JPH10258977A - エレベータ非常停止装置用ブレーキシュー、エレベータ用非常停止装置および非常停止機能を有するエレベータ - Google Patents

エレベータ非常停止装置用ブレーキシュー、エレベータ用非常停止装置および非常停止機能を有するエレベータ

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JPH10258977A
JPH10258977A JP6312197A JP6312197A JPH10258977A JP H10258977 A JPH10258977 A JP H10258977A JP 6312197 A JP6312197 A JP 6312197A JP 6312197 A JP6312197 A JP 6312197A JP H10258977 A JPH10258977 A JP H10258977A
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braking
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Masanori Katou
雅礼 加藤
Takayuki Fukazawa
孝幸 深澤
Yasuhiro Itsudo
康広 五戸
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1250m/分を越える高速稼働中の緊急時
に安定した制動特性を有し、作動後破損されたブレーキ
片の交換が容易なブレーキシューを提供する。 【解決手段】 ブレーキ本体と、前記本体にその制動側
の面から穿設され、少なくとも開口部近傍にネジ部を有
する複数の収納穴と、前記各穴内にそれぞれ挿入され、
前記各穴の開口部側の先端部を幅狭とした母材がセラミ
ックからなる複数のブレーキ片と、前記各穴底面と前記
各ブレーキ片の後端部の間にそれぞれ介在され、前記各
ブレーキ片を前記各穴の開口部側に向けて付勢するため
の複数のスプリングと、前記各収納穴のネジ部に螺着さ
れて前記各穴と前記ブレーキ片の間に配置され、前記ス
プリングによる前記ブレーキ片への付勢力を規制して前
記ブレーキ片の先端部側を前記本体の制動側の面から所
望高さ突出させるためのストッパ部材とを具備したこと
を特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エレベータ非常停
止用ブレーキシュー、エレベータ非常停止装置および非
常停止機能を有するエレベータに関する。
【0002】
【従来の技術】エレベータは、昇降機の不測の破損等に
よる落下を防止するために非常停止装置が付設されてい
る。この非常停止装置は、昇降手段により昇降されるか
ごの底部に取付けられた水平方向に拡口自在な一対の端
部を有するU字形状の弾性部材と、前記弾性部材の両端
部内面に互いに対向して取付けられ、対向面が外側に傾
斜した一対の板状のガイド部材と、前記各ガイド部材の
中間に配置された垂直方向に延びる断面T字形のレール
と、前記ガイド部材間に前記ガイド部材の傾斜面に沿っ
て上下動自在に、かつ前記レールを中心にして互いに対
向して配置された垂直に沿って制動面を有する一対のブ
レーキシューと、前記ブレーキシューにそれぞれ取付け
られ、前記ブレーキシューを上方に引き上げるための引
上げ手段とを具備した構成になっている。このような非
常停止装置において、前記昇降手段の破損により前記か
ごが落下した時にその落下速度を検出して前記引上げ手
段が作動し、前記ブレーキシューを前記ガイド部材に沿
って上方に引き上げ、前記弾性部材の弾性力により前記
ブレーキシューの前記制動面で前記レールを挟持するこ
とによって、前記ブレーキシューと前記レール間に働く
摩擦力により落下する前記かごが減速停止される。
【0003】ところで、従来、前記ブレーキシューは適
度な摩擦係数と耐摩耗性を有する鋳鉄や銅系焼結合金等
の材料により形成されている。しかしながら、年々、建
築物の高層化に伴う高速、大容量化するエレベータ需要
に対し、摩擦によって発生する熱および摩擦係数の低下
の問題が生じる。例えば、シュミレーションによると、
エレベータの動作速度が1250m/minに及ぶ場合
には摩擦摺動面での局所的な温度は1000℃を越える
場合もある。このような温度が前記エレベータの減速停
止時に発生すると、金属からなるブレーキシューでは強
度的にも耐熱性の点からも使用が困難になる。その上、
減速停止後のブレーキシューとレールとの反応による焼
き付けなどの問題が生じる。
【0004】このようなことから、特公昭62−346
74号公報には耐熱性の優れたセラミックスの板を加工
して複数の突起子を一体的に形成した摺動部材を金属か
らなるブレーキ本体のレールと対向する制動面側に埋め
込んだ構造のブレーキシューを用いることが開示されて
いる。このブレーキシューは、複数の突起子を一体的に
形成した摺動部材が金属からなるブレーキ本体に保持さ
れているため、エレベータの減速停止時に前記摺動部材
が脱落することなく、良好な青銅作用を発揮することが
可能である。
【0005】しかしながら、前記ブレーキシューは摺動
部材の材料であるセラミックス本来の脆さを抜本的に解
決しておらず、前記ブレーキ本体との接触部での応力集
中による破壊に耐して十分な対策がなされ低ない。ま
た、セラミックスからなる複数の突起子が一体的に形成
された週銅部材を金属からなるブレーキ本体に合わせて
加工することは容易ではなく、コストの高騰化を招く。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、12
50m/分を越える高速稼働中の緊急時に安定した制動
特性を有し、かつ万一ガイドレールを摺接する複数のブ
レーキ片の幾つかが破損してもその破損ブレーキ片のみ
を容易に交換することが可能なるエレベータ非常停止装
置用ブレーキシューを提供しようとするものである。
【0007】本発明の別の目的は、安定した制動特性を
有し、小型化が可能なするエレベータ非常停止装置を提
供しようとするものである。本発明のさらに別の目的
は、昇降手段の破損によるかごの落下に際し、レールと
の焼付け等を生じることなく前記かごを確実に減速停止
させるエレベータ非常停止機能を備えるエレベータを提
供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係わ
るエレベータ非常停止装置用ブレーキシューは、ブレー
キ本体;前記本体にその制動側の面から穿設され、少な
くとも開口部近傍にネジ部を有する複数のブレーキ片収
納穴;前記各収納穴内にそれぞれ挿入され、前記各穴の
開口部側の先端部を幅狭とした母材がセラミックからな
る複数のブレーキ片;前記各収納穴底面と前記各ブレー
キ片の後端部の間にそれぞれ介在され、前記各ブレーキ
片を前記各収納穴の開口部側に向けて付勢するための複
数のスプリング;および前記各収納穴のネジ部に螺着さ
れて前記各穴と前記ブレーキ片の間に配置され、前記ス
プリングによる前記ブレーキ片への付勢力を規制して前
記ブレーキ片の先端部側を前記本体の制動側の面から所
望高さ突出させるためのストッパ部材;を具備したこと
を特徴とするものである。
【0009】本発明の請求項2に係わるエレベータ非常
停止装置用ブレーキシューは、ブレーキ本体;前記本体
にその制動側の面から穿設された複数のブレーキ片収納
穴;前記各収納穴内に互いに対向するようにそれぞれ挿
入された複数の対をなすバネ部材;および前記各収納穴
内に前記対をなすバネ部材の弾性力に抗して挿入され、
それによって先端部側が前記本体の制動側の面から所望
長さ突出する母材がセラミックからなる複数のブレーキ
片;を具備したことを特徴とするものである。
【0010】本発明の請求項3に係わるエレベータ非常
停止装置用ブレーキシューは、制動側の面に複数の凹部
を有するブレーキ本体;複数の凸部およびこれら凸部に
対応する箇所に穿設されたブレーキ片収納穴を有し、前
記本体にそれらの凹部内に前記各凸部が挿入されるよう
に固定された金属製保持部材;および前記保持部材の各
収納穴内にそれぞれ前記保持部材の制動側の面から所望
高さ突出するように挿入、固定された母材がセラミック
からなる複数のブレーキ片;を具備したことを特徴とす
るものである。
【0011】本発明の請求項4に係わるエレベータ非常
停止装置用ブレーキシューは、制動側の面にこの面と直
交する少なくとも一方の側面から切欠された複数の凹部
を有するブレーキ本体;制動側の面に向けて幅が狭くな
るように穿設された複数のテーパ状の貫通穴を有する金
属製保持部材;前記保持部材の前記各貫通孔内にそれぞ
れ挿入された母材がセラミックからなる複数のテーパ状
のブレーキ片;および前記保持部材の制動側の面と反対
側の面に固定され、前記各貫通孔内にそれぞれ挿入され
たブレーキ片をその先端が前記保持部材の制動側の面か
ら所望高さ突出するように保持するための当て板;を具
備し、前記複数のブレーキ片が保持された前記保持部材
および前記当て板は、前記本体の複数の凹部内に前記当
て板が前記凹部底面に当接し、かつ前記保持部材の制動
側の面が前記本体の制動側の面と面一となるように埋め
込み、固定されていることを特徴とするものである。
【0012】本発明に係わる各ブレーキシューにおい
て、少なくとも複数の前記ブレーキ片の突出部と反対側
の面には、さらにシート状緩衝材が配置されることを許
容する。
【0013】本発明に係わるエレベータ非常停止装置
は、水平方向に拡口自在なU字形をなす弾性部材;前記
弾性部材の両端部内面に互いに対向して取付けられ、対
向面の下部が外側に向けて傾斜した一対のガイド部材;
前記ガイド部材の中間に配置された垂直方向に延びる断
面T字形のレール;前記ガイド部材間に前記ガイド部材
の傾斜面に沿って上下動自在に、かつ前記レールを中心
にして互いに対向して配置された垂直方向に延びる制動
面を有する一対のブレーキシュー;および前記ブレーキ
シューにそれぞれ取付けられ、非常時に前記各ブレーキ
シューを前記ガイド部材に沿って上方に引き上げ、それ
によって前記弾性部材の弾性力により前記各ガイド部材
を押圧して前記各ブレーキシューの前記制動面で前記レ
ールを挟持するるための引上げ手段;を具備し、前記ブ
レーキシューは、前述した請求項1〜4いずれかの記載
の構造を有することを特徴とするものである。
【0014】本発明に係わる非常停止機能を有するエレ
ベータは、かご;前記かごを昇降するための昇降手段;
前記かごの底部に支持手段により取付けられた水平方向
に拡口自在なU字形をなす弾性部材;前記弾性部材の両
端部内面に互いに対向して取付けられ、対向面の下部が
外側に向けて傾斜した一対のガイド部材;前記ガイド部
材の中間に配置された垂直方向に延びる断面T字形のレ
ール;前記ガイド部材間に前記ガイド部材の傾斜面に沿
って上下動自在に、かつ前記レールを中心にして互いに
対向して配置された垂直方向に延びる制動面を有する一
対のブレーキシュー;および前記ブレーキシューにそれ
ぞれ取付けられ、前記昇降手段の破損により前記かごが
落下した時に前記各ブレーキシューを前記ガイド部材に
沿って上方に引き上げ、それによって前記弾性部材の弾
性力により前記各ガイド部材を押圧して前記各ブレーキ
シューの前記制動面で前記レールを挟持するるための引
上げ手段;を具備し、前記ブレーキシューは、前述した
請求項1〜4いずれか記載の構造を有することを特徴と
するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わるエレベータ
を図1〜図4を参照して詳細に説明する。図1は、非常
停止装置を備えたエレベータを示す概略図、図2は図1
のA矢視図、図3は図1の非常停止装置を示す断面図、
図4は図3のIV−IV線に沿う断面図である。
【0016】一対の非常停止装置1は、かご2の左右底
部にそれぞれ対向して取付けられている。昇降機(図示
せず)のロープ3は、前記かご2の上板に取付けられて
いる。一対のレール4は、前記一対の非常停止装置1が
配置された前記かご2の側面に沿ってその昇降方向(垂
直方向)にそれぞれ配置されている。
【0017】前記かご2側に面して途中に取り付けられ
た係合部材5を有する調速機ロープ6は、階下のプーリ
ー7と屋上等に設置される調速機8の間に枢支されてい
る。第1レバー9は、前記係合部材5に係合されてい
る。先端が前記かご2の右側面側に位置する第2レバー
10は、前記第1レバー9に長尺レバー11を介して連
結されている。2本の引上げワイヤ12は、先端が前記
第1レバー9にそれぞれ取り付けられている。前記各引
上げワイヤ12の下端は、前記かご2の左底部に取り付
けられた前記非常停止装置1の後述するブレーキシュー
に取付けられている。2本の引上げワイヤ13は、先端
が前記第2レバー10にそれぞれ取り付けられている。
前記引上げワイヤ13の下端は、前記かご2の右底部に
取り付けられた前記非常停止装置1の後述するブレーキ
シューに取付けられている。把持部材14は、前記調速
機8の近傍に配置されている。
【0018】前記昇降機(図示せず)のトラブル等によ
りそのロープ3が切断され、前記かご2が落下して前記
かご2と前記レバー9、10等を介して連結された前記
調速機ロープ6の下降速度が設定速度を越えたことを前
記調速機8で検出されると、この検出信号が前記把持部
材14に出力されてその把持部材14が作動して前記調
速機ロープ6を把持する。このように調速機ロープ6が
把持されると、その途中に取り付けられた前記係合部材
5と係合された第1、第2のレバー9、10によりそれ
らに取り付けられた引上げワイヤ12、13が引張ら
れ、後述する一対の非常停止装置1のブレーキシューを
上方に引き上げる。このような係合部材5を有する調速
機ロープ6、プーリー7、調速機8、第1、第2のレバ
ー9、10、長尺レバー11、引上げワイヤ12、13
および把持部材14により引上げ手段を構成している。
【0019】前記非常停止装置1は、図2〜図4に示す
ように互いに対向する一対の支持板151 、152 によ
り固定された上部ストッパプレート16および下部スト
ッパプレート17を備える。前記上下のストッパプレー
ト16、17の前面中央部には、細長状の溝18、19
がそれぞれ切欠されている。前記溝18、19には、前
記T字形レール4の突状部がそれぞれ挿通される。前記
各支持板151 、152 側に位置する前記上部ストッパ
プレート16の両端下部には、切欠部201 、202
それぞれ形成されている。前記各支持板151 、152
側に位置する前記下部ストッパプレート17の両端上部
には、切欠部211 、212 がそれぞれ形成されてい
る。上下部が外側に直角に屈曲した2本のビーム22
1 、222 は、上端が前記かご2底面にそれぞれ連結さ
れ、下端が前記上部ストッパプレート16上にそれぞれ
連結されている。
【0020】逆台形ブロックからなる一対のガイド部材
231 、232 は、それらの上下端部が前記各支持板1
1 、152 および前記上下のストッパプレート16、
17で区画された空間内に互いに対向する面の下部が外
側に向けた傾斜して配置されている。前記各ガイド部材
231 、232 は、前記各支持板151 、152 側に位
置する上下端部に突起片241 、251 、242 、25
2 がそれぞれ形成されている。前記突起片241 、25
1 、242 、252 は、前記上下のストッパプレート1
6、17の前記切欠部201 、202 、211 、212
にそれぞれ係合されている。このような係合により、前
記各ガイド部材231 、232 は前記上部ストッパプレ
ート16の下面および前記下部ストッパプレート17の
上面に沿ってスライド自在に配置される。上面形状がU
字状をなし、拡口自在な両端部261 、262 を有する
弾性部材27は、前記両端部261 、262 付近の内面
が前記空間内に位置する前記各ガイド部材231 、23
2 の外側側面に当接するように挿入されている。このよ
うな弾性部材27の挿入により、前記両端部261、2
2 の弾性力が前記各ガイド部材231 、232 に加わ
り、それらガイド部材231 、232 を互いに近接させ
る力が働く。ただし、前記各ガイド部材231 、232
は互いに所定の間隔以上に近接するのを前記切欠部20
1 、202 、211 、212 の立上がり壁部で規制され
ている。なお、前記各ガイド部材231 、232 の配置
によりそれらの間に略逆V形の空間が形成される。
【0021】一対のブレーキシュー281 、282 は、
前記ガイド部材231 、232 間に互いに対向して配置
され、かつそれらの下部は前記下部ストッパプレート1
7上に載置されている。前記ブレーキシュー281 、2
2 は、制動側の面が垂直方向に延びる四角台形柱状を
なすブレーキ本体29と、この本体29の制動側の面に
その面から突出するように埋め込まれた複数のブレーキ
片30とから構成されている。このようなブレーキシュ
ー281 、282 は、前記ガイド部材231 、232
内側傾斜面に前記ブレーキ本体29の外側傾斜面が接触
して上下動自在に配置される。また、前記各ブレーキシ
ュー281 、282 の間には垂直方向に延びる断面T字
形の前記レール4の突状部が位置される。前記引き上げ
ワイヤ13は、前記ブレーキシュー281 、282 の前
面下部にそれぞれ取着されている。
【0022】前記ブレーキ本体29は、例えば軟鋼、鋳
鉄等から作られる。前記ブレーキシュー281 、282
は、例えば以下に説明する(1−1)、(1−2)の構
造を有する。
【0023】(1−1)ブレーキシュー このブレーキシュー281 、282 は、図5の(a)、
(b)および図6に示すように制動側の面を含む3つの
側面が垂直な四角台形状をなす金属からなるブレーキ本
体29を備えている。複数、例えば6つの円柱状のブレ
ーキ片収納穴31は、前記本体29の制動側の面からそ
れぞれ穿設され、かつ開口部付近にネジ部32が形成さ
れている。母材がセラミックからなる複数のブレーキ片
30は、前記各収納穴31内にそれぞれ挿入されてい
る。前記ブレーキ片30は、各穴31の開口部側の先端
部33が幅狭、例えば小円柱状をなし、円環状の段差が
形成されている。シート状緩衝材である耐熱繊維製シー
ト34は、前記先端部33の制動面とこの背面を除く前
記ブレーキ片30の周囲に配置されている。複数のスプ
リング、例えばコイルスプリング35は、前記各収納穴
31底面と前記各ブレーキ片30の後端部の間にそれぞ
れ介在され、前記各ブレーキ片30を前記各収納穴31
の開口部側に向けて付勢している。外周面にネジ切り加
工が施された円環状体からなるストッパ部材36は、前
記各収納穴31の開口部付近のネジ部32に螺着されて
前記各穴31の内周面と前記ブレーキ片30の先端部3
3の間に配置されている。前記ストッパ部材36は、前
記スプリング35で付勢された前記ブレーキ片30の段
差が前記ストッパ部材36の後端面に当接されて規制
し、前記ブレーキ片30が前記本体29から飛び出すの
を防止すると共に、前記ブレーキ片30の先端部33側
を前記本体29の制動側の面から所望高さ突出させる。
【0024】前記各ブレーキ本体29は、例えば軟鋼、
鋳鉄等から作られる。前記各ブレーキ片30は、例えば
窒化ケイ素、炭化ケイ素およびサイアロンから選ばれる
セラミック母材に粒径10〜150μmの炭化チタン、
炭化タングステンのような炭化物、窒化チタンのような
窒化物および硼化チタンのような硼化物から選ばれる少
なくとも1つのセラミックス粒子を分散させた複合材料
からなる。
【0025】前記セラミックス粒子は、前記ブレーキ片
の全体に分散させてもよいが、ブレーキ片の表面(制動
面)を含む表面層に分散させることが好ましい。このよ
うに前記セラミック母材に前記セラミックス粒子が分散
された表面層を有する複合材料からなるブレーキ片は、
表面(制動面)が高い摩擦係数を有すると共に、優れた
耐衝撃性を有する。ただし、前記セラミック粒子を前記
表面層に分散させる場合には、表面から全体厚さの30
%以内に亘る表層に分散させることが好ましい。表層の
厚さがブレーキ片全体の厚さの30%を越えると、減速
停止時における衝撃により破損される恐れがある。な
お、前記表層厚さの下限値については格子状溝の形成と
の関係で前記表層の厚さを前記格子状溝の深さより薄く
すると剥離し易くなるため、ブレーキ片全体の厚さの1
%にすることが好ましい。
【0026】前記セラミックス粒子を前記ブレーキ片全
体に分散させる場合には、前記セラミック母材に5〜3
0重量%の範囲にすることが好ましい。また、前記セラ
ミックス粒子を前記ブレーキ片の表層に分散させる場合
には、前記セラミック母材表層に5〜30重量%の範囲
にすることが好ましい。
【0027】前記ブレーキ片30のセラミック母材に分
散させるセラミックス粒子の平均粒径を規定したのは、
次のような理由によるものである。前記セラミックス粒
子の平均粒径を10μm未満にすると、摩擦係数の高い
ブレーキ片44を得ることが困難になる恐れがある。一
方、前記セラミックス粒子の平均粒径が150μmを越
えると前記セラミックス粒子の均一な分散が困難にな
り、ブレーキ片44の強度が低下する恐れがある。より
好ましい前記セラミックス粒子の平均粒径は、40〜8
0μmである。
【0028】前記各ブレーキ片30において、窒化ケイ
素のようなセラミック母材にさらに炭化ケイ素繊維、タ
ングステン繊維、カーボン繊維などの耐熱性繊維や炭化
ケイ素ウィスカーなどの短繊維を複合化することを許容
する。
【0029】前記各ブレーキ片30の前記ブレーキ本体
29からの突出高さは、0.5〜2mmにすることが好
ましい。前記各ブレーキ片30の突出高さを0.5mm
未満にすると、減速停止時におけるレールに対する制動
作用を十分に発揮することが困難になる。一方、前記各
ブレーキ片30の突出高さが2mmを越えると減速停止
時における衝撃により破損される恐れがある。
【0030】前記各ブレーキ片30の前面(制動面)に
は、格子状の溝が形成されることを許容する。前記格子
状の溝は、0.1〜0.5mmの深さ、0.5〜5mm
のピッチで形成されることが好ましい。格子状の溝の深
さが0.1mm未満で、ピッチが5mmを越えると、各
ブレーキ片44の表面(制動面)に溝形成による十分な
摩擦係数の向上効果を付与することが困難になる。一
方、格子状の溝の深さが0.5mmを越え、かつピッチ
を0.5mm未満にすると、各ブレーキ片30の耐衝撃
性が低下する恐れがある。
【0031】前記シート34を構成する耐熱繊維として
は、例えば炭化ケイ素または炭素の二次元繊維等を挙げ
ることができる。前記各ブレーキ片30のブレーキ本体
29への固定は、前述した図6に示す形態の他に下記に
示す図7〜図11に示す形態にしてもよい。
【0032】(1)図7に示すようにブレーキ本体29
には、円柱状のブレーキ片収納穴31がその制動側の面
から穿設され、かつ前記収納穴31のほぼ全体の内面に
はネジ部32が形成されている。円錐台形状をなす母材
がセラミックからなるブレーキ片30は、ブレーキ本体
29の収納穴31に挿入されている。つまり、ブレーキ
片30は前記収納穴31の開口部側の先端部33が幅狭
のテーパ状になっている。シート状緩衝材である耐熱繊
維製シート34は、前記先端部33の制動面とこの背面
を除く前記ブレーキ片30の周囲に配置されている。複
数のスプリング、例えばコイルスプリング35は、前記
収納穴31底面と前記ブレーキ片30の後端部の間にそ
れぞれ介在され、前記ブレーキ片30を前記収納穴31
の開口部側に向けて付勢している。外周面にネジ切り加
工が施され、内周面が逆円錐台形をなす円環状体からな
るストッパ部材36は、前記収納穴31のネジ部32に
螺着されて前記穴31の内周面と前記ブレーキ片30の
間に配置されている。前記ストッパ部材36は、前記ス
プリング35で付勢された前記円錐台形状をなすブレー
キ片30を前記ストッパ部材36の逆円錐台形をなす内
周面で規制し、前記ブレーキ片30が前記本体29から
飛び出すのを防止すると共に、前記ブレーキ片30の先
端部33側を前記本体29の制動側の面から所望高さ突
出される。
【0033】(2)図8に示すようにブレーキ本体29
には円柱状のブレーキ片収納穴31がその制動側の面か
ら穿設され、かつ前記収納穴31の開口部付近にネジ部
32が形成されている。母材がセラミックからなるブレ
ーキ片30は、ブレーキ本体29の収納穴31に挿入さ
れている。前記ブレーキ片30は、円柱状をなし、かつ
前記収納穴31の開口部側の先端部33が円錐台形状を
なして幅狭になっている。シート状緩衝材である耐熱繊
維製シート34は、前記先端部33の制動面とこの背面
を除く前記ブレーキ片30の周囲に配置されている。複
数のスプリング、例えばコイルスプリング35は、前記
収納穴31底面と前記ブレーキ片30の後端部の間にそ
れぞれ介在され、前記ブレーキ片30を前記収納穴31
の開口部側に向けて付勢している。外周面にネジ切り加
工が施され、内周面が逆円錐台形をなす円環状体からな
るストッパ部材36は、前記収納穴31の開口部付近の
ネジ部32に螺着されて前記穴31の内周面と前記ブレ
ーキ片30の先端部33の間に配置されている。前記ス
トッパ部材36は、前記スプリング35で付勢されたブ
レーキ片30の円錐台形状をなす先端部33を前記スト
ッパ部材36の逆円錐台形をなす内周面で規制し、前記
ブレーキ片30が前記本体29から飛び出すのを防止す
ると共に、前記ブレーキ片30の先端部33側を前記本
体29の制動側の面から所望高さ突出される。
【0034】(3)図9に示すようにブレーキ本体29
には直方体状のブレーキ片収納穴37がその制動側の面
から穿設されている。太鼓状に湾曲した4つのバネ部材
38は、前記収納穴37の4つの辺にそれらの膨出部が
互いに対向するように配置されている。母材がセラミッ
クからなる円柱状をなすブレーキ片30は、前記ブレー
キ本体29の収納穴31に前記4つのバネ部材38の弾
性力に抗して挿入され、前記ブレーキ片30の先端部側
が前記本体29の制動側の面から所望高さ突出される。
シート状緩衝材である耐熱繊維製シート34は、前記ブ
レーキ片30の先端部付近を除く周囲に配置されてい
る。耐熱繊維不織布39は、前記4つのバネ部材38と
前記ブレーキ片30の先端部付近との隙間に充填されて
いる。
【0035】(4)図10に示すようにブレーキ本体2
9には円柱状のブレーキ片収納穴31がその制動側の面
から穿設されている。中間付近に環状凸部40を有する
円筒状バネ部材41は、前記収納穴31内に配置されて
いる。外周面の中間付近に環状凹部(括れ部)42を有
する母材がセラミックからなる円柱状をなすブレーキ片
30は、前記ブレーキ本体29の収納穴31に前記バネ
部材41の環状凸部40の弾性力に抗して挿入され、前
記ブレーキ片30の環状凹部42に前記バネ部材41の
環状凸部40が係合することにより前記ブレーキ片30
の先端部が前記本体29の制動側の面から所望高さ突出
される。シート状緩衝材である耐熱繊維製シート34
は、前記ブレーキ片30の後端面に配置されている。耐
熱繊維不織布39は、前記バネ部材40と前記ブレーキ
片30の先端部付近との隙間に充填されている。
【0036】(5)図11に示すようにブレーキ本体2
9には、複数の円柱状の凹部43がその制動側の面から
穿設されている。金属製保持ブロック44は、前記本体
29の各凹部43に嵌合される複数の円柱状凸部45
と、この凸部45に対応する箇所に穿設された円柱状の
ブレーキ片収納穴46とを有する。円柱状をなすブレー
キ片30は、前記金属製保持ブロック44の収納穴46
内に前記ブロック44の表面から所望高さ突出するよう
に挿入されている。複数、例えば4本の押えネジ47
は、前記ブロック44の前記円柱状凸部45の側面から
前記ブレーキ片30の側面に向けた螺着され、これによ
り前記ブレーキ片30は前記ブロック44の収納穴46
内に固定されている。シート状緩衝材である耐熱繊維製
シート34は、前記ブレーキ片30の先端部付近を除く
周囲に配置されている。このようなブレーキ片30が挿
入、固定された前記金属製保持ブロック44は、前記本
体29の各凹部43内に前記各凸部45が嵌合するよう
に配置され、前記ブロック44の表面から前記本体29
(制動側の面の部分)に向けて螺着された複数のネジ4
8により前記本体29に固定されている。
【0037】(1−2)ブレーキシュー このブレーキシュー281 、282 は、図12の
(a)、(b)、図13および図14に示すように制動
側の面を含む3つの側面が垂直な四角台形状をなす金属
からなるブレーキ本体29を備えている。前記ブレーキ
本体29は、制動側の面にこの面と直交する2つの側面
から切欠された複数、例えば3つの細長台形柱状をなす
凹部51が形成されている。図13および図14に示す
ように細長台形柱状をなす金属製保持ブロック52は、
背面から前面(制動側の面)に向けて幅が狭くなるよう
に穿設された複数、例えば4つの円錐台形状の貫通穴5
3を有する。母材がセラミックからなる複数の円錐台形
状をなすブレーキ片30は、前記金属製保持ブロック5
2の背面から前記各貫通孔53内にそれぞれ挿入されて
いる。当て板54は、前記保持ブロック52の背面に図
示しないネジにより固定され、これにより前記各貫通孔
53内にそれぞれ挿入された前記各ブレーキ片30はそ
の先端が前記保持ブロック52の前面から所望長さ突出
するように保持される。シート状緩衝材である耐熱繊維
製シート55は、前記ブレーキ片30の先端部付近を除
く周囲に配置されている。
【0038】このような前記複数のブレーキ片30が保
持された前記保持ブロック52および前記当て板54
は、前記本体28の一方の側面から前記細長台形柱状を
なす凹部51内に前記当て板54が前記凹部51底面に
当接し、かつ前記保持ブロック52の前面が前記本体2
9の制動側の面と面一となるように挿入されている。押
え板56は、前記本体29の凹部51を含む両側面にそ
れぞれネジ57により取着され、これら押え板56によ
り前記各保持ブロック52および当て板54を前記本体
29の凹部51内に固定されている。
【0039】前記ブレーキ本体および前記保持ブロック
は、前記(1−1)で説明したのと同様な金属により形
成される。前記ブレーキ片は、前記(1−1)で説明し
たのと同様な構成を有する。
【0040】前記ブレーキ片の突出高さは、前記(1−
1)で説明したのと同様な理由により0.5〜2mmに
することが好ましい。前記ブレーキ片の表面(制動面)
に形成される格子状の溝は、前記(1−1)で説明した
のと同様な理由により0.1〜0.5mmの深さ、0.
5〜5mmのピッチで形成されることが好ましい。
【0041】前記シートを構成する耐熱性繊維として
は、例えば炭化ケイ素長繊維等を挙げることができる。
前記各ブレーキ片30が保持された前記保持ブロック5
2および前記当て板54は、図12の(a)、図13に
示す形態に限定されない。例えば、図15または図16
に示すようにブレーキ本体29の制動側の面にこの面と
直交する2つの側面かそれぞれ切欠された複数、例えば
6つの細長台形柱状をなす凹部51が形成し、これら凹
部51内に複数のブレーキ片30が保持された細長台形
柱状をなす保持ブロック52および前記当て板(図示せ
ず)をそれぞれの側面から挿入し、図示しない押え板で
固定してもよい。
【0042】なお、前記(1−1)、(1−2)のブレ
ーキシューにおいてブレーキ片として角を丸くした三角
柱、四角柱、五角柱、六角柱のような角柱状をなすもの
を用いてもよい。
【0043】次に、前述した図1〜図4に示すエレベー
タに組み込まれた非常停止装置の作用を図17を参照し
て説明する。エレベータが平常に運転されている場合に
は、図3、図4に示すように一対のブレーキシュー28
1 、282 の対向面はレール4の突状部に対して一定の
間隔をあけて位置している。このため、エレベータ非常
停止装置1によるかご2の減速停止作動が働かない。
【0044】一方、昇降機のトラブル等により図1に示
すロープ3が切断されると、前記ロープ3により昇降さ
れるかご2が落下する、いわゆる非常時状態になる。前
記かご2の落下に伴ってそのかご2と前記レバー9、1
0等を介して連結された前記調速機ロープ6も下降す
る。この下降速度が設定速度を越えたことを調速機8で
検出されると、この検出信号が把持部材14に出力され
てその把持部材14が作動して前記調速機ロープ6を把
持する。このように調速機ロープ6が把持されると、そ
の途中に取り付けられた前記係合部材5と係合された第
1、第2のレバー9、10によりそれらに取り付けられ
た引上げワイヤ12、13が引張られる。引上げワイヤ
12、13が引張られると、図11に示すように一対の
非常停止装置1における一対のブレーキシュー281
282 がU字形の弾性部材27の両端部261 、262
の互いに近接しようとする弾性力に抗してガイド部材2
1、232 の傾斜面に沿って上方に引き上げられる。
前記ブレーキシュー281 、282 が引き上げられる
と、それらの対向距離が狭められて対向面(制動面)が
レール4の突状部に接触すると共に前記弾性部材27の
反作用としての弾性力によりそれらの制動面が前記レー
ル4の突状部を挟持する力が働く。前記ブレーキシュー
281 、282 の制動面側には、複数のブレーキ片30
がそれぞれその制動面から突出して形成されているた
め、前記ブレーキシュー281 、282 による前記レー
ル4の突状部の挟持により、ブレーキ片30と前記レー
ル4の突状部の間に摩擦力が働き、落下する前記かご2
が減速停止される。
【0045】上述したエレベータ非常停止装置1による
かご2の減速停止過程において、レールと摺接するブレ
ーキシュー281 、282 は前記(1−1)で説明した
図5の(a)、(b)および図6に示すように例えば窒
化ケイ素、炭化ケイ素およびサイアロンから選ばれるセ
ラミック母材に粒径10〜150μmの炭化物、窒化物
および硼化物から選ばれる少なくとも1つのセラミック
ス粒子を分散した複合材料からなる複数の円柱状のブレ
ーキ片30をブレーキ本体29の制動側の面に穿設した
収納穴31内にそれぞれスプリング35の付勢力とスト
ッパ部材36の規制により所望の高さ突出するように固
定した構成になっている。このような構成のブレーキ片
30は、1000℃を越える耐熱性を有すると共に、そ
の突出面において高速・高応力下でも安定した高い摩擦
係数を示し、さらに減速停止時における衝撃による破損
を防止できる。このため、減速停止時におけるレールに
対する制動作用を十分に発揮することができる。
【0046】すなわち、前記ブレーキ片30は母材がセ
ラミックからなるため、レールの突起との摺動におい
て、1000℃を越える耐熱性および高速・高応力下で
も安定した高い摩擦係数を発現できる。また、前記複数
のブレーキ片30は円柱形状を有すると共に、それぞれ
独立して前記本体29の収納穴31内に固定されている
ため、衝撃による応力集中を緩和して割れ等の破損を抑
制できると共に、割れが発生しても破損したブレーキ片
以外のブレーキ片30で留めることができる。また、減
速停止時の前記ブレーキ片30と前記レール4の突状部
との摺接において、前記ブレーキ片30は前記スプリン
グ35の付勢力により全てのブレーキ片30を前記レー
ル4の突状部に均一に摺接させることが可能になるた
め、複数のブレーキ片30の全てを前記レール4の突状
部に対して制動作用を働かせることができる。その結
果、前記(1−1)のブレーキシュー281 、282
備えたエレベータ非常停止装置1は前記複数のブレーキ
片30による高い摩擦係数と割れ難い性質により昇降機
のトラブル等によりそのロープ3が切断される非常時に
おいて、落下するかご2を確実に減速停止させることが
できる。
【0047】また、エレベータ非常停止装置1の作動後
において、前記ブレーキシュー281 、282 の複数の
ブレーキ片30の幾つかが破損した場合には、図6に示
すネジ切り加工が施された円環状体からなるストッパ部
材36をブレーキ本体29の収納穴31から取り外すこ
とにより、前記本体29の前記収納穴31内に配置した
スプリング35の付勢力により破損したブレーキ片30
を簡単に取り出すことができる。なお、ブレーキ片30
が破損してもブレーキ本体29への損傷は皆無である。
その結果、ブレーキ片30の破損に伴ってブレーキシュ
ー281 、282 全体を交換することなく、ブレーキ片
30のみを交換すれば済むため、交換作業の簡便化と交
換に伴う部品コストの低減化を図ることができる。
【0048】さらに、前記ブレーキ片30の周囲に炭化
ケイ素の二次元繊維のような耐熱性長繊維のシート34
を配置することによって、減速停止時における前記ブレ
ーキ片30への衝撃を前記シート34で吸収できるた
め、前記ブレーキ片30の破損をより確実に防止でき
る。その結果、このようなブレーキシュー281 、28
2を備えたエレベータ非常停止装置1は昇降機のトラブ
ル等によりそのロープ3が切断される非常時において、
落下するかご2をより確実に減速停止させることができ
る。
【0049】さらに、ブレーキ片30の表面(制動面)
に0.1〜0.5mmの深さ、0.5〜5mmのピッチ
で格子状の溝を形成したり、突起部を形成することによ
って、摩擦係数をより高めることができると共に摩耗に
より生じた残渣の排出および熱の放出を効果的に行うこ
とができる。その結果、このようなブレーキシュー28
1 、282 を備えたエレベータ非常停止装置1は昇降機
のトラブル等によりそのロープ3が切断される非常時に
おいて、落下するかご2をより確実に減速停止させるこ
とができる。
【0050】前述した図7または図8に示す形態で各ブ
レーキ片30をブレーキ本体29に固定したブレーキシ
ュー281 、282 を備えたエレベータ非常停止装置1
は、前述した図6のブレーキシュー281 、282 を備
える同非常停止装置と同様に昇降機のトラブル等により
そのロープ3が切断される非常時において、落下するか
ご2を減速停止させることができる。しかも、ブレーキ
片30の破損に伴ってブレーキシュー281 、282
体を交換することなく、ブレーキ片30のみを交換すれ
ば済むため、交換作業の簡便化と交換に伴う部品コスト
の低減化を図ることができる。
【0051】前述した図9または図10に示す形態で各
ブレーキ片30をブレーキ本体29に固定したブレーキ
シュー281 、282 を備えたエレベータ非常停止装置
1は、前述した図6のブレーキシュー281 、282
備える同非常停止装置と同様に昇降機のトラブル等によ
りそのロープ3が切断される非常時において、落下する
かご2を減速停止させることができる。しかも、ブレー
キ片30の破損に伴ってブレーキシュー281 、282
全体を交換することなく、ブレーキ片30のみを交換す
れば済むため、交換作業の簡便化と交換に伴う部品コス
トの低減化を図ることができる。特に、図9の構造では
ブレーキ片30はブレーキ本体29の収納穴37内にそ
の中に配置した太鼓状に湾曲した4つのバネ部材38に
よって保持されるため、着脱操作を容易に行うことがで
きる。また、図10の構造ではブレーキ片30は環状凹
部(括れ部)42を有し、ブレーキ本体29の収納穴3
1内に配置した円筒状バネ部材41は中間付近に環状凸
部40を有し、前記ブレーキ片30はその環状凹部42
と前記バネ部材41の環状凸部40の係合により前記収
納穴31に保持されるため、着脱操作を容易に行うこと
ができる。
【0052】前述した図11に示す形態で各ブレーキ片
30をブレーキ本体29に固定したブレーキシュー28
1 、282 を備えたエレベータ非常停止装置1は、前述
した図6のブレーキシュー281 、282 を備える同非
常停止装置と同様に昇降機のトラブル等によりそのロー
プ3が切断される非常時において、落下するかご2を減
速停止させることができる。しかも、エレベータ非常停
止装置1の作動後において、前記ブレーキシュー28
1 、282 の複数のブレーキ片30の幾つかが破損した
場合には、ネジ48を取り除いて金属製保持ブロック4
4をブレーキ本体29から外し、前記ブロック44の円
柱状凸部45の側面から螺着した押えネジ47を取り除
くことにより前記円柱状凸部45の収納穴46に挿入さ
れた破損したブレーキ片30を簡単に取り出すことがで
きる。なお、ブレーキ片30が破損しても前記保持ブロ
ック44への損傷は皆無である。その結果、ブレーキ片
30の破損に伴ってブレーキシュー281 、282 全体
を交換することなく、ブレーキ片30のみを交換すれば
済むため、交換作業の簡便化と交換に伴う部品コストの
低減化を図ることができる。
【0053】さらに、前記(1−2)で説明した図12
の(a)、(b)、図13および図14に示すブレーキ
シュー281 、282 は細長台形柱状をなす金属製保持
ブロック52に穿設された複数の円錐台形状の貫通穴5
3に前記ブロック52の背面から円錐台形状をなす母材
がセラミックからなるブレーキ片30をそれぞれ挿入
し、前記ブロック52の背面に当て板54を取り付ける
ことにより前記各ブレーキ片30を前記ブロック52の
全面(制動側の面)から所望高さ突出され、かつ前記各
ブレーキ片30が挿入された前記保持ブロック52およ
び当て板54はブレーキ本体29の制動側の面に切欠さ
れた細長台形柱状をなす凹部51のその本体29の側面
から挿入され、前記本体29の凹部51を含む両側面に
それぞれネジ57により取着された押え板56により固
定された構造を有する。このような構成のブレーキ片3
0は、1000℃を越える耐熱性を有すると共に、その
突出面において高速・高応力下でも安定した高い摩擦係
数を示し、さらに減速停止時における衝撃による破損を
防止できる。このため、減速停止時におけるレールに対
する制動作用を十分に発揮することができる。
【0054】すなわち、前記ブレーキ片30は母材がセ
ラミックからなるため、レールの突起との摺動におい
て、1000℃を越える耐熱性および高速・高応力下で
も安定した高い摩擦係数を発現できる。また、前記複数
のブレーキ片30は円錐台形状をなすと共に、それぞれ
独立して前記金属製保持ブロック52の貫通穴53内に
挿入、固定されているため、衝撃による応力集中を緩和
して割れ等の破損を抑制できると共に、割れが発生して
も個々のブレーキ片30で留めることができる。その結
果、前記(1−2)のブレーキシュー281 、282
備えたエレベータ非常停止装置1は前記複数のブレーキ
片30による高い摩擦係数と割れ難い性質により昇降機
のトラブル等によりそのロープ3が切断される非常時に
おいて、落下するかご2を確実に減速停止させることが
できる。
【0055】また、エレベータ非常停止装置1の作動後
において、前記ブレーキシュー281 、282 の複数の
ブレーキ片30の幾つかが破損した場合には、図12、
図13、図14に示すように押え板56を止めるネジ5
7を外すことにより複数のブレーキ片30が挿入固定さ
れた前記保持ブロック52を前記本体29の凹部51か
ら容易に引き抜くことができ、この後前記保持ブロック
52背面の当て板54を外すことにより前記保持ブロッ
ク52の貫通穴53内に挿入された破損されたブレーキ
片30を含む複数のブレーキ片30を同時に取り出すこ
とができる。なお、ブレーキ片30が破損しても前記保
持ブロック52への損傷は皆無である。その結果、ブレ
ーキ片30の破損に伴ってブレーキシュー281 、28
2 全体を交換することなく、ブレーキ片30のみを交換
すれば済むため、交換作業の簡便化と交換に伴う部品コ
ストの低減化を図ることができる。
【0056】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を詳細に説明
する。 (実施例1)まず、窒化ケイ素(Si34 )の粉末9
0重量部と焼結助材としてY235重量部およびMg
Al24 5重量部に平均粒径50μmのTiC粒子、
TiN粒子、WC粒子、B4 C粒子およびTiB2 粒子
をそれぞれ15wt%、10wt%、10wt%、10
wt%および15wt%添加し、これらの混合物を窒素
雰囲気中、30MPaの圧力でそれぞれホットプレスす
ることにより5種の焼結体を製造した。つづいて、これ
らの焼結体を機械加工することにより前述した図6、図
7、図8に示す構造のブレーキ片30を有するブレーキ
シュー281 、282 をそれぞれ製作した。これらブレ
ーキシューを前述した図1〜図4に示すエレベータ非常
停止装置に組み込み、昇降機のロープを切断してかごを
1250m/minの速度で落下させた時の非常停止状
況を実験した。その結果、いずれのエレベータ非常停止
装置においても一対のブレーキシューとレールとの摩擦
により落下後30m以内にかごを減速停止させることが
できた。
【0057】また、エレベータ非常停止装置の作動後に
おいて前述した各ブレーキシューのブレーキ片が破損し
た場合、ストッパ部材36をブレーキ本体29の収納穴
31から外すことにより前記収納穴31内に配置したス
プリング35の付勢力により破損したブレーキ片を前記
本体29の収納穴31から簡単に取り外すことができた
ため、ブレーキシュー全体を非常停止装置から交換する
場合に比べて交換作業の簡便化と交換部品コストの低減
化を図ることができた。
【0058】(実施例2)まず、窒化ケイ素(Si3
4 )の粉末90重量部、焼結助材としてY235重量
部およびMgAl24 5重量部からなる原料粉末と、
この原料粉末に平均粒径50μmのTiC粒子、TiN
粒子、WC粒子、B4 C粒子およびTiB2 粒子をそれ
ぞれ所定量添加して混合粉末を調製した。つづいて、ホ
ットプレス機に前記各混合粉末が表層に、前記原料粉末
が内部に配置されるように充填した後、窒素雰囲気中、
30MPaの圧力でそれぞれホットプレスすることによ
り5種の焼結体を製造した。ひきつづき、これらの焼結
体を機械加工することにより前述した図6、図7、図8
に示す構造のブレーキ片30を有するブレーキシュー2
1 、282 をそれぞれ製作した。なお、前記各ブレー
キ片は全体の厚さの11%に亘っる表層に前記TiC粒
子、TiN粒子、WC粒子、B4 C粒子およびTiB2
粒子がそれぞれ10〜15重量%分散された構造を有し
ていた。これらブレーキシューを前述した図1〜図4に
示すエレベータ非常停止装置に組み込み、昇降機のロー
プを切断してかごを1250m/minの速度で落下さ
せた時の非常停止状況を実験した。その結果、いずれの
エレベータ非常停止装置においても一対のブレーキシュ
ーとレールとの摩擦により落下後30m以内にかごを減
速停止させることができた。
【0059】(実施例3)まず、窒化ケイ素(Si3
4 )の粉末90重量部と焼結助材としてY235重量
部およびMgAl24 5重量部に平均粒径50μmの
TiC粒子、TiN粒子、WC粒子、B4 C粒子および
TiB2 粒子をそれぞれ15wt%、10wt%、10
wt%、10wt%および15wt%添加し、これらの
混合物を窒素雰囲気中、30MPaの圧力でそれぞれホ
ットプレスすることにより5種の焼結体を製造した。つ
づいて、これらの焼結体を機械加工することにより前述
した図9、図10に示す構造のブレーキ片30を有する
ブレーキシュー281 、282 をそれぞれ製作した。こ
れらブレーキシューを前述した図1〜図4に示すエレベ
ータ非常停止装置に組み込み、昇降機のロープを切断し
てかごを1250m/minの速度で落下させた時の非
常停止状況を実験した。その結果、いずれのエレベータ
非常停止装置においても一対のブレーキシューとレール
との摩擦により落下後30m以内にかごを減速停止させ
ることができた。
【0060】また、エレベータ非常停止装置の作動後に
おいて前述した各ブレーキシューのブレーキ片が破損し
た場合、ブレーキ本体29の収納穴31、37から簡単
に取り外すことができたため、ブレーキシュー全体を非
常停止装置から交換する場合に比べて交換作業の簡便化
と交換部品コストの低減化を図ることができた。
【0061】(実施例4)まず、窒化ケイ素(Si3
4 )の粉末90重量部と焼結助材としてY235重量
部およびMgAl24 5重量部に平均粒径50μmの
TiC粒子、TiN粒子、WC粒子、B4 C粒子および
TiB2 粒子をそれぞれ15wt%、10wt%、10
wt%、10wt%および15wt%添加し、これらの
混合物を窒素雰囲気中、30MPaの圧力でそれぞれホ
ットプレスすることにより5種の焼結体を製造した。つ
づいて、これらの焼結体を機械加工することにより前述
した図11に示す構造のブレーキ片30を有するブレー
キシュー281 、282 をそれぞれ製作した。これらブ
レーキシューを前述した図1〜図4に示すエレベータ非
常停止装置に組み込み、昇降機のロープを切断してかご
を1250m/minの速度で落下させた時の非常停止
状況を実験した。その結果、いずれのエレベータ非常停
止装置においても一対のブレーキシューとレールとの摩
擦により落下後30m以内にかごを減速停止させること
ができた。
【0062】また、エレベータ非常停止装置の作動後に
おいて前述した各ブレーキシューのブレーキ片が破損し
た場合、ネジ48を取り除いて金属製保持ブロック44
をブレーキ本体29から外し、前記ブロック44の円柱
状凸部45の側面から螺着した押えネジ47を取り除く
ことにより前記円柱状凸部45の収納穴46に挿入され
た破損したブレーキ片30を簡単に取り出すことができ
たため、ブレーキシュー全体を非常停止装置から交換す
る場合に比べて交換作業の簡便化と交換部品コストの低
減化を図ることができた。
【0063】(実施例4)まず、窒化ケイ素(Si3
4 )の粉末90重量部と焼結助材としてY235重量
部およびMgAl24 5重量部に平均粒径50μmの
TiC粒子、TiN粒子、WC粒子、B4 C粒子および
TiB2 粒子をそれぞれ15wt%、10wt%、10
wt%、10wt%および15wt%添加し、これらの
混合物を窒素雰囲気中、30MPaの圧力でそれぞれホ
ットプレスすることにより5種の焼結体を製造した。つ
づいて、これらの焼結体を機械加工することにより前述
した図12、図13および図14に示す構造のブレーキ
片30を有するブレーキシュー281 、282 をそれぞ
れ製作した。これらブレーキシューを前述した図1〜図
4に示すエレベータ非常停止装置に組み込み、昇降機の
ロープを切断してかごを1250m/minの速度で落
下させた時の非常停止状況を実験した。その結果、いず
れのエレベータ非常停止装置においても一対のブレーキ
シューとレールとの摩擦により落下後30m以内にかご
を減速停止させることができた。
【0064】また、エレベータ非常停止装置の作動後に
おいて前述した各ブレーキシューのブレーキ片が破損し
た場合、押え板56を止めるネジ57を外すことにより
複数のブレーキ片30が挿入固定された前記保持ブロッ
ク52を前記本体29の凹部51から容易に引き抜くこ
とができ、この後前記保持ブロック52背面の当て板5
4を筈個とにより前記保持ブロック52の貫通穴53内
に挿入された破損されたブレーキ片30を含む複数のブ
レーキ片30を同時に取り出すことができた。このた
め、ブレーキシュー全体を非常停止装置から交換する場
合に比べて交換作業の簡便化と交換部品コストの低減化
を図ることができた。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば1
250m/分を越える高速稼働中の緊急時に安定した制
動特性を有し、かつ万一ガイドレールを摺接する複数の
ブレーキ片の幾つかが破損してもその破損ブレーキ片の
みを容易に交換することが可能なるエレベータ非常停止
装置用ブレーキシューを提供できる。
【0066】また、本発明によれば昇降手段の破損によ
るかごの落下に際し、前記かごを確実に減速停止させる
ことが可能で、かつ作動後におけるブレーキシューのブ
レーキ片の交換作業が簡便で小型のエレベータ非常停止
装置を提供できる。
【0067】さらに、本発明によれば昇降手段の破損に
よるかごの落下に際し、前記かごを確実に減速停止させ
ることが可能で、かつブレーキシューの交換作業が簡便
で小型で非常停止機能を備えたエレベータを提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる非常停止装置を備えたエレベー
タを示す概略図。
【図2】図1のA矢視図。
【図3】図1の非常停止装置を示す断面図。
【図4】図3のIV−IV線に沿う断面図。
【図5】本発明に係わる非常停止装置用ブレーキシュー
を示す図。
【図6】図5のブレーキシューの要部断面図。
【図7】本発明に係わる別の非常停止装置用ブレーキシ
ューの要部断面図。
【図8】本発明に係わるさらに別の非常停止装置用ブレ
ーキシューの要部断面図。
【図9】本発明に係わるさらに別の非常停止装置用ブレ
ーキシューの要部断面図。
【図10】本発明に係わるさらに別の非常停止装置用ブ
レーキシューの要部断面図。
【図11】本発明に係わるさらに別の非常停止装置用ブ
レーキシューの要部断面図。
【図12】本発明に係わる別の非常停止装置用ブレーキ
シューを示す図。
【図13】図12のブレーキシューの要部斜視図。
【図14】図13のXIV−XVI線に層断面図。
【図15】本発明に係わるさらに別の非常停止装置用ブ
レーキシュー示す正面図。
【図16】本発明に係わるさらに別の非常停止装置用ブ
レーキシュー示す正面図。
【図17】本発明に係わるエレベータ非常停止装置にお
ける非常運転時の状態を示す図。
【符号の説明】
1…非常停止装置、 2…かご、 3…昇降機のロープ、 4…レール、 12、13…引上げワイヤ、 27…弾性体、 281 、282 …ブレーキシュー、 29…ブレーキ本体、 30…ブレーキ片、 31、37…収納穴、 35…スプリング、 36…ストッパ部材、 38、41…バネ部材、 51…凹部、 52…金属製保持ブロック、 53…貫通穴、 54…当て板。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキ本体;前記本体にその制動側の
    面から穿設され、少なくとも開口部近傍にネジ部を有す
    る複数のブレーキ片収納穴;前記各収納穴内にそれぞれ
    挿入され、前記各穴の開口部側の先端部を幅狭とした母
    材がセラミックからなる複数のブレーキ片;前記各収納
    穴底面と前記各ブレーキ片の後端部の間にそれぞれ介在
    され、前記各ブレーキ片を前記各収納穴の開口部側に向
    けて付勢するための複数のスプリング;および前記各収
    納穴のネジ部に螺着されて前記各穴と前記ブレーキ片の
    間に配置され、前記スプリングによる前記ブレーキ片へ
    の付勢力を規制して前記ブレーキ片の先端部側を前記本
    体の制動側の面から所望高さ突出させるためのストッパ
    部材;を具備したことを特徴とするエレベータ非常停止
    装置用ブレーキシュー。
  2. 【請求項2】 ブレーキ本体;前記本体にその制動側の
    面から穿設された複数のブレーキ片収納穴;前記各収納
    穴内に互いに対向するようにそれぞれ挿入された複数の
    対をなすバネ部材;および前記各収納穴内に前記対をな
    すバネ部材の弾性力に抗して挿入され、それによって先
    端部側が前記本体の制動側の面から所望長さ突出する母
    材がセラミックからなる複数のブレーキ片;を具備した
    ことを特徴とするエレベータ非常停止装置用ブレーキシ
    ュー。
  3. 【請求項3】 制動側の面に複数の凹部を有するブレー
    キ本体;複数の凸部およびこれら凸部に対応する箇所に
    穿設されたブレーキ片収納穴を有し、前記本体にそれら
    の凹部内に前記各凸部が挿入されるように固定された金
    属製保持部材;および前記保持部材の各収納穴内にそれ
    ぞれ前記保持部材の制動側の面から所望高さ突出するよ
    うに挿入、固定された母材がセラミックからなる複数の
    ブレーキ片;を具備したことを特徴とするエレベータ非
    常停止装置用ブレーキシュー。
  4. 【請求項4】 制動側の面にこの面と直交する少なくと
    も一方の側面から切欠された複数の凹部を有するブレー
    キ本体;制動側の面に向けて幅が狭くなるように穿設さ
    れた複数のテーパ状の貫通穴を有する金属製保持部材;
    前記保持部材の前記各貫通孔内にそれぞれ挿入された母
    材がセラミックからなる複数のテーパ状のブレーキ片;
    および前記保持部材の制動側の面と反対側の面に固定さ
    れ、前記各貫通孔内にそれぞれ挿入されたブレーキ片を
    その先端が前記保持部材の制動側の面から所望高さ突出
    するように保持するための当て板;を具備し、 前記複数のブレーキ片が保持された前記保持部材および
    前記当て板は、前記本体の複数の凹部内に前記当て板が
    前記凹部底面に当接し、かつ前記保持部材の制動側の面
    が前記本体の制動側の面と面一となるように埋め込み、
    固定されていることを特徴とするエレベータ非常停止装
    置用ブレーキシュー。
  5. 【請求項5】 少なくとも複数の前記ブレーキ片の突出
    部と反対側の面には、さらにシート状緩衝材が配置され
    ることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のエレベ
    ータ非常停止装置用ブレーキシュー。
  6. 【請求項6】 水平方向に拡口自在なU字形をなす弾性
    部材;前記弾性部材の両端部内面に互いに対向して取付
    けられ、対向面の下部が外側に向けて傾斜した一対のガ
    イド部材;前記ガイド部材の中間に配置された垂直方向
    に延びる断面T字形のレール;前記ガイド部材間に前記
    ガイド部材の傾斜面に沿って上下動自在に、かつ前記レ
    ールを中心にして互いに対向して配置された垂直方向に
    延びる制動面を有する一対のブレーキシュー;および前
    記ブレーキシューにそれぞれ取付けられ、非常時に前記
    各ブレーキシューを前記ガイド部材に沿って上方に引き
    上げ、それによって前記弾性部材の弾性力により前記各
    ガイド部材を押圧して前記各ブレーキシューの前記制動
    面で前記レールを挟持するるための引上げ手段;を具備
    し、 前記各ブレーキシューは、請求項1〜4いずれか記載の
    構造を有することを特徴とするエレベータ非常停止装
    置。
  7. 【請求項7】 かご;前記かごを昇降するための昇降手
    段;前記かごの底部に支持手段により取付けられた水平
    方向に拡口自在なU字形をなす弾性部材;前記弾性部材
    の両端部内面に互いに対向して取付けられ、対向面の下
    部が外側に向けて傾斜した一対のガイド部材;前記ガイ
    ド部材の中間に配置された垂直方向に延びる断面T字形
    のレール;前記ガイド部材間に前記ガイド部材の傾斜面
    に沿って上下動自在に、かつ前記レールを中心にして互
    いに対向して配置された垂直方向に延びる制動面を有す
    る一対のブレーキシュー;および前記ブレーキシューに
    それぞれ取付けられ、前記昇降手段の破損により前記か
    ごが落下した時に前記各ブレーキシューを前記ガイド部
    材に沿って上方に引き上げ、それによって前記弾性部材
    の弾性力により前記各ガイド部材を押圧して前記各ブレ
    ーキシューの前記制動面で前記レールを挟持するるため
    の引上げ手段;を具備し、 前記各ブレーキシューは、請求項1〜4いずれか記載の
    構造を有することを特徴とする非常停止機能を有するエ
    レベータ。
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