JP3640129B2 - 集塵装置のホッパ - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、集塵装置のホッパに係り、特に重油燃焼ボイラ等の排ガスを清浄化する集塵装置のホッパに関する。
【０００２】
【従来の技術】
集塵装置上部の集塵室で捕集されたダストは、いったん装置下部に設けられたホッパに貯留され、その後、ホッパ下端部に設けられたダスト排出装置によって装置外部に間欠的に排出される。
しかしながら、重油燃焼ボイラ等の排ガス中のダストを捕集する集塵装置では、捕集するダストの粒径が微小で流動性が悪いため、捕集したダストがスムーズに排出されずに、ホッパ内に堆積固化してしまうという問題がある。
【０００３】
このため、通常この種の集塵装置には、ホッパ内にエアノズルを設置し、そのエアノズルから噴射した圧縮エアのエア圧でダストの排出を促進するようにしている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のごとくホッパ内にエアノズルを設置すると、その設置されたエアノズル自体を核としてダストが堆積固化し、かえってダストのスムーズな排出を阻害したり、いわゆるダストブリッジの発生を助長したりするという欠点があった。
【０００５】
また、上記欠点を解消するために、ノズルをホッパの表面から突出させない、いわゆる埋め込み式とする方式もあるが、この場合、構造が複雑になるという欠点を有している。
本発明の目的は、シンプルな構成でダストの排出をスムーズに行なうことができる集塵装置のホッパを提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために、集塵装置の下部に設けられ、該集塵装置上部の集塵室で捕集されたダストを貯留して外部に排出する集塵装置のホッパにおいて、上端に向かって広がりを有する四角錐状に形成され、上端部が前記集塵室の下端部に連結された上段ホッパと、下端に排出口を有し、上端に向かって広がりを有する円錐状に形成され、前記上段ホッパの下端同軸上に配置されるとともに、上端の内周に前記上段ホッパの下端の外周が内接する下段ホッパと、前記上段ホッパの下端の外周と前記下段ホッパの上端の内周との隙間を遮蔽するように連結する連結板と、前記下段ホッパの上端近傍であって前記連結板の下部に配設され、前記排出口に向け、圧縮エアを前記下段ホッパの内壁面に沿って噴射する上段エアノズルと、前記下段ホッパの下端近傍に配設され、前記排出口に向け、圧縮エアを前記下段ホッパの内壁面に沿って噴射する上段エアノズルと、からなることを特徴とする。
【０００７】
従来型のホッパがダストの排出をスムーズに行なえないのは、ホッパの下端部が先細状に形成されているため、その先端部に貯留されたダストが圧密となり、堆積固化して排出口を閉塞してしまうからである。
一方、本発明によれば、ホッパは上段ホッパと下段ホッパとを連結して構成されるため、その連結部に拡径部が形成される。これにより、ダストが圧密となるのが防止され、ダストの堆積固化が抑制される。この結果、いわゆるダストブリッジの発生を抑制できるとともに、ダストのスムーズな排出が可能になる。
【０００８】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係る集塵装置のホッパの好ましい実施の形態について詳説する。
まず、本発明に係るホッパが適用される電気集塵装置の全体構成について説明する。
【０００９】
図１は、電気集塵装置１０の全体構成を示す斜視図である。同図に示すように、前記電気集塵装置１０は、一方端に入口煙道１２が連結され、他方端に出口煙道１４が連結された集塵室１６を備えている。この集塵室１６の内部には、放電極１８、１８、…と集塵極２０、２０、…とが、交互に多数配設されている。
電気集塵装置の集塵原理は、前記のごとく集塵室１６内に配設された放電極１８、１８、…と集塵極２０、２０、…との間に、高電圧を印加し、その高電圧下で発生するコロナ放電によって排ガス中のダストをイオン化し、そのイオン化によって生じるクーロン力の作用により、ダストを集塵極２０、２０、…に捕集するというものである。
【００１０】
ところで、前記集塵極２０に捕集されたダストは、ある程度まで堆積すると重力によって自然落下するが、ダストの性状によっては、容易に落下しないため、高抵抗障害や逆電離現象といった問題を発生させる。このため、集塵極２０は適当な間隔で槌打装置２２、２２によって槌打することにより、その表面に堆積したダストを除去し、集塵極付着ダストによって起こる集塵率の低下を防止している。
【００１１】
集塵極２０の表面から除去されたダストは、自重で集塵室１６内を下降して、集塵室１６の下部に設けられたホッパ２４、２４に貯留される。そして、そのホッパ２４、２４の排出口に設けられたダスト排出装置２６、２６を経て、間欠的に装置外部に排出される。
次に、上述した電気集塵装置１０に適用される本発明に係るホッパの構成について説明する。
【００１２】
図２は、本発明に係るホッパの構成を示す斜視図である。同図に示すように、前記ホッパ２４は、上段ホッパ２４Ａと下段ホッパ２４Ｂとからなる一対のホッパで構成されている。
前記上段ホッパ２４Ａは、角錐状に形成されており、その上端部を前記集塵室１６の下端部に連続して一体的に連結されている。
【００１３】
一方、前記下段ホッパ２４Ｂは、円錐状に形成されるとともに、その上端２４ｂが、前記上段ホッパ２４Ａの下端２４ａよりも大きく形成されており、その上端部を前記上段ホッパ２４Ａの下端同軸上に連結板２８を介して一体的に連結されている。
ここで、本実施の形態のホッパ２４では、正方形状に形成された上段ホッパ２４Ａの下端２４ａが、円形状に形成された下段ホッパ２４Ｂの上端２４ｂに内接するように形成されており、前記連結板２８は、その上段ホッパ２４Ａの下端２４ａと下段ホッパ２４Ｂの上端２４ｂとの隙間を遮蔽するように連結されている。
【００１４】
前記のごとく構成された本実施の形態に係るホッパ２４によれば、上段ホッパ２４Ａと下段ホッパ２４Ｂの二段構成とすることで、上段ホッパ２４Ａと下段ホッパ２４Ｂとの連結部に拡径部が形成される。これにより、ダストが圧密となるのが防止されて、ダストの堆積固化が抑制される。この結果、いわゆるダストブリッジの発生を抑制できるとともに、ダストのスムーズな排出が可能になる。
【００１５】
また、通常、ホッパ２４の形状は、集塵室１６の下面形状に準じて角錐状とならざるを得ないが、角錐状のホッパを用いると、そのコーナー部にダストが堆積し、ダストブリッジの発生を誘発しやすいという問題がある。
しかしながら、本実施の形態のホッパ２４のように、ホッパを上部ホッパ２４Ａと下部ホッパ２４Ｂの２段構成とすることにより、下部ホッパ２４Ｂの形状を任意に設定することが可能になる。そして、本実施の形態の下部ホッパ２４Ｂのように円錐状とすることにより、コーナー部が無くなり、更に効果的にダストブリッジの発生を抑制できるとともに、ダストの排出をよりスムーズに行なうことができる。
【００１６】
図３は、本発明に係る集塵装置のホッパの第２の実施の形態の側面断面図である。なお、前記第１の実施の形態と同一部材には、同一符号を付してその説明は省略する。
同図に示すように、第２の実施の形態のホッパは、前記第１の実施の形態で説明した二段構造のホッパ２４にエアノズルを設けた構成となっている。そして、そのエアノズルは、下段ホッパ２４Ｂの上端近傍と下端近傍にそれぞれ配設されている。
【００１７】
前記下段ホッパ２４Ｂの上端近傍に配設されたエアノズル（以下、このエアノズルを「上段エアノズル」という。）３０Ａ、３０Ａ、…は、図４に示すように、下段ホッパ２４Ｂの内周に沿って８ヵ所、等間隔に配設されており、それそれ、前記連結板２８の下部に位置するように配設されている。したがって、ホッパ２４を真上から見た状態では、各上段エアノズル３０Ａは、連結板２８の下に隠れて見えない状態になっている。
【００１８】
また、前記下段ホッパ２４Ｂの下端近傍に設置されたエアノズル（以下、このエアノズルを「下段エアノズル」という。）３０Ｂ、３０Ｂ、…も同様に、前記下段ホッパ２４Ｂの内周に沿って４ヵ所、等間隔に配置されている。
これらの上段エアノズル３０Ａ及び下段エアノズル３０Ｂは、図示しないエアコンプレッサーから圧縮エアが供給され、その供給された圧縮エアを下段ホッパ２４Ｂの下端、すなわち、ダストの排出口３２に向けて噴射する。ホッパ２４内に堆積したダストは、この上段エアノズル３０Ａ及び下段エアノズル３０Ｂから噴射される圧縮エアに押されて排出口３２に向かって移動する。これにより、ダストの排出をスムーズに行なうことができる。
【００１９】
ところで、本実施の形態において、エアノズルは、上段エアノズル３０Ａと下段エアノズル３０Ｂの二段で構成されており、かつ、上段エアノズル３０Ａは、連結板２８の下部に位置するように配設されている。このようなエアノズルの配置とすることにより、上段エアノズル３０Ａは、上段ホッパ２４Ａから落下してくるダストに当たるのを防止される。
【００２０】
すなわち、図３に示すように、上段ホッパ２４Ａから落下するダストは、上段ホッパ２４Ａの傾斜にもよるが、図中白抜き矢印で示すように、放物線を描き下段ホッパ２４Ｂの中央部当たりに落下する。この結果、下段ホッパ２４Ｂの上端部近傍は死角となり、ダストが当たるのが防止される。
このように、本実施の形態では、前記連結板２８をいわゆる軒として利用し、この軒下に前記上段エアノズル３０Ａを配置することにより、ダストが当たるのを防止している。これにより、エアノズルを核としてダストが堆積固化し、ダストブリッジが発生するのを有効に防止することができる。
【００２１】
また、ノズル自体にダストが当たらないので、ホッパの表面から突出した形状のノズルを用いることができる。これにより、従来のように、特殊形状のノズル（たとえば、表面から突出しない形状のノズル等）を用いる必要がなくなり、構造簡易で安価な公知の突出型ノズルを利用することができる。
また、これにより、ホッパ２４の構成自体も簡易化することができる。
【００２２】
なお、本実施の形態では、エアノズルの設置数を上段エアノズル３０Ａを８、下段エアノズル３０Ｂを４としたが、特にこの数に限定されるものではなく、適用するホッパ２４の容量等を考慮して適宜増減してもよい。
図５は、本発明に係る集塵装置のホッパの第３の実施の形態の構成をしめす要部断面図である。なお、前記第２の実施の形態と同一部材には、同一符号を付してその説明は省略する。
【００２３】
同図に示すように、第３の実施の形態のホッパは、前記第２の実施の形態で説明したエアノズル付きのホッパにおいて、上段エアノズルのエア噴射方向を下段ホッパ２４Ｂ内に旋回流を発生させる方向に設定している。
すなわち、各上段エアノズル３０Ａ1 〜３０Ａ8 を水平に対して３０°〜６０°下向きに設置している。
【００２４】
このように、上段エアノズル３０Ａ1 〜３０Ａ8 を傾斜させて設置することにより、各上段エアノズル３０Ａ1 〜３０Ａ8 から圧縮エアが噴射されると、下段ホッパ２４Ｂ内には、排出口３２に向かう旋回流が発生する。
これにより、直接、排出口３２に向けてエアを噴射する方式（第２の実施の形態で説明した方式）よりも、よりスムーズにダストの排出を行なうことができる。
【００２５】
なお、この際、下段エアノズル３０Ｂ1 〜３０Ｂ4 のエア噴射方向は、前記第２の実施の形態と同様に排出口３２の方向でよい。
以上説明したように、下段ホッパ２４Ｂ内に旋回流を発生させて、ダストの排出を行なうと、よりスムーズなダストの排出を行なうことができるが、これ加えて、上段エアノズル３０Ａ1 〜３０Ａ8 及び下段エアノズル３０Ｂ1 〜３０Ｂ4 の噴射を、次のように行なうことにより、噴射時間当たりのエア量を低減するとができる。
【００２６】
この噴射方法は、全てのエアノズルから同時にエアを噴射するのではなく、複数あるエアノズルをいくつかのグループに分割し、分散して噴射することにより、噴射時間当たりのエア量を低減を図るというものである。
一例を示すと、下段エアノズル３０Ｂ1 〜３０Ｂ4 を第１グループ、上段エアノズルのうち番号３０Ａ1 、３０Ａ3 、３０Ａ5 、３０Ａ7 のものを第２グループ、そして、上段エアノズルのうち番号３０Ａ2 、３０Ａ4 、３０Ａ6 、３０Ａ8 のものを第３グループとしてグループ分けし、第１グループ→第２グループ→第３グループの順にエアを噴射してゆく。これにより、各エアノズルから噴射する圧縮エアの噴射時間当たりのエア量を低減させることができる。
【００２７】
なお、上述したように、上記例は一例にすぎず、グループの組合せ、グループ数及び噴射順序は、最も効果的なものに適宜変更して設定する。
【００２８】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、シンプルな構成のホッパで、ダストの堆積固化を効果的に防止し、いわゆるダストブリッジの発生の防止や、スムーズなダストの排出が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図１】電気集塵装置の全体構成を示す斜視図
【図２】本発明に係る集塵装置のホッパの第１の実施の形態の構成を示す斜視図
【図３】本発明に係る集塵装置のホッパの第２の実施の形態の側面断面図
【図４】図３のＡ−Ａ断面図
【図５】本発明に係る集塵装置のホッパの第３の実施の形態の構成を示す要部断面図
【符号の説明】
１０…電気集塵装置
１６…集塵室
１８…放電極
２０…集塵極
２４…ホッパ
２４Ａ…上段ホッパ
２４Ｂ…下段ホッパ
２８…連結板
３０Ａ…上段エアノズル
３０Ｂ…下段エアノズル
３２…排出口
【発明の属する技術分野】
本発明は、集塵装置のホッパに係り、特に重油燃焼ボイラ等の排ガスを清浄化する集塵装置のホッパに関する。
【０００２】
【従来の技術】
集塵装置上部の集塵室で捕集されたダストは、いったん装置下部に設けられたホッパに貯留され、その後、ホッパ下端部に設けられたダスト排出装置によって装置外部に間欠的に排出される。
しかしながら、重油燃焼ボイラ等の排ガス中のダストを捕集する集塵装置では、捕集するダストの粒径が微小で流動性が悪いため、捕集したダストがスムーズに排出されずに、ホッパ内に堆積固化してしまうという問題がある。
【０００３】
このため、通常この種の集塵装置には、ホッパ内にエアノズルを設置し、そのエアノズルから噴射した圧縮エアのエア圧でダストの排出を促進するようにしている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のごとくホッパ内にエアノズルを設置すると、その設置されたエアノズル自体を核としてダストが堆積固化し、かえってダストのスムーズな排出を阻害したり、いわゆるダストブリッジの発生を助長したりするという欠点があった。
【０００５】
また、上記欠点を解消するために、ノズルをホッパの表面から突出させない、いわゆる埋め込み式とする方式もあるが、この場合、構造が複雑になるという欠点を有している。
本発明の目的は、シンプルな構成でダストの排出をスムーズに行なうことができる集塵装置のホッパを提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために、集塵装置の下部に設けられ、該集塵装置上部の集塵室で捕集されたダストを貯留して外部に排出する集塵装置のホッパにおいて、上端に向かって広がりを有する四角錐状に形成され、上端部が前記集塵室の下端部に連結された上段ホッパと、下端に排出口を有し、上端に向かって広がりを有する円錐状に形成され、前記上段ホッパの下端同軸上に配置されるとともに、上端の内周に前記上段ホッパの下端の外周が内接する下段ホッパと、前記上段ホッパの下端の外周と前記下段ホッパの上端の内周との隙間を遮蔽するように連結する連結板と、前記下段ホッパの上端近傍であって前記連結板の下部に配設され、前記排出口に向け、圧縮エアを前記下段ホッパの内壁面に沿って噴射する上段エアノズルと、前記下段ホッパの下端近傍に配設され、前記排出口に向け、圧縮エアを前記下段ホッパの内壁面に沿って噴射する上段エアノズルと、からなることを特徴とする。
【０００７】
従来型のホッパがダストの排出をスムーズに行なえないのは、ホッパの下端部が先細状に形成されているため、その先端部に貯留されたダストが圧密となり、堆積固化して排出口を閉塞してしまうからである。
一方、本発明によれば、ホッパは上段ホッパと下段ホッパとを連結して構成されるため、その連結部に拡径部が形成される。これにより、ダストが圧密となるのが防止され、ダストの堆積固化が抑制される。この結果、いわゆるダストブリッジの発生を抑制できるとともに、ダストのスムーズな排出が可能になる。
【０００８】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係る集塵装置のホッパの好ましい実施の形態について詳説する。
まず、本発明に係るホッパが適用される電気集塵装置の全体構成について説明する。
【０００９】
図１は、電気集塵装置１０の全体構成を示す斜視図である。同図に示すように、前記電気集塵装置１０は、一方端に入口煙道１２が連結され、他方端に出口煙道１４が連結された集塵室１６を備えている。この集塵室１６の内部には、放電極１８、１８、…と集塵極２０、２０、…とが、交互に多数配設されている。
電気集塵装置の集塵原理は、前記のごとく集塵室１６内に配設された放電極１８、１８、…と集塵極２０、２０、…との間に、高電圧を印加し、その高電圧下で発生するコロナ放電によって排ガス中のダストをイオン化し、そのイオン化によって生じるクーロン力の作用により、ダストを集塵極２０、２０、…に捕集するというものである。
【００１０】
ところで、前記集塵極２０に捕集されたダストは、ある程度まで堆積すると重力によって自然落下するが、ダストの性状によっては、容易に落下しないため、高抵抗障害や逆電離現象といった問題を発生させる。このため、集塵極２０は適当な間隔で槌打装置２２、２２によって槌打することにより、その表面に堆積したダストを除去し、集塵極付着ダストによって起こる集塵率の低下を防止している。
【００１１】
集塵極２０の表面から除去されたダストは、自重で集塵室１６内を下降して、集塵室１６の下部に設けられたホッパ２４、２４に貯留される。そして、そのホッパ２４、２４の排出口に設けられたダスト排出装置２６、２６を経て、間欠的に装置外部に排出される。
次に、上述した電気集塵装置１０に適用される本発明に係るホッパの構成について説明する。
【００１２】
図２は、本発明に係るホッパの構成を示す斜視図である。同図に示すように、前記ホッパ２４は、上段ホッパ２４Ａと下段ホッパ２４Ｂとからなる一対のホッパで構成されている。
前記上段ホッパ２４Ａは、角錐状に形成されており、その上端部を前記集塵室１６の下端部に連続して一体的に連結されている。
【００１３】
一方、前記下段ホッパ２４Ｂは、円錐状に形成されるとともに、その上端２４ｂが、前記上段ホッパ２４Ａの下端２４ａよりも大きく形成されており、その上端部を前記上段ホッパ２４Ａの下端同軸上に連結板２８を介して一体的に連結されている。
ここで、本実施の形態のホッパ２４では、正方形状に形成された上段ホッパ２４Ａの下端２４ａが、円形状に形成された下段ホッパ２４Ｂの上端２４ｂに内接するように形成されており、前記連結板２８は、その上段ホッパ２４Ａの下端２４ａと下段ホッパ２４Ｂの上端２４ｂとの隙間を遮蔽するように連結されている。
【００１４】
前記のごとく構成された本実施の形態に係るホッパ２４によれば、上段ホッパ２４Ａと下段ホッパ２４Ｂの二段構成とすることで、上段ホッパ２４Ａと下段ホッパ２４Ｂとの連結部に拡径部が形成される。これにより、ダストが圧密となるのが防止されて、ダストの堆積固化が抑制される。この結果、いわゆるダストブリッジの発生を抑制できるとともに、ダストのスムーズな排出が可能になる。
【００１５】
また、通常、ホッパ２４の形状は、集塵室１６の下面形状に準じて角錐状とならざるを得ないが、角錐状のホッパを用いると、そのコーナー部にダストが堆積し、ダストブリッジの発生を誘発しやすいという問題がある。
しかしながら、本実施の形態のホッパ２４のように、ホッパを上部ホッパ２４Ａと下部ホッパ２４Ｂの２段構成とすることにより、下部ホッパ２４Ｂの形状を任意に設定することが可能になる。そして、本実施の形態の下部ホッパ２４Ｂのように円錐状とすることにより、コーナー部が無くなり、更に効果的にダストブリッジの発生を抑制できるとともに、ダストの排出をよりスムーズに行なうことができる。
【００１６】
図３は、本発明に係る集塵装置のホッパの第２の実施の形態の側面断面図である。なお、前記第１の実施の形態と同一部材には、同一符号を付してその説明は省略する。
同図に示すように、第２の実施の形態のホッパは、前記第１の実施の形態で説明した二段構造のホッパ２４にエアノズルを設けた構成となっている。そして、そのエアノズルは、下段ホッパ２４Ｂの上端近傍と下端近傍にそれぞれ配設されている。
【００１７】
前記下段ホッパ２４Ｂの上端近傍に配設されたエアノズル（以下、このエアノズルを「上段エアノズル」という。）３０Ａ、３０Ａ、…は、図４に示すように、下段ホッパ２４Ｂの内周に沿って８ヵ所、等間隔に配設されており、それそれ、前記連結板２８の下部に位置するように配設されている。したがって、ホッパ２４を真上から見た状態では、各上段エアノズル３０Ａは、連結板２８の下に隠れて見えない状態になっている。
【００１８】
また、前記下段ホッパ２４Ｂの下端近傍に設置されたエアノズル（以下、このエアノズルを「下段エアノズル」という。）３０Ｂ、３０Ｂ、…も同様に、前記下段ホッパ２４Ｂの内周に沿って４ヵ所、等間隔に配置されている。
これらの上段エアノズル３０Ａ及び下段エアノズル３０Ｂは、図示しないエアコンプレッサーから圧縮エアが供給され、その供給された圧縮エアを下段ホッパ２４Ｂの下端、すなわち、ダストの排出口３２に向けて噴射する。ホッパ２４内に堆積したダストは、この上段エアノズル３０Ａ及び下段エアノズル３０Ｂから噴射される圧縮エアに押されて排出口３２に向かって移動する。これにより、ダストの排出をスムーズに行なうことができる。
【００１９】
ところで、本実施の形態において、エアノズルは、上段エアノズル３０Ａと下段エアノズル３０Ｂの二段で構成されており、かつ、上段エアノズル３０Ａは、連結板２８の下部に位置するように配設されている。このようなエアノズルの配置とすることにより、上段エアノズル３０Ａは、上段ホッパ２４Ａから落下してくるダストに当たるのを防止される。
【００２０】
すなわち、図３に示すように、上段ホッパ２４Ａから落下するダストは、上段ホッパ２４Ａの傾斜にもよるが、図中白抜き矢印で示すように、放物線を描き下段ホッパ２４Ｂの中央部当たりに落下する。この結果、下段ホッパ２４Ｂの上端部近傍は死角となり、ダストが当たるのが防止される。
このように、本実施の形態では、前記連結板２８をいわゆる軒として利用し、この軒下に前記上段エアノズル３０Ａを配置することにより、ダストが当たるのを防止している。これにより、エアノズルを核としてダストが堆積固化し、ダストブリッジが発生するのを有効に防止することができる。
【００２１】
また、ノズル自体にダストが当たらないので、ホッパの表面から突出した形状のノズルを用いることができる。これにより、従来のように、特殊形状のノズル（たとえば、表面から突出しない形状のノズル等）を用いる必要がなくなり、構造簡易で安価な公知の突出型ノズルを利用することができる。
また、これにより、ホッパ２４の構成自体も簡易化することができる。
【００２２】
なお、本実施の形態では、エアノズルの設置数を上段エアノズル３０Ａを８、下段エアノズル３０Ｂを４としたが、特にこの数に限定されるものではなく、適用するホッパ２４の容量等を考慮して適宜増減してもよい。
図５は、本発明に係る集塵装置のホッパの第３の実施の形態の構成をしめす要部断面図である。なお、前記第２の実施の形態と同一部材には、同一符号を付してその説明は省略する。
【００２３】
同図に示すように、第３の実施の形態のホッパは、前記第２の実施の形態で説明したエアノズル付きのホッパにおいて、上段エアノズルのエア噴射方向を下段ホッパ２４Ｂ内に旋回流を発生させる方向に設定している。
すなわち、各上段エアノズル３０Ａ1 〜３０Ａ8 を水平に対して３０°〜６０°下向きに設置している。
【００２４】
このように、上段エアノズル３０Ａ1 〜３０Ａ8 を傾斜させて設置することにより、各上段エアノズル３０Ａ1 〜３０Ａ8 から圧縮エアが噴射されると、下段ホッパ２４Ｂ内には、排出口３２に向かう旋回流が発生する。
これにより、直接、排出口３２に向けてエアを噴射する方式（第２の実施の形態で説明した方式）よりも、よりスムーズにダストの排出を行なうことができる。
【００２５】
なお、この際、下段エアノズル３０Ｂ1 〜３０Ｂ4 のエア噴射方向は、前記第２の実施の形態と同様に排出口３２の方向でよい。
以上説明したように、下段ホッパ２４Ｂ内に旋回流を発生させて、ダストの排出を行なうと、よりスムーズなダストの排出を行なうことができるが、これ加えて、上段エアノズル３０Ａ1 〜３０Ａ8 及び下段エアノズル３０Ｂ1 〜３０Ｂ4 の噴射を、次のように行なうことにより、噴射時間当たりのエア量を低減するとができる。
【００２６】
この噴射方法は、全てのエアノズルから同時にエアを噴射するのではなく、複数あるエアノズルをいくつかのグループに分割し、分散して噴射することにより、噴射時間当たりのエア量を低減を図るというものである。
一例を示すと、下段エアノズル３０Ｂ1 〜３０Ｂ4 を第１グループ、上段エアノズルのうち番号３０Ａ1 、３０Ａ3 、３０Ａ5 、３０Ａ7 のものを第２グループ、そして、上段エアノズルのうち番号３０Ａ2 、３０Ａ4 、３０Ａ6 、３０Ａ8 のものを第３グループとしてグループ分けし、第１グループ→第２グループ→第３グループの順にエアを噴射してゆく。これにより、各エアノズルから噴射する圧縮エアの噴射時間当たりのエア量を低減させることができる。
【００２７】
なお、上述したように、上記例は一例にすぎず、グループの組合せ、グループ数及び噴射順序は、最も効果的なものに適宜変更して設定する。
【００２８】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、シンプルな構成のホッパで、ダストの堆積固化を効果的に防止し、いわゆるダストブリッジの発生の防止や、スムーズなダストの排出が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図１】電気集塵装置の全体構成を示す斜視図
【図２】本発明に係る集塵装置のホッパの第１の実施の形態の構成を示す斜視図
【図３】本発明に係る集塵装置のホッパの第２の実施の形態の側面断面図
【図４】図３のＡ−Ａ断面図
【図５】本発明に係る集塵装置のホッパの第３の実施の形態の構成を示す要部断面図
【符号の説明】
１０…電気集塵装置
１６…集塵室
１８…放電極
２０…集塵極
２４…ホッパ
２４Ａ…上段ホッパ
２４Ｂ…下段ホッパ
２８…連結板
３０Ａ…上段エアノズル
３０Ｂ…下段エアノズル
３２…排出口
Claims (2)
- 集塵装置の下部に設けられ、該集塵装置上部の集塵室で捕集されたダストを貯留して外部に排出する集塵装置のホッパにおいて、
上端に向かって広がりを有する四角錐状に形成され、上端部が前記集塵室の下端部に連結された上段ホッパと、
下端に排出口を有し、上端に向かって広がりを有する円錐状に形成され、前記上段ホッパの下端同軸上に配置されるとともに、上端の内周に前記上段ホッパの下端の外周が内接する下段ホッパと、
前記上段ホッパの下端の外周と前記下段ホッパの上端の内周との隙間を遮蔽するように連結する連結板と、
前記下段ホッパの上端近傍であって前記連結板の下部に配設され、前記排出口に向け、圧縮エアを前記下段ホッパの内壁面に沿って噴射する上段エアノズルと、
前記下段ホッパの下端近傍に配設され、前記排出口に向け、圧縮エアを前記下段ホッパの内壁面に沿って噴射する上段エアノズルと、
からなることを特徴とする集塵装置のホッパ。 - 前記上段エアノズルの圧縮エアの噴射方向を前記下段ホッパ内に旋回流を発生させる方向としたことを特徴とする請求項１記載の集塵装置のホッパ。
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