JP2000189322A - 鍋料理用あく取り繊維 - Google Patents

鍋料理用あく取り繊維

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JP2000189322A
JP2000189322A JP10373767A JP37376798A JP2000189322A JP 2000189322 A JP2000189322 A JP 2000189322A JP 10373767 A JP10373767 A JP 10373767A JP 37376798 A JP37376798 A JP 37376798A JP 2000189322 A JP2000189322 A JP 2000189322A
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cooking
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harshness
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Noriko Suzuki
徳子 鈴木
Takahiro Otaguro
隆浩 大田黒
Hideo Sakai
秀雄 酒井
Toshinobu Kashiwada
利信 柏田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 しゃぶしゃぶ、すき焼き等の食材を追加し、
料理をしながら食べる鍋料理の調理中に、鍋の上面を覆
うことなく、生じるあくや油分を、捕捉し、吸着除去が
可能な鍋料理用あく取り繊維を提供する。 【解決手段】 食材を追加し、料理をしながら食べる鍋
料理の際に、煮汁に入れて食材から発生するあくや油分
を吸着除去することを特徴とする鍋料理用あく取り繊
維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、しゃぶしゃぶ、す
き焼き等の食材を追加し、料理をしながら食べる鍋料理
の際に、該食材から発生するあくや油分を吸着して除去
するのに用いられる鍋料理用あく取り繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、しゃぶしゃぶやすき焼きのよう
に食材をだし汁や水、たれで煮込む料理では、煮汁の上
面にあくが浮き、鍋料理の外観などを悪化してしまうだ
けでなく、鍋から調理済みの食材を取る際にもあくが邪
魔になり、あくが食材に付着し、料理の味、舌ざわりが
著しく阻害される。また、調理中にあくとともに生じる
過剰な油分についても、食味上、健康上などからも敬遠
される傾向にある。そのため、最近では、あくや油分の
除去機能を有する調理用あく取りシートが市販されてお
り、これを使用することによって手軽にしかも衛生的に
あくや油分を取り除くことができるものが知られている
(特開平8-24149号公報、特開平9-192030号公報等)。
【0003】しかしながら、上記公報に記載される調理
用あく取りシートは、そもそも肉じゃが、筑前煮などの
煮物や、カレー、シチューなどを調理する際に用いられ
るものであり、図5で示されるように鍋の上面を覆う形
状をしてなるものである。図5に示されるように、あく
取りシート41は、落とし蓋のようにして使用されるた
め、使用中は該あく取りシート41の下になる食材の加
熱具合を見たり、一部の食材をお皿に取るには、該あく
取りシート41が障害となる。このため、調理しながら
食べるしゃぶしゃぶやすき焼きなどの鍋料理には、食材
を追加する度に該食材から発生するあくや油分を取り除
くために、該あく取りシート41でその都度鍋上面を覆
わなければならず、食材の調理具合や取り分ける際に該
あく取りシート41が障害となるため、このような鍋料
理には不向きである。また、上記従来の調理用あく取り
シートを小さく折り畳んで使用し、上記障害を解決しよ
うとしても、該あく取りシートが調理中に段々と広がる
などして、使用しづらい、という課題を有するものであ
る。
【0004】一方、煮物や鍋料理の際に煮汁の上面に浮
いてくるあくを取り除くために、不織布等をフィルター
として用いるあく取り具が知られている(実開平1-5955
1号公報、実開平7-30943号公報、実開平7-16743号公
報、実開平2-32744号公報等)。しかしながら、上記あ
く取り具は、煮汁の上面に浮いてくるあくや油分をその
都度取り除かなければならず、フィルターの表面に付着
するあくや油分しか取り除くことができないものであ
る。
【0005】また、特開平10-179429号公報には、食材
から発生するあくのみを除去し、該食材から染み出る栄
養分はフィルターを通して鍋内に戻るという鍋に設ける
あく取り装置が知られている。しかしながら、前記装置
は、食材から発生するあくをお玉等で掬い、該装置のフ
ィルターの開口部より内部に移さなければならず、その
都度あくを掬いとらなければならない、という課題を有
している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
課題に鑑みなされたものであり、しゃぶしゃぶ、すき焼
き等の食材を追加し、料理をしながら食べる鍋料理の調
理中に、鍋の上面を覆うことなく、生じるあくや油分
を、捕捉し、吸着除去が可能な鍋料理用あく取り繊維を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、しゃぶしゃ
ぶ、すきやき等の食材を追加し、料理しながら食べる鍋
料理の煮汁中に鍋料理用あく取り繊維を入れることによ
り、食材を追加し、料理しながら食べる鍋料理の邪魔と
ならず、上記従来の課題を解決することを見い出し、本
発明を完成するに至ったのである。
【0008】即ち、本発明の鍋料理用あく取り繊維は、
次の(1)〜(3)に存する。 (1)食材を追加し、料理をしながら食べる鍋料理の際
に、煮汁に入れて食材から発生するあくや油分を吸着除
去することを特徴とする鍋料理用あく取り繊維。 (2)鍋料理用あく取り繊維が、シート状の繊維を2枚
以上重ねて成形したことを特徴とする(1)に記載の鍋
料理用あく取り繊維。 (3)だし成分をあらかじめ含浸したことを特徴とする
(1)又は(2)に記載の鍋料理用あく取り繊維。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1の
実施形態に係る鍋料理用あく取り繊維の斜視図である。
図1で示される鍋料理用あく取り繊維1は、食材を追加
し、料理をしながら食べる鍋料理の際に、煮汁に入れて
も邪魔にならない形及び大きさのものである。鍋料理用
あく取り繊維1は、不織布をシート状に成形した直径10
cm以下の薄い円板形のシート3を所定枚数重ねて積層
し、接着部5でシールしたものである。また、該鍋料理
用あく取り繊維1は、食材から出るあくや油分の該鍋料
理用あく取り繊維1への浸透性を高め、より吸着し易く
するために、縦方向に切り目7を何カ所か入れたもので
ある。
【0010】鍋料理用あく取り繊維1の大きさは鍋の大
きさにより変わるため特に限定されないが、食材を追加
し、料理をしながら食べる鍋料理に用いても邪魔になら
ない大きさであれば良く、最大断面積S1が、調理用鍋
の面積の0.5〜60%、好ましくは1〜20%の範囲から適
宜選択され、また、最長対角長さX1が1〜15cm、好ま
しくは3〜10cmの範囲から適宜選択される。最長対角長
さが1cm未満であると、あく及び油分の十分な吸着量の
確保が難しくなり、また、最長対角長さが15cmを越える
と、食材を追加したり、料理をしながら食べる際に邪魔
となる。ここで、最大断面積S1とは、鍋料理用あく取
り繊維を鍋の中の煮汁に入れたときの該繊維の上面部分
の面積が、その上面部分の鍋の断面積を占める割合を云
う。また、最長対角長さX1とは、鍋料理用あく取り繊
維を鍋の中の煮汁に入れたときの該繊維の上面部分の最
も幅をとっている部分の長さを云い、鍋料理用あく取り
繊維1では、円板形のシート3の直径である。
【0011】シート3の厚さは特に限定されないが、0.
5〜5.0mm、好ましくは0.5〜2.0mmの範囲から適宜選択さ
れる。
【0012】シート3を重ねる場合の枚数は特に限定さ
れないが、1〜50枚、好ましくは2〜25枚の範囲から適
宜選択される。
【0013】鍋料理用あく取り繊維1の全体の厚み(1
枚の厚さ×枚数)Y1は、食材を追加し、料理をしなが
ら食べる鍋料理に用いても邪魔にならない厚みであれば
特に限定されないが、0.5〜100mm、好ましくは5.0〜50m
mの範囲から適宜選択される。尚、厚みが0.5mm未満であ
ると、あく及び油分の十分な吸着量の確保が難しくな
り、また、厚みが100mmを越えると、食材を追加した
り、料理をしながら食べる際に邪魔となる。
【0014】鍋料理用あく取り繊維1は、シート3を2
枚以上用いているためバラバラにならないように中央部
をシールしているが(接着部5)、シールする方法とし
ては、熱シール、超音波シール、糸などで縫う等が挙げ
られる。また、シールする箇所は、鍋料理用あく取り繊
維の中央部、縁部等が挙げられる。
【0015】切り目7は、重ねたシートの全てに入れて
も良いし、上面や下面付近の一部、または中央部分の一
部に入れてもよい。また、該切り目7は、1箇所に入れ
ても数箇所に入れても良い。尚、鍋料理用あく取り繊維
1における切り目7は、必ずしも同じ位置に入れなくて
も良い。
【0016】鍋料理用あく取り繊維1は、円板形のシー
トを積層しているが、食材を追加し、料理しながら食べ
る鍋料理に用いても邪魔にならない形でれば他の形でも
良く、例えば楕円形、正方形、長方形、ひし形等の四角
形、五角形、六角形等の形のシートを重ねて積層しても
良い。
【0017】図2は、本発明の第2の実施形態に係る鍋
料理用あく取り繊維の斜視図である。図2で示される鍋
料理用あく取り繊維11は、不織布13を蛇腹状の形状
にしたものである。このような形状に成形した鍋料理用
あく取り繊維11は、鍋料理に用いても邪魔にならない
形及び大きさのものである。上記鍋料理用あく取り繊維
11は、必要に応じて複数枚数重ねて成形し、また、該
繊維11に切り目を入れることも可能である。
【0018】図3は、本発明の第3の実施形態に係る鍋
料理用あく取り繊維の斜視図である。図3で示される鍋
料理用あく取り繊維21は、不織布23を絞り状の形状
にしたものである。このような形状に成形した鍋料理用
あく取り繊維21は、鍋料理に用いても邪魔にならない
形及び大きさのものである。上記鍋料理用あく取り繊維
21は、必要に応じて複数枚数重ねて成形し、また、該
繊維21に切り目を入れることも可能である。
【0019】鍋料理用あく取り繊維11及び21におけ
る、不織布13及び23の厚さは特に限定されないが、
0.5〜5.0mm、好ましくは0.5〜2.0mmの範囲から適宜選択
される。
【0020】鍋料理用あく取り繊維11及び21の全体
の厚みY2及びY3は、食材を追加し、料理をしながら
食べる鍋料理に用いても邪魔にならない厚みであれば特
に限定されないが、0.5〜100mm、好ましくは5.0〜70mm
の範囲から適宜選択される。尚、厚みが0.5mm未満であ
ると、あく及び油分の十分な吸着量の確保が難しくな
り、また、厚みが100mmを越えると、食材を追加したり
料理をしながら食べる際に邪魔となる。また、最大断面
積S2及びS3並びに最長対角長さX2及びX3は、上
記最大断面積S1並びに最長対角長さX1で述べた通り
である。
【0021】図4は、本発明の第4の実施形態に係る鍋
料理用あく取り繊維であり、(a)は、ロート状の形状
にした径の異なる不織布からなる鍋料理用あく取り繊維
の尖端を球体に接着させた鍋料理用あく取り繊維の斜視
図であり、(b)は、球体に接着させるロート状の形状
にした径の異なる不織布からなる鍋料理用あく取り繊維
及び該繊維を接着させる球体の斜視図であり、(c)
は、ロート状の形状にした径の異なる不織布からなる鍋
料理用あく取り繊維の平面図である。該鍋料理用あく取
り繊維31は、図4(b)で示される径の異なる3枚の
不織布33をロート状の形状にし、これらを頂点を同一
にして大きいものから小さいものを順に設けてロート状
にし、切り目34を入れた鍋料理用あく取り繊維35
を、該繊維35の尖端39でポリプロピレン等の不織布
製の球体37に12個接着した球体である。鍋料理用あ
く取り繊維35は、ロート状の形状にした径の異なる不
織布33を3枚設けているが、その設ける枚数は、該繊
維35を接着させる数等により異なるため特に限定され
ないが、1〜5枚が挙げられる。鍋料理用あく取り繊維
35を接着させるものの形状は、球体に限らず、立方
体、直方体、三角錐、円等の形状のものが挙げられる。
また、該繊維35を接着させるものの材質は、不織布等
の繊維が挙げられるが、本発明の鍋料理用あく取り繊維
に用いられる繊維であれば良い。鍋料理用あく取り繊維
35を接着させる数は、接着させるものの形状や大きさ
等により異なるため、特に限定されるものではない。鍋
料理用あく取り繊維35に入れる切り目は、必要に応じ
て入れれば良く、その数は、鍋料理用あく取り繊維31
では3箇所入れているが、用いる不織布の径の大きさ等
により異なるため特に限定されるものではない。このよ
うな形状に成形した鍋料理用あく取り繊維31は、鍋料
理に用いても邪魔にならない形及び大きさのものであ
る。
【0022】鍋料理用あく取り繊維31における、不織
布33の厚さは特に限定されないが、0.5〜5.0mm、好ま
しくは0.5〜2.0mmの範囲から適宜選択される。
【0023】鍋料理用あく取り繊維31の全体の厚みY
4は、食材を追加し、料理をしながら食べる鍋料理に用
いても邪魔にならない厚みであれば特に限定されない
が、0.5〜100mm、好ましくは5.0〜70mmの範囲から適宜
選択される。尚、厚みが0.5mm未満であると、あく及び
油分の十分な吸着量の確保が難しくなり、また、厚みが
100mmを越えると、食材を追加したり料理をしながら食
べる際に邪魔となる。また、最大断面積S4及び最長対
角長さX4は、上記最大断面積S1及び最長対角長さX
1で述べた通りであるが、本実施形態では、最長対角長
さX4及び厚みY4との関係は、X4=Y4となる場合
がある。
【0024】鍋料理用あく取り繊維35を球体等に接着
させる方法としては、熱シール、超音波シール、糸など
で縫う等が挙げられる。また、径の異なる3枚の不織布
33を夫々ロート状の形状にし、これらの頂点を同一に
して大きいものから小さいものを順に設けてロート状に
するには、前記径の異なる不織布33を、夫々の例えば
頂点を熱シール、超音波シール、糸などで縫う等でシー
ルすれば良い。
【0025】本発明の鍋料理用あく取り繊維の形状は、
上記したようなシート状、蛇腹状、絞り状、球体の他
に、食材を追加し、料理しながら食べる鍋料理に用いて
も邪魔にならない形状でれば良く、例えば円筒状、直方
体状等が挙げられる。
【0026】本発明の鍋料理用あく取り繊維に用いられ
る繊維としては、例えば不織布が挙げられる。該不織布
に用いられる繊維種は、パルプ、レーヨン等の天然繊維
を原料とする親水性繊維、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリエステル等の合成繊維を原料とする疎水性繊維
等が挙げられ、これらは1種又は2種以上混合したもの
であっても良い。繊維種を2種以上混合する場合には、
親水性繊維同士又は疎水性繊維同士を混合しても、親水
性繊維と疎水性繊維とを混合しても良い。このような不
織布を上記したようなシート状、蛇腹状、絞り状、球
体、円筒状、直方体状等に成形すれば良い。
【0027】上記不織布の坪量は特に限定されないが、
十分にあくや油分を吸着するような範囲であれば特に限
定されないが、15〜150g/m2、好ましくは20〜80g/
2の範囲から適宜選択される。
【0028】上記不織布の形成には、一般に用いられる
公知の方法、例えばメルトブロー法、スパンレース法、
サーマルボンド法などを用いることができるが、該不織
布が調理に用いられるため、安全性の見地から、ノーバ
インダー不織布とすることが望ましい。
【0029】本発明の鍋料理用あく取り繊維は、食材を
追加し、料理をしながら食べる鍋料理の際に、該鍋料理
の煮汁中に入れ、食材を追加する度に該食材等から発生
するあくや油分を取り除くのに用いられるものである。
【0030】本発明の鍋料理用あく取り繊維を用いてあ
くや油分を取り除くには、該鍋料理用あく取り繊維を鍋
料理の煮汁中に入れることにより、容易にあくや油分を
吸着除去することができる。鍋料理用あく取り繊維を鍋
の中の煮汁中に入れるには、そのまま入れても、或いは
例えば下記及びのようにして煮汁中に入れ、あくや
油分を吸着させて除去することもできる。 食材を鍋に入れる前に鍋料理用あく取り繊維を鍋の中
に入れて軽く押さえ、水分を含ませて浮き上がらないよ
うにして加熱調理に供する。 食材を入れる前や調理中に、鍋料理用あく取り繊維に
水分や昆布エキス、椎茸エキス等のだし成分を予め含浸
させて鍋の中に入れて加熱調理に供する。
【0031】また、あくや油分が、鍋料理用あく取り繊
維を入れた位置と離れた場所に発生した場合には、箸な
どであくや油分を鍋料理用あく取り繊維の近辺に移動さ
せるか、或いは発生したあくや油分の近辺に該鍋料理用
あく取り繊維を移動させて、吸着させれば良い。更に、
一つの鍋に、鍋料理用あく取り繊維を複数個煮汁中に入
れても良い。あくや油分を吸着した鍋料理用あく取り繊
維は、調理終了後や調理中に箸などで煮汁中から取り出
し、そのまま廃棄すれば良い。
【0032】本発明の鍋料理用あく取り繊維が使用可能
な鍋料理としては、しゃぶしゃぶ、すき焼き等が挙げら
れる。
【0033】本発明の鍋料理用あく取り繊維は、食材を
追加し、料理しながら食べるしゃぶしゃぶやすき焼き等
の鍋料理をする際に鍋の中の煮汁に入れることにより、
食材の調理、取り分け、追加等鍋料理の邪魔にならず、
食材等から発生するあくや油分を吸着して取り除くこと
ができる、というものである。それにより、下記(1)
〜(4)等の効果も奏する。
【0034】(1)本発明の鍋料理用あく取り繊維は、
該繊維の1枚の大きさを小さくして数枚重ね、積層した
ものや、該繊維を数枚重ねたものとほぼ同等の大きさの
円筒、直方体の形状のものや蛇腹状、絞り状等の形状の
繊維塊を用いることにより、食材を煮ている一方で食材
を鍋より取って食べるのに邪魔にならず、また、食材の
追加や調理の邪魔にもならず、あくや油分を吸着して除
去することがより容易となる。
【0035】(2)食材を鍋に入れる前に上記鍋料理用
あく取り繊維を鍋の中の煮汁中に入れて軽く押さえ、水
分を含ませ浮き上がらないようにして加熱調理を行え
ば、食材から発生するあくや油分が煮汁上面に到達する
途中では前記繊維の下方から中央で、到達後は前記繊維
上面に付着したり繊維内部に浸透して前記繊維に吸着さ
れる。
【0036】(3)本発明の鍋料理用あく取り繊維を昆
布エキス、椎茸エキス等のだし成分を予め含浸させるこ
とにより、該鍋料理用あく取り繊維をだし取りとしても
用いることができる。また、昆布エキス、椎茸エキス等
のだし成分を予め含浸した鍋料理用あく取り繊維は、鍋
料理のだしの追加にも用いることができる。更に、鍋料
理用あく取り繊維に水分を予め含浸させることにより、
水の追加にも用いることができる。
【0037】(4)本発明の鍋料理用あく取り繊維とし
て、該繊維を重ねたものを用いる場合には、縦方向等に
切り目を何カ所か入れることにより、該繊維の上面・下
面以外の中央部にあくや油分が侵入し易くなり、あくや
油分の吸着効率が高くなる。
【0038】
【実施例】以下に、実施例、比較例及び試験例等を挙げ
て本発明を更に詳細に説明するが、本発明は実施例によ
って何ら限定されるものではない。
【0039】実施例1.ポリプロピレン繊維製不織布
で、坪量が55g/m2、直径が5cmの円形、16枚重ね
(1.7g)で、中央をシールで止め、切り目を3カ所入
れた鍋料理用あく取り繊維を製造した。
【0040】実施例2.ポリプロピレン繊維製不織布
で、坪量が55g/m2、直径が7cmの円形、8牧重ね
(1.7g)で、中央をシールで止め、切り目を3カ所入
れた鍋料理用あく取り繊維を製造した。
【0041】実施例3.ポリプロピレン繊維製不織布
で、坪量が55g/m2、直径が10cmの円形、4枚重ね
(1.7g)で、中央をシールで止め、切り目を3カ所入
れた鍋料理用あく取り繊維を製造した。
【0042】実施例4.ポリプロピレン繊維製不織布
で、坪量が55g/m2、直径が12cmの円形、3枚重ね
(1.8g)で、中央をシールで止め、切り目を3カ所入
れた鍋料理用あく取り繊維を製造した。
【0043】試験例1.実施例1〜4で製造した鍋料理
用あく取り繊維について、食材の取り出し易さ並びにあ
く及び油分の吸着性能の評価試験を行った。結果を下記
表1に示す。尚、食材の取り出し易さ並びにあく及び油
分の吸着性能の評価試験の方法は以下の通りである。
【0044】(1)食材の取り出し易さ評価試験 径22cmの土鍋を用いて、2人分のしゃぶしゃぶを調理す
る際に、食材を入れる前に、各試料を鍋の中に入れ、軽
く押さえて水を浸透させ浮き上がらないようにしてから
食材を入れ始めた。通常食べるように食材を足しつつ鍋
から煮えた食材を取り出し、その取り出し易さを下記評
価基準により評価した。評価基準は次の通りである。 ・評価基準 ○:取りやすい △:少々取りにくい ×非常に取りにくい
【0045】(2)あく及び油分の吸着性能評価試験 上記(1)において、全ての食材が煮えた後のあく及び
油分の残存感を視覚により評価した。評価基準は次の通
りである。 ・評価基準 ○:あく及び油分の残存量が少ない △:あく及び油分が少量残存する ×:あく及び油分が多量に残存する
【0046】
【表1】
【0047】(表1の考察)表1の結果からも明らかな
ように、実施例1〜4で製造した本発明の鍋料理用あく
取り繊維は、食材の取り出し易さ並びにあく及び油分の
吸着性能において、何れも良好な結果が得られた。この
ことからも本発明の鍋料理用あく取り繊維は、明らかに
優れたものであることが判る。
【0048】実施例5.ポリプロピレン繊維製不織布
で、坪量が55g/m2、直径が7cmの円形、8枚重ね
(1.7g)で、中央をシールで止め、切り目を入れてい
ない鍋料理用あく取り繊維を製造した。
【0049】実施例6.ポリプロピレン繊維製不織布
で、坪量が55g/m2、直径が7cmの円形、8枚重ね
(1.7g)で、中央をシールで止め、切り目を1カ所入
れた鍋料理用あく取り繊維を製造した。
【0050】実施例7.ポリプロピレン繊維製不織布
で、坪量が55g/m2、直径が7cmの円形、8枚重ね
(1.7g)で、中央をシールで止め、切り目を2カ所入
れた鍋料理用あく取り繊維を製造した。
【0051】実施例8.ポリプロピレン繊維製不織布
で、坪量が55g/m2、直径が7cmの円形、8枚重ね
(1.7g)で、中央をシールで止め、切り目を3カ所入
れた鍋料理用あく取り繊維を製造した。
【0052】実施例9.ポリプロピレン繊維製不織布
で、坪量が55g/m2、直径が7cmの円形、8枚重ね
(1.7g)で、中央をシールで止め、切り目を4カ所入
れた鍋料理用あく取り繊維を製造した。
【0053】試験例2.実施例5〜9で製造した鍋料理
用あく取り繊維について、あく及び油分の吸着性能並び
にあく及び油分の吸着面積比の評価試験を行った結果を
下記表2に示す。尚、あく及び油分の吸着性能並びにあ
く及び油分の吸着面積比の評価試験の方法は以下の通り
である。
【0054】(1)あく及び油分の吸着性能評価試験 径22cmの土鍋を用いて、2人分のしゃぶしゃぶを調理す
る際に、食材を入れる前に、各試料を鍋の中に入れ、軽
く押さえて水を浸透させ浮き上がらないようにしてから
食材を入れ始めた。全ての食材が煮えた後のあく及び油
分の残存感を視覚により評価した。評価基準は次の通り
である。 ・評価基準 ○:あく及び油分の残存量が少ない △:あく及び油分が少量残存する ×:あく及び油分が多量に残存する
【0055】(2)あく及び油分の吸着面積比評価試験 上記試験例2の(1)において、使用後の鍋料理用あく
取り繊維のシールをはずし、1枚1枚についてあく及び
油分を吸着して茶色や灰色に変色している部分の繊維の
面積の合計(A)を測定し、試料全体の面積(B)に対
する割合H(%)をあく及び油分の吸着面積比として次
式に基づいて算出した。結果を下記表2に併せて示す。 H(%)=A/B×100
【0056】
【表2】
【0057】(表2の考察)表2の結果からも明らかな
ように、実施例5〜9で製造した本発明の鍋料理用あく
取り繊維は、あく及び油分の吸着性能の評価試験の結果
から、あく及び油分の除去に何れも使用可能であること
が判った。また、あく及び油分の吸着面積比の評価試験
の結果から、鍋料理用あく取り繊維に入れる切り目の数
が多い方があく及び油分をより吸着除去できることが判
った。
【0058】実施例10.ポリプロピレン繊維製不織布
で、坪量が55g/m2、直径が7cmの円形、8枚重ね
で、中央をシールで止め、切り目を3カ所入れた鍋料理
用あく取り繊維に、だし成分として濃縮タイプの昆布エ
キスを若干量含浸した鍋料理用あく取り繊維を作製し
た。
【0059】実施例11.ポリプロピレン繊維製不織布
で、坪量が55g/m2、直径が7cmの円形、8枚重ね
で、中央をシールで止め、切り目を3カ所入れた鍋料理
用あく取り繊維に、だし成分として濃縮タイプの椎茸エ
キスを若干量含浸した鍋料理用あく取り繊維を作製し
た。
【0060】試験例3.径22cmの土鍋を用いて、2人分
の寄せ鍋を調理する際に、食材を入れる前にだし成分を
含浸させた実施例10及び11で作製した鍋料理用あく
取り繊維をお湯の入った鍋の中に入れ、だしエキスが溶
けだしてから食材を入れ始めた。次いで、通常食べるよ
うに試食して、そのおいしさと調理の簡便性について下
記評価基準により、10人のパネラーにより評価した。
結果を下記表3に示す。尚、(1)おいしさ及び(2)
簡便性の評価基準は以下の通りである。
【0061】・評価基準 (1)おいしさ評価基準 ○:おいしい。 △:ややおいしい。 ×:おいしくない。
【0062】(2)簡便性評価基準 常法(予め昆布等でだしをとってから寄せ鍋を調理する
料理法)と比べて ○:簡便。 △:やや簡便。 ×:簡便でない。
【0063】
【表3】
【0064】(表3の考察)表3の結果からも明らかな
ように、実施例10及び11で作製した本発明のだし成
分を含浸させた鍋料理用あく取り繊維を用いて鍋料理で
食材を調理すれば、調理が簡便で、おいしい鍋料理が料
理できることが判った。
【0065】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の鍋料理用あ
く取り繊維は、しゃぶしゃぶ、すき焼き等の食材を追加
し、料理しながら食べる鍋料理の際に、該鍋料理の煮汁
に入れることにより、鍋の上面を覆うことなく、食材の
調理、取り出し、追加等鍋料理の邪魔にならず、食材等
から発生するあくや油分を吸着除去することができる、
という効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る鍋料理用あく取
り繊維の斜視図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る鍋料理用あく取
り繊維の斜視図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る鍋料理用あく取
り繊維の斜視図である。
【図4】本発明の第4の実施形態に係る鍋料理用あく取
り繊維であり、(a)は、ロート状の形状にした径の異
なる不織布からなる鍋料理用あく取り繊維の尖端を球体
に接着させた鍋料理用あく取り繊維の斜視図であり、
(b)は、球体に接着させるロート状の形状にした径の
異なる不織布からなる鍋料理用あく取り繊維及び該繊維
を接着させる球体の斜視図であり、(c)は、ロート状
の形状にした径の異なる不織布からなる鍋料理用あく取
り繊維の平面図である。
【図5】従来のあく取りシートの一例を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 鍋料理用あく取り繊維 3 シート 5 接着部 7 切り目 11 鍋料理用あく取り繊維 13 不織布 21 鍋料理用あく取り繊維 23 不織布 31 鍋料理用あく取り繊維 33 不織布 34 切り目 35 鍋料理用あく取り繊維 37 球体 39 尖端
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 秀雄 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 (72)発明者 柏田 利信 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 Fターム(参考) 4B047 LB03 LE10 LG37 LP20 4B053 AA03 CA02 CA04 CA30 CD10 CE10 4B055 AA01 AA50 BA52 BA61 CA13 CA61 CA90 CB02 CB07 CB12 CB16 CB27 CB30 CC43 CC59 CC66 FB35 FC13 FD10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食材を追加し、料理をしながら食べる鍋
    料理の際に、煮汁に入れて食材から発生するあくや油分
    を吸着除去することを特徴とする鍋料理用あく取り繊
    維。
  2. 【請求項2】 鍋料理用あく取り繊維が、シート状の繊
    維を2枚以上重ねて成形したことを特徴とする請求項1
    に記載の鍋料理用あく取り繊維。
  3. 【請求項3】 だし成分をあらかじめ含浸したことを特
    徴とする請求項1又は2に記載の鍋料理用あく取り繊
    維。
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