JP2000191252A - エレベ―タ用非常停止装置用ブレ―キシュ―、エレベ―タ用非常停止装置および非常停止機能付エレベ―タ - Google Patents

エレベ―タ用非常停止装置用ブレ―キシュ―、エレベ―タ用非常停止装置および非常停止機能付エレベ―タ

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JP2000191252A JP10369271A JP36927198A JP2000191252A JP 2000191252 A JP2000191252 A JP 2000191252A JP 10369271 A JP10369271 A JP 10369271A JP 36927198 A JP36927198 A JP 36927198A JP 2000191252 A JP2000191252 A JP 2000191252A
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孝幸 深澤
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雅礼 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 片あたりの問題に対し、セラミックからなる
ブレーキ片の摺動特性(制動特性)を低下させることな
く良好な面あたりを実現することが可能なエレベータ非
常停止装置用ブレーキシューを提供する。 【解決手段】 ブレーキ本体と、前記本体の制動面側に
その面から突出するように埋設された複数のセラミック
製ブレーキ片と、前記ブレーキ片の埋設部分に介在され
た軟質金属部材と、前記軟質金属部材に少なくとも設け
られた前記軟質金属部材の変形を可能にするための空隙
とを具備しことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エレベータ非常停
止用ブレーキシュー、エレベータ非常停止装置および非
常停止機能付エレベータに関する。
【0002】
【従来の技術】エレベータは、昇降機の不測の破損等に
よる落下を防止するために非常停止装置が据付けられて
いる。この非常停止装置は、昇降手段により昇降される
かごの底部に取付けられた水平方向に拡口自在な一対の
端部を有するU字形状の弾性部材と、前記弾性部材の両
端部内面に互いに対向して取付けられ、対向面が外側に
傾斜した一対の板状のガイド部材と、前記各ガイド部材
の中間に配置された垂直方向に延びる断面T字形のレー
ルと、前記ガイド部材間に前記ガイド部材の傾斜面に沿
って上下動自在に、かつ前記レールを中心にして互いに
対向して配置された垂直に沿って制動面を有する一対の
ブレーキシューと、前記ブレーキシューにそれぞれ取付
けられ、前記ブレーキシューを上方に引き上げるための
引上げ手段とを具備した構成になっている。このような
非常停止装置において、前記昇降手段の破損により前記
かごが落下した時にその落下速度を検出して前記引上げ
手段が作動し、前記ブレーキシューを前記ガイド部材に
沿って上方に引き上げ、前記弾性部材の弾性力により前
記ブレーキシューの前記制動面で前記レールを挟持する
ことによって、前記ブレーキシューと前記レール間に働
く摩擦力により落下する前記かごが減速停止される。
【0003】ところで、従来、前記ブレーキシューの制
動材(ブレーキ片)は適度な摩擦係数と耐摩耗性を有す
る鋳鉄や銅系焼結合金等の材料により形成されている。
しかしながら、年々、建築物の高層化に伴う高速、大容
量化するエレベータ需要に対し、摩擦によって発生する
熱および摩擦係数の低下の問題が生じる。例えば、シュ
ミレーションによると、エレベータの動作速度が800
m/minに及ぶ場合には摩擦摺動面での局所的な温度
は1000℃を越える場合もある。このような温度が前
記エレベータの減速停止時に発生すると、金属からなる
ブレーキ片では強度的にも耐熱性の点からも使用が困難
になる。その上、減速停止後のブレーキシューのブレー
キ片とレールとの反応による焼き付けなどの問題が生じ
る。
【0004】このようなことから、特開昭59−768
2号公報にはエレベータをより高速で稼動させる目的
で、より耐熱性に優れ、かつ摩擦係数が高いと期待され
ているセラミクスからなる制動材(ブレーキ片)を備え
たブレーキシューを用いることが開示されている。かか
るブレーキシューにおいて、セラミック材料は脆く、応
力集中を受けた時に破損し易いため、セラミックを小型
化して金属材料と組み合わせて用いることが好ましい。
具体的には、金属材料の表面に前記セラミックのブレー
キ片を複数突出させたブレーキシューが用いられてい
る。しかしながら、セラミックからなるブレーキ片は前
記レールとの摺動により殆ど摩耗せず、かつ変形も殆ど
起きないため、次のような新たな問題が生じる。
【0005】すなわち、ブレーキシューに僅かモーメン
ト力が加わった場合、ブレーキ片の一部のみがレールと
接触する、いわゆる『片あたり』が起こる。これは、加
工寸法の精度によっても個々のブレーキ片に対して起こ
り得る。前記片あたりは、前記ブレーキ片そのものが摩
耗し、摺動過程で次第に面あたりが良好になる金属系ブ
レーキ片の場合には問題にされないことであった。これ
に対し、高速、高重量のエレベータではセラミックから
なるブレーキ片とレールとの接触面積が摩擦特性に重要
な影響を及ぼし、かつ極度な片あたりは前記ブレーキ片
そのものを破壊する原因になリ得るため、この問題の解
決が要望されていた。
【0006】平面構造を持つブレーキシューの片あたり
防止手法としては、例えばブレーキ片の背面部に弓形に
反った板バネまたは局面にした部材を配置する方法が考
えられる。しかしながら、かかる構造のブレーキシュー
をエレベータの非常停止装置に適用するには非作動時で
ある通常運転時の固定の仕方などに問題があり、現実的
ではない。また、ブレーキ片の背部に油液体を封じ込め
るなどの手法は大きな圧力が加わるエレベータ用ブレー
キシューには不向きである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように従来の
変形、摩耗が殆ど起こらないセラミック製ブレーキ片を
有するブレーキシューにおいては僅かなモーメントの加
わり具合によって片あたりが生じ、摺動特性の低下や破
損の原因になるという問題があった。
【0008】本発明は、前述した片あたりの問題に対
し、セラミックからなるブレーキ片の摺動特性(制動特
性)を低下させることなく良好な面あたりを実現するこ
とが可能なエレベータ非常停止装置用ブレーキシューを
提供しようとするものである。
【0009】本発明の別の目的は、安定した制動特性を
有し、小型化が可能なエレベータ非常停止装置を提供し
ようとするものである。
【0010】本発明のさらに別の目的は、昇降手段の破
損によるかごの落下に際し、前記かごを確実に減速停止
させる非常停止機能を有するエレベータを提供しようと
するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係わるエレベー
タ非常停止装置用ブレーキシューは、ブレーキ本体;前
記本体の制動面側にその面から突出するように埋設され
た複数のセラミック製ブレーキ片;前記ブレーキ片の埋
設部分に介在された軟質金属部材;および前記軟質金属
部材に少なくとも設けられた前記軟質金属部材の変形を
可能にするための空隙;を具備しことを特徴とするもの
である。
【0012】本発明に係わるブレーキシューにおいて、
前記軟質金属はアルミニウム、銅のようなヤング率が5
0〜150GPaであることが好ましい。
【0013】本発明に係わるブレーキシューにおいて、
前記軟質金属部材の背面側の前記ブレーキ本体に前記軟
質金属部材の変形を吸収するための別の空隙を更らに形
成することが好ましい。
【0014】本発明に係わるエレベータ非常停止装置
は、水平方向に拡口自在なU字形をなす弾性部材;前記
弾性部材の両端部内面に互いに対向して取付けられ、対
向面の下部が外側に向けて傾斜した一対のガイド部材;
前記ガイド部材の中間に配置された垂直方向に延びる断
面T字形のレール;前記ガイド部材間に前記ガイド部材
の傾斜面に沿って上下動自在に、かつ前記レールを中心
にして互いに対向して配置された垂直方向に延びる制動
面を有する一対のブレーキシュー;および前記各ブレー
キシューにそれぞれ取付けられ、非常時に前記各ブレー
キシューを前記ガイド部材に沿って上方に引き上げ、そ
れによって前記弾性部材の弾性力により前記各ガイド部
材を押圧して前記各ブレーキシューの前記制動面で前記
レールを挟持するための引上げ手段;を具備し、前記ブ
レーキシューは、ブレーキ本体と、前記本体の制動面側
にその面から突出するように埋設された複数のセラミッ
ク製ブレーキ片と、前記ブレーキ片の埋設部分に介在さ
れた軟質金属部材と、前記軟質金属部材に少なくとも設
けられた前記軟質金属部材の変形を可能にするための空
隙とを備えていることを特徴とするものである。
【0015】本発明に係わる非常停止機能付エレベータ
は、昇降されるかご;このかごの底部に支持手段により
取付けられた水平方向に拡口自在なU字形をなす弾性部
材;前記弾性部材の両端部内面に互いに対向して取付け
られ、対向面の下部が外側に向けて傾斜した一対のガイ
ド部材;前記ガイド部材の中間に配置された垂直方向に
延びる断面T字形のレール;前記ガイド部材間に前記ガ
イド部材の傾斜面に沿って上下動自在に、かつ前記レー
ルを中心にして互いに対向して配置された垂直方向に延
びる制動面を有する一対のブレーキシュー;および前記
ブレーキシューにそれぞれ取付けられ、前記昇降手段の
破損により前記かごが落下した時に前記各ブレーキシュ
ーを前記ガイド部材に沿って上方に引き上げ、それによ
って前記弾性部材の弾性力により前記各ガイド部材を押
圧して前記各ブレーキシューの前記制動面で前記レール
を挟持するための引上げ手段;を具備し、前記ブレーキ
シューは、ブレーキ本体と、前記本体の制動面側にその
面から突出するように埋設された複数のセラミック製ブ
レーキ片と、前記ブレーキ片の埋設部分に介在された軟
質金属部材と、前記軟質金属部材に少なくとも設けられ
た前記軟質金属部材の変形を可能にするための空隙とを
備えていることを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わるエレベータ
を図1〜図6を参照して詳細に説明する。
【0017】図1は、非常停止装置を備えたエレベータ
を示す概略図、図2は図1のA矢視図、図3は図1の非
常停止装置を示す断面図、図4は図3のIV−IV線に沿う
断面図、図5の(A)はブレーキシューを示す正面図、
同図(B)は同図(A)のB−B線に沿う断面、図6は
図5のブレーキシューの分解斜視図である。
【0018】一対の非常停止装置1は、かご2の左右底
部にそれぞれ対向して取付けられている。昇降機(図示
せず)のロープ3は、前記かご2の上板に取付けられて
いる。一対のレール4は、前記一対の非常停止装置1が
配置された前記かご2の側面に沿ってその昇降方向(垂
直方向)にそれぞれ配置されている。
【0019】前記かご2側に面して途中に取り付けられ
た係合部材5を有する調速機ロープ6は、階下のプーリ
ー7と屋上等に設置される調速機8の間に枢支されてい
る。第1レバー9は、前記係合部材5に係合されてい
る。先端が前記かご2の右側面側に位置する第2レバー
10は、前記第1レバー9に長尺レバー11を介して連
結されている。2本の引上げワイヤ12は、先端が前記
第1レバー9にそれぞれ取り付けられている。前記各引
上げワイヤ12の下端は、前記かご2の左底部に取り付
けられた前記非常停止装置1の後述するブレーキシュー
に取付けられている。2本の引上げワイヤ13は、先端
が前記第2レバー10にそれぞれ取り付けられている。
前記引上げワイヤ13の下端は、前記かご2の右底部に
取り付けられた前記非常停止装置1の後述するブレーキ
シューに取付けられている。把持部材14は、前記調速
機8の近傍に配置されている。
【0020】前記昇降機(図示せず)のトラブル等によ
りそのロープ3が切断され、前記かご2が落下して前記
かご2と前記レバー9、10等を介して連結された前記
調速機ロープ6の下降速度が設定速度を越えたことを前
記調速機8で検出されると、この検出信号が前記把持部
材14に出力されてその把持部材14が作動して前記調
速機ロープ6を把持する。このように調速機ロープ6が
把持されると、その途中に取り付けられた前記係合部材
5と係合された第1、第2のレバー9、10によりそれ
らに取り付けられた引上げワイヤ12、13が引張ら
れ、後述する一対の非常停止装置1のブレーキシューを
上方に引き上げる。このような係合部材5を有する調速
機ロープ6、プーリー7、調速機8、第1、第2のレバ
ー9、10、長尺レバー11、引上げワイヤ12、13
および把持部材14により引上げ手段を構成している。
【0021】前記非常停止装置1は、図2〜図4に示す
ように互いに対向する一対の支持板151 、152 によ
り固定された上部ストッパプレート16および下部スト
ッパプレート17を備える。前記上下のストッパプレー
ト16、17の前面中央部には、細長状の溝18、19
がそれぞれ切欠されている。前記溝18、19には、前
記T字形レール4の突状部がそれぞれ挿通される。前記
各支持板151 、152 側に位置する前記上部ストッパ
プレート16の両端下部には、切欠部201 、202
それぞれ形成されている。前記各支持板151 、152
側に位置する前記下部ストッパプレート17の両端上部
には、切欠部211 、212 がそれぞれ形成されてい
る。上下部が外側に直角に屈曲した2本のビーム2
1 、222 は、上端が前記かご2底面にそれぞれ連結
され、下端が前記上部ストッパプレート16上にそれぞ
れ連結されている。
【0022】逆台形ブロックからなる一対のガイド部材
231 、232 は、それらの上下端部が前記各支持板1
1 、152 および前記上下のストッパプレート16、
17で区画された空間内に互いに対向する面の下部が外
側に向けた傾斜して配置されている。前記各ガイド部材
231 、232 は、前記各支持板151 、152 側に位
置する上下端部に突起片241 、251 、242 、25
2 がそれぞれ形成されている。前記突起片241 、25
1 、242 、252 は、前記上下のストッパプレート1
6、17の前記切欠部201 、202 、211 、212
にそれぞれ係合されている。このような係合により、前
記各ガイド部材231、232 は前記上部ストッパプレ
ート16の下面および前記下部ストッパプレート17の
上面に沿ってスライド自在に配置される。
【0023】上面形状がU字状をなし、拡口自在な両端
部261 、262 を有する弾性部材27は、前記両端部
261 、262 付近の内面が前記空間内に位置する前記
各ガイド部材231 、232 の外側側面に当接するよう
に挿入されている。このような弾性部材27の挿入によ
り、前記両端部261 、262 の弾性力が前記各ガイド
部材231 、232 に加わり、それらガイド部材2
1 、232 を互いに近接させる力が働く。ただし、前
記各ガイド部材231 、232 は互いに所定の間隔以上
に近接するのを前記切欠部201 、202 、211 、2
2の立上がり壁部で規制されている。なお、前記各ガ
イド部材231 、232 の配置によりそれらの間に略逆
V形の空間が形成される。
【0024】一対のブレーキシュー281 、282 は、
前記ガイド部材231 、232 間に互いに対向して配置
され、かつそれらの下部は前記下部ストッパプレート1
7上に載置されている。前記ブレーキシュー281 、2
2 は、前記ガイド部材231 、232 に接触して上下
動自在に配置される。また、前記各ブレーキシュー28
1 、282 の間には垂直方向に延びる断面T字形の前記
レール4の突状部が位置される。前記引き上げワイヤ1
3は、前記ブレーキシュー281、282 の前面下部に
それぞれ取着されている。
【0025】前記ブレーキシュー281 、282 は、図
5の(A)、(B)および図6に示すように垂直方向に
延びる制動面を有する四角台形柱状をなし、制動面側に
長方形状の凹状部29を有する金属からなるブレーキ本
体30を備えている。前記ブレーキ本体30の外側傾斜
面は、前記ガイド部材231 、232 の内側傾斜面に接
触されている。矩形状の金属製保持ブロック31は、前
記本体30の凹状部29内に埋設されている。前記保持
ブロック31は、制動面側から穿設された複数、例えば
3つの大径円柱状穴32と、これらの円柱状穴32にそ
れぞれ同心円状に連通され、制動面と反対側に開口され
た小径円柱状穴33とを有する。前記保持ブロック31
は、複数のネジ34により前記本体30に固定されてい
る。
【0026】図6に示すように前記大径円柱状穴32よ
り径が小さい円板部34およびこの円板部34の背面に
一体化された円柱状基部35を有する複数、例えば3個
の軟質金属からなる台座36は、前記保持ブロック31
の前記各大径円柱状穴32からそれぞれ挿入され、その
基部35が前記小径円柱状穴33に圧入固定されてい
る。なお、前記各台座36の円柱状基部35は前記小径
円柱状穴33の長さより短くなっており、図5の(B)
に示すように前記台座36の圧入後において前記小径円
柱状穴33内に前記台座36の変形を吸収するための所
望の第1空隙37を形成している。前記大径円柱状穴3
2とほぼ同径の外径を持つ複数、例えば3個の軟質金属
からなるリング38は、前記保持ブロック31の大径円
柱状穴32内にそれぞれ挿入されている。
【0027】このような前記台座36およびリング38
により軟質金属部材を構成している。また、前記台座3
6およびリング38の前記保持ブロック31の各大径、
小径の円柱状穴32,33への挿入により図5の(B)
に示すように前記台座36の円板部34と前記リング3
8の内面との間に前記台座36および前記リング38の
変形を吸収するための環状の第2空隙39が形成され
る。
【0028】セラミックからなる円柱状のブレーキ片4
0は、前記保持ブロック31の各リング38内にそれぞ
れ前記保持ブロック31表面から突出するように挿入さ
れ、かつその円形背面を前記台座36の円形部34にそ
れぞれ当接している。
【0029】なお、前記各ブレーキ片40の固定は例え
ば焼きばめ、接着による方法が採用できるが、特に前記
各ブレーキ片40として前記リング38の内径より僅か
に小さい径のものを作り、図5の(B)に示すように前
記ブレーキ片40を前記リング38に挿入後、制動面側
に表出された前記リング38の環状面の数箇所にポンチ
を圧入して軟質金属からなる前記リング38を局所的に
変形させることにより前記ブレーキ片40を前記リング
38でかしめ付けする手法が好ましい。
【0030】前記各ブレーキ本体30および前記保持ブ
ロック31は、例えばステレンス、耐熱合金等の金属に
より形成されている。
【0031】前記台座36およびリング38を構成する
軟質金属としては、例えば金、銀、銅、アルミニウム、
黄銅のようなヤング率が50〜150GPaであるもの
が好ましい。ヤング率が50GPa未満の軟質金属材料
を選択して前記台座36およびリング38を作ると、前
記ブレーキ片40と前記レール4との摺動による減速停
止に際し、前記台座36およびリング36が必要以上に
変形してレール4に対する前記ブレーキ片40の制動作
用を十分に発揮することが困難になる恐れがある。一
方、ヤング率が150GPaを超える軟質金属材料を選
択して前記台座36およびリング38を作ると、これら
部材が殆ど変形しないため、前記ブレーキ片40の前記
レール4に対する片あたりの防止を効果的に達成するこ
とが困難になる。
【0032】前記台座36の円板部34の厚さおよびリ
ング36の肉厚は、それぞれ0.5mm〜10mmにす
ることが好ましい。前記部材の厚さを0.5mm未満に
すると、前記ブレーキ片40と前記レール4との摺動に
よる減速停止に際し、それら部材の変形量が小さくなっ
て片あたりを効果的に防止することが困難になる恐れが
ある。一方、前記部材の厚さが10mmを超えると、前
記ブレーキ片40と前記レール4との摺動による減速停
止に際し、それら部材の変形量が多くなりすぎて前記ブ
レーキ片40の固定性が低下し、結果的にレール4に対
する前記ブレーキ片40の制動作用を十分に発揮するこ
とが困難になる恐れがある。
【0033】前記各ブレーキ片40の素材であるセラミ
ックとしては、例えば窒化ケイ素、炭化ケイ素、サイア
ロン等を挙げることができる。
【0034】前記ブレーキ片40は、前記セラミックを
母材とし、この母材に粒径10〜150μmの炭化チタ
ン、炭化タングステンのような炭化物、窒化チタンのよ
うな窒化物および硼化チタンのような硼化物から選ばれ
る少なくとも1つのセラミック粒子を分散させた複合材
料から作られることを許容する。このような複合材料か
らなるブレーキ片は、表面(制動面)が高い摩擦係数を
有すると共に、優れた耐衝撃性を有する。このセラミッ
ク粒子は、前記ブレーキ片の全体に分散させてもよい
が、ブレーキ片の表面(制動面)を含む表面層に分散さ
せることが好ましい。
【0035】前記ブレーキ片40は、窒化ケイ素のよう
なセラミック母材にさらに炭化ケイ素繊維、タングステ
ン繊維、カーボン繊維などの耐熱性繊維や炭化ケイ素ウ
ィスカーなどの短繊維を複合化することを許容する。
【0036】前記ブレーキ片40の前記保持ブロック3
1からの突出高さは、0.5〜5mmにすることが好ま
しい。前記ブレーキ片40の突出高さを0.5mm未満
にすると、前記ブレーキ片40と前記レール4との摺動
による減速停止に際し、前記台座36の変形により前記
保持ブロック31の制動側の面と前記レール4とが接触
する恐れがある。一方、前記ブレーキ片40の突出高さ
が5mmを越えると減速停止時における衝撃によりその
ブレーキ片40が破損される恐れがある。
【0037】なお、軟質金属部材は前述した図5の
(A),(B)および図6に示すように分割した台座お
よびリングから構成したが、例えば図7の(A)および
同図(A)のB−B線に沿う断面図である(B)に示す
ように一体化してもよい。すなわち、この軟質金属部材
は底部41を有する円筒体42と、この底部41の外面
に一体的かつ同心円状に取付けられた円柱状基部43
と、この基部43の取り付け部を除く前記底部41に開
口され、前記底部41および円筒体42の変形を吸収す
るための複数、例えば8個の円形穴からなる空隙44と
から構成されている。
【0038】また、ブレーキシューにおいて前述した図
5の(A),(B)および図6に示すように複数、例え
ば3つの台座、リングおよびブレーキ片を矩形状の金属
製保持ブロックの大径、小径の円柱状穴にそれぞれ挿
入、固定したが、図8に示すように複数、例えば3つの
独立した円柱状ブロック45をブレーキ本体30に埋め
込み、固定し、これら円柱状ブロック45に台座36、
リング38およびブレーキ片40をそれぞれ挿入、固定
してブレーキシュー281 、282 を構成してもよい。
なお、図8の(A),(B)において前述した図5の
(A),(B)および図6と同様な部材は同符号を付し
て説明を省略する。
【0039】さらに、前記ブレーキシューにおいてブレ
ーキ片は円柱の他、角を丸くした三角柱、四角柱、五角
柱、六角柱のような角柱状をなすものを用いてもよい。
【0040】次に、前述した図1〜図6に示すエレベー
タに組み込まれた非常停止装置の作用を図9および図1
0を参照して説明する。
【0041】エレベータが平常に運転されている場合に
は、図3、図4に示すように一対のブレーキシュー28
1 、282 の対向面はレール4の突状部に対して一定の
間隔をあけて位置している。このため、エレベータ非常
停止装置1によるかご2の減速停止作動が働かない。
【0042】一方、昇降機のトラブル等により図1に示
すロープ3が切断されると、前記ロープ3により昇降さ
れるかご2が落下する、いわゆる非常時状態になる。前
記かご2の落下に伴ってそのかご2と前記レバー9、1
0等を介して連結された前記調速機ロープ6も下降す
る。この下降速度が設定速度を越えたことを調速機8で
検出されると、この検出信号が把持部材14に出力され
てその把持部材14が作動して前記調速機ロープ6を把
持する。このように調速機ロープ6が把持されると、そ
の途中に取り付けられた前記係合部材5と係合された第
1、第2のレバー9、10によりそれらに取り付けられ
た引上げワイヤ12、13が引張られる。引上げワイヤ
12、13が引張られると、図9に示すように一対の非
常停止装置1における一対のブレーキシュー281 、2
2 がU字形の弾性部材27の両端部261 、262
互いに近接しようとする弾性力に抗してガイド部材23
1 、232 の傾斜面に沿って上方に引き上げられる。前
記ブレーキシュー281 、282 が引き上げられると、
それらの対向距離が狭められて対向面(制動面)がレー
ル4の突状部に接触すると共に前記弾性部材27の反作
用としての弾性力によりそれらの制動面が前記レール4
の突状部を挟持する力が働く。
【0043】前記ブレーキシュー281 、282 の制動
面側には、セラミックからなる複数のブレーキ片40が
それぞれその制動面から突出して形成されているため、
前記ブレーキシュー281 、282 による前記レール4
の突状部の挟持により、ブレーキ片40と前記レール4
の突状部の間に摩擦力が働き、落下する前記かご2が減
速停止される。
【0044】上述したエレベータ非常停止装置1による
かご2の減速停止過程において、レールと摺接するブレ
ーキシュー281 、282 はブレーキ本体と、前記本体
の制動面側にその面から突出するように埋設された複数
のセラミック製ブレーキ片と、これらブレーキ片の埋設
部分に介在された軟質金属部材と、この軟質金属部材に
少なくともに設けられ、軟質金属部材の変形を可能にす
るための空隙とを備えた構造する。具体的には、ブレー
キシュー281 、282 は前述した図5の(A),
(B)および図6に示す構造を有する。
【0045】上述したエレベータ非常停止装置1による
かご2の減速停止過程において、前記構成のブレーキシ
ュー281 、(282)の複数(例えば3つの)ブレー
キ片40がレール4と摺接して、図10に示すように各
ブレーキ片40にモーメント力が加わると、前記ブレー
キ片40の前記保持ブロック31の埋設箇所に介在され
た軟質金属からなる台座36およびリング38がそれぞ
れ変形する。この時、前記台座36およびリング38の
間には環状の第2空隙39が形成されているため、軟質
金属からなる台座36およびリング38の変形を吸収す
る逃げ場として機能する。また、前記台座36の基部3
5の後方にも第1空隙37が形成されているため、前記
台座36の変形(扁平化)を吸収する逃げ場として機能
する。その結果、図10に示すように前記セラミックか
らなる複数のブレーキ片40を前記軟質金属からなる台
座36およびリング38の円滑な変形により全ての面が
前記レール4に当接するように補正(姿勢制御)するこ
とができる、つまり片あたりを防止できるため、減速停
止時における前記セラミックからなる各ブレーキ片40
によるレール4に対する制動作用を十分に発揮すること
ができる。したがって、昇降機のトラブル等によりその
ロープ3が切断される非常時において、落下するかご2
を確実に減速停止させることができる。
【0046】また、前記セラミックからなるブレーキ片
40の前記保持ブロック31の埋設箇所に軟質金属から
なる台座36およびリング38を介在することによっ
て、上述したエレベータ非常停止装置1によるかご2の
減速停止過程において、前記セラミックからなるブレー
キ片40自体が受ける衝撃力を台座36およびリング3
8により緩和することができるため、ブレーキ片40の
破損を防止することができる。この作用からも減速停止
時における前記セラミックからなるブレーキ片40によ
るレール4に対する制動作用を十分に発揮することがで
きる。
【0047】さらに、台座36およびリング38の間に
環状の第2空隙39を形成することにより前記台座36
およびリング38の肉厚を薄くしても前述したのと同様
な優れた制動作用を発揮できるため、ブレーキシューブ
レーキシュー281 、282 自体の寸法を小型化でき、
材料やスペースの無駄を省略することが可能になる。
【0048】なお、軟質金属部材としてアルミニウムや
黄銅のようなヤング率が特に小さい材料から作る場合に
は、有底円筒体の底部の外面に円柱状基部を一体的かつ
同心円状に取付けられた空隙のない一体構造にしても、
前述したレールとの片あたりをある程度抑制することが
可能である。
【0049】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を詳細に説明
する。
【0050】(実施例1)まず、ステンレスを加工して
垂直方向に延びる制動面を有する四角台形柱状をなし、
制動面側に幅25mm,長さ100mmの長方形状の凹
状部を有するステンレス製ブレーキ本体を作製した。
【0051】ステンレスを加工して制動面側から穿設さ
れた直径18mm、長さ6mmの3つの大径円柱状穴
と、これらの円柱状穴にそれぞれ同心円状に連通され、
制動面と反対側に開口された直径6mm、長さ3mmの
小径円柱状穴33とを有する幅25mm,長さ100m
mの長方形状のステンレス製保持ブロックを作製した。
【0052】また、外径18mm,厚さ1mm、長さ6
mmのアルミニウム製リングと、外径12mm,厚さ2
mmの円板部34およびこの円板部34の背面に一体化
された外径6mm,長さ1mmの円柱状基部を有するア
ルミニウム製台座をそれぞ作製した。
【0053】さらに、窒化ケイ素焼結体を加工して直径
16mm,厚さ6mmの円柱状ブレーキ片を作製した。
【0054】前記ブレーキ本体の凹部に前記保持ブロッ
クを挿入し、ネジで固定した後、前記台座を前記保持ブ
ロックの3っの前記大径円柱状穴からそれぞれ挿入し
て、その基部を前記各小径円柱状穴内に圧入して固定し
た。この時、前記基部の背面の前記小径円柱状穴部分が
埋められることなく約2mmの円柱状の第1空隙として
残存した。
【0055】次いで、前記リングを前記保持ブロックの
3つの大径円柱状穴内にそれぞれ挿入した。この時、前
記台座の円板部と前記リングの内面との間に外径16m
m、内径12mmの環状の第2空隙39が形成された。
つづいて、前記ブレーキ片を前記各リング内に前記保持
ブロックの制動面から2mmの長さ突出するように挿入
すると共に、前記ブレーキ片の背面を前記台座の円板部
に当接させた。この後、制動面側に表出された前記リン
グの環状面の数箇所にポンチを圧入し、アルミニウム製
リングを局所的に変形させて前記ブレーキ片を前記リン
グでかしめ付けすることにより前述した図5の(A)、
(B)および図6に示すブレーキシュー281 、282
を組み立てた。
【0056】(実施例2〜7)リングの肉厚、台座の円
板部の厚さおよびこれら部材の材質を下記表1に示すよ
うに設定した以外、実施例1と同様で、前述した図5の
(A)、(B)および図6に示すブレーキシュー2
1 、282 を組み立てた。
【0057】(比較例1)ステンレス製保持ブロックに
3つの直径16mm,厚さ6mmの窒化ケイ素焼結体か
らなる円柱状ブレーキ片を前記ブロックの制動面から2
mmの長さ突出するように埋設固定し、この保持ブロッ
クをステンレス製ブレーキ本体の凹部に挿入し、ネジに
より固定することによりブレーキシューを組み立てた。
【0058】得られた実施例1〜7および比較例1のブ
レーキシューを前述した図1〜図4に示すエレベータ非
常停止装置に組み込み、昇降機のロープを切断してかご
を800m/minの速度で落下させた後、非常停止装
置を作動して前記ブレーキ片の摺動特性(相対摩擦係
数)および前記各ブレーキ片の面あたり状況を調べた。
この時、弾性体の位置をずらしてブレーキ本体の下側の
2つのブレーキ片のみにモーメントが働くようにブレー
キシューをセットした。その結果を下記表1に併記す
る。なお、表1中の相対摩擦係数はブレーキシューに組
込まれた3つのブレーキ片への均一な押し付け圧を発生
させ、全ての面で当たるようにした場合を摩擦係数を
『1』として示した。
【0059】
【表1】
【0060】前記表1から明らかなようにセラミックか
らなる3つのブレーキ片を軟質金属部材を介在させずに
保持ブロックに直接挿入固定したブレーキシューを備え
た比較例1のエレベータ用非常停止装置は前記3つのブ
レーキ片のうち下側の2つのブレーキ片のみがレールと
接触し、特に下側に位置するブレーキ片ほど大きな損傷
(割れ)を生じた。また、比較例1のブレーキシューに
おけるブレーキ片はレールとの摩擦の係数も低いことが
わかる。
【0061】これに対し、セラミックからなる3つのブ
レーキ片を軟質金属部材(リングおよび台座)を介在さ
せて保持ブロックに挿入固定したブレーキシューを備え
た実施例1〜7の非常停止装置は前記3つのブレーキ片
の全てがレールと良好に接触し、かつブレーキ片の損傷
(割れ)も認められず、さらに高い摩擦係数を示すこと
がわかる。
【0062】したがって、実施例1〜7の非常停止装置
はセラミックからなるブレーキ片とレールとの摺動に際
しての片あたりを防止して制動に寄与する面積を増大で
き、前記ブレーキ片の一部に応力が集中せずに破損を防
止できるとともに、摩擦係数の低下も抑制でき、信頼性
を著しく向上できる。
【0063】なお、前記実施例では3つの円柱状ブレー
キ片を互いに分割されたリングおよび台座からなる軟質
金属部材を介して保持ブロックに保持させる構造のブレ
ーキシューについて説明したが、前述した図7に示すよ
うに一体化した軟質金属部材を用いたブレーキシュー、
または図8に示すように各ブレーキ片を円柱状ブロック
に挿入固定し、これら円柱状ブロックをブレーキ本体に
埋設固定したブレーキシューにおいても同様な優れた制
動作用を示した。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によればレ
ールとの摺動に際し、セラミックからなる複数のブレー
キ片のうちの一部に負荷が集中する、いわゆる片あたり
による前記ブレーキ片の破損およびそれに起因する制動
特性の低下を回避して安定した高い制動特性を実現する
ことが可能なブレーキシューを提供できる。
【0065】また、本発明によれば昇降手段の破損によ
るかごの落下に際し、レールと摺動するセラミックから
なる複数のブレーキ片のうちの一部に負荷が集中する、
いわゆる片あたりを防止して安定した制動特性を有し、
前記かごを確実に減速停止させることが可能で、かつ小
型のエレベータ非常停止装置を提供できる。
【0066】さらに、本発明によれば昇降手段の破損に
よるかごの落下に際し、レールと摺動するセラミックか
らなる複数のブレーキ片のうちの一部に負荷が集中す
る、いわゆる片あたりを防止して安定した制動特性を示
し、前記かごを確実に減速停止させることが可能な非常
停止機能を有するエレベータを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる非常停止装置を備えたエレベー
タを示す概略図。
【図2】図1のA矢視図。
【図3】図1の非常停止装置を示す断面図。
【図4】図3のIV−IV線に沿う断面図。
【図5】本発明に係わる非常停止装置用ブレーキシュー
を示す図。
【図6】図5の非常停止装置用ブレーキシューの分解斜
視図。
【図7】本発明に係わる別の非常停止装置用ブレーキシ
ューに組込まれる軟質金属部材を示す図。
【図8】本発明に係わるさらに別の非常停止装置用ブレ
ーキシューを示す図。
【図9】本発明に係わるエレベータ非常停止装置におけ
る非常運転時の状態を示す断面図。
【図10】本発明に係わるエレベータ非常停止装置にお
ける非常運転時の状態を示す要部拡大断面図。
【符号の説明】
1…非常停止装置、 2…かご、 3…昇降機のロープ、 4…レール、 12、13…引上げワイヤ、 27、73、76、78…弾性体、 281 、282 …ブレーキシュー、 30…ブレーキ本体、 31…保持ブロック、 36…台座、 37…第1空隙、 38…リング、 39,44…第2空隙、 40…ブレーキ片、 45…円柱状ブロック。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 五戸 康広 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 小林 英彦 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 Fターム(参考) 3F304 CA13 DA45

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキ本体;前記本体の制動面側にそ
    の面から突出するように埋設された複数のセラミック製
    ブレーキ片;前記ブレーキ片の埋設部分に介在された軟
    質金属部材;および前記軟質金属部材に少なくとも設け
    られた前記軟質金属部材の変形を可能にするための空
    隙;を具備したことを特徴とするエレベータ非常停止装
    置用ブレーキシュー。
  2. 【請求項2】 前記軟質金属は、ヤング率が50〜15
    0GPaであることを特徴とする請求項1記載のエレベ
    ータ非常停止装置用ブレーキシュー。
  3. 【請求項3】 水平方向に拡口自在なU字形をなす弾性
    部材;前記弾性部材の両端部内面に互いに対向して取付
    けられ、対向面の下部が外側に向けて傾斜した一対のガ
    イド部材;前記ガイド部材の中間に配置された垂直方向
    に延びる断面T字形のレール;前記ガイド部材間に前記
    ガイド部材の傾斜面に沿って上下動自在に、かつ前記レ
    ールを中心にして互いに対向して配置された垂直方向に
    延びる制動面を有する一対のブレーキシュー;および前
    記各ブレーキシューにそれぞれ取付けられ、非常時に前
    記各ブレーキシューを前記ガイド部材に沿って上方に引
    き上げ、それによって前記弾性部材の弾性力により前記
    各ガイド部材を押圧して前記各ブレーキシューの前記制
    動面で前記レールを挟持するための引上げ手段;を具備
    し、 前記ブレーキシューは、ブレーキ本体と、前記本体の制
    動面側にその面から突出するように埋設された複数のセ
    ラミック製ブレーキ片と、前記ブレーキ片の埋設部分に
    介在された軟質金属部材と、前記軟質金属部材に少なく
    とも設けられた前記軟質金属部材の変形を可能にするた
    めの空隙とを備えていることを特徴とするエレベータ非
    常停止装置。
  4. 【請求項4】 昇降されるかご;このかごの底部に支持
    手段により取付けられた水平方向に拡口自在なU字形を
    なす弾性部材;前記弾性部材の両端部内面に互いに対向
    して取付けられ、対向面の下部が外側に向けて傾斜した
    一対のガイド部材;前記ガイド部材の中間に配置された
    垂直方向に延びる断面T字形のレール;前記ガイド部材
    間に前記ガイド部材の傾斜面に沿って上下動自在に、か
    つ前記レールを中心にして互いに対向して配置された垂
    直方向に延びる制動面を有する一対のブレーキシュー;
    および前記ブレーキシューにそれぞれ取付けられ、前記
    昇降手段の破損により前記かごが落下した時に前記各ブ
    レーキシューを前記ガイド部材に沿って上方に引き上
    げ、それによって前記弾性部材の弾性力により前記各ガ
    イド部材を押圧して前記各ブレーキシューの前記制動面
    で前記レールを挟持するための引上げ手段;を具備し、 前記ブレーキシューは、ブレーキ本体と、前記本体の制
    動面側にその面から突出するように埋設された複数のセ
    ラミック製ブレーキ片と、前記ブレーキ片の埋設部分に
    介在された軟質金属部材と、前記軟質金属部材に少なく
    とも設けられた前記軟質金属部材の変形を可能にするた
    めの空隙とを備えていることを特徴とする非常停止機能
    付エレベータ。
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