JP2000185811A - 薬剤送出装置 - Google Patents

薬剤送出装置

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JP2000185811A
JP2000185811A JP10362089A JP36208998A JP2000185811A JP 2000185811 A JP2000185811 A JP 2000185811A JP 10362089 A JP10362089 A JP 10362089A JP 36208998 A JP36208998 A JP 36208998A JP 2000185811 A JP2000185811 A JP 2000185811A
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medicine
container
ampoule
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take
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JP10362089A
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Shiro Omura
司郎 大村
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TOOSHOO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ランダム収容でもコンパクトな薬剤送出装
置を実現する。 【解決手段】アンプル等の薬剤1を多数収容可能な収容
器10と、収容器10から薬剤1を取り出す取出手段2
0と、取出手段20から薬剤1を受けてそれをその長手
方向に移動させる移送手段30とを備えた薬剤送出装置
において、取出手段20のうち取り出し中の薬剤1と接
する部分の部材24の形状が、その長手方向に一列に列
べた複数の薬剤に対応している。これにより、収容器を
取り出し位置に向けて絞らないでも良くなり、収容器に
関する制約が緩和される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、アンプルやバイ
アル等のいわゆる丸ものその他の長めの薬剤を取り扱う
薬剤送出装置に関し、詳しくは、そのような薬剤をラン
ダムに収容しておくとともにその取り出しを一定の向き
で逐次に行う薬剤送出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ランダムに収容されたアンプル等
の薬剤を一本ずつ取り出すとともにその向きを揃える薬
剤送出装置として、収容器にその内部全体を占める特殊
なロータ等を組み込んだ薬剤払出装置や(特開平8−1
98434号公報、特開平8−208024号公報)、
収容器の底面を傾けておいて滑って来た薬剤を横向きで
掬い上げる薬剤取出装置(特開平8−258943号公
報)、収容器の底面を傾けておいて滑って来た薬剤を縦
一列に絞って送り出すアンプル払出装置(特開平8−2
25140号公報、特開平9−20376号公報)など
が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の薬剤送出装置では、ロータ等を組み込んだ場
合(特開平8−198434号公報等)、収容器部分の
構造が複雑になるうえ、その収容量も制約される。ま
た、収容器の底面を傾けておいて滑って来た薬剤を一本
ずつ取り出す場合(特開平8−258943号公報や特
開平8−225140号公報)、収容器は、取り出し位
置に向けて絞られた形状のものとなる。あるいは、一見
すると角箱で絞っていないように見えても(特開平9−
20376号公報)、収容器の四隅のうち一隅だけが取
出位置とされるので、実質的には他の隅等からその一隅
に向けて絞られ、対向する隅のところでは、かなりの上
げ底となる。
【0004】このため、収容器の形状そしてその収容力
が強く制約されるうえ、収容器と後続の取出手段等との
配置にも強い制約が伴うので、収容力の割に装置サイズ
は大きくなりがちである。収容力が足りないと、薬剤の
補充作業等を頻繁に行わなければならず、装置が大きい
と、設置場所等が余分に占有されるばかりか、他の装置
と組み合わせたり他の装置の一部に組み込んだりするの
も困難となる。
【0005】そこで、かかる制約を無くして、収容力の
増強を図るとともに、コンパクト実装をも可能とするこ
とが、重要な課題となる。この発明は、このような課題
を解決するためになされたものであり、ランダム収容で
もコンパクトな薬剤送出装置を実現することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るためになされた本発明の薬剤送出装置について、その
構成および作用効果を以下に説明する。
【0007】本発明の薬剤送出装置は(、出願当初の請
求項1に記載の如く)、アンプル等の薬剤を多数収容可
能な収容器と、前記収容器から薬剤を取り出す取出手段
と、前記取出手段から薬剤を受けてそれをその長手方向
に移動させる移送手段とを備えた薬剤送出装置におい
て、前記取出手段のうち取り出し中の薬剤と接する部分
の部材形状が、その長手方向に一列に列べた複数の薬剤
に対応したものであることを特徴とする。
【0008】このような構成の薬剤送出装置にあって
は、収容器を取り出し位置に向けて絞らないでも薬剤が
一定の向きで逐次送り出されることとなる。これによ
り、収容器に関する制約が緩和されるので、収容器を角
形等で無駄の少ない形状にできて、薬剤に対する収容器
の収容力がアップする。換言すると、同じ収容力を確保
するのであれば、収容器等を小形にすることが可能とな
る。したがって、この発明によれば、ランダム収容でも
コンパクトな薬剤送出装置を実現することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】このような解決手段で達成された
本発明の薬剤送出装置について、これを実施するための
形態を説明する。
【0010】[第1の実施の形態]本発明の第1の実施
形態は、上述した解決手段の薬剤送出装置であって、前
記取出手段は、所定周期で間欠的に取出を行うものであ
り、前記移送手段は、前記所定周期の一周期の間に前記
取出手段による取り出し幅を超える距離を移動させうる
ものである。これにより、取出部材が長くても、薬剤を
確実に一つずつ送出することができる。
【0011】[第2の実施の形態]本発明の第2の実施
形態は、上述した解決手段および実施形態の薬剤送出装
置であって、前記移送手段が搬送手段であり、その搬送
経路に沿って又は臨んで搬送補助手段が設けられ、この
搬送補助手段には、前記薬剤をその搬送経路から所定の
整列位置に向けて脱落させる欠落部が形成されるととも
に、その欠落部の幅が前記薬剤の全長より短く且つその
半分より長くなっている。
【0012】この場合、両端部形状の相違等に起因して
重心に偏りのある薬剤は、欠落部から脱落する際に重心
寄りの端部が先に脱落するので、整列位置では、端部の
いずれが先後かも含めて向きが揃うこととなる。これに
より、薬剤を整列させる際に、単に長手方向を揃えるだ
けに止まらず、頭尾までも揃えることができる。しか
も、アンプル等のような薬剤はその重心が偏っていると
いう特質を利用して、搬送手段の一部あるいはそれに付
随する搬送補助手段に欠落部を形成するとともにその欠
落部の幅を適切なものにすることで解決手段が具現化さ
れるので、高機能で複雑なユニット等を追加導入する必
要が無く、装置が単純で簡素な構造のものとなる。した
がって、薬剤の頭尾も揃える薬剤送出装置を簡便に実現
することができ、その結果、アンプル払出装置のカート
リッジ等への薬剤収納作業に際し、あるいは半自動や手
作業で行われる注射薬のセット作業等に際して、従来で
は薬剤送出装置を用いたとしても人手を要していた逆さ
の薬剤を反転させるという作業が、不要となった。
【0013】[第3の実施の形態]本発明の第3の実施
形態は、上述した解決手段および第1実施形態の薬剤送
出装置であって、前記移送手段が搬送手段であり、その
搬送経路に沿って又は臨んで搬送補助手段が設けられ、
この搬送補助手段には、前記薬剤をその搬送経路から所
定の整列位置に向けて脱落させる欠落部が形成されてい
るとともに、その欠落部の幅を(手動で又は自動で)可
変する手段も付設されている。
【0014】この場合、整列させたいアンプル等の種類
が決まると、その薬剤の長さ等に応じて、欠落部の幅が
薬剤の全長より短く且つその半分より長くなるように可
変される。これにより、各種の薬剤を処理して、何れの
場合でも、薬剤を整列させる際に、単に長手方向を揃え
るだけに止まらず、頭尾まで揃えることができる。しか
も、幅を可変する機構等は、進退や伸縮する可動部材を
用いるといった単純で簡単な手法でも具体化が可能であ
る。したがって、薬剤の頭尾も揃える薬剤送出装置を簡
便に実現することができる。
【0015】[第4の実施の形態]本発明の第4の実施
形態は、上述した解決手段および実施形態の薬剤送出装
置であって、前記薬剤を前記欠落部から前記整列位置へ
導く案内手段を備え、この案内手段における案内路の内
幅が前記欠落部から前記整列位置にかけて狭くなってい
ることを特徴とする。この場合、欠落部から脱落した薬
剤は、案内路に沿って自然落下するが、落下するに連れ
て、脱落直後に見られる長手方向からの傾きが、収れん
して消滅する。しかも、その際に、頭尾を逆転させるこ
とも無い。これにより、簡便に薬剤の向きを整えること
ができる。
【0016】以下、さらに具体的な形態を第1,第2実
施例により例示するが、第1実施例は、上述した第1解
決手段および第1,第2,第4実施形態を具現化したも
のである。また、第2実施例は、それに加えて上述の第
3実施形態も具現化したものである。
【0017】
【第1実施例】本発明の薬剤送出装置の第1実施例につ
いて、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。
図1は、その要部全体を斜め上から見た簡略図であり、
図2(a)は、全体の平面図である。また、図2(b)
は、収容器と取出機構の縦断側面図であり、図3は、
(a)が搬送機構と搬送補助機構の平面図であり、
(b)がその正面図であり、(c)が案内機構の縦断側
面図であり、(d)が案内機構と整列機構の正面図であ
る。さらに、図4(a)は、アンプルの一例である。
【0018】なお、図示に際し、単に他の部材等を支持
するフレームや,囲うだけのパネル,ボルト等の締結具
などは、記載を割愛した。また、板材や,帯状体などの
薄い物は、その厚さを無視して示した。さらに、モータ
等の駆動源や,ギヤ等の伝動部材,フォトセンサ等の検
出部材,コントローラ等の電子制御部,スタートボタン
等の操作部,そして電源も、図示を割愛したが、これら
は、図示した主要部材の下方など適宜のところに配置さ
れている。
【0019】また、アンプル1は(図4(a)参照)、
この薬剤送出装置で取り扱う薬剤の典型例であり、薬液
等を密封した丸棒状の瓶体であるが、使用時に切り落と
される端部である頭部1aが、本体部およびその他端で
ある尾部1bよりも、かなり細い。そのため、その重心
1cが真ん中でなく尾部1b側に寄っている。具体的
に、アンプル1の全長をMとおくと、頭部1aと重心1
cとの距離Qが、半長(M/2)よりも偏差Nだけ大き
い一方で、尾部1bと重心1cとの距離Pは、半長(M
/2)よりも偏差Nだけ小さくなっている。
【0020】そして、この薬剤送出装置は(図1(a)
及び図2(a)参照)、筐体9の図中左手前に配置され
た収容器10と、その後方に設けられた取出機構20
と、最後方に設けられ左右に延びた搬送機構30(移送
手段)と、その手前で取出機構20の右側に配置された
案内機構50と、その手前に即ちアンプル1の最終的な
整列位置に設けられた整列機構60とからなり、その順
にアンプル1を移動させて(図1(b)の矢印A〜Gを
参照)薬剤の取出および整列を行うものである。
【0021】収容器10は(図1(a)及び図2参
照)、アンプル1を多数ストックするために概ね平面四
角形の箱体となっている。その上面は、アンプル1をラ
ンダム投入しやすいように解放され、後面も、取出機構
20が来るので解放されている。そして、その底面は、
ストッカ底板11が斜めに設けられて、前面側から後面
側にかけて下っている。ただし、左右の傾きは無い。ま
た、ストッカ底板11等には、アンプル1が滑り易いよ
う円滑面を持った部材が用いられる。これにより、収容
器10は、アンプル1等の薬剤を多数収容可能であっ
て、薬剤を一隅に限らず後方の一辺に向けて滑らせるも
のとなっている。なお、ストッカ底板11の後端部分に
は、次に述べる取出部材24を通過させるとともに、ア
ンプル1の抜け落ちを防止するために、所定範囲で双方
向回転可能な開閉板12が付設されている。
【0022】取出機構20は(図1(a)及び図2参
照)、上下に分かれて配置され何れも水平に設置された
一対のローラ21,22と、これらに亘って捲回され収
容器10の後方解放面を塞ぐベルト23と、ベルト23
の外面に装着された取出部材24と、ベルト23等の後
方に設けられた中継板25とを具えたものである。取出
部材24は、収容器10の横幅より僅かに短い棒状体
で、ベルト23に対し一個または数個が間隔を開けて水
平に取り付けられる。そして、ローラ21,22が図示
しないモータ等で定速駆動されると、ベルト23に随伴
して、取出部材24が、収容器10側で上昇し中継板2
5側で下降するという動作を繰り返すようになってい
る。
【0023】また(図1(b)及び図2(b)参照)、
取出部材24のうち、それが収容器10側に来たときに
上面になる部分には、長手方向に続く浅い窪み・凹みが
形成されている。その窪みの大きさは、断面で見たと
き、アンプル1を一本乗せるには十分だが2本以上は乗
らない程度にされる。また、その長さは、長手方向にず
れているアンプル1であれば複数本・多数本を一度に掬
い上げることができるように、取出部材24の全長に一
致させ又は匹敵させるのが望ましく、少なくともアンプ
ル1の全長Mの2倍以上にされる。これにより、取出機
構20は、取り出し中の薬剤と接する部分の部材形状
が、その長手方向に一列に列べた複数の薬剤に対応した
ものとなっている。
【0024】さらに(図2(b)参照)、アンプル1を
掬い上げてから上側で反転した取出部材24を通過させ
るとともに、取出部材24から放られたアンプル1の抜
け落ちを防止するために、中継板25の前端部分にも、
所定範囲で双方向回転可能な開閉板26が付設されてい
る。中継板25は、搬送機構30のベルト33に向けて
下るように傾斜して設置されており、取出部材24から
中継板25上に放られたアンプル1は中継板25上を転
がって搬送機構30のベルト33に達する。これによ
り、取出機構20は、所定周期で間欠的に収容器から薬
剤を取り出して搬送手段・移送手段に引き渡す取出手段
となっている。
【0025】搬送機構30は(図1及び図3(a),
(b)参照)、取出機構20から薬剤1を受けてそれを
その長手方向に搬送・移動させるために、左右に配置さ
れた一対のローラ31,32と、これらに亘って捲回さ
れたベルト33とを具えていて、ベルト33上面が左か
ら右に即ち取出機構20側から搬送補助機構40及び案
内機構50側に向けて流れるように図示しないモータで
定速駆動される。ベルト33は、後方側が少し持ち上が
る向きに傾斜して設置され、下がっている方の脇には、
中継板25の後端部と次に述べる搬送補助機構40とが
来ている。そして、ベルト33に乗せられたアンプル1
等の薬剤は、脇を中継板25及び搬送補助機構40に押
さえられて向きが規制され、その長手方向に搬送される
ようになっている。
【0026】また、図示等は割愛したが、ベルト33の
速度がベルト23の速度に所定比で連動するようモータ
速度やギヤ比等が適宜設定されており、取出部材24が
開閉板26等のところに繰り返しやって来る時間間隔の
うちに、ベルト33は取出部材24の全長以上の距離を
走り続ける。これにより、搬送機構30は、上述した所
定周期の一周期の間に取出手段20による取り出し幅を
超える距離を移動させうるものとなっている。
【0027】搬送補助機構40は(図1及び図3
(a),(b)参照)、搬送機構30のベルト33に添
えるようにしてその直ぐ手前側に傾斜して設けられた添
え板41,42と、ベルト33の右端近くでその上方に
設置されたストッパ44とを具えて、搬送機構30の搬
送経路に沿って設けられた搬送補助手段となっている。
そのうち、添え板41は、取出機構20の中継板25に
も隣接した状態で設置され、添え板42は、ストッパ4
4の手前左方に設置されて、添え板41と添え板42と
の間は、ベルト33で搬送中のアンプル1を搬送経路か
ら脱落させる欠落部43とするために、所定の間隙Xが
確保されている。
【0028】具体的には(図3(b)参照)、その間隙
Xが、アンプル1の全長M未満で半長(M/2)超にな
るよう、望ましくは距離Qと距離Pとの中間の長さにな
るよう、添え板42は、設置位置を確認したうえで、図
示しない支持部材等に固定される。これにより、搬送補
助機構40は、搬送機構30の搬送経路に臨んで欠落部
43が形成され、而もその欠落部43の幅が薬剤1の全
長より短く且つその半分より長いものとなっている。
【0029】案内機構50は(図1及び図3(c),
(d)参照)、ガイド底板51と、その上面に装着され
た一対のガイド側板52,53とを具えたものである。
ガイド底板51は、欠落部43から脱落したアンプル1
が整列機構60の留置台61に向けて滑り落ちるよう
に、円滑な面を上側にするとともに、手前側を低く傾斜
させた状態で、搬送補助機構40と留置台61との間に
設置される。また、ガイド側板52,53は、ガイド底
板51への取付に際し、上流側が欠落部43の幅より少
し広めで、下流側がアンプル1の太さより少し広めにさ
れる。ガイド側板52,53の高さは、アンプル1が欠
落部43から脱落したとき等に飛び出さないように、ア
ンプル1の半径より十分に高くされている。これによ
り、案内機構50は、重力による落下を利用して薬剤1
を欠落部43から整列位置60へ導くとともに、その案
内路の内幅が欠落部43から整列位置61にかけて狭く
なるものとなっている。
【0030】整列機構60は(図1及び図3(c),
(d)参照)、アンプル1を一本だけ乗載可能な留置台
61と、アンプル1を幾本か乗載可能な整列送り箱63
とを具えている。留置台61は、案内機構50からアン
プル1を受け取るためにその下流に設置され、受けたア
ンプル1の移動を一旦止めるために止め板62が取り付
けられている。また、この留置台61は、図示しないリ
フトピン等の上下動によって下から上に押し上げられる
と整列送り箱63側の図示しない支軸を中心に揺動して
アンプル1を整列送り箱63の左端側に移載するように
なっている。
【0031】整列送り箱63は、緩い右下がりの傾斜を
つけて設置され、留置台61から移し替えられたアンプ
ル1がゆっくり転がりながら右端側に移動し、そこに設
けられている昇降板64を起点にして順に一列で密に並
ぶようになっている。昇降板64は、図示しない操作パ
ネルの薬剤排出ボタンが押下操作されたこと等に応じて
右端位置のアンプル1を排出するために、操作等に基づ
き適宜のタイミングでコントローラが図示しない駆動部
材を作動させると、昇降等して排出口を開け放つように
なっている。また、アンプル1の有無を検出するセンサ
が整列送り箱63の左端位置近くに設けられていて、そ
の検出に基づき整列送り箱63が満杯になったこと又は
満杯になりそうなことが検知されると、溢れ防止のため
に、コントローラは取出機構20及び搬送機構30の動
作を一時停止させるようになっている。
【0032】この第1実施例の薬剤送出装置について、
その使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。図
1(b)は、要部全体を斜め上から見た簡略図に基づい
て、アンプルの動き・流れを矢印A〜Gで示している。
なお、同図中、破線で示したアンプル1は、途中の状態
を仮に示したものであり、実線のものと同時存在する訳
ではない。また、図4(b)〜(e)は、アンプルが脱
落時に頭尾の先後を入れ替えるときの様子を示してい
る。
【0033】収容器10に多数のアンプル1をランダム
に投入して(図1(b)を参照)、図示しない操作パネ
ルのスタートスイッチ等を操作して始動させると、取出
部材24が収容器10側を上昇する度に、収容器10内
のアンプル1が揺り動かされ、そのうち収容器10内の
最後方で取出部材24とほぼ平行になったアンプル1が
取出部材24に乗って持ち上げられる(図1(b)の矢
印Aを参照)。そのとき、他のアンプル1の上に重なっ
たアンプル1は、ずり落ちて収容器10内に戻される
が、取出部材24の長手方向に並んで互いに重ならなか
ったものは、そのまま運ばれるので、アンプル1は、一
本に限らず、幾本かが同時取り出されることもある。
【0034】そして、高く持ち上げられたアンプル1
は、中継板25上を横に転がりながら(図1(b)の矢
印Bを参照)搬送機構30に至り、そこからは、縦に向
きを変えて、すなわち長手方向に向けベルト33によっ
て水平に搬送される(矢印Cを参照)。このとき、尾部
1bを右すなわち進行方向に向けていたアンプル1は、
欠落部43のところで、重い尾部1bからずり落ち(矢
印Dを参照)、案内機構50によって真っ直ぐに向きを
整えられながら留置台61に滑り込み(矢印Eを参
照)、尾部1bを止め板62に当接して一旦停止する。
【0035】それから、アンプル1は、留置台61の揺
動によってそのままの姿勢で整列送り箱63に移し替え
られ(矢印Fを参照)、順次、整列送り箱63内に整列
する(矢印Gを参照)。こうして、尾部1bを先にした
アンプル1は、そのまま尾部1bを手前にして整列す
る。
【0036】これと逆に、頭部1aを先にしたアンプル
1は、その状態で搬送機構30のベルト33にて搬送さ
れ搬送補助機構40に至ると(図4(b)参照)、重心
1cが添え板41の上にあるうちは欠落部43から脱落
しないので、頭部1aが欠落部43上を渡って添え板4
2上に達する(図4(c)参照)。そして、頭部1aが
添え板42で支えられているので、尾部1bが添え板4
1で支えられいるうちは更に搬送され、尾部1bが添え
板41から外れて欠落部43に来たところでストッパ4
4にも当接して(図4(d)参照)、やはり重い尾部1
bからずり落ちる(図4(e)参照)。
【0037】それからは、上述の場合と同様、案内機構
50によって真っ直ぐに向きを整えられて(図4(e)
の矢印を参照)、留置台61、そして、整列送り箱63
に送り込まれる。こうして、頭部1aを先にしたアンプ
ル1は、欠落部43からの脱落時に先後を入れ替えて、
やはり尾部1bを手前にして整列する。
【0038】以上の説明から明らかなように、多数のア
ンプル1は、ランダムに投入されたにも拘わらず、最終
的には、横一列に並べられるとともに、その頭尾までも
揃えられる。また、収容器10の大きさ特に取出機構2
0側の長さがアンプル1のサイズによって限定されない
で済むので、収容器10の形状や容量を自由に大きくす
ることができる。さらに、取出機構20ばかりか搬送機
構30や案内機構50までも収容器10の横に並べて平
坦に配置したので、装置全体を小形にすることもでき
た。
【0039】
【第2実施例】本発明の薬剤送出装置の第2実施例につ
いて、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。
図5は、欠落部の幅を可変する機構を示し、(a)が手
動式の例で、(b)が自動式の例である。この薬剤送出
装置が第1実施例のものと相違するのは、欠落部43の
幅を可変するために、添え板42を添え板41に向けて
進退させる幅調節機構70を付加した点である。以下、
この幅調節機構70を説明する。
【0040】図5(a)に示した幅調節機構70は、欠
落部43の幅を手動で可変するために、添え板42を添
え板41側へ摺動可能に保持するスライド枠71と、ス
ライド枠71によって回転可能に軸支された摘み72
と、一端が摘み72に連結され他端が添え板42の雌ネ
ジ部に螺合した雄ネジ73とからなり、摘み72が人手
で回転させられると、添え板42が前進または後退する
ようになっている。
【0041】これに対し、図5(b)に示した幅調節機
構70は、欠落部43の幅を自動で可変するために、上
述の摘み72に代えてモータ74を設け、その回転位置
をコントローラ75で制御するものである。さらに、オ
プションでアンプル設置箱76も追加される。その場
合、アンプル設置箱76の中にアンプル1を収めると、
可動板77がアンプル端部に押し当てられ、その位置に
対応して可変抵抗78の摺動端子79が位置決めされる
ので、摺動端子79の電圧に基づいてアンプル1の全長
Mをコントローラ75が検知し、自動的に欠落部43が
適切な幅に調節されるようになっている。
【0042】
【応用例】本発明の薬剤送出装置を多数用いた応用例と
して、薬剤送出装置を縦横に配設してなる注射薬払出装
置を説明する。図6は、その概要を示し、(a)が平面
図であり、(b)が正面図である。
【0043】この注射薬払出装置80は、筐体81内
に、薬剤送出装置9を縦6段で横2列に区分けして支持
する格納庫と、その後方で各々が左右に延び水平に走る
縦6段のコンベア82と、右後方の隅で上下に延び鉛直
に走るエレベータ83と、右方で前後に延び水平に走る
コンベア84とが設けられている。この場合、各薬剤送
出装置9がコンパクトな角箱風に纏められているので、
格納庫、そして装置全体も、コンパクトなものになって
いる。
【0044】そして、各薬剤送出装置9ごとに各種の薬
剤がランダムに投入されるとともに、処方箋データ等に
基づいて図示しないコントローラによって適宜の薬剤送
出装置9が選択的に動作させられると、該当薬剤送出装
置9から排出された薬剤は、同じ段のコンベア82によ
ってエレベータ83へと運ばれ、エレベータ83の昇降
等によってコンベア84上に集められて、払い出される
(図6(a)の矢印を参照)。
【0045】このように、この注射薬払出装置80は、
各種のアンプル1等を処方箋等に応じて自動で払い出す
が、アンプル1等の投入はランダムで良いので、補充作
業等が楽に行える。また、コンベア82,エレベータ8
3,コンベア84上に乗せられたアンプル1の向きがそ
の上で維持されるようにするだけで、注射薬のセット処
理までも自動で行うことができる。
【0046】
【変形例】なお、上記の実施例で、収容器10は、平面
四角形の箱体としたが、これに限定されるもので無く、
他の多角形や,曲線・曲面を含んだ形状でも良い。アン
プル1の投入口も、上面全体に限らず、その一部だけの
開口でも良く、他の面たとえば左側面の上半分などを解
放してそこから投入するようにしても良い。また、スト
ッカ底板11も、板材に限らず、傾斜面を持つものであ
れば角材等を加工したものでも良い。さらに、開閉板1
2も、板に限らず、シート状や棒状のものでも良く、回
転する代わりに曲折変形したり進退するようになってい
ても良い。
【0047】取出機構20は、取出部材24の駆動にベ
ルト23を用いたが、これは必須でなく、チェーンや網
状の伝動部材あるいは上下動する板など、他の部材を用
いても良い。また、取出部材24は、棒状体に限らず、
板材を曲げて適当な形にして用いる等、アンプル1を取
り出せるものであれば足りる。さらに、上述のストッカ
底板11や開閉板12同様、中継板25も、板材に限ら
ず、開閉板26も、回転する板材に限られるものでは無
い。
【0048】搬送機構30は、ベルト33を示したが、
これに限らず、チェーン等を用いることも可能である。
また、搬送補助機構40は、添え板41,添え板42に
分離したが、これらは一体化されていても良く、その場
合、欠落部43は切欠等で形成すると良い。さらに、案
内機構50も、板材の組み合わせに限らず、厚い部材に
案内路を彫り込むこと等で形成するようにしても良い。
【0049】整列機構60は、整列送り箱63内のアン
プル1を手で掴み出すのであれば昇降板64等が不要で
ある。また、アンプル1を縦向きに排出するのであれ
ば、整列機構60は、単に細長いシュートでも足りる。
【0050】幅調節機構70は、ネジ式のものに限ら
ず、シリンダ等を利用したものでも良い。また、アンプ
ル1の長さ検出も、電気式に限らず、梃子等を用いた純
機械式のものでも良く、さらには光学式など他の手法を
応用しても良い。あるいは、操作卓等を介してアンプル
1の全長Mや、距離P,Qなどをコントローラ75に入
力するようにしても良い。
【0051】上述の注射薬払出装置80では、薬剤送出
装置が6行2列に配設されていたが、これは一例に過ぎ
ない。何行何列にするかは、薬剤の種類や設置面積等に
基づいて自由に決めて良い。
【0052】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の薬剤送出装置にあっては、収容器を取り出し位置に向
けて絞らないでも薬剤が一定の向きで逐次送り出される
ようにしたことにより、収容器等に関する制約が緩和さ
れて、薬剤収容力がアップし、その結果、ランダム収容
でもコンパクトな薬剤送出装置を実現することができた
という有利な効果が有る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の薬剤送出装置の第1実施例につい
て、要部を斜め上から見た簡略図である。
【図2】 (a)が全体の平面図であり、(b)が収
容器と取出機構の縦断側面図である。
【図3】 (a)が搬送機構と搬送補助機構の平面図
であり、(b)がその正面図であり、(c)が案内機構
の縦断側面図であり、(d)が案内機構と整列機構の正
面図である。
【図4】 (a)がアンプルの一例であり、(b)〜
(e)は、アンプルが先後を代えるときの様子を示す図
である。
【図5】 本発明の薬剤送出装置の第2実施例につい
て、(a)が欠落部の幅を手動で可変する機構の例であ
り、(b)が欠落部の幅を自動で可変する機構の例であ
る。
【図6】 本発明の薬剤送出装置を多数用いた応用例と
して、薬剤送出装置を縦横に配設してなる注射薬払出装
置である。(a)が平面図であり、(b)が正面図であ
る。
【符号の説明】
1 アンプル(丸もの、棒状薬、薬剤) 1a 頭部(切り落とし部、軽量部) 1b 尾部(本体下端部、重量部、重心寄り端部) 9 筐体(支持部、フレーム、薬剤整列機、薬剤送出
装置) 10 収容器(角形収容器、ランダム収容器) 11 ストッカ底板(傾斜板、滑板) 12 開閉板(自力復帰扉) 20 取出機構(取出手段) 21 ローラ(取出部材を間欠的に昇降させる手
段) 22 ローラ(取出部材を間欠的に昇降させる手
段) 23 ベルト(取出部材を間欠的に昇降させる手
段) 24 取出部材(掬い上げ部材、取り出し中に接す
る部材) 25 中継板(傾斜板、薬剤転動板) 26 開閉板(自力復帰扉) 30 搬送機構(搬送手段、移送手段) 40 搬送補助機構(搬送補助手段) 41 添え板(搬送経路の添設部材、補助部材) 42 添え板(搬送経路の添設部材、補助部材) 43 欠落部(切開部、窓部、開口部、薬剤脱落
部) 44 ストッパ 50 案内機構(案内手段) 51 ガイド底板(傾斜板、薬剤滑落板) 52 ガイド側板(案内路の幅を規定する部材) 53 ガイド側板(案内路の幅を規定する部材) 60 整列機構(整列位置) 61 留置台(移載台、薬剤の送り方向を縦から横
に転換する手段) 62 止め板 63 整列送り箱(傾斜箱、薬剤転動箱、横送り長
箱) 64 昇降板(開閉扉、逐次送出部材) 70 幅調節機構(補助部材の進退機構、幅可変手段) 71 スライド枠 72 摘み(手動機構) 73 ネジ 74 モータ(自動機構) 75 コントローラ 76 アンプル設置箱 77 可動板 78 可変抵抗(三端子抵抗) 79 摺動端子(可動端子) 80 注射薬払出装置 81 筐体 82 コンベア 83 エレベータ 84 コンベア

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アンプル等の薬剤を多数収容可能な収容器
    と、前記収容器から薬剤を取り出す取出手段と、前記取
    出手段から薬剤を受けてそれをその長手方向に移動させ
    る移送手段とを備えた薬剤送出装置において、前記取出
    手段のうち取り出し中の薬剤と接する部分の部材形状
    が、その長手方向に一列に列べた複数の薬剤に対応した
    ものであることを特徴とする薬剤送出装置。
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