JP2000186276A - 酸化セリウム研磨剤及び基板の研磨法 - Google Patents

酸化セリウム研磨剤及び基板の研磨法

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剛史 櫻田
Yugo Kumagai
雄五 熊谷
Jun Matsuzawa
純 松沢
Masato Yoshida
誠人 吉田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 取り扱いが容易で、酸化珪素絶縁膜等の被研
磨面を、平坦に、高速に研磨することが可能な酸化セリ
ウム研磨剤及びこの酸化セリウム研磨剤を使用した半導
体素子基板の研磨法を提供する。 【解決手段】 酸化セリウムを含み、最大沈降速度が2
0μm/s以下であるスラリーからなる酸化セリウム研磨
剤及びこの酸化セリウム研磨剤で、所定の基板を研磨す
ることを特徴とする基板の研磨法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化セリウム研磨
剤及び基板の研磨法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体装置の製造工程において、
プラズマ−CVD、低圧−CVD等の方法で形成される
酸化珪素2絶縁膜等無機絶縁膜層を平坦化するための化
学機械研磨剤として、コロイダルシリカ系の研磨剤が一
般的に検討されている。コロイダルシリカ系の研磨剤
は、シリカ粒子を四塩化珪酸の熱分解等の方法で粒成長
させ、アンモニア等のアルカリ金属を含まないアルカリ
溶液でpH調整を行って製造している。しかしながら、
この様な研磨剤は無機絶縁膜の研磨速度が充分な速度を
持たず、実用化には低研磨速度という技術課題がある。
【0003】一方、フォトマスク用ガラス表面研磨とし
て、酸化セリウム研磨剤が用いられている。酸化セリウ
ム粒子はシリカ粒子やアルミナ粒子に比べ硬度が低く、
したがって研磨表面に傷が入りにくいことから仕上げ鏡
面研磨に有用である。また、酸化セリウムは強い酸化剤
として知られるように、化学的活性な性質を有してい
る。この利点を活かし、絶縁膜用化学機械研磨剤への適
用が有用である。しかしながら、フォトマスク用ガラス
表面研磨用酸化セリウム研磨剤をそのまま無機絶縁膜研
磨に適用すると、一次粒子(結晶子)径が大きく、その
ため絶縁膜表面に目視で観察できる研磨傷が入ってしま
う。また、酸化セリウム粒子は理論比重が7.2と大き
いことから沈降しやすい。そのことから研磨時の研磨剤
供給濃度むら、供給管での詰まり等の問題が生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は取り扱いが容
易で、酸化珪素絶縁膜等の被研磨面を、平坦に、高速に
研磨することが可能な酸化セリウム研磨剤及びこの酸化
セリウム研磨剤を使用した半導体素子基板の研磨法を提
供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、次のものに関
する。 (1)酸化セリウムを含み、最大沈降速度が20μm/s
以下であるスラリーからなる酸化セリウム研磨剤。 (2)スラリーが分散剤を含む項(1)記載の酸化セリ
ウム研磨剤。 (3)スラリーが媒体として水を含む項(1)又は
(2)記載の酸化セリウム研磨剤。 (4)分散剤が水溶性有機高分子、水溶性陰イオン性界
面活性剤、水溶性非イオン性界面活性剤及び水溶性アミ
ンから選ばれる少なくとも1種の化合物である項(2)
記載の酸化セリウム研磨剤。 (5)pHが7以上10以下である項(1)〜(4)のい
ずれかに記載の酸化セリウム研磨剤。
【0006】(6)項(1)〜(5)のいずれかに記載
の酸化セリウム研磨剤で、所定の基板を研磨することを
特徴とする基板の研磨法。 (7)所定の基板が酸化珪素絶縁膜の形成された半導体
素子である項(6)記載の基板の研磨法。
【0007】
【発明の実施の形態】一般に酸化セリウムは、炭酸塩、
硫酸塩、蓚酸塩等のセリウム化合物を焼成することによ
って得られる。TEOS−CVD法等で形成される酸化
珪素絶縁膜は一次粒子(結晶子)径が大きく、かつ結晶
歪が少ないほど、すなわち結晶性がよいほど高速研磨が
可能であるが、研磨傷が入りやすい傾向がある。そこ
で、本発明で用いる酸化セリウム粒子は、あまり結晶性
を上げないで作製される。また、半導体チップ研磨に使
用することから、アルカリ金属およびハロゲン類の含有
率は1ppm以下に抑えることが好ましい。本発明の研磨
剤は高純度のもので、Na、K、Si、Mg、Ca、Z
r、Ti、Ni、Cr、Feはそれぞれ1ppm以下、A
lは10ppm以下であることが好ましい。
【0008】本発明において、酸化セリウム粒子を作製
する方法として焼成法が使用できる。ただし、研磨傷が
入らない粒子を作製するために、できるだけ結晶性を上
げない低温焼成が好ましい。セリウム化合物の酸化温度
が300℃であることから、焼成温度は600℃以上9
00℃以下が好ましい。炭酸セリウムを600℃以上9
00℃以下で60〜120分、空気中で焼成することが
好ましい。
【0009】焼成された酸化セリウムは、ジェットミル
等の乾式粉砕、ビ−ズミル等の湿式粉砕で粉砕すること
ができる。ジェットミルは例えば化学工業論文集第6巻
第5号(1980)527〜532頁に説明されている。焼成酸化
セリウムをジェットミル等の乾式粉砕等で粉砕した酸化
セリウム粒子には、一次粒子(結晶子)サイズの小さい
粒子と一次粒子(結晶子)サイズまで粉砕されていない
多結晶体が含まれ、この多結晶体は一次粒子(結晶子)
が再凝集した凝集体とは異なっており、2つ以上の一次
粒子(結晶子)から構成され結晶粒界を有している。こ
の結晶粒界を有す多結晶体を含む研磨剤で研磨を行う
と、研磨時の応力により破壊され活性面を発生すると推
定され、酸化珪素絶縁膜等の被研磨面を傷なく高速に研
磨することに寄与していると考えられる。
【0010】本発明における酸化セリウムスラリーは、
上記の方法により製造された酸化セリウム粒子を含有す
る水溶液又はこの水溶液から回収した酸化セリウム粒
子、水及び必要に応じて分散剤からなる組成物を分散さ
せることによって得られる。ここで、酸化セリウム粒子
の濃度に制限は無いが、懸濁液(研磨剤)の取り扱い易
さから0.5〜10%の範囲が好ましい。さらに、保存
安定性を得るためには1〜5%の範囲が好ましい。また
分散剤としては、水溶性有機高分子、水溶性陰イオン性
界面活性剤、水溶性非イオン性界面活性剤、水溶性アミ
ン等がある。例えば、アクリル酸アンモニウム塩とアク
リル酸メチルの共重合体、特に重量平均分子量(標準ポ
リスチレンの検量線を用いたゲルパーミエーションクロ
マトグラフィーにより測定、以下同じ)1000〜20
000のアクリル酸アンモニウム塩とアクリル酸メチル
の共重合体がある。これらの分散剤の添加量は、スラリ
ー中の粒子の分散性及び沈降防止性等から、酸化セリウ
ム粒子100重量部に対して0.01重量部から5重量
部の範囲が好ましく、その分散効果を高めるためには、
分散処理時に分散機の中に粒子と同時に入れることが好
ましい。
【0011】これらの酸化セリウム粒子を水中に分散さ
せる方法としては、通常の撹拌機による分散処理の他
に、超音波分散機、ホモジナイザー、ボールミル等を用
いることができる。サブミクロンオーダの酸化セリウム
粒子を分散させるためには、ボールミル、振動ボールミ
ル、遊星ボールミル、媒体撹拌式ミル等の湿式分散機を
用いることが好ましい。また、スラリーのアルカリ性を
高めたい場合には、分散処理時又は処理後に、アンモニ
ア水などの金属イオンを含まないアルカリ性物質を添加
することができる。
【0012】本発明のスラリーに含まれる分散剤にアク
リル酸アンモニウム塩とアクリル酸メチルの共重合体を
用いる場合、分散剤を酸化セリウム粒子100重量部に
対して0.01以上5.00重量部以下添加することが
好ましく、その重量平均分子量は1000〜20000
が好ましい。アクリル酸アンモニウム塩とアクリル酸メ
チルとのモル比は0.1以上0.9以下が好ましい。ア
クリル酸アンモニウム塩とアクリル酸メチルの共重合体
が酸化セリウム粒子100重量部に対して0.01重量
部未満では沈降し易く、5重量部より多いと再凝集によ
る粒度分布の経時変化が生じやすい。また、重量平均分
子量が20000を超えると再凝集による粒度分布の経
時変化が生じやすい。
【0013】本発明のスラリーに分散される結晶粒界を
有する酸化セリウム粒子径の中央値は60〜1500nm
が好ましく、一次粒子(結晶子)径の中央値は30〜2
50nmが好ましい。結晶粒界を有する酸化セリウム粒子
径の中央値が60nm未満、又は一次粒子(結晶子)径の
中央値が30nm未満であれば、酸化珪素絶縁膜等の被研
磨面を高速に研磨することができ難くなる傾向があり、
結晶粒界を有する酸化セリウム粒子径の中央値が150
0nmを越える、又は一次粒子(結晶子)の中央値が25
0nmを越えると、酸化珪素絶縁膜等の被研磨面に傷が発
生し易くなる。結晶粒界を有する酸化セリウム粒子径の
最大値が3000nmを超えると、酸化珪素絶縁膜等の被
研磨面に傷が発生し易くなる。結晶粒界を有する酸化セ
リウム粒子は、全酸化セリウム粒子の5〜100体積%
であることが好ましく、5体積%未満の場合は酸化珪素
絶縁膜等の被研磨面に傷が発生し易くなる。
【0014】上記の酸化セリウム粒子では、一次粒子
(結晶子)の最大径は600nm以下が好ましく、一次粒
子(結晶子)径は10〜600nmであることが好まし
い。一次粒子(結晶子)が600nmを越えると傷が発生
し易く、10nm未満であると研磨速度が小さくなる傾向
にある。
【0015】本発明のスラリ−のpHは、7以上10以下
が好ましく、8以上9以下がより好ましい。
【0016】本発明におけるスラリーの沈降速度の測定
は、酸化セリウムを含むスラリーを容器等(深さが40
cm以上のもの、上から見た内側の面積が10cm2以上で
あることが好ましい)に入れて静置し、直後に、液面下
20cmの位置から10mlのスラリーを採取して、酸化セ
リウムの濃度を測定した。同様の操作を、一定時間毎又
は特定の時間毎に行い、時間と濃度の関係を調べ、濃度
がスラリー全体の初期濃度から小さくなる瞬間の時間を
決定し、この時間で20cmを除することにより求めるこ
とができる。この場合、測定した濃度がスラリー全体の
初期濃度と一致する場合は、スラリーの最大沈降速度
は、その時の測定時間(上記の静置直後からサンプル採
取までの時間)で20cmを除したときの価以下になる。
また、上記の方法で、酸化セリウムを含むスラリーの平
均沈降速度を上記のようにして測定した濃度が半分に減
少するまでに要した時間で20cmを除した値として定義
する。
【0017】本発明において、スラリーの最大沈降速度
が、20μm/sを越えると、研磨傷の発生が多くなる。
また、この観点から、スラリーの最大沈降速度が、15
μm/s以下であることが好ましい。
【0018】本発明の酸化セリウム研磨剤が使用される
無機絶縁膜の作製方法として、定圧CVD法、プラズマ
CVD法等が挙げられる。定圧CVD法による酸化珪素
絶縁膜形成は、Si源としてモノシラン:SiH4、酸
素源として酸素:O2を用いる。このSiH4−O2系酸
化反応を、400℃程度以下の低温で行わせることによ
り得られる。高温リフローによる表面平坦化を図るため
に、リン:Pをドープするときには、SiH4−O2−P
3系反応ガスを用いることが好ましい。プラズマCD
法は、通常の熱平衡下では高温を必要とする化学反応が
低温でできる利点を有する。プラズマ発生法には、容量
結合型と誘導結合型の2つが挙げられる。反応ガスとし
ては、Si源としてSiH4、酸素源としてN2Oを用い
たSiH4−N2O系ガスとテトラエトキシシラン(TE
OS)を、Si源に用いたTEOS−O2系ガス(TE
OS−プラズマCVD法)が挙げられる。基板温度は2
50℃〜400℃、反応圧力は67〜400Paの範囲が
好ましい。このように、本発明の酸化珪素絶縁膜にはリ
ン、ホウ素等の元素がド−プされていても良い。
【0019】所定の基板として、半導体基板すなわち回
路素子とアルミニウム配線が形成された段階の半導体基
板、回路素子が形成された段階の半導体基板等の半導体
基板上に酸化珪素絶縁膜層が形成された基板等が使用で
きる。このような半導体基板上に形成された酸化珪素絶
縁膜層を、上記酸化セリウム研磨剤で研磨することによ
って、酸化珪素絶縁膜層表面の凹凸を解消し、半導体基
板全面に渡って平滑な面とする。ここで、研磨する装置
としては、半導体基板を保持するホルダーと研磨布(パ
ッド)を貼り付けた(回転数が変更可能なモータ等を取
り付けてある)定盤を有する一般的な研磨装置が使用で
きる。研磨布としては、一般的な不織布、発泡ポリウレ
タン、多孔質フッ素樹脂などが使用でき、特に制限がな
い。また、研磨布にはスラリーが溜まる様な溝加工を施
すことが好ましい。研磨条件には制限はないが、ホルダ
ーと定盤の回転速度は、半導体基板が飛び出さない様に
それぞれ100rpm以下の低回転が好ましく、半導体基
板にかける圧力は、研磨後に傷が発生しない様に1kg/c
m2以下が好ましい。研磨している間、研磨布にはスラリ
ーをポンプ等で連続的に供給する。この供給量に制限は
ないが、研磨布の表面が常にスラリーで覆われているこ
とが好ましい。
【0020】研磨終了後の半導体基板は、流水中で良く
洗浄後、スピンドライヤ等を用いて半導体基板上に付着
した水滴を払い落としてから乾燥させることが好まし
い。このようにして平坦化された酸化珪素絶縁膜層の上
に、第2層目のアルミニウム配線を形成し、その配線間
および配線上に再度上記方法により、酸化珪素絶縁膜を
形成後、上記酸化セリウム研磨剤を用いて研磨すること
によって、絶縁膜表面の凹凸を解消し、半導体基板全面
に渡って平滑な面とする。この工程を所定数繰り返すこ
とにより、所望の層数の半導体を製造する。
【0021】本発明の酸化セリウム研磨剤は、半導体基
板に形成された酸化珪素絶縁膜だけでなく、所定の配線
を有する配線板に形成された酸化珪素絶縁膜、ガラス、
窒化ケイ素等の無機絶縁膜、フォトマスク・レンズ・プ
リズム等の光学ガラス、ITO等の無機導電膜、ガラス
及び結晶質材料で構成される光集積回路・光スイッチン
グ素子・光導波路、光ファイバ−の端面、シンチレ−タ
等の光学用単結晶、固体レ−ザ単結晶、青色レ−ザ用L
EDサファイア基板、SiC、GaP、GaAS等の半
導体単結晶、磁気ディスク用ガラス基板、磁気ヘッド等
を研磨するために使用される。
【0022】このように本発明において所定の基板と
は、酸化珪素絶縁膜が形成された半導体基板、酸化珪素
絶縁膜が形成された配線板、ガラス、窒化ケイ素等の無
機絶縁膜、フォトマスク・レンズ・プリズム等の光学ガ
ラス、ITO等の無機導電膜、ガラス及び結晶質材料で
構成される光集積回路・光スイッチング素子・光導波
路、光ファイバ−の端面、シンチレ−タ等の光学用単結
晶、固体レ−ザ単結晶、青色レ−ザ用LEDサファイア
基板、SiC、GaP、GaAS等の半導体単結晶、磁
気ディスク用ガラス基板、磁気ヘッド等を含む。
【0023】
【実施例】次に、実施例により本発明を説明する。 (酸化セリウム粒子の作製)炭酸セリウム水和物2kgを
白金製容器に入れ、800℃で2時間空気中で焼成する
ことにより黄白色の粉末を約1kg得た。この粉末をX線
回折法で相同定を行ったところ酸化セリウムであること
を確認した。焼成粉末粒子径は30〜100ミクロンで
あった。焼成粉末粒子表面を走査型電子顕微鏡で観察し
たところ、酸化セリウムの粒界が観察された。粒界に囲
まれた酸化セリウム一次粒子(結晶子)径を測定したと
ころ、その分布の中央値が190nm、最大値が500nm
であった。酸化セリウム粉末1kgをジェットミルを用い
て乾式粉砕を行った。この多結晶体は走査型電子顕微鏡
で観察したところ、一次粒子(結晶子)径と同等サイズ
の小さな粒子の他に、1ミクロンから3ミクロンの大き
な多結晶体と0.5から1ミクロンの多結晶体が混在し
ていた。これらの多結晶体は、一次粒子(結晶子)が再
凝集した凝集体とは異なっており、2つ以上の一次粒子
(結晶子)から構成され結晶粒界を有していることがわ
かった。さらに多結晶体の比表面積をBET法により測
定した結果、17m2/gであることがわかった。
【0024】(酸化セリウムスラリーの作製)上記、酸
化セリウム粒子の作製で作製した酸化セリウム粒子10
00gとアクリル酸とアクリル酸メチルを3:1(モル
比)で共重合した重量平均分子量10,000のポリア
クリル酸共重合体のアンモニウム塩水溶液(40重量
%)23gと脱イオン水8977gを混合し、撹拌をし
ながら超音波分散を行った。超音波周波数は40kHz
で、分散時間10分で分散を行った。得られたスラリー
を1ミクロンフィルターでろ過し、さらに脱イオン水を
加えることにより5.0重量%の酸化セリウム濃度が
5.0重量%のスラリーを得た。この酸化セリウムスラ
リーのpHは8.5であった。酸化セリウムスラリーの粒
度分布をレーザー回折式粒度分布計で調べたところ、平
均粒子径が0.20μmと小さいことがわかった。
【0025】また、1.0μm以下の粒子が99%であ
った。研磨剤を6ヶ月間5℃〜40℃で保管した。その
後、攪拌により均一な濃度分布の酸化セリウムスラリー
に戻し、レーザー回折粒度分布測定を行ったところ、作
製直後と同一の粒度分布であることを確認できた。BE
T法によるスラリー粒子の比表面積測定の結果、19m2
/gであった。また研磨時に攪拌することにより、この酸
化セリウムスラリーには濃度むらが生じなかった。酸化
セリウムスラリーの濃度はスラリーの重量中、酸化セリ
ウム粒子の重量が占める割合から求めた。酸化セリウム
粒子の重量は、スラリーを150℃で加熱して水を蒸発
させて残った固形分の重量とした。
【0026】(沈降速度の測定)上記、酸化セリウムス
ラリーの作製で作製した酸化セリウムスラリー500g
をアンドレアゼンピペットに入れて静置した。直後に、
酸化セリウムスラリーの液面下20cmの位置から10ml
のスラリーを採取して、その濃度を測定した。同様の操
作を、3時間、6時間、24時間、2日、5日、8日、
13日、20日、30日、70日、120日後に行っ
た。この結果、酸化セリウムスラリーの平均沈降速度は
0.11μm/sだった。平均沈降速度とは、上記のよう
にして測定した濃度が半分の2.5重量%に減少するま
でに要した時間で20cmを除した値である。この時に要
した時間は21日である。また、6日後に測定した濃度
は5重量%で変化がなかったので、この酸化セリウムス
ラリーの最大沈降速度は9μm/s以下の沈降速度を持
つ、すなわち、この酸化セリウムスラリーに含まれるす
べての酸化セリウムの粒子のの沈降速度は、9μm/s以
下である。
【0027】(絶縁膜層の研磨)TEOS−プラズマC
VD法で作製した酸化珪素絶縁膜を形成させたSiウエ
ハをセットし、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッドを貼
り付けた定盤上に、絶縁膜面を下にしてホルダーを載
せ、さらに加工荷重が300g/cm2になるように重しを
載せた。上記の酸化セリウムスラリーを脱イオン水で5
倍に希釈したスラリー(固形分:1重量%)を容器に入
れ、攪拌しながらポンプで配管を通じて定盤上に供給で
きるようにした。このとき、容器、配管内ともに沈降は
見られなかった。定盤上にスラリーを50cc/minの速度
で滴下しながら、定盤を30rpmで2分間回転させ、絶
縁膜を研磨した。研磨後ウエハをホルダーから取り外し
て、流水で良く洗浄後、超音波洗浄機によりさらに20
分間洗浄した。洗浄後、ウエハをスピンドライヤーで水
滴を除去し、120℃の乾燥機で10分間乾燥させた。
光干渉式膜厚測定装置を用いて、研磨前後の膜厚変化を
測定した結果、この研磨によりそれぞれ276nm(研磨
速度:138nm/min)の絶縁膜が削られ、ウエハ全面に
渡って均一の厚みになっていることがわかった。また、
光学顕微鏡を用いて絶縁膜表面を観察したところ、明確
な傷は見られなかった。
【0028】
【発明の効果】本発明の研磨剤は沈降しにくく、取り扱
いが容易で、この研磨剤によれば、酸化珪素絶縁膜等の
被研磨面を傷なく研磨することができ、また、高速に研
磨することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松沢 純 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内 (72)発明者 吉田 誠人 茨城県つくば市和台48 日立化成工業株式 会社筑波開発研究所内 Fターム(参考) 4G076 AA02 AA24 AA26 AB09 AC04 BA39 BA46 BB08 BC08 BG06 CA05 CA15 CA26 CA28 DA30

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化セリウムを含み、最大沈降速度が2
    0μm/s以下であるスラリーからなる酸化セリウム研磨
    剤。
  2. 【請求項2】 スラリーが分散剤を含む請求項1記載の
    酸化セリウム研磨剤。
  3. 【請求項3】 スラリーが媒体として水を含む請求項1
    又は2記載の酸化セリウム研磨剤。
  4. 【請求項4】 分散剤が水溶性有機高分子、水溶性陰イ
    オン性界面活性剤、水溶性非イオン性界面活性剤及び水
    溶性アミンから選ばれる少なくとも1種の化合物である
    請求項2記載の酸化セリウム研磨剤。
  5. 【請求項5】 pHが7以上10以下である請求項1〜4
    のいずれかに記載の酸化セリウム研磨剤。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の酸化セ
    リウム研磨剤で、所定の基板を研磨することを特徴とす
    る基板の研磨法。
  7. 【請求項7】 所定の基板が酸化珪素絶縁膜の形成され
    た半導体素子である請求項6記載の基板の研磨法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002141315A (ja) * 2000-11-02 2002-05-17 Hitachi Chem Co Ltd 酸化セリウム研磨剤用cmpパッド及び基板の研磨方法
WO2005110679A1 (ja) * 2004-05-19 2005-11-24 Nissan Chemical Industries, Ltd. 研磨用組成物

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