JP2000191082A - 電子部品収納用トレ― - Google Patents

電子部品収納用トレ―

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JP2000191082A
JP2000191082A JP10371739A JP37173998A JP2000191082A JP 2000191082 A JP2000191082 A JP 2000191082A JP 10371739 A JP10371739 A JP 10371739A JP 37173998 A JP37173998 A JP 37173998A JP 2000191082 A JP2000191082 A JP 2000191082A
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ceramics
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ωcm
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Koichi Iwasaki
浩一 岩崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】収納する電子部品に静電気によるショックを与
ず、その結果電子部品が静電気により破壊されず、また
耐熱性、耐久性等に優れたものとする。 【解決手段】ジルコニアセラミックス等から成る、体積
固有抵抗値が1×109 Ωcm以下且つ残留磁束密度が
14ガウス以下のセラミックスによって、電子部品収納
用トレー1を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気ヘッドの洗浄工
程、成膜工程、搬送時及び保管時、またICチップ,チ
ップコンデンサ,チップ抵抗器等の各種電子部品を収
納、搬送及び保管する際に使用する電子部品収納用トレ
ーであって、磁気ヘッドやICチップ等の電子部品を静
電気のショックから保護し、また高温下でのエージング
テストに用いるのに適したものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気記録装置に使用する磁気ヘッ
ドとしては、チタニア系セラミックスからなるスライダ
ーにコアを備えたもの、あるいはAl2 3 −TiC系
セラミックスからなる基板上に薄膜で磁気ヘッドを形成
した薄膜磁気ヘッド、この薄膜磁気ヘッドの一種である
MR(Magneto-Resistive) ヘッド等ある。
【0003】磁気ヘッドやICチップは、その構造によ
り、大電流ショック、とりわけ静電気のショックにより
簡単にその機能が破壊されてしまうため、磁気ヘッドや
ICチップが直接接触する搬送用及び保管用の容器であ
る電子部品収納用トレー(以下、トレーと略す)には何
らかの静電気対策が施されていた。搬送及び保管の用途
には導電性樹脂が使用されることが多い。樹脂に導電性
を付与する方法として、もっぱら導電性のカーボンブラ
ックをABS樹脂や塩化ビニル樹脂等に練り込む方法が
提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】磁気ヘッドやICチッ
プ等を収納するトレーは、これらの電子部品の高集積化
に伴う製造工程の増加を抑制し、工程簡略化すると共に
歩留まり向上の目的で、電子部品をトレーに載せたまま
の状態で雰囲気温度120℃程度の加熱炉に入れ、電子
部品に残った微量の水分を除去する加熱工程に耐える耐
熱性が要求される。
【0005】しかしながら、従来の導電性樹脂では耐熱
性や耐衝撃性、磁気ヘッドやICチップに悪影響を及ぼ
すコンタミの発生等の点で上記要求を満足するものでは
なかった。
【0006】従って、本発明は上記事情に鑑みて完成さ
れたものであり、その目的は所望の導電性を有すること
により、磁気ヘッドやICチップ等に静電気によるショ
ックを与ず、また耐熱性や耐衝撃性に優れ、電子部品に
悪影響を及ぼすコンタミの発生がないものとすることに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の電子部品収納用
トレーは、体積固有抵抗値が1×104 Ωcm〜1×1
9 Ωcmであり且つ残留磁束密度が14ガウス以下の
材料からなることを特徴とする。
【0008】本発明は、このような構成により、電子部
品に静電気によるショックを与ず、耐熱性や耐衝撃性に
優れ、また電子部品に悪影響を及ぼすコンタミの発生が
ないものとなる。本発明は体積固有抵抗値が1×104
Ωcm〜1×109 Ωcmであり、1×109 Ωcmよ
り大きいとトレーの周側面に導体、例えば人が接触した
ような場合、トレーの周側面に帯電した静電気が人を通
じて流れる際に磁気ヘッドやICチップ等に過剰電流が
流れ、これらを破壊するおそれがあるからである。1×
104 Ωcmより小さいと、逆に電流が流れ易くなり、
トレーが帯電した誘電体に接触すると静電気による過剰
電流が流れ、電子部品を破壊するおそれがある。より好
ましくは、1×106 Ωcm〜1×109 Ωcmであ
る。また、本発明は残留磁束密度が14ガウス以下であ
り、14ガウスを超えると磁気ヘッドやICチップが磁
化され、磁気を帯びることによりその機能が損なわれ易
い。
【0009】また、本発明において、好ましくは前記材
料が、ジルコニアセラミックス,フォルステライト系セ
ラミックス,Al2 3 −TiC系セラミックス,アル
ミナセラミックス,炭化珪素系セラミックス,チタニア
系セラミックスのいずれかである。更に好ましくは、底
板と、該底板の主面上に突設され且つ電子部品を収納す
る区画部を形成する複数条のリブとを有する。
【0010】このような構成により、平面形状が正方
形,長方形,円形等のトレーを、段積み可能なものとし
て構成できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明のトレーについて詳
細に説明する。図1は本発明によるトレーの一部切欠斜
視図である。同図において、1はトレー、2は底板、3
は周側面、4は底板2の主面上に突設され且つ電子部品
を収納する区画部を形成する複数条のリブ、5は磁気ヘ
ッドやICチップ等の電子部品が載置され収納される凹
部、6はトレー1を複数積層させる際に他のトレー1を
上側に積層させるために設けられた上面周縁の段差部、
7はトレー1を複数積層させる際に他のトレー1を下側
に積層させるために設けられた下面周縁の段差部であ
る。上記リブ4によって形成される区画部は、個々の電
子部品を収納する、又は一区画に複数の電子部品を収納
するようにしても良い。
【0012】また、本発明のトレー1は、底板と、該底
板の主面上に突設され且つ電子部品を収納する区画部を
形成する複数条のリブとを有するものに限らず、底板の
主面に直接複数の凹部を形成し、その凹部に電子部品を
収納するようにしても良い。また、複数のトレー1を積
層した所謂段積みタイプとして使用することもできる。
【0013】本発明のトレーは全体が体積固有抵抗(比
抵抗又は抵抗率ともいう)値が1×109 Ωcm以下且
つ残留磁束密度が14ガウス以下である必要はなく、少
なくとも電子部品が接触する部位を上記セラミックスで
形成しておけば良く、他の材質と組み合わせてトレーを
構成することもできる。
【0014】本発明のトレーとして好ましい、体積固有
抵抗値が1×109 Ωcm以下且つ残留磁束密度が14
ガウス以下のセラミックスとしては、ジルコニアセラミ
ックス、フォルステライト系セラミックス、Al2 3
−TiC系セラミックス、アルミナセラミックス、炭化
珪素系セラミックス、チタニア系セラミックスがある。
【0015】本発明のジルコニアセラミックスとして
は、導電性付与剤として、Fe2 3,NiO,Co3
4 ,Cr2 3 のうち一種以上を10〜35重量%の
範囲で含有する、又はTiC,WC,TaC等の炭化物
のうち一種以上を10〜25重量%の範囲で含有し、残
部がY2 3 ,CaO,MgO,CeO2 等の安定化剤
により部分安定化されたジルコニアからなり、焼結体中
における全ジルコニア量に対し、単斜晶以外のジルコニ
ア量が90%以上、好ましくは95%以上であるものが
良い。
【0016】即ち、ジルコニアの結晶状態には立方晶、
正方晶、単斜晶の3つの状態があり、特に正方晶ジルコ
ニアは外部応力により応力誘軌変態を受けて単斜晶ジル
コニアに相変態し、この時に生じる体積膨張によって単
斜晶ジルコニアの周囲にマイクロクラックを形成して外
部応力の進行を阻止できるため、ジルコニアセラミック
スの強度を高めることができる。そして、単斜晶以外の
ジルコニア量が90%未満であると、導電性付与剤を含
有することによる強度劣化が生じる。
【0017】また、ジルコニアの平均結晶粒径が0.5
μmより大きくなると、曲げ強度や硬度等の機械的特性
が大きく低下し、一方0.2μm未満の場合成形性が著
しく劣化し、所望の形状に成形することができなくな
る。従って、ジルコニアの平均結晶粒径は0.2〜0.
5μmが良い。
【0018】また、導電性付与剤として、Fe2 3
NiO,Co3 4 ,Cr2 3 等の酸化物のうち一種
以上を用いる場合、これらの含有量を10〜35重量%
としたのは、10重量%未満では体積固有抵抗値を下げ
る効果が小さく、1×109Ωcm以下とすることがで
きないからであり、逆に35重量%より多くなると強度
が極端に低下するとともに、磁性を生じる恐れがあるか
らである。
【0019】また、導電性付与剤として、TiC,W
C,TaC等の炭化物のうち一種以上を用いる場合、こ
れらの含有量を10〜25重量%の範囲としたのは、1
0重量%未満では電気抵抗値を1×109 Ωcm以下と
することができず、逆に25重量%より多くなると磁性
を生じる恐れがあるからである。
【0020】尚、上記酸化物及び炭化物の導電性付与剤
の平均結晶粒径が大きすぎるとジルコニアセラミックス
の曲げ強度や硬度等の機械的特性が低下するため、平均
結晶粒径を5μm以下、好ましくは3μm以下とするの
が良い。
【0021】更に、上記ジルコニア及び導電性付与剤以
外に、焼成温度抑制剤を3重量%以下含有させても良
い。焼成温度抑制剤としては、導電性付与剤としてFe
2 3,NiO,Co3 4 ,Cr2 3 を用いる場
合、Ca,K,Na,Mg,Zn,Sc等の酸化物を含
有すれば良く、導電性付与剤としてTiC,WC,Ta
C等の炭化物を用いる場合、Al2 3 ,TiO2 を含
有すればよい。
【0022】これらの焼成温度抑制剤を3重量%以下の
範囲で含有させれば、焼成温度を下げてジルコニア及び
導電性付与剤の粒成長を抑えることができるため、曲げ
強度や硬度等の機械的特性を高めることができる。
【0023】このような本発明のジルコニアセラミック
スは高硬度のものとなり、ビッカース硬度10〜13G
Pa(ギガパスカル)、3点曲げ強度650〜1400
MPa(メガパスカル)とすることができる。
【0024】本発明のフォルステライト系セラミックス
は、MgOとSiO2 の複合酸化物を40〜80重量%
と、酸化鉄を20〜60重量%の範囲でそれぞれ含有す
る焼結体である。この導電性を有するフォルステライト
系セラミックスは、上記組成の原料粉末を所定形状に成
形した後、1200℃から1300℃で焼成することに
よって得ることができ、焼結体をX線回折により測定し
た時に、2MgO・SiO2 、MgO・SiO3 の結晶
を有し、かつMgFe2 3 、Fe3 4 の少なくとも
一種以上の結晶を有するものである。上記フォルステラ
イト系セラミックスは高硬度のものとなり、ビッカース
硬度5.4〜8.3GPa、3点曲げ強度125〜22
5MPaとすることができる。
【0025】本発明のAl2 3 −TiC系セラミック
スとしては、Al2 3 を60〜80重量%と、TiC
を20〜40重量%の範囲で添加混合して所定形状に成
形した後、真空中または不活性ガス雰囲気中で焼成した
ものがよい。尚、焼結性を高めるために、Al2 3
TiCの合計100重量%に対し、焼結助剤としてTi
2 ,MgO,SiO2 ,CaO,ZrO2 ,Yb2
3 のうち一種以上を10重量%以下の範囲で含有しても
よく、更には上記成分以外に希土類酸化物や不可避不純
物を合計5重量%以下の範囲で含有してもよい。このA
2 3 −TiC系セラミックスは、ビッカース硬度1
6.5〜20GPa、3点曲げ強度500〜1100M
Paとすることができる。
【0026】また、本発明のアルミナセラミックスとし
ては、65〜85重量%のAl2 3 を主成分とし、導
電性付与剤としてFe2 3 ,NiO,Co3 4 ,C
23 のうち一種以上を15〜35重量%の範囲で含
有し、残部をMgO,CaO,SiO2 等の焼結助剤と
し、大気雰囲気中にて焼成したものを使用する。このア
ルミナセラミックスは、ビッカース硬度10.5〜18
GPa、3点曲げ強度200〜450MPaとすること
ができる。
【0027】さらに、本発明の炭化珪素系セラミックス
としては、90〜98重量%のSiCを主成分とし、焼
結助剤としてAl2 3 を1〜7重量%とY2 3 ,C
eO2 を合計で1〜5重量%の範囲でそれぞれ添加し、
真空中又は不活性ガス雰囲気中で焼成したものが良い。
上記範囲で焼結助剤をそれぞれ添加することにより、焼
結性を高め破壊靱性が向上する。
【0028】また、本発明のチタニア系セラミックスと
しては、TiO2 が50〜99重量%で、残部がBa
O,CaO,SrO,Al2 3 ,ZrO2 ,Si
2 ,MgOのうち一種以上からなる原料粉末を所定形
状に成形し焼成した後、還元雰囲気、不活性雰囲気又は
真空中等の非酸化雰囲気中で、900〜1200℃で加
熱処理したものが良い。このチタニア系セラミックス
は、ビッカース硬度6.5〜9GPa、3点曲げ強度1
70〜300MPaとすることができる。
【0029】そして、以上の各種セラミックスにおい
て、磁気ヘッドやICチップ等に悪影響を及ぼさないた
めに非磁性とする。ここで、非磁性であるとは、残留磁
束密度が14ガウス以下であることを言い、上述した導
電性付与剤の含有量を調整することによって、この範囲
内となるようにするとができる。
【0030】また、本発明のトレーを製造する方法とし
ては、上記各種セラミックの原料を調合し、所定のバイ
ンダー成分と混合した後、プレス成形,射出成形,鋳込
成形等の方法で所定形状に成形した後、各原料に応じた
条件で焼成し、必要に応じ研削加工,ブラスト加工,放
電加工,エッチング加工等を施す方法が好ましく用いら
れる。
【0031】更に付言すると、本発明のトレーは上記セ
ラミックス材料以外に、アクリル系樹脂,ウレタン系樹
脂,エポキシ系樹脂等の各種紫外線硬化型樹脂及び熱硬
化型樹脂等の樹脂材料から構成することもできる。その
場合、体積固有抵抗値及び残留磁束密度を調整するため
に、Al,Cu,SUS,Ag,Au等の導電性微粒子
を混入させることもできる。
【0032】かくして、本発明は、電子部品に静電気に
よるショックを与ず、その結果電子部品が静電気により
破壊されず、また耐熱性や耐衝撃性に優れ、電子部品に
悪影響を及ぼすコンタミの発生がないという作用効果を
有する。
【0033】尚、本発明は上記実施形態に限定されず、
本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更は何等差
し支えない。
【0034】
【実施例】本発明の実施例を以下に説明する。
【0035】(実施例)図1に示すトレー1を、ジルコ
ニアセラミックス,フォルステライト系セラミックス,
Al2 3 −TiC系セラミックス,アルミナセラミッ
クス,炭化珪素系セラミックス又はチタニア系セラミッ
クスで作製した。
【0036】ジルコニアセラミックス,フォルステライ
ト系セラミックス及びアルミナセラミックスは導電性付
与剤の含有量を変化させて体積固有抵抗値を変化させ
た。Al2 3 −TiC系セラミックスは、Al2 3
とTiC及び焼結助剤の比率を変化させて体積固有抵抗
値を変化させ、炭化珪素系セラミックスはSiCと焼結
助剤の比率を変化させて体積固有抵抗値を変化させ、チ
タニア系セラミックスは焼成後の熱処理条件を変化させ
て体積固有抵抗値を変化させた。
【0037】これらについて、体積固有抵抗値及び非磁
性であるかどうかを測定した。体積固有抵抗値はJIS
−C2141に規定する超絶縁抵抗計により測定し、非
磁性であるかどうかは、振動試料型磁力計により残留磁
束密度を測定し、14ガウス以下であったものを非磁性
として評価した。
【0038】トレー1をジルコニアセラミックスで構成
したものについて、その組成は表1に、その測定結果は
表2に示す通りである。前記ジルコニアセラミックス
は、いずれもZrO2 に対しY2 3 を3mol%添加
して部分安定化したものであり、導電性付与剤にはFe
2 3 ,NiO,Co3 4 ,Cr2 3 ,TiC,W
C,TaCのいずれか一種を使用した。
【0039】また、フォルステライト系セラミックスの
組成及びその測定結果は表3に示し、Al2 3 −Ti
C系セラミックスの組成及びその測定結果は表4に示す
通りである。また、アルミナセラミックスの組成及びそ
の測定結果は表5に、炭化珪素系セラミックスの組成及
びその測定結果は表6に、チタニア系セラミックスの組
成、熱処理条件及びその測定結果は表7に示す通りであ
る。尚、これらの表において、wt%は重量%を意味
し、導電剤は導電性付与剤を示し、残留磁束密度の欄で
磁性は残留磁束密度が14ガウスを超えること、非磁性
は14ガウス以下であることを示す。また、体積固有抵
抗値について、例えば1×109 Ωcmを109 Ωcm
と略記した。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】
【表6】
【0046】
【表7】
【0047】この結果、ジルコニアセラミックスに関し
て、試料NO.1〜7は導電性付与剤としてFe2 3
を含有したものであるが、試料NO.1はFe2 3
含有量が10重量%未満であるため体積固有抵抗値が1
9 Ωcmより大きく、その結果静電気除去効果が得ら
れなかった。また、試料NO.6,7はFe2 3 の含
有量が35重量%より多いため磁性を有していた。
【0048】試料NO.2〜5は、Fe2 3 の含有量
が10〜35重量%の範囲にあり、そのため非磁性で、
体積固有抵抗値が106 〜109 Ωcmの範囲にあるた
め適度な静電気減衰速度で静電気を除去できることが判
った。また、試料NO.8〜13は導電性付与剤として
NiO,Co3 4 ,Cr2 3 をそれぞれ用いたもの
であるが、いずれもその含有量は10〜35重量%の範
囲にあり、その結果体積固有抵抗値が106 〜109 Ω
cmの範囲であった。そのため、適度な静電気減衰速度
で静電気を除去できることができた。
【0049】試料NO.14〜17は、導電性付与剤と
してTiCを含有したものであるが、このうち試料N
O.14はTiCの含有量が10重量%未満であるた
め、体積固有抵抗値が109 Ωcmより大きく、十分な
静電気除去効果が得られなかった。試料NO.17はT
iCの含有量が25重量%よりも多いため、磁性を有し
ていた。これに対し、試料NO.15,16はTiCの
含有量が10〜25重量%の範囲内にあるので、体積固
有抵抗値を106 〜109 Ωcmとすることができた。
その結果、適度な静電気減衰速度で静電気を除去できる
ことが判った。
【0050】試料NO.18〜21は、導電性付与剤と
してWC,TaCを用いたものであるが、いずれもその
含有量が10〜25重量%の範囲内にあり、そのため体
積固有抵抗値は106 〜109 Ωcmの範囲であり、適
度な静電気減衰速度で静電気を除去できた。
【0051】また、フォルステライト系セラミックス,
Al2 3 −TiC系セラミックス,アルミナセラミッ
クス,炭化珪素系セラミックス,チタニア系セラミック
スの場合も同様に、試料NO.23〜27,28,2
9,32,33,35,36,38〜41,44〜48
は、体積固有抵抗値が109 Ωcm以下となり、適度な
静電気減衰速度で静電気を除去できた。
【0052】以上から、体積固有抵抗値が109 Ωcm
以下且つ非磁性とするには、ジルコニアセラミックスに
おいて、導電性付与剤としてFe2 3 ,NiO,Co
3 4 ,Cr2 3 を用いる場合、その含有量を10〜
35重量%とし、導電性付与剤としてTiC,WC,T
aCを用いる場合、その含有量を10〜25重量%とす
れば良いことが判った。
【0053】また、フォルステライト系セラミックスに
あっては、MgOとSiO2 の複合酸化物を40〜80
重量%と、酸化鉄を20〜60重量%の範囲でそれぞれ
含有すればよいことが判った。
【0054】Al2 3 −TiC系セラミックスの場
合、Al2 3 を60〜80重量%と、TiCを20〜
40重量%の範囲でそれぞれ含有し、焼結助剤としてT
iO2,MgO,SiO2 ,CaO,ZrO2 ,Yb2
3 のうち一種以上を10重量%以下の範囲でそれぞれ
含有すれば良い。
【0055】アルミナセラミックスにおいては、導電性
付与剤としてFe2 3 ,NiO,Co3 4 ,Cr2
3 を用いる場合、その含有量を15〜35重量%とす
れば良い。
【0056】炭化珪素系セラミックスの場合、90〜9
8重量%のSiCに対し、焼結助剤としてAl2 3
1〜7重量%と、Y2 3 ,CeO2 を合計で1〜5重
量%とすれば良い。
【0057】チタニア系セラミックスの場合、TiO2
を50〜99重量%含み、残部がBaO,CaO,Sr
O,Al2 3 ,ZrO2 ,SiO2 ,MgOのうち一
種以上からなるものとし、焼成後に還元雰囲気、不活性
雰囲気又は真空等の非酸化雰囲気中で900〜1200
℃で加熱処理を行えば良いことが判った。
【0058】
【発明の効果】本発明は、体積固有抵抗値が1×109
Ωcm以下且つ残留磁束密度が14ガウス以下の材料か
ら成ることにより、帯電防止性に優れ、電子部品に静電
気によるショックを与ず、その結果電子部品が静電気に
より破壊されないという効果を有する。また耐熱性、耐
久性、断熱性及び耐衝撃性に優れ、電子部品に悪影響を
及ぼすコンタミの発生がない。更には、電子部品を本発
明のトレーに収納した状態のままで、洗浄工程、高温下
でのエージング工程にも使用でき、その後の保管、運搬
等の用途にも利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトレーの一部切欠斜視図である。
【符号の説明】
1:トレー 2:底面 3:周側面 4:リブ 5:凹部 6:上面周縁の段差部 7:下面周縁の段差部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】体積固有抵抗値が1×104 〜1×109
    Ωcmであり且つ残留磁束密度が14ガウス以下の材料
    から成ることを特徴とする電子部品収納用トレー。
  2. 【請求項2】前記材料が、ジルコニアセラミックス,フ
    ォルステライト系セラミックス,Al2 3 −TiC系
    セラミックス,アルミナセラミックス,炭化珪素系セラ
    ミックス,チタニア系セラミックスのいずれかである請
    求項1記載の電子部品収納用トレー。
  3. 【請求項3】底板と、該底板の主面上に突設され且つ電
    子部品を収納する区画部を形成する複数条のリブとを有
    する請求項1又は2記載の電子部品収納用トレー。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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