JP2000181504A - 周期性信号の適応制御方法 - Google Patents
周期性信号の適応制御方法Info
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Abstract
収束させることができる周期性信号の適応制御方法を提
供すること。 【解決手段】 本発明の周期性信号の適応制御方法は、
正弦関数からなる適応信号発生アルゴリズム11と、適
応係数ベクトル更新アルゴリズム12とを有する。適応
係数ベクトル更新アルゴリズム12は、誤差信号ε
(n)の二乗と同誤差信号の差分値の二乗とを線形結合
した評価関数J(n)に基づき、最急降下法によって導
き出されている。それゆえ、誤差信号ε(n)のレベル
を抑制する作用だけではなく、誤差信号ε(n)の変動
をダンピングして抑制する作用も発揮される。その結
果、適応係数ベクトル更新アルゴリズム12の適応速度
が向上し、より短時間で誤差信号ε(n)を収束させる
ことができるという効果がある。
Description
抑制技術の技術分野に属する。例えば、周期性信号が振
動であれば能動制振の技術分野に属し、周期性信号が雑
音であればアクティヴ・ノイズ・サプレッションの技術
分野に属するというように、周期性信号の種類によって
本発明の応用範囲は広く拡がっている。
平8−44377号公報(特願平6−201384号)
に、DXHS−LMSアルゴリズムと名付けられた周期
性信号の適応制御方法が開示されている。DXHS−L
MSアルゴリズムは、周期性信号の基本周波数成分とそ
の高調波成分との制御を行い、その観測点に及ぼす影響
を抑制する適応制御方法を実現するものである。DXH
S−LMSアルゴリズムでは、その影響を抑制すべき制
御対象信号(周期性信号)と、これを相殺すべく発生さ
せられる制御信号(適応信号)とは、それぞれ正弦波で
表記されていた。そして、前記適応信号の正弦波の角振
動数、位相、およびゲインが主要な変数として定義され
ていた。
ムでは、周期性信号の影響を受ける観測点で観測される
誤差信号の二乗を評価関数とする最小二乗法を基本とし
て、制御信号のゲインおよび位相を適応的に調整して周
期性信号の影響を最小化していた。また、制御対象シス
テムの位相遅れ特性の変動にも配慮し、テーブルデータ
の導入による制御対象システムの特性の変動への適応能
力の向上も図られていた。
は、上記公報中で従来技術としたアルゴリズムに比べ、
外乱の影響を受けにくく、演算量が少ないという利点が
あった。
うな周期性信号の適応制御方法においては、なお適応速
度が高いことが望ましいことはいうまでもない。ここ
で、適応速度が向上するということは、とりもなおさず
観測点で観測される誤差信号の収束がより速やかになる
ということである。
し、より速やかに誤差信号を収束させることができる周
期性信号の適応制御方法を提供することを解決すべき課
題とする。
に、発明者らは、誤差信号の収束をより速やかにするた
めの方法について検討し、従来の周期性信号の適応制御
方法では二乗誤差のみを低減する最小二乗法に基づいて
いることが問題点であることを発見した。すなわち、二
乗誤差のみを低減する最小二乗法に基づいていては、誤
差信号がゼロを挟んで波状に時間変化している際に、誤
差信号がゼロ付近にあるときには適応速度が遅いことに
気が付いた。より詳しく説明すると、たとえ誤差信号の
振幅が大きくても、誤差信号の瞬時の絶対値が小さい瞬
間には適応係数の更新量も小さくなるので、その分だけ
適応速度が低下し誤差信号の収束が遅くなる。
き評価関数に、誤差信号だけではなく誤差信号の微分値
をも取り込むことに思い至った。誤差信号の微分値は、
誤差信号の変化速度であるから、波状に時間変動する誤
差信号がゼロに近いときに逆に大きな値を取る。それゆ
え、評価関数に誤差信号の二乗だけではなく、誤差信号
の差分値による近似微分値の二乗を取り込むことによ
り、誤差信号がゼロ付近にあっても、誤差信号の変化率
が大きく誤差信号の差分値が大きければ、適正に大きな
適応速度が得られる。
ではなく誤差信号の差分値の二乗を取り込むことによ
り、周期性信号の適応制御方法の適応速度をいっそう向
上させ、より速やかに誤差信号を収束させることができ
る可能性が生じる。そこで本発明の発明者らは、以上の
洞察に基づき、以下の手段を発明した。 (第1手段)本発明の第1手段は、請求項1記載の周期
性信号の適応制御方法である。
ズムと適応係数ベクトル更新アルゴリズムとを有する。
そして、適応係数ベクトル更新アルゴリズムによって更
新された適応係数ベクトルW(n)の要素ak(n),
φk(n)をもって、適応信号発生アルゴリズムの適応
信号y(n)の振幅ak(n)および位相φk(n)が更
新される。
は、更新周期Tの離散時刻nにおいて、次の数5に従っ
て特定周波数成分を発生させるアルゴリズムである。
数は、正弦関数の複素数表示であって、虚数部は無視し
て実数部のみを用いるものとし、三角関数のsinまたはc
osと同様の表記であるものとする。また、推定伝達特性
のゲインA^および位相Φ^は、通常は該当する角振動
数ωk によって異なる値をもつので、本来はA^
(ω k ),Φ^(ωk )ないしA^k,Φ^kと表記すべ
きものであるが、記載の煩雑さを避けるために略記して
いる。同様に、角振動数ωk も時間変化する可能性があ
るので、より一般的にはωk (n)と表記すべきところ
であるが、やはり記載の煩雑さを避けるために略記して
いる。これらの表記方法は、本明細書を通じて共通であ
る。
f(n)のうちK個(1≦K)の特定周波数成分に対応
する角振動数ωk (k=1,・・・,K)に基づき、正
弦関数からなる前記数5に従って、適応信号y(n)は
発生する。発生した適応信号y(n)は、直接的または
間接的に観測点に加えられ、観測点に影響を及ぼす周期
性信号f(n)のうち抑制すべき特定周波数成分の影響
を相殺して、観測点で観測される誤差信号ε(n)のレ
ベルを抑制する。
位相φk(n)は、更新周期Tの離散時刻nが更新され
る度に、適応係数ベクトル更新アルゴリズムによって適
応的に調整され更新される。換言するならば、適応係数
ベクトル更新アルゴリズムは、適応信号y(n)の振幅
ak(n)および位相φk(n)を要素とする適応係数ベ
クトルW(n)を、離散時刻nの進行に従って次々に更
新していくアルゴリズムである。
(n)に基づいて適応係数ベクトルW(n)の更新が行
われていたが、本手段では誤差信号ε(n)だけではな
く、その差分値にも基づいて適応係数ベクトルW(n)
が更新される。誤差信号ε(n)の差分値は、誤差信号
ε(n)の微分値に対応する数値であり、誤差信号ε
(n)の時間変動を表している。それゆえ、誤差信号ε
(n)の差分値に基づいて行われる適応係数ベクトルW
(n)の更新は、誤差信号ε(n)にダンピング(減
衰)を与える作用を生じる。
k(n)および位相φk(n)の適応的更新が、誤差信号
ε(n)だけではなくその差分値にも基づいて行われ
る。それゆえ、誤差信号ε(n)のレベルを直接的に抑
制する作用だけではなく、誤差信号ε(n)の変化速度
をダンピングする作用も働く。つまり、波状に変動する
誤差信号ε(n)がゼロ付近にあるときには、誤差信号
ε(n)に基づく適応作用は小さいが、誤差信号ε
(n)の差分値に基づく適応作用は大きいので、適応信
号y(n)には適正な適応作用が働く。逆に、波状に変
動する誤差信号ε(n)がピーク付近にあるときには、
誤差信号ε(n)の差分値に基づく適応作用は小さい
が、誤差信号ε(n)に基づく適応作用は大きいので、
適応信号y(n)には適正な適応作用が働く。その結
果、波状に変動する誤差信号ε(n)がどのような位相
にあっても適正な適応作用が連続的に作用するので、い
っそう適応速度が向上し、誤差信号ε(n)はより速や
かに収束するようになる。
御方法によれば、従来技術よりも適応速度が向上し、よ
りいっそう速やかに誤差信号を収束させることができる
という効果がある。なお、適応係数ベクトル更新アルゴ
リズムの構成に当たって、適応信号y(n)が所定の伝
達特性を介して観測点に加えられる場合には、その伝達
特性のゲインに相当する値をもって更新量のうち妥当な
成分を正規化すると良い。こうすると、特定周波数成分
の角振動数ωk に対応する伝達特性のゲインが小さい場
合にも、適応速度があまり小さくならずに済み、適応速
度がさらに向上する。
うにゲインがゼロ近くに低下する周波数領域をもつ場合
に備えて、その伝達特性のゲインに相当する値に正の発
散防止定数を加えて正規化しても良い。こうすると、前
記伝達特性のゲインがゼロ近くに低下した場合にも、適
応係数ベクトル更新アルゴリズムの更新量の発散が防止
される。
周期Tで割って誤差信号ε(n)の変化速度を示す近似
差分値として適応係数ベクトル更新アルゴリズム中で使
用する場合には、同近似差分値を角振動数ωk で割って
もよい。こうすると、各角振動数ωk による適応速度の
違いが平準化され、複数の抑制すべき特定周波数成分を
もつ場合の収束速度が適正に調整される。
作と誤差信号ε(n)の差分値による適応動作とを同時
に並行して行っても良いし、交代に行っても良い。 (第2手段)本発明の第2手段は、請求項2記載の周期
性信号の適応制御方法である。本手段では、適応係数ベ
クトル更新アルゴリズムは、次の数6に従って適応係数
ベクトルW(n)を更新する。
新アルゴリズムであり、前記数6は次の数7に示すよう
に、評価関数Jとして誤差信号ε(n)の二乗と誤差信
号ε(n)の時間微分の二乗との線形結合を採用して導
き出される。なお、前記数6の具体的な導出方法につい
ては、後ほど実施例1の項で詳しく説明する。
(n)は、誤差信号ε(n)の最新の差分値と更新周期
(サンプリング周期)Tとに基づき、次の数8で近似的
に求められる。
ル∇(n)≡∂J(n)/∂W(n)を求め、その各要
素に適正なステップサイズパラメータをかけて適応係数
ベクトルW(n)から引けば、前記数6の基本形が求ま
る。なお、前記数6のうち振幅ak (n)の更新量で
は、誤差信号ε(n)による更新分(第一項)は、適応
信号y(n)から観測点に至る伝達特性のゲインの推定
値A^と発散防止定数γ1 との和(A^+γ1 )で割ら
れて正規化されている。また、誤差信号ε(n)の差分
から求める近似微分値Δε(n)による更新分(第二
項)は、前記ゲイン推定値A^と当該角振動数ωk との
積と発散防止定数γ2 との和(A^ωk+γ2)で割られ
て正規化されている。
新量では、誤差信号ε(n)の差分から求める近似微分
値Δε(n)による更新分(第二項)は、当該角振動数
ωkで割られて正規化されている。それゆえ、前記伝達
特性が、低いゲインである場合にも適応速度が大幅に低
下することが防止されているばかりではなく、ノッチフ
ィルタのようにゲインがゼロ近くまで下がる周波数帯を
もつ場合にも更新量の発散が防止されている。また、角
振動数ωk が低い特定周波数成分に関しても、誤差信号
ε(n)の差分値に基づく更新量が大幅に低下すること
が防止されている。その結果、かなり広い範囲の伝達特
性に対しても、分布に大きな開きがある角振動数ω1,
・・・,ωKの特定周波数成分に対しても、適正な更新
量が得られるので、誤差信号ε(n)は速やかに収束す
る。
素の更新量が前述のように正規化されているので、ステ
ップサイズパラメータμa1,μa2,μφ1,μφ2の調整
が容易になるという効果がある。すなわち、全ての角振
動数ωk の特定周波数成分について、同一の前記ステッ
プサイズパラメータを使用することが可能になり、角振
動数ωk の数が増えても四つのステップサイズパラメー
タμa1,μa2,μφ1,μφ2を定めるだけで済む。もち
ろん、調整に手間はかかるが、各角振動数ωk の特定周
波数成分について4K個のステップサイズパラメータμ
a1k ,μa2k,μφ1k,μφ2kを個別に定める変形態様
の実施も可能である。
段の効果に加えて、かなり広い範囲の伝達特性に対して
も、分布に大きな開きがある角振動数ω1,・・,ωKの
特定周波数成分に対しても、適正な更新量が得られると
いう効果がある。また、適応係数ベクトル更新アルゴリ
ズムのステップサイズパラメータの調整が容易になると
いう効果もある。
3記載の周期性信号の適応制御方法である。本手段で
は、適応係数ベクトル更新アルゴリズムは、次の誤差信
号ε(n)に基づく数9と誤差信号ε(n)の差分値に
基づく数10とを適正に切り替えて適応係数ベクトルW
(n)を更新する。
えが適正に行われるならば、前述の第2手段に勝る適応
速度をもち誤差信号ε(n)の収束が極めて速い周期性
信号の適応制御方法を提供することができる可能性があ
る。 (第4手段)本発明の第4手段は、請求項4記載の周期
性信号の適応制御方法である。
リズムは、離散時刻nが更新される度に前記数9と前記
数10とを交番に切り替えて前記適応係数ベクトルW
(n)を更新する。本手段によれば、適応係数ベクトル
更新アルゴリズムでの前記数9と前記数10との切替え
ロジックが極めて簡素でありながら、前述の第2手段に
準ずる効果をあげることができる。
5記載の周期性信号の適応制御方法である。本手段で
は、誤差信号εl(n)(1≦l≦L)および適応信号
ym(n)(1≦m≦M)のうち少なくとも一方は複数
であり、本手段は、L入力M出力の多入力多出力系に前
述の第1手段を拡張するものである。具体的な拡張の仕
方については、後述の実施例3で説明する。
も前述の第1手段の周期性信号の適応制御方法が適用で
きるようになるという効果がある。
法の実施の形態については、当業者に実施可能な理解が
得られるよう、以下の実施例で明確かつ十分に説明す
る。 [実施例1] (実施例1の構成)本発明の実施例1としての周期性信
号の適応制御方法は、図1に示すように、一入力一出力
系の適応制御系において実施される。すなわち、適応制
御系への入力としての誤差信号ε(n)は一つであり、
適応制御系からの出力としての適応信号y(n)も一つ
である。本実施例での適応制御系は、適応信号発生アル
ゴリズム11と、適応係数ベクトル更新アルゴリズム1
2と、推定伝達特性13と、伝達特性23とをもつ。
ム構成について、予備知識として説明しておく。周期性
信号f(n)は、単一の特定周波数成分を含む外乱信号
であって、誤差信号ε(n)を観測する観測点24に入
力される。周期性信号f(n)の前記特定周波数成分の
角振動数ωは、工学的に十分精密に計測され、適応信号
発生アルゴリズム11および推定伝達特性13に与えら
れるものとする。たとえば、周期性信号f(n)が自動
車のエンジンに起因する振動加速度であるとすると、そ
の角振動数ωは、点火パルス等の信号を観測することに
より、リアルタイムで容易かつ正確に計測することがで
きる。
信号f(n)の特定周波数成分の角振動数ωに基づい
て、同特定周波数成分に同期した適応信号y(n)を発
生させるアルゴリズムである。適応信号y(n)は、所
定の伝達特性23を介して相殺信号z(n)に変換さ
れ、観測点24に加えられる。観測点24では、周期性
信号f(n)と相殺信号z(n)とが合成され、その結
果としての誤差信号ε(n)=f(n)+z(n)が観
測される。前述の自動車のエンジンの例でいえば、観測
点24は乗員席の基台に固定された振動加速度センサに
相当し、誤差信号ε(n)は同センサの出力に相当す
る。
御方法では、観測点24に影響を及ぼす周期性信号f
(n)に対し、周期性信号f(n)に同期している一つ
の特定周波数成分からなる適応信号y(n)が、伝達特
性23を介して逆位相で加えられる。こうすることによ
って、周期性信号f(n)のうち特定周波数成分が観測
点24へ及ぼす影響が能動的に除去され、その結果、観
測点24で検知される誤差信号ε(n)が低減される。
び適応係数ベクトル更新アルゴリズム12を中心とし
て、本実施例の周期性信号の適応制御方法についてより
詳しく説明する。適応信号発生アルゴリズム11は、更
新周期Tの離散時刻nにおいて、周期性信号f(n)の
一つの前記特定周波数成分に対応する角振動数ωに基づ
き、直交化表現された下記の数11に従って適応信号y
(n)を発生させる。
次の数12に従って下記の適応係数ベクトルW(n)を
更新するアルゴリズムである。
値が取りうる範囲に関しては、実システムに応用する場
合には、サーボ(アクチュエータやスピーカ等)の駆動
回路などのハードウェア上の制約を受けることが普通で
ある。それゆえ、本実施例の構成では振幅a(n)の正
負は問われないが、振幅a(n)の絶対値の範囲を適正
な限界内にソフトウェア上で制約しておくことがハード
ウェアの不具合を防ぐ上で有効である。そこで本実施例
では、前記数12に於いて、適応係数ベクトルW(n)
の更新後、もし振幅a(n+1)<0の場合には、振幅
a(n+1)の正負を逆転させ、位相φ(n+1)にπ
[rad]を加える(または引く)操作を行っている。
そして、振幅a(n+1)が所定の上限値を超えた場合
には、同上限値に振幅a(n+1)を限定している。こ
のように振幅a(n)をゼロ以上の所定の範囲に限定す
る操作を行っておくと、本実施例とは異なり振幅a
(n)に関するテーブルデータを援用した場合などに
も、容易にプログラムを適合させることができて便利で
ある。また、通常に行われる操作ではあるが、位相φ
(n+1)に関しては、−π≦φ(n+1)≦πの範囲
を超えた場合には、2πを加減算して同範囲内に位相φ
(n+1)を収める操作をも行っている。これらの操作
を行うことが望ましいという点では、後述の数22ない
し数24および各種変形態様についても同様である。
トルW(n)は、次の数13に定義するように、適応信
号y(n)の特定周波数成分の振幅a(n)および位相
φ(n)を要素とする二要素のベクトルである。
ズム12(前記数12)は、適応係数ベクトルW(n)
を、誤差信号ε(n)およびその差分値に基づいて離散
時刻nの経過毎に更新するアルゴリズムである。適応係
数ベクトル更新アルゴリズム12による適応係数ベクト
ルW(n)の更新により、周期性信号f(n)のうち抑
制すべき特定周波数成分の振幅、位相または角振動数ω
の変動に対応して、適応係数ベクトルW(n)の各要素
は適応的に調整される。
ム12により更新された適応係数ベクトルW(n)の各
要素a(n),φ(n)をもって、適応信号発生アルゴ
リズム11で発生する適応信号y(n)の特定周波数成
分の振幅a(n)および位相φ(n)が更新される。 (実施例1の導出)以上の本実施例の周期性信号の適応
制御方法は、以下のようにして理論的に導き出すことが
できる。
き特定周波数成分の角振動数ωが、工学的に正確に計測
されるものする。それゆえ、周期性信号f(n)の特定
周波数成分の変動に従って、角振動数ωも時間変化しう
るものとする。そして、適応信号発生アルゴリズム11
は、正弦関数である次の数14に従って、適応信号y
(n)としての正弦波信号を発生させるものとする。
相殺信号z(n)は、適応信号y(n)が伝達特性G
[A(ω),Φ(ω)]によるゲインAおよび位相Φの
影響を受けたものであるから、次の数15で表される。
期性信号f(n)と相殺信号z(n)とが合成されたも
のであるから、次の数16によって書き表される。
応係数ベクトル更新アルゴリズム12は、最急降下法に
基づいて次の数17で書き表される。
すように、適応信号y(n)の振幅a(n)および位相
φ(n)を要素とする二要素ベクトルである。
サイズパラメータを表すが、単なるスカラーではなく、
傾斜ベクトル∇(n)≡∂J(n)/∂W(n)の各要
素の各項にかけられる係数を表すものとする。ここで、
評価関数J(n)を、次の数19に示すように、重み係
数C1,C2によって重み付けされて結合された、誤差信
号ε(n)の二乗と誤差信号ε(n)の微分値ε’
(n)の二乗との線形結合で定義する。
の適応制御方法の最も特徴的な部分である。すると、最
小二乗法による傾斜ベクトル∇(n)≡∂J(n)/∂
W(n)は、次の数20のように表される。
数20は次の数21のように展開される。
よび位相Φを知ることはできない。そこで、予め伝達特
性23を周波数掃引法等の工学的試験により計測して推
定値を割り出しておき、同推定値をモデル化した推定伝
達特性13を用意しておく。そして、推定伝達特性13
に格納されたデータから、特定周波数成分の角振動数ω
に対応するゲイン推定値A^および位相推定値Φ^を引
き出して、現実の伝達特性23のゲインAおよび位相Φ
に代えることにする。
含めた形でステップサイズパラメータμa1,μa2,μφ
1,μφ2を数21中の各要素の各項毎に定めることにす
る。さらに、前記数21中の各要素の第一項(誤差信号
ε(n)による更新分)には、伝達特性23のゲイン推
定値A^で正規化を施すことにする。なお、正規化に当
たっては、発散防止定数γ1(0≦γ1)をゲイン推定値
A^に加えることにより、ゲイン推定値A^が極端に低
下した場合にも更新量が発散することを未然に防止す
る。
差信号ε(n)の微分値による更新分)には、伝達特性
23のゲイン推定値A^に角振動数ωをかけたA^ωで
正規化を施すことにする。ゲイン推定値A^に角振動数
ωをかける理由は、角振動数ωが大きければ誤差信号ε
(n)の差分値も大きくなると考えられるので、その分
を補正するためである。なお、正規化に当たっては、発
散防止定数γ2 (0≦γ2 )をA^ωに加え、ゲイン推
定値A^や角振動数ωが極端に低下した場合にも更新量
が発散することを未然に防止する。
数22に変換される。
ε’(n)を用いて数式の展開を行ってきたが、実際の
離散時間系ではリアルタイムで微分値を取ることができ
ないので、最新の差分値からなる近似微分値をもって微
分値に代える。すなわち、誤差信号ε(n)の差分値ε
(n)−ε(n−1)に基づき、近似微分値Δε(n)
≡{ε(n)−ε(n−1)}/Tをもって誤差信号ε
(n)の微分値ε’(n)に代える。これに伴い、前記
数21中の各要素の第二項(誤差信号ε(n)の差分値
による更新分)に用いる時刻は、リアルタイムの離散時
刻nに代えて、離散時刻nと離散時刻n−1との中間時
刻n’≡n−1/2を用いることにする。すると、前記
数22は、次の数23に変換され、マイクロコンピュー
タ等の離散時間演算手段で演算することが可能になる。
係数φ(n)の更新式である第二成分に関しては、発明
者らの研究の結果、振幅a(n)を省略しても安定的に
収束することが経験的に分かっている。そこで、前記数
23の第二成分の各項の分子から振幅a(n)を除き、
これに伴って分母のA^による正規化も省略することに
より、前記数23は次の数24に変換される。
新アルゴリズム12である数12に等しく、また、前記
数14は、前述の適応信号発生アルゴリズム11である
数11に等しい。それゆえ、前述の本実施例の構成の項
で説明した本実施例の周期性信号の適応制御方法は、以
上のようにして導き出される。 (実施例1の作用効果)本実施例の周期性信号の適応制
御方法は、以上のように構成されているので、以下のよ
うな作用効果を発揮する。
ズム11に基づいて、適応信号y(n)が生成され、伝
達特性23を介して観測点24に加えられる(図1参
照)。観測点24では、角振動数ωの抑制すべき特定周
波数成分を含む周期性信号f(n)に対し、角振動数ω
の特定周波数成分からなる正弦波信号である適応信号y
(n)が合成され、誤差信号ε(n)=f(n)+y
(n)が生成されて検出される。観測点24で発生した
誤差信号ε(n)は、適応係数ベクトル更新アルゴリズ
ム12に取り込まれ、適応係数ベクトル更新アルゴリズ
ム12を駆動する駆動源になる。
は、観測点24から誤差信号ε(n)を取り入れると共
に、推定伝達特性13からゲイン推定値A^および位相
推定値Φ^を取り入れ、さらに特定周波数成分の角振動
数ωをも取り入れる。適応係数ベクトル更新アルゴリズ
ム12を導出するに当たっては、最急降下法によって最
小化されるべき評価関数J(n)が次の数25のように
定められている。
乗と誤差信号ε(n)の近似微分値Δε(n)≡{ε
(n)−ε(n−1)}/Tとの線形結合として定義さ
れている。それゆえ、傾斜ベクトル∇(n)≡∂J
(n)/∂W(n)を演算して最急降下法を取ると、誤
差信号ε(n)自体のレベルを低減するばかりではな
く、誤差信号ε(n)の差分値{ε(n)−ε(n−
1)}のレベルをも低減するように、適応係数ベクトル
W(n)≡[a(n),φ(n)]T が適応的に調整さ
れる。
って波状に変動しているものとすると、誤差信号ε
(n)のピーク付近では誤差信号ε(n)自体を抑制す
る作用が働き、誤差信号ε(n)がゼロ付近を横切る際
には、誤差信号ε(n)の変動をダンピングする作用が
働く。それゆえ、誤差信号ε(n)がいずれの位相にあ
っても、適正に適応係数ベクトルW(n)を調整する作
用が、適応係数ベクトル更新アルゴリズム12によって
発揮される。その結果、連続的に適応係数ベクトルW
(n)が適応的に調整され続けるので、誤差信号ε
(n)のみを抑制するアルゴリズムよりも適応速度が向
上し、より速やかに誤差信号ε(n)を収束させること
ができるという効果がある。
効果を実証するため、発明者らは数値シミュレーション
によって本実施例と比較例との応答を検証してみた。こ
こで、比較例では、評価関数J(n)が前記数24の第
一項のみからなり、適応係数ベクトル更新アルゴリズム
は次の数26のようになる。すなわち、比較例での適応
係数ベクトルW(n)の更新分には、本実施例の適応係
数ベクトル更新アルゴリズム12の各要素の第一項だけ
が含まれており、第二項は含まれていない。
2および図3に示す。図2は、周期性信号f(n)を1
0Hzの正弦波で入力した場合を示し、図3は周期性信
号f(n)を20Hzの正弦波で入力した場合を示す。
いずれの場合にも、周期性信号f(n)の初期条件は位
相ゼロの正弦波であり、その振幅は0.15で一定であ
る。また、図2および図3のいずれにおいても、実線が
本実施例の周期性信号の適応制御方法による誤差信号ε
(n)の時間応答を示し、破線が前述の比較例による誤
差信号ε(n)の時間応答を示す。
用した更新周期(サンプリング周期)は、T=1ミリ秒
であり、ステップサイズパラメータは、μa1=μa2=
0.05,μΦ1=μΦ2=0.25である。また、伝達
特性23および推定伝達特性13は、互いに一致し、一
定のゲイン1.0と10タップ(10ミリ秒)の遅延と
をもつものとした。さらに、発散防止定数は、伝達特性
23および推定伝達特性13が一定のゲインをもち、正
規化しても適応係数ベクトル更新アルゴリズム12が発
散する恐れがないので、一律にγ1 =γ2 =0と設定し
た。
本実施例による誤差信号ε(n)の収束に要する時間
は、比較例に比べておおよそ半減しており、適応速度が
大まかにいって倍増していることが分かる。それゆえ、
本実施例の周期性信号の適応制御方法によれば、いっそ
う適応速度が向上し、より速やかに誤差信号を収束させ
ることができるという効果がある。
態様1として、次の数27に示すように、適応係数ベク
トル更新アルゴリズム12の各要素の時刻を、中間時刻
n−1/2に代えて現在時刻nにする周期性信号の適応
制御方法の実施が可能である。
もわずかながら演算量を減らすことができながら、更新
周期Tが周期性信号f(n)の一周期よりも十分に短け
れば、前述の実施例1とほぼ同等の効果が得られる。 (実施例1の変形態様2)本実施例の変形態様2とし
て、次の数28に示すように、適応係数ベクトル更新ア
ルゴリズム12の各要素の第二項を正規化するにあた
り、角振動数ωを考慮しない周期性信号の適応制御方法
の実施も可能である。
りもわずかながら演算量を減らすことができながら、周
期性信号f(n)の角振動数ωが大幅に変動することが
なければ、前述の実施例1に準ずる効果が得られる。 (実施例1の変形態様3)本実施例の変形態様3とし
て、前述の実施例1と異なり、適応係数ベクトル更新ア
ルゴリズム12を正規化しないで、次の数29をもって
適応係数ベクトル更新アルゴリズムとする周期性信号の
適応制御方法の実施が可能である。
りも演算量を減らすことができながら、特定の周波数帯
域で伝達特性23のゲインAが極端に低下することがな
ければ、前述の実施例1に準ずる効果が得られる。 (実施例1のその他の変形態様)周期性信号f(n)や
伝達特性23の特性により、前述の各変形態様を適当に
組み合わせて、本実施例の新たな変形態様を作ることが
できる。このような変形態様によっても、仮定が適正に
なされていれば、実施例1よりも演算量を減らしながら
実施例1に準ずる制御成績を挙げることが可能である。
性振動成分のうち、複数の特定周波数成分を抑制したい
場合には、前述の第2手段の項で説明したように、Kが
複数の適応信号発生アルゴリズム11および適応係数ベ
クトル更新アルゴリズム12を用いればよい。 [実施例2] (実施例2の構成)本発明の実施例2としての周期性信
号の適応制御方法は、再び図1に示すように、適応信号
発生アルゴリズム11および適応係数ベクトル更新アル
ゴリズム12を有する。適応信号発生アルゴリズム11
は実施例1と同一であるが、適応係数ベクトル更新アル
ゴリズム12は、実施例1のそれと異なっている。
新アルゴリズム12は、次の誤差信号ε(n)に基づく
数30と、誤差信号ε(n)の近似微分値Δε(n)≡
{ε(n)−ε(n−1)}/Tに基づく数31とを、
交互に演算するアルゴリズムである。
新アルゴリズム12は、前記数30と前記数31とを、
離散時刻nが更新される度に交番に切り替えて適応係数
ベクトルW(n)を更新する。 (実施例2の作用効果)本実施例においても、実施例1
と同様に、誤差信号ε(n)自体のレベルを低減するば
かりではなく、誤差信号ε(n)の差分値{ε(n)−
ε(n−1)}のレベルをも低減するように、適応係数
ベクトルW(n)≡[a(n),φ(n)]T が適応的
に調整される。ただし、本実施例では実施例1とは異な
り、誤差信号ε(n)自体のレベルを低減する作用と、
誤差信号ε(n)の差分値{ε(n)−ε(n−1)}
のレベルを低減する作用とは、交番に発揮される。その
結果、実施例1の効果に準ずる効果が得られる。
らは、実施例1と同様な条件で数値シミュレーションを
行った。その結果、図4および図5に示すように、実施
例1に準ずる制御成績が得られた。同図中の実線は、本
実施例の誤差信号ε(n)の応答を示し、破線は、実施
例1と同一の比較例を示す。すなわち、本実施例による
誤差信号ε(n)の収束に要する時間は、比較例に比べ
ておおよそ半減しており、適応速度が大まかにいって倍
増している。それゆえ、本実施例の周期性信号の適応制
御方法によれば、実施例1とほぼ同様に適応速度が向上
し、速やかに誤差信号を収束させることができるという
効果がある。そればかりではなく、実施例1よりも演算
量がおおよそ半減されているという利点もある。
って、前記数30と前記数31との切替えに伴い、離散
時刻nのワンステップ毎に生じる細かな振動が誤差信号
ε(n)に含まれている。この振動は、基本周期2Tを
もつ振動であるから、誤差信号ε(n)の周期に比べて
かなり高い振動数をもつ振動であり、振幅もわずかであ
ることから考えて、実用システムでは特に問題にならな
いものと考えられる。たとえば、自動車のエンジンの振
動を乗員席に伝えないようにする能動制振システムであ
れば、乗員席の床でわずかな振幅の高周波振動が残って
いても、座席の柔軟性により同振動成分は吸収され、乗
員には体感されないであろう。また、このような高周波
振動は、誤差信号ε(n)が収束するに従って急速に収
束しており、過渡的に発生するだけであるから、まず問
題になることはないものと考えて差し支えない。
制御方法によれば、前述の実施例1とほぼ同様の効果が
得られながら、実施例1よりも演算量を低減することが
できるという効果がある。 (実施例2の変形態様)本実施例においても、前述の実
施例1の各変形態様に相当する変形態様の実施が可能で
あり、これらの変形態様によっても実施例1の各変形態
様に準ずる効果が得られる。
て、図6に示すように、周期性信号f(n)のうち抑制
すべき特定周波数成分がK個ある場合の最も一般的な適
応制御システムを想定する。すなわち、観測される誤差
信号εl(n)はL個あり、適応信号ym(n)はM個あ
る。ここで、K,L,Mはそれぞれ自然数である。
は、次の数32で定式化される。
応信号発生アルゴリズム11’の各直交化係数を要素に
とって、次の数33により定式化される。
εl (n)に含まれる相殺信号zl=Σzml(n)(m
=1,・・,M)は、次の数34で定式化される。
に定義する。
入することにより、適応係数ベクトル更新アルゴリズム
12は、次の数36で定式化される。
ある。 ・m=1,・・,M ・μa1klm,μa2klm,μφ1klm,μφ2klm:ステップサ
イズパラメータ ・A^klm,Φ^klm:適応信号ym(n)から誤差信号
εl(n)に至る推定伝達特性G^の角振動数ωk での
ゲインおよび位相 ・Δεl(n)≡{εl(n)−εl(n−1)}/T ・n’≡n−1/2:離散時刻nと離散時刻n−1との
中間時刻 ・γ1klm,γ2klm:発散防止定数(0≦γ1klm,0≦γ
2klm) 以上のように、適応信号発生アルゴリズム11’として
前記数32を採用し、適応係数ベクトル更新アルゴリズ
ム12’として前記数36を採用すれば、多入力多出力
系の一般的な制御系にも、本発明を拡張して適用するこ
とができる。
ての周期性信号の適応制御方法は、図7に示すように、
二成分二入力二出力の適応制御システムにおいて実施さ
れる。すなわち、本実施例では、周期性信号f(n)に
含まれる抑制すべき特定周波数成分は、二成分である。
また、適応制御システムへの入力としての誤差信号εl
(n)は二つであり、適応制御システムからの出力とし
ての適応信号ym (n)も二つである。したがって、本
実施例は誤差信号εl(n)(1≦l≦L)および適応
信号ym(n)(1≦m≦M)のうち少なくとも一方は
複数である場合の一例である。
は、前記数32でK=2,M=2と置いたものであり、
適応係数ベクトル更新アルゴリズムは前記数36でさら
にL=2と置いたものである。 (実施例3の作用効果)本実施例においても、適応信号
発生アルゴリズムおよび適応係数ベクトル更新アルゴリ
ズムの構成は、実施例1の周期性信号の適応制御方法を
二成分二入力二出力に拡張しただけであるから、基本的
に実施例1と同様の作用効果が得られる。すなわち、本
実施例の周期性信号の適応制御方法によっても、実施例
1と同様に、適応速度が向上し誤差信号εl (n)の収
束時間が短縮されるという効果が得られる。
も、実施例1に対するその各変形態様と同様の変形態様
を実施することが可能であり、同変形態様と同様の作用
効果が得られる。また、実施例1に対する実施例2に相
当する変形態様も実施可能であり、実施例2の作用効果
に相当する作用効果が得られる。さらに、実施例1に対
する実施例2の各種変形態様に相当する変形態様の実施
が可能であり、同変形態様によっても実施例2の各種変
形態様に相当する作用効果が得られる。
すグラフ
すグラフ
すグラフ
すグラフ
4:観測点 A,Φ:伝達特性Gの角振動数ωに対応するゲインおよ
び位相 A^,Φ^:推定伝達特性G^の角振動数ωに対応する
ゲインおよび位相 a,ak,akm:適応信号y(n),ym(n)の振幅 φ,φk,φkm:適応信号y(n),ym(n)の位相 ω,ωk:角振動数 1≦k≦K:角振動数ωkの数 1≦l≦L:誤差信号εl(n)の数 1≦m≦M:適応信号ym(n)の数
Claims (5)
- 【請求項1】観測点に影響を及ぼす周期性信号f(n)
に対し、該周期性信号f(n)に同期している少なくと
も一つの特定周波数成分からなる適応信号y(n)を、
直接的または間接的に逆位相で加えることによって、該
周期性信号f(n)のうち該特定周波数成分が該観測点
へ及ぼす影響を能動的に除去し、該観測点で検知される
誤差信号ε(n)を低減する周期性信号の適応制御方法
において、 更新周期Tの離散時刻nにおいて、前記周期性信号f
(n)のうちK個(1≦K)の前記特定周波数成分に対
応する角振動数ωk (k=1,・・・,K)に基づき、
正弦関数からなる下記の数1に従って前記適応信号y
(n)を発生させる適応信号発生アルゴリズムと、 該適応信号y(n)の該特定周波数成分の振幅a
k(n)および位相φk(n)を要素とする適応係数ベク
トルW(n)を、前記誤差信号ε(n)およびその差分
値に基づいて該離散時刻nの経過毎に更新し、該周期性
信号f(n)の該特定周波数成分の振幅、位相または角
振動数ωk の変動に対応して、該適応係数ベクトルW
(n)の各該要素を適応的に調整する適応係数ベクトル
更新アルゴリズムとを有し、 該適応係数ベクトル更新アルゴリズムにより更新される
該適応係数ベクトルW(n)の要素である該振幅a
k(n)および該位相φk(n)をもって、該適応信号発
生アルゴリズムで発生する該適応信号y(n)の該特定
周波数成分の該振幅ak(n)および該位相φk(n)が
更新されることを特徴とする、 周期性信号の適応制御方法。 【数1】 - 【請求項2】前記適応係数ベクトル更新アルゴリズム
は、次の数2に従って前記適応係数ベクトルW(n)を
更新するアルゴリズムである、 請求項1記載の周期性信号の適応制御方法。 【数2】 - 【請求項3】前記適応係数ベクトル更新アルゴリズム
は、次の前記誤差信号ε(n)に基づく数3と前記誤差
信号ε(n)の前記差分値に基づく数4とを適正に切り
替えて前記適応係数ベクトルW(n)を更新するアルゴ
リズムである、 請求項1記載の周期性信号の適応制御方法。 【数3】 【数4】 - 【請求項4】前記適応係数ベクトル更新アルゴリズム
は、前記離散時刻nが更新される度に前記数3と前記数
4とを交番に切り替えて前記適応係数ベクトルW(n)
を更新するアルゴリズムである、 請求項3記載の周期性信号の適応制御方法。 - 【請求項5】前記誤差信号εl(n)(1≦l≦L)お
よび前記適応信号ym(n)(1≦m≦M)のうち少な
くとも一方は複数である、 請求項1記載の周期性信号の適応制御方法。
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JP2015168015A (ja) * | 2014-03-05 | 2015-09-28 | 株式会社荏原製作所 | 研磨装置および研磨方法 |
-
1998
- 1998-12-14 JP JP35513698A patent/JP3599229B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US9390701B2 (en) | 2011-06-28 | 2016-07-12 | Sumitomo Riko Company Limited | Active vibration or noise suppression system |
DE112012001573B4 (de) * | 2011-06-28 | 2018-10-18 | Sumitomo Riko Company Limited | Aktivvibrations- oder Geräuschunterdrückungssystem |
JP2015168015A (ja) * | 2014-03-05 | 2015-09-28 | 株式会社荏原製作所 | 研磨装置および研磨方法 |
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