JP2000188424A - 多波長受光素子 - Google Patents

多波長受光素子

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JP2000188424A
JP2000188424A JP36583898A JP36583898A JP2000188424A JP 2000188424 A JP2000188424 A JP 2000188424A JP 36583898 A JP36583898 A JP 36583898A JP 36583898 A JP36583898 A JP 36583898A JP 2000188424 A JP2000188424 A JP 2000188424A
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layer
photodiode
light receiving
wavelength light
receiving element
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JP36583898A
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Yoshiyuki Takahira
宜幸 高平
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Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多波長受光素子において、駆動回路に共通の
アースを取ることが可能で、フォトダイオード間の温度
変化の差の少ない素子を得ることが困難であった。 【解決手段】 フォトダイオードを複数もつ多波長受光
素子において、第1のフォトダイオードと第2のフォト
ダイオードは絶縁層を介して形成され、絶縁層は、フォ
トダイオードと同等かそれ以上の熱伝導率をもち、その
厚さはフォトダイオードの厚さよりも小さいことを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は多波長受光素子に関
する。
【0002】
【従来の技術】図6は特開昭63−170977号公報
に記載された、従来の多波長受光素子の一例を示したも
のである。複数のPN接合フォトダイオードを積層して
構成されている。同図において多波長受光素子は、半導
体基板31上に交互に積層されたp型半導体層32a、
33a、34a、35a、36a、37a、38a、3
9aとn型半導体層32b、33b、34b、35b、
36b、37b、38b、39bおよびp型半導体層に
形成されているp電極32c、33c、34c、35
c、36c、37c、38c、39cとn型半導体層に
形成されているn電極32d、33d、34d、35
d、36d、37d、38d、39dで構成されてお
り、半導体層(32a、32b)、(33a、33
b)、・・・・、(39a、39b)で構成される8種
類のpn接合ダイオードが積層されている。半導体層の
禁制帯幅は(32a、32b)<(33a、33b)<
・・・・<(39a、39b)となっている。これを動
作させるには、素子表面より光を入射し、半導体層(3
2a、32b)、(33a、33b)、・・・・、(3
9a、39b)でそれぞれ異なった波長の光を吸収す
る。電極(32c、32d)、(33c、33d)、・
・・・、(39c、39d)にそれぞれ独立に設けられ
た駆動回路により光信号を読み取る。
【0003】図7は特開平6−120554号公報に記
載された、別の従来の多波長受光素子の一例を示したも
のである。複数のPN接合フォトダイオードを積層して
構成されている。同図において多波長受光素子は、n型
半導体層42a、42b、42cとp型半導体層43
a、43b、43cとn型電極41a、41b、41c
とp型電極44a、44b、44cとSiO2により形
成された絶縁層45a、45bで構成されており、半導
体層(42a、43a)、(42b、43b)、(42
c、43c)で構成される3種類のpn接合ダイオード
がSiO2により形成された絶縁層45a、45bを介
して積層されている。半導体層の禁制帯幅は(42a、
43a)<(42b、43b)<(42c、43c)と
なっている。これを動作させるには、素子表面より光を
入射し、半導体層(42a、43a)、(42b、43
b)、(42c、43c)でそれぞれ異なった波長の光
を吸収し、それぞれに設けられた電極(41a、44
a)、(41b、44b)、(41c、44c)から光
信号を取り出す。なお、この多波長受光素子ではSiO
2により形成された絶縁層がダイオード間に積層されて
いるため駆動回路を共通のアースとすることが可能であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図6の様な3波長以上
分波することを目的とした多波長受光素子はp層とn層
からなるフォトダイオードを複数積層した構造であり、
フォトダイオードとフォトダイオードの間は電気的に絶
縁されていない。そのため、フォトダイオードからの電
気信号が他信号に漏れ易い。又、各フォトダイオードの
電位を他と独立して設定できないため正常に動作させる
ためにはフォトダイオードごとにアースに接続されてい
ない駆動回路を独立に設けなければならず、扱いが困難
であった。又、図7の様な多波長受光素子では、フォト
ダイオード間に絶縁層が挿入されているため電気信号は
それぞれのフォトダイオードごとに絶縁されており、各
フォトダイオードの電位を任意に設定でき駆動回路も共
通のアースをとることが可能である。しかし、光波長多
重伝送用の多波長受光素子として用いる場合、周囲の温
度変化による積層されたフォトダイオード間での出力変
動の差、および受光帯域の変化が一定であることが望ま
しいが、図7の様な従来の多波長受光素子に用いられて
いる絶縁材料は熱伝導率が低く素子の上部と下部での温
度が異なってしまいフォトダイオード間での出力変動の
差および受光帯域の変化が一定にならなかった。
【0005】本発明はこのような事情を鑑みなされたも
のであり、その目的とするところは単純な構成で信頼性
に優れ、扱いの容易な多波長受光素子を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明における請求項1
に関わる発明はpn構造あるいはpin構造を1つのフ
ォトダイオードとし、フォトダイオード(pn構造、p
in構造)を絶縁層を介して複数個積層している多波長
受光素子において、絶縁層の熱伝導率がフォトダイオー
ドと同等かそれ以上であり、絶縁層の厚さがフォトダイ
オードの厚さ以下であることを特徴とする。
【0007】フォトダイオード(pn、pin構造)ご
とに絶縁層を導入することにより駆動回路のアースを共
通にとることができ、扱いを容易にしている。また、本
発明の多波長受光素子では絶縁層の熱伝導率がフォトダ
イオードの熱伝導率より大きい材料を用いることによ
り、上部のフォトダイオードと下部のフォトダイオード
の温度が等しくなり、フォトダイオード間での出力変動
の差および受光帯域の変化を一定とすることが可能であ
る。また、絶縁層の厚さがフォトダイオードの厚さ以下
であるので熱伝導を妨げない。
【0008】本発明における請求項2に関わる発明は2
つのフォトダイオードにおいてn層またはp層を共通と
することを特徴とする請求項1に記載の多波長受光素子
である。2つのフォトダイオードのn層またはp層を共
通とすることにより(pnp構造、npn構造、pin
p構造、nipn構造、pnip構造、npin構造、
pinip構造、nipin構造)2つのフォトダイオ
ードまでは絶縁層を導入することなく駆動回路のアース
を共通にとることができる。2つのフォトダイオード間
では絶縁層を導入していないため、2つのフォトダイオ
ードの温度が等しくなり、多波長受光素子の上部と下部
の温度もよりひとしくなりやすい。そのため、フォトダ
イオード間での出力変動の差および受光帯域の変化を一
定とすることが可能である。また、アースも共通にとる
ことができ、構成も単純であり扱いが容易である。
【0009】本発明における請求項3に関わる発明は絶
縁層としてAlyGa1-yN(y=1を含む)を用いてい
ることを特徴とする請求項1に記載の多波長受光素子で
ある。AlyGa1-yN(y=1を含む)は熱伝導率が2
00〜300W/mKと高いのでフォトダイオード間に
挟む絶縁層として望ましい材料であり、フォトダイオー
ドの材料としてIII族窒化物半導体(InxAlyGa
1-x-yN;x=0、y=0、x=y=0を含む)以外に
も、In1-xGaxAsy1-y(x=0、y=0、x=y
=0を含む)やInxGayAl1-x-yAs(x=0、y
=0、x=y=0を含む)を用いた多波長受光素子にお
ける絶縁層として使用できる。
【0010】本発明における請求項4に関わる発明はI
II族窒化物半導体(InxAlyGa1-x-yN;x=
0、y=0、x=y=0を含む)をフォトダイオードと
して用いている請求項3に記載の多波長受光素子であ
る。III族窒化物半導体(InxAlyGa1-x-yN;
x=0、y=0、x=y=0を含む)を用いた本発明で
は、吸収部ごとに光吸収層であるi層にInXGa1-X
を用い、組成比を変えることにより禁制帯幅を変化さ
せ、禁制帯幅の大きさの順に吸収部を積層することによ
り364nm〜653nmという人間の視感度の高い領
域および紫外領域において3波長以上の光を分波受光す
る多波長受光素子が再成長することなしに作製すること
が可能となる。又、InXGa1-XNは直接遷移半導体で
あるのでSiCなどの間接遷移半導体に比べフォトダイ
オードの層厚を薄くすることができ、InXGa1-XNは
組成比を変えることにより近紫外から赤色領域まで幅広
い領域に感度を有し、視感度に対応した多波長受光素子
を再成長することなく連続成長で作製することが可能で
ある。また、III族窒化物半導体は融点が1200℃
以上と非常に高く、またダイヤモンドに近い硬度を有す
る安定な材料である。従ってこの材料を用いて多波長受
光素子を実現することにより、外部条件の変化に対して
も信頼性の高い多波長受光素子を提供することができ
る。また、高温動作においても熱雑音が生じにくい。
【0011】本発明における請求項5に関わる発明はフ
ォトダイオードとしてIn1-xGaxAsy1-y(x=
0、y=0、x=y=0を含む)又はInxGayAl
1-x-yAs(x=0、y=0、x=y=0を含む)を用
い、絶縁層としてFeをドーピングしたIn1-xGax
y1-y(x=0、y=0、x=y=0を含む)又はF
eをドーピングしたInxGayAl1-x-yAs(x=
0、y=0、x=y=0を含む)又はAlyGa1-y
(y=1を含む)を用いている請求項1から3のいずれ
かに記載の多波長受光素子である。In1-xGaxAsy
1-y(x=0、y=0、x=y=0を含む)、Inx
yAl1-x-yAs(x=0、y=0、x=y=0を含
む)をフォトダイオードに用いている多波長受光素子に
おいてもAlyGa1-yN(y=1を含む)絶縁層の場合
は熱伝導率がフォトダイオードよりも高く、Feドープ
したIn1-xGaxAsy1-y(x=0、y=0、x=y
=0を含む)絶縁層、FeドープしたInxGayAl
1-x-yAs(x=0、y=0、x=y=0を含む)絶縁
層の場合は熱伝導率がフォトダイオードと同程度である
ので周囲の温度変化に対してフォトダイオードの反応が
素直であり、WDM用の多波長受光素子としても非常に
使いやすい。
【0012】本発明における請求項6に関わる発明は前
記フォトダイオードの受光面積を光が入射する側からか
ら順次小さくなるように構成されており、且つフォトダ
イオードの禁制帯幅が入射する側から順次小さくなるよ
うに構成された請求項1、請求項2、請求項3、請求項
4もしくは請求項5いずれかに記載の多波長受光素子で
ある。本発明の多波長受光素子では光が入射する側ほど
受光面積が大きく、かつ禁制帯幅も光が入射する側ほど
大きいので光が入射される側の(上の)フォトダイオー
ドで吸収されるべき波長の光が、下のフォトダイオード
に吸収されることを防ぐことができ波長選択制が非常に
良い。
【0013】本発明における請求項7に関わる発明はフ
ォトダイオードから絶縁層までをエピタキシャル成長に
よって作成していることをしていることを特徴とする請
求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5もし
くは請求項6いずれかに記載の多波長受光素子である。
また、エピタキシャル成長により、フォトダイオードお
よび絶縁層を一貫して作製することができるので生産性
も向上した。
【0014】本明細書で記載するpn構造、pin構
造、pnp構造、npn構造、pinp構造、nipn
構造、pnip構造、npin構造、pinip構造、
nipin構造とは、それぞれp層とn層を積層した構
造、p層とi層とn層を積層した構造、p層とn層とp
層を積層した構造、n層とp層とn層を積層した構造、
p層とi層とn層とp層を積層した構造、n層とi層と
p層とn層を積層した構造、p層とn層とi層とp層を
積層した構造、n層とp層とi層とn層を積層した構
造、p層とi層とn層とi層とp層を積層した構造、n
層とi層とp層とi層とn層を積層した構造のことであ
り、n層とはn伝導型を示す半導体層のことであり、p
層とはp伝導型を示す半導体層のことであり、i層とは
真性半導体のことである。
【0015】本明細書中で記載するエピタキシャル成長
法とは、基板上に結晶膜を成長する方法であって、VP
E(気相エピタキシャル)法、CVD(化学気相デポジ
ション)法、MOCVD(有機金属化学気相デポジショ
ン)法、MOVPE(有機金属気相エピタキシャル)
法、HalideーVPE(ハイドライド気相エピタキ
シャル)法、MBE(分子線エピタキシャル法、MOM
BE(有機金属分子線エピタキシャル)法、GSMBE
(ガス原料分子線エピタキシャル)法、CBE(化学ビ
ームエピタキシャル)法を含む。
【0016】
【発明の実施の形態】[実施例1]図1に本実施例の多
波長受光素子の断面構造図を示す。同図において多波長
受光素子は基板1上に順次積層されたバッファ層2、フ
ォトダイオードA、絶縁層6a、フォトダイオードB、
絶縁層6b、フォトダイオードCで構成されている。フ
ォトダイオードAはn層3a、光吸収層4a、p層5a
が順次積層された構成である。フォトダイオードB、フ
ォトダイオードCもフォトダイオードAと同様の構成で
あるが、それぞれのフォトダイオードを構成している光
吸収層4a、4bおよび4cは禁制帯幅Egが異なって
おり、4a、4bおよび4cの禁制帯幅Egを順にEg
a、EgbおよびEgcとすると、Ega>Egb>E
gcとなっている。
【0017】各々のフォトダイオードA、BおよびCが
有するn層3a、3bおよび3cにはn型電極7が形成
されており、p層5a、5bおよび5cにはp型電極8
が形成されている。また、本実施例の多波長受光素子
は、入射光を基板側から入射するよう設計しており、入
射面側である下層部の受光面積は上層部の受光面積より
広い。即ち、各フォトダイオードA、B、およびCの受
光面積を各々Sa、SbおよびScとするとSa>Sb
>Scとなっている。
【0018】本実施例の多波長受光素子において基板1
はサファイア基板である。バッファ層2は層厚40nm
のAlNである。n層3a、3b、3c、光吸収層4
a、4b、4c、p層5a、5b、5cは、それぞれ4
μmのSiドープGaN、0.1μmのノンドープIn
xGa1-xN、0.30μmのMgドープGaNである。
光吸収層である4a、4bおよび4cのInGaNのI
n組成比xは順に0.30、0.45、0.90であ
る。すなわち、光吸収層4a、4bおよび4cのInG
aNのIn組成比xを順にxa、xbおよびxcとする
とxa<xb<xcであり、光吸収層4a、4bおよび
4cの禁制帯幅Ega、EgbおよびEgcは、Ega
>Egb>Egcとなっている。絶縁層6a、6bは5
nmのAlNである。n型電極7はTi−Alの合金に
て形成されており、p型電極8はNi−Auの合金より
形成されている。各々、n型電極7およびp型電極8は
オーミック性電極である。
【0019】本実施例の多波長受光素子はMOCVD法
によりバッファ層2からフォトダイオードCまで積層す
ることにより作製されている。基板上にバッファ層2を
500℃で成長させ、バッファ層2上にn層3aを10
00℃で成長させ、n層3a上に光吸収層4aを800
℃で成長させ、光吸収層4a上にp層5aを1000℃
で成長させ、p層5a上に絶縁層6aを500℃で成長
させ、絶縁層6a上にn層3bを1000℃で成長さ
せ、n層3b上に光吸収層4bを800℃で成長させ、
光吸収層4b上にp層5bを1000℃で成長させ、p
層5b上に絶縁層6bを500℃で成長させ、絶縁層6
b上にn層3cを1000℃で成長させ、n層3c上に
光吸収層4cを800℃で成長させ、光吸収層4c上に
p層5cを1000℃で成長させた。V族原料としては
NH3を用い、III族原料としてはTMA、TMG、
TMIを用いている。成長後、III族窒化物半導体を
積層した基板をアニーリング装置に移送し、800℃で
アニーリングすることにより、p層5a、5b、5cを
低抵抗なp型GaN層にする。その後、公知のプロセス
技術によりマスクを形成し、公知のエッチング技術によ
りn層3a、3b、3cを露出させ、n層3a、3b、
3c上にTi−Alの合金から成るn型電極7を形成し
た。また、公知のプロセス技術によりp層5a、5b、
5c上にAu−Niの合金から成るp型電極7を形成し
た。
【0020】上記構成を有する1mm角の多波長受光素
子に基板1側から標準光源により白色光を分光して入射
し多波長受光素子の分光感度特性を測定した。図4は照
射波長と相対分光感度の関係を示すグラフであり、フォ
トダイオードAからの信号を(あ)、フォトダイオード
Bからの信号を(い)、フォトダイオードCからの信号
を(う)として表している。本実施例の多波長受光素子
は絶縁層6aおよび6bによりフォトダイオードA、B
およびCの間を各々電気的に分離することで、光吸収に
よって生成した電子および正孔が、その生成された各々
のフォトダイオードA、BおよびCから流出するのを防
げた。その結果他信号への信号の漏れを防ぐことがで
き、漏洩特性が向上できた。また、駆動回路も共通のア
ースをとることが可能となった。
【0021】本実施例の多波長受光素子においては絶縁
層としてAlNを用いている。AlNの熱伝導率は30
0W/mKであり、本実施例の多波長受光素子における
フォトダイオードの熱伝導率130W/mKよりも熱伝
導率が高い。そのため、フォトダイオード間の温度差を
無くすることができ、吸収ピークのフォトダイオード間
での相対変化量を一定にすることができる。一方、従来
絶縁層として用いているSiO2の熱伝導率は、2W/
mKとフォトダイオードに比べ熱伝導率が低く、フォト
ダイオード間で温度差がついてしまっており、吸収ピー
クのフォトダイオード間での相対変化量がばらついてい
た。
【0022】絶縁層6a、6bとして厚さが5nmのA
lNを用いている多波長受光素子、絶縁層6a、6bが
フォトダイオードと同じ厚さ4.3μmでAlNを用い
ている多波長受光素子、絶縁層6a、6bがフォトダイ
オードの3倍の厚さ12.9μmでAlNを用いている
多波長受光素子、絶縁層6a、6bが5nmでSiO2
を用いている多波長受光素子をそれぞれ作製し、雰囲気
温度を5℃から40℃まで異なるランピングレートで変
化させ、温度の時間変化に対する各吸収層の受光ピーク
のシフト量を調べ、温度の時間変化に対する受光ピーク
シフト量のばらつきをグラフにしたものが図5である。
【0023】絶縁層として厚さが5nmのAlNを用い
ている多波長受光素子、絶縁層がフォトダイオードと同
じ厚さ4.3μmでAlNを用いている多波長受光素子
に関しては温度変化に対して各光吸収層が追従して温度
変化を起こすため各光吸収層の受光ピークのシフト量が
一定であり、ばらつきが少ないことがわかる。一方、絶
縁層がフォトダイオードの3倍の厚さ12.9μmでA
lNを用いている多波長受光素子、絶縁層が5nmでS
iO2を用いている多波長受光素子においては熱伝導率
が大きくなってしまい、受光ピークシフト量のばらつき
が大きい。AlNからなる絶縁層6a、6bの厚さを1
nmとした多波長受光素子を作製したところところ絶縁
層としての機能が低下し漏洩特性が悪化してしまった。
又、絶縁層6a、6bをAlyGa1-yNとし組成比yを
変化させる実験をしたところy=0.1で漏洩特性が悪
化してしまった。
【0024】尚、本実施例では絶縁層の材料としてAl
Nを用いたが、絶縁層の材料はダイヤモンドなどの絶縁
層の熱伝導率がフォトダイオード以上の物質であればよ
い。尚、実施例では、上層部の受光面積を下層部の受光
面積より小さくしていることと、サァイア基板は364
nm〜653nmの光に対して透明で光を良く透過する
ことより基板側から光を入射したが、光吸収層4a、4
bおよび4cの組成比xをxa>xb>xcとすること
により上層部から入射する構造とすることも可能であ
る。尚、本実施例の多波長受光素子では、受光面側のフ
ォトダイオードの受光面積ほど広く(Sa>Sb>S
c)、このことにより各々のフォトダイオードA、Bお
よびCで吸収されるべき波長の光が、他のフォトダイオ
ードに吸収されることを防げた。
【0025】尚、本実施例では、禁制帯幅の異なるIn
GaN層を有する、3つのフォトダイオードからなる構
造としたが、より多くのフォトダイオードからなる構造
としてもよい。尚、本実施例では、各フォトダイオード
をn型GaN層、光吸収層であるInGaN層、p型G
aN層の順に積層したが、p型GaN層、光吸収層であ
るでInGaN層、n型GaN層の順に積層しても良
い。尚、本実施例ではバッファ層としてAlNを用いた
がAlGaN、GaNのバッファでも可能である。尚、
本実施例ではアクセプタとしてMg、ドナーとしてSi
を用いたが他のドーパントでも良い。
【0026】更に、本発明は、本実施の形態に示した材
料に限定されるものではなくInxAlyGa1-x-y
(x=0、y=0、x=y=0を含む)の他、そのN元
素の一部(20%程度以下)を、P、As、Sb等の他
の元素で置換し、そのIII族元素の一部(20%程度
以下)を、Bなどの他の元素で置換した多波長受光素子
であっても、上記同様の効果が得られる。
【0027】[実施例2]図2に本実施例の多波長受光
素子の断面構造図を示す。同図において多波長受光素子
は基板11上に順次積層されたバッファ層12、フォト
ダイオードAA、絶縁層16a、フォトダイオードB
B、フォトダイオードCC、絶縁層16b、フォトダイ
オードDD、フォトダイオードEEで構成されている。
【0028】フォトダイオードAAはn層13a、光吸
収層14a、p層15aが順次積層された構成である。
フォトダイオードCCはp層15c、光吸収層14c、
n層13cが順次積層された構成である。フォトダイオ
ードBBおよびフォトダイオードDDはフォトダイオー
ドAAと同様の構成であり、フォトダイオードEEはフ
ォトダイオードCCと同様の構成である。フォトダイオ
ードBBが有するp層15bとフォトダイオードCCが
有するp層15cは共通化されており、同様にフォトダ
イオードDDが有するp層15dとフォトダイオードE
が有するp層15eとは共通化されている。また、各々
のフォトダイオードAA、BB、CC、DDおよびEE
が有する光吸収層14a、14b、14c、14dおよ
び14eのInの禁制帯幅Egが異なっており、14
a、14b、14c、14dおよび14eの禁制帯幅E
gを順にEgaa、Egbb、Egcc、Egddおよ
びEgeeとすると、Egaa>Egbb>Egcc>
Egdd>Egeeとなっている。各々のフォトダイオ
ードAA、BB、CC、DDおよびEEが有するn層1
3a、13b、13c、13dおよび13eにはn型電
極17が形成されており、p層15a、15b、15
c、15dおよび15eにはp型電極18が形成されて
いる。
【0029】また、本実施例の多波長受光素子は、入射
光を基板側から入射するよう設計しており、入射面側で
ある下層部の受光面積は上層部の受光面積より広い。即
ち、各フォトダイオードAA、BB、CC、DDおよび
EEの受光面積を各々Saa、Sbb、Scc、Sdd
およびSeeとするとSaa>Sbb>Scc>Sdd
>Seeとなっている。
【0030】本実施例の多波長受光素子では基板11は
サファイア基板である。バッファ層12は層厚40nm
のAlNである。n層13a、13b、13c、13
d、13e、光吸収層14a、14b、14c、14
d、14e、p層15a、15b、15c、15d、1
5eは、それぞれ4μmのSiドープGaN、0.1μ
mのノンドープInGaN、0.30μmのMgドープ
GaNである。光吸収層14a、14b、14c、14
dおよび14eのIn組成比xは順に0.0、0.3、
0.45、0.9、1.0である。すなわち、光吸収層
14a、14b、14c、14dおよび14eのIn組
成比xを順にxaa、xbb、xcc、xddおよびx
eeとするとxaa<xbb<xcc<xdd<xee
であり、光吸収層14a、14b、14c、14dおよ
び14eの禁制帯幅Egaa、Egbb、Egcc、E
gddおよびEgeeは、Egaa>Egbb>Egc
c>Egdd>Egeeとなっている。絶縁層16a、
16bは5nmのAlNである。n型電極17はTi−
Alの合金にて形成されており、p型電極18はNi−
Auの合金より形成されている。各々のn型電極および
p型電極はオーミック性電極である。
【0031】本実施例の多波長受光素子はMOCVD法
によりバッファ層12からフォトダイオードEEまでエ
ピタキシャル成長されている。サファイア基板上にバッ
ファ層12を500℃で成長させ、バッファ層12上に
n層13aを1000℃で成長させ、n層13a上に光
吸収層14aを800℃で成長させ、光吸収層14a上
にp層15aを1000℃で成長させ、p層15a上に
絶縁層16aを500℃で成長させ、絶縁層16a上に
n層13bを1000℃で成長させ、n層13b上に光
吸収層14bを800℃で成長させ、光吸収層14b上
にp層15b(15c)を1000℃で成長させ、p層
15b(15c)上に光吸収層14cを800℃で成長
させ、光吸収層14c上にn層13cを1000℃で成
長させ、n層13c上に絶縁層16bを500℃で成長
させ、絶縁層16b上にn層13dを1000℃で成長
させ、n層13d上に光吸収層14dを800℃で成長
させ、光吸収層14d上にp層15d(15e)を10
00℃で成長させ、p層15d(15e)上に光吸収層
14eを800℃で成長させ、光吸収層14e上にn層
13eを1000℃で成長させた。V族原料としてはN
H3をもちい、III族原料としてはTMA、TMG、
TMIを用いている。成長後、窒化ガリウム系化合物半
導体を積層した基板をアニーリング装置に移送し、80
0℃でアニーリングすることにより、p層15a、15
b、15c、15d、15eを低抵抗なp型GaN層に
する。
【0032】その後、公知のプロセス技術によりマスク
を形成し、公知のエッチング技術によりn層13a、1
3b、13c、13d、13eを露出させ、n層13
a、13b、13c、13d、13e上にTi−Alの
合金から成るn型電極17を形成した。また、公知のプ
ロセス技術によりp層15a、15b(15c)、15
d(15e)上にAu−Niの合金から成るp型電極1
7を形成した。
【0033】上記構成を有する多波長受光素子における
動作を説明する。この多波長受光素子に基板11側から
白色光、あるいは364nm〜653nmの範囲での異
なる波長からなる多重光を入射させる。各々のフォトダ
イオードAA、BB、CC、DDおよびEEが有するI
nGaN層14a、14b、14c、14dおよび14
eの禁制帯幅は下層部に位置しているものほど、禁制帯
幅Egが大きいので上層部に位置するフォトダイオード
ほど長波長の光を吸収する。即ち、各フォトダイオード
で吸収する光の波長を各々λaa、λbb、λcc、λ
ddおよびλeeとするとλaa<λbb<λcc<λ
dd<λeeとなる。吸収された光は電気信号に変換さ
れる。
【0034】ここで絶縁層16aおよび16bはフォト
ダイオードAAとBB、CCの間およびフォトダイオー
ドBB、CCとDD、EEの間を各々電気的に分離する
ことで、フォトダイオードBB、CCおよびフォトダイ
オードDD、EEの構造をサイリスタ構造を避けること
ができ、駆動回路のアースを共通にとることが可能であ
る。尚、実施例では、上層部の受光面積を下層部の受光
面積より小さくしている。即ち、各フォトダイオードの
受光面積を各々Saa、Sbb、Scc、Sddおよび
SeeとするとSaa>Sbb>Scc>Sdd>Se
eとなる。このことにより各々のフォトダイオードA
A、BB、CC、DDおよびEEで吸収されるべき波長
の光が、他のフォトダイオードに吸収されることを防
ぐ。
【0035】雰囲気温度を変化させ、本実施例の多波長
受光素子の分光感度特性の温度変化を測定したところ、
絶縁層であるAlNの熱伝導係数が大きいため、10個
の素子ともそれぞれのフォトダイオードの受光ピークが
同一の波長にシフトした。SiO2を絶縁層として用い
ている系多波長受光素子でも同様の実験をしたところ素
子間での受光ピークのシフトがまちまちであった。
【0036】絶縁層16a、16bの厚さだけを変化さ
せた同一構造の素子を作製した。絶縁層を構成するAl
Nの層厚をフォトダイオードの層厚の3倍にし、雰囲気
温度を変化させ、多波長受光素子の分光感度特性の温度
変化を測定したところ、ステムに最も近いフォトダイオ
ードの波長シフトは10個とも627nmから643n
mと同一であったが他の吸収層からの受光ピークのシフ
トは素子間でまちまちであった。又、絶縁層16a、1
6bの厚さを1nmしたところ絶縁層としての機能が低
下し漏洩特性が悪化してしまった。又、絶縁層16a、
16bをAlyGa1-yNとし組成比yを変化させる実験
をしたところy=0.1で漏洩特性が悪化してしまっ
た。
【0037】尚、実施例では、上層部の受光面積を下層
部の受光面積より小さくしていることと、サファイア基
板は364nm〜653nmの光に対して透明で光を良
く透過することより基板側から光を入射したが、光吸収
層14a、14b、14c、14dおよび14eのIn
組成比xをxaa>xbb>xcc>xdd>xeeと
することにより上層部から入射する構造とすることも可
能である。尚、本実施例では、禁制帯幅の異なるInG
aN層を有する、5つの光フォトダイオードからなる構
造としたが、より多くの光フォトダイオードからなる構
造としてもよい。尚、本実施例では、フォトダイオード
BB、CCおよびフォトダイオードDD、EEの構造を
nipin構造としたがpinip構造としてもよい。
尚、本実施例では、フォトダイオードAAの構造をni
p構造としたがpin構造、nipin構造およびpi
nip構造としてもよい。
【0038】尚、上述ではバッファ層としてAlNを用
いたがGaN、AlGaNのバッファでも可能である。
尚、本実施例ではアクセプタとしてMg、ドナーとして
Siを用いたが他のドーパントでも良い。更に、本発明
は、本実施の形態に示した材料に限定されるものではな
くInxAlyGa1-x-yN(x=0、y=0、x=y=
0を含む)の他、そのN元素の一部(20%程度以下)
を、P、As、Sb等の他の元素で置換し、そのIII
族元素の一部(20%程度以下)を、Bなどの他の元素
で置換した多波長受光素子であっても、上記同様の効果
が得られる。
【0039】[実施例3]本実施例は、実施例2の変形
例であり、材料をInxAlyGa1-x-yN(x=0、y
=0、x=y=0を含む)からIn1-xGaxAsy1-y
(x=0、y=0、x=y=0を含む)と変えた多波長
受光素子である。本実施例の多波長受光素子では、実施
例2における基板11、バッファ層12、n層(13
a、13b、13c、13d、13e)、p層(15
a、15b、15c、15d、15e)をそれぞれ、I
nP基板、層厚500nmのInP、1μmのSiドー
プInP、1μmのBeドープInPに変えた。また実
施例2における光吸収層(14a、14b、14c、1
4d、14e)を0.1μmのノンドープIn1-xGax
Asy1-y層(組成比(x、y)は順に(0.0、0.
0)、(0.1、0.2)、(0.21、0.45)、
(0.28、0.6)、(0.47、1.0))に変え
た。
【0040】本構成により実施例2で説明した各半導体
層の禁制帯幅の相対的な大小関係は本実施例でも保たれ
る。また実施例2における絶縁層16a、16bは5n
mのFeドープInPに変えた。また実施例2における
n型電極17はAu−Geの合金に変え、p型電極18
はAu−Znの合金に変えた。各々のn型電極およびp
型電極はオーミック性電極である。
【0041】上記構成を有する多波長受光素子における
動作を説明する。この多波長受光素子に素子表面から9
18nm〜1650nmの範囲での異なる波長からなる
多重光を入射させる。各々のフォトダイオードIn1-x
GaxAsy1-y層の禁制帯幅は下層部に位置している
ものほど、禁制帯幅Egが小さいので上層部に位置する
フォトダイオードほど長波長の光を吸収する。吸収され
たひかりは電気信号に変換される。ここで絶縁層はフォ
トダイオード間を各々電気的に分離することで、をサイ
リスタ構造を避けることができ、電気的に扱いやすくな
っている。
【0042】雰囲気温度を100℃まで変化させ、本実
施例のの多波長受光素子の分光感度特性の温度変化を測
定したところ、絶縁層であるFeドープInPの熱伝導
係数が大きいため、10個の素子ともそれぞれのフォト
ダイオードの受光ピークが同一の波長にシフトした。従
来のInGaAsP系多波長受光素子でも同様の実験を
したところ素子間での受光ピークのシフトがまちまちで
あった。
【0043】尚、FeドープInP絶縁層の厚さだけを
変化させた同一構造の素子を 作製した。FeドープI
nP絶縁層の厚さを1nmとしたところ絶縁層としての
機能が低下し漏洩特性が悪化してしまった。また、Fe
ドープInP絶縁層絶縁層の厚さをフォトダイオードの
3倍の厚さにしたところ熱伝導率が高くなってしまい受
光ピークのシフトがまちまちになってしまった。
【0044】尚、本実施例では、禁制帯幅の異なるIn
1-xGaxAsy1-y層層を有する、5つのフォトダイオ
ードからなる構造としたが、より多くのフォトダイオー
ドからなる構造としてもよい。尚、本実施例ではアクセ
プタとしてBe、ドナーとしてSiを用いたが他のドー
パントでも良い。尚、本実施例は実施例2の変形例であ
るが実施例1の変形例も実施可能である。尚、光吸収層
をIn1-xGaxAsy1-y(x=0、y=0、x=y=
0を含む)とした多波長受光素子に関しても実施例1あ
るいは実施例2を変形することにより実施することが可
能である。
【0045】更に、本発明は、本実施の形態に示した材
料に限定されるものではなくV族元素の一部(20%程
度以下)を、N、Sb等の他の元素で置換し、そのII
I族元素の一部(20%程度以下)を、Bなどの他の元
素で置換した多波長受光素子であっても、上記同様の効
果が得られる。
【0046】[実施例4]図3に本実施例の多波長受光
素子の断面構造図を示す。同図において多波長受光素子
は基板21上に順次積層されたバッファ層22、フォト
ダイオードAAA、絶縁層26a、フォトダイオードB
BB、絶縁層26a、フォトダイオードCCC、絶縁層
26b、フォトダイオードDDD、フォトダイオードE
EEで構成されている。
【0047】フォトダイオードAAAはn層23a、光
吸収層24a、p層25aが順次積層された構成であ
る。フォトダイオードBBBはp層25b、n層23b
が順次積層された構成である。フォトダイオードCCC
はn層23c、p層25cが順次積層された構成であ
る。フォトダイオードDDDはn層23d、光吸収層2
4d、p層25dが順次積層された構成である。フォト
ダイオードEEEはp層25e、光吸収層24e、n層
23eが順次積層された構成である。
【0048】フォトダイオードAAAが有するp層25
aとフォトダイオードBBBが有するp層25bは共通
化されており、同様にフォトダイオードDDDが有する
p層25dとフォトダイオードEが有するp層25eと
は共通化されている。各々のフォトダイオードAAA、
BBB、CCC、DDDおよびEEEが有するn層23
a、23b、23c、23dおよび23eにはn型電極
27が形成されており、p層25a、25b、25c、
25dおよび25eにはp型電極28が形成されてい
る。
【0049】また、各々のフォトダイオードAAA、B
BB、CCC、DDDおよびEEEの受光帯域は異なっ
ており各々のフォトダイオードにおける受光帯域のピー
ク波長を、それぞれλaaa、λbbb、λccc、λ
dddおよびλeeeとするとλaaa<λbbb<λ
ccc<λddd<λeeeとなる様、設計されてい
る。
【0050】本実施例の多波長受光素子では基板21は
GaAs基板、バッファ層はGaAsバッファ層であ
る。フォトダイオードAAAを構成するn層23aは5
00nmのSiドープGaAs、光吸収層24aは2n
mのノンドープIn0.05Ga0.95As、p層25aは5
00nmのBeドープGaAsである。フォトダイオー
ドBBBを構成するp層25bは500nmのBeドー
プGaAs、n層23bは500nmのSiドープGa
Asである。フォトダイオードCCCを構成するn層2
3cは500nmのSiドープAl0.3Ga0.7As、p
層25cは500nmのBeドープAl0.3Ga0.7As
である。フォトダイオードDDDを構成するn層23d
は2000nmのSiドープGaN、光吸収層24dは
2nmノンドープIn0.7Ga0.3N、p層25dは50
0nmのMgドープGaNである。フォトダイオードE
EEを構成するp層25eは500nmのMgドープG
aN、光吸収層24eは2nmノンドープIn0.3Ga
0.7N、n層23eは500nmのSiドープGaNで
ある。
【0051】絶縁層26aは500nmのFeドープG
aAs、26bは500nmののAlNである。n型電
極27aはAu−Ge、27bはTi−Alの合金にて
形成されており、p型電極28aはAu−Zn、28b
はNi−Auの合金より形成されている。各々のn型電
極およびp型電極はオーミック性電極である。
【0052】上記構成を有する多波長受光素子における
動作を説明する。この多波長受光素子にフォトダイオー
ドEEE側から400nm〜1000nmの範囲での異
なる波長からなる多重光を入射させる。フォトダイオー
ドAAA、BBB、CCC、DDD、EEE各々の受光
帯域のピーク波長をそれぞれλaaa、λbbb、λc
cc、λdddおよびλeeeとするとλaaa<λb
bb<λccc<λddd<λeeeとなる。吸収され
た光は電気信号に変換される。ここで絶縁層26aはフ
ォトダイオードAAA、BBBとCCCの間を、絶縁層
26bはフォトダイオードCCCとDDD、EEEの間
を各々電気的に分離することで、サイリスタ構造を避け
ることができ、駆動回路のアースを共通にとることが可
能である。
【0053】尚、実施例では、上層部の受光面積を下層
部の受光面積より小さくしている。即ち、各フォトダイ
オードの受光面積を各々Saaa、Sbbb、Scc
c、SdddおよびSeeeとするとSaaa<Sbb
b<Sccc<Sddd<Seeeとなる。このことに
より各々のフォトダイオードAAA、BBB、CCC、
DDDおよびEEEで吸収されるべき波長の光が、他の
フォトダイオードに吸収されることを防ぐ。
【0054】本実施例の多波長受光素子においては絶縁
層としてFeドープGaAsおよびAlNを用いてい
る。GaAsの熱伝導率は60W/mK、AlNの熱伝
導率は300W/mKであり、本実施例の多波長受光素
子におけるフォトダイオードの熱伝導率60W/mKと
同等かそれ以上である。そのため、フォトダイオード間
の温度差を無くすることができ、吸収ピークのフォトダ
イオード間での相対変化量を一定にすることができる。
一方、従来絶縁層として用いているSiO2の熱伝導率
は、2W/mKとフォトダイオードに比べ熱伝導率が低
く、フォトダイオード間で温度差がついてしまってお
り、吸収ピークのフォトダイオード間での相対変化量が
ばらついていた。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の多波長受
光素子は熱伝導率の高い絶縁層を用いているために各フ
ォトダイオードの駆動が容易で、かつ、温度変化に対し
てフォトダイオード間での出力変動差が小さく、その産
業上の利用価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の多波長受光素子の構造を示
す模式断面図である。
【図2】本発明の他の実施例の多波長受光素子の構造を
示す模式断面図である。
【図3】本発明の他の実施例の多波長受光素子の構造を
示す模式断面図である。
【図4】実施例1に示した 多波長受光素子の分光感度
特性である。
【図5】実施例1に示した 温度の時間変化に対する受
光ピークシフト量のばらつきである。
【図6】従来の多波長光検出素子を示す模式断面図であ
る。
【図7】従来の他の多波長光検出素子を示す模式断面図
である。
【符号の説明】
1 基板 2 バッファ層 3a、3b、3c、3d、3e n層 4a、4b、4c、4d、4e 光吸収層 5a、5b、5c、5d、5e p層 6a、6b 絶縁層 7 n型電極 8 p型電極 10 光

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 p層とn層を含むフォトダイオードを複
    数もつ多波長受光素子において、第1のフォトダイオー
    ドと第2のフォトダイオードは絶縁層を介して形成され
    ており、絶縁層はフォトダイオードと同等かそれ以上の
    熱伝導率を持ち、絶縁層の厚さはフォトダイオードの厚
    さよりも小さいことを特徴とする多波長受光素子。
  2. 【請求項2】 第2のフォトダイオードと第3のフォト
    ダイオードはn層またはp層を共通とすることを特徴と
    する請求項1に記載の多波長受光素子。
  3. 【請求項3】 前記絶縁層はAlGaNである事を特徴
    とする請求項1または2に記載の多波長受光素子。
  4. 【請求項4】 前記フォトダイオードはIII族窒化物
    半導体(InAlGaN)で構成されていることを特徴
    とする請求項3に記載の多波長受光素子。
  5. 【請求項5】 前記絶縁層は不純物としてFeを含むI
    nGaAsP、不純物としてFeを含むInGaAlA
    sであり、前記フォトダイオードはInGaAsP、I
    nGaAlAsである事を特徴とする請求項1または2
    に記載の多波長受光素子。
  6. 【請求項6】 前記フォトダイオードの受光面積は光を
    入射する側が一番広く、順に狭くなるように構成されて
    おり、かつ前記フォトダイオードの禁制帯幅は光を入射
    する側が一番大きく順に小さくなるように構成されてい
    ることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の
    多波長受光素子。
  7. 【請求項7】 前記フォトダイオードから絶縁層までを
    エピタキシャル成長で形成することを特徴とする請求項
    1から6のいずれかに記載の多波長受光素子。
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