JP2000185204A - 有機性汚泥の脱水方法 - Google Patents

有機性汚泥の脱水方法

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JP2000185204A
JP2000185204A JP10365275A JP36527598A JP2000185204A JP 2000185204 A JP2000185204 A JP 2000185204A JP 10365275 A JP10365275 A JP 10365275A JP 36527598 A JP36527598 A JP 36527598A JP 2000185204 A JP2000185204 A JP 2000185204A
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organic
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organic sludge
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Katsuhide Azuma
勝秀 東
Kenji Ito
賢司 伊藤
Kunihiko Mizutani
邦彦 水谷
Takashi Tomizawa
孝 富澤
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Toagosei Co Ltd
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Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脱水ケーキ量の増大を伴うことなく、濾布か
らの脱水ケーキの剥離性を向上させることができ、含水
率の低減を図ることができる有機性汚泥の脱水方法を提
供する。 【解決手段】 有機性汚泥の脱水処理は、有機性汚泥に
ポリ塩化アルミニウム等の無機凝集剤を添加して混合
し、次いでアニオン系有機高分子凝集剤を添加して混合
することによってフロックを形成した後、濾布を用いて
脱水することにより行われる。前記アニオン系有機高分
子凝集剤としては、2−アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸等のスルホン酸系単量体及びアクリル
アミドを必須構成単量体とする共重合体が好ましい。ま
た、アニオン系有機高分子凝集剤として、アクリル酸の
マグネシウム塩及びアクリルアミドを必須構成単量体と
する共重合体も使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下水、し尿等の有
機性排水を活性汚泥処理する際等に発生する有機性汚泥
の脱水方法に関するものである。さらに詳しくは、有機
性汚泥を濾布を用い、多くは脱水機例えば、ベルトプレ
ス、フィルタープレス、真空脱水機等で脱水を行う有機
性汚泥の脱水方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の処理方法として、種々の
方法が知られており、特に特開昭47−29287号公
報には、N−スルホ炭化水素置換アクリルアミドの水溶
性重合体と無機の共凝集剤とを併用した水性媒質中の懸
濁物を凝集する方法が開示されている。その公報では具
体的に、無機性汚泥であるカオリンの懸濁液に対し、2
−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナト
リウムの重合体と無機の凝集剤とを組合せて使用した例
が挙げられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法は凝集物(フロック)の表面の粘着性が少ないカオリ
ン等の無機性汚泥に適したものであるが、フロックの表
面に粘着性がある有機性汚泥に適した方法ではない。
【0004】すなわち、一般に有機性汚泥のフロックの
表面は粘着性があることから、脱水処理、特に濾布を用
いた脱水処理においては、フロック同士が粘着するとと
もに、フロックの凝集体が濾布に付着するため、濾布か
らの脱水ケーキの剥離性に欠け、脱水性が低下してその
含水率を低下させることが困難である。従って、このよ
うな濾布からの脱水ケーキの剥離性を改善して、脱水性
を向上させることが要求されている。
【0005】本発明は、以上のような従来技術に存在す
る問題点に着目してなされたものである。その目的とす
るところは、脱水ケーキ量の増大を伴うことなく、濾布
からの脱水ケーキの剥離性を向上させることができ、脱
水ケーキの含水率の低減を図ることができる有機性汚泥
の脱水方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するために、この発明における第1の発明の有機性汚泥
の脱水方法は、無機凝集剤を添加した後にアニオン系有
機高分子凝集剤を添加してフロックを形成させた有機性
汚泥を、濾布を用いて脱水することを特徴とするもので
ある。
【0007】第2の発明の有機性汚泥の脱水方法は、第
1の発明において、前記アニオン系有機高分子凝集剤
が、スルホン酸系単量体及びアクリルアミドを必須構成
単量体とする共重合体であることを特徴とするものであ
る。
【0008】第3の発明の有機性汚泥の脱水方法は、第
1の発明において、前記アニオン系有機高分子凝集剤
が、アクリル酸の多価金属塩及びアクリルアミドを必須
構成単量体とする共重合体であることを特徴とするもの
である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の有機性汚泥の脱水
方法の実施形態について詳細に説明する。有機性汚泥の
脱水方法は、有機性汚泥に無機凝集剤を添加した後にア
ニオン系有機高分子凝集剤を添加してフロックを形成さ
せた後、濾布を用いて脱水するものである。
【0010】脱水方法の対象となる有機性汚泥は、下
水、し尿及び産業廃水処理施設から排出される汚泥で、
具体的にはし尿の1次、2次及び3次汚泥、嫌気性消化
汚泥及びこれらの混合物、し尿浄化槽汚泥、下水の生汚
泥、余剰汚泥、消化汚泥及びこれらの混合汚泥、産業廃
水の活性汚泥処理に伴う余剰汚泥等である。
【0011】ところで、有機性汚泥はその中に含まれる
繊維分(SF)について濾過、脱水が容易であるもの
の、有機分つまり汚泥の強熱減量(VTS)が多い汚泥
については濾過、脱水が困難である。そこで、下記式
(1)を設定し、その式(1)で算出される値が通常5
0〜60%であり、60%以上の汚泥は難脱水性とさ
れ、50%未満の汚泥は易脱水性とされている。
【0012】 (VTS−SF)×100/TS ・・・(1) 但し、TSは汚泥の蒸発残留物を表し、VTS、SF及
びTSは各々重量基準である。
【0013】従って、この実施形態では式(1)で表さ
れる値が60%以上である難脱水性の有機性汚泥が好適
な対象汚泥である。この有機性汚泥に対し最初に添加す
る無機凝集剤としては、アルミニウム塩又は鉄塩が好ま
しく、特に取扱いの容易性の点からアルミニウム塩がさ
らに好ましい。そのアルミニウム塩としては、ポリ塩化
アルミニウム(PAC)、硫酸アルミニウム(硫酸バン
ド)、塩化アルミニウム等が好適である。なお、鉄塩を
用いる場合には、塩化第二鉄、塩化第一鉄、硫酸第一
鉄、硫酸第二鉄、ポリ硫酸鉄等が使用される。これらの
無機凝集剤は、1種又は2種以上が目的に応じて適宜選
択して使用される。
【0014】この無機凝集剤が有機性汚泥にまず最初に
添加される。凝集剤の添加方法は従来公知の方法でよ
く、例えば混合下にある有機性汚泥に無機凝集剤を添加
した後、攪拌混合することにより、汚泥と無機凝集剤を
充分に接触させる方法が挙げられる。また、無機凝集剤
の添加は、別途攪拌混合槽を設けて行ってもよく、さら
に有機性汚泥が流れる配管中に直接添加することによ
り、短時間で効率良く無機凝集剤を有機性汚泥に接触さ
せることができる。
【0015】無機凝集剤の添加量は、有機性汚泥の性状
にもよるが、処理対象とする有機性汚泥のCSTの値が
最小となる添加量、又は平均粒子径が最大となる添加量
の近傍が好ましい。このような条件を満たすことによ
り、生成されるフロックを大きくかつ強度を高めて脱水
ケーキの剥離性と含水率の低減を図ることができるから
である。なお、CSTは、基台上に筒状容器を載置し、
その筒状容器内に汚泥を注入して下部から汚泥が染み出
すまでの時間をいい、汚泥が腐敗するとその時間は長く
なる。具体的には、無機凝集剤の添加量は、有機性汚泥
に対して3000〜6000ppm程度の範囲であるこ
とが好ましい。
【0016】前記アニオン系有機高分子凝集剤はとして
は、スルホン酸系単量体若しくはその塩及びアクリルア
ミド(AM)を必須構成単量体とする共重合体又はアク
リル酸の多価金属塩及びアクリルアミドを必須構成単量
体とする共重合体が好適に用いられる。無機凝集剤に続
いてアニオン系有機高分子凝集剤を添加することによ
り、無機凝集剤とは異なるイオン性に基づいて脱水ケー
キの良好な剥離性と含水率の低減を図ることができるフ
ロックを生成させることができる。
【0017】スルホン酸系単量体はスルホン酸基を有す
る単量体であり、具体的には2−アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸(ATBS)、2−メタクリ
ルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンス
ルホン酸、ビニルスルホン酸、スルホアルキルアクリレ
ート、スルホアルキルメタクレート、アリルスルホン
酸、メタリルスルホン酸、3−メタクリルアミド−2−
ヒドロキシプロピルスルホン酸、スルホン酸アクリレー
ト及びそれらの塩等が挙げられる。
【0018】塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、
カリウム塩等が挙げられるが、これらのうちナトリウム
塩が入手が容易である等の点から好ましい。これらのス
ルホン酸系単量体のうち、重合が容易で、高分子量の重
合体が得られる点から2−(メタ)アクリルアミド−2
−メチルプロパンスルホン酸及びその塩が好ましい。
【0019】具体的には、2−アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸又はその塩が10〜50モル%
とアクリルアミドが50〜90モル%より形成される共
重合体が好ましく、2−アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸又はその塩が20〜40モル%とアク
リルアミドが60〜80モル%より形成される共重合体
がさらに好ましい。
【0020】アニオン系有機高分子凝集剤としては、前
記各必須構成単量体のほか、その他の単量体を共重合し
て得られたものであってもよい。そのような単量体とし
ては、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル
酸等の不飽和カルボン酸及びその塩、メタクリルアミ
ド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−アルキロー
ル(メタ)アクリルアミド、N, N−ジメチル(メタ)
アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド系誘導体等
が使用される。
【0021】これらの共重合体の分子量は重合温度、触
媒量等の選択により任意に設定されるが、有機性汚泥用
の脱水剤としての用途と重合の容易性の点から4%塩化
ナトリウム(NaCl)水溶液中での濃度0.5%の共
重合体溶液の粘度(以下、0.5%塩粘度と略す。)が
15cp(センチポイズ)以上であるものが好ましく、
30cp以上であるものがさらに好ましい。
【0022】これらの共重合体を得るための重合方法と
しては、通常のアニオン系高分子凝集剤を製造する際の
重合方法と同様で良く、水溶液重合法、逆相懸濁重合
法、逆相乳化重合法等が挙げられる。すなわち、単量体
混合物の水溶液に窒素等の不活性ガスを通じて脱酸素し
た後、重合開始剤を添加することにより重合が行われ
る。重合開始剤としては、アゾ系又はレドックス系等の
ラジカル重合開始剤が使用される。重合温度としては、
重合開始温度を5〜30℃程度として、実質的に断熱系
で重合することができ、またシート状重合法等の系外か
ら温度コントロールをしながら重合することもできる。
【0023】このような重合法により、含水ゲル状又は
固体状の共重合体が製造される。含水ゲル状又は固体状
の共重合体は必要に応じて乾燥し、粉砕することにより
粉末状の共重合体が得られる。
【0024】また、前記アクリル酸の多価金属塩及びア
クリルアミドを必須構成単量体とする共重合体の場合、
アクリル酸の多価金属塩としては、アクリル酸マグネシ
ウム、アクリル酸カルシウム、アクリル酸亜鉛、アクリ
ル酸アルミニウム等が挙げられる。これらのうち、共重
合体中における分子内架橋や解離状態の点から、アクリ
ル酸マグネシウムが好ましい。
【0025】このアクリル酸マグネシウムとアクリルア
ミドを必須構成単量体とする共重合体の場合、アクリル
酸マグネシウムが30〜80モル%、アクリルアミドが
20〜70モル%より形成される共重合体が好ましく、
アクリル酸マグネシウムが40〜60モル%、アクリル
アミドが60〜40モル%より形成される共重合体がさ
ら好ましい。
【0026】この共重合体の分子量も重合温度、触媒量
等の選択により任意に設定されるが、有機性汚泥用の脱
水剤としての用途と重合の容易性の点から0.5%塩粘
度が50cp以上であるものが好ましく、100cp以
上であるものがさらに好ましい。
【0027】これらのアニオン系有機高分子凝集剤の添
加量は、汚泥の蒸発残留物(TS)に対して0.5〜
2.2重量%、又は1〜2mmのフロックが生成される
ように設定されることが望ましい。このような条件に設
定することによって、生成されるフロックを大きくかつ
強度を高めて脱水ケーキの良好な剥離性と含水率の低減
を達成することができるからである。
【0028】そして、アニオン系有機高分子凝集剤は、
有機性汚泥に無機凝集剤が添加された後に添加され、フ
ロックが形成される。その後、濾布を用いて脱水され
る。濾布を用いて脱水する際に用いられる脱水機として
は、ベルトプレス、フィルタープレス、真空脱水機等が
挙げられる。脱水の条件は、一般的に圧搾圧力が面圧で
0.5〜1.5kg/cm2 、濾布の走行速度が0.5
〜1.5m/min であり、濾過速度が80〜150kg/
m・Hrであることが望ましい。この脱水条件によれ
ば、脱水ケーキの優れた剥離性と含水率の低減を図るこ
とができる。
【0029】一般的に、有機性汚泥に無機凝集剤を最初
に添加して混合することにより、有機性汚泥の微細粒子
表面に帯電された負の電荷が、正の電荷を有するPAC
等の無機凝集剤によって中和され、各汚泥粒子が疎水化
され、汚泥粒子間の反発力が解消される。さらに、汚泥
粒子間に分子間力(ファンデルワールス力)が作用して
微細な集合体が形成されるとされている。
【0030】また、その状態で、アニオン系有機高分子
凝集剤が添加されて混合されることにより、凝集剤の分
子が長く伸びた状態で凝集剤が汚泥粒子に対して作用
し、フロックが生成され、凝集性が改善され、凝集効果
が有効に発揮されるとされている。
【0031】加えて、前述のように汚泥粒子表面の電荷
が中和され、疎水化されることにより、汚泥粒子表面の
粘着性が低減され、ベルトプレス、フィルタープレス、
真空脱水機等の濾布を用いた脱水機で脱水を行う場合
に、脱水ケーキが濾布から剥離しやすくなり、脱水ケー
キ中に含まれる水分量が低減されるものと思われる。
【0032】以上のような実施形態により発揮される効
果について以下に記載する。・ 実施形態の有機性汚泥
の脱水方法によれば、有機性汚泥に無機凝集剤を添加し
た後、アニオン系有機高分子凝集剤を添加して混合する
ことから、凝集効果が有効に発揮され、脱水ケーキ量の
増大を伴うことなく、濾布からの脱水ケーキの剥離性を
向上させることができ、含水率の低減を図ることができ
る。
【0033】・ 実施形態の有機性汚泥の脱水方法によ
れば、アニオン系有機高分子凝集剤は、スルホン酸系単
量体及びアクリルアミドを必須構成単量体とする共重合
体を用いている。このため、スルホン酸系単量体による
強酸型のスルホン酸基により、解離度の大きい金属イオ
ンによってその電荷が中和される影響が小さく、分子が
充分長く伸びた状態で存在することができる。また、ア
クリルアミドのアミド基が汚泥粒子に吸着してフロック
を生成させる。
【0034】従って、濾布からの脱水ケーキの剥離性を
より向上させることができ、含水率をさらに低減させる
ことができる。 ・ 実施形態の有機性汚泥の脱水方法によれば、アニオ
ン系有機高分子凝集剤は、アクリル酸の多価金属塩及び
アクリルアミドを必須構成単量体とする共重合体であ
る。このアクリル酸の多価金属塩により、共重合体は分
子内で架橋構造を有し、しかもアクリル酸ナトリウムと
は異なる特有の解離状態を有している。
【0035】このため、濾布からの脱水ケーキの剥離性
をより向上させることができ、含水率をさらに低減させ
ることができる。
【0036】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げ、前記実施形
態をさらに具体化に説明する。 (実施例1〜4及び比較例1〜11)所定量の無機凝集
剤を添加した下水処理場の汚泥200mlを300ml
のビーカーに採取し、それにアニオン系高分子凝集剤を
添加した。そして、水平羽根で200rpm、60秒間
攪拌し、フロックを生成させた。次いで、小型圧搾試験
機に濾布を敷き、フロック化された汚泥を注ぎ込んで水
切りを行った。濾過終了後、その上にさらに濾布を載
せ、小型ベルトプレス機にて圧搾を行った。その条件
は、濾布の走行速度0.5m/min 、圧搾圧力0.5kg
/cm2 、圧搾回数3回であった。
【0037】圧搾終了後、脱水ケーキを取り出し、濾布
との剥離性及び脱水ケーキの含水率を測定した。剥離性
は5段階で評価し、最も良好な場合を5、最も悪い場合
を1とした。これらの試験を、それぞれ汚泥採取直後と
3日放置後(30℃保管)の汚泥に対して行った。それ
らの結果を図1〜図4に示した。各図において、各例の
上段は直後、下段は3日後を示す。
【0038】使用した無機凝集剤とアニオン系高分子凝
集剤は、次のとおりである。実施例1ではPAC(2
4.6%/TS)とABA402(0.95%/T
S)、実施例2ではPAC(24.6%/TS)とAB
A40(1.1%/TS)、実施例3ではPAC(2
4.6%/TS)とMGA60(0.65%/TS)、
実施例4ではPAC(24.6%/TS)とABA20
(0.5%/TS)である。
【0039】また、比較例1ではPAC(12%/T
S)とR900(0.6%/TS)、比較例2ではC3
03(0.6%/TS)、比較例3ではPAC(12%
/TS)とR700(0.6%/TS)、比較例4では
PAC(12%/TS)とC303(0.6%/T
S)、比較例5ではR700(0.6%/TS)、比較
例6ではCV300(0.6%/TS)、比較例7では
R900(0.6%/TS)、比較例8ではC5623
(0.2%/TS)、比較例9ではC51113(0.
6%/TS)、比較例10ではPAC(12. 3%/T
S)とR911(0.65%/TS)、比較例11では
C303(0.8%/TS)である。
【0040】なお、前記略号は以下のとおりである。 PAC: ポリ塩化アルミニウム ABA402: 前記ATBSのナトリウム(Na)塩
(40モル%)とAM(60モル%)の共重合体で、
0.5%塩粘度が40cpのもの ABA40: ATBS−Na(40モル%)とAM
(60モル%)の共重合体で、0.5%塩粘度が80c
pのもの MGA60: アクリル酸マグネシウム(A−Mg)
(60モル%)とAM(40モル%)の共重合体で、
0.5%塩粘度が110cpのもの ABA20: ATBS−Na(20モル%)とAM
(80モル%)の共重合体で、0.5%塩粘度が60c
pのもの R900: N, N−ジメチルアミノエチルアクリレー
トの四級アンモニウム塩(DAC)(80モル%)とア
クリル酸ナトリウム(A−Na)(8モル%)とAM
(12モル%)の共重合体で、0.5%塩粘度が30c
pのもの C303: ジメチルアミノエチルアクリレート四級塩
(DMC)の単独重合体で、0.5%塩粘度が30cp
のもの R700: DAC(60モル%)とアクリル酸ナトリ
ウム(A−Na)(5モル%)とAM(35モル%)の
共重合体で、0.5%塩粘度が35cpのもの CV300: ポリアミジン系重合体 C5623: DMC(90モル%)とAM(10モル
%)の共重合体で、0.5%塩粘度が30cpのもの C51113: DMC(90モル%)とAM(10モ
ル%)の共重合体で、0.5%塩粘度が25cpのもの R911: DAC(35モル%)とA−Na(10モ
ル%)とAM(55モル%)の共重合体で、0.5%塩
粘度が35cpのもの 以上の結果より、図3に示すように、実施例1〜4では
採取直後の汚泥及び3日放置後の汚泥における脱水ケー
キの濾布に対する剥離性は非常に良好であった。これに
対し、図1及び図3に示すように、比較例1〜11で
は、採取直後の汚泥において剥離性が良好なものが見ら
れるが、全般には剥離性が悪く、3日放置後の汚泥にお
いては全て剥離性が悪化した。
【0041】また、ケーキ含水率に関しては、図4に示
すように、実施例1〜4では採取直後の汚泥が75%前
後であり、3日放置後の汚泥が76%前後であり、良好
であった。これらのケーキ含水率は、図2及び図4に示
すように、比較例1〜11におけるケーキ含水率に近い
値であった。また、比較例のものは3日放置後の汚泥で
はすべて77%以上であり、ケーキ含水率が悪化した。 (実施例5〜9)使用した無機凝集剤とアニオン系高分
子凝集剤の組成を変化させた以外は、前記実施例1〜4
に準じて脱水ケーキの濾布との剥離性及びケーキ含水率
を測定した。その結果を図5及び図6に示した。
【0042】使用した無機凝集剤とアニオン系高分子凝
集剤は、次のとおりである。実施例5ではPAC(3
6.9%/TS)とABA402(1.30%/T
S)、実施例6ではPAC(49.2%/TS)とAB
A402(1.90%/TS)、実施例7ではPAC
(24.6%/TS)とABA40(0.95%/T
S)、実施例8ではPAC(36.9%/TS)とAB
A40(1.30%/TS)、実施例9ではPAC(4
9.2%/TS)とABA40(2.20%/TS)で
ある。
【0043】以上の結果より、図5に示すように、実施
例5〜9では採取直後の汚泥及び3日放置後の汚泥にお
ける脱水ケーキの濾布に対する剥離性は非常に良好であ
った。また、ケーキ含水率に関しては、図6に示すよう
に、実施例5〜9では採取直後の汚泥が75%前後であ
り、3日放置後の汚泥が76%前後で良好であった。 (参考例1及び2)参考例1では、有機性汚泥に無機凝
集剤を添加し、次いでアニオン系有機高分子凝集剤を添
加する際の無機凝集剤の添加量を決定するための試験を
行った。すなわち、無機凝集剤としてPACを用い、そ
れを下水処理場の汚泥に対して所定量(ppm)添加
し、CST(秒)の変化を測定した。汚泥としては、そ
の日の汚泥、1日放置後の汚泥、2日放置後の汚泥、3
日放置後の汚泥及び5日放置後の汚泥について測定を行
った。
【0044】その結果を図7及び図8に示した。なお、
図7及び図8において、□はその日の汚泥、◇は1日放
置後の汚泥、△は2日放置後の汚泥、×は3日放置後の
汚泥及び○は5日放置後の汚泥を表す。また、図8にお
ける縦軸のCSTは、対数変換後の値で表したものであ
る。
【0045】これらの図に示したように、PACの添加
量が3000〜6000ppmの範囲においてCSTが
最小となった。参考例2では、参考例1と同じ種類の汚
泥と無機凝集剤を用い、PACの添加量(ppm)と汚
泥の平均粒子径(μm)を測定した。汚泥としては、参
考例1で用いた汚泥のうち、5日放置後の汚泥について
は測定を省略した。その結果を図9に示した。なお、図
9において、□はその日の汚泥、◇は1日放置後の汚
泥、△は2日放置後の汚泥及び○は3日放置後の汚泥を
表す。
【0046】この図に示したように、PACの添加量が
4000ppm前後において汚泥の平均粒子径が最大と
なった。また、汚泥の放置日数が長いほど汚泥の平均粒
子径が小さくなる傾向にあった。
【0047】なお、前記実施形態より把握される技術的
思想について以下に記載する。 ・ 前記スルホン酸系単量体が、2−(メタ)アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸であることを特
徴とする請求項2に記載の有機性汚泥の脱水方法。
【0048】この方法によれば、重合が容易で、高分子
量の重合体が得られ、脱水性能を向上させることができ
る。 ・ 前記アクリル酸の多価金属塩が、アクリル酸マグネ
シウムであることを特徴とする請求項3に記載の有機性
汚泥の脱水方法。
【0049】この方法によれば、得られる共重合体中に
おける分子内架橋や解離状態により、濾布からの脱水ケ
ーキの良好な剥離性と含水率の低減に寄与することがで
きる。
【0050】・ 前記有機性汚泥は、その中に含まれる
繊維分の重量をSFとし、有機性汚泥の強熱減量をVT
Sとし、汚泥の蒸発残留物の重量をTSとしたとき、下
記式(1)により算出される値が60%以上の汚泥であ
ることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに
記載の有機性汚泥の脱水方法。
【0051】 (VTS−SF)×100/TS ・・・(1) このように構成した場合、難脱水性の有機性汚泥に対し
て濾布からの脱水ケーキの良好な剥離性と含水率の低減
を図ることができる。
【0052】・ 前記脱水処理の条件は、圧搾圧力が面
圧で0.5〜1.5kg/cm2 、濾布の走行速度が
0.5〜1.5m/min であり、かつ濾過速度が80〜
150kg/m・Hrであることを特徴とする請求項1か
ら請求項3のいずれかに記載の有機性汚泥の脱水方法。
【0053】このように構成した場合、脱水処理におい
て、脱水ケーキの優れた剥離性と含水率の低減を図るこ
とができる。
【0054】
【発明の効果】この発明は以上のように構成されている
ため、次のような効果を奏する。第1の発明の有機性汚
泥の脱水方法によれば、脱水ケーキ量の増大を伴うこと
なく、濾布からの脱水ケーキの剥離性を向上させること
ができ、含水率の低減を図ることができる。
【0055】第2の発明の有機性汚泥の脱水方法によれ
ば、アニオン系有機高分子凝集剤が強酸型のスルホン酸
基を有していることから、解離度の大きい金属イオンに
よってその電荷が中和される影響が小さく、分子が充分
長く伸びた状態で存在することができる。また、アクリ
ルアミドのアミド基が汚泥粒子に吸着してフロックを生
成させる。
【0056】従って、第1の発明の効果に加え、濾布か
らの脱水ケーキの剥離性をより向上させることができ、
含水率をさらに低減させることができる。第3の発明の
有機性汚泥の脱水方法によれば、アクリル酸の多価金属
塩により、共重合体は分子内で架橋構造を有し、解離度
が大きく、分子が充分長く伸びた状態で存在することが
できる。
【0057】従って、第1の発明の効果に加え、濾布か
らの脱水ケーキの剥離性を高めることができ、含水率を
さらに低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 比較例1〜9における脱水ケーキの剥離性を
示すグラフ。
【図2】 比較例1〜9における脱水ケーキの含水率を
示すグラフ。
【図3】 実施例及び比較例における脱水ケーキの剥離
性を示すグラフ。
【図4】 実施例及び比較例における脱水ケーキの含水
率を示すグラフ。
【図5】 実施例5〜9における脱水ケーキの剥離性を
示すグラフ。
【図6】 実施例5〜9における脱水ケーキの含水率を
示すグラフ。
【図7】 参考例1でのPACの添加量とCSTとの関
係を示すグラフ。
【図8】 図7のCSTを対数変換した場合のグラフ。
【図9】 参考例2でのPACの添加量と汚泥の粒子径
との関係のグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水谷 邦彦 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成 株式会社名古屋総合研究所内 (72)発明者 富澤 孝 香川県坂出市昭和町2丁目4番1号 東亞 合成 株式会社坂出工場内 Fターム(参考) 4D015 BA03 BA05 BB09 CA12 DA04 DB07 DB30 DC02 EA03 EA35 4D059 AA01 AA03 BE15 BE55 BE56 BE59 BE60 BE61 DA16 DB24 4D062 BA03 BA05 BB09 BB12 CA12 DA04 DB07 DB30 DC02 EA03 EA35

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機凝集剤を添加した後にアニオン系有
    機高分子凝集剤を添加してフロックを形成させた有機性
    汚泥を、濾布を用いて脱水することを特徴とする有機性
    汚泥の脱水方法。
  2. 【請求項2】 前記アニオン系有機高分子凝集剤が、ス
    ルホン酸系単量体及びアクリルアミドを必須構成単量体
    とする共重合体であることを特徴とする請求項1に記載
    の有機性汚泥の脱水方法。
  3. 【請求項3】 前記アニオン系有機高分子凝集剤が、ア
    クリル酸の多価金属塩及びアクリルアミドを必須構成単
    量体とする共重合体であることを特徴とする請求項1に
    記載の有機性汚泥の脱水方法。
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JP2021151654A (ja) * 2017-12-15 2021-09-30 水ing株式会社 脱臭処理システム及び有機物処理方法
JP7200301B2 (ja) 2017-12-15 2023-01-06 水ing株式会社 脱臭処理システム及び有機物処理方法

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