JP2000186095A - シラン化合物の製造方法 - Google Patents

シラン化合物の製造方法

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JP2000186095A
JP2000186095A JP10364579A JP36457998A JP2000186095A JP 2000186095 A JP2000186095 A JP 2000186095A JP 10364579 A JP10364579 A JP 10364579A JP 36457998 A JP36457998 A JP 36457998A JP 2000186095 A JP2000186095 A JP 2000186095A
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Youichi Kimae
洋一 木前
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Abstract

(57)【要約】 【課題】特定構造を有するシラン化合物を安価に、かつ
高純度に得ることができる上、その際有益な副産物とし
て得られるジシロキサンの生成量が制御可能な製造方法
を提供することにある。 【解決手段】特定構造を有するトリアルキルオキシシラ
ンもしくはジアルキルオキシシラン、特定構造を有する
ジシロキサンおよびカルボン酸とを強酸存在下で反応さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定構造を有する
シラン化合物を安価に、かつ高純度に得ることができる
製造方法に関する。さらに詳しくは、下記式(3){以
下、便宜的にトリス(トリアルキルシロキシ)アルキル
シラン化合物と言う}および下記式(5){以下、便宜
的にビス(トリアルキルシロキシ)ジアルキルシラン化
合物と言う}で表されるシラン化合物を安価に、かつ高
純度に得ることができる上、その際有益な副産物として
得られるジシロキサンの生成量が制御可能な製造方法に
関する.
【0002】
【化7】
【0003】
【化8】
【0004】
【背景技術】トリス(トリアルキルシロキシ)アルキル
シラン化合物およびビス(トリアルキルシロキシ)ジア
ルキルシラン化合物は、工業的に有用な原料として流通
されている。中でも、重合性のあるメタクリロイルオキ
シ基などで置換したトリス(トリアルキルシロキシ)シ
ラン化合物は、コンタクトレンズ等に好適な共重合モノ
マーであることが知られている。この様なシラン化合物
の使用例としては、特開昭63−163811号公報
に、3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシ
ロキシ)シランを共重合して得たものは、コンタクトレ
ンズに有用であることが開示されており、同様に、特開
昭60−131518号公報には、3−メタクリロキシ
エトキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン
を共重合する例が、特開昭63−227210号公報に
は、p−[ペンタメチル−3,3−ビス(トリメチルシ
ロキシ)トリシロキサニル]スチレンを共重合する例
が、特開平6−121826号公報には、トリス(トリ
メチルシロキシ)シリルスチレンを共重合する例がそれ
ぞれ開示されている。
【0005】従来、前記のシラン化合物、例えばトリス
(トリアルキルシロキシ)アルキルシランは、アルキル
トリクロロシランとトリアルキルシラノ−ルとの反応に
より製造されている。その具体例として、特開昭60−
131518号公報に、3−メタクリロキシエトキシプ
ロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランを3−メタ
クリロキシエトキシプロピルトリクロロシランとトリメ
チルシラノ−ルから製造することが開示されており、同
様に、特開平7−215984号公報には,3−メタク
リロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン
を3−メタクリロキシプロピルトリクロロシランとトリ
メチルシラノ−ルから製造することが示唆されている。
また、前記のシラン化合物を得ることのできる他の製造
例として、特開平7−215984号公報の比較例に、
3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキ
シ)シランを3−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シランとトリメチルクロロシランから共加水分解反応に
よって得る方法が開示されている。
【0006】しかし、トリアルキルシラノ−ルを用いる
反応では,高価でかつ不安定なシラノ−ルを使用しなけ
ればならないという欠点があり、共加水分解反応では、
特開平7−215984号公報の比較例にも指摘されて
いるように,目的とするトリス(トリアルキルシロキ
シ)アルキルシランを収率良く製造することができない
という欠点を有していた。
【0007】また、トリス(トリアルキルシロキシ)ア
ルキルシランを用いて良好なコンタクトレンズ用樹脂を
得るには、物性上ジシロキサンが必須成分となる。しか
し、トリアルキルシラノ−ルを用いる反応では、ジシロ
キサンを副生することができないので、別の合成経路で
ジシロキサンを製造しなければならないという手間が生
じる(特開平7−215984号公報)。一方、共加水
分解反応では、理論的にはジシロキサンが副生物として
得られるものの、その反応および生成量を制御すること
が極めて困難である。従って、反応条件を制御すること
によって、得られるジシロキサンの生成量を制御しなが
らトリス(トリアルキルシロキシ)アルキルシランを合
成できる製造方法が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特定構造を
有するシラン化合物を安価に、かつ高純度に得ることが
できる上、その際有益な副産物として得られるジシロキ
サンの生成量が制御可能な製造方法を提供することであ
る。
【0009】
【課題を解決する為の手段】本発明者は、上記課題を解
決すべく鋭意検討を進めた結果、特定構造を有するトリ
アルキルオキシシランもしくはジアルキルオキシシラ
ン、特定構造を有するジシロキサンおよびカルボン酸と
を強酸存在下で反応させることにより、上記課題を解決
し得ることを知り本発明を完成した。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき詳細に説明す
る。本発明の製造方法では、トリス(トリアルキルシロ
キシ)アルキルシランとビス(トリアルキルシロキシ)
ジアルキルシランの2種類のシラン化合物を得ることが
できる。その1つであるトリス(トリアルキルシロキ
シ)アルキルシランは、下記反応式(A)によって合成
される。
【0011】
【化9】
【0012】つまり、トリス(トリアルキルシロキシ)
アルキルシランは、下記式(1)で表される化合物、下
記式(2)で表される化合物およびカルボン酸とを,強
酸存在下にて反応させることにより得られる。
【0013】
【化10】
【0014】
【化11】
【0015】上記式(1)で表される化合物(以下、化
合物A1という)としては、R1がメチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基などのアルキル
基、メタクリロリルオキシメチル基、2−メタクリロイ
ルオキシエチル基、3−メタクリロイルオキシプロピル
基、アクリロイルオキシメチル基、2−アクリロイルオ
キシエチル基、3−アクリロイルオキシプロピル基、ス
チリル基、スチリルメチル基などの重合性部位を有する
もので置換したアルキル基もしくはアリール基、シアノ
メチル基、2−シアノエチル基、3−シアノプロピル基
などのシアノ基を有するもので置換したアルキル基もし
くはアリール基、クロロメチル基、2−クロロエチル
基、3−クロロプロピル基、1,1,1−トリフルオロ
プロピル基、クロロメチルフェニル基などのハロゲン原
子を有するもので置換したアルキル基もしくはアリール
基であり、R2がメチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基などのアルキル基、フェニル基など
のアリール基およびフェネチル基などのアリールアルキ
ル基である化合物を挙げることができる。
【0016】上記式(2)で表される化合物(以下、化
合物A2という)としては、ヘキサメチルジシロキサ
ン、ヘキサエチルジシロキサン、ヘキサフェニルジシロ
キサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、
1,1,3,3−テトラエチルジシロキサン、1,1,
3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,3−(1,
1,1−トリフルオロプロピル)テトラメチルジシロキ
サン、1,3−ジエチルテトラメチルジシロキサン、
1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、1,3
−ジ(クロロメチル)テトラメチルジシロキサン、1,
3−ジ(3−アクリロイルオキシプロピル)テトラメチ
ルジシロキサン、1,3−ジ(3−メタクリロイルオキ
シプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ジス
チリルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジ(2−シ
アノエチル)テトラメチルジシロキサンなどの具体名を
例示することができる。
【0017】上記反応式(A)によってR8COOHで
表されるカルボン酸としては、R8が水素原子、炭素数
15以下の直鎖もしくは分岐鎖を有するアルキル基もし
くはアリール基である化合物を挙げることができ、具体
的には蟻酸、酢酸、プロピオン酸、吉草酸、安息香酸な
どを例示できる。中でも、工業的に安価で入手できるこ
とや反応副生成物の除去のし易さという点で、酢酸が好
ましい。また、強酸としては、濃硫酸、濃硝酸、濃塩酸
および固体強酸などを例示することができ,このうち濃
硫酸が最も好ましい。
【0018】本発明の製造方法における化合物A1と化
合物A2との理想的反応比率は、モル比2対3である
が、この比率は実施者の経済的な理由から任意に変更し
て差し支えない。つまり、化合物A1の転化率を重視す
る場合には化合物A2を過剰に使用し、逆に化合物A2
の転化率を重視する場合には化合物A1を過剰に使用す
るのである。通常、化合物A1の方が高価であるため、
化合物A2を過剰に使用する方法が取られている。
【0019】本発明の製造方法に用いられるカルボン酸
は、理論的には化合物A1の3倍モル必要であり、反応
を完結するためには3倍モル以上の量を使用するのが好
ましい。しかし、極度に過剰に使用することは経済的に
無駄であることより、通常3〜6倍モルの使用量が適当
である。本発明の製造方法に用いられる強酸は、特に使
用量の限定はない。しかし、経済的な反応速度とするた
めに、化合物A1の使用量100重量部に対して、5〜
30重量部の範囲で使用するのが好ましく、10〜20
重量部の範囲がさらに好ましい。また、本発明の製造方
法には、反応溶液を用いても良い。実施者の任意によっ
て適宜溶媒を使用することができ,その使用量は経済的
な要因によって任意に決めることができる。
【0020】本発明の製造方法では、副生成物として下
記式(6)に示されるモノシラノ−ル体や下記式(7)
に示されるジシラノ−ル体が主に生成される。これら
は、好ましくない副生成物であるが、縮合反応を起こし
て、下記式(8)に示されるジシロキサンやトリス(ト
リアルキルシロキシ)アルキルシランとなる。
【0021】
【化12】
【0022】ジシロキサンは、コンタクトレンズ等の樹
脂材料として有益な化合物となり得るため、この副反応
で得られるジシロキサンの生成量を制御することが望ま
れている。ジシロキサンの生成量の制御は、この副反応
を抑制する以下の操作により容易に実施できる。
【0023】この様な抑制操作としては、化合物A2、
カルボン酸および強酸から成る混合物に対し、化合物A
1を滴下しながら反応させる方法が好ましい。この際、
滴下速度は任意であるが、前記副生成物を抑制するため
には、滴下時間が60分以内の短時間であることが好ま
しく、30分以内がより好ましい。また、反応温度を低
く保つことも有効な抑制操作の1つである。好ましくは
室温以下、さらに好ましくは0℃以下、特に好ましくは
−10〜0℃で反応を行なうと良い。滴下終了後に熟成
操作を行うと、好ましくない副生成物であるモノシラノ
ール体とジシラノール体の生成を抑制できるので、この
抑制操作は特に効果的である。ジシロキサンは、得られ
る反応物において、10重量%以内でその生成量を制御
するのが好ましい。
【0024】本発明の製造方法によって得られるもう1
つの化合物であるビス(トリアルキルシロキシ)ジアル
キルシランは、下記反応式(B)によって合成される。
【0025】
【化13】
【0026】つまり、ビス(トリアルキルシロキシ)ジ
アルキルシランは、下記式(4)で表される化合物、下
記式(2)で表される化合物およびカルボン酸とを,強
酸存在下にて反応させることにより得られる。
【0027】
【化14】
【0028】
【化15】
【0029】上記式(4)で表される化合物(以下、化
合物B1という)としては、R6、R7がそれぞれ独立に
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基
などのアルキル基、メタクリロリルオキシメチル基、2
−メタクリロイルオキシエチル基、3−メタクリロイル
オキシプロピル基、アクリロイルオキシメチル基、2−
アクリロイルオキシエチル基、3−アクリロイルオキシ
プロピル基、スチリル基、スチリルメチル基などの重合
性部位を有するもので置換したアルキル基もしくはアリ
ール基、シアノメチル基、2−シアノエチル基、3−シ
アノプロピル基などのシアノ基を有するもので置換した
アルキル基もしくはアリール基、クロロメチル基、2−
クロロエチル基、3−クロロプロピル基、1,1,1−
トリフルオロプロピル基、クロロメチルフェニル基など
のハロゲン原子を有するもので置換したアルキル基もし
くはアリール基であり、R2がメチル基、エチル基、n
−プロピル基、i−プロピル基などのアルキル基、フェ
ニル基などのアリール基およびフェネチル基などのアリ
ールアルキル基である化合物を挙げることができる。上
記式(2)で表される化合物、R8COOHで表される
カルボン酸および強酸としては、前記と同様のものを挙
げることができる。
【0030】本発明の製造方法における化合物B1と化
合物A2との理想的反応比率は、モル比1対1である
が、この比率は実施者の経済的な理由から任意に変更し
て差し支えない。つまり、化合物B1の転化率を重視す
る場合には化合物A2を過剰に使用し、逆に化合物A2
の転化率を重視する場合には化合物B1を過剰に使用す
るのである。通常、化合物B1の方が高価であるため、
化合物A2を過剰に使用する方法が取られている。
【0031】本発明の製造方法に用いられるカルボン酸
は、理論的には化合物B1の2倍モル必要であり、反応
を完結するためには2倍モル以上の量を使用するのが好
ましい。しかし、極度に過剰に使用することは経済的に
無駄であることより、通常2〜4倍モルの使用量が適当
である。本発明の製造方法に用いられる強酸は、使用量
には特に限定はない。しかし、経済的な反応速度を得る
ために、化合物B1の使用量100重量部に対して、5
〜30重量部の範囲で使用するのが好ましく、10〜2
0重量部の範囲がさらに好ましい。また、本発明の製造
方法には、反応溶液を用いても良い。実施者の任意によ
って適宜溶媒を使用することができ,その使用量は経済
的な要因によって任意に決めることができる。
【0032】また、この反応式(B)においても、副生
成物として下記式(9)に示されるモノシラノ−ル体や
下記式(10)に示されるジシラノ−ル体およびこれら
の縮合反応によって下記式(11)に示されるジシロキ
サンやビス(トリアルキルシロキシ)ジアルキルシラン
が得られる。得られるジシロキサンの生成量の制御は、
前記と同様の操作により容易に実施できる。
【0033】
【化16】
【0034】
【実施例】以下、実施各例および比較各例によって本発
明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定さ
れるものではない。尚、実施例における「%」は特に断
りがない限り「重量%」である。
【0035】(実施例1)撹拌器、温度計、滴下タンク
を備えた3000mlの三ツ口フラスコ内に、ヘキサメ
チルジシロキサン1716g、酢酸929g、硫酸13
1gを入れ、フラスコ内部の温度を−10℃まで下げた
後、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン1000gを20分で滴下した。滴下終了後、−1
2〜−9℃で6時間熟成し、さらに室温に戻し18時間
熟成した。得られた反応液を静置し、分離した後、水層
部を取り出した。その後、分離してできた水層が中性に
なるまで反応液の水洗を繰り返した。そして、エバポレ
ーターで低沸分を減圧下に溜去して、無色透明液体16
63gを得た。得られた無色透明液体は、NMRおよび
IR分析により、3−メタクリロイルオキシプロピルト
リス(トリメチルシロキシ)シランであることが確認さ
れた。また、GCで分析した結果、該シラン化合物の純度
は97.8%であり、モノシラノ−ル体は0.1%であ
り,ジシロキサンは1.9%であることが確認された。
【0036】(実施例2)3−メタクリロイルオキシプ
ロピルトリメトキシシラン1000gを20分で滴下し
たのに代えて、60分で滴下した以外は、実施例1に準
拠して無色透明液体1663gを得た。得られた無色透
明液体は、NMRおよびIR分析により、3−メタクリ
ロイルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シ
ランであることが確認された。また、GCで分析した結
果、該シラン化合物の純度は90.2%であり、モノシ
ラノ−ル体は1.2%、ジシロキサンは8.0%である
ことが確認された。
【0037】(実施例3)実施例1で得られた該シラン
化合物300.0gと実施例2で得られた該シラン化合
物13.8gを混合して、ジシロキサン含有量を2.0
%に調整した。得られた混合物をGCで分析した結果、該
シラン化合物の純度は97.5%であり、モノシラノ−
ル体は0.3%、ジシロキサンは2.0%であることが
確認された。
【0038】(実施例4)撹拌器、温度計、滴下タンク
を備えた500mlの三ツ口フラスコ内に、ヘキサメチ
ルジシロキサン211g、酢酸115g、硫酸15.8
gを入れ、氷浴に浸しフラスコ内部の温度を0℃まで下
げた後、3−クロロプロピルトリメトキシシラン99g
を20分で滴下した。滴下終了後、氷冷下1時間熟成
し、さらに室温に戻し24時間撹拌した。得られた反応
液を2回水洗いした後、有機層を飽和重曹水で洗浄し、
反応液を分離してできた水層が中性になるまで反応液の
水洗を繰り返した。その後、有機層を硫酸マグネシウム
で乾燥し、エバポレーターで低沸分を減圧下に溜去し
た。さらに、得られた反応液を単蒸留することで、目的
の反応物を得た。得られた反応物は、NMRおよびIR
分析により、3−クロロプロピルトリス(トリメチルシ
ロキシ)シランであることが確認された。そのチャ−ト
を図1および図2に示す。また、GCで分析した結果、該
シラン化合物の純度は98.8%であることが確認され
た。
【0039】(実施例5)撹拌器、温度計、滴下タンク
を備えた500mlの三ツ口フラスコ内に、ヘキサメチ
ルジシロキサン464g、酢酸251g、硫酸35.3
gを入れ、氷浴に浸しフラスコ内部の温度を0℃まで下
げた後、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン2
00gを20分で滴下した。滴下終了後、氷冷下1時間
熟成し、さらに室温に戻し24時間撹拌した。得られた
反応液を2回水洗いした後、有機層を飽和重曹水で洗浄
し、反応液を分離してできた水層が中性になるまで反応
液の水洗を繰り返した。その後、有機層を硫酸マグネシ
ウムで乾燥し、エバポレーターで低沸分を減圧下に溜去
した。さらに、得られた反応液を単蒸留することで、目
的の反応物を得た。得られた反応物は、NMRおよびI
R分析により、3−クロロプロピルビス(トリメチルシ
ロキシ)メチルシランであることが確認された。そのチ
ャ−トを図3および図4に示す。また、GCで分析した結
果、該シラン化合物の純度は99.3%であることが確
認された。
【0040】
【発明の効果】本発明は、特定構造を有するシラン化合
物を高純度に得ることができる上、その際有益な副産物
として得られるジシロキサンの生成量の制御が極めて容
易な製造方法であることが判る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例4で得られた反応物のH−NMRチャー
トである。
【図2】実施例4で得られた反応物のIRチャートであ
る。
【図3】実施例5で得られた反応物のH−NMRチャー
トである。
【図4】実施例5で得られた反応物のIRチャートであ
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(1)で表される化合物、下記式
    (2)で表される化合物およびカルボン酸とを、強酸存
    在下にて反応させることを特徴とする下記式(3)で表
    されるシラン化合物の製造方法。 【化1】 【化2】 【化3】
  2. 【請求項2】上記式(2)で表される化合物、カルボン
    酸および強酸から成る混合物に対し、上記式(1)で表
    される化合物を90分以内で滴下し、室温以下の温度で
    反応させた後、熟成操作を行うことを特徴とする請求項
    1記載の上記式(3)で表されるシラン化合物の製造方
    法。
  3. 【請求項3】下記式(4)で表される化合物、下記式
    (2)で表される化合物およびカルボン酸とを、強酸存
    在下にて反応させることを特徴とする下記式(5)で表
    されるシラン化合物の製造方法。 【化4】 【化5】 【化6】
  4. 【請求項4】上記式(2)で表される化合物、カルボン
    酸および強酸から成る混合物に対し、上記式(4)で表
    される化合物を90分以内で滴下し、室温以下の温度で
    反応させた後、熟成操作を行うことを特徴とする請求項
    3記載の上記式(5)で表されるシラン化合物の製造方
    法。
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