JP2000189841A - 電気集塵装置 - Google Patents

電気集塵装置

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JP2000189841A JP10367268A JP36726898A JP2000189841A JP 2000189841 A JP2000189841 A JP 2000189841A JP 10367268 A JP10367268 A JP 10367268A JP 36726898 A JP36726898 A JP 36726898A JP 2000189841 A JP2000189841 A JP 2000189841A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 集塵極の捕集ダストを槌打により効率良く剥
離すると共に、当該剥離された捕集ダストの再飛散を低
減する。 【解決手段】 ハンマー20による集塵極51〜55に
対する槌打の直前に、第1の地絡装置21により放電極
を地絡し、この第1の地絡装置21の作動を検出する
と、少なくともハンマー20による集塵極51〜55に
対する槌打を実行するまで、制御装置により、放電極の
給電を制御するサイリスタの点弧を休止し、サイリスタ
点弧が休止してからハンマー20による集塵極51〜5
5に対する槌打が実行されるまでに、第2の地絡装置2
3により放電極を再度地絡し、槌打時に放電極を確実に
無電圧にすると共に集塵極51〜55の捕集ダストの蓄
積電荷を確実に消失させ、捕集ダストが槌打により放電
極に向かって飛び出さずに、集塵極面に沿って落下する
ように構成して成るもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気集塵装置に関
し、特に集塵極の捕集ダストをハンマーにより払い落と
す槌打装置を備えた電気集塵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図8を参照して、従来の電気集塵装置の
槌打装置の概要を説明すると共に、図9を参照して、従
来の電気集塵装置の電気的接続を説明する。
【0003】電気集塵装置の荷電区分室の1室は、図8
及び図9に示すように、複数枚の接地された集塵極51
〜55(図8では集塵極55は図示省略)を備える。各
集塵極には、ハンマーによる槌打装置が設けられる。図
8に示すように、ハンマー60は、共通のシャフト61
に対してフォークエンド62とピン63とで回転自在に
取り付けられている。シャフト61の図中矢印方向の回
転により最高点まで引き上げられたハンマー60は、重
力により落下して各集塵極51〜55の最下点付近に設
けられた集塵極叩き座64を叩くように構成される。
【0004】複数のハンマー60は、シャフト61に対
して取付角度を変えて取り付けられており、各ハンマー
60は、順次1個づつ集塵極叩き座64を叩く。これ
は、槌打により落とされた捕集ダストの再飛散が複数の
集塵極で同時に発生しないようにするためである。すな
わち、捕集ダストの再飛散を分散して、煙突より大気中
に出る再飛散パフ(目視される煙の塊)を目立たなくす
るためである。
【0005】一方、隣り合う集塵極の間に形成されるガ
ス流路には、図9に示すように、複数の放電極が配置さ
れる。図9では、集塵極51と集塵極52との間に4つ
の放電極A1〜A4が配置され、同様に、集塵極52と
集塵極53との間に4つの放電極B1〜B4が、集塵極
53と集塵極54との間に4つの放電極C1〜C4が、
集塵極54と集塵極55との間に4つの放電極D1〜D
4が、各々配置される。
【0006】そして、全ての放電極は、共通の電源装置
70に接続される。この電源装置70は、高圧直流電源
回路であり、変圧器71、この変圧器71の二次出力側
に接続された整流ブリッジ回路72、スパーク検出用分
圧器73を含む。変圧器71の一次入力側には、交流電
源ACが2つの制御用サイリスタ75を介して接続され
る。制御用サイリスタ75は、制御装置76により導通
角が制御され、その結果、変圧器71の二次出力電圧が
制御される。すなわち、制御装置76は、スパーク検出
用分圧器73の電圧を監視して放電極と集塵極間のスパ
ークの有無を判別し、二次出力電圧(電流)が適正な値
になるように制御する。
【0007】なお、図9では、集塵極は5枚、放電極は
16本しか示していないが、実際には、集塵極はガス流
に直交する方向に数十枚並設され、放電極は全部で数百
本になる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、電気
集塵装置では、集塵極表面に捕集されたダストは、槌打
装置で集塵極に振動を与えることで払い落とされる。こ
の払い落とされたダストは塊となって下方のホッパーへ
落下するが、一部はガス流に持ち去られる。この現象
は、槌打再飛散と呼ばれ、集塵の性能向上にとって障害
となっていた。また、槌打しても、集塵極に捕集された
ダストを完全に払い落とせない場合もあり、集塵極にダ
ストが残ってしまうと、槌打によらないでも自然に再飛
散するダストが多くなり、また、逆電離現象やスパーク
の原因となることもある。従って、槌打再飛散が少な
く、且つダストの払い落としがより完全な槌打方法が求
められている。
【0009】従来、槌打は、電気集塵装置の放電極に電
圧を印加したまま行われて来た。しかし、より完全な払
い落としのため、槌打時に、電圧を通常より低くする減
電圧槌打や、完全に荷電を止めて槌打するパワーオフラ
ッピング(Power Off Rapping)が行われることもあ
る。
【0010】しかしながら、減電圧槌打やパワーオフラ
ッピングでは、荷電電圧を低くしたり荷電を停止するた
め、集塵機能が著しく低下したり発揮されなくなってし
まう。
【0011】一方、槌打装置は、シャフト61がゆっく
り回転することで、複数のハンマー60が順次最高点ま
で引き上げられ、最高点から重力により落下して集塵極
を槌打する。シャフト61の回転は、1回転に数分を要
するので、減電圧槌打やパワーオフラッピングは数分以
上の時間行われ、この間、集塵性能が悪化してしまう。
特に、パワーオフラッピングはこの問題のため、通常は
殆ど行われることがなく、行われるのは限定された条件
下のみである。すなわち、電気集塵装置を備えたプラン
トの操業がフルロードより大幅に低減されて、集塵性能
に十分余裕を生じた時であり、複数の荷電区分室から成
る電気集塵装置の1室を荷電停止しても集塵性能が未だ
十分に確保できることが確実な場合のみ、必要に応じて
行われる。
【0012】以上述べたように、従来の槌打方法による
荷電したままの槌打では、完全な槌打による払い落とし
ができないという問題と共に、槌打再飛散が大きいとい
う事実が本発明者により発見された。本発明者は、電気
集塵装置の集塵極から槌打により剥離するダストの動く
様子を観察する装置を開発し、剥離ダストの挙動を詳し
く調べた。
【0013】以下に、図10を参照してダストの挙動に
ついて述べる。観察の結果によると、集塵極51,52
のうちの放電極のコロナ発生部に対面するA部では、捕
集されたダスト層の厚さがかなり厚くならないと槌打で
は殆ど剥離しない。
【0014】一方、集塵極51,52のうちの放電極の
コロナ発生部に対面するA部より離れたB部からは、ダ
ストは剥離するものの空間に飛び出してしまう。このた
め、A部では払い落としが不完全で、且つ、B部では槌
打再飛散を生じることが判明した。
【0015】A部、B部で上記相違が生じる理由は、以
下のように考えられる。A部のダスト層表面には、放電
極近傍で生じた負イオンが大量に衝突し負電荷を与える
ため、負電荷が蓄積する。このため、集塵極51,52
に強く吸引されており、槌打によっても剥離し難くなっ
ている。
【0016】B部では、負イオンの衝突が少ない。この
場合は、放電極と集塵極51,52の間に印加されてい
る電圧が作る電界により、集塵極(金属部分)よりダス
ト表面に向かって正電荷が引き出され、ダスト層表面に
正電荷として蓄積する。B部では、外部空間からの負イ
オンの衝突が少ないので、このダスト層表面の正電荷
は、中和されずに残る。このため、B部でのダスト層に
は、放電極に吸引される力が作用しており、槌打で剥離
すると空間に飛び出して再飛散してしまうことになる。
【0017】減電圧槌打では、負イオンが少なくなるた
め、B部の再飛散がより広い面積で起こる。また、パワ
ーオフラッピングでは、荷電を停止した直後は、放電極
と集塵極の間の静電容量のため、電圧がかなり長期間残
留する。電圧の残留期間においては、槌打再飛散は集塵
極の全面で起こる。
【0018】以上のような理由により、これまでの方法
では、槌打再飛散が少なく、且つダストの払い落としが
より完全な槌打は実現されていない。
【0019】上記のような事情にも拘わらず、電気集塵
装置には、近年10mg/m3N以下の低い出口ダスト
濃度の達成が求められるようになり、槌打による再飛散
を低減することが不可欠となっている。
【0020】本発明は、このような課題を解決するため
になされたものであり、集塵極の捕集ダストを槌打によ
り効率良く剥離できると共に、当該剥離された捕集ダス
トの再飛散を低減できる電気集塵装置を提供することを
目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明による電気集塵装
置は、複数の集塵極と、集塵極間に配設された放電極
と、集塵極をハンマーにより槌打する捕集ダストの槌打
装置と、を備え、放電極を高圧直流電源回路の二次側回
路に接続し当該高圧直流電源回路の一次側交流回路の制
御用サイリスタにより放電極に対する給電を制御する電
気集塵装置において、ハンマーによる集塵極に対する槌
打の直前に、放電極を地絡する第1の地絡装置と、この
第1の地絡装置の作動を検出したら、少なくともハンマ
ーによる集塵極に対する槌打が実行されるまで、制御用
サイリスタの点弧を休止する制御装置と、サイリスタ点
弧が休止してからハンマーによる集塵極に対する槌打が
実行されるまでに、放電極を再度地絡する第2の地絡装
置と、を具備した。
【0022】このように構成された電気集塵装置によれ
ば、ハンマーによる集塵極に対する槌打の直前に、第1
の地絡装置により放電極が地絡され、この第1の地絡装
置の作動が検出されると、少なくともハンマーによる集
塵極に対する槌打が実行されるまで、制御装置により、
二次側回路に放電極が接続された高圧直流電源回路の一
次側交流回路の制御用サイリスタの点弧が休止される。
このため、ハンマーが集塵極を槌打する時には、放電極
が無電圧になると共に集塵極の捕集ダストの蓄積電荷が
消失され、当該捕集ダストは槌打により放電極に向かっ
て飛び出さずに集塵極面に沿って落下することになる。
【0023】ここで、本発明者は、上記休止時に、サイ
リスタが既に点弧されてしまっている場合には、電源交
流の次のゼロクロスまではターンオフせず給電が継続さ
れ、第1の地絡装置により一旦地絡された放電極の電圧
が再び上昇してしまい、この電圧は、放電極と集塵極に
より構成されるコンデンサの働きにより、当該コンデン
サの静電容量に蓄積されて給電停止期間も残留され、こ
のため、ハンマーが集塵極を槌打する時には、集塵極の
捕集ダストは正電荷を有し、当該捕集ダストは槌打によ
り剥離すると放電極に吸引されてガス流に入り再飛散し
てしまうことを見出した。
【0024】しかしながら、サイリスタ点弧が休止して
からハンマーによる集塵極に対する槌打が実行されるま
でに、第2の地絡装置により放電極が再度地絡されるよ
うに構成しているため、ハンマーが集塵極を槌打する時
には、放電極が確実に無電圧になると共に集塵極の捕集
ダストの蓄積電荷が確実に消失され、当該捕集ダストは
槌打により放電極に向かって飛び出さずに集塵極面に沿
って確実に落下することになる。
【0025】ここで、第1の地絡装置としては、具体的
には、例えば、放電極に電気的に接続され、接地された
ハンマー或いは当該ハンマーと一体的に同期運動する連
動体との間でスパークするように配置されたスパーク電
極が採用され、第2の地絡装置としては、具体的には、
例えば、放電極及びスパーク電極に電気的に接続され、
ハンマー或いは連動体に接触する接触子が採用される。
【0026】このように第1の地絡装置として採用され
たスパーク電極は、例えば、ハンマーの槌打の大凡の時
刻を槌打シャフト駆動電動機運転開始に連動したタイマ
にて推測し、集塵機外部のスイッチングにより放電極を
地絡させる地絡装置に比して、応答性に非常に優れてい
る。
【0027】また、接触子としては、具体的には、例え
ば、スプリング或いは振り子動作が可能な可動子が採用
される。
【0028】このように接触子として採用されたスプリ
ング或いは振り子動作が可能な可動子は、ハンマーの落
下を妨げることはない。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る電気集塵装置
の好適な実施形態について添付図面を参照しながら説明
する。なお、各図において、同一の要素には同一の符号
を付し、重複する説明は省略する。
【0030】図1は、第1実施形態に係る電気集塵装置
の槌打装置、スパーク電極及び接触子を示す斜視図、図
2は、第1実施形態に係る電気集塵装置の電気的接続を
示す回路図、図3は、第1実施形態に係る電気集塵装置
の全体を示す説明図であり、(a)は平面図、(b)は
正面図である。
【0031】便宜上、本実施形態においても、電気集塵
装置の荷電区分室の1室につき、接地された5枚の集塵
極51〜55と、各集塵極の間に形成されるガス流路毎
に放電極A1〜A4,B1〜B4,C1〜C4,D1〜
D4が、各々配置されている場合について説明するが、
実際には、集塵極はガス流に直交する方向に数十枚並設
され、放電極は全部で数百本になる。
【0032】図2に示すように、電気集塵装置の荷電区
分1室につき、共通の電源装置70から上記放電極A1
〜A4,B1〜B4,C1〜C4,D1〜D4(実際に
は図示を省略した放電極全て)に対して直流高電圧が供
給される。この電源装置70は、高圧直流電源回路であ
り、交流電源ACに接続される変圧器71と、この変圧
器71の二次出力側に接続され直流に整流する整流ブリ
ッジ回路72と、電気集塵装置でのスパークの有無を検
出するスパーク検出用分圧器15と、を含んで成る。こ
の変圧器71の一次入力側には、2つの制御用サイリス
タ75が接続され、この制御用サイリスタ75には、二
次出力電圧(電流)が適正な値になるように当該制御用
サイリスタ75の導通角を制御する制御装置10が接続
される。
【0033】この制御装置10は、スパーク検出用分圧
器15の電圧を監視してスパークの有無を判別するスパ
ーク判別機能を有し、スパークがあったと判別すると、
制御用サイリスタ75を制御して、電源装置70の出力
を短期間、より具体的に述べれば、少なくとも上記スパ
ークを検出してからハンマー20による集塵極に対する
槌打が実行されるまで、停止する(詳しくは後述)。
【0034】また、図1に示すように、複数のハンマー
20は全て、シャフト61に対して同一の取付角度で取
り付けられており、全てのハンマー20が同時に落下し
て、対応する集塵極叩き座64を同時に槌打するように
構成される。ここで、ハンマー20が確実に同時に落下
するように、連結棒22により全てのハンマー20を連
結するのが好ましい。なお、本実施形態では、全てのハ
ンマー20のうちの1個のハンマーが、頭部20aを両
側に有するように構成される。ハンマー20及びシャフ
ト61は各々導電性材料より成り、アースに接続されて
いる。また、放電極A1〜A4,B1〜B4,C1〜C
4,D1〜D4は、支持枠65により支持されている。
【0035】特に、本実施形態においては、上記頭部2
0aを有するハンマー20に対応して、1個のスパーク
電極(第1の地絡装置)21が設けられ、当該スパーク
電極21は、金属部材46を介して放電極に接続され
る。このスパーク電極21は、ハンマー20の頭部20
aが落下する通過路から数cm(例えば5cm)以下の
距離に設置され、ハンマー20の頭部20aが近傍を通
過すると当該ハンマー20との間でスパークが発生する
ように配置されると共に、当該ハンマー20による集塵
極に対する槌打の直前にスパークが発生するように配置
される。
【0036】なお、スパーク電極21を、ハンマー20
の頭部20aの落下の通過路に接触する位置に設けるよ
うにしても良い。このように構成すれば、ハンマー20
とスパーク電極21とが接触し、このスパーク電極21
に機械的に接続された放電極が結果的に叩かれるため、
当該放電極のダストが払い落とされる。また、ハンマー
20とスパーク電極21とが接触するため、後述の放電
極の地絡が確実になされる。
【0037】放電極とスパーク電極21とを繋ぐ金属部
材46は、当該スパーク電極21よりさらに下方に延在
し、当該延在部分にスプリング(第2の地絡装置;接触
子)23が設けられる。このスプリング23は、その先
端部が、頭部20aを有するハンマー20の落下の通過
路に位置するように配置され、スパーク電極21との間
でスパークを発生させたハンマー20がさらに落下して
槌打直前に、当該ハンマー20と確実に接触するように
配置される。このスプリング23は、当該ハンマー20
の落下を妨げない。
【0038】また、電気集塵装置の上部には、図3に示
すように、100°C以下の清浄な空気でパージした碍
子室66が設けられる。この碍子室66内に、支持枠6
5を支持する放電極の支持碍子67等が設置される。
【0039】次に、このように構成された電気集塵装置
の作用について説明する。図4に示すように、最高点の
位置20−Aから複数のハンマー20が自重により同時
に落下すると、位置20−Bにて、頭部20aを有する
ハンマー20とスパーク電極21との間でスパークが発
生するため、当該スパーク電極21に電気的に接続され
た放電極が地絡される。
【0040】このスパーク電極21によるスパークは、
スパーク検出用分圧器15により検出され、制御装置1
0により、当該スパークを検出してからハンマー20に
よる集塵極に対する槌打が実行されるまで、制御用サイ
リスタ75の点弧を休止する。そして、この直後に、位
置20−Dにて、最下点付近の集塵極叩き座64をハン
マー20が叩くため、当該槌打時には、放電極電圧が無
電圧となると共に集塵極の捕集ダストの蓄積電荷が消失
し、捕集ダストは槌打により放電極に向かって飛び出さ
ずに集塵極面に沿って落下することになる。
【0041】しかしながら、このように槌打時に放電極
電圧が無電圧となると共に集塵極の捕集ダストの蓄積電
荷が消失するのは、制御用サイリスタ点弧休止時に当該
制御用サイリスタ75を未だ点弧していない場合であ
り、制御用サイリスタ75が既に点弧されてしまってい
る場合は、図6(a)に示すように、電源交流の次のゼ
ロクロスまではターンオフせず給電が継続され、図6
(b)に示すように、スパーク電極21により一旦地絡
された放電極の電圧が再び上昇してしまい、この電圧
は、放電極と集塵極により構成されるコンデンサの働き
により、当該コンデンサの静電容量に蓄積されて給電停
止期間も残留され、このため、ハンマー20が集塵極を
槌打する時には、集塵極の捕集ダストは正電荷を有し、
当該捕集ダストは槌打により剥離すると放電極に吸引さ
れてガス流に入り再飛散してしまうことを、本発明者は
見出した。
【0042】そこで、本実施形態においては、前述した
スプリング23により上記問題の解消を図っている。す
なわち、頭部20aを有するハンマー20は、スパーク
電極21との間でスパークを発生させた直後に、位置2
0−Cにて、スプリング23と接触するため、スプリン
グ23に電気的に接続された放電極が、図5に示すよう
に、再度地絡される。このため、ハンマー20による集
塵極に対する槌打時には、放電極が確実に無電圧になる
と共に集塵極の捕集ダストの蓄積電荷が確実に消失さ
れ、当該捕集ダストは槌打により放電極に向かって飛び
出さずに集塵極面に沿って確実に落下することになる。
【0043】このように、本実施形態においては、制御
用サイリスタ点弧休止時が何時であっても、集塵極の捕
集ダストを槌打により効率良く剥離できると共に、当該
剥離された捕集ダストの再飛散を低減できるようになっ
ている。
【0044】ここで、商用周波数の半サイクル期間は、
50Hzで0.01秒、60Hzで0.0083秒であ
るため、スパーク電極21によるスパーク後、この期間
経過してから、ハンマー20にスプリング23を接触す
るようにすれば、放電極電圧を確実に無電圧にできる。
実際のハンマー20とスパーク電極21との間のスパー
クは、電源交流のゼロクロスではなく、交流波形のピー
ク付近或いは制御用サイリスタ75の点弧後と考えられ
るため、0.01秒或いは0.0083秒待たずとも次
のゼロクロスが来る。これを考慮すれば、ハンマー20
のスプリング23に対する接触までの待ち時間は、0.
005秒程度でも良い。
【0045】一方、スパーク電極21によるスパークか
らハンマー20がスプリング23に接触するまでの期間
は、必要以上に長くしてはならない。集塵機電圧が残留
中は、捕集ダスト層表面がコンデンサ正極側表面となる
ので、正電荷が蓄積され、無電圧になってから消失す
る。この消失にはある程度時間がかかるため、スプリン
グ23との接触から槌打までの期間は出来るだけ長くす
るのが良い。よって、スプリング23との接触を必要以
上に遅らせないことにより、捕集ダスト層の電荷は槌打
の瞬間までに殆ど消失することになる。
【0046】また、給電停止期間が長すぎると、電気集
塵装置の性能が発揮されない期間が生じる。ガス流が電
気集塵装置の荷電区分1室を通過するのに要する時間
は、一般的に3〜6秒程度であり、この期間荷電を停止
すると、この期間の始まりと同時に電気集塵装置の当該
荷電区分室に入ったガスは全く集塵されずに当該荷電区
分室を通過してしまう。このため、荷電休止期間は当該
荷電区分室のガス通過に要する時間の1/3程度が限界
であり、スパーク電極21によるスパークを検出してか
ら、約1秒以下が最適と考えられる。
【0047】また、本実施形態では、落下途中のハンマ
ー20とスパーク電極21との間でスパークを発生させ
ることで、放電極を地絡するようにしているため、例え
ば、ハンマーの槌打の大凡の時刻を槌打シャフト駆動電
動機運転開始に連動したタイマにて推測し、集塵機外部
のスイッチングにより放電極を地絡させる地絡装置に比
して、応答性に非常に優れた地絡装置となっており、電
気集塵装置の性能を一層向上できるようになっている。
【0048】また、スプリング23は、ハンマー20の
落下を妨げることがないため、電気集塵装置の正常動作
を確保でき、装置信頼性を向上できるようになってい
る。
【0049】また、本実施形態では、全部のハンマー2
0により集塵極を同時槌打するようにしているため、パ
ワーオフラッピングで順次槌打していく従来技術に比し
て、集塵性能が優れている。
【0050】また、本実施形態では、全部のハンマー2
0により集塵極を同時槌打するようにしているが、捕集
ダストの再飛散が少ないため、下流の煙突からパフが発
生することはない。
【0051】図7は、第2実施形態に係る電気集塵装置
の要部の概要及びハンマー落下時の作用を示す説明図で
ある。
【0052】この第2実施形態の電気集塵装置が第1実
施形態のそれと違う点は、スプリング23に代えて、振
り子動作が可能な可動子24を用いた点である。この可
動子24は、導電性材より成ると共にハンマー20に比
して十分軽量であり、通常時には、仮想線で示すよう
に、その端部が、落下するハンマー20に接触するよう
に配置され、ハンマー20が落下して当該ハンマー20
と位置20−Cで接触すると回動退避し(斜線で示す可
動子24参照)、ハンマー20が通過すると、バランス
の偏りにより通常時の静止位置に戻り、ハンマー20の
落下を妨げないように構成される。
【0053】このように構成しても、第1実施形態と同
様な効果を得ることができるというのはいうまでもな
い。
【0054】以上、本発明をその実施形態に基づき具体
的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるも
のではなく、例えば、上記実施形態においては、集塵性
能の向上を図るべく、全てのハンマーが、対応する集塵
極を同時に槌打する電気集塵装置としているが、従来技
術で説明したように、複数のハンマーが、順次、対応す
る集塵極を槌打するように構成された電気集塵装置(以
下個別槌打型集塵装置と呼ぶ)や、複数のハンマーを隣
り合う数個のハンマー毎にグループ分けして、同一グル
ープのハンマーが、対応する同一グループの集塵極を同
時に槌打するようにし、このグループ単位の同時槌打を
順次実行する電気集塵装置(以下グループ別槌打型集塵
装置と呼ぶ)に対しても、本発明は適用可能である。
【0055】この場合、個別槌打型集塵装置では、ハン
マー毎にスパーク電極21及び接触子23(24)を設
けて当該スパーク電極21及び接触子23(24)を放
電極に電気的に接続する構成となり、上記実施形態の電
気集塵装置に比して、放電極を無電圧とする頻度が多く
なって、上記実施形態の電気集塵装置よりは集塵性能が
低下する。また、グループ別槌打型集塵装置では、ハン
マーのグループ毎にスパーク電極21及び接触子23
(24)を設けて当該スパーク電極21及び接触子23
(24)を放電極に電気的に接続する構成となり、個別
槌打型集塵装置に比して、放電極を無電圧とする頻度が
少なくなって、個別槌打型集塵装置よりは集塵性能が向
上する。
【0056】また、上記実施形態においては、ハンマー
20とスパーク電極21との間でスパークを発生させる
と共に、ハンマー20と接触子23(24)とを接触す
るようにしているが、当該ハンマー20と一体的に同期
運動する連動体とスパーク電極21との間でスパークを
発生させると共に、当該連動体と接触子23(24)と
を接触するようにしても良い。この場合、個別槌打型集
塵装置では、当該連動体が各ハンマー毎に設けられ、グ
ループ別槌打型集塵装置では、当該連動体が同一グルー
プ毎に設けられる。
【0057】
【発明の効果】本発明による電気集塵装置は、ハンマー
による集塵極に対する槌打の直前に、第1の地絡装置に
より放電極を地絡し、この第1の地絡装置の作動を検出
すると、少なくともハンマーによる集塵極に対する槌打
を実行するまで、制御装置により、二次側回路に放電極
を接続した高圧直流電源回路の一次側交流回路の制御用
サイリスタの点弧を休止し、サイリスタ点弧が休止して
からハンマーによる集塵極に対する槌打が実行されるま
でに、第2の地絡装置により放電極を再度地絡するよう
にし、サイリスタ点弧休止時にサイリスタを未だ点弧し
ていない場合には、第1の地絡装置による放電極の地絡
により、槌打時に放電極を無電圧にすると共に集塵極の
捕集ダストの蓄積電荷を消失させ、一方、サイリスタ点
弧休止時にサイリスタを既に点弧してしまっている場合
には、第2の地絡装置による放電極の再度の地絡によ
り、槌打時に放電極を無電圧にすると共に集塵極の捕集
ダストの蓄積電荷を消失させ、何れの場合でも、捕集ダ
ストが槌打により放電極に向かって飛び出さずに、集塵
極面に沿って落下するように構成したものであるから、
集塵極の捕集ダストを槌打により効率良く剥離できると
共に、当該剥離された捕集ダストの再飛散を低減でき
る。その結果、電気集塵装置の性能を向上することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る電気集塵装置の槌打装置、
スパーク電極及び接触子を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態に係る電気集塵装置の電気的接続
を示す回路図である。
【図3】第1実施形態に係る電気集塵装置の全体を示す
説明図であり、(a)は平面図、(b)は正面図であ
る。
【図4】第1実施形態に係る電気集塵装置の要部の概要
及びハンマー落下時の作用を示す説明図である。
【図5】第1実施形態に係る電気集塵装置の放電極電圧
の変化を給電制御と共に示すタイミングチャートであ
る。
【図6】第1実施形態に係る電気集塵装置で接触子を設
けない場合の放電極電圧の変化を給電制御と共に示すタ
イミングチャートである。
【図7】第2実施形態に係る電気集塵装置の要部の概要
及びハンマー落下時の作用を示す説明図である。
【図8】従来技術に係る電気集塵装置の槌打装置を示す
斜視図である。
【図9】従来技術に係る電気集塵装置の電気的接続を示
す回路図である。
【図10】集塵極捕集ダスト層の蓄積電荷を示す説明図
である。
【符号の説明】
10…制御装置、15…スパーク検出用分圧器(スパー
ク検出手段)、20…ハンマー、21…スパーク電極
(第1の地絡装置)、23…スプリング(第2の地絡装
置;接触子)、24…可動子(第2の地絡装置;接触
子)、51〜55…集塵極、70…高圧直流電源回路
(電源装置)、75…制御用サイリスタ、A1〜A4,
B1〜B4,C1〜C4,D1〜D4…放電極。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の集塵極と、集塵極間に配設された
    放電極と、前記集塵極をハンマーにより槌打する捕集ダ
    ストの槌打装置と、を備え、前記放電極を高圧直流電源
    回路の二次側回路に接続し当該高圧直流電源回路の一次
    側交流回路の制御用サイリスタにより前記放電極に対す
    る給電を制御する電気集塵装置において、 前記ハンマーによる前記集塵極に対する槌打の直前に、
    前記放電極を地絡する第1の地絡装置と、 この第1の地絡装置の作動を検出したら、少なくとも前
    記ハンマーによる前記集塵極に対する槌打が実行される
    まで、前記制御用サイリスタの点弧を休止する制御装置
    と、 前記サイリスタ点弧が休止してから前記ハンマーによる
    前記集塵極に対する槌打が実行されるまでに、前記放電
    極を再度地絡する第2の地絡装置と、を具備した電気集
    塵装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の地絡装置は、前記放電極に電
    気的に接続され、接地された前記ハンマー或いは当該ハ
    ンマーと一体的に同期運動する連動体との間でスパーク
    するように配置されたスパーク電極であり、 前記第2の地絡装置は、前記放電極及び前記スパーク電
    極に電気的に接続され、前記ハンマー或いは前記連動体
    に接触する接触子であることを特徴とする請求項1記載
    の電気集塵装置。
  3. 【請求項3】 前記接触子は、スプリング或いは振り子
    動作が可能な可動子であることを特徴とする請求項2記
    載の電気集塵装置。
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