JP2000186277A - 酸化セリウム研磨剤及び基板の研磨法 - Google Patents
酸化セリウム研磨剤及び基板の研磨法Info
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Abstract
等の被研磨面を、高速に、平坦に研磨することが可能な
酸化セリウム研磨剤及びこの酸化セリウム研磨剤を使用
した半導体素子基板の研磨法を提供する。 【解決手段】 酸化セリウムを含み、酸化セリウム粒子
分に対する硫酸イオン濃度が5,000mg/kg以下であ
るスラリーからなる酸化セリウム研磨剤及びこの酸化セ
リウム研磨剤で、所定の基板を研磨することを特徴とす
る基板の研磨法。
Description
剤及び基板の研磨法を提供するものである。
プラズマ−CVD、低圧−CVD等の方法で形成される
酸化珪素絶縁膜等、無機絶縁膜層を平坦化するための化
学機械研磨剤として、コロイダルシリカ系の研磨剤が一
般的に検討されている。コロイダルシリカ系の研磨剤
は、シリカ粒子を四塩化珪酸の熱分解等の方法で粒成長
させ、アンモニア等のアルカリ金属を含まないアルカリ
溶液でpH調整を行って製造している。しかしながら、こ
の様な研磨剤は無機絶縁膜の研磨速度が充分な速度を持
たず、実用化には低研磨速度という技術課題がある。
て、酸化セリウム研磨剤が用いられている。酸化セリウ
ム粒子はシリカ粒子やアルミナ粒子に比べ硬度が低く、
したがって研磨表面に傷が入りにくいことから仕上げ鏡
面研磨に有用である。また、酸化セリウムは強い酸化剤
として知られるように、化学的活性な性質を有してい
る。この利点を活かし、絶縁膜用化学機械研磨剤への適
用が有用である。しかしながら、フォトマスク用ガラス
表面研磨用酸化セリウム研磨剤をそのまま無機絶縁膜研
磨に適用すると、一次粒子(結晶子)径が大きく、その
ため絶縁膜表面に目視で観察できる研磨傷が入ってしま
う。また、酸化セリウム粒子は理論比重が7.2と大き
いことから沈降しやすい。そのことから研磨時の研磨剤
供給濃度むら、供給管での詰まり等の問題が生じる。
していて、つねに酸化珪素絶縁膜等の被研磨面を、高速
に、平坦に研磨することが可能な酸化セリウム研磨剤及
びこの酸化セリウム研磨剤を使用した半導体素子基板の
研磨法を提供する。
存在が、研磨特性に悪影響を及ぼすことを発見してなさ
れたものである。酸化セリウムへの硫酸イオンの混入
は、例えば、酸化セリウムの原料である炭酸セリウムの
製造・精製時に硫酸を使用することに起因する。
る硫酸イオン濃度が5,000mg/kg以下であるスラリ
ーからなる酸化セリウム研磨剤。 (2)酸化セリウム粒子分に対するスラリー中の硫酸イ
オン濃度が1,500mg/kg以下である項(1)記載の
酸化セリウム研磨剤。 (3)スラリーが分散剤を含む項(1)又は(2)記載
の酸化セリウム研磨剤。 (4)スラリーが媒体として水を含む項(1)〜(3)
のいずれかに記載の酸化セリウム研磨剤。 (5)分散剤が水溶性有機高分子、水溶性陰イオン性界
面活性剤、水溶性非イオン性界面活性剤及び水溶性アミ
ンから選ばれる少なくとも1種の化合物である項3記載
の酸化セリウム研磨剤。 (6)pHが7以上10以下である項(1)〜(5)のい
ずれかに記載の酸化セリウム研磨剤。
の酸化セリウム研磨剤で、所定の基板を研磨することを
特徴とする基板の研磨法。 (8)所定の基板が酸化珪素絶縁膜の形成された半導体
素子である項(7)記載の基板の研磨法。
硫酸塩、蓚酸塩等のセリウム化合物を焼成することによ
って得られる。TEOS−CVD法等で形成される酸化
珪素絶縁膜は一次粒子(結晶子)径が大きく、かつ結晶
歪が少ないほど、すなわち結晶性がよいほど高速研磨が
可能であるが、研磨傷が入りやすい傾向がある。そこ
で、本発明で用いる酸化セリウム粒子は、あまり結晶性
を上げないで作製される。また、半導体チップ研磨に使
用することから、アルカリ金属およびハロゲン類の含有
率は1ppm以下に抑えることが好ましい。本発明の研磨
剤は高純度のもので、Na、K、Si、Mg、Ca、Z
r、Ti、Ni、Cr、Feはそれぞれ1ppm以下、A
lは10ppm以下であることが好ましい。
する方法として焼成法が使用できる。ただし、研磨傷が
入らない粒子を作製するために、できるだけ結晶性を上
げない低温焼成が好ましい。セリウム化合物の酸化温度
が300℃であることから、焼成温度は600℃以上9
00℃以下が好ましい。炭酸セリウムを600℃以上9
00℃以下で5〜300分、酸素ガス等の酸化雰囲気で
焼成すること好ましい。
等の乾式粉砕、ビ−ズミル等の湿式粉砕で粉砕すること
ができる。ジェットミルは例えば化学工業論文集第6巻
第5号(1980)527〜532頁に説明されている。焼成酸化
セリウムをジェットミル等の乾式粉砕等で粉砕した酸化
セリウム粒子には、一次粒子(結晶子)サイズの小さい
粒子と一次粒子(結晶子)サイズまで粉砕されていない
多結晶体が含まれ、この多結晶体は一次粒子(結晶子)
が再凝集した凝集体とは異なっており、2つ以上の一次
粒子(結晶子)から構成され結晶粒界を有している。こ
の結晶粒界を有す多結晶体を含む研磨剤で研磨を行う
と、研磨時の応力により破壊され活性面を発生すると推
定され、酸化珪素絶縁膜等の被研磨面を傷なく高速に研
磨することに寄与していると考えられる。
上記の方法により製造された酸化セリウム粒子を含有す
る水溶液又はこの水溶液から回収した酸化セリウム粒
子、水及び必要に応じて分散剤からなる組成物を分散さ
せることによって得られる。ここで、酸化セリウム粒子
の濃度に制限は無いが、懸濁液(研磨剤)の取り扱い易
さから0.5〜10重量%の範囲が好ましい。また分散
剤としては、水溶性有機高分子、水溶性陰イオン性界面
活性剤、水溶性非イオン性界面活性剤及び水溶性アミン
がある。例えば、アクリル酸アンモニウム塩とアクリル
酸メチルの共重合体、特に重量平均分子量(標準ポリス
チレンの検量線を用いたゲルパーミエーションクロマト
グラフィーにより測定、以下同じ)1000〜2000
0のアクリル酸アンモニウム塩とアクリル酸メチルの共
重合体がある。これらの分散剤の添加量は、スラリー中
の粒子の分散性及び沈降防止性等から、酸化セリウム粒
子100重量部に対して0.01重量部から5重量部の
範囲が好ましく、その分散効果を高めるためには、分散
処理時に分散機の中に粒子と同時に入れることが好まし
い。
リル酸アンモニウム塩とアクリル酸メチルの共重合体を
用いる場合、分散剤を酸化セリウム粒子100重量部に
対して0.01以上5.00重量部以下添加することが
好ましく、その重量平均分子量は1000〜20000
が好ましい。アクリル酸アンモニウム塩とアクリル酸メ
チルとのモル比は0.1以上0.9以下が好ましい。ア
クリル酸アンモニウム塩とアクリル酸メチルの共重合体
が酸化セリウム粒子100重量部に対して0.01重量
部未満では沈降し易く、5重量部より多いと再凝集によ
る粒度分布の経時変化が生じやすい。また、重量平均分
子量が20000を超えると再凝集による粒度分布の経
時変化が生じやすい。
せる方法としては、通常の撹拌機による分散処理の他
に、超音波分散機、ホモジナイザー、ボールミル等を用
いることができる。サブミクロンオーダの酸化セリウム
粒子を分散させるためには、ボールミル、振動ボールミ
ル、遊星ボールミル、媒体撹拌式ミル等の湿式分散機を
用いることが好ましい。また、スラリーのアルカリ性を
高めたい場合には、分散処理時又は処理後に、アンモニ
ア水などの金属イオンを含まないアルカリ性物質を添加
することができる。
濃度は酸化セリウム粒子分に対して5,000mg/kg以
下であり、好ましくは1,500mg/kg以下、さらに好
ましくは1,000mg/kg以下であり、特に好ましくは
300mg/kg以下である。硫酸イオンの濃度が5,00
0mg/kgを越えると、セリウム粒子の分散性が悪くな
り、再凝集による粒度分布の経時変化が生じ、結果とし
て研磨傷を付けやすくなる。本発明のスラリーに含まれ
る硫酸イオンの濃度は、イオンクロマトグラフ法(たと
えば横河電機製IC−7000を用いる)により測定す
ることができる。なお、測定試料はスラリーに脱イオン
水を加え、硫酸イオンを抽出し、濾過をした濾過液とす
る。
が好ましく、8以上9以下がより好ましい。
無機絶縁膜の作製方法として、定圧CVD法、プラズマ
CVD法等が挙げられる。定圧CVD法による酸化珪素
絶縁膜形成は、Si源としてモノシラン:SiH4、酸
素源として酸素:O2を用いる。このSiH4−O2系酸
化反応を、400℃程度以下の低温で行わせることによ
り得られる。高温リフローによる表面平坦化を図るため
に、リン:Pをドープするときには、SiH4−O2−P
H3系反応ガスを用いることが好ましい。プラズマCD
法は、通常の熱平衡下では高温を必要とする化学反応が
低温でできる利点を有する。プラズマ発生法には、容量
結合型と誘導結合型の2つが挙げられる。反応ガスとし
ては、Si源としてSiH4、酸素源としてN2Oを用い
たSiH4−N2O系ガスとテトラエトキシシラン(TE
OS)を、Si源に用いたTEOS−O2系ガス(TE
OS−プラズマCVD法)が挙げられる。基板温度は2
50℃〜400℃、反応圧力は67〜400Paの範囲が
好ましい。このように、本発明の酸化珪素絶縁膜にはリ
ン、ホウ素等の元素がド−プされていても良い。
路素子とアルミニウム配線が形成された段階の半導体基
板、回路素子が形成された段階の半導体基板等の半導体
基板上に酸化珪素絶縁膜層が形成された基板等が使用で
きる。このような半導体基板上に形成された酸化珪素絶
縁膜層を、上記酸化セリウム研磨剤で研磨することによ
って、酸化珪素絶縁膜層表面の凹凸を解消し、半導体基
板全面に渡って平滑な面とする。ここで、研磨する装置
としては、半導体基板を保持するホルダーと研磨布(パ
ッド)を貼り付けた(回転数が変更可能なモータ等を取
り付けてある)定盤を有する一般的な研磨装置が使用で
きる。研磨布としては、一般的な不織布、発泡ポリウレ
タン、多孔質フッ素樹脂などが使用でき、特に制限がな
い。また、研磨布にはスラリーが溜まる様な溝加工を施
すことが好ましい。研磨条件には制限はないが、ホルダ
ーと定盤の回転速度は、半導体基板が飛び出さない様に
それぞれ100rpm以下の低回転が好ましく、半導体基
板にかける圧力は、研磨後に傷が発生しない様に1kg/c
m2以下が好ましい。研磨している間、研磨布にはスラリ
ーをポンプ等で連続的に供給する。この供給量に制限は
ないが、研磨布の表面が常にスラリーで覆われているこ
とが好ましい。
洗浄後、スピンドライヤ等を用いて半導体基板上に付着
した水滴を払い落としてから乾燥させることが好まし
い。このようにして平坦化された酸化珪素絶縁膜層の上
に、第2層目のアルミニウム配線を形成し、その配線間
および配線上に再度上記方法により、酸化珪素絶縁膜を
形成後、上記酸化セリウム研磨剤を用いて研磨すること
によって、絶縁膜表面の凹凸を解消し、半導体基板全面
に渡って平滑な面とする。この工程を所定数繰り返すこ
とにより、所望の層数の半導体を製造する。
板に形成された酸化珪素絶縁膜だけでなく、所定の配線
を有する配線板に形成された酸化珪素絶縁膜、ガラス、
窒化ケイ素等の無機絶縁膜、フォトマスク・レンズ・プ
リズム等の光学ガラス、ITO等の無機導電膜、ガラス
及び結晶質材料で構成される光集積回路・光スイッチン
グ素子・光導波路、光ファイバ−の端面、シンチレ−タ
等の光学用単結晶、固体レ−ザ単結晶、青色レ−ザ用L
EDサファイア基板、SiC、GaP、GaAS等の半
導体単結晶、磁気ディスク用ガラス基板、磁気ヘッド等
を研磨するために使用される。
は、酸化珪素絶縁膜が形成された半導体基板、酸化珪素
絶縁膜が形成された配線板、ガラス、窒化ケイ素等の無
機絶縁膜、フォトマスク・レンズ・プリズム等の光学ガ
ラス、ITO等の無機導電膜、ガラス及び結晶質材料で
構成される光集積回路・光スイッチング素子・光導波
路、光ファイバ−の端面、シンチレ−タ等の光学用単結
晶、固体レ−ザ単結晶、青色レ−ザ用LEDサファイア
基板、SiC、GaP、GaAS等の半導体単結晶、磁
気ディスク用ガラス基板、磁気ヘッド等を含む。
で1時間空気中で焼成することにより黄白色の粉末を約
1kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったとこ
ろ酸化セリウムであることを確認した。焼成粉末粒子径
は30〜100ミクロンであった。焼成粉末粒子表面を
走査型電子顕微鏡で観察したところ、酸化セリウムの粒
界が観察された。酸化セリウム粉末1kgをジェットミル
を用いて乾式粉砕を行った。多結晶体の比表面積をBE
T法により測定した結果、9m2/gであることがわかっ
た。
2) 炭酸セリウム水和物2kgを白金製容器に入れ、830℃
で1時間空気中で焼成することにより黄白色の粉末を約
1kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったとこ
ろ酸化セリウムであることを確認した。焼成粉末粒子径
は30〜100ミクロンであった。焼成粉末粒子表面を
走査型電子顕微鏡で観察したところ、酸化セリウムの粒
界が観察された。酸化セリウム粉末1kgをジェットミル
を用いて乾式粉砕を行った。多結晶体の比表面積をBE
T法により測定した結果、10m2/gであることがわかっ
た。
セリウム水和物2kgを白金製容器に入れ、800℃で2
時間空気中で焼成することにより黄白色の粉末を約1kg
得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ酸
化セリウムであることを確認した。焼成粉末粒子径は3
0〜100ミクロンであった。焼成粉末粒子表面を走査
型電子顕微鏡で観察したところ、酸化セリウムの粒界が
観察された。酸化セリウム粉末1kgをジェットミルを用
いて乾式粉砕を行った。多結晶体の比表面積をBET法
により測定した結果、21m2/gであることがわかった。
化セリウム粒子の作製例1〜3で作製した3種類の酸化
セリウム粒子1000gとアクリル酸とアクリル酸メチ
ルを3:1(モル比)で共重合した分子量10,000
のポリアクリル酸共重合体のアンモニウム塩水溶液(4
0重量%)23gと脱イオン水8977gを混合し、撹
拌をしながら超音波分散を行った。超音波周波数は40
kHzで、分散時間10分で分散を行った。得られたスラ
リーを1ミクロンフィルターでろ過し、さらに脱イオン
水を加えることにより5.0重量%の酸化セリウムスラ
リーを得た。
3について、順にそれぞれ8.0、8.4及び8.2で
あった。BET法によるスラリー粒子の比表面積測定の
結果、作製例1〜3について、順にそれぞれ9m2/g、1
0m2/g及び23m2/gであった。また研磨時に攪拌するこ
とにより、この酸化セリウムスラリーには濃度むらが生
じなかった。酸化セリウムスラリーの濃度はスラリーの
重量中、酸化セリウム粒子の重量が占める割合から求め
た。酸化セリウム粒子の重量は、スラリーを150℃で
加熱して水を蒸発させて残った固形分重量とした。
ウムスラリーの作製1〜3で作製した3種類の酸化セリ
ウムスラリー0.3gそれぞれに脱イオン水10gを加
え、硫酸イオンを抽出し、濾過をした。この濾過液をイ
オンクロマトグラフ法(たとえば横河電機製IC−70
00を用いる)で測定したところ、硫酸イオンの濃度は
酸化セリウム粒子分に対して、作製例1〜3について、
順にそれぞれ3,200mg/kg、980mg/kg及び280
mg/kgであった。
VD法で作製した酸化珪素絶縁膜を形成させたSiウエ
ハをセットし、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッドを貼
り付けた定盤上に、絶縁膜面を下にしてホルダーを載
せ、さらに加工荷重が300g/cm2になるように重しを
載せた。上記の3種類の酸化セリウムスラリーを脱イオ
ン水で5倍に希釈したスラリー(固形分:1重量%)を
容器に入れ、攪拌しながらポンプで配管を通じて定盤上
に供給できるようにした。このとき、容器、配管内とも
に沈降は見られなかった。定盤上にスラリーを50cc/m
inの速度で滴下しながら、定盤を30rpmで1分間回転
させ、絶縁膜を研磨した。
流水で良く洗浄後、超音波洗浄機によりさらに20分間
洗浄した。洗浄後、ウエハをスピンドライヤーで水滴を
除去し、120℃の乾燥機で10分間乾燥させた。光干
渉式膜厚測定装置を用いて、研磨前後の膜厚変化を測定
した結果、この研磨により、作製例1〜3について、順
にそれぞれ192nm、214nm及び143nm(作製例1
〜3について、順に研磨速度が192nm/min、214nm
/min及び143nm/min)の絶縁膜が削られ、ウエハ全面
に渡って均一の厚みになっていることがわかった。ま
た、光学顕微鏡を用いて絶縁膜表面を観察したところ、
明確な傷は見られなかった。
測定を行ったところ酸化セリウム粒子の平均粒径は、作
製例1〜3について、順にそれぞれ0.20μm、0.
19μm及び0.20μmであった。研磨剤を3ヶ月
間、室温で保管した。その後、攪拌により均一な濃度分
布に戻し、レーザー回折粒度分布測定を行ったところ、
酸化セリウム粒子の平均粒径は、作製例1〜3につい
て、順にそれぞれ0.27μm、0.19μm及び0.
20μmであった。また、研磨剤を6ヶ月間、室温で保
管した。その後、攪拌により均一な濃度分布に戻し、レ
ーザー回折粒度分布測定を行ったところ、酸化セリウム
粒子の平均粒径は、作製例1〜3について、順にそれぞ
れ0.26μm、0.26μm及び0.20μmで、作
製例1〜3について、順に粒径が変化しづらくなること
がわかった。
化セリウム粒子の作製で作製した酸化セリウム粒子10
00gとアクリル酸とアクリル酸メチルを3:1で共重
合した分子量10,000のポリアクリル酸アンモニウ
ム塩水溶液(40重量%)23gと脱イオン水8977
gを混合し、撹拌をしながら超音波分散を行った。超音
波周波数は40kHzで、分散時間10分で分散を行っ
た。得られたスラリーを1ミクロンフィルターでろ過
し、さらに脱イオン水を加えることにより5.0重量%
の酸化セリウムスラリーを得た。
た。BET法によるスラリー粒子の比表面積測定の結
果、8m2/gであった。また研磨時に攪拌することによ
り、この酸化セリウムスラリーには濃度むらが生じなか
った。酸化セリウムスラリーの濃度はスラリーの重量
中、酸化セリウム粒子の重量が占める割合から求めた。
酸化セリウム粒子の重量は、スラリーを150℃で加熱
して水を蒸発させて残った固形分重量とした。
ウムスラリーの作製で作製した2種類の酸化セリウムス
ラリー0.3gに脱イオン水10gを加え、硫酸イオン
を抽出し、濾過をした。この濾過液をイオンクロマトグ
ラフ法(たとえば横河電機製IC−7000を用いる)
で測定したところ、硫酸イオンの濃度は酸化セリウム粒
子分に対して、5000mg/kgだった。
VD法で作製した酸化珪素絶縁膜を形成させたSiウエ
ハをセットし、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッドを貼
り付けた定盤上に、絶縁膜面を下にしてホルダーを載
せ、さらに加工荷重が300g/cm2になるように重しを
載せた。上記の2種類の酸化セリウムスラリーを脱イオ
ン水で5倍に希釈したスラリー(固形分:1重量%)を
容器に入れ、攪拌しながらポンプで配管を通じて定盤上
に供給できるようにした。このとき、容器、配管内とも
に沈降は見られなかった。定盤上にスラリーを50cc/m
inの速度で滴下しながら、定盤を30rpmで1分間回転
させ、絶縁膜を研磨した。
流水で良く洗浄後、超音波洗浄機によりさらに20分間
洗浄した。洗浄後、ウエハをスピンドライヤーで水滴を
除去し、120℃の乾燥機で10分間乾燥させた。光干
渉式膜厚測定装置を用いて、研磨前後の膜厚変化を測定
した結果、この研磨によりそれぞれ213nm(研磨速
度:213nm/min)の絶縁膜が削られ、ウエハ全面に渡
って均一の厚みになっていることがわかった。また、光
学顕微鏡を用いて絶縁膜表面を観察したところ、明確な
傷は観測されなかった。
測定を行ったところ酸化セリウム粒子の平均粒径は0.
19μmだった。研磨剤を3ヶ月間、室温で保管した。
その後、攪拌により均一な濃度分布に戻し、レーザー回
折粒度分布測定を行ったところ、酸化セリウム粒子の平
均粒径は0.27μmだった。また、研磨剤を6ヶ月
間、室温で保管した。その後、攪拌により均一な濃度分
布に戻し、レーザー回折粒度分布測定を行ったところ、
酸化セリウム粒子の平均粒径は0.33μmだった。以
上から研磨剤の保存安定性は、実施例に比べて時間とと
もに粒径が大きくなるということで、悪くなることがわ
かった。
常に安定して酸化珪素絶縁膜等の被研磨面を、高速かつ
平坦に、傷なく研磨することが可能という効果を有す。
また、請求項2の研磨剤はさらに保存安定性が高い。請
求項3の研磨剤は請求項1または2と同様の効果を有
し、さらに酸化セリウム粒子の分散性が優れている。請
求項4の研磨剤は請求項1〜3と同様の効果を有し、さ
らに安全で、取り扱いが容易である。請求項5の研磨剤
は請求項3と同様の効果を有し、さらに水中での酸化セ
リウムの分散性が高い。請求項6の研磨剤は請求項1〜
5と同様の効果を有し、さらに高い分散性と保存安定性
を持つ。
磨が可能になる。請求項8の研磨法は請求項7と同様の
効果を有し、酸化珪素絶縁膜の形成された半導体素子の
酸化珪素絶縁膜を高速かつ平坦に、傷なく研磨すること
が可能という効果を有す。
Claims (8)
- 【請求項1】 酸化セリウムを含み、酸化セリウム粒子
分に対する硫酸イオン濃度が5,000mg/kg以下であ
るスラリーからなる酸化セリウム研磨剤。 - 【請求項2】 酸化セリウム粒子分に対するスラリー中
の硫酸イオン濃度が1,500mg/kg以下である請求項
1記載の酸化セリウム研磨剤。 - 【請求項3】 スラリーが分散剤を含む請求項1又は2
記載の酸化セリウム研磨剤。 - 【請求項4】 スラリーが媒体として水を含む請求項1
〜3のいずれかに記載の酸化セリウム研磨剤。 - 【請求項5】 分散剤が水溶性有機高分子、水溶性陰イ
オン性界面活性剤、水溶性非イオン性界面活性剤及び水
溶性アミンから選ばれる少なくとも1種の化合物である
請求項3記載の酸化セリウム研磨剤。 - 【請求項6】 pHが7以上10以下である請求項1〜5
のいずれかに記載の酸化セリウム研磨剤。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の酸化セ
リウム研磨剤で、所定の基板を研磨することを特徴とす
る基板の研磨法。 - 【請求項8】 所定の基板が酸化珪素絶縁膜の形成され
た半導体素子である請求項7記載の基板の研磨法。
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