JP2000191120A - 挟持搬送システム及びそのベルト - Google Patents

挟持搬送システム及びそのベルト

Info

Publication number
JP2000191120A
JP2000191120A JP37192398A JP37192398A JP2000191120A JP 2000191120 A JP2000191120 A JP 2000191120A JP 37192398 A JP37192398 A JP 37192398A JP 37192398 A JP37192398 A JP 37192398A JP 2000191120 A JP2000191120 A JP 2000191120A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
belt
particles
back surface
conveying system
conveying
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP37192398A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazutoshi Ishida
和利 石田
Arata Hasegawa
新 長谷川
Hiroyuki Nishio
裕之 西尾
Akihiko Motozaki
昭彦 本崎
Hiroshi Jonen
博志 常念
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsuboshi Belting Ltd filed Critical Mitsuboshi Belting Ltd
Priority to JP37192398A priority Critical patent/JP2000191120A/ja
Publication of JP2000191120A publication Critical patent/JP2000191120A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Structure Of Belt Conveyors (AREA)
  • Belt Conveyors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用期間が長くなり、搬送面であるベルト背
面に油分や水が付着した場合においても一定の摩擦係数
を維持することにより、使用期間が長くなった場合にお
いても、紙幣、カード、切符、葉書等の紙葉類の搬送物
の送り精度が低下しない軽搬送物用の挟持搬送システム
を提供する。 【解決手段】 一対のプーリ間に掛架された第1ベルト
と、一対のプーリ間に掛架された第2ベルトとを、それ
ぞれベルト背面で接触した状態で配置した第1、第2ベ
ルトの間で何方か一方若しくは両方の周方向の少なくと
も一部に、他方のベルトの背面表面に付着する付着物が
除去できる程度の長さに、10段階モース硬度で3以上
のセラミック粒子、セラミックウィスカー、けい砂、金
属粒子から選ばれた少なくとも1種の粒径が10μm以
上1000μm以下である砥粒材7を突出させて配置
し、被搬送物の搬送時に他方ベルトの付着物を除去す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は比較的軽量な物品を搬送
するための一対のベルトからなる挟持搬送システムに関
し、特に、両替機、自動販売機や自動集札機等に用いら
れる紙幣、カード、切符、葉書等の紙葉類もしくは硬貨
等を一対のベルト背面同士で挟み搬送する挟持搬送シス
テム及びそのベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】今日、人件費を節約することができる
他、営業時間も昼間に限定されることのない自動販売機
がいたるところに普及しており、ジュース、雑誌、切符
等色々なものが自動販売機によって購入できるようにな
っている。更に、自動販売機でも紙幣、プリペイドカー
ドの使用の可能になったものが、通常になっている。
【0003】従来、この自動販売機の内部構造におい
て、紙幣や、プリぺイドカードの搬送は、ローラーを用
いた機構が使用されてきたが、搬送の途中で紙幣などの
搬送物がローラーに巻きつくなどの問題もあり、搬送の
確実さを向上させるために最近では、平坦な背面を有す
るエラストマー製のベルトの背面を用いて搬送する機構
を使用しているものが多くなってきている。このベルト
を用いた挟持搬送システムは、一対のベルトがそれぞれ
プーリ間に掛架され、各ベルトの背面で被搬送物を挟み
込み、その両者の間で発生する摩擦力で搬送物を搬送す
る機構になっている。
【0004】現状において、ベルトを用いた挟持搬送シ
ステムの場合、システムの搬送能力を効率良くするため
に、ベルト背面の全面を使って物品との間の接触面積が
最大の状態にして用いられている。そのために、ベルト
の背面の表面は平滑にして、できるだけ物品との接触面
積が増えるようにし、更に、摩擦係数を上げるためにベ
ルト背面のエラストマーの硬度を下げるなどの手段が取
られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、接触面積
を大きくすることとエラストマー自体を柔らかくするこ
とは紙幣やカードなどの搬送において効果が高く、挟持
搬送システムの確実な搬送を実現していた。しかし、使
用期間が長くなると、搬送面であるベルト背面に紙幣や
カードの紙屑を始めとするゴミ、埃が付着してしまった
り、雨などによる水滴が付いてしまい、ベルト背面の摩
擦係数が低下しそれとともに搬送能力が低下してしまう
という問題があった。また、摩擦係数を上げるためにエ
ラストマーの硬度を低くしていることが、逆に耐摩耗性
を落とすことになり、搬送面であるベルト背面の摩耗屑
が周辺センサーなどに悪影響を及ぼしたり、搬送物品を
汚したりする問題があるとともに、ベルトの耐久性が悪
くなりシステムのベルト交換までの時間を短くしてしま
うことになっていた。
【0006】そこで、本発明は上記問題点に鑑みなされ
たものであり、使用期間が長くなり、ベルト背面に油分
や水が付着した場合においても、これら付着物を自己除
去することにより、一定の摩擦係数を維持することがで
き、長期間の使用においても、紙幣、カード、切符、葉
書等の紙葉類もしくは硬貨等の搬送物の送り精度が低下
しない挟持搬送システム及びそのベルトを提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に請求項1記載の挟持搬送システムは、一対のプーリ間
に掛架された第1ベルトと、一対のプーリ間に掛架され
た第2ベルトとを、それぞれベルト背面で接触した状態
で配置した第1、第2ベルトの間で、何方か一方若しく
は両方の周方向の少なくとも一部に、他方のベルトの背
面表面に付着する付着物が除去できる程度の長さに、砥
粒材の粒子がベルト背面表面に突出して配置されている
ベルトを有することを特徴とする。これにより、何方か
一方若しくは両方のベルト背面の周方向の少なくとも一
部に設けられた砥粒材が、他方のベルト背面に設けられ
た油分や水などの付着物を除去し、ベルト背面の摩擦係
数を一定に保ち、長期間にわたり搬送機能の低下を抑制
することができる。
【0008】また、請求項2記載の挟持搬送システム
は、請求項1における第1ベルトと第2ベルトが、エラ
ストマーからなると共に両ベルトの背面の一部に前記粒
子が配置されており、前記粒子が配置されている部分の
ベルト背面の周方向の長さが、ベルト周全長の30%以
下であることを特徴とする。30%を越える場合、前記
粒子が搬送に関与する割合が大きくなり、エラストマー
面と粒子表面との乗り換えの際に生じる速度変動の影響
が大きくなるという問題が発生する。そのため、粒子が
配置されている部分のベルト背面の周方向の長さは、ベ
ルト周全長の30%以下であることが望ましく、さらに
より好ましくは、10%以下である。
【0009】また、請求項3記載の挟持搬送システム
は、請求項1における第1ベルトの背面の少なくとも一
部に前記粒子が配置され、第2ベルトの背面には粒子が
配置されておらず、第1ベルトの前記粒子が配置されて
いる部分のベルト背面の周方向の長さが、ベルト周全長
の1〜100%であることを特徴とする。1%未満であ
ると、粒子を配した効果が発現せず、他方のベルト背面
の付着物の除去が全周にまで行き渡らないためである。
従って、一方のベルトにのみ他方のベルト背面の付着物
を除去するための粒子を配する場合、その部分のベルト
背面の周方向の長さは、ベルト周全長の1%〜100%
が好ましく、更に好ましくは、3%〜100%である。
【0010】また、請求項4記載の挟持搬送システム
は、請求項1乃至3における粒子が、10段階モース硬
度で3以上であることを特徴とする。10段階モース硬
度3以上とすることで、他方のベルト背面と接触するこ
とによる粒子の摩耗を抑制する。ここで、10段階モー
ス硬度とは、鉱物の硬度を1度から10度に分けて表し
た硬度のスケールであり、摩耗や傷に対する強さを示し
たものであり、滑石等の人の爪で容易に傷が付く物を1
度とし、ダイヤモンドを10度としている。その内訳
は、石膏等の人の爪で僅かに傷が付く物を2度、大理石
等のナイフで傷が付く物を3度、マラカイト等のナイフ
でわずかに傷が付く物を4度、ガラス等とほぼ同じ硬さ
の物を5度、オパールやトルコ石等のガラスよりやや硬
くやすりで容易に傷が付く物を6度、水晶や翡翠等のや
すりで僅かに傷が付く物を7度、トパーズやスピネル等
のヤスリでは傷が付かない物を8度、ルビーやサファイ
ア等のダイヤモンド以外の鉱物を傷つけることができる
物を9度としている。
【0011】また、請求項5記載の挟持搬送システム
は、請求項1乃至4における粒子が、セラミック粒子、
セラミックウィスカー、鉱物粒子、金属粒子から選ばれ
た少なくとも1種の砥粒材である。これにより、他方の
ベルトに付着している油や水分の除去が可能となり、本
発明における挟持搬送システムの摩擦係数を一定に保つ
ことができる。
【0012】また、請求項6記載の挟持搬送システム
は、請求項1乃至5における粒子が、10μm以上10
00μm以下であることを特徴とする。また、粒子径が
10μm以下の場合は、他方のベルト背面の付着物の除
去効果が発現せず、また、1000μm以上だと、被搬
送物を傷つけてしまうため、粒子径は、10μm以上1
000μm以下が好ましく、より好ましくは、30μm
以上200μm以下である。
【0013】また、請求項7記載の挟持搬送システム
は、請求項1乃至6における軽搬送物が紙幣、カード、
切符、葉書等の紙葉類もしくは硬貨等であることを特徴
とする。これら軽搬送物は、ゴミや、埃が付着しやす
く、また、人の手の油や、雨水等の水滴が付着するが、
本発明における軽搬送用ベルトには、これら付着物が搬
送時にもベルトの搬送面に容易に付着することが抑制で
きる。
【0014】また、請求項8の発明は、一対のベルトの
間で軽搬送物を挟持して搬送するための挟持搬送用ベル
トであって、前記軽搬送物を挟持する背面の周方向の少
なくとも一部に、他方のベルトの背面表面に付着する付
着物が除去できる程度の長さに、砥粒材の粒子がベルト
背面表面に突出して配置されている軽搬送物用の挟持搬
送用ベルトである。ベルト背面の周方向の少なくとも一
部に粒子を配することにより、他方のベルト背面に付着
する付着物を軽搬送物の搬送時に自己除去することが可
能となる。
【0015】
【発明の実施形態例】次に、本発明の搬送用ベルトの実
施形態例を図面に従い説明する。図1に本発明にかかる
挟持搬送システムの実施の一形態例の側断面概略図を示
す。図中の1a、1bは本システムに使用される搬送用
ベルトを示し、6は搬送面となるベルト背面、7は粒子
を突出させて配置した部分である。21、22はプーリ
を示している。
【0016】ここで、挟持搬送システムは、図1に示す
ように、二本のベルト1a、1bが背面同志向かい合わ
せになっており、ベルト内周面がそれぞれ歯付プーリ2
1、22に噛み合うことによって駆動され、両ベルト1
a、1bの搬送面となるベルト背面6と紙幣等の被搬送
物との間に発生する摩擦力で、紙幣等の被搬送物を挟持
搬送する用途に用いられるものである。一般的には、何
方か一方のプーリがモータなどで駆動されており、他方
のベルトはそのつれまわりで回転し、本来は両方のベル
トは位置ずれしないが、カード取り込みの際に両方のベ
ルト間で速度差が発生し、カードを搬送する度に徐々に
ずれていくため、粒子を配した部分7の他方のベルトへ
の当たり面はカードを取り込む度に移動し、ベルト全周
に渡り、付着物の除去が可能となる。
【0017】また、一般に、搬送面となるベルト背面6
は、被搬送物との摩擦係数が大きいほど物品の搬送が確
実であり、使用初期におけるベルト背面6の摩擦係数は
大きなものであることが好ましい。さらに、長期の使用
によって、ベルト背面6に例えば、紙幣から発生した紙
屑や紙粉が付着することによって、経時的に摩擦係数が
小さくなることも避けなければならない。そこで、本発
明に係る挟持搬送システムに用いられる搬送用ベルト1
は何れか一方若しくは両方の少なくとも一部若しくは全
部に粒子を突出して配置し、他方のベルト背面に付着す
る付着物を除去することにより、付着物の堆積を抑制し
ている。
【0018】ここで、この粒子を配する範囲7は第1ベ
ルト及び第2ベルトの両者に配する場合、その範囲のベ
ルト周方向の長さは、ベルト周全長の30%以下である
ことが望ましい。30%を越える場合、前記粒子が搬送
に関与する割合が大きくなり、エラストマー面と粒子表
面との乗り換えの際に生じる速度変動の影響が大きくな
るという問題が発生する。そのため、粒子が配置されて
いる部分のベルト背面の周方向の長さは、ベルト周全長
の30%以下であることが望ましく、さらにより好まし
くは、10%以下である。
【0019】一方、ベルト背面の付着物を除去すること
を目的とし、第1ベルト若しくは第2ベルトの何方か一
方にのみ粒子を配置する場合は、その配置する範囲のベ
ルト周方向の長さはベルト周全長に対して、1〜100
%が好ましい。カード搬送の場合、ベルトは往復運動で
使用されることが多く、1%未満であると、粒子を配し
た効果が発現せず、粒子による他方ベルト背面に付着し
た付着物の除去効果がベルト全周に行き渡らないと考え
られるからである。従って、1%以上が好ましく、より
好ましくは3%以上が好ましい。
【0020】なお、ここでは、一対のプーリ間に掛架さ
れたベルトについてその形態例を挙げて説明したが、本
発明はこの形態例に限られることはなく、幾つかのプー
リからなる挟持搬送システムにも適用が可能である。ま
た、使用できうるベルトは、歯付ベルト、Vリブドベル
ト、ローエッジベルト、ローエッジコグベルト、平ベル
ト、丸ベルト等があり、その中でも、送り精度が高い歯
付ベルトが特に好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明における挟持搬送システム
に使用される搬送用ベルトの要部断面斜視図を図2に示
す。また、図3は図2におけるA−A線断面図であり、
図4は図2を歯部側から見た断面斜視図である。
【0022】図2において、搬送用歯付ベルト1はベル
ト長手方向に沿って複数の歯部5と心線3を埋設した背
部2とからなり、上記歯部5の表面には歯布8が貼着さ
れている。上記歯部5のピッチは3mm以下が好まし
く、これにより回転変動率を小さくして送り精度を高め
ることができる。
【0023】前記歯部5及び背部2に使用されるゴムは
クロロプレンゴム、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴ
ム、天然ゴム、EPT(エチレン・プロピレン・ターポ
リマー)、スチレン─ブダジエンゴム、ブチルゴム、ク
ロロスルフォン化ポリエチレンゴム等を用いたゴム組成
物からなる。上記ゴムの中には配合剤として、カーボン
ブラック、亜鉛華、ステアリン酸、可塑剤、老化防止剤
等が添加され、また加硫剤として硫黄、有機過酸化物が
あるが、これらの配合剤や加硫剤は、特に制限されな
い。また、本発明の搬送用歯付ベルト1は使用態様から
静電防止機能を有していることが望ましく、そのため上
記カーボンブラック等の添加量によりベルトの電気抵抗
値を6MΩ等の低い値に調整しておくことも可能であ
る。
【0024】また、ゴム成分の少なくとも一部として、
耐結晶性に優れたクロロプレンゴムを配合してもよい。
この耐結晶性のクロロプレンゴムとしては、耐結晶性グ
レードとして市販されているものを使用することができ
るが、耐結晶性の目安としては、0℃に100時間放置
したときの硬度(JIS)の硬度上昇が10度以下のも
のとするのがよい。勿論、硬さの変化は0であることが
理想である。またこの耐結晶性のクロロプレンゴムの配
合量は、ゴム組成物中での含有率が40重量%以上にな
るように設定するのが好ましく、ゴム成分のすべてを耐
結晶性のクロロプレンゴムが占めるようにしてもよい。
【0025】耐結晶性のクロロプレンゴムは、低温環境
下に長時間放置しても結晶化し難く、硬くなりにくい。
従って、耐結晶性のクロロプレンゴムを含有するゴム組
成物で、背部2と歯部5を構成するゴム層を形成する
と、低温環境下での結晶化によるゴム層の硬度上昇を抑
制し、低温時の摩擦係数の低下を防ぐことができる。
【0026】そして、ベルトの背面の一部若しくは全部
に粒子7aを配する方法としては、次の3通りの方法が
ある。 (1)ベルトの背面ゴムに粒子を練り込み、加硫後背面
を研磨して粒子を表出させる。 (2)ベルト背面に、糊に混ぜた粒子を塗布することに
より、粒子を配する。 (3)粒子を混ぜたゴムを加硫前にベルト背面に貼着
し、加硫により粒子層をベルト背面に付ける。粒子7a
を配する方法としては、以上の3つが考えられるが、粒
子7aが表面から突出していれば、これら以外の方法で
もよい。なお、使用する粒子は、10段階モース硬度3
以上であって、セラミック粒子、セラミックウィスカ
ー、けい砂、金属粒子から選ばれた少なくとも1種の砥
粒材であることが望ましい。10段階モース硬度が3よ
り低いと、粒子自体が柔らかく、被搬送物との摩擦によ
り粒子が摩滅し、効果が長期間維持できないからであ
る。また、粒径は10μm以上1000μm以下のもの
が好ましい。さらに好ましくは、30μm以上、200
μm以下のものである。10μm以下のものは、その効
果が発揮されず、1000μmを越えるものは、被搬送
物を傷つけ、これにより、被搬送物から発生する塵等に
よりベルトに加えて、搬送システムの短命化の原因にも
なると考えられるからである。
【0027】そして、上記心線3としては、Eガラスま
たは高強度ガラスの5〜9μmのフィラメントを撚り合
わせたものを、ゴム組成物からなる保護剤あるいは接着
剤であるRFL液等で処理されたものである。また、有
機繊維としては応力に対して伸びが小さく、引張強度が
大きいパラ系アラミド繊維(商品名:ケブラー、テクノ
ーラ)の0.5〜2.5デニールのフィラメントを撚り
合わせ、RFL液、エポキシ溶液、イソシアネート溶液
とゴム組成物との接着剤で処理された撚りコードが使用
される。しかし、本発明ではこれらに限定されることは
ない。
【0028】また、歯布8として用いられる帆布は、6
ナイロン、66ナイロン、ポリエステル、アラミド繊維
等であって、単独あるいは混合されたものであってもよ
い。図4において、歯布8の経糸10(ベルト幅方向)
や緯糸9(ベルト長さ方向)の構成も前記繊維のフィラ
メント糸または紡績糸であり、織構成も平織物、綾織
物、朱子織物でいずれでもよい。なお、緯糸には伸縮性
を有するウレタン弾性糸を一部使用するのが好ましい。
【0029】そして、上記歯布8は、RFL液によって
のみ処理されているものでもよい。この場合、RFL液
が乾燥して得られたRFL液の固形分付着量が30〜5
0重量%になっていることが好ましい。上記RFL液の
固形分は、RFの樹脂とラテックスの固形分からなって
いる。RFL液の固形分付着量は、〔処理後の帆布重量
−未処理の帆布重量〕/〔未処理の帆布重量〕×100
%により求めることができる。
【0030】RFL液はレゾルシンとホルマリンとの初
期縮合物をラテックスに混合したものであり、レゾルシ
ンとホルマリンとのモル比は1対1〜3である。また、
レゾルシンとホルマリンとの初期縮合物とラテックスと
の重量%比は、1対1〜10である。ここで使用するラ
テックスとしてはスチレン−ブタジエン−ビニルピリジ
ン三元共重合体、水素化ニトリルゴム、クロロスルフォ
ン化ポリエチレン、エピクロルヒドリンなどのラテック
スである。
【0031】上記歯布8の具体的な処理方法としては、
帆布をRFL液に浸漬し、一対のロールにより絞り圧約
0.3〜0.8kgf/cm2 (ゲージ圧)でディップ
処理を行って乾燥した後、更に同様の処理を繰り返し行
って、帆布に付着するRFL液の固形分付着量を30〜
50重量%に調節した。尚、RFL液の固形分付着量が
30重量%未満では、帆布の経糸10と緯糸9の接触部
が動きやすくなって開口部11が拡大し、これが歯部5
のゴムを歯布8の開口部11から歯部表面へ露出させる
ことがある。また一方、RFL液の固形分付着量が50
重量%を越えると、固形分付着量が多くなってベルトの
歯部の形状が正確に出現しなくなる問題がある。
【0032】本発明の搬送用ベルト1は、前記の課題を
満足する物であり、そのために、搬送面となるベルト背
面6の表面に粒子7aが突出するように配置されてい
る。
【0033】従来の搬送面となるベルト背面6が平らな
ものの場合、紙屑や油等が付いた状態で搬送物を搬送す
ると、搬送物からの圧力がかかり、そのまま搬送面とな
るベルト背面6に付着してしまい、容易に落とすことが
できなくなり、ベルト背面6の摩擦係数を小さくすると
いう状況になっている。
【0034】それに対し、本発明の挟持搬送システムに
用いられる搬送用ベルト1では、搬送面となるベルト背
面6の周方向の一部に粒子を配置し、突出させることに
より、他方のベルト背面表面に付着した付着物を除去す
る構造となっており、ベルト背面6の摩擦力が長期間使
用しても変化することなく、長期間に渡り、確実な軽搬
送物の搬送を実現している。ここで、軽搬送物とは、前
述したように紙幣、カード、切符、葉書等の紙葉類もし
くは硬貨等のことであり、そのため、本発明にかかる挟
持搬送システムに使用されうる搬送用ベルト1は通常周
長20〜800mm、幅2〜150mmの小ベルトであ
るが、A1サイズの用紙を搬送する用途に用いられるよ
うな場合には、例えば周長2000mm、幅600mm
のようなサイズのベルトとなる。
【0035】
【実施例】以下、実施例及び比較例によって、本発明を
具体的に説明する。
【0036】(実施例1)ベルト本体には耐結晶性のク
ロロプレンゴムを使用する。歯布8として140デニー
ルの6ナイロンからなる経糸と40デニールの6ナイロ
ンと40デニールのウレタン弾性糸からなる緯糸で、経
糸密度170(本/3cm)で綾織帆布に製織したあ
と、織物を温水中で振動を与えて、製織時の幅の約1/
2幅間で収縮させたあと、帆布をRFL液(レゾルシン
10.0,ホルマリン(37%)15.0,苛性ソーダ
1.0,VPラテックス400,CRラテックス40
0,水1000)に浸漬し、一対のロールに0.5kg
f/cm2 (ゲージ圧)で絞った後、乾燥し、さらにこ
の処理済の帆布を同じRFL液に浸漬し、同様の絞り圧
で絞ったあと、乾燥し、RFL液の固形分付着量が40
重量部となる歯布とした。尚、RFL液の固形分付着量
は、〔処理後の帆布重量−未処理の帆布重量〕×100
(%)により求めた。この歯布を表面に歯形を有する金
型に巻き付けた。
【0037】その上に、心線3をスパイラル状に巻き付
けた。心線としては、素線径9μmのガラス繊維フィラ
メントを束ねてストランドを形成し、このストランドを
RFL液に浸漬し、250℃で2分間乾燥後、このスト
ランドを3本寄せ集め、4.0回/10cmの撚り数に
して撚ったECG−150−3/0からなるコードであ
る。
【0038】心線をスパイラル状に巻き付けたあと、そ
の上に前記クロロプレンゴムの未加硫ゴムシートを巻き
付ける。また、別途クロロプレンゴム100重量部をト
ルエン150重量部に溶かしたゴム糊にアルミナ(平成
サンケイ株式会社製、サンケイホワイト(WA)#24
0、10段階モース硬度9、平均粒子径80μm)20
0重量部を混合したものを作製し、これを離型紙上に塗
布し、熱板上にて153℃、5分間、加熱して加硫した
シートにする。これを前記金型に巻き付けた未加硫ゴム
シートの全長の5%になるように切断し、この上に載
せ、更に上からジャケットを被せて加硫缶内で加硫す
る。加硫して得られたベルトスリーブを所定幅にカット
して背面の一部にアルミナ粒子がそのベルト全長の5%
に配された搬送面を有する周長が100mmで、幅6.
4mmの歯付ベルトを得、本挟持搬送システムのベルト
とした。
【0039】以上のようにして、ベルト背面の一部にア
ルミナ粒子が配されたベルトを、従動側ベルトとし、駆
動側ベルトに5000枚のカードを搬送し、後述するカ
ード取り込み力が搬送に使用する前の状態の40%程度
に低下したベルトを使用し、挟持搬送システムとした。
このシステムにおける、アルミナをベルト背面に配した
ベルトの他方側ベルトに堆積した付着物の除去による、
本挟持搬送システムのカード取り込み力の経時変化を調
べた。
【0040】(実施例2)実施例1と同様にして作製し
た、ベルト背面にアルミナを5%配したベルトを従動
側、駆動側の両方に使用し、本挟持搬送システムのカー
ド取り込み力の経時変化を調べた。
【0041】(比較例1)ベルト背面にアルミナを配置
しなかった以外は実施例1と同様の方法でベルトを作製
し、供試体とした。そして、従動側、駆動側何方のベル
トも未使用のものを使用して、実施例1同様にカード取
り込み力の経時変化を調べた。
【0042】(カード取り込み力)実施例1、2及び比
較例1におけるベルトを図5に示すように、互いのベル
トの背面同士でカードを挟持して搬送するようなカード
搬送装置を作製した。これに、カードを搬送させて、カ
ード通過枚数が、250、500、1000、150
0、2000枚ごとにカード取り込み力を測定した。カ
ード取り込み力の測定は、カードの端部にバネばかりの
フックを取り付けたカード52を搬送装置に投入し、カ
ードとベルトが滑ってカードが搬送されない状態にして
その時のバネばかり54の読みをカード取り込み力とし
た。
【0043】図6には実施例1におけるベルトのカード
取り込み力の経時変化、図7に実施例2にベルトのカー
ド取り込み力の経時変化をまとめて示す。
【0044】図6よりわかるように、実施例1のベルト
背面にアルミナをベルト全長の5%の長さになるように
配したベルトを、従動側ベルトに使用した挟持搬送シス
テムは、駆動側の5000枚のカードを搬送したベルト
の背面に付着した付着物を除去することで、カードの取
り込み力を回復させ得ることができるのが分かる。
【0045】また、図7より、両方のベルト背面にアル
ミナを配した実施例2のベルトを用いた挟持搬送システ
ムは、アルミナ粒子を配していない比較例1のベルトに
比べて、そのカード取り込み力が経時的に変化せず、安
定したカード取り込み力、即ち搬送力を維持することが
できるのが分かる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によると、軽搬送物を挟持して移動させる挟持搬送シ
ステムにおける一対のベルト背面の何方か一方若しくは
両方の周方向の少なくとも一部に砥粒材を配すること
で、他方に付着した付着物の堆積を抑制することがで
き、長期間に渡り、安定した搬送力を維持する効果が得
られる。さらに、付着物が堆積した古いベルトでも、付
着物を除去し、カード取り込み力を回復させることが可
能となり、ベルトの寿命の延命効果により、挟持搬送シ
ステムのベルトの交換回数を少なくできる効果が得られ
る。
【0047】請求項2乃至5記載の発明によると、請求
項1記載の発明の効果をより確実にするとともに、効率
よく、他方の搬送面であるベルト背面の付着物を除去す
ることが可能となる。
【0048】請求項6記載の発明によると、請求項1乃
至5の効果を確実なものとするとともに、当該粒子表面
への付着物の堆積を抑制することができ、他方のベルト
背面に付着した付着物の除去能力の低下を抑制すること
ができる。
【0049】請求項7の発明によると、人の手の油や水
滴等が付きやすい、紙幣、カード、葉書、切符等の紙葉
類もしくは硬貨等である軽搬送物の搬送が可能となる。
【0050】請求項8の発明によると、一対のベルトか
らなる挟持搬送システムの、一方のベルト背面の周方向
の一部に粒子を配することで、他方のベルト背面に付着
する付着物を自己除去でき、被搬送物を長期に渡り安定
して搬送することが可能となり、本システムに適用でき
る最適なベルトとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る挟持搬送システムの実施形態例の
断面斜視図である。
【図2】本発明に係る粒子を背面に配置したベルトの背
面側からの断面斜視図である。
【図3】図1における、A−A線断面図である。
【図4】本発明に係る粒子を背面に配置したベルトの歯
布側からの断面斜視図である。
【図5】本発明にかかる搬送用歯車付きベルトを用いた
カード取り込み試験の概略図である。
【図6】実施例1におけるベルトを使用した挟持搬送シ
ステムのカード通過枚数とカード取り込み力との関係図
である。
【図7】実施例2におけるベルトを使用した挟持搬送シ
ステムのカード通過枚数とカード取り込み力との関係図
である。
【符号の説明】
1 ベルト 2 背部 3 心線 4 内周面 5 歯部 6 背面 7 粒子 8 歯布 52 プリペイドカード 54 バネばかり
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西尾 裕之 兵庫県神戸市長田区浜添通4丁目1番21号 三ツ星ベルト株式会社内 (72)発明者 本崎 昭彦 兵庫県神戸市長田区浜添通4丁目1番21号 三ツ星ベルト株式会社内 (72)発明者 常念 博志 兵庫県神戸市長田区浜添通4丁目1番21号 三ツ星ベルト株式会社内 Fターム(参考) 3F023 AA05 BA01 BB06 BC01 EA01 3F024 AA12 BA09 CA04 CA08 CB03 CB09 CB13 DA03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のプーリ間に掛架された第1ベルト
    と、一対のプーリ間に掛架された第2ベルトとを、それ
    ぞれベルト背面で接触した状態で配置した第1、第2ベ
    ルトの間で何方か一方若しくは両方の周方向の少なくと
    も一部に、他方のベルトの背面表面に付着する付着物が
    除去できる程度の長さに、砥粒材の粒子がベルト背面表
    面に突出して配置されているベルトを有する軽搬送物用
    の挟持搬送システム。
  2. 【請求項2】 前記第1ベルトと第2ベルトはエラスト
    マーからなると共に両ベルトの背面の一部に前記粒子が
    配置されており、前記粒子が配置されている部分のベル
    ト背面の周方向の長さが、ベルト周全長の30%以下で
    ある請求項1記載の挟持搬送システム。
  3. 【請求項3】 第1ベルトの背面には少なくとも一部に
    前記粒子が配置され、第2ベルトの背面には粒子が配置
    されておらず、第1ベルトの前記粒子が配置されている
    部分のベルト背面の周方向の長さが、ベルト周全長の1
    〜100%である請求項1記載の挟持搬送システム。
  4. 【請求項4】 前記粒子が、10段階モース硬度3以上
    である請求項1乃至3いずれか記載の挟持搬送システ
    ム。
  5. 【請求項5】 前記粒子が、セラミック粒子、セラミッ
    クウィスカー、鉱物粒子、金属粒子から選ばれた少なく
    とも1種の砥粒材である請求項1乃至4いずれか記載の
    挟持搬送システム。
  6. 【請求項6】 前記粒子の粒径が、10μm以上100
    0μm以下である請求項1乃至5いずれか記載の挟持搬
    送システム。
  7. 【請求項7】 前記軽搬送物が、紙幣、カード、切符、
    葉書等の紙葉類もしくは硬貨である請求項1乃至6いず
    れか記載の挟持搬送システム。
  8. 【請求項8】 一対のベルトの間で軽搬送物を挟持して
    搬送するための挟持搬送用ベルトであって、前記軽搬送
    物を挟持する背面の周方向の少なくとも一部に、他方の
    ベルトの背面表面に付着する付着物が除去できる程度の
    長さに、砥粒材の粒子がベルト背面表面に突出して配置
    されている軽搬送物用の挟持搬送用ベルト。
JP37192398A 1998-12-28 1998-12-28 挟持搬送システム及びそのベルト Pending JP2000191120A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37192398A JP2000191120A (ja) 1998-12-28 1998-12-28 挟持搬送システム及びそのベルト

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37192398A JP2000191120A (ja) 1998-12-28 1998-12-28 挟持搬送システム及びそのベルト

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000191120A true JP2000191120A (ja) 2000-07-11

Family

ID=18499541

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP37192398A Pending JP2000191120A (ja) 1998-12-28 1998-12-28 挟持搬送システム及びそのベルト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000191120A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005272142A (ja) * 2004-02-27 2005-10-06 Mitsuboshi Belting Ltd プレート洗浄用ベルト
CN109516069A (zh) * 2018-08-06 2019-03-26 李雅 输送带及升华烘焙装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005272142A (ja) * 2004-02-27 2005-10-06 Mitsuboshi Belting Ltd プレート洗浄用ベルト
CN109516069A (zh) * 2018-08-06 2019-03-26 李雅 输送带及升华烘焙装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3021362B2 (ja) 搬送用歯付ベルト
EP0719718A2 (en) Toothed conveying belt
AU2005210057B2 (en) Press belt
JP2020143784A (ja) 歯付ベルト
JP2000191120A (ja) 挟持搬送システム及びそのベルト
US5609243A (en) Toothed conveying belt
JP3290114B2 (ja) 紙葉類搬送用無端ベルト
JP2000191176A (ja) 軽搬送用ベルト
JP3732889B2 (ja) 搬送用歯付ベルト及び搬送用歯付ベルト駆動装置
JP2000247477A (ja) 軽搬送用ベルトおよびその製造方法
JPS5924684B2 (ja) 紙葉類搬送用無端ベルト
JP3026320U (ja) 搬送用歯付ベルト及びこれを使用した硬貨搬送繰り出し装置
JP4475451B2 (ja) 紙葉類搬送用無端ベルト
KR100400110B1 (ko) 반송용치부착벨트및평벨트
JP2005272047A (ja) 搬送用平ベルトの製造方法
JP2006248760A (ja) 搬送用ベルト
JP2004149267A (ja) コンベヤベルトおよびその製造方法
JP2008133136A (ja) 搬送用ベルト
JP2002273740A (ja) 搬送用ベルトの製造方法
JP2002293446A (ja) 帯電防止ベルト
CN109318554A (zh) 一种大布纹传送带
JPH11246018A (ja) コンベヤベルト
JPH09104541A (ja) 紙葉類搬送用無端ベルト
JP3977101B2 (ja) 紙葉類搬送用ベルト
JP2000272738A (ja) 挟持搬送ベルトクリーニング用具