JP2000185611A - 自動車の車体上部の衝撃エネルギ吸収構造 - Google Patents
自動車の車体上部の衝撃エネルギ吸収構造Info
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- JP2000185611A JP2000185611A JP10366702A JP36670298A JP2000185611A JP 2000185611 A JP2000185611 A JP 2000185611A JP 10366702 A JP10366702 A JP 10366702A JP 36670298 A JP36670298 A JP 36670298A JP 2000185611 A JP2000185611 A JP 2000185611A
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- energy absorbing
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 有効な変位量を確保しにくい場合でも所定の
最大荷重を保ちつつ、必要なエネルギ吸収量を得ること
ができる、自動車の車体上部の衝撃エネルギ吸収構造を
提供すること。 【解決手段】 車体の構造部材と、この構造部材から車
室内方へ間隔をおいて配置される内装材とを備える自動
車の車体上部の衝撃エネルギ吸収構造に関する。この衝
撃エネルギ吸収構造は、前記間隔内に配置された第1の
エネルギ吸収体であって衝撃体の変位が大きくなるにつ
れて反力荷重が高くなり、所定の最大荷重に達する第1
のエネルギ吸収体(16)と、第1のエネルギ吸収体と
併設された第2のエネルギ吸収体(18)とを備える。
第2のエネルギ吸収体は第1のエネルギ吸収体が最大荷
重に達する前に変形し、変形を終了してエネルギ吸収す
る。
最大荷重を保ちつつ、必要なエネルギ吸収量を得ること
ができる、自動車の車体上部の衝撃エネルギ吸収構造を
提供すること。 【解決手段】 車体の構造部材と、この構造部材から車
室内方へ間隔をおいて配置される内装材とを備える自動
車の車体上部の衝撃エネルギ吸収構造に関する。この衝
撃エネルギ吸収構造は、前記間隔内に配置された第1の
エネルギ吸収体であって衝撃体の変位が大きくなるにつ
れて反力荷重が高くなり、所定の最大荷重に達する第1
のエネルギ吸収体(16)と、第1のエネルギ吸収体と
併設された第2のエネルギ吸収体(18)とを備える。
第2のエネルギ吸収体は第1のエネルギ吸収体が最大荷
重に達する前に変形し、変形を終了してエネルギ吸収す
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車、特に乗用車
の構造部材と、この構造部材から車室内方へ間隔をおい
た内装材とを備える車体上部の衝撃エネルギ吸収構造に
関する。
の構造部材と、この構造部材から車室内方へ間隔をおい
た内装材とを備える車体上部の衝撃エネルギ吸収構造に
関する。
【0002】
【従来の技術】構造部材と内装材との間の間隔内に、例
えば格子状の樹脂リブを配置し、衝撃荷重が加わったと
き樹脂リブを変形させて衝撃エネルギを吸収する構造が
知られている(特開平9-24784号公報)。
えば格子状の樹脂リブを配置し、衝撃荷重が加わったと
き樹脂リブを変形させて衝撃エネルギを吸収する構造が
知られている(特開平9-24784号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記樹脂リブに限ら
ず、一般にエネルギ吸収体は、衝撃体が前記間隔の大き
さより小さい範囲で変位をするとき、エネルギ吸収体に
発生する反力荷重が所定の最大荷重に達するように定め
られる。周知のように、エネルギ吸収量は荷重と変位と
の積で与えられるため、所定のエネルギ吸収量を確保す
るには、最大荷重が大きくなるほど、小さな変位でよい
ことになる。従って、エネルギ吸収体を狭い間隔内に配
置する観点からは、最大荷重が大きいほど好ましい。反
面、最大荷重が大きくなることは、エネルギ吸収体から
衝撃体に大きな反力荷重が及ぼされることであるから、
衝撃体への影響を少なくする観点からは、最大荷重が小
さいほど好ましい。このように、最大荷重は変位と衝撃
体への影響との調和点としての意味を持つ。
ず、一般にエネルギ吸収体は、衝撃体が前記間隔の大き
さより小さい範囲で変位をするとき、エネルギ吸収体に
発生する反力荷重が所定の最大荷重に達するように定め
られる。周知のように、エネルギ吸収量は荷重と変位と
の積で与えられるため、所定のエネルギ吸収量を確保す
るには、最大荷重が大きくなるほど、小さな変位でよい
ことになる。従って、エネルギ吸収体を狭い間隔内に配
置する観点からは、最大荷重が大きいほど好ましい。反
面、最大荷重が大きくなることは、エネルギ吸収体から
衝撃体に大きな反力荷重が及ぼされることであるから、
衝撃体への影響を少なくする観点からは、最大荷重が小
さいほど好ましい。このように、最大荷重は変位と衝撃
体への影響との調和点としての意味を持つ。
【0004】本発明は、有効な変位量を確保しにくい場
合でも所定の最大荷重を保ちつつ、必要なエネルギ吸収
量を得ることができる、自動車の車体上部の衝撃エネル
ギ吸収構造を提供する。
合でも所定の最大荷重を保ちつつ、必要なエネルギ吸収
量を得ることができる、自動車の車体上部の衝撃エネル
ギ吸収構造を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、車体の構造部
材と、この構造部材から車室内方へ間隔をおいて配置さ
れる内装材とを備える自動車の車体上部の衝撃エネルギ
吸収構造に関する。この衝撃エネルギ吸収構造は、前記
間隔内に配置された第1のエネルギ吸収体であって衝撃
体の変位が大きくなるにつれて反力荷重が高くなり、所
定の最大荷重に達する第1のエネルギ吸収体と、この第
1のエネルギ吸収体と併設された第2のエネルギ吸収体
とを備える。この第2のエネルギ吸収体は、前記第1の
エネルギ吸収体が前記最大荷重に達する前に変形し、変
形を終了してエネルギ吸収するように形成されている。
材と、この構造部材から車室内方へ間隔をおいて配置さ
れる内装材とを備える自動車の車体上部の衝撃エネルギ
吸収構造に関する。この衝撃エネルギ吸収構造は、前記
間隔内に配置された第1のエネルギ吸収体であって衝撃
体の変位が大きくなるにつれて反力荷重が高くなり、所
定の最大荷重に達する第1のエネルギ吸収体と、この第
1のエネルギ吸収体と併設された第2のエネルギ吸収体
とを備える。この第2のエネルギ吸収体は、前記第1の
エネルギ吸収体が前記最大荷重に達する前に変形し、変
形を終了してエネルギ吸収するように形成されている。
【0006】前記第2のエネルギ吸収体は前記第1のエ
ネルギ吸収体から延長して形成され、第1のエネルギ吸
収体と一体となることができる。
ネルギ吸収体から延長して形成され、第1のエネルギ吸
収体と一体となることができる。
【0007】好ましい態様では、前記構造部材はルーフ
サイドレールであり、前記第2のエネルギ吸収体は、前
記ルーフサイドレールの近傍に配置されたサンルーフハ
ウジングと前記内装材との間に配置されている。
サイドレールであり、前記第2のエネルギ吸収体は、前
記ルーフサイドレールの近傍に配置されたサンルーフハ
ウジングと前記内装材との間に配置されている。
【0008】
【作用及び効果】衝撃体が内装材に衝突し、衝撃荷重が
加わると、第1のエネルギ吸収体及び第2のエネルギ吸
収体が変形を開始する。第1のエネルギ吸収体の反力荷
重が最大荷重に達する前に、つまり衝撃体の変位が最大
の反力荷重を発生する変位量となる前に、第2のエネル
ギ吸収体が変形し、変形を終了する。
加わると、第1のエネルギ吸収体及び第2のエネルギ吸
収体が変形を開始する。第1のエネルギ吸収体の反力荷
重が最大荷重に達する前に、つまり衝撃体の変位が最大
の反力荷重を発生する変位量となる前に、第2のエネル
ギ吸収体が変形し、変形を終了する。
【0009】第2のエネルギ吸収体は、第1のエネルギ
吸収体の反力荷重が所定の最大荷重に達する前に変形
し、変形を終了してエネルギ吸収するため、第1のエネ
ルギ吸収体の最大荷重が設定値より大きくなることはな
い。にもかかわらず、第2のエネルギ吸収体それ自体が
変形してエネルギ吸収するため、第1のエネルギ吸収体
の反力荷重が立ち上がりつつある時点でのエネルギ吸収
量を増やすことができ、全体のエネルギ吸収量が増え
る。
吸収体の反力荷重が所定の最大荷重に達する前に変形
し、変形を終了してエネルギ吸収するため、第1のエネ
ルギ吸収体の最大荷重が設定値より大きくなることはな
い。にもかかわらず、第2のエネルギ吸収体それ自体が
変形してエネルギ吸収するため、第1のエネルギ吸収体
の反力荷重が立ち上がりつつある時点でのエネルギ吸収
量を増やすことができ、全体のエネルギ吸収量が増え
る。
【0010】エネルギ吸収体を備える衝撃エネルギ吸収
構造を設置した車体上部において、構造部材と内装材と
の間に前記エネルギ吸収体が変位するのに十分な間隔が
あるため、衝撃体が前記構造部材に突き当たる可能性は
少ないが、衝撃体が移動する過程で前記構造部材とは別
の剛性体に突き当たり、いわゆる底づきが生ずることが
ある。この底づきが生ずると、所定の最大荷重をはるか
に越えたピーク荷重が発生する。本発明によれば、この
ような衝撃エネルギ吸収構造に、前記エネルギ吸収体と
の関係で特定の構成とした第2のエネルギ吸収体を追加
するだけで底づきの発生を防ぐことができる。
構造を設置した車体上部において、構造部材と内装材と
の間に前記エネルギ吸収体が変位するのに十分な間隔が
あるため、衝撃体が前記構造部材に突き当たる可能性は
少ないが、衝撃体が移動する過程で前記構造部材とは別
の剛性体に突き当たり、いわゆる底づきが生ずることが
ある。この底づきが生ずると、所定の最大荷重をはるか
に越えたピーク荷重が発生する。本発明によれば、この
ような衝撃エネルギ吸収構造に、前記エネルギ吸収体と
の関係で特定の構成とした第2のエネルギ吸収体を追加
するだけで底づきの発生を防ぐことができる。
【0011】前記第2のエネルギ吸収体が前記第1のエ
ネルギ吸収体から延長して形成され、第1のエネルギ吸
収体と一体となった発明によれば、前述したのと同様な
作用及び効果が得られることに加えて、第2のエネルギ
吸収体を第1のエネルギ吸収体によって支持できるるた
め、第2のエネルギ吸収体を取り付けるための固定手段
及び取付作業が不要であり、第2のエネルギ吸収体の所
定位置への配置が容易である。
ネルギ吸収体から延長して形成され、第1のエネルギ吸
収体と一体となった発明によれば、前述したのと同様な
作用及び効果が得られることに加えて、第2のエネルギ
吸収体を第1のエネルギ吸収体によって支持できるるた
め、第2のエネルギ吸収体を取り付けるための固定手段
及び取付作業が不要であり、第2のエネルギ吸収体の所
定位置への配置が容易である。
【0012】構造部材がルーフサイドレールであり、第
2のエネルギ吸収体がサンルーフハウジングと内装材と
の間に配置された発明によれば、前述したのと同様な作
用及び効果が得られることに加えて、サンルーフを備え
る自動車においてサンルーフハウジングに突き当たるこ
とによる底づきの発生を防ぐことができる。
2のエネルギ吸収体がサンルーフハウジングと内装材と
の間に配置された発明によれば、前述したのと同様な作
用及び効果が得られることに加えて、サンルーフを備え
る自動車においてサンルーフハウジングに突き当たるこ
とによる底づきの発生を防ぐことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】衝撃エネルギ吸収構造は、断面を
示す図1と、車室内の側面を示す図6とを参照すると、
車体の構造部材10と、構造部材10から車室内方へ間
隔をおいて配置される内装材12とを備える自動車の車
体上部14において衝撃エネルギを吸収するものであっ
て、第1のエネルギ吸収体16と、第2のエネルギ吸収
体18とを備える。
示す図1と、車室内の側面を示す図6とを参照すると、
車体の構造部材10と、構造部材10から車室内方へ間
隔をおいて配置される内装材12とを備える自動車の車
体上部14において衝撃エネルギを吸収するものであっ
て、第1のエネルギ吸収体16と、第2のエネルギ吸収
体18とを備える。
【0014】構造部材10は、図示の実施例では、車体
の前後方向へ延びているルーフサイドレールであり、イ
ンナパネル20とアウタパネル22とによって閉じ構造
に形成されている。ルーフパネル24がルーフサイドレ
ール10のフランジ接合部23に溶接されている。
の前後方向へ延びているルーフサイドレールであり、イ
ンナパネル20とアウタパネル22とによって閉じ構造
に形成されている。ルーフパネル24がルーフサイドレ
ール10のフランジ接合部23に溶接されている。
【0015】内装材12は軟質樹脂製のルーフライニン
グであり、ルーフサイドレール10と、サンルーフハウ
ジング26とを覆っている。
グであり、ルーフサイドレール10と、サンルーフハウ
ジング26とを覆っている。
【0016】第1のエネルギ吸収体16がルーフサイド
レール10とルーフライニング12との間の間隔内に配
置されている。第1のエネルギ吸収体16は、衝撃体2
8の持つ衝撃エネルギを吸収するもので、荷重F対変位
Sのエネルギ吸収特性を示す図5を参照すると、変位S
が大きくなるにつれて反力荷重Fが高くなり、所定の最
大荷重Fmaxに達するエネルギ吸収特性Eを持つ。
レール10とルーフライニング12との間の間隔内に配
置されている。第1のエネルギ吸収体16は、衝撃体2
8の持つ衝撃エネルギを吸収するもので、荷重F対変位
Sのエネルギ吸収特性を示す図5を参照すると、変位S
が大きくなるにつれて反力荷重Fが高くなり、所定の最
大荷重Fmaxに達するエネルギ吸収特性Eを持つ。
【0017】図示の実施例では、第1のエネルギ吸収体
16は、3つの縦リブ30と、相当数の横リブ32とを
有する、射出成形された樹脂リブであるが、これはウレ
タンパッドとすることもできる。第1のエネルギ吸収体
16は、ルーフサイドレール10に沿って車体の前後方
向へ配置されるが、ルーフサイドレール10の全長にわ
たることは必要ではなく、衝撃体28からの衝撃荷重が
加わる可能性のある範囲に配置すればよい。
16は、3つの縦リブ30と、相当数の横リブ32とを
有する、射出成形された樹脂リブであるが、これはウレ
タンパッドとすることもできる。第1のエネルギ吸収体
16は、ルーフサイドレール10に沿って車体の前後方
向へ配置されるが、ルーフサイドレール10の全長にわ
たることは必要ではなく、衝撃体28からの衝撃荷重が
加わる可能性のある範囲に配置すればよい。
【0018】第2のエネルギ吸収体18は第1のエネル
ギ吸収体16と併設され、第1のエネルギ吸収体16が
最大荷重Fmaxに達する前に変形し、エネルギ吸収する
ように形成されている。
ギ吸収体16と併設され、第1のエネルギ吸収体16が
最大荷重Fmaxに達する前に変形し、エネルギ吸収する
ように形成されている。
【0019】斜視状態の図2に示した実施例では、第2
のエネルギ吸収体18は、上壁34と、縦壁35と、下
方へ向けて湾曲した底壁36とを一体に有する、ほぼ断
面コ字状の樹脂成形体である。
のエネルギ吸収体18は、上壁34と、縦壁35と、下
方へ向けて湾曲した底壁36とを一体に有する、ほぼ断
面コ字状の樹脂成形体である。
【0020】サンルーフハウジング26と、このサンル
ーフハウジング26によって支持されるサンルーフパネ
ル又はサンルーフガラス(図示せず)とからなるサンル
ーフを備える自動車では、サンルーフハウジング26は
ルーフサイドレール10の近傍に位置する。図1のAの
ように衝撃体28が移動し、内装材12を介して第1の
エネルギ吸収体16に突き当たるとき、第1のエネルギ
吸収体16には十分な変位量S1(図5)があるため、
衝撃体28がルーフサイドレール10に突き当たる可能
性は少ないが、衝撃体28が移動する過程でサンルーフ
ハウジング26に突き当たり、底づきが生ずることがあ
る。この底づきが生ずると、図5に示すように、最大荷
重Fmaxをはるかに越えたピーク荷重Pが発生する。
ーフハウジング26によって支持されるサンルーフパネ
ル又はサンルーフガラス(図示せず)とからなるサンル
ーフを備える自動車では、サンルーフハウジング26は
ルーフサイドレール10の近傍に位置する。図1のAの
ように衝撃体28が移動し、内装材12を介して第1の
エネルギ吸収体16に突き当たるとき、第1のエネルギ
吸収体16には十分な変位量S1(図5)があるため、
衝撃体28がルーフサイドレール10に突き当たる可能
性は少ないが、衝撃体28が移動する過程でサンルーフ
ハウジング26に突き当たり、底づきが生ずることがあ
る。この底づきが生ずると、図5に示すように、最大荷
重Fmaxをはるかに越えたピーク荷重Pが発生する。
【0021】第2のエネルギ吸収体18は、サンルーフ
ハウジング26の座27に上壁34を貫通するタッピン
グねじ38によって取り付けられている。この取付状態
で、第2の吸収体18の底壁36はルーフライナ12に
実質的に密接している。
ハウジング26の座27に上壁34を貫通するタッピン
グねじ38によって取り付けられている。この取付状態
で、第2の吸収体18の底壁36はルーフライナ12に
実質的に密接している。
【0022】第2のエネルギ吸収体18をサンルーフハ
ウジング26に取り付けた結果、衝撃体28から所定以
上の衝撃荷重が加わると、第1のエネルギ吸収体16と
第2のエネルギ吸収体18とが変形を開始する。このと
き、同時に変形を開始するようにしてもよく、一方が他
方より先に変形を開始するようにしてもよいが、第2の
エネルギ吸収体18は、第1のエネルギ吸収体16が最
大荷重Fmaxに達する前に変形し、変形を終了して、エ
ネルギ吸収するように形成されている。
ウジング26に取り付けた結果、衝撃体28から所定以
上の衝撃荷重が加わると、第1のエネルギ吸収体16と
第2のエネルギ吸収体18とが変形を開始する。このと
き、同時に変形を開始するようにしてもよく、一方が他
方より先に変形を開始するようにしてもよいが、第2の
エネルギ吸収体18は、第1のエネルギ吸収体16が最
大荷重Fmaxに達する前に変形し、変形を終了して、エ
ネルギ吸収するように形成されている。
【0023】図5に基づいて説明すると、2つのエネル
ギ吸収体16,18は同時に変形を開始し、第1のエネ
ルギ吸収体16の反力荷重はE1のように立ち上がる。
一方、第2のエネルギ吸収体18はエネルギ吸収特性D
を持ち、第2のエネルギ吸収体18の反力荷重はD1の
ように立ち上がる。変位が進行すると、第2のエネルギ
吸収体18は、第1のエネルギ吸収体16が最大荷重F
maxに達する前に変形し、最大荷重D2となり、D3のよ
うに反力荷重を下げ、第1のエネルギ吸収体16が最大
荷重Fmaxに達する前に変形を終了する。
ギ吸収体16,18は同時に変形を開始し、第1のエネ
ルギ吸収体16の反力荷重はE1のように立ち上がる。
一方、第2のエネルギ吸収体18はエネルギ吸収特性D
を持ち、第2のエネルギ吸収体18の反力荷重はD1の
ように立ち上がる。変位が進行すると、第2のエネルギ
吸収体18は、第1のエネルギ吸収体16が最大荷重F
maxに達する前に変形し、最大荷重D2となり、D3のよ
うに反力荷重を下げ、第1のエネルギ吸収体16が最大
荷重Fmaxに達する前に変形を終了する。
【0024】第1のエネルギ吸収体16と第2のエネル
ギ吸収体18との合成エネルギ吸収特性はGとなる。第
2のエネルギ吸収体18のエネルギ吸収量は、曲線Dと
横軸とによって囲まれた面積A1となり、これを直線E1
と曲線Gとの間に移すと、図示のようになる。すなわ
ち、第1のエネルギ吸収体16の反力荷重が立ち上がり
つつある時点でのエネルギ吸収量を増やすこととなる。
一方、第2のエネルギ吸収体18が存在することなく、
第1のエネルギ吸収体16だけが変形し、衝撃体28が
サンルーフハウジング26に突き当たって生ずる底づき
によりピーク荷重Pが発生するとき、エネルギ吸収量は
ピーク荷重に至る曲線の下方の面積A2となる。そこ
で、面積A1と面積A2とが等しくなるように、第2のエ
ネルギ吸収体18のエネルギ吸収特性Dを設定しておけ
ば、第1のエネルギ吸収体16が所定の変位量S1に達
したとき、衝撃体28が持つ衝撃エネルギを全て吸収し
たこととなり、底づきの発生を防ぐことができる。
ギ吸収体18との合成エネルギ吸収特性はGとなる。第
2のエネルギ吸収体18のエネルギ吸収量は、曲線Dと
横軸とによって囲まれた面積A1となり、これを直線E1
と曲線Gとの間に移すと、図示のようになる。すなわ
ち、第1のエネルギ吸収体16の反力荷重が立ち上がり
つつある時点でのエネルギ吸収量を増やすこととなる。
一方、第2のエネルギ吸収体18が存在することなく、
第1のエネルギ吸収体16だけが変形し、衝撃体28が
サンルーフハウジング26に突き当たって生ずる底づき
によりピーク荷重Pが発生するとき、エネルギ吸収量は
ピーク荷重に至る曲線の下方の面積A2となる。そこ
で、面積A1と面積A2とが等しくなるように、第2のエ
ネルギ吸収体18のエネルギ吸収特性Dを設定しておけ
ば、第1のエネルギ吸収体16が所定の変位量S1に達
したとき、衝撃体28が持つ衝撃エネルギを全て吸収し
たこととなり、底づきの発生を防ぐことができる。
【0025】断面状態の図3と、斜視状態の図4とに示
した実施例では、説明の便宜上ハッチングを入れた第2
のエネルギ吸収体40は、第1のエネルギ吸収体16か
ら延長して形成され、第1のエネルギ吸収体16と一体
となっている。
した実施例では、説明の便宜上ハッチングを入れた第2
のエネルギ吸収体40は、第1のエネルギ吸収体16か
ら延長して形成され、第1のエネルギ吸収体16と一体
となっている。
【0026】第1のエネルギ吸収体16は、図1に示し
た実施例と実質的に同じであり、3つの縦リブ30と相
当数の横リブ32とからなる樹脂リブである。第2のエ
ネルギ吸収体40は、横リブ32をサンルーフハウジン
グ26に向けて座27まで延長して形成されたもので、
座27に接触した状態で保持されている。図4には、第
2のエネルギ吸収体40は、相当数の横リブ32のうち
3つだけに設けられているが、実際には、サンルーフハ
ウジング26の前後方向にわたるように対応する横リブ
32から延長する。この場合にも、第2のエネルギ吸収
体40は、第1のエネルギ吸収体16が最大荷重に達す
る前に変形し、かつ、変形を終了するように設定する。
た実施例と実質的に同じであり、3つの縦リブ30と相
当数の横リブ32とからなる樹脂リブである。第2のエ
ネルギ吸収体40は、横リブ32をサンルーフハウジン
グ26に向けて座27まで延長して形成されたもので、
座27に接触した状態で保持されている。図4には、第
2のエネルギ吸収体40は、相当数の横リブ32のうち
3つだけに設けられているが、実際には、サンルーフハ
ウジング26の前後方向にわたるように対応する横リブ
32から延長する。この場合にも、第2のエネルギ吸収
体40は、第1のエネルギ吸収体16が最大荷重に達す
る前に変形し、かつ、変形を終了するように設定する。
【0027】図3及び図4の実施例では、衝撃体28に
よって第2のエネルギ吸収体40のうち座27に接触し
ている部分が変形し、最大荷重となってせん断する。第
2のエネルギ吸収体の座27に接触している部分がせん
断すると、エネルギ吸収体40は受け部を失うため、そ
れ以上反力荷重は発生しない。
よって第2のエネルギ吸収体40のうち座27に接触し
ている部分が変形し、最大荷重となってせん断する。第
2のエネルギ吸収体の座27に接触している部分がせん
断すると、エネルギ吸収体40は受け部を失うため、そ
れ以上反力荷重は発生しない。
【0028】前述の実施例では、サンルーフハウジング
26が存在する場合に、このサンルーフハウジング26
による底づき発生を防止するために第2のエネルギ吸収
体18,40を使用したが、次のような使用もできる。
すなわち、構造部材と内装材との間の間隔が第1のエネ
ルギ吸収体に必要とされる所定の変位量より小さいが、
第1のエネルギ吸収体の、例えば側方には第2のエネル
ギ吸収体を配置するスペースがある場合、第1のエネル
ギ吸収体と第2のエネルギ吸収体とを併設し、第1のエ
ネルギ吸収体の変位量が少なくなった分のエネルギ吸収
量を第2のエネルギ吸収体で賄うようにする。
26が存在する場合に、このサンルーフハウジング26
による底づき発生を防止するために第2のエネルギ吸収
体18,40を使用したが、次のような使用もできる。
すなわち、構造部材と内装材との間の間隔が第1のエネ
ルギ吸収体に必要とされる所定の変位量より小さいが、
第1のエネルギ吸収体の、例えば側方には第2のエネル
ギ吸収体を配置するスペースがある場合、第1のエネル
ギ吸収体と第2のエネルギ吸収体とを併設し、第1のエ
ネルギ吸収体の変位量が少なくなった分のエネルギ吸収
量を第2のエネルギ吸収体で賄うようにする。
【0029】図6に示すように、車体上部14には、ル
ーフサイドレール10の他に、フロントピラー50やセ
ンタピラー52、クォータピラー54のような構造部材
が存在する。これらピラーと内方に間隔をおいて配置さ
れる内装材であるピラーガーニッシュとの間に第1のエ
ネルギ吸収体を配置し、第2のエネルギ吸収体を第1の
エネルギ吸収体と併設することもできる。
ーフサイドレール10の他に、フロントピラー50やセ
ンタピラー52、クォータピラー54のような構造部材
が存在する。これらピラーと内方に間隔をおいて配置さ
れる内装材であるピラーガーニッシュとの間に第1のエ
ネルギ吸収体を配置し、第2のエネルギ吸収体を第1の
エネルギ吸収体と併設することもできる。
【図1】 本発明に係る自動車の車体上部の衝撃エネル
ギ吸収構造の実施例を示す断面図で、図6の1−1線で
切断して拡大したものである。
ギ吸収構造の実施例を示す断面図で、図6の1−1線で
切断して拡大したものである。
【図2】 図1に示した衝撃エネルギ吸収構造に使用し
た第2のエネルギ吸収体の斜視図である。
た第2のエネルギ吸収体の斜視図である。
【図3】 本発明に係る自動車の車体上部の衝撃エネル
ギ吸収構造の別の実施例を示す、図1と同様な断面図で
ある。
ギ吸収構造の別の実施例を示す、図1と同様な断面図で
ある。
【図4】 図3に示した衝撃エネルギ吸収構造に使用し
た第1のエネルギ吸収体と第2のエネルギ吸収体との斜
視図である。
た第1のエネルギ吸収体と第2のエネルギ吸収体との斜
視図である。
【図5】 荷重対変位のエネルギ吸収特性図である。
【図6】 本発明に係る衝撃エネルギ吸収構造を実施で
きる自動車の車体上部を示す、車室内から見た側面で一
部を示している。
きる自動車の車体上部を示す、車室内から見た側面で一
部を示している。
10 構造部材(ルーフサイドレール) 12 内装材(ルーフライニング 14 車体上部 16 第1のエネルギ吸収体 18,40 第2のエネルギ吸収体 26 サンルーフハウジング 28 衝撃体
Claims (3)
- 【請求項1】 車体の構造部材と、この構造部材から車
室内方へ間隔をおいて配置される内装材とを備える自動
車の車体上部の衝撃エネルギ吸収構造であって、 前記間隔内に配置された第1のエネルギ吸収体であって
衝撃体の変位が大きくなるにつれて反力荷重が高くな
り、所定の最大荷重に達する第1のエネルギ吸収体と、 この第1のエネルギ吸収体と併設された第2のエネルギ
吸収体とを備え、 この第2のエネルギ吸収体は、前記第1のエネルギ吸収
体が前記最大荷重に達する前に変形し、変形を終了して
エネルギ吸収するように形成された、自動車の車体上部
の衝撃エネルギ吸収構造。 - 【請求項2】 前記第2のエネルギ吸収体は前記第1の
エネルギ吸収体から延長して形成され、第1のエネルギ
吸収体と一体となっている、請求項1に記載の自動車の
車体上部の衝撃エネルギ吸収構造。 - 【請求項3】 前記構造部材はルーフサイドレールであ
り、前記第2のエネルギ吸収体は、前記ルーフサイドレ
ールの近傍に配置されたサンルーフハウジングと前記内
装材との間に配置された、請求項1又は2に記載の自動
車の車体上部の衝撃エネルギ吸収構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10366702A JP2000185611A (ja) | 1998-12-24 | 1998-12-24 | 自動車の車体上部の衝撃エネルギ吸収構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10366702A JP2000185611A (ja) | 1998-12-24 | 1998-12-24 | 自動車の車体上部の衝撃エネルギ吸収構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000185611A true JP2000185611A (ja) | 2000-07-04 |
Family
ID=18487450
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10366702A Pending JP2000185611A (ja) | 1998-12-24 | 1998-12-24 | 自動車の車体上部の衝撃エネルギ吸収構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000185611A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1555191A1 (en) * | 2004-01-13 | 2005-07-20 | Nissan Motor Co., Ltd. | Impact energy absorbing structure of vehicle frame member |
-
1998
- 1998-12-24 JP JP10366702A patent/JP2000185611A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1555191A1 (en) * | 2004-01-13 | 2005-07-20 | Nissan Motor Co., Ltd. | Impact energy absorbing structure of vehicle frame member |
US7097235B2 (en) | 2004-01-13 | 2006-08-29 | Nissan Motor Co., Ltd. | Impact energy absorbing structure of vehicle frame member |
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