JP2000185794A - バッグインボックス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量で十分な実用強度を持ち、かつ、安価な
折り畳み可能なバッグインボックス（ＢＩＢ）の提供。 【構成】 折畳可能な外装容器と内容器からなるバッグ
インボックスにおいて、前記外装容器の少なくとも側壁
部を、ハニカム構造体の少なくとも前記外装容器の内側
となる面に合成樹脂シートを被覆した板状部材で構成し
たバッグインボックス。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、折り畳み可能な外
装容器と内容器からなるバッグインボックス（以下、Ｂ
ＩＢという。）の外装容器の少なくとも側壁部に、ハニ
カム構造体の少なくとも外装容器の内側となる面を合成
樹脂シートで被覆した板状部材用いた、軽量で十分な実
用強度を有し、かつ比較的安価であるバッグインボック
スに関する。

【０００２】

【従来技術】従来の大型ＢＩＢの折畳可能な外装容器
は、金属などのフレームに合板などの板状部材をはめ込
んで組み立て、分解を行っていた。合板は強度の優れた
ものが比較的安価に入手できるという長所がある反面、
合板は重くて取り扱いにくいという問題があった。ま
た、この外装容器はフレームと合板の接続部における段
差や合板表面など構造的に細かな凹凸が存在しやすく、
内容器を直接装着するとこの凹凸によってピンホールを
発生させるという問題もあった。また、充填時あるいは
内容品を排出完了した時点での内容器除去時に外装容器
は内側に内容品による汚れなどが付着しやすく、汚れが
付着した場合も洗浄に手間がかかるなどの問題もあっ
た。更には、近年外装容器に断熱機能を持たせたいとい
う要望も出てきており、そのような要望に応えづらいと
いう問題もあった。このような問題を解決するために
は、プラスチックの中空体で側壁部材を形成し、発泡プ
ラスチックを注入することが考えられるが、発泡体を芯
としたプラスチックの中空体では、強度的に優れたもの
が得られず、内容品の重量によっては、側壁部が丸みを
帯びてくるいわゆる胴膨れ現象が起こりやすいという問
題があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】すなわち、本発明の目
的は、上述のような従来の外装容器が有する問題点を解
決するためになされたものであり、強度に優れ、軽くて
扱いやすく、内容器にピンホールを発生させる可能性が
小さく、洗浄が容易で、断熱機能を有するＢＩＢ外装容
器を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく種々検討した結果、ハニカム構造体が軽量で
あり、曲げに対する剛性にも優れ、断熱効果も大きいと
の知見を得、本発明をなしたものである。すなわち、本
発明は、折畳可能な外装容器と内容器からなるＢＩＢに
おいて、前記外装容器がハニカム構造体の少なくとも外
装容器とした場合内側となる面を合成樹脂シートで被覆
した板状部材を側壁部に有するＢＩＢであり、好ましく
は、前記板状部材がハニカム構造体の全表面を合成樹脂
シートで被覆したものであり、より好ましくは、前記側
壁部を前記板状部材同士を組合わせ形成したものであ
り、更に好ましくは、前記板状部材の横断面がＬ字状で
あることを特徴とするＢＩＢである。

【０００５】

【本発明の態様】本発明のＢＩＢにおいてはその大きさ
に制限はないが、容量が５０〜２０００リットル（ｌ）
であるものをが好ましく、容量が３００〜２０００ｌの
液体を対象とするＢＩＢとすることが特に好ましい。す
なわち、本発明においては、外装容器の少なくとも側壁
部を構成する材料に曲げ方向の荷重に対する剛性を持た
せる構成材料としてハニカム構造体を使用することを特
徴とするものである。また、折畳可能な外装容器は、再
使用されるための十分な取扱い性を有していなければな
らない。すなわち、分解組立が容易なこと、汚染を受け
にくい、汚染を受けても洗浄が容易であることなどの性
能が要求される。ここでハニカム構造体とは、蜂の巣を
層状に横より切断した形状を有する板状構造体をを意味
する。ハニカム構造体を構成するための材質としては、
例えば、アルミニウム、アルミ合金などの金属、セラミ
ック、パルプ、合成樹脂などが使用できるが、軽量、断
熱効果、コストなどの観点から、パルプが好ましい。

【０００６】ハニカム構造体の少なくとも外装容器の内
側となる面を被覆する合成樹脂シートとしては、ハニカ
ム構造体の表面を被覆できるものであれば熱可塑性樹脂
でも、熱硬化性樹脂でも使用可能であるが、加工適正、
コストなどから、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの
ポリオレフィンやポリアミドなどの熱可塑性樹脂が好ま
しい。また、外装容器が再使用できるような耐久性を有
していることが好ましい。前記合成樹脂シートの被覆に
よって、細かな凹凸がなくなる。また、金属などのフレ
ームにはめ込む場合であっても、段差部を小さく乃至な
くすことができる。

【０００７】合成樹脂シートのハニカム構造体表面への
被覆には、熱圧着ラミネート、押し出しラミネート、あ
るいは接着剤などを用いて積層しても良い。または、あ
らかじめ中空部を形成した部材に、板状のハニカム構造
体を封入する、もしくは、板状のハニカム構造体を金型
内にセットしておき、一体に成形するなど方法で該ハニ
カム構造体を合成樹脂シートで被覆することもできる。
なお、被覆に際しては、層状の蜂の巣に直接合成樹脂シ
ートを被覆してもよいが、他の物質を介して被覆しても
よい。

【０００８】前記のように、ハニカム構造体の表面に合
成樹脂シートを被覆して製造された板状部材は、従来の
ように金属製などのフレームを使用して組み立ててもよ
いが、板状部材同士を直接組み合わせて、ＢＩＢ外装容
器に組立てることができる。すなわち、本発明のＢＩＢ
外装容器においては、板状部材が合成樹脂で被覆されて
いるので、前記板状部材を組み合わせ、組立てるに際し
て、板状部材の組み合わせ端部に、凹凸構造のリブを設
けて、リブ同士を嵌合させることにより連結する構造を
容易に採用することができる。

【０００９】組み立てられた時の本発明のＢＩＢ外装容
器の形状については特に制限はないが内容品を充填した
ＢＩＢは数段積みに重ねられることがあること、及び側
壁部を構成する板状部材が剛性が高く曲げ加工がし難い
ことから多角形状が好ましく、輸送時の積載効率の観点
から、四角柱状又は立方体が好ましい。角型外装容器の
場合においては、板状部材、特に側壁を構成する板状部
材を、例えば、特開平９−２０２３２５号公報や特開平
１０−７１４４号公報に記載されているような横断面形
状がＬ字状の構造にしておくと組立がさらに容易とな
る。また、外装容器は、繰り返し使用されるから、再使
用までコンパクトに折り畳むことができる必要があるの
で、特開平９−２０２３２５号公報のように底部材、枠
部材、蓋部材の中に、側壁形成部材が収容されてしまう
構造に設計することがより望ましい。

【００１０】これらの外装容器においては、底部材、蓋
部材を構成する材料としては、従来からＢＩＢで使用さ
れているものでもよいが、ハニカム構造体の外装容器と
した場合内側となる面を合成樹脂シートで覆った板状部
材を使用することもできる。また、組み立てた外装容器
をより安定な形状に保つために、例えば結束部材により
締め付けるなどの、適宜な固定手段を採用することでき
る。大型ＢＩＢはフォークリフトで積み降ろしを行う場
合が多いので、底部材をパレット兼用に設計することが
好ましい。

【００１１】図１、は、紙製のハニカム構造体を示す。
前記ハニカム構造体は、表面及び／又は裏面にライナー
が貼着され板状のハニカム構造体（図２）（Ｐ．Ｈ）
（ハニカムボード）としたものである。この時、ライナ
ーは通常は紙であるが合成樹脂又は合成樹脂積層紙材が
使用できる。図３は、Ｌ字型に成型されたハニカム構造
体（Ｐ．Ｈ．Ｂ）を、例えばポリプロピレンを使用して
ブロー成形法で製造された合成樹脂製の中空体（Ｐ．
Ｖ）中に挿入することによって全表面を合成樹脂シート
で被覆したものの断面図である。この場合、嵌合する凹
凸部は樹脂で形成した嵌合部Ｒとすることができる。

【００１２】

【実施例】実施例１ １００μｍの低密度ポリエチレンをラミネートした厚さ
１ｍｍの板紙ライナーで両面が被覆された０．３ｍｍの
クラフトパルプ板紙製の一辺１０ｍｍ６角柱よりなる厚
さ２３ｍｍのハニカム構造体で１０５０ｍｍ×１０５０
ｍｍの大きさの板状部材を４枚作成し、それを側壁部材
Ｂとした（図４）。１１００×１１００ｍｍのパレット
を兼用するプラスチック製の平板状の底部材（図４で
は、底部材Ａにフォークリフトのフォークが入り込む凹
溝Ｇが設けられているが、必須ではない。）の４隅に、
支柱（Ｐ．Ｉ）が差し込まれる嵌合孔および側壁部材Ｂ
の下端部が収納される溝を設けた（支柱嵌合孔４及び溝
３を設けた底部材の形状を図７ａに示した。）。該嵌合
孔に長さ１１００ｍｍの鉄製アングル材を支柱（Ｐ．
Ｉ）として差し込みフレームを作成した。各支柱の間に
側壁部材Ｂを嵌め側壁部を形成しＢＩＢ外装容器を作成
した。該外装容器に１００μｍの直鎖状低密度ポリエチ
レンフイルム２層よりなる内容器をセットし、水を１０
００Ｌ充填した。側壁部と同じ材質で大きさが１１００
×１１００ｍｍの板状部材を天蓋として用いて封緘し、
ＰＰ（ポリプロピレン製）バンドを十文字にかけて固定
し、６ヶ月間放置した。側壁部は膨らみも撓みもなくＢ
ＩＢの全体は立方体を維持していた。なお、蓋部材とし
てＢＩＢ開口部内に嵌合する段差部７を設けた図５とし
ても良い。なお、接合部には、接合性を改善する、例え
ば液密にするためのゴム製のパッキング材などの部材を
取り付けることができる。

【００１３】また、ハニカム構造体に合成樹脂を被覆す
るに際し、外装容器の側壁用板状部材、底面パレット部
材及び蓋部材に、前記容器を結束して安定化させる結束
部材がはまり込む凹部を形成することもできる。

【００１４】実施例２ ブロー成型により肉厚３ｍｍのポリプロピレン製中空部
材を４個作成した。該中空部材は上部に幅２５ｍｍの開
口部を設け、高さが１１００ｍｍで、断面形状は長辺９
５０ｍｍ、短辺１５０ｍｍのＬ字状とし、下部及びＬ字
の各先端部には嵌合用５−１及び５−２の凹凸が形成さ
れている（図６）。実施例１で用いたものと同質のハニ
カム構造体を厚さ１ｍｍの板紙ライナーで被覆したもの
を用い、１０７０×９００、１０７０×１００ｍｍの大
きさの板状部材を４個作った。該中空部材のＬ字長辺及
び短辺の開口部より、それぞれの板状部材を挿入し、各
開口部を厚さ３ｍｍのポリプロピレンシートで密封し４
個の側壁部材（Ｂ−１〜Ｂ−４）を作成した（図６）。
実施例１で用いた底部材の支柱嵌合孔を除いた底部材
（図７ｂ）に４個の側壁部材（Ｂ−１〜Ｂ−４）の互い
の長辺と短辺を凹凸（５−２）を介して連結して側壁部
を形成した。前記側壁部材の下部の凹凸（５−１）は、
底部材の溝（図７ｂの３、図７ｂにおける１は底、２は
側部である。）に嵌め込まれ、側壁部材を固定する。実
施例１と同様に水を充填し、天蓋で封緘し、ＰＰバンド
で固定し、６ヶ月間放置した。側壁部は膨らみも撓みも
なくＢＩＢの全体は立方体を維持していた。

【００１５】実施例３ この実施例は、前記実施例１の支柱の材質をプラスチッ
クに代え、４隅に立てたプラスチック製の支柱間に更に
支柱を設け、プラスチック製の支柱の強度を補った、Ｂ
ＩＢの他の擬態例を示す。（図８、底部材にはフォーク
リフトのフォーク用の溝Ｇが設けられている。）支柱の
材質をプラスチックに代えてもほぼ実施例１と同様の結
果が得られた。

【００１６】

【発明の効果】以上述べたように、側壁用板状部材にハ
ニカム構造体を使用することにより、軽量で実用強度も
十分な、折り畳み可能なＢＩＢを提供できる、という優
れた効果がもたらされる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 紙製のハニカム構造体

【図２】 板状に成型したハニカム構造体（Ｐ．Ｈ）

【図３】 Ｌ字型成型ハニカム構造体（Ｐ．Ｈ．Ｂ）の
断面図

【図４】 板状の側壁部材Ｂを支柱（Ｐ．Ｉ）間に挿入
し組み立てたＢＩＢ

【図５】 ＢＩＢの開口部内側に嵌合する段差部７を有
する蓋部材ＣＡ．

【図６】 Ｌ字状とし、下部及びＬ字の各先端部に嵌合
用５−１及び５−２の凹凸が形成された側壁部材

【図７】 ＢＩＢ底部材の例

【図８】 中間支柱を設けたＢＩＢの他の例

【符号の説明】

Ｐ．Ｈ 板状ハニカム構造体 Ｒ 樹脂製嵌合部 Ｐ．Ｈ．Ｂ Ｌ字型成型ハニカム構造体 Ｂ 側壁部材 Ａ 底部材 ＣＡ． 蓋部材 Ｐ．Ｉ
支柱 １ ＢＩＢの底 ２ 側部 ３ 側壁部材用溝 ４ 支柱嵌合孔 Ｇ フォークリフトのフォーク用溝

フロントページの続き Ｆターム(参考） 3E061 AA01 AB01 AB09 CA12 DA03 DB15 3E070 AA30 DA07 DA16 KA11 KB02 KB06 LA01 LA08 MA02 QA01 RA01 RA16 SA01 SA03 WJ06 WJ07

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 折畳可能な外装容器と内容器からなるバ
   ッグインボックスにおいて、前記外装容器の少なくとも
   側壁部を、ハニカム構造体の少なくとも前記外装容器の
   内側となる面に合成樹脂シートを被覆した板状部材で構
   成したことを特徴とするバッグインボックス。
2. 【請求項２】 前記板状部材がハニカム構造体の全表面
   を合成樹脂シートで被覆したものであることを特徴とす
   る請求項１に記載のバッグインボックス。
3. 【請求項３】 前記側壁部が前記板状部材同士を組合わ
   せ形成したことを特徴とする請求項１または２に記載の
   バッグインボックス。
4. 【請求項４】 前記板状部材の横断面がＬ字状であるこ
   とを特徴とする請求項３に記載のバッグインボックス。