100重量部の範囲で使用することができ、塗料の
ハンドリングを考慮すれば、好ましくは2.0〜100
重量部、更に好ましくは5.0〜100重量部である。
【0056】塗料構成基材としては、樹脂、溶剤、必要
により消泡剤、体質顔料、乾燥促進剤、界面活性剤、硬
化促進剤、助剤等が配合される。
【0057】樹脂としては、溶剤系塗料用として通常使
用されるアクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂等を用いることができ
る。水系塗料用としては、通常使用される水溶性アルキ
ッド樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性アクリル樹脂、
水溶性ウレタンエマルジョン樹脂を用いることができ
る。
【0058】溶剤としては、溶剤系塗料用として通常使
用されるトルエン、キシレン、ブチルアセテート、メチ
ルアセテート、メチルイソブチルケトン、ブチルセロソ
ルブ、エチルセロソルブ、ブチルアルコール、脂肪族炭
化水素等を用いることができる。
【0059】水系塗料用溶剤としては、水と水系塗料で
通常使用されるブチルセロソルブ、ブチルアルコール等
とを混合して使用することができる。
【0060】消泡剤としては、ノプコ8034(商品
名)、SNデフォーマー477(商品名)、SNデフォ
ーマー5013(商品名)、SNデフォーマー247
(商品名)、SNデフォーマー382(商品名)(以
上、いずれもサンノプコ株式会社製)、アンチホーム0
8(商品名)、エマルゲン903(商品名)(以上、い
ずれも花王株式会社製)等の市販品を使用することがで
きる。
【0061】次に、本発明に係る耐熱性黄色顔料を用い
てで着色したゴム・樹脂組成物について述べる。
【0062】本発明に係る耐熱性黄色顔料を用いて着色
したゴム・樹脂組成物は、目視観察による分散状態は、
4又は5、好ましくは5であり、樹脂組成物の耐熱温度
は205℃以上、好ましくは210℃以上であって、色
相はL値が50〜70、a 値が5〜25、b値が
40〜60であることが好ましい。
【0063】本発明に係る粒子表面に更にアルミニウム
の水酸化物が被覆された耐熱性黄色顔料を用いて着色し
たゴム・樹脂組成物は、目視観察による分散状態は、4
又は5、好ましくは5であり、樹脂組成物の耐熱温度は
210℃以上、好ましくは215℃以上であって、色相
はL値が50〜70、a値が5〜25、b値が4
0〜60であることが好ましい。
【0064】本発明に係る高純度化された耐熱性黄色顔
料を用いて着色したゴム・樹脂組成物は、目視観察によ
る分散状態は、4又は5、好ましくは5であり、樹脂組
成物の耐熱温度は210℃以上、好ましくは215℃以
上であって、色相はL値が50〜70、a値が5〜
25、b値が40〜60であることが好ましい。
【0065】本発明に係る高純度化され、且つ、粒子表
面に更にアルミニウムの水酸化物が被覆された耐熱性黄
色顔料を用いて着色したゴム・樹脂組成物は、目視観察
による分散状態は、4又は5、好ましくは5であり、樹
脂組成物の耐熱温度は215℃以上、好ましくは220
℃以上であって、色相はL値が50〜70、a値が
5〜25、b値が40〜60であることが好ましい。
【0066】本発明に係るゴム・樹脂組成物中における
耐熱性黄色顔料の配合割合は、樹脂100重量部に対し
0.5〜200重量部の範囲で使用することができ、ゴ
ム・樹脂組成物のハンドリングを考慮すれば、好ましく
は1.0〜150重量部、更に好ましくは2.5〜10
0重量部である。
【0067】本発明に係るゴム又は樹脂組成物における
構成基材としては、耐熱性黄色顔料とゴム又は周知の熱
可塑性樹脂とともに、必要により、滑剤、可塑剤、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、各種安定剤等の添加剤が配合さ
れる。
【0068】樹脂としては、天然ゴム、合成ゴム、熱可
塑性樹脂(例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、スチレン重合体、ポリアミド、ポリオレ
フィン等)等を用いることができる。
【0069】添加剤の量は、耐熱性黄色顔料とゴム又は
樹脂との総和に対して50重量%以下であればよい。添
加剤の含有量が50重量%を越える場合には、成形性が
低下する。
【0070】本発明に係るゴム又は樹脂組成物は、ゴム
又は樹脂原料と耐熱性黄色顔料をあらかじめよく混合
し、次に、混練機もしくは押出機を用いて加熱下で強い
せん断作用を加えて、耐熱性黄色顔料の凝集体を破壊
し、ゴム又は樹脂組成物中に耐熱性黄色顔料を均一に分
散させた後、目的に応じた形状に成形加工して使用す
る。
【0071】次に、本発明に係る前記各耐熱性黄色顔料
の製造法について述べる。
【0072】本発明に係る耐熱性黄色顔料の出発原料と
しては、常法により得られる含水酸化鉄粒子粉末を使用
すればよく、一般に、第一鉄塩水溶液と水酸化アルカリ
水溶液、炭酸アルカリ水溶液又は水酸化アルカリ・炭酸
アルカリ水溶液との反応により生成した鉄含有沈殿物を
含む懸濁液中に酸素含有ガスを通気する、所謂湿式法に
より得ることができる。
【0073】出発原料としての含水酸化鉄粒子粉末は、
平均長軸径が0.1〜1.0μm、平均短軸径が0.0
1〜0.20μm、軸比(長軸径/短軸径)が2〜2
0、BET比表面積値が10〜180m/gであっ
て、色相は、L値が50〜75、a値が5〜25、
値が40〜60である。
【0074】尚、含水酸化鉄粒子粉末の色相を調整する
ことを目的として、含水酸化鉄(ゲータイト)粒子の生
成反応中に、粒子の長軸径、短軸径、軸比等の諸特性を
制御するためのNi、Zn、P、Si、Al等Fe以外
の異種元素を添加してもよく、この場合には、生成含水
酸化鉄粒子中に、これらFe以外の異種元素が含有され
る。
【0075】含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面へのFe及
びAlからなる含水酸化物の被着は、含水酸化鉄粒子を
含む水懸濁液に、アルミニウム化合物と第一鉄塩化合物
を添加、混合した後、酸素含有ガスを通気することによ
り行なう。Fe及びAlからなる含水酸化物の生成を考
慮すれば、懸濁液のpH値を5以下又は10以上に維持
しながら酸素含有ガスを通気することが好ましい。水懸
濁液中の含水酸化鉄粒子粉末の濃度は、5〜150g/
l程度に調整すればよい。生産性を考慮すれば、10〜
120g/l程度が好ましく、より好ましくは、20〜
100g/l程度である。
【0076】添加するアルミニウム化合物としては、ア
ルミン酸ナトリウムなどのアルミン酸アルカリや、硫酸
アルミニウム、塩化アルミニウム、酢酸アルミニウム、
硝酸アルミニウムなどのアルミニウム塩を使用すること
ができ、その添加量は、含水酸化鉄粒子粉末に対し、A
l換算で0.1〜10重量%である。0.1重量%未満
である場合には、ビヒクル中や樹脂組成物中における分
散性改良効果や耐熱性向上効果が得られない。10重量
%を超える場合には、分散性改良効果や耐熱性向上効果
がほぼ飽和するので、必要以上に添加する意味がない。
【0077】添加する第一鉄塩水溶液としては、硫酸第
一鉄、塩化第一鉄、硝酸第一鉄等の第一鉄塩を使用する
ことができ、その添加量は、含水酸化鉄粒子粉末に対
し、Fe換算で0.1〜50重量%である。0.1重量
%未満である場合には、ビヒクル中や樹脂組成物中にお
ける分散性改良効果や耐熱性向上効果が得られない。1
0重量%を超える場合には、分散性改良効果や耐熱性向
上効果がほぼ飽和するので、必要以上に添加する意味が
ない。
【0078】添加するアルミニウム化合物と第一鉄塩水
溶液の割合は、AlとFeの原子比で1:0.5〜1:
20である。AlとFeの原子比が1:20を超える場
合には、Alに対するFeの存在割合が多すぎるため、
Fe及びAlからなる含水酸化物による被着処理工程の
前後における色相の変化が大きくなるため好ましくな
い。1:0.5未満である場合には、Alに対するFe
の割合が少ないためにFe及びAlからなる含水酸化物
の含水酸化鉄粒子表面への密着性が下がり、その結果、
十分な分散性や耐熱性が得られない。分散性と耐熱性の
改善及び被着処理前後の色相の変化幅を考慮すれば、添
加するアルミニウム化合物と第一鉄塩水溶液の割合はA
lとFeの原子比で1:1〜1:10の範囲が好まし
い。
【0079】アルミニウム化合物と第一鉄塩水溶液の添
加順序は、いずれが先でもまた、同時でもよい。
【0080】酸化手段は、酸素含有ガス(例えば、空
気)を液中に通気することにより行い、また、当該通気
ガスや機械的操作等により攪拌しながら行なう。
【0081】湿式法により得られた含水酸化鉄粒子を常
法により、濾別、水洗することによって得られる含水酸
化鉄粒子粉末は、通常、鉄原料である硫酸第一鉄塩水溶
液に由来する可溶性硫酸塩をSO換算で通常3000
〜10000ppm程度、アルカリ原料である水酸化ナ
トリウム及び炭酸ナトリウムに由来する可溶性ナトリウ
ム塩をNa換算で通常1500〜10000ppm程度
含有しているため、本発明に係る耐熱性黄色顔料は、必
要により、Fe及びAlからなる含水酸化物による被着
処理に先立って、含水酸化鉄粒子粉末をあらかじめ、p
H値が10以上のアルカリ性水溶液中で加熱処理した
後、濾別、水洗して可溶性硫酸塩をSO換算で200
0ppm以下とする工程とpH値が4以下の酸性水溶液
中で加熱処理した後、濾別、水洗して可溶性ナトリウム
塩をNa換算で1000ppm以下とする工程とを経由
させることが好ましい。
【0082】pH値が10以上のアルカリ性水溶液中に
おける含水酸化鉄粒子粉末の加熱処理は、含水酸化鉄粒
子粉末の湿ケーキ、分散スラリー、乾燥粉末、再分散ス
ラリーと水とを混合して含水酸化鉄粒子粉末を含む水懸
濁液を調整し、該水懸濁液中にアルカリ水溶液を添加し
てpH値を10以上に調整した後、加熱することによっ
て行う。
【0083】pH値の調整のために使用するアルカリ水
溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を
使用することができる。
【0084】水懸濁液中の含水酸化鉄粒子粉末の濃度
は、可溶性硫酸塩の除去効率を考慮すれば、2〜15重
量%程度、好ましくは3〜10重量%程度に調整するこ
とが好ましい。
【0085】水懸濁液のpH値が10未満の場合には、
含水酸化鉄粒子粉末の粒子内部や粒子表面に存在してい
る可溶性硫酸塩を十分抽出除去することが困難である。
可溶性硫酸塩の除去効率を考慮すれば、水懸濁液のpH
値は10.5以上が好ましいが、必要以上にpH値を上
げる意味はなく、経済性を考慮するとその上限値は1
3.9程度である。
【0086】含水酸化鉄粒子を含有しているアルカリ性
懸濁液の加熱温度は、好ましくは40℃以上、より好ま
しくは60℃以上であり、その上限値は100℃以下で
あることが好ましい。40℃未満である場合には、可溶
性硫酸塩を抽出除去するのに長時間かかり好ましくな
い。100℃を越える場合には、オートクレーブ等の特
殊な装置が必要となり、得られる黄色含水酸化鉄粒子
は、耐熱性改善処理工程の前後で色相の変化が大きくな
る。
【0087】含水酸化鉄粒子粉末を含有しているアルカ
リ性懸濁液の加熱処理は、含水酸化鉄粒子中に含有され
る可溶性硫酸塩をSO換算で2000ppm以下、好
ましくは1500ppm以下、より好ましくは1000
ppm以下となるまで行えばよい。可溶性硫酸塩をSO
換算で3000〜10000ppm程度含有している
含水酸化鉄粒子の場合は、通常、30分以上、好ましく
は60分以上加熱処理することが好ましい。必要以上に
長時間加熱処理することは意味がなく、可溶性硫酸塩の
除去効率、経済性を考慮すれば、その上限値は360分
程度である。
【0088】pH値が4以下の酸性水溶液中における含
水酸化鉄粒子粉末の加熱処理は、含水酸化鉄粒子粉末の
湿ケーキ、分散スラリー、乾燥粉末、再分散スラリーと
水とを混合して含水酸化鉄粒子粉末を含む水懸濁液を調
整し、該水懸濁液中に酸性水溶液を添加してpH値を4
以下に調整した後、加熱することによって行う。
【0089】pH値を調整するために使用する酸水溶液
としては、塩酸、硝酸、酢酸、シュウ酸等を使用するこ
とができる。
【0090】水懸濁液中の含水酸化鉄粒子粉末の濃度
は、可溶性ナトリウム塩の除去効率を考慮すれば、2g
/l〜150g/l、好ましくは3g/l〜100g/
l程度に調整することが好ましい。
【0091】水懸濁液pH値が4を越える場合には、含
水酸化鉄粒子粉末の粒子内部や粒子表面に強く吸着して
いる可溶性ナトリウム塩を十分抽出除去することが困難
である。可溶性ナトリウム塩の除去効率を考慮すれば、
水懸濁液のpH値は3.8以下が好ましいが、必要以上
にpH値を下げる意味はなく、経済性を考慮するとその
下限値は0.1程度である。
【0092】含水酸化鉄粒子粉末を含有している酸性懸
濁液の加熱温度は、好ましくは40℃以上、より好まし
くは60℃以上であり、その上限値は100℃以下であ
ることが好ましい。40℃未満である場合には、可溶性
ナトリウム塩を抽出除去するために長時間かかり好まし
くない。100℃を越える場合には、オートクレーブ等
の特殊な装置が必要となり、得られる含水酸化鉄粒子粉
末は、耐熱性改善処理工程の前後で色相の変化が大きく
なる。
【0093】含水酸化鉄粒子粉末を含有している酸性懸
濁液の加熱処理は、含水酸化鉄粒子中に含有される可溶
性ナトリウム塩をNa換算で1000ppm以下、好ま
しくは700ppm以下、より好ましくは500ppm
以下となるまで行えばよい。可溶性ナトリウム塩をNa
換算で1500〜10000ppm程度含有している含
水酸化鉄粒子粉末の場合は、通常、30分以上、好まし
くは60分以上加熱処理することが好ましい。必要以上
に長時間加熱処理することは意味がなく、可溶性ナトリ
ウム塩の除去効率、経済性を考慮すれば、その上限値は
360分程度である。
【0094】pH値が10以上のアルカリ性水溶液中に
おける加熱処理とpH値が4以下の酸性水溶液中におけ
る加熱処理は、いずれが先でも後でもよく、先の加熱処
理終了後、濾別、水洗して得られる含水酸化鉄粒子粉末
を水中に再分散させ、次いで、後の加熱処理を行えばよ
い。
【0095】pH値が10以上のアルカリ性水溶液中に
おける加熱処理とpH値が4以下の酸性水溶液中におけ
る加熱処理とが終了した後、懸濁液中の含水酸化鉄粒子
粉末は、常法により濾別、水洗する。
【0096】濾別、水洗して得られた含水酸化鉄粒子粉
末は、可溶性硫酸塩がSO換算で2000ppm以
下、好ましくは1500ppm以下、より好ましくは1
000ppm以下であり、下限値は、工業性、経済性を
考慮すれば0.1ppm程度である。可溶性ナトリウム
塩はNa換算で1000ppm以下、好ましくは700
ppm以下、より好ましくは500ppm以下であり、
下限値は、工業性、経済性を考慮すれば0.1ppm程
度である。
【0097】pH値が10以上のアルカリ性水溶液中に
おける加熱処理とpH値が4以下の酸性水溶液中におけ
る加熱処理とを経由させた含水酸化鉄粒子粉末は、上述
した通り、高純度の粒子であり、電子顕微鏡観察の結
果、個々の粒子がバラバラになっており、粒子相互の凝
集が解きほぐされたものである。
【0098】本発明においては、必要により更に、アル
ミニウムの水酸化物を被着させることができる。この場
合には、複合含水酸化鉄粒子粉末を含む水懸濁液中のp
H値を10以上又は4以下に調整した後、アルミニウム
化合物を添加、攪拌し、次いで、水分散液のpH値を5
〜9の範囲に再調整する。
【0099】アルミニウムの水酸化物で被覆するに際し
てのpH値の調整は、通常使用されるアルカリ水溶液又
は酸水溶液を使用すればよい。
【0100】アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウ
ム水溶液、水酸化カリウム水溶液、アンモニア水溶液等
を使用することができる。
【0101】酸水溶液としては、塩酸、硝酸、酢酸、シ
ュウ酸、硫酸等を使用することができる。
【0102】アルミニウム化合物を添加する前のpH値
は、pH値が10以上又は4以下であることが必要であ
る。pH値が10未満又は4を超える場合には、添加し
たアルミニウム化合物が瞬時にアルミニウムの水酸化物
として沈澱してしまい、複合含水酸化鉄粒子粉末の粒子
表面にアルミニウムの水酸化物を均一に被覆することが
困難となる。
【0103】アルミニウム化合物添加後の懸濁液の攪拌
は、pH値が10以上又は4以下の条件下で行う。pH
値が10未満の場合又はpH値が4を超える場合には、
イオン状のアルミニウム塩が含水酸化鉄粒子粉末を含む
懸濁液中に均一に混合されにくく、複合含水酸化鉄粒子
粉末の粒子表面にアルミニウムの水酸化物を均一に沈
澱、被覆することが困難となる。
【0104】複合含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面にアル
ミニウムの水酸化物を沈澱、被覆する時の懸濁液温度
は、常温でもよいが、均一に被覆するためには、好まし
くは40℃以上、より好ましくは60℃以上である。
【0105】複合含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面にアル
ミニウムの水酸化物を被覆させる際の懸濁液は、攪拌
後、pH値5〜9の範囲となるように再調整する。pH
値が5未満の場合又は9を超える場合には、複合含水酸
化鉄粒子粉末の粒子表面にアルミニウムの水酸化物を沈
澱、被覆することが困難となる。
【0106】アルミニウム化合物の添加量は、Fe及び
Alからなる含水酸化物が被着されている複合含水酸化
鉄粒子粉末に対しAl換算で0.1〜20.0重量%で
ある。0.1重量%未満の場合には、複合含水酸化鉄粒
子の表面にアルミニウムの水酸化物を十分、沈澱、被覆
することが困難となり、分散性改良の効果や耐熱性向上
の効果が得られ難い。20.0重量%を超える場合に
は、分散性改良の効果や耐熱性向上の効果は得られる
が、効果がほぼ飽和に達するので、必要以上に添加する
意味がない。複合含水酸化鉄粒子粉末の分散性改良の効
果や耐熱性向上の効果及び工業的な生産性を考慮すれ
ば、好ましくは0.15〜15重量%である。
【0107】添加したアルミニウムの化合物は、ほぼ全
量がアルミニウムの水酸化物となって、複合含水酸化鉄
粒子粉末の粒子表面に沈澱、被覆される。
【0108】
【発明の実施の形態】本発明の代表的な実施の形態は、
次の通りである。
【0109】粒子の平均長軸径、平均短軸径は、いずれ
も電子顕微鏡写真(×20000)を縦方向及び横方向
にそれぞれ2倍に拡大した写真に示される粒子350個
の長軸径、短軸径をそれぞれ測定し、その平均値で示し
た。
【0110】軸比は、平均長軸径と平均短軸径との比で
示した。
【0111】比表面積値は、BET法により測定した値
で示した。
【0112】含水酸化鉄粒子粉末及び複合含水酸化鉄粒
子粉末の可溶性硫酸塩及び可溶性ナトリウム塩は、試料
5g及び純水100mlを秤量して200mlビーカー
に添加して5分間煮沸をした後、室温まで冷却し、次い
で、蒸発により損失した量の純水を追加した後、濾別し
て得られる濾液を用いて、濾液中のSO量及びNa量
を誘導結合プラズマ発光分光分析装置SPS4000
(セイコー電子工業(株)製)により測定した値で示し
た。
【0113】含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面に被着され
ているFe及びAlからなる含水酸化物中に含有されて
いるAl量及び被着されているFe及びAlからなる含
水酸化物の表面に被覆されているアルミニウムの水酸化
物のそれぞれのAl量は、「蛍光X線分析装置3063
M型」(理学電機工業(株)製)を使用し、JISK0
119の「けい光X線分析通則」に従って測定した。
【0114】含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面に被着させ
たFe及びAlからなる酸化物中のAlとFeの原子比
は下記の方法により求めた値で示した。即ち、複合含水
酸化鉄粒子粉末0.25gを100mlの三角フラスコ
に秤り取り、イオン交換水33.3mlを加え、60℃
に加温したウォータバス中で、マグネチックスターラー
を用いて20分間攪拌し、分散懸濁液とした。次いで、
12Nの塩酸を16.7ml加え、更に20分間攪拌し
て、含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面に被着されているF
e及びAlからなる含水酸化物の最外表面から粒子の内
部方向に向けて、含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面までの
距離の中央部位までの組成が実質的に均一である部分を
酸溶解した(数多くの実験結果に基づいて確認してい
る)。この酸溶解懸濁液を0.1μmのメンブランフィ
ルターを用いて吸引濾過を行い、得られた濾液中のAl
量(ppm)及びFe量(ppm)のそれぞれを誘導プ
ラズマ発光分光分析装置SPS4000(セイコー電子
工業(株)製)を用いて測定した。
【0115】Fe及びAlからなる含水酸化物中のFe
量は、上記濾液中のAl量及びFe量から求めたFeに
対するAl量の重量比と前記記載の蛍光X線分析より求
めた上記複合含水酸化物中のAl重量%とから、下記式
に従って算出した値で示した。 Fe重量%=Al重量%/Feに対するAlの重量比
【0116】耐熱性黄色顔料の耐熱性は、熱分析装置S
SC5000(セイコー電子工業(株)製)を用いて被
測定粒子粉末の示差走査熱量測定(DSC)を行い、得
られた該DSCチャート上に示されるピークを形成する
2つの変曲点のうち、最初の変曲点を構成する2つの曲
線のそれぞれについて接線を引き、両接線の交点に対応
する温度を読み取って、その温度で示した。
【0117】含水酸化鉄粒子粉末及び耐熱性黄色顔料の
色相は、試料0.5gとヒマシ油0.5ccとをフーバ
ー式マーラーで練ってペースト状とし、このペーストに
クリアラッカー4.5gを加え、混練、塗料化してキャ
ストコート紙上に6milのアプリケーターを用いて塗
布した塗布片(塗膜厚み:約30μm)を作製し、 該塗
布片について、多光源分光測色計(MSC−IS−2
D、スガ試験機(株)製)Multi−spctro−
colour−Meterを用いてHunterのLa
b空間によりL値、a値及びb値をそれぞれ測色
し、国際照明委員会(Commission Inte
rnationnale de l’Eclairag
e、CIE)1976(L値、a値、b値)均等
知覚空間に従った値で示した。
【0118】耐熱性黄色顔料の分散性は、上記塗布片を
「グロスメーター UGV−5D」(スガ試験機(株)
製)を用いて入射角20°の時の光沢度を測定すること
によって得られた値で示した。光沢度が高いほど、耐熱
性黄色顔料の分散性が優れていることを示す。
【0119】耐熱性黄色顔料の耐熱性改善処理工程前後
における色相の変化は、耐熱性改善処理工程の前後にお
ける含水酸化鉄粒子粉末のL値、a値及びb値の
それぞれを測定し、耐熱性改善処理の前後における含水
酸化鉄粒子粉末のL値、a 値及びb値のそれぞれ
の差をΔL値、Δa値及びΔb値として示した。
ΔL値、Δa値及びΔb値の絶対値が小さいほ
ど、色相の変化が小さいことを意味する。
【0120】耐熱性黄色顔料を用いた溶剤系塗料及び水
系塗料の各色相は、後述する処法によって調製した各塗
料を冷間圧延鋼板(0.8mm×70mm×150m
m)(JIS G−3141)に150μmの厚みで塗
布、乾燥して塗膜を形成することによって得られた測定
用試料片を、耐熱性黄色顔料を用いて着色したゴム・樹
脂組成物の色相は、後述する処法によって作製した着色
樹脂プレートを、多光源分光測色計(MSC−IS−2
D、スガ試験機(株)製)Multi−spctro−
colour−Meterを用いてHunterのLa
b空間によりL値、a値及びb値をそれぞれ測色
し、国際照明委員会(Commission Inte
rnationnale de l’Eclairag
e、CIE)1976(L値、a値、b値)均等
知覚空間に従った値で示した。
【0121】塗布膜の光沢度は、上記測定用試料片を
「グロスメーター UGV−5D」(スガ試験機(株)
製)を用いて入射角20°の時の光沢度で示した。光沢
度が高いほど、耐熱性黄色顔料を配合した塗料の分散性
が優れていることを示す。
【0122】耐熱性黄色顔料を用いた塗布膜の耐熱性
は、上記測定用試料片を電気炉に入れ、電気炉の温度を
種々変化させて各温度において15分間加熱処理を行
い、塗布板の各温度における加熱前後での色相(L
値、a値、b値)を、多光源分光測色計(MSC
−IS−2D、スガ試験機(株)製)Multi−sp
ctro−colour−Meterを用いて測定し、
加熱前の測色値を基準に下記式で示されるΔEを求
め、片対数グラフを用いて横軸に加熱温度を、縦軸にΔ
値をプロットし、ΔE値がちょうど1.5となる
ときの温度を塗布膜の耐熱温度とした。
【0123】耐熱性黄色顔料を用いて着色したゴム・樹
脂組成物の耐熱性は、後述する処法によって作製した着
色樹脂プレートを5cm角に裁断し、該着色樹脂プレー
トをホットプレスにかけ、ホットプレス温度を種々変化
させて、各温度において1トン/cmの荷重をかけな
がら10分間加熱処理を行い、着色樹脂プレートの各温
度における加熱前後での色相(L値、a値、b
値)を多光源分光測色計(MSC−IS−2D、スガ
試験機(株)製)Multi−spctro−colo
ur−Meterを用いて測定し、加熱前の測色値を基
準に下記式で示されるΔEを求め、片対数グラフを用
いて横軸に加熱温度を、縦軸にΔE値をプロットし、
ΔE値がちょうど1.5となるときの温度を塗布膜の
耐熱温度とした。
【0124】ΔE=((ΔL+(Δa
(Δb1/2 ΔL値: 比較する試料の加熱処理前後のL値の差 Δa値: 比較する試料の加熱処理前後のa値の差 Δb値: 比較する試料の加熱処理前後のb値の差
【0125】塗料粘度については、後述する処方によっ
て調製した塗料の25℃のおける塗料粘度をE型粘度計
(コーンプレート型粘度計)EMD−R((株)東京計
器製)を用いて、ずり速度D=1.92 sec−1
おける値を求めた。
【0126】耐熱性黄色顔料の樹脂組成物への分散性
は、得られた着色樹脂プレート表面における未分散の凝
集粒子の個数を目視により判定し、5段階で評価した。
5が最も分散状態が良いことを示す。 5: 未分散物認められず 4: 1cm当たり1個以上5個未満 3: 1cm当たり5個以上10個未満 2: 1cm当たり10個以上50個未満 1: 1cm当たり50個以上
【0127】<耐熱性黄色顔料の製造>出発原料として
の含水酸化鉄粒子粉末(平均長軸径0.39μm、平均
短軸径0.063μm、軸比6.2、BET比表面積値
20.1m/g、可溶性硫酸塩はSO換算で578
0ppm、可溶性ナトリウム塩はNa換算で2560p
pm、色相はL値62.2、a値17.1、b
51.3)の湿ケーキ(含水固形物)を水に懸濁して濃
度50g/lの懸濁液20lを準備し、次いで、高速デ
ィゾルバー及び縦型ビーズミルを用いて、該懸濁液中の
含水酸化鉄粒子粉末をよく分散させた。この時の水懸濁
液のpH値は5.7であった。
【0128】この懸濁液20リットルに0.5mol/
lの酢酸アルミニウム水溶液1481ml(含水酸化鉄
に対してAl換算で2.0重量%に相当)及び1.4m
ol/lの硫酸第一鉄溶液1058ml(含水酸化鉄に
対してFe換算で8.3重量%に相当、添加Al/Fe
原子比=1/2)を加え、毎分70リットルの空気を吹
き込みながら80℃まで加熱昇温した後、pH値を4.
3に維持しながら3時間保持し、含水酸化鉄粒子粉末の
粒子表面にAlとFeからなる含水酸化物を被着させ
た。
【0129】続いてプレスフィルターを用いて濾別し、
通水しながら十分水洗して湿ケーキを得た。
【0130】上記湿ケーキの一部を120℃で24時間
乾燥させた後、自由粉砕機M−Z型((株)奈良機械製
作所製)で粉砕した。得られた粒子表面にFe及びAl
からなる含水酸化物が被着されている複合含水酸化鉄粒
子粉末は、被着含水酸化物中のFe量が含水酸化鉄粒子
粉末に対して7.53重量%であって、Al量が含水酸
化鉄粒子粉末に対して1.86重量%であり、且つ、該
被着含水酸化物中のAlとFeの原子比が0.511で
あった。この複合含水酸化鉄粒子粉末は、平均長軸径が
0.39μm、平均短軸径が0.063μm、軸比が
6.2、BET比表面積値が20.2m/gであり、
耐熱温度は273℃、光沢度は82%、色相はL値6
1.9、a値17.3、b値51.0であって、耐
熱性改善処理工程前後における色相の変化幅は、ΔL
値=+0.1、Δa値=+0.2、Δb値=−0.
2であった。
【0131】<耐熱性黄色顔料を含む溶剤系塗料の製造
>上記耐熱性黄色顔料10gとアミノアルキッド樹脂及
びシンナーとを下記割合で配合して3mmφガラスビー
ズ90gとともに140mlのガラスビンに添加し、次
いで、ペイントシェーカーで90分間混合分散し、ミル
ベースを作製した。
【0132】 耐熱性黄色顔料 12.2重量部 アミノアルキッド樹脂 19.5重量部 (アミラックNo.1026:関西ペイント(株)製) シンナー 7.3重量部
【0133】上記ミルベースを用いて、下記割合となる
ようにアミノアルキッド樹脂を配合し、ペイントシェー
カーで更に15分間混合分散して、耐熱性黄色顔料を含
む溶剤系塗料を得た。
【0134】 ミルベース 39.0重量部 アミノアルキッド樹脂 61.0重量部 (アミラックNo.1026:関西ペイント(株)製)
【0135】得られた溶剤系塗料の塗料粘度は2560
cPであった。
【0136】次いで、上記溶剤系塗料を冷間圧延鋼板
(0.8mm×70mm×150mm)(JIS G−
3141)に150μmの厚みで塗布、乾燥して得られ
た塗布膜の光沢度は87%、塗膜の耐熱温度は275℃
であり、色相はL値が62.3、a値が17.3、
値が51.1であった。
【0137】<耐熱性黄色顔料を含む水系塗料の製造>
上記耐熱性黄色顔料7.62gと水溶性アルキッド樹脂
等とを下記割合で3mmφガラスビーズ90gとともに
140mlのガラスビンに添加し、次いでペイントシェ
ーカーで90分間混合分散し、ミルベースを作製した。
【0138】 耐熱性黄色顔料 12.4重量部 水溶性アルキッド樹脂 9.0重量部 (商品名:S−118:大日本インキ化学工業(株)製) 消泡剤 4.8重量部 (商品名:ノプコ8034:サンノプコ(株)製) 水 4.8重量部 ブチルセロソルブ 4.1重量部
【0139】上記ミルベースを用いて、塗料組成を下記
割合で配合してペイントシェーカーで更に15分間混合
分散し水溶性塗料を得た。
【0140】 ミルベース 30.4重量部 水溶性アルキッド樹脂 46.2重量部 (商品名:S−118:大日本インキ化学工業(株)製) 水溶性メラミン樹脂 12.6重量部 (商品名:S−695:大日本インキ化学工業(株)製) 消泡剤 0.1重量部 (商品名:ノプコ8034:サンノプコ(株)製) 水 9.1重量部 ブチルセロソルブ 1.6重量部
【0141】得られた水系塗料の塗料粘度は1754c
Pであった。
【0142】次いで、上記水系塗料を冷間圧延鋼板
(0.8mm×70mm×150mm)(JIS G−
3141)に150μmの厚みで塗布、乾燥して得られ
た塗布膜の光沢度は82%、塗膜の耐熱温度は276℃
であり、色相はL値が61.0、a値が17.6、
値が51.3であった。
【0143】<樹脂組成物の製造>上記耐熱性黄色顔料
2.5gとポリ塩化ビニル樹脂粉末103EP8D(日
本ゼオン(株)製)47.5gとを秤量し、これらを1
00mlポリビーカーに入れ、スパチュラでよく混合し
て混合粉末を得た。
【0144】得られた混合粉末にステアリン酸カルシウ
ムを0.5g加えて混合し、160℃に加熱した熱間ロ
ールのクリアランスを0.2mmに設定した後、上記混
合粉末を少しずつロールにて練り込んで樹脂組成物が一
体となるまで混練を続けた後、樹脂組成物をロールから
剥離して着色樹脂プレート原料として用いた。
【0145】次に、表面研磨されたステンレス板の間に
上記樹脂組成物を挟んで180℃に加熱したホットプレ
ス内に入れ、1トン/cmの圧力で加圧成形して厚さ
1mmの着色樹脂プレートを得た。得られた着色樹脂プ
レートの分散状態は5であり、着色樹脂プレートの耐熱
温度は214℃、色相はL値が62.6、a値が1
7.4、b値が51.4であった。
【0146】
【作用】本発明において最も重要な点は、含水酸化鉄粒
子粉末の粒子表面を特定量のFeと特定量のAlとを有
するとともに、AlとFeの原子比が特定量であるFe
及びAlからなる含水酸化物で被着した場合には、優れ
た分散性と優れた耐熱性、殊に、耐熱温度255℃以上
を有するとともに、耐熱性改善処理工程の前後における
色相の変化が小さいという事実である。
【0147】本発明に係る耐熱性黄色顔料の分散性が向
上した理由について、本発明者は、含水酸化鉄粒子粉末
の粒子表面にFe及びAlからなる含水酸化物を被着し
たことにより、ビヒクル中や樹脂組成物中に配合されて
いる樹脂との相溶性が向上したことによるものと考えて
いる。
【0148】本発明に係る耐熱性黄色顔料の耐熱性が向
上した理由について、本発明者は、Fe及びAlからな
る含水酸化物は緻密な層を形成しやすく、しかも、Fe
を有していることにより、同じくFeを有している含水
酸化鉄粒子粉末の粒子表面に密着して被着されることに
よるものと考えている。
【0149】また、本発明においては、複合含水酸化鉄
粒子粉末の粒子表面を、更に、アルミニウムの水酸化物
で被覆した場合は、より優れた分散性とより優れた耐熱
性、殊に、耐熱温度265℃以上を有するという事実で
ある。
【0150】複合含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面を、更
に、アルミニウムの水酸化物で被覆した耐熱性黄色顔料
の分散性が改良された理由については未だ明らかではな
いが、本発明者は、塗布片の光沢度がより向上すること
や塗料化時における塗料粘度が低下すること等から、ビ
ヒクル中や樹脂組成物中に配合されている樹脂との相溶
性がより向上したことによるものと考えている。
【0151】また、耐熱性がより向上する理由につい
て、本発明者は、アルミニウムの水酸化物自体が優れた
耐熱性を有しているとともに、下層のFe及びAlから
なる含水酸化物被着層にもアルミニウムが含有されてい
ることから、上層のアルミニウムの水酸化物が密着して
被覆されることによるものと考えている。
【0152】また、含水酸化鉄粒子粉末の含まれる可溶
性ナトリウム塩及び可溶性硫酸塩の量がそれぞれ特定量
以下に低減された高純度化耐熱性黄色顔料の場合には、
より優れた分散性とより優れた耐熱性、殊に、耐熱温度
265℃以上を有するとともに、耐熱性改善処理工程の
前後における色相の変化が小さいという事実である。
【0153】高純度化された耐熱性黄色顔料の耐熱性が
より向上した理由について、本発明者は、Fe及びAl
からなる含水酸化物で含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面を
被着するに先立って、あらかじめ含水酸化鉄粒子粉末を
高純度化しておくことにより、含水酸化鉄粒子粉末の二
次凝集が十分解きほぐされて凝集粒子を1個1個バラバ
ラにすることができ、その結果、粒子1個1個の粒子表
面にFe及びAlからなる含水酸化物を十分且つ均一に
被着することができたことによるものと考えている。
【0154】高純度含水酸化鉄粒子粉末は、二次凝集が
十分解きほぐされたものであるという事実について以下
に説明する。
【0155】原料に由来する可溶性硫酸塩や可溶性ナト
リウム塩は、周知の通り、含水酸化鉄粒子の生成反応中
に粒子内部に含有されたり、粒子表面に存在し、含水酸
化鉄粒子相互を架橋しながら強固に結合し、含水酸化鉄
粒子相互間の凝集が一層強まる。この含水酸化鉄粒子の
凝集物をpH値が10以上のアルカリ性水溶液中で加熱
処理すると、アルカリ性水溶液が含水酸化鉄粒子の凝集
物の表面から内部まで十分浸透し、その結果、粒子内部
や粒子表面及び凝集物内部に強く結合している硫酸塩の
結合力が徐々に弱まり、粒子内部や粒子表面及び凝集物
内部から硫酸塩が解離され、同時に、可溶性ナトリウム
塩も水洗除去しやすくなるものと考えられる。
【0156】一方、含水酸化鉄粒子凝集物をpH値が4
以下の酸性水溶液中で加熱処理すると、酸性水溶液が含
水酸化鉄粒子凝集物の表面から内部まで十分浸透し、そ
の結果、粒子内部や粒子表面及び凝集物内部に強く結合
しているナトリウム塩の結合力が徐々に弱まり、粒子内
部や粒子表面及び凝集物内部からナトリウム塩が解離さ
れ、同時に、可溶性硫酸塩も水洗除去しやすくなるもの
と考えられる。
【0157】そして、含水酸化鉄粒子粉末の粒子内部や
粒子表面及び凝集物内部に強く結合している可溶性ナト
リウム塩や可溶性硫酸塩を水洗除去できたことにより、
含水酸化鉄粒子粉末の二次凝集が十分解きほぐされて凝
集粒子を1個1個バラバラにすることができたものと考
えている。
【0158】
【実施例】次に、実施例並びに比較例を挙げる。
【0159】<含水酸化鉄粒子粉末の種類> 含水酸化鉄1〜4 被処理粒子として、表1に示される含水酸化鉄1乃至4
を準備した。なお、含水酸化鉄1は発明の実施の形態で
用いた含水酸化鉄粒子粉末である。
【0160】
【表1】
【0161】<高純度含水酸化鉄粒子粉末の製造> 含水酸化鉄5 発明の実施の形態で用いた含水酸化鉄粒子粉末(含水酸
化鉄1)(平均長軸径0.38μm、平均短軸径0.0
63μm、軸比6.2、BET比表面積値20.1m
/g、可溶性硫酸塩はSO換算で5780ppm、可
溶性ナトリウム塩はNa換算で2560ppm、色相は
値62.2、a値17.1、b値51.3)の
湿ケーキ(含水固形物)を水に懸濁して濃度50g/l
の懸濁液20lを準備し、次いで、高速ディゾルバーお
よび縦型ビーズミルを用いて、該懸濁液中の含水酸化鉄
粒子粉末をよく分散させた。この時の水懸濁液のpH値
は5.7であった。
【0162】上記水懸濁液を攪拌しながら加熱昇温し8
0℃とした。水懸濁液の攪拌を続けながら0.1Nの水
酸化ナトリウム水溶液を水懸濁液のpH値が11.2と
なるまで添加し30分間維持した後、プレスフィルター
を用いて濾別し、通水しながら十分水洗した。
【0163】上記湿ケーキ(含水固形物)を再度水に解
膠して得られた水懸濁液中の含水酸化鉄粒子濃度を50
g/lに調整した。水懸濁液を攪拌しながら80℃まで
加熱昇温し、1Nの酢酸水溶液を水懸濁液のpH値が
3.8となるまで添加し、更に30分間維持した後、プ
レスフィルターを用いて濾別し、通水しながら十分水洗
した。
【0164】この時の主要製造条件を表2に、得られた
高純度含水酸化鉄粒子粉末の諸特性を表3に示す。
【0165】
【表2】
【0166】
【表3】
【0167】含水酸化鉄6〜10 含水酸化鉄粒子の種類、水懸濁液中の含水酸化鉄粒子粉
末濃度、アルカリ水溶液中の処理工程におけるpH値、
加熱温度及び加熱時間、酸性水溶液中の処理工程におけ
るpH値、加熱温度及び加熱時間を種々変化させた以外
は、含水酸化鉄1と同様にして含水酸化鉄粒子粉末の高
純度化処理を行った。
【0168】この時の主要製造条件を表2に、得られた
高純度含水酸化鉄粒子粉末の諸特性を表3に示す。
【0169】実施例1〜11 含水酸化鉄粒子の種類、水懸濁液中の含水酸化鉄粒子粉
末濃度、Fe及びAlからなる含水酸化物の被着工程に
おけるpH値、アルミニウム化合物の種類及び添加量、
第一鉄塩水溶液の種類及び添加量、反応温度、維持pH
値、空気量、反応時間を種々変化させた以外は、前記発
明の実施の形態と同様にしてFe及びAlからなる含水
酸化物被着処理を行った。
【0170】この時の主要製造条件を表4に、得られた
複合含水酸化鉄粒子粉末の諸特性を表5に示す。
【0171】
【表4】
【0172】
【表5】
【0173】<アルミニウムの水酸化物による被覆処理
> 実施例12 発明の実施の形態で得られた複合含水酸化鉄粒子粉末を
含有する湿ケーキを、攪拌機を用いて水に解膠し、複合
含水酸化鉄粒子粉末濃度を45g/lに調整した20l
の懸濁液を準備した。この懸濁液を攪拌しながら60℃
まで加熱昇温した後、0.1NのNaOHをpH値が1
0.5になるまで添加し、攪拌を続けながら0.5mo
l/lのアルミン酸ナトリウム(NA−170、住友化
学工業(株)製)溶液1000ml(複合含水酸化鉄粒
子粉末に対しAl換算で1.5重量%に相当する。)を
加え10分間保持した。その後、1Nの酢酸水溶液をp
H値が6.0になるまで添加した後30分間維持し、複
合含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面に、更にアルミニウム
の水酸化物を沈澱、被覆させた。
【0174】続いて、プレスフィルターを用いて濾別
し、通水しながら十分水洗して湿ケーキを得た。この湿
ケーキを120℃で24時間乾燥させた後、自由粉砕機
M−2型(商品名:(株)奈良機械製作所製)で解砕
し、複合含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面に、更にアルミ
ニウムの水酸化物が被覆されている耐熱性黄色顔料を得
た。
【0175】この耐熱性黄色顔料は、蛍光X線分析によ
る測定の結果、Al換算で3.32重量%のアルミニウ
ムを有していた。このことから、アルミニウムの水酸化
物被覆中のアルミニウム量はAl換算で1.46重量%
(3.32−1.86=1.46)であった。
【0176】この時の主要製造条件を表6に、得られた
アルミニウム水酸化物被覆複合含水酸化鉄粒子粉末の諸
特性を表7に示す。
【0177】
【表6】
【0178】
【表7】
【0179】実施例13〜23 複合含水酸化鉄粒子の種類、アルミニウムの水酸化物に
よる被着工程における水懸濁液中の複合含水酸化鉄粒子
粉末濃度、添加前の懸濁液pH値、添加するアルミニウ
ム化合物の種類及び量、懸濁液の最終pH値を種々変化
させた以外は前記実施例12と同様にして、複合含水酸
化鉄粒子粉末の粒子表面に、更にアルミニウムの水酸化
物が被覆されている耐熱性黄色顔料を得た。
【0180】この時の主要製造条件を表6に、粒子表面
にアルミニウムの水酸化物が被覆されている複合含水酸
化鉄粒子粉末の諸特性を表7に示す。
【0181】比較例1 発明の実施の形態に記載の含水酸化鉄粒子粉末(含水酸
化鉄1)を用い、いずれの処理も施さないで、その諸特
性を測定した結果を表8に示す。
【0182】
【表8】
【0183】比較例2 発明の実施の形態に記載の含水酸化鉄粒子粉末(含水酸
化鉄1)を用い、Fe及びAlからなる含水酸化物の被
着処理を施すことなく、水懸濁液中の含水酸化鉄濃度を
50g/l、アルミン酸ナトリウムの添加量をAl換算
で2.68重量%、添加前の懸濁液pH値を10.0、
懸濁液の最終pH値を7.0に調整した以外は実施例1
2と同様にして、アルミニウムの水酸化物が被覆されて
いる含水酸化鉄粒子粉末を得た。
【0184】得られた粒子表面にアルミニウムの水酸化
物が被覆されている含水酸化鉄粒子粉末の諸特性を表8
に示す。
【0185】比較例3 発明の実施の形態に記載の含水酸化鉄粒子粉末(含水酸
化鉄1)を用いた水懸濁液濃度が50g/lの含水酸化
鉄粒子スラリー20l(固形分として1kgに相当す
る。)に13NのNaOH溶液を加えてpH値を13.
0とした。スラリー700mlを分取し、内容積1lの
オートクレーブ(東洋高圧(株)製)に入れ、撹拌しな
がら昇温し、220℃で30分保持した後、冷却した。
スラリーを取り出し水を用いたデカンテーションによっ
て濾液が中性になるまで水で十分水洗した。次いで、ヌ
ッチェを用いて濾別した湿ケーキを120℃で24時間
乾燥した後、粉砕し、含水酸化鉄粒子粉末を得た。
【0186】得られた含水酸化鉄粒子粉末の諸特性を表
8に示す。
【0187】比較例4 発明の実施の形態に記載の含水酸化鉄粒子粉末(含水酸
化鉄1)を用いた水懸濁液濃度が50g/lの含水酸化
鉄粒子スラリー20l(固形分として1kgに相当す
る。)に硫酸アルミニウム156.4gを含む水溶液2
lを投入し、よく撹拌した。スラリー700mlを分取
し、内容積1lのオートクレーブ(東洋高圧(株)製)
に入れ、撹拌しながら昇温し、220℃で30分保持し
た後、冷却した。スラリーを取り出しヌッチェを用いて
濾別し、濾液が中性になるまで水洗した。得られた湿ケ
ーキを120℃で24時間乾燥した後、粉砕し、含水酸
化鉄粒子粉末を得た。
【0188】得られた含水酸化鉄粒子粉末の諸特性を表
8に示す。
【0189】比較例5 発明の実施の形態に記載の含水酸化鉄粒子粉末(含水酸
化鉄1)を用いた水懸濁液濃度が46.7g/lの含水
酸化鉄粒子スラリーに6NのNaOH溶液を加えてpH
値を13.0とした。スラリー700ml(固形分とし
て32.7gに相当する。)を分取し、内容積1lのオ
ートクレーブ(東洋高圧(株)製)に入れ、撹拌しなが
ら昇温し、180℃で120分保持した後、冷却した。
取り出したスラリーに撹拌しながらアルミン酸ナトリウ
ム(NA−170:住友化学工業(株)製)溶液4.3
2gを加え、徐々に希硫酸を加えてpH値を6.0に調
整した。水を用いたデカンテーションによって十分に水
洗した後、ヌッチェを用いて濾別した。得られた湿ケー
キを120℃で24時間乾燥した後、粉砕し、含水酸化
鉄粒子粉末を得た。
【0190】得られた含水酸化鉄粒子粉末の諸特性を表
8に示す。
【0191】比較例6 発明の実施の形態に記載の含水酸化鉄粒子粉末(含水酸
化鉄1)を用いた水懸濁液濃度が46.7g/lの含水
酸化鉄粒子スラリーに6NのNaOH溶液を加えてpH
値を12.0とした。スラリー700ml(固形分とし
て32.7gに相当する。)を分取し、これにアルミン
酸ナトリウム(NA−170:住友化学工業(株)製)
溶液2.87gを加え、内容積1lのオートクレーブ
(東洋高圧(株)製)に入れ、撹拌しながら昇温し、1
80℃で60分間水熱処理した後冷却した。取り出した
スラリーを水を用いたデカンテーションによって十分に
水洗した後、ヌッチェを用いて濾別した。得られた湿ケ
ーキを120℃で4時間乾燥した後、粉砕し、含水酸化
鉄粒子粉末を得た。
【0192】得られた含水酸化鉄粒子粉末の諸特性を表
8に示す。
【0193】<溶剤系塗料の製造> 実施例24〜46、比較例7〜12 含水酸化鉄粒子粉末の種類を種々変えた以外は、前記発
明の実施の形態と同様にして溶剤系塗料を製造した。
【0194】この時の主要製造条件及び塗膜の諸特性を
表9に示した。
【0195】
【表9】
【0196】<水系塗料の製造> 実施例47〜69、比較例13〜18 含水酸化鉄粒子粉末の種類を種々変えた以外は、前記発
明の実施の形態と同様にして水系塗料を製造した。
【0197】この時の主要製造条件及び塗膜の諸特性を
表10及び表11に示した。
【0198】
【表10】
【0199】
【表11】
【0200】<樹脂組成物の製造> 実施例70〜92、比較例19〜24 含水酸化鉄粒子粉末の種類を種々変えた以外は、前記発
明の実施の形態と同様にして着色樹脂プレートを製造し
た。
【0201】この時の主要製造条件及び着色樹脂プレー
トの諸特性を表12及び表13に示す。
【0202】
【表12】
【0203】
【表13】
【0204】
【発明の効果】本発明に係る耐熱性黄色顔料は、優れた
分散性と優れた耐熱性、殊に、耐熱温度255℃以上を
有するとともに、耐熱性改善処理工程の前後における色
相の変化が小さいので、黄色着色顔料、殊に、道路アス
ファルト用や路面表示塗料用黄色着色顔料として好まし
いものである。
【0205】上記耐熱性黄色顔料を配合して得られる本
発明に係る塗料は、耐熱性黄色顔料が上記特性を有して
いることに起因して、得られた塗膜は高い光沢度を有す
るとともに耐熱性が優れているので、耐熱性黄色塗料と
して好適である。
【0206】上記耐熱性黄色顔料を用いて得られる本発
明に係るゴム・樹脂組成物も同様に、耐熱性黄色顔料が
上記特性を有していることに起因して、ゴム・樹脂組成
物中における耐熱性黄色顔料の分散状態が良好であり、
且つ、耐熱性が優れているので、耐熱性の黄色ゴム・樹
脂組成物として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 角田 博 岡山県御津郡建部町小倉822戸田ピグメン ト株式会社内 Fターム(参考) 4J002 AA00 CC18 CF01 CF28 DE116 DE146 FA086 FB076 GH01 4J037 AA15 CA05 CA09 CA12 CA15 DD05 DD09 DD20 DD27 EE03 EE43 EE46 FF07 FF13 FF15 4J038 EA011 HA216 KA08 KA15

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面にFe及
    びAlからなる含水酸化物が被着されており、該被着含
    水酸化物中のFe量が上記含水酸化鉄粒子粉末に対して
    0.1〜50重量%であって、Al量が上記含水酸化鉄
    粒子粉末に対して0.1〜10重量%であり、且つ、上
    記被着含水酸化物中のAlとFeの原子比が1:0.5
    〜1:20である平均長軸径0.1〜1.0μmの複合
    含水酸化鉄粒子粉末であることを特徴とする耐熱性黄色
    顔料。
  2. 【請求項2】 複合含水酸化鉄粒子粉末に含まれる可溶
    性ナトリウム塩の量がNa換算で1000ppm以下で
    あって、可溶性硫酸塩の量がSO換算で2000pp
    m以下であることを特徴とする請求項1記載の耐熱性黄
    色顔料。
  3. 【請求項3】 複合含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面がア
    ルミニウムの水酸化物で被覆されていることを特徴とす
    る請求項1又は請求項2記載の耐熱性黄色顔料。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    の耐熱性黄色顔料を塗料構成基材中に配合したことを特
    徴とする塗料。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    の耐熱性黄色顔料を用いて着色したことを特徴とするゴ
    ム・樹脂組成物。
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