JP3792758B2 - エレベータ非常停止装置用ブレーキシュー、エレベータ非常停止装置および非常停止機能付エレベータ - Google Patents
エレベータ非常停止装置用ブレーキシュー、エレベータ非常停止装置および非常停止機能付エレベータ Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベータ非常停止装置用ブレーキシュー、エレベータ非常停止装置および非常停止機能付エレベータに関する。
【0002】
【従来の技術】
エレベータは、昇降機の不測の破損等による落下を防止するために非常停止装置が付設されている。この非常停止装置は、昇降手段により昇降されるかごの底部に取付けられた水平方向に拡口自在な一対の端部を有するU字形状の弾性部材と、前記弾性部材の両端部内面に互いに対向して取付けられ、対向面が外側に傾斜した一対の板状のガイド部材と、前記ガイド部材間に前記ガイド部材の傾斜面に沿って上下動自在に、かつ垂直方向に延びる断面T字形のレールを中心にして互いに対向して配置された垂直方向と平行する対向面を有する一対のブレーキシューと、前記ブレーキシューにそれぞれ取付けられ、前記ブレーキシューを上方に引き上げるための引上げ手段とを具備した構成になっている。このような非常停止装置において、前記昇降手段の破損により前記かごが落下した時にその落下速度を検出して前記引上げ手段が作動し、前記ブレーキシューを前記ガイド部材に沿って上方に引き上げ、前記弾性部材の弾性力により前記ブレーキシューの前記対向面で前記レールを挟持することによって、前記ブレーキシューと前記レール間に働く摩擦力により落下する前記かごが減速停止される。
【0003】
ところで、従来、前記ブレーキシューは適度な摩擦係数と耐摩耗性を有する鋳鉄や銅系焼結合金等の材料により形成されている。しかしながら、年々、建築物の高層化に伴う高速、大容量化するエレベータ需要に対し、摩擦によって発生する熱および摩擦係数の低下の問題が生じる。例えば、シュミレーションによると、エレベータの動作速度が800m/minにおよぶ場合には摩擦摺動面での局所的な温度は1000℃を越える場合もある。このような温度が前記エレベータの減速停止時に発生すると、金属からなるブレーキシューでは強度的にも耐熱性の点からも使用が困難になる。その上、減速停止後のブレーキシューとレールとの反応による焼き付けなどの問題が生じる。
【0004】
このようなことから、特公昭62−34674号公報には金属からなる本体と、この本体のレールと対向する面に埋め込まれた耐熱性の優れたセラミックからなる突起とを有するブレーキシューを用いることが開示されている。しかしながら、セラミックからなる突起は脆く靭性が劣るため、前述した減速停止時におけるレールとの挟持において前記突起が破損する問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
高速で稼働しているエレベータを非常時に安全に停止させるには、高速・高応力下でも安定した高い摩擦係数と、1000℃を越える耐熱性、靭性および耐摩耗性等の特性を備えた材料を用いることが必要である。従来の金属材料では、耐熱性の点で劣り、高温摩擦熱下において十分な強度および摩耗特性を維持したり、またレールとの焼き付けを防止することが困難であった。また、セラミックの突起を有するブレーキシューは減速停止時のレールとの摺動においてその脆さ等により破損を生じる。
【0006】
本発明は、1000℃を越える耐熱性および高速・高応力下でも安定した高い摩擦係数、さらにレールに対して優れた耐焼付け性を有するエレベータ非常停止装置用ブレーキシューを提供しようとするものである。
【0007】
本発明は、昇降手段の破損によるかごの落下に際し、レールとの焼付け等を生じることなく前記かごを確実に減速停止させることが可能なエレベータ非常停止装置および非常停止機能付エレベータを提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わるエレベータ非常停止装置用ブレーキシューは、
ブレーキ本体と、
前記本体の制動面側に配置され、窒化ケイ素、硼化チタン、サイアロンおよび炭化ケイ素から選ばれるセラミック母材に複数のセラミック繊維を前記制動面に全ての繊維の端面が露出するように分散させて埋設した複合材料からなるブレーキ片と
を具備したことを特徴とするものである。
本発明に係るエレベータ非常停止装置は、
水平方向に拡口自在なU字形をなす弾性部材;
前記弾性部材の両端部内面に互いに対向して取付けられ、対向面の下部が外側に向けて傾斜した一対のガイド部材;
前記ガイド部材の中間に配置された垂直方向に延びる断面T字形のレール;
前記ガイド部材間に前記ガイド部材の傾斜面に沿って上下動自在に、かつ前記レールを中心にして互いに対向して配置された垂直方向に延びる制動面を有する一対のブレーキシュー;および
前記ブレーキシューにそれぞれ取付けられ、非常時に前記各ブレーキシューを前記ガイド部材に沿って上方に引き上げるための引上げ手段であって、それによって前記弾性部材の弾性力により前記各ガイド部材を押圧して前記各ブレーキシューの前記制動面で前記レールを挟持する;
を具備し、
前記ブレーキシューは、(a)ブレーキ本体と、(b)前記本体の制動面側に配置され、窒化ケイ素、硼化チタン、サイアロンおよび炭化ケイ素から選ばれるセラミック母材に複数のセラミック繊維を前記制動面に全ての繊維の端面が露出するように分散させて埋設した複合材料からなるブレーキ片とを有することを特徴とするものである。
本発明に係る非常停止機能付エレベータは、
かご;
前記かごを昇降するための昇降手段;
前記かごの底部に支持手段により取付けられた水平方向に拡口自在なU字形をなす弾性部材;
前記弾性部材の両端部内面に互いに対向して取付けられ、対向面の下部が外側に向けて傾斜した一対のガイド部材;
前記ガイド部材の中間に配置された垂直方向に延びる断面T字形のレール;
前記ガイド部材間に前記ガイド部材の傾斜面に沿って上下動自在に、かつ前記レールを中心にして互いに対向して配置された垂直方向に延びる制動面を有する一対のブレーキシュー;および
前記ブレーキシューにそれぞれ取付けられ、前記昇降手段の破損により前記かごが落下した時に前記各ブレーキシューを前記ガイド部材に沿って上方に引き上げるための引上げ手段であって、それによって前記弾性部材の弾性力により前記各ガイド部材を押圧して前記各ブレーキシューの前記制動面で前記レールを挟持する;
を具備し、
前記ブレーキシューは、(a)ブレーキ本体と、(b)前記本体の制動面側に配置され、窒化ケイ素、硼化チタン、サイアロンおよび炭化ケイ素から選ばれるセラミック母材に複数のセラミック繊維を前記制動面に全ての繊維の端面が露出するように分散させて埋設した複合材料からなるブレーキ片とを有することを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図1〜図3を参照して詳細に説明する。
【0010】
図1は、非常停止装置を備えたエレベータシステムを示す概略図、図2は図1のA矢視図、図3は図1の非常停止装置を示す斜視図である。一対の非常停止装置1は、かご2の左右底部にそれぞれ対向して取付けられている。昇降機(図示せず)のロープ3は、前記かご2の上板に取付けられている。一対のレール4は、前記一対の非常停止装置1が配置された前記かご2の側面に沿ってその昇降方向にそれぞれ配置されている。
【0011】
前記かご2側に面して途中に取り付けられた係合部材5を有する調速機ロープ6は、階下のプーリー7と屋上等に設置される調速機8の間に枢支されている。第1レバー9は、前記係合部材5に係合されている。先端が前記かご2の右側面側に位置する第2レバー10は、前記第1レバー9に長尺レバー11を介して連結されている。2本の引上げワイヤ12は、先端が前記第1レバー9にそれぞれ取り付けられ、下端が前記かご2の左底部に取り付けられた前記非常停止装置1の後述するブレーキシューに取付けられている。2本の引上げワイヤ13は、先端が前記第2レバー10にそれぞれ取り付けられ、下端が前記かご2の右底部に取り付けられた前記非常停止装置1の後述するブレーキシューに取付けられている。把持部材14は、前記調速機8の近傍に配置されている。前記昇降機のトラブル等によりそのロープ3が切断され、前記かご2が落下して前記かご2と前記レバー9、10等を介して連結された前記調速機ロープ6の下降速度が設定速度を越えたことを前記調速機8で検出されると、この検出信号が前記把持部材14に出力されてその把持部材14が作動して前記調速機ロープ6を把持する。このように調速機ロープ6が把持されると、その途中に取り付けられた前記係合部材5と係合された第1、第2のレバー9、10によりそれらに取り付けられた引上げワイヤ12、13が引張られ、後述する一対の非常停止装置1のブレーキシューを上方に引き上げる。このような係合部材5を有する調速機ロープ6、プーリー7、調速機8、第1、第2のレバー9、10、長尺レバー11、引上げワイヤ12、13および把持部材14により引上げ手段を構成している。
【0012】
前記非常停止装置1は、図2および図3に示すようにL形のケーシング15を備える。前記ケーシング15の側壁の上端は、外側に直角に屈曲して前記かご2底面と連結されるL形ビーム16を形成している。前記かご2底面と連結されるL形ビーム17を有する上板18は、前記ケーシング15の上部側壁内面に取り付けられている。前記ケーシング15の底板には、前記T字形レール4の突状部が挿通される切欠部19が形成されている。上面形状がU字状をなす弾性部材20は、拡口自在な一対の端部を有し、かつその一端部の側面は前記ケーシング15の側壁内面に取り付けられている。つまり、前記弾性部材20はその一端部が前記ケーシング15の側壁内面に取り付けられることによって、他端部がフリーな状態になってその弾性力より拡口自在になる。一対の逆台形の板材からなるガイド部材211、212は、前記弾性部材20の一対の端部内面に互いに対向して取り付けられている。このようなガイド部材211、212の前記弾性部材20への取着により、それらの間に略逆V形の空間が形成される。一対のブレーキシュー221、222は、前記ガイド部材211、212間に互いに対向して配置され、かつそれらの下部は前記ケーシング15の底板に載置されている。このようなブレーキシュー221、222は、前記ガイド部材211、212の傾斜面に沿って上下動自在に配置される。また、前記ブレーキシュー221、222の間には垂直方向に延びる断面T字形の前記レール4の突状部が位置され、かつ垂直方向と平行する対向面を有する。前記引き上げワイヤ13は前記ブレーキシュー221、222の上部前面に取着されている。細長状のブレーキ部231、232は、前記ブレーキシュー221、222の対向面に沿う細長状の領域に形成されている。
【0013】
前記ブレーキ部231、232は、以下に説明する(1)〜(4)の材料または構造を有する。
【0014】
1)ブレーキ部
このブレーキ部は、窒化ケイ素、硼化チタン、サイアロンおよび炭化ケイ素から選ばれるセラミック母材に炭化ケイ素ウィスカーおよび/または炭化ケイ素板状粒子(プレートレット)が含有され、かつ前記炭化ケイ素ウィスカーおよび/または炭化ケイ素プレートレットの含有量が10重量%以上の材料からなる。
【0015】
前記炭化ケイ素ウィスカーおよび/または炭化ケイ素プレートレットの含有量を規定した理由は、その含有量を10重量%未満にすると、前記セラミック母材単体と比べた時の摩擦係数の向上および摩擦係数の経時的変化の防止を達成することができなくなる。なお、前記炭化ケイ素ウィスカーおよび/または炭化ケイ素プレートレットの含有量の上限は、前記ブレーキ部の緻密性の低下を招かない40重量%にすることが好ましい。
【0016】
前記炭化ケイ素ウィスカー(針状形状)、炭化ケイ素プレートレット(板形状)はそれぞれ単独で前記セラミック母材に含有してもよいが、ブレーキ部の摩擦係数を向上させる観点から、形状の異なる炭化ケイ素ウィスカーおよび炭化ケイ素プレートレットの両者を含有させることが好ましい。
【0017】
2)ブレーキ部
このブレーキ部は、窒化ケイ素、硼化チタン、サイアロンおよび炭化ケイ素から選ばれるセラミック母材に炭化ケイ素ウィスカーおよび/または炭化ケイ素板状粒子(プレートレット)と炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭素およびタングステンから選ばれる少なくとも1種の連続繊維とが含有され、かつ前記炭化ケイ素ウィスカーおよび/または炭化ケイ素プレートレットの含有量が10重量%以上で、前記連続繊維の含有量が10〜55体積%である材料からなる。
【0018】
前記連続繊維は、径が数10〜数100μmであることが好ましい。ただし、前記連続繊維の長さは材料の大きさ等によっていくらでも調整可能である。
【0019】
前記連続繊維の含有量を規定したのは、次のような理由によるものである。前記連続繊維の含有量を10体積%未満にすると、摩擦係数の向上および経時変化防止が困難になる。一方、前記連続繊維の含有量が55体積%を越えると、前記セラミック母材の強度を高めることが困難になり、この材料からなるブレーキ部を有するブレーキシューが減速停止時にレールと摺接した際に前記ブレーキ部のセラミック母材に亀裂が発生する。より好ましい前記連続繊維の含有量は、15〜30体積%である。
【0020】
3)ブレーキ部
図4の(a)、(b)に示すようにブレーキ部231(232)は、板状のセラミック母材24に多数のセラミック繊維25を前記母材24の表面(前述した図3のブレーキシュー221、222の対向面となる面)に露出するように埋設された構造を有する。
【0021】
図5の(a)、(b)に示すようにブレーキ部231(232)は、板状のセラミック母材24にセラミック繊維の束26を前記母材24の表面(前述した図3のブレーキシュー221、222の対向面となる面)に露出するように埋設された構造を有する。
【0022】
図6の(A)に示すようにブレーキ部231(232)は、板状のセラミック母材24の表面(前述した図3のブレーキシュー221、222の対向面となる面)に多数のセラミック繊維27をそれらの長手方向がレールとの摺動方向に対して直角になるように並べて埋設した構造を有する。
【0023】
図6の(B)に示すようにブレーキ部231(232)は、板状のセラミック母材24の表面(前述した図3のブレーキシュー221、222の対向面となる面)に多数のセラミック繊維27をそれらの長手方向がレールとの摺動方向と平行になるように並べて埋設した構造を有する。
【0024】
図6の(C)に示すようにブレーキ部231(232)は、板状のセラミック母材24の表面(前述した図3のブレーキシュー221、222の対向面となる面)にセラミック繊維27を格子状に並べて埋設した構造を有する。
【0025】
図6の(D)に示すようにブレーキ部231(232)は、板状のセラミック母材24の表面(前述した図3のブレーキシュー221、222の対向面となる面)にセラミック繊維27を格子状にかつその格子の対角線がレールとの摺動方向と平行になるように並べて埋設した構造を有する。これらの繊維は、表面に限らず、内部に埋設されていてもよい。
【0026】
前記セラミック母材は、例えば窒化ケイ素、サイアロン、炭化珪素等からなる。サイアロンは、α−サイアロン、β−サイアロンのいずれでもよいが、Si6-zAlzN8-z(0<z≦4.2)で表されるβ−サイアロンがより好ましい。
【0027】
図6の(A)〜(D)に用いるセラミック母材は、内部に炭化ケイ素のようなセラミックからなるウィスカー、プレートレットまたは連続繊維が埋設されて強化されることを許容する。
【0028】
前記セラミック繊維は、例えば炭化ケイ素からなる。
【0029】
4)ブレーキ部
図7の(a)、(b)に示すようにブレーキ部231(232)は、板状のセラミック母材24の表面(前述した図3のブレーキシュー221、222の対向面となる面)に前記母材24と一体化された突起部28をレールとの摺動方向に沿ってハの字形に多数配列した構造を有する。
【0030】
図8の(a)、(b)に示すようにブレーキ部231(232)は、板状のセラミック母材24の表面(前述した図3のブレーキシュー221、222の対向面となる面)に前記母材24と一体化された帯状の突起部29をレールとの摺動方向に対して直角になるように多数配列した構造を有する。
【0031】
図9の(a)、(b)に示すようにブレーキ部231(232)は、板状のセラミック母材24の表面(前述した図3のブレーキシュー221、222の対向面となる面)に前記母材24と一体化されたピラミッド形の突起部30を多数配列した構造を有する。
【0032】
図10の(a)、(b)に示すようにブレーキ部231(232)は、板状のセラミック母材24の表面(前述した図3のブレーキシュー221、222の対向面となる面)に前記母材24と一体化されたかまぼこ形の突起部31をレールとの摺動方向に対して直角になるように多数配列した構造を有する。
【0033】
前記セラミック母材は、例えば窒化ケイ素、サイアロン、炭化珪素等からなる。
【0034】
前記セラミック母材および突起部は、内部に炭化ケイ素のようなセラミックからなるウィスカー、プレートレットまたは連続繊維が埋設されて強化されることを許容する。
【0035】
前記突起部の高さは、10mm以下であることが好ましい。前記突起部の高さが10mmを越えると、この突起部を持つブレーキ部を有するブレーキシューを減速停止時にレールと摺接した際に前記突起部が根元から破損して脱落する恐れがある。より好ましい前記突起部の高さは、1〜5mmである。
【0036】
前述した図1〜図3に示すエレベータ非常停止装置の作用を図11の(a)、(b)および図12の(a)、(b)を参照して説明する。なお、図11の(a)は平常運転時のエレベータ非常停止装置を示す横断面図、同図(b)は同図(a)のb−b線に沿う断面図、図12の(a)は非常時のエレベータ非常停止装置を示す横断面図、同図(b)は同図(a)のb−b線に沿う断面図である。
【0037】
エレベータが平常に運転されている場合には、図11の(a)、(b)に示すように一対のブレーキシュー221 、222 の対向面はレール4の突起に対して一定の間隔をあけて位置している。このため、エレベータ非常停止装置によるかご2の減速停止作動が働かない。
【0038】
一方、図1に示す昇降機のトラブル等によりそのロープ3が切断されると、前記ロープ3により昇降されるかご2が落下する、いわゆる非常時状態になる。前記かご2の落下に伴ってそのかご2と前記レバー9、10等を介して連結された前記調速機ロープ6も下降し、その下降速度が設定速度を越えたことを調速機8で検出されると、この検出信号が把持部材14に出力されてその把持部材14が作動して前記調速機ロープ6を把持する。このように調速機ロープ6が把持されると、その途中に取り付けられた前記係合部材5と係合された第1、第2のレバー9、10によりそれらに取り付けられた引上げワイヤ12、13が引張られる。引上げワイヤ12、13が引張られると、図12の(a)、(b)に示すように一対の非常停止装置1における一対のブレーキシュー221、222がU字形の弾性部材20の両端部の互いに近接しようとする弾性力に抗してガイド部材211、212の傾斜面に沿って上方に引き上げられる。前記ブレーキシュー221、222が引き上げられると、それらの対向距離が狭められて対向面がレール4の突起に接触すると共に前記弾性部材20の反作用としての弾性力によりそれらの対向面が前記レール4の突起を挟持する力がはたらく。前記ブレーキシュー221、222の対向面に沿う細長状の領域には、ブレーキ部231 、232 が形成されているため、前記ブレーキシュー221、222による前記レール4の突起の挟持により、ブレーキ部231、232と前記レール4の突起の間に摩擦力が働き、落下する前記かご2が減速停止される。
【0039】
上述したエレベータ非常停止装置1によるかご2の減速停止過程において、レールと摺接するブレーキ部231、232を前記1)で説明した窒化ケイ素、硼化チタン、サイアロンおよび炭化ケイ素から選ばれるセラミック母材に炭化ケイ素ウィスカーおよび/または炭化ケイ素プレートレットが含有され、かつ前記炭化ケイ素ウィスカーおよび/または炭化ケイ素プレートレットの含有量が10重量%以上の材料により形成することによって、1000℃を越える耐熱性および高速・高応力下でも安定した高い摩擦係数、さらにレールに対して優れた耐焼付け性を有すると共に、摩擦係数の経時的変化を抑制することができる。
【0040】
すなわち、セラミック単体でブレーキ部を形成すると、レールの突起の間の摺動において、レール材とセラミックとのなじみが次第によくなってある種の潤滑効果が発現される。これに対し、本発明のようにセラミック母材にこの母材と異なり、異方性の非常に強い形状のウィスカー、プレートレットを含有した材料からブレーキ部を形成することによって、1000℃を越える耐熱性および高速・高応力下でも安定した高い摩擦係数を有するほかに、レールと前記ブレーキ部の摺動面での潤滑効果の発生を妨ぎ、摩擦係数の経時的変化を抑制できる。その結果、前記1)のブレーキ部231、232を有するブレーキシュー221、222を備えたエレベータ非常停止装置1は昇降機のトラブル等によりそのロープ3が切断される非常時において、落下するかご2を確実に減速停止させることができる。
【0041】
また、ブレーキ部を前記2)の窒化ケイ素、硼化チタン、サイアロンおよび炭化ケイ素から選ばれるセラミック母材に炭化ケイ素ウィスカーおよび/または炭化ケイ素板状粒子(プレートレット)と炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭素およびタングステンから選ばれる少なくとも1種の連続繊維とが含有され、かつ前記炭化ケイ素ウィスカーおよび/または炭化ケイ素プレートレットの含有量が10重量%以上で、前記連続繊維の含有量が10〜55体積%である材料から形成することによって、1000℃を越える耐熱性および高速・高応力下でも安定した高い摩擦係数、さらにレールに対して優れた耐焼付け性を有するほかに、前記セラミック母材が前記連続繊維により強化される。その結果、前記ブレーキ部231、232を有するブレーキシュー221 、222を備えたエレベータ非常停止装置1は昇降機のトラブル等によりそのロープ3が切断される非常時において、前記レールと摺動される前記ブレーキ部のセラミック母材に亀裂等が発生することなく、落下するかご2を確実に減速停止させることができる。
【0042】
さらに、前記3)で説明した図4〜図6に示す構造のブレーキ部は板状のセラミック母材における図3のブレーキシュー221、222の対向面となる面にセラミック繊維をその面に垂直または平行に配置されているため、1000℃を越える耐熱性および高速・高応力下でも安定した高い摩擦係数、さらにレールに対して優れた耐焼付け性を有する。特に、板状のセラミック母材にセラミック繊維もしくはその束を前記面に対して垂直に埋設して露出させた構造のブレーキ部は、表面に露出した多数の微細径の繊維が硬質粒子を埋め込んだのと同様な効果を発現し、かつ硬質粒子のように脱落した粒子がレールを傷付けることなく、安定的な摩擦摩耗特性が付与される。したがって、前記ブレーキ部231、232を有するブレーキシュー221、222を備えたエレベータ非常停止装置1は昇降機のトラブル等によりそのロープ3が切断される非常時において、落下するかご2を確実に減速停止させることができる。
【0043】
さらに、前記4)で説明した図7〜図10に示す構造のブレーキ部231、232は板状のセラミック母材24における図3のブレーキシュー221、222の対向面となる面に前記母材24と一体化された突起部を複数形成した構造を有するため、1000℃を越える耐熱性および高速・高応力下でも安定した高い摩擦係数、さらにレールに対して優れた耐焼付け性を有する。したがって、前記ブレーキ部231、232を有するブレーキシュー221、222を備えたエレベータ非常停止装置1は昇降機のトラブル等によりそのロープ3が切断される非常時において、落下するかご2を確実に減速停止させることができる。
【0044】
【実施例】
以下、本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明する。
【0045】
(参照例1〜32および比較例1〜12)
下記表1および表2に示す組成の炭化珪素ウィスカー、プレートレット、サイアロンを含有するセラミック(ブレーキ材料)とレールとの摺接による慣性摩擦試験を行った。ここで、サイアロンは、Si6-zAlzN8-z(0<z≦4.2)のz値を2とするSi4Al2O2N6からなるβ−サイアロンで、Si3N4、Al2O3、AlNの混合粉末により作製した。
【0046】
前記慣性摩擦試験は、次のような手順により行った。各ブレーキ材料をピン状試験片(TP1 )に、レール材であるSS400材を円板状の試験片(TP2 )に加工した。実験は、回転する試験片TP2の円形面に試験片TP1の先端を押し付け、同時にTP2 の回転を減速させ、停止に至までの押付け圧力、摩擦力、回転数を測定し、摩擦速度と摩擦係数との相関を調べた。実験条件は、800m/minのエレベータ非常停止装置の動作条件をもとに設定し、面圧は50MPaになるように荷重を設定した。摺動開始直後の摩擦速度750m/minと中間の摩擦速度400m/minの摩擦係数の値をそれぞれ下記表1および表2に示す。なお、表1および表2中のμ750は摺動開始直後の摩擦速度750m/minの、μ400は摺動開始直後の摩擦速度400m/minの、摩擦係数の値をそれぞれ示す。
【0047】
【表1】
【表2】
また、表1の実施例1、表2の比較例1のブレーキ材料について、摩擦開始から停止に至るまでの摩擦係数の変化を調べた。その結果を図13に示す。
【0048】
前記表1、表2および図13から明らかなように参照例1〜32のブレーキ材料はいずれも高い摩擦係数を示し、かつその値も変化せず、優れた摩擦特性を有することがわかる。特に、サイアロンはそれ自身単体でも高い摩擦係数を有する。
【0049】
さらに、参照例1〜32のブレーキ材料を用いて図1〜図3に示すエレベータ非常停止装置のブレーキ部23、23を形成し、昇降機のロープを切断してかごを800m/min速度で落下させた時の非常停止状況を実験した。その結果、一対のブレーキシューとレールとの摩擦により落下後30m以内にかごが減速停止された。
【0050】
(参照例33〜57および比較例13〜24)
下記表3および表4に示す組成の炭化珪素ウィスカー、プレートレットのほかにさらに各種の連続繊維を含有するセラミック(ブレーキ材料)とレールとの摺接による慣性摩擦試験を行った。すなわち、各ブレーキ材料をピン状試験片(TP1 )に、レール材であるSS400材を円板状の試験片(TP2 )に加工した。実験は、回転する試験片TP2 の円形面に試験片TP1 の先端を押し付け、同時にTP2 の回転を減速させ、停止に至までの押付け圧力、摩擦力、回転数を測定し、摩擦速度と摩擦係数との相関を調べた。実験条件は、800m/minのエレベータ非常停止装置の動作条件をもとに設定し、面圧は実施例1の倍の値である100MPaになるように荷重を設定した。摺動開始直後の摩擦速度750m/minと中間の摩擦速度400m/minの摩擦係数の値および亀裂発生状況をそれぞれ下記表3および表4に示す。なお、表3および表4中のμ750は摺動開始直後の摩擦速度750m/minの、μ400は摺動開始直後の摩擦速度400m/minの、摩擦係数の値をそれぞれ示す。また、亀裂発生状況は○;亀裂発生なし、△;亀裂発生若干あり、×;亀裂発生相当あり、として評価した。
【0051】
【表3】
【表4】
前記表3、表4から明らかなように参照例33〜57のブレーキ材料はいずれも高い摩擦係数を示し、かつその値も変化せず、優れた摩擦特性を有すると共に、亀裂発生のない良好な機械的強度を有することがわかる。
【0052】
さらに、参照例33〜57のブレーキ材料を用いて図1〜図3に示すエレベータ非常停止装置のブレーキ部23、23を形成し、昇降機のロープを切断してかごを800m/min速度で落下させた時の非常停止状況を実験した。その結果、一対のブレーキシューとレールとの摩擦により落下後30m以内にかごが減速停止された。
【0053】
(実施例1)
焼結助剤としてY2O35重量%およびAl2O32重量%を含む窒化ケイ素粉末に1700℃を越える耐熱製および高摩擦係数を有する炭化ケイ素長繊維(TEXTRON社製商品名;SCS−6)を最終の板状物表面に対して垂直になるように30重量%配合し、窒素雰囲気中、1700℃でプレス圧300kg/cm2の条件で1時間ホットプレスを行うことにより図4に示す構造のブレーキ部を作製した。
【0054】
得られた実施例1のブレーキ部とレールとの摺接による慣性摩擦試験を行った。すなわち、ブレーキ部を先端面に対して前記炭化ケイ素長繊維が垂直に配列されるようにピン状試験片(TP1)を加工した。また、レール材であるSS400材を円板状の試験片(TP2)に加工した。実験は、回転する試験片TP2の円形面に試験片TP1の先端を押し付け、同時にTP2の回転を減速させ、停止に至までの押付け圧力、摩擦力、回転数を測定し、摩擦開始時から停止に至までの摩擦係数の変化およびピン状試験片の試験後の相対摩耗量を調べた。その結果を図14、図15に示す。なお、実験条件は800m/minのエレベータ非常停止装置の動作条件をもとに設定した。また、図14、図15には比較例25としてFC250からなる鋼材から加工したピン状試験片(TP1 )を用いて、同様な摩擦開始時から停止に至までの摩擦係数の変化およびピン状試験片の試験後の相対摩耗量をそれぞれ示す。
【0055】
図14から明らかなように実施例1のブレーキ部は、比較例25のブレーキ材料に比べて摩擦直後から高い摩擦係数を示し、しかも実験開始から停止時かけてさらに安定することがわかる。また、図15から明らかなように実施例1のブレーキ部は、相対摩耗量においても比較例25のブレーキ材料に比べて優れた特性を示すことがわかる。
【0056】
さらに、実施例1のブレーキ部を図1〜図3に示すエレベータ非常停止装置のブレーキシュー221、222に組み込み、昇降機のロープを切断してかごを800m/min速度で落下させた時の非常停止状況を実験した。その結果、一対のブレーキシューとレールとの摩擦により落下後30m以内にかごが減速停止された。
【0057】
(実施例2)
焼結助剤としてY2 O3 5重量%およびMgAl2 O4 5重量%を含む窒化ケイ素粉末に直径約10μmのニカロン繊維を数百本束ねたヤーン(日本カーボン製)を最終の板状物表面に対して垂直になるように30重量%配合し、窒素雰囲気中、1600℃でプレス圧300kg/cm2 の条件で1時間ホットプレスを行うことにより図5に示す構造のブレーキ部を作製した。
【0058】
得られた実施例2のブレーキ部とレールとの摺接による慣性摩擦試験を行った。すなわち、ブレーキ部を先端面に対して前記ヤーンが垂直に配列されるようにピン状試験片(TP1)を加工した。また、レール材であるSS400材を円板状の試験片(TP2)に加工した。実験は、回転する試験片TP2の円形面に試験片TP1の先端を押し付け、同時にTP2の回転を減速させ、停止に至までの押付け圧力、摩擦力、回転数を測定し、摩擦開始時から停止に至までの摩擦係数の変化およびピン状試験片の試験後の相対摩耗量を調べた。その結果、実施例1と同様、高い摩擦係数と低い相対摩耗量を示すことが確認された。
【0059】
さらに、実施例2のブレーキ部を図1〜図3に示すエレベータ非常停止装置のブレーキシュー221、222に組み込み、昇降機のロープを切断してかごを800m/min速度で落下させた時の非常停止状況を実験した。その結果、一対のブレーキシューとレールとの摩擦により落下後30m以内にかごが減速停止された。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば1000℃を越える耐熱性および高速・高応力下でも安定した高い摩擦係数、さらにレールに対して優れた耐焼付け性を有するエレベータ非常停止装置用ブレーキ材料を提供することができる。
【0061】
また、本発明によれば昇降手段の破損によるかごの落下に際し、レールとの焼付け等を生じることなく前記かごを確実に減速停止させることが可能なエレベータ非常停止装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる非常停止装置を備えたエレベータシステムを示す概略図。
【図2】 図1のA矢視図。
【図3】 図1の非常停止装置を示す斜視図。
【図4】 本発明に係わる非常停止装置のブレーキシューに組み込まれるブレーキ部を示す図。
【図5】 本発明に係わる非常停止装置のブレーキシューに組み込まれる別のブレーキ部を示す図。
【図6】 本発明に係わる非常停止装置のブレーキシューに組み込まれる別のブレーキ部を示す図。
【図7】 本発明に係わる非常停止装置のブレーキシューに組み込まれる別のブレーキ部を示す図。
【図8】 本発明に係わる非常停止装置のブレーキシューに組み込まれる別のブレーキ部を示す図。
【図9】 本発明に係わる非常停止装置のブレーキシューに組み込まれる別のブレーキ部を示す図。
【図10】 本発明に係わる非常停止装置のブレーキシューに組み込まれる別のブレーキ部を示す図。
【図11】 本発明に係わるエレベータ非常停止装置における平常運転時の状態を示す図。
【図12】 本発明に係わるエレベータ非常停止装置における非常時の状態を示す図。
【図13】 参照例1および比較例1のブレーキ材料の摩擦開始から停止に至るまでの摩擦係数の変化を示す特性図。
【図14】 実施例1および比較例25のブレーキ材料の摩擦開始から停止に至るまでの摩擦係数の変化を示す特性図。
【図15】 実施例1および比較例25のブレーキ材料からなるピン状試験片の試験後の相対摩耗量を示す特性図。
【符号の説明】
1…非常停止装置、2…かご、3…昇降機のロープ、4…レール、6…調速機ロープ、8…調速機、12、13…引上げワイヤ、14…把持部材、15…ケーシング、20…弾性部材、211、212…ガイド部材、221、222…ブレーキシュー、231、232…ブレーキ部、24…セラミック母材、25、27…セラミック繊維、26…セラミック繊維の束、28〜31…突起部。
Claims (6)
- ブレーキ本体と、
前記本体の制動面側に配置され、窒化ケイ素、硼化チタン、サイアロンおよび炭化ケイ素から選ばれるセラミック母材に複数のセラミック繊維を前記制動面に全ての繊維の端面が露出するように分散させて埋設した複合材料からなるブレーキ片と
を具備したことを特徴とするエレベータ非常停止装置用ブレーキシュー。 - 前記複数のセラミック繊維は、その繊維の束であることを特徴とする請求項1記載のエレベータ非常停止装置用ブレーキシュー。
- 水平方向に拡口自在なU字形をなす弾性部材;
前記弾性部材の両端部内面に互いに対向して取付けられ、対向面の下部が外側に向けて傾斜した一対のガイド部材;
前記ガイド部材の中間に配置された垂直方向に延びる断面T字形のレール;
前記ガイド部材間に前記ガイド部材の傾斜面に沿って上下動自在に、かつ前記レールを中心にして互いに対向して配置された垂直方向に延びる制動面を有する一対のブレーキシュー;および
前記ブレーキシューにそれぞれ取付けられ、非常時に前記各ブレーキシューを前記ガイド部材に沿って上方に引き上げるための引上げ手段であって、それによって前記弾性部材の弾性力により前記各ガイド部材を押圧して前記各ブレーキシューの前記制動面で前記レールを挟持する;
を具備し、
前記ブレーキシューは、(a)ブレーキ本体と、(b)前記本体の制動面側に配置され、窒化ケイ素、硼化チタン、サイアロンおよび炭化ケイ素から選ばれるセラミック母材に複数のセラミック繊維を前記制動面に全ての繊維の端面が露出するように分散させて埋設した複合材料からなるブレーキ片とを有することを特徴とするエレベータ非常停止装置。 - 前記複数のセラミック繊維は、その繊維の束であることを特徴とする請求項3記載のエレベータ非常停止装置。
- かご;
前記かごを昇降するための昇降手段;
前記かごの底部に支持手段により取付けられた水平方向に拡口自在なU字形をなす弾性部材;
前記弾性部材の両端部内面に互いに対向して取付けられ、対向面の下部が外側に向けて傾斜した一対のガイド部材;
前記ガイド部材の中間に配置された垂直方向に延びる断面T字形のレール;
前記ガイド部材間に前記ガイド部材の傾斜面に沿って上下動自在に、かつ前記レールを中心にして互いに対向して配置された垂直方向に延びる制動面を有する一対のブレーキシュー;および
前記ブレーキシューにそれぞれ取付けられ、前記昇降手段の破損により前記かごが落下した時に前記各ブレーキシューを前記ガイド部材に沿って上方に引き上げるための引上げ手段であって、それによって前記弾性部材の弾性力により前記各ガイド部材を押圧して前記各ブレーキシューの前記制動面で前記レールを挟持する;
を具備し、
前記ブレーキシューは、(a)ブレーキ本体と、(b)前記本体の制動面側に配置され、窒化ケイ素、硼化チタン、サイアロンおよび炭化ケイ素から選ばれるセラミック母材に複数のセラミック繊維を前記制動面に全ての繊維の端面が露出するように分散させて埋設した複合材料からなるブレーキ片とを有することを特徴とする非常停止機能付エレベータ。 - 前記複数のセラミック繊維は、その繊維の束であることを特徴とする請求項5記載の非常停止機能付エレベータ。
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