JPH0824149A - 調理用あく取りシート - Google Patents
調理用あく取りシートInfo
- Publication number
- JPH0824149A JPH0824149A JP19004894A JP19004894A JPH0824149A JP H0824149 A JPH0824149 A JP H0824149A JP 19004894 A JP19004894 A JP 19004894A JP 19004894 A JP19004894 A JP 19004894A JP H0824149 A JPH0824149 A JP H0824149A
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- JP
- Japan
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- sheet
- lye
- fibers
- cooking
- fiber
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 調理中に食材から発生するあくを簡単且つ確
実に取り除くことが可能な、衛生的で使い易い使い捨て
タイプの調理用あく取りシートを得る。 【構成】 平均繊維間距離が1〜150μm、密度が
0.01〜0.10g/cm3 である不織布によりあく
取りシートを形成する。
実に取り除くことが可能な、衛生的で使い易い使い捨て
タイプの調理用あく取りシートを得る。 【構成】 平均繊維間距離が1〜150μm、密度が
0.01〜0.10g/cm3 である不織布によりあく
取りシートを形成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、煮物やスープなどを料
理する際に煮汁の上面に浮き上がってくるあくや油分等
を吸着して除去するための、調理用あく取りシートに関
するものである。
理する際に煮汁の上面に浮き上がってくるあくや油分等
を吸着して除去するための、調理用あく取りシートに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】煮物やスープのように材料をだし汁や水
で煮込む料理では、煮汁の上面にあくが浮き、これが料
理の味、舌ざわり、外観等を著しく阻害している。ま
た、調理中にあくと同時に生じる過剰な油分について
も、食味上からも健康上からも敬遠される傾向にあり、
冷めてしまった料理の上部の白く固化した油は、その料
理の外観を著しく阻害する。
で煮込む料理では、煮汁の上面にあくが浮き、これが料
理の味、舌ざわり、外観等を著しく阻害している。ま
た、調理中にあくと同時に生じる過剰な油分について
も、食味上からも健康上からも敬遠される傾向にあり、
冷めてしまった料理の上部の白く固化した油は、その料
理の外観を著しく阻害する。
【0003】このため最近では、調理用シートとして、
あくや油の除去機能を兼ね備えた使い捨ての落とし蓋な
るものが市販されており、これを使用することによって
手軽にしかも衛生的にあくや油分を取り除くことができ
る。
あくや油の除去機能を兼ね備えた使い捨ての落とし蓋な
るものが市販されており、これを使用することによって
手軽にしかも衛生的にあくや油分を取り除くことができ
る。
【0004】しかしながら、上記従来の調理用シート1
0は、図2に示すように、合成繊維からなる不織布を円
板形に形成して、それに複数の大小の穴11,12を開
けたもので、煮汁の中に落し込むことによって上記穴1
1,12から煮汁や蒸気と共にシート10の上面側に浮
き上がってきたあくを、該シート10を取り出すことに
よって掬い取るものであるが、密度が大きいためにシー
ト内部へのあくの浸透性が悪く、このため、あくをシー
トの内部に浸透させて繊維間に吸着することは困難で、
シートの表面に付着したものだけしか取り除くことがで
きず、思ったほどのあく取り効果を期待することはでき
ない。このことは、調理中に徐々に食材から発生してく
る余分な油分についても同様で、発生した油分がシート
の内部に浸透しにくいため、シートの表面に付着した分
だけしか除去することができないという欠点があった。
0は、図2に示すように、合成繊維からなる不織布を円
板形に形成して、それに複数の大小の穴11,12を開
けたもので、煮汁の中に落し込むことによって上記穴1
1,12から煮汁や蒸気と共にシート10の上面側に浮
き上がってきたあくを、該シート10を取り出すことに
よって掬い取るものであるが、密度が大きいためにシー
ト内部へのあくの浸透性が悪く、このため、あくをシー
トの内部に浸透させて繊維間に吸着することは困難で、
シートの表面に付着したものだけしか取り除くことがで
きず、思ったほどのあく取り効果を期待することはでき
ない。このことは、調理中に徐々に食材から発生してく
る余分な油分についても同様で、発生した油分がシート
の内部に浸透しにくいため、シートの表面に付着した分
だけしか除去することができないという欠点があった。
【0005】また、実開平01−059551号公報に
は、調理用のアク取り具として、ポリプロピレンからな
る不織布を薄い円盤の形状に形成したものが開示されて
いるが、このものについても、表面に付着するあくや油
しか取り除くことができない。
は、調理用のアク取り具として、ポリプロピレンからな
る不織布を薄い円盤の形状に形成したものが開示されて
いるが、このものについても、表面に付着するあくや油
しか取り除くことができない。
【0006】而して一般に、調理中に食材から発生する
あくや油は、煮汁の上面に浮き上がったあと時間の経過
と共に次第に凝集して大きく成長していくため、このよ
うなあくや油を上述したようなシートを用いて除去する
場合には、それらが成長する前の粒径が小さい段階で吸
着するのが最も簡単且つ効果的である。
あくや油は、煮汁の上面に浮き上がったあと時間の経過
と共に次第に凝集して大きく成長していくため、このよ
うなあくや油を上述したようなシートを用いて除去する
場合には、それらが成長する前の粒径が小さい段階で吸
着するのが最も簡単且つ効果的である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主たる課題
は、調理中に生じるあくを、成長する前の粒径が小さい
段階で簡単且つ確実に捕捉することが可能な、衛生的で
使い易い使い捨てタイプの調理用あく取りシートを提供
することにある。本発明の他の課題は、食材から発生す
る余分な油分についてもあくと共に効率良く捕捉可能
な、あく及び油分の両方の吸着性能に勝れたあく取りシ
ートを提供することにある。
は、調理中に生じるあくを、成長する前の粒径が小さい
段階で簡単且つ確実に捕捉することが可能な、衛生的で
使い易い使い捨てタイプの調理用あく取りシートを提供
することにある。本発明の他の課題は、食材から発生す
る余分な油分についてもあくと共に効率良く捕捉可能
な、あく及び油分の両方の吸着性能に勝れたあく取りシ
ートを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明においては、平均繊維間距離が1〜160μ
m、密度が0.01〜0.10g/cm3 である不織布
により形成されたあく取りシートが提供される。本発明
の好ましい実施態様によれば、上記不織布を構成する繊
維の一部又は全部が、疎水性繊維により形成される。
め、本発明においては、平均繊維間距離が1〜160μ
m、密度が0.01〜0.10g/cm3 である不織布
により形成されたあく取りシートが提供される。本発明
の好ましい実施態様によれば、上記不織布を構成する繊
維の一部又は全部が、疎水性繊維により形成される。
【0009】
【作用】あく取りシートを煮汁中に入れると、食材から
発生して該煮汁の上部に浮き上がって来るあくは、一部
があく取りシートの表面に付着し、残りが該あく取りシ
ートの空隙内に浸透して繊維間に捕捉され、煮汁から分
離される。また、煮汁の上部に浮いてくる油分も同様
に、あく取りシートの内部に浸透して繊維により捕捉さ
れるが、シートが親油性の疎水性繊維により形成されて
いる場合には、油分のシート内への浸透性及び繊維への
付着性が良好になるため、該油分の吸着効率が格段に向
上する。
発生して該煮汁の上部に浮き上がって来るあくは、一部
があく取りシートの表面に付着し、残りが該あく取りシ
ートの空隙内に浸透して繊維間に捕捉され、煮汁から分
離される。また、煮汁の上部に浮いてくる油分も同様
に、あく取りシートの内部に浸透して繊維により捕捉さ
れるが、シートが親油性の疎水性繊維により形成されて
いる場合には、油分のシート内への浸透性及び繊維への
付着性が良好になるため、該油分の吸着効率が格段に向
上する。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照しなが
ら詳細に説明するに、図1に示すあく取りシート1は、
不織布により鍋の内形に適合する所望の形状、例えば薄
い円板形に形成されたもので、食材から出るあくの浸透
性を高めるため、該あくが成長する前の粒径の小さい段
階で浸透し得る程度に、密度を小さくして空隙を高めた
ものである。これを具体的な数値に置き換えると、不織
布の平均繊維間距離が1〜160μm、密度が0.01
〜0.10g/cm3 、好ましくは0.03〜0.07
g/cm3 であるように形成されている。
ら詳細に説明するに、図1に示すあく取りシート1は、
不織布により鍋の内形に適合する所望の形状、例えば薄
い円板形に形成されたもので、食材から出るあくの浸透
性を高めるため、該あくが成長する前の粒径の小さい段
階で浸透し得る程度に、密度を小さくして空隙を高めた
ものである。これを具体的な数値に置き換えると、不織
布の平均繊維間距離が1〜160μm、密度が0.01
〜0.10g/cm3 、好ましくは0.03〜0.07
g/cm3 であるように形成されている。
【0011】上記平均繊維間距離Gは次式により算出し
た。 (繊維の太さが1種類の場合)
た。 (繊維の太さが1種類の場合)
【数1】 但し A:不織布の面積(m2 ) t:不織布の厚み(m) W:不織布の重量(g) d:繊度(デニール)
【0012】(繊維の太さがn種類の場合)
【数2】 但し di:i番目の種類の繊維の繊度(デニール) fi:i番目の種類の繊維の混率(%)
【0013】なお、繊維径が明確になっていない場合
は、走査型顕微鏡により繊維径を測定し、次式にしたが
ってデニールに換算したのち、平均繊維間距離を算出し
た。また、重量及び厚さの測定には、100cm2 のサ
ンプルを用い、厚さはUPLIGHTDIAL GAUGE(テスター産
業(株)PEACOOK NO.107)8g/cm2 加重で10秒放
置後の厚さを1/100mmまで測定した。
は、走査型顕微鏡により繊維径を測定し、次式にしたが
ってデニールに換算したのち、平均繊維間距離を算出し
た。また、重量及び厚さの測定には、100cm2 のサ
ンプルを用い、厚さはUPLIGHTDIAL GAUGE(テスター産
業(株)PEACOOK NO.107)8g/cm2 加重で10秒放
置後の厚さを1/100mmまで測定した。
【0014】
【数3】 但し D:繊維径(μ) d:繊度(デニール) ρ:比重
【0015】上記あく取りシート1の厚さについては特
に制限はないが、好ましくは0.5〜2.0mmの範囲
とすることである。また、上記不織布の坪量についても
特に制限はなく、十分にあくを吸着してなおかつ柔軟性
が良好に保持されるような範囲として、好ましくは20
〜80g/m2 とすることである。
に制限はないが、好ましくは0.5〜2.0mmの範囲
とすることである。また、上記不織布の坪量についても
特に制限はなく、十分にあくを吸着してなおかつ柔軟性
が良好に保持されるような範囲として、好ましくは20
〜80g/m2 とすることである。
【0016】上記不織布に用いる繊維種は、パルプ、レ
ーヨン等を原料とする親水性繊維(天然繊維)であって
も、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等を
原料とする疎水性繊維(合成繊維)であっても良く、あ
るいは、これらを1種又は2種以上混合したものであっ
ても良い。混合する場合、親水性繊維同士又は疎水性繊
維同士を混合するだけでなく、親水性繊維と疎水性繊維
とを混合しても良いことは言うまでもない。
ーヨン等を原料とする親水性繊維(天然繊維)であって
も、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等を
原料とする疎水性繊維(合成繊維)であっても良く、あ
るいは、これらを1種又は2種以上混合したものであっ
ても良い。混合する場合、親水性繊維同士又は疎水性繊
維同士を混合するだけでなく、親水性繊維と疎水性繊維
とを混合しても良いことは言うまでもない。
【0017】上記不織布の形成には、一般に用いられる
公知の方法、例えばメルトブロー法やスパンレース法、
サーマルボンド法等を用いることができるが、この不織
布が調理用シートに用いられるため、安全性の見地か
ら、ノーバインダー不織布とすることが望ましい。
公知の方法、例えばメルトブロー法やスパンレース法、
サーマルボンド法等を用いることができるが、この不織
布が調理用シートに用いられるため、安全性の見地か
ら、ノーバインダー不織布とすることが望ましい。
【0018】上記あく取りシート1は、煮物やスープな
どを料理する際に鍋の中に入れることにより、食材から
発生するあくを吸着して取り除くものであるが、本発明
においては、あく取りシート1に、成長する前のあくの
粒子が侵入し易いように空隙を高めることにより、あく
をシートの表面に付着させると同時に、シートの内部に
まで浸透させて繊維間においても捕捉可能とし、これに
より、食材から発生したあくを成長する前の段階で速や
かに且つ確実に吸着して除去することができるようにし
ている。このため、上記あく取りシート1をあくが発生
する前に落とし蓋のように鍋の中に入れ、軽く押さえて
そのまま加熱調理すると、食材から発生して煮汁上部に
浮き上がってくるあくは、主として煮汁上面に到達して
大きく成長する前に、シート表面に付着したり、シート
内部に浸透して繊維間に吸着されることになり、特に、
細かいあくはシートの深部にまで侵入し、繊維間に吸着
される。また、あく取りシート1の上面に回り込んだあ
くも、煮汁と共に回遊する間に、該シートの上面に付着
すると共にシート内部にも浸透し、繊維間に吸着され
る。
どを料理する際に鍋の中に入れることにより、食材から
発生するあくを吸着して取り除くものであるが、本発明
においては、あく取りシート1に、成長する前のあくの
粒子が侵入し易いように空隙を高めることにより、あく
をシートの表面に付着させると同時に、シートの内部に
まで浸透させて繊維間においても捕捉可能とし、これに
より、食材から発生したあくを成長する前の段階で速や
かに且つ確実に吸着して除去することができるようにし
ている。このため、上記あく取りシート1をあくが発生
する前に落とし蓋のように鍋の中に入れ、軽く押さえて
そのまま加熱調理すると、食材から発生して煮汁上部に
浮き上がってくるあくは、主として煮汁上面に到達して
大きく成長する前に、シート表面に付着したり、シート
内部に浸透して繊維間に吸着されることになり、特に、
細かいあくはシートの深部にまで侵入し、繊維間に吸着
される。また、あく取りシート1の上面に回り込んだあ
くも、煮汁と共に回遊する間に、該シートの上面に付着
すると共にシート内部にも浸透し、繊維間に吸着され
る。
【0019】また、食材から発生する油分についても、
それが煮汁上面に浮き上がってくるときに、シートの表
面に付着したりシート内に浸透して繊維間に吸着される
ことにより除去されるが、特に、疎水性繊維を用いてあ
く取りシートを形成した場合には、該疎水性繊維が親油
性を有するため、シート内への油の浸透性及び繊維への
油の付着性が天然繊維のみを用いた場合よりも良好とな
り、空隙を大きくしてシートの表面積を拡大したことと
相俟って、油の除去効率が著しく高くなる。この結果、
あく及び油分の両方を非常に効率良く吸着することがで
きる。あく及び油分を吸着したあく取りシートは、調理
終了後に箸などで煮汁中から取り出し、そのまま廃棄す
ればよい。
それが煮汁上面に浮き上がってくるときに、シートの表
面に付着したりシート内に浸透して繊維間に吸着される
ことにより除去されるが、特に、疎水性繊維を用いてあ
く取りシートを形成した場合には、該疎水性繊維が親油
性を有するため、シート内への油の浸透性及び繊維への
油の付着性が天然繊維のみを用いた場合よりも良好とな
り、空隙を大きくしてシートの表面積を拡大したことと
相俟って、油の除去効率が著しく高くなる。この結果、
あく及び油分の両方を非常に効率良く吸着することがで
きる。あく及び油分を吸着したあく取りシートは、調理
終了後に箸などで煮汁中から取り出し、そのまま廃棄す
ればよい。
【0020】次に、本発明のあく取りシートの性能実験
について説明する。 《実験1》本発明品として次の4種類の試料を用意し、
また、比較例として2種類の試料を用意し、それぞれの
試料についてあくの吸着性能を評価した。
について説明する。 《実験1》本発明品として次の4種類の試料を用意し、
また、比較例として2種類の試料を用意し、それぞれの
試料についてあくの吸着性能を評価した。
【0021】〈試料1〉 :サーマルボンド法によって
製造された平均繊維間距離が159μm、密度が0.0
1g/cm3 の熱融着繊維製不織布からなるもの。 〈試料2〉 :平均繊維間距離が74μm、密度が0.
04g/cm3 の乾式パルプ不織布からなるもの。 〈試料3〉 :スパンレース法によって製造された平均
繊維間距離が75μm、密度が0.04g/cm3 の、
ポリプロピレン繊維製不織布からなるもの。 〈試料4〉 :スパンレース法によって製造された平均
繊維間距離が47μm、密度が0.10g/cm3 の、
ポリプロピレン繊維製不織布からなるもの。
製造された平均繊維間距離が159μm、密度が0.0
1g/cm3 の熱融着繊維製不織布からなるもの。 〈試料2〉 :平均繊維間距離が74μm、密度が0.
04g/cm3 の乾式パルプ不織布からなるもの。 〈試料3〉 :スパンレース法によって製造された平均
繊維間距離が75μm、密度が0.04g/cm3 の、
ポリプロピレン繊維製不織布からなるもの。 〈試料4〉 :スパンレース法によって製造された平均
繊維間距離が47μm、密度が0.10g/cm3 の、
ポリプロピレン繊維製不織布からなるもの。
【0022】〈比較例1〉:メルトブロー法によって製
造された平均繊維間距離が7μm、密度が0.11g/
cm3 の、ポリプロピレン繊維製不織布からなるもの。 〈比較例2〉:グラシン紙(市販品)からなるもの。
造された平均繊維間距離が7μm、密度が0.11g/
cm3 の、ポリプロピレン繊維製不織布からなるもの。 〈比較例2〉:グラシン紙(市販品)からなるもの。
【0023】〈評価方法〉4人分の肉じゃがを調理し、
あくが発生する前に、円板形に形成した各試料を落しぶ
たのように鍋の中に入れ、軽く押えてそのまま加熱調理
した。使用後の試料の乾燥重量(W1 )と脱脂後の試料
の重量(W2 )とを測定し、それらの差(W1 −W2 )
から試料のあく吸着量(W3 )を求めた。また、煮汁に
残ったあくを分液漏斗で分画した後、濾過し、脱脂後の
残渣重量(W4 )を測定し、次式に基づいてあく吸着率
H(%)を算出した。 H(%)={W3 /(W3 +W4 )}×100
あくが発生する前に、円板形に形成した各試料を落しぶ
たのように鍋の中に入れ、軽く押えてそのまま加熱調理
した。使用後の試料の乾燥重量(W1 )と脱脂後の試料
の重量(W2 )とを測定し、それらの差(W1 −W2 )
から試料のあく吸着量(W3 )を求めた。また、煮汁に
残ったあくを分液漏斗で分画した後、濾過し、脱脂後の
残渣重量(W4 )を測定し、次式に基づいてあく吸着率
H(%)を算出した。 H(%)={W3 /(W3 +W4 )}×100
【0024】また、鍋から試料を取り出した後のあく及
び油分の残存感を、視覚により評価した。その評価基準
は次の通りである。それらの結果を表1に示す。 ○:残存量が非常に少ない △:少量残存する
×:多量に残存する
び油分の残存感を、視覚により評価した。その評価基準
は次の通りである。それらの結果を表1に示す。 ○:残存量が非常に少ない △:少量残存する
×:多量に残存する
【0025】
【表1】
【0026】《実験2》疎水性繊維であるポリプロピレ
ン繊維からなる上記試料3及び4について、あくと油分
の両方の吸着率を同様の方法により評価した。比較例と
して、市販されている穴の開いたポリプロピレン繊維か
らなる不織布製の落しぶた(比較例3)と、グラシン紙
からなる無孔の紙製落しぶた(比較例2)とを用意し、
それらについてもあく及び油分の吸着性能について評価
した。その結果を表2に示す。
ン繊維からなる上記試料3及び4について、あくと油分
の両方の吸着率を同様の方法により評価した。比較例と
して、市販されている穴の開いたポリプロピレン繊維か
らなる不織布製の落しぶた(比較例3)と、グラシン紙
からなる無孔の紙製落しぶた(比較例2)とを用意し、
それらについてもあく及び油分の吸着性能について評価
した。その結果を表2に示す。
【0027】また、鍋から試料を取り出した後のあく及
び油分の残存感を、視覚により評価した。その評価基準
は次の通りである。 ○:残存量が非常に少ない ×:多量に残存する
び油分の残存感を、視覚により評価した。その評価基準
は次の通りである。 ○:残存量が非常に少ない ×:多量に残存する
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】このように本発明によれば、あく取りシ
ートを不織布により形成し、その平均繊維間距離を1〜
160μm、密度を0.01〜0.10g/cm3 とす
ることにより、該シートに成長前のあく粒子が浸透可能
な程度の大きな空隙を持たせたので、食材から発生して
煮汁上部に浮き上がってくるあくを、成長して粒子が大
きくなる前に、シート表面に付着させたりシート内に浸
透させて繊維間に吸着させることにより、確実に捕捉す
ることができる。また、上記あく取りシートを構成する
繊維の一部又は全部を親油性のある疎水性繊維とするこ
とにより、該シートに対する油分の付着性を高めて、上
記あくだけでなく、調理中に徐々に食材から発生してく
る余分な油分も、シート表面に付着させたりシート内部
に浸透させて疎水性繊維により選択的且つ確実に吸着さ
せることができる。さらに、あく取りシートの使用に当
っては、単に鍋の内部に落し込むだけで良いため取り扱
いが簡単であり、しかも、使い捨てであるため衛生的で
ある。
ートを不織布により形成し、その平均繊維間距離を1〜
160μm、密度を0.01〜0.10g/cm3 とす
ることにより、該シートに成長前のあく粒子が浸透可能
な程度の大きな空隙を持たせたので、食材から発生して
煮汁上部に浮き上がってくるあくを、成長して粒子が大
きくなる前に、シート表面に付着させたりシート内に浸
透させて繊維間に吸着させることにより、確実に捕捉す
ることができる。また、上記あく取りシートを構成する
繊維の一部又は全部を親油性のある疎水性繊維とするこ
とにより、該シートに対する油分の付着性を高めて、上
記あくだけでなく、調理中に徐々に食材から発生してく
る余分な油分も、シート表面に付着させたりシート内部
に浸透させて疎水性繊維により選択的且つ確実に吸着さ
せることができる。さらに、あく取りシートの使用に当
っては、単に鍋の内部に落し込むだけで良いため取り扱
いが簡単であり、しかも、使い捨てであるため衛生的で
ある。
【図1】本発明のあく取りシートの一実施例を示す斜視
図である。
図である。
【図2】従来のあく取りシートの一例を示す斜視図であ
る。
る。
1 あく取りシート
Claims (2)
- 【請求項1】平均繊維間距離が1〜160μm、密度が
0.01〜0.10g/cm3 である不織布により形成
されていることを特徴とする調理用あく取りシート。 - 【請求項2】不織布を構成する繊維の少なくとも一部が
疎水性繊維であることを特徴とする請求項1に記載の調
理用あく取りシート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19004894A JPH0824149A (ja) | 1994-07-20 | 1994-07-20 | 調理用あく取りシート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19004894A JPH0824149A (ja) | 1994-07-20 | 1994-07-20 | 調理用あく取りシート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0824149A true JPH0824149A (ja) | 1996-01-30 |
Family
ID=16251489
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19004894A Pending JPH0824149A (ja) | 1994-07-20 | 1994-07-20 | 調理用あく取りシート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0824149A (ja) |
-
1994
- 1994-07-20 JP JP19004894A patent/JPH0824149A/ja active Pending
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