JP2000180775A - 周波数発電機及び光偏向器 - Google Patents

周波数発電機及び光偏向器

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JP2000180775A
JP2000180775A JP36101398A JP36101398A JP2000180775A JP 2000180775 A JP2000180775 A JP 2000180775A JP 36101398 A JP36101398 A JP 36101398A JP 36101398 A JP36101398 A JP 36101398A JP 2000180775 A JP2000180775 A JP 2000180775A
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rotating
field generating
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JP36101398A
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Kenji Onishi
健司 大西
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型且つ高出力でしかも消費電力の小さな周
波数発電機及び光偏向器を得る。 【解決手段】 回転多面鏡20と共に一体的に回転する
発電マグネット62にて形成される磁界の磁束が通過す
る回転ヨーク78は、フランジ38を介して回転軸34
と一体的に連結されており、回転多面鏡20と共に発電
マグネット62が回転すると、回転ヨーク78が発電マ
グネット62に対して同軸的且つ一体的に回転する。こ
のため、基板42に対しては発電マグネット62にて形
成される磁界が交番磁界になるが、回転ヨーク78に対
しては発電マグネット62にて形成される磁界が交番磁
界にならない。このため、回転ヨーク78に渦電流が生
じることはなく、鉄損が生じない。このため、回転多面
鏡20を回転させるためのトルクを小さくできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転体の回転周期
に応じた周波数の交流電流を発電する周波数発電機、及
び、レーザプリンタや電子写真複写機等の画像形成装置
に用いられ、上記のような周波数発電機を採用した光偏
向器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、レーザプリンタや電子写真記
録装置等の画像形成装置や画像読取装置では、レーザ光
等の光ビームを記録媒体上に走査して画像を形成し、又
は、レーザ光等の光ビームを画像担体上に走査して画像
を読み取る構成となっており、このような記録媒体上や
画像担体上へ光ビームを走査するための手段として、モ
ータ等の駆動手段の駆動力によって平面視正多角形の回
転多面鏡を高速回転させ、回転多面鏡の外周部の反射面
にて光ビームを反射することで記録媒体上や画像担体上
へ光ビームを走査する光偏向器が採用されている。
【0003】また、この種の光偏向器では、一定の速度
で回転多面鏡を回転させることが要求されるため、光偏
向器の作動状態における回転多面鏡の回転速度をモニタ
し、これを駆動手段を制御する制御手段にフィードバッ
クすることで、制御手段が回転多面鏡の回転速度を制御
して回転速度を一定に維持している。
【0004】ここで、図16には、回転多面鏡222の
回転速度を検出するための構成を備えた光偏向器220
の一例が断面図によって示されている。
【0005】図16に示されるように、光偏向器220
はハウジング224を備えている。ハウジング224の
内側には、円柱形状の固定軸226が立設されており、
円筒状の回転軸228が固定軸226周りに回転自在に
軸支されている。回転軸228には回転多面鏡222が
同軸的且つ一体的に設けられており、回転軸228が固
定軸226周りに回転することで回転多面鏡222が固
定軸226周りに回転するようになっている。
【0006】また、回転軸228の軸線に沿って回転多
面鏡222の側方には、フランジ230が回転軸228
と一体的に設けられている。フランジ230には駆動マ
グネット232が取り付けられている。回転軸228の
軸線に沿ってフランジ230を介して回転多面鏡222
とは反対側には基板234が設けられており、この基板
234には、回転軸228の軸線に沿って駆動マグネッ
ト232に対してコアレスコイル236が配置されてい
る。このコアレスコイル236は図示しない制御手段を
介して電源(何れも図示省略)へ電気的に接続されてお
り、通電されて励磁されることにより、駆動マグネット
232の磁界との電磁誘導作用で駆動マグネット232
を介して回転軸228を回転させるようになっている
(すなわち、回転軸228、駆動マグネット232、及
びコアレスコイル236で所謂ブラシレスモータを構成
している)。
【0007】一方、回転軸228の軸線に沿って駆動マ
グネット232の側方には、外径寸法が駆動マグネット
232よりも小径のリング状とされ、回転多面鏡222
の回転速度検出用の周波数発電機244を構成する発電
マグネット238がフランジ230に固定されている。
一方、回転軸228の軸線に沿って基板234を介して
発電マグネット238とは反対側には珪素鋼板等により
形成され、発電マグネット238と共に周波数発電機2
44を構成する固定ヨーク240が設けられている。
【0008】図17に示されるように、発電マグネット
238は周方向に沿ってN極の磁極とS極の磁極が交互
に並ぶように形成されており、発電マグネット238に
て生じた磁束B1 は基板234上に形成された導電部2
42を横切って固定ヨーク240へ向かい、発電マグネ
ット238へ向かう磁束B2 は固定ヨーク240から導
電部242を横切って発電マグネット238へ向かう。
回転軸228と共に発電マグネット238が回転する
と、導電部242には磁束B1 と磁束B2 とが回転軸2
28の回転速度に対応した時間毎に交互に横切るため、
簡略的には以下の(1)式を満足する電圧eの交流電流
が流れる。なお、(1)式において、Bは磁束密度、L
は導電部242の発電有効線素長、ωは回転軸228の
回転角速度、rは導電部242の平均半径である。 e=B・L・ω・r ...(1) 導電部242を流れる交流電流は、コアレスコイル23
6へ流す電流を制御する制御手段へフィードバックされ
る。
【0009】(1)式に示されるように、導電部242
を流れる電流の電圧eは、回転軸228の回転角速度
ω、すなわち、回転多面鏡222の回転角速度に比例し
ている。したがって、制御手段が交流電流の電圧eをモ
ニタし、この電圧eが予め設定した回転軸228の回転
角速度(すなわち、回転多面鏡20の回転角速度)に対
応した電圧から外れないようにコアレスコイル236へ
流す電流を制御することで、回転多面鏡222の回転速
度を一定に保つことができるようになっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、出力された
交流電流の電圧eをモニタして回転軸228の回転角速
度ωを制御するに際しては、電圧eにおける単位電圧当
たりの回転軸228の回転角速度が小さいほど、回転軸
228の微小な回転角速度の変動をモニタできる(すな
わち、電圧eにおける単位電圧当たりの回転軸228の
回転角速度が小さいほど、回転軸228の回転角速度の
検出精度が高い)。ここで、上記の(1)式からもわか
るように、出力される交流電流の電圧eは、磁束密度
B、導電部242の発電有効線素長L、導電部242の
平均半径rの積を予め大きく設定すれば、これに比例し
て出力される交流電流の電圧eが大きくなり、交流電流
の電圧eの単位電圧当たりの回転軸228の回転角速度
の変動量が小さくなるため、回転軸228の回転角速度
の検出精度が高くなる。
【0011】磁束密度B、発電有効線素長L、平均半径
rの積を大きくすることは、すなわち、これらの何れか
を大きくすることであるが、装置のレイアウトや組み立
て工数等の様々な条件を考慮した場合、図16に示され
るように、発電マグネット238は、駆動マグネット2
32、回転軸228、及びコアレスコイル236等で形
成されるモータの内側に配置するのが好ましく、発電マ
グネット238の平均回転半径、すなわち、導電部24
2の平均半径の拡大には限界がある。
【0012】これに対し、発電マグネット238に磁束
密度の高い磁石を用いれば、発電マグネット238の平
均回転半径を大きくしなくても出力(すなわち、電圧
e)を向上させることができる。
【0013】しかしながら、発電マグネット238の磁
束密度を高めると、固定ヨーク240を通る磁束量が多
くなり、固定ヨーク240に発生する渦電流が磁束密度
の2乗に比例して大きくなる。この渦電流が大きくなる
と、当然、鉄損が大きくなるため、鉄損による損失分を
補えるトルクが駆動マグネット232、回転軸228、
及びコアレスコイル236等で形成されるモータに要求
され、消費電力が大きくなる。
【0014】本発明は、上記事実を考慮して、小型且つ
高出力でしかも消費電力の小さな周波数発電機及び光偏
向器を得ることが目的である。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の周波数発
電機は、周囲に一定の磁界を形成すると共に、回転体と
共に一体的に回転し、当該回転によって相対的に回転す
る部位における前記磁界を交番磁界とする交番磁界発生
手段と、前記交番磁界発生手段により形成される磁界の
磁束が通過する磁気回路を構成すると共に、前記交番磁
界発生手段と共に一体的に回転する磁性体と、前記交番
磁界発生手段にて発生し前記磁性体を通過する磁束を横
切って設けられ、前記交番磁界発生手段及び前記磁性体
が回転した状態では、前記交番磁界発生手段及び前記磁
性体に対して前記交番磁界発生手段及び前記磁性体の回
転方向とは反対側へ向けて相対回転する導電部と、を備
えている。
【0016】上記構成の周波数発電機では、回転体と共
に交番磁界発生手段が回転することで導電部が交番磁界
発生手段に対して相対的に回転すると、交番磁界発生手
段により形成される磁界に対して導電部が相対回転する
ため、導電部に対する磁界が交番磁界となる。このた
め、導電部には、交番磁界発生手段の回転速度に応じて
方向が相反する磁束が横切り(すなわち、所定周波数の
交番磁界が導電部を横切り)、これによって導電部には
交番磁界発生手段の回転速度に応じた周波数の交流電流
が流れる。したがって、この交流電流の周波数特性(例
えば、電圧)を検出することで、交番磁界発生手段の回
転速度、ひいては回転体の回転速度が検出される。
【0017】ところで、通常、交番磁界のように変化す
る磁界内に磁性体を置くと渦電流が生じ、この渦電流に
よる損失を含む鉄損が、例えば、モータ等の駆動力によ
り物体を回転させる際の一種の抵抗になることが一般的
に知られている。しかしながら、本周波数発電機によれ
ば、回転体と共に交番磁界発生手段が回転した際には、
交番磁界発生手段にて発生する磁束の磁気回路を構成す
る磁性体が、交番磁界発生手段と共に一体的に回転す
る。したがって、交番磁界発生手段が回転している状態
であっても、交番磁界発生手段に対して磁性体が相対回
転することはなく、交番磁界発生手段により形成された
磁界に対して磁性体が相対回転することはない(すなわ
ち、磁性体に対する磁界は交番磁界とはならない)。こ
れにより、磁性体に渦電流が生じることはない。
【0018】このため、本周波数発電機では、上述した
渦電流による損失が生じないため、鉄損が生じず、本周
波数発電機の回転体をモータ等の駆動力により回転させ
る際のモータのパワーロスを軽減でき、モータの回転に
必要な消費電力の軽減を図ることができる。しかも、上
記の如く渦電流が生じないため、磁界を形成する磁束密
度が比較的小さな交番磁界発生手段の適用が可能である
ため交番磁界発生手段の小型化、ひいては、本周波数発
電機の小型化に寄与する。また、上記の如く鉄損に起因
するパワーロスが軽減されるため、交番磁界発生手段の
磁束密度を大きくすることによる弊害が生じない。した
がって、交番磁界発生手段の磁束密度を予め大きく設定
することで、概ね、交番磁界発生手段の磁束密度に比例
した交流電流の周波数特性の検出に要する出力を大きく
できる。
【0019】なお、本発明でいう『磁性体』とは、鉄等
の強磁性体でもよいし、珪素鋼等の磁化の解除が可能な
軟磁性体でもよい。
【0020】請求項2記載の周波数発電機は、請求項1
記載の本発明において、貫通孔を有し、前記貫通孔の周
囲に前記導電部が形成された基板を備え、前記交番磁界
発生手段及び前記磁性体のうち外径寸法が前記貫通孔の
内径寸法よりも大きい方を、前記貫通孔の軸方向に沿っ
て前記基板に対して対向配置し、前記交番磁界発生手段
及び前記磁性体のうち外径寸法が前記貫通孔の内径寸法
よりも小さい方を、少なくとも一部が前記導電部を介し
て前記大きい方とは反対側に位置するように配置した、
ことを特徴としている。
【0021】上記構成の周波数発電機では、導電部が設
けられた基板には貫通孔が形成されており、交番磁界発
生手段及び磁性体のうち外径寸法が貫通孔の内径寸法よ
りも小さい方は、少なくともその一部が導電部を介して
外径寸法が貫通孔の内径寸法よりも大きい方とは反対側
に位置するように設けられている。このため、交番磁界
発生手段にて発生した磁束は、導電部を横切って磁性体
を通る。
【0022】また、外径寸法が貫通孔の内径寸法よりも
大きい方は、貫通孔の軸線に沿って基板と対向している
ものの、外径寸法が貫通孔の内径寸法よりも小さい方
は、少なくともその一部が貫通孔を貫通した状態で配置
されているため、貫通孔の軸線に沿った基板との間隔を
広げるように外径寸法が貫通孔の内径寸法よりも大きい
方を貫通孔の軸線に沿って移動させれば、外径寸法が貫
通孔の内径寸法よりも小さい方は外径寸法が貫通孔の内
径寸法よりも大きい方と共に貫通孔の軸線に沿って移動
して貫通孔を通り抜ける。すなわち、装置(周波数発電
機)の組み立て時やメンテナンス時においては、交番磁
界発生手段と磁性体とを一体としたままで貫通孔の軸線
に沿って移動させれば、基板に対して交番磁界発生手段
と磁性体とが所定位置にセットされ、またセット状態が
解除される。
【0023】請求項3記載の周波数発電機は、請求項1
記載の本発明において、前記回転体の半径方向に沿って
前記交番磁界発生手段及び前記磁性体の何れか一方を前
記導電部が形成された基板の外側に設けると共に、前記
交番磁界発生手段及び前記磁性体の何れか他方を前記回
転体の半径方向に沿って前記導電部に対して対向配置し
た、ことを特徴としている。
【0024】上記構成の周波数発電機では、交番磁界発
生手段及び磁性体のうちの何れか一方は、回転体の半径
方向に沿って導電部が形成された基板の外側に設けられ
ており、交番磁界発生手段及び磁性体のうちの何れか他
方は、回転体の軸線に沿って導電部を介して前記何れか
一方とは反対側に配置されている。したがって、交番磁
界発生手段にて発生した磁束は導電部を横切って磁性体
を通る。
【0025】また、前記何れか他方は貫通孔の軸線に沿
って導電部が形成された基板に対向して配置されている
ものの、前記何れか一方は回転体の半径方向に沿って基
板の外側に配置されているため、基板は回転体の軸線に
沿って前記何れか他方から離間する方向へは基本的に自
由に移動させることができる。
【0026】すなわち、装置(周波数発電機)の組み立
て時やメンテナンス時においては、交番磁界発生手段と
磁性体とを一体としたままで貫通孔の軸線に沿って基板
を移動させれば、基板に対して交番磁界発生手段と磁性
体とが所定位置にセットされ、またセット状態が解除さ
れる。
【0027】請求項4記載の周波数発電機は、請求項1
記載の本発明において、前記回転体の軸線に沿って前記
導電部を介して前記交番磁界発生手段と前記磁性体とを
対向配置したことを特徴としている。
【0028】上記構成の周波数発電機では、回転体の軸
線に沿って交番磁界発生手段と磁性体との間に導電部が
配置されているため、交番磁界発生手段にて発生して磁
性体へ向かう磁束の向きは、交番磁界発生手段における
磁束の発生部位にかかわらず貫通孔の軸線に沿って概ね
平行となり、導電部を通過する際の磁束の磁束密度が交
番磁界発生手段における磁束の発生部位にかかわらず概
ね等しくなる。
【0029】請求項5記載の周波数発電機は、請求項4
記載の本発明において、半径方向中心側へ向けて突出し
た第1凸部及び前記半径方向中心側へ向けて開口した第
1凹部が前記内周部の周方向に沿って交互に形成された
貫通孔を有し、前記貫通孔の外側に前記内周部に沿って
前記導電部が形成された基板を備え、前記交番磁界発生
手段及び前記磁性体の少なくとも何れか一方の外周部
に、半径方向外側へ向けて突出し、前記第1凹部の内側
へ入り込み可能な第2凸部、及び前記半径方向外側へ向
けて開口し、前記第2凸部が前記第1凹部の内側に入り
込んだ状態で前記第1凸部を内側に収容する第2凹部を
前記外周部の周方向に沿って交互に形成した、ことを特
徴としている。
【0030】上記構成の周波数発電機では、交番磁界発
生手段及び磁性体の少なくとも何れか一方の外周部に形
成された第2凹部に貫通孔の内周部に形成された第1凹
部を貫通孔の軸線に沿って対向させると、前記少なくと
も何れか一方に形成された第2凸部と貫通孔の内周部に
形成された第1凸部とが貫通孔の軸線に沿って対向す
る。したがって、交番磁界発生手段及び磁性体の何れか
他方を貫通孔の軸線に沿って基板と対向配置した場合に
は、少なくとも第2凸部は基板を介して前記何れか他方
と対向する。このため、第2凸部においては、交番磁界
発生手段にて発生して導電部を横切り磁性体を通過する
磁束の向きが貫通孔の軸線に対して平行になる。
【0031】また、交番磁界発生手段と磁性体とは一体
的とされているが、第2凹部と第1凸部とが貫通孔の軸
線に沿って対向し、第2凸部と第1凹部とが貫通孔の軸
線に沿って対向するまで基板に対して交番磁界発生手段
を回転させれば、貫通孔の軸線に沿って第2凹部の内側
を第1凸部が通過でき、第2凸部が第1凹部を通過でき
る。したがって、この状態では交番磁界発生手段及び磁
性体は基板に対し貫通孔の軸線に沿った方向へ自由に移
動でき、この移動による前記少なくとも何れか一方の貫
通孔に対する抜き差しで組み付け及び解体が成される。
【0032】請求項6記載の周波数発電機は、請求項1
乃至請求項5の何れかに記載の本発明において、前記交
番磁界発生手段を、前記回転方向へ向けて異なる極性が
交互に着磁された第1マグネットとした、ことを特徴と
している。
【0033】上記構成の周波数発電機によれば、交番磁
界発生手段としての第1マグネットには、極性の異なる
磁極(N極の磁極とS極の磁極)が回転体の回転に伴う
回転方向へ向けて交互に並べられているため、回転体と
共に第1マグネットが回転すると、第1マグネットの回
転速度とこの回転方向に沿った磁極の長さに応じた時間
毎に方向が相反する磁束(すなわち、この時間を周期と
する交番磁界の磁束)が導電部を横切り、これにより、
回転体の回転周期に対応した周波数の交流電流が導電部
に流れる。
【0034】このように、本周波数発電機では、第1マ
グネットが回転することで回転速度と磁極の長さに応じ
た時間を周期とする交番磁界を導電部に対して形成する
が、上述したように、磁性体は交番磁界発生手段として
の第1マグネットと共に一体的に移動するため、磁性体
からみた場合には第1マグネットによって形成される磁
界が交番磁界になることはない。これにより、磁性体に
渦電流が生じることはなく、鉄損が生じることはない。
【0035】請求項7記載の周波数発電機は、請求項1
乃至請求項6の何れかに記載の本発明において、前記磁
性体を、前記交番磁界発生手段にて発生して前記導電部
を横切った磁束、又は、前記導電部を横切って前記交番
磁界発生手段へ戻る磁束の方向に前記交番磁界発生手段
側の磁極と対向した部分が、当該交番磁界発生手段側の
磁極とは異なる極性で着磁された第2マグネットとし
た、ことを特徴としている。
【0036】上記構成の周波数発電機によれば、磁性体
としての第2マグネットにおいて、交番磁界発生手段に
て発生して導電部を横切った磁束、又は、導電部を横切
って交番磁界発生手段へ戻る磁束の方向に交番磁界発生
手段側の磁極と対向した部分が、当該交番磁界発生手段
側の磁極とは異なる極性で着磁されているため、磁性体
に磁化の解除が可能な軟磁性体を適用した場合に比べて
漏れ磁束が減少する。
【0037】請求項8記載の周波数発電機は、請求項1
乃至請求項7の何れかに記載の本発明において、前記交
番磁界発生手段と前記磁性体とを一体形成したことを特
徴としている。
【0038】上記構成の周波数発電機によれば、交番磁
界発生手段と磁性体とが一体形成されているため、導電
部に対して交番磁界発生手段及び磁性体の何れか一方を
所定位置に配置すれば、何れか他方もまた導電部に対し
て所定位置に配置される。
【0039】請求項9記載の光偏向器は、ハウジングに
設けられた支持部に回転自在に支持された回転軸と、前
記回転軸に対して同軸的且つ一体的に設けられ、外周面
にて入射した光を反射する回転多面鏡と、前記回転軸に
設けられ、前記回転軸と共に一体的に回転する駆動磁石
と、前記回転軸の回転半径方向に沿って前記駆動磁石と
対向して設けられ、通電時における前記駆動磁石の磁力
とにより生じる電磁誘導作用によって前記駆動磁石を回
転させる駆動コイルと、周囲に一定の磁界を形成すると
共に、回転軸と共に一体的に回転し、当該回転によって
相対的に回転する部位における前記磁界を交番磁界とす
る交番磁界発生手段と、前記交番磁界発生手段にて発生
する磁界の磁束の磁気回路を構成すると共に、前記交番
磁界発生手段及び前記駆動磁石と共に一体的に回転する
磁性体と、前記交番磁界発生手段にて発生し前記磁性体
を通る磁束を横切って設けられ、前記交番磁界発生手段
及び前記磁性体が回転した状態では、前記交番磁界発生
手段及び前記磁性体に対して前記交番磁界発生手段及び
前記磁性体の回転方向とは反対側へ向けて相対回転する
導電部と、を備えている。
【0040】上記構成の光偏向器では、駆動コイルが通
電された際に生じる磁力と回転軸に一体的に設けられた
駆動磁石との間での電磁誘導作用により駆動磁石が回転
させられ、これにより、回転軸が自らの軸線周りに回転
する。回転軸が回転することで、この回転軸に同軸的で
且つ一体的に設けられた回転多面鏡が自らの軸線周りに
回転し、これによって、回転多面鏡の外周部で反射され
た光が所定の方向へ走査される。
【0041】また、回転軸が回転すると、回転軸と共に
交番磁界発生手段が回転して導電部が交番磁界発生手段
に対して相対的に回転する。これによって、交番磁界発
生手段により形成される磁界に対して導電部が相対回転
するため、導電部に対する磁界が交番磁界となる。この
ため、導電部には、交番磁界発生手段の回転速度に応じ
て向きが相反する磁束が横切り(すなわち、所定周波数
の交番磁界が導電部を横切り)、これによって導電部に
は交番磁界発生手段の回転速度に応じた周波数の交流電
流が流れる。したがって、この交流電流の周波数特性
(例えば、電圧)を検出することで、交番磁界発生手段
の回転速度、ひいては回転軸の回転速度、すなわち、回
転多面鏡の回転速度が検出される。
【0042】したがって、検出した回転多面鏡の回転速
度を駆動コイルへの通電を制御するコンピュータや制御
回路等の制御手段へフィードバックすることで、スタン
ダードな回転多面鏡の回転速度と対比でき、スタンダー
ドな回転多面鏡の回転速度に現状の回転多面鏡の回転速
度を合わせるとができる。
【0043】ところで、通常、変化する磁界内に磁性体
を置くと渦電流が生じる。しかしながら、本光偏向器に
よれば、回転軸と共に交番磁界発生手段が回転した際に
は、交番磁界発生手段にて発生する磁束の磁気回路を構
成する磁性体が、交番磁界発生手段と共に一体的に回転
する。したがって、回転軸が回転している状態であって
も、交番磁界発生手段に対して磁性体が相対回転するこ
とはなく、交番磁界発生手段により形成された磁界に対
して磁性体が相対回転することはない(すなわち、磁性
体に対する磁界は交番磁界とはならない)。これによ
り、磁性体に渦電流が生じることはなく、渦電流に起因
する鉄損が生じないため、回転多面鏡の回転のために駆
動コイルが消費する電力の軽減を図ることができる。し
かも、上記の如く渦電流が生じないため、磁界を形成す
る磁束密度が比較的小さな交番磁界発生手段の適用が可
能であるため交番磁界発生手段の小型化、ひいては、本
光偏向器の小型化に寄与する。
【0044】なお、本発明でいう『磁性体』とは、鉄の
ような強磁性体でもよいし、珪素鋼等の磁化の解除が可
能な軟磁性体でもよい。
【0045】
【発明の実施の形態】<第1の実施の形態>図1には本
発明の第1の実施の形態に係る周波数発電機10を適用
した光偏向器12(すなわち、本発明の第1の実施の形
態に係る光偏向器12)の要部の構成が断面図により示
されており、図4には光偏向器12を適用した画像記録
装置14の要部の構成の概略が斜視図によって示されて
いる。
【0046】(画像記録装置14の全体構成)図4に示
されるように画像記録装置14は半導体レーザやガスレ
ーザ等の光ビームとしてのレーザ光を所定の方向(図4
の矢印A方向)へ向けて射出するレーザ光源16を備え
ている。レーザ光源16は変調手段(図示省略)へ電気
的に接続されており、変調手段が形成しようとするデジ
タル画像データに基づいて変調したレーザ光をレーザ光
源16から射出するようになっている。レーザ光源16
のレーザ光射出側(すなわち、図4の矢印A方向側)に
はコリメータレンズ18が配置されておりレーザ光源1
6からのレーザ光を平行光束としてレーザ光源16とは
反対側へ送り出している。
【0047】このコリメータレンズ18を介してレーザ
光源16とは反対側には、光偏向器12を構成する回転
体としての回転多面鏡20が配置されている。回転多面
鏡20は平面視で正多角形の平板若しくは柱状とされて
おり、その中心軸線周りに回転自在とされている。ま
た、この回転多面鏡20は、その回転半径方向とレーザ
光源16から射出されてコリメータレンズ18によって
光束が平行とされたレーザ光の光軸とが平行となるよう
に配置されており、回転多面鏡20の外周部に形成され
た複数の反射面22のうちの何れか1つの反射面22が
レーザ光を所定の方向へ反射するようになっている。
【0048】また、画像記録装置14は集光光学系24
を備えている。集光光学系24は、回転多面鏡20と、
回転多面鏡20の反射面22で偏向された状態で反射さ
れたレーザ光が照射される感光体ドラム26と、の間に
配置されている。回転多面鏡20が回転することで反射
面22におけるレーザ光の反射角度が変化し、これによ
って、反射されたレーザ光が感光体ドラム26の外周面
上で所定の方向(図4の矢印C方向)へ走査されるが、
反射面22で反射されたレーザ光を感光体ドラム26の
外周部へ照射すると、走査方向両端側と走査方向中間部
とで単位時間当たりの走査速度が変わる。集光光学系2
4は反射面22で反射されたレーザ光を入射部位毎に異
なる角度で屈折させて感光体ドラム26の外周面上での
レーザ光の走査速度を一定にしている。
【0049】感光体ドラム26は、レーザ光の走査方向
(図4の矢印C方向)を軸方向としてその軸周りに回転
自在とされており、モータ等の駆動源からの駆動力によ
って感光体ドラム26の外周面でのレーザ光の走査状態
に応じて回転し、これによって、レーザ光の副走査が行
われるようになっている。
【0050】さらに、本画像記録装置14はレーザ光が
照射されることで感光体ドラム26の外周面に形成され
た潜像を可視像とする現像装置(図示省略)を備えてお
り、この現像装置によって可視像とされた画像を紙等に
転写できるようになっている。
【0051】(光偏向器12の全体構成)次に、光偏向
器12の構成について詳細に説明する。
【0052】図1に示されるように、光偏向器12はハ
ウジング28を備えている。ハウジング28には、その
厚さ方向に沿って貫通した透孔30が形成されており、
固定軸32が圧入固定されている。この固定軸32には
略円筒形状の回転軸34が、例えば、3〜8μm程度の
隙間を介して固定軸32周りに回転自在に嵌め込まれて
いる。ここで、図1に示されるように、固定軸32の外
周部には複数本のヘリングボーン溝36が形成されてお
り、回転軸34が固定軸32周りに高速回転した際には
これらのヘリングボーン溝36により固定軸32の外周
部に空気の層を形成し、この空気の層によって回転軸3
4の回転半径方向への変位を制限する(すなわち、本実
施の形態では、所謂動圧軸受を採用している)。
【0053】また、図1に示されるように、回転軸34
には回転多面鏡20が同軸的で且つ一体的に固定されて
おり、回転軸34の固定軸32周りの回転に伴い、回転
多面鏡20が一体的に回転するようになっている。この
回転多面鏡20とハウジング28との間にはフランジ3
8が設けられている。フランジ38は、例えば、アルミ
ニウムやアルミニウムを主成分とする合金によって形成
されており、焼き嵌めや圧入等の固定方法により回転軸
34へ同軸的で且つ一体的に固定されている。フランジ
38の外周部には、略リング状のスラストマグネット4
0がフランジ38に対して一体的で且つ同軸的に固着さ
れている。スラストマグネット40は半径方向内側と半
径方向外側とで異なる極性を有する永久磁石とされてい
る。
【0054】一方、ハウジング28上にはセラミックや
硬質の合成樹脂材等の非磁性体により板状に形成された
基板42が配置されており、更に、この基板42上には
スラストマグネット44を保持するマグネット保持部4
6が形成されている。マグネット保持部46に保持され
たスラストマグネット44は、内径寸法がスラストマグ
ネット40よりも大きなリング状とされており、マグネ
ット保持部46はその半径方向に沿って内周部とスラス
トマグネット40の外周部とが互いに対向し、且つ、内
周部とスラストマグネット40の外周部との間に僅かな
隙間が形成された状態でマグネット保持部46により一
体的に保持されている。このスラストマグネット44
は、半径方向内側と半径方向外側とで極性が異なる永久
磁石とされ、内周部の極性がスラストマグネット40の
外周部の極性とは異極とされている。したがって、スラ
ストマグネット44とスラストマグネット40とは互い
に引き合い、スラストマグネット40が自らの軸方向に
沿ってスラストマグネット44に対して相対変位しよう
とすると、スラストマグネット44が磁力(吸引力)に
よりスラストマグネット40の相対変位を制限する。す
なわち、フランジ38を介してスラストマグネット44
と一体的の回転軸34が固定軸32周りに回転した際に
は、スラストマグネット40とスラストマグネット44
との間で生じる吸引力により、固定軸32の軸方向に沿
った変位を制限する構成である。
【0055】また、フランジ38の基板42と対向する
部位には駆動マグネット48が固着されている。駆動マ
グネット48は、回転軸34と同軸的なリング状とされ
ており、その周方向に沿って所定角度(本実施の形態で
は45度)毎に異なる極性が交互に着磁されている(す
なわち、所定角度毎にN極とS極とが交互に形成されて
いる)。
【0056】一方、基板42上には、固定軸32及び回
転軸34の軸線を中心として所定角度(本実施の形態で
は60度)毎に複数の駆動コイル50が配置されてお
り、各駆動コイル50に交流電流が通電された状態で
は、上述した駆動マグネット48との電磁誘導作用によ
り駆動マグネット48及びフランジ38を介して回転軸
34を固定軸32周りに回転させるトルクを発生させ
る。
【0057】これらの駆動コイル50は、制御手段とし
ての制御回路(図示省略)へ電気的に接続されており、
制御回路により各駆動コイル50に流れる交流電流が制
御される。
【0058】また、これらの駆動コイル50のうちの何
れか1つの駆動コイル50及びこの駆動コイル50に隣
接する駆動コイル50の内側にはホール素子52が配置
されている。ホール素子52は一種の位置検出素子で、
駆動マグネット48の磁極のうち、固定軸32及び回転
軸34の軸線に沿った方向で対向する磁極の極性を検出
しており、これにより、駆動マグネット48(すなわ
ち、回転軸34)の回転位置を検出している。
【0059】さらに、図1に示されるように、ハウジン
グ28の固定軸32及び回転軸34の軸線に沿って駆動
マグネット48と対向した部分には、駆動マグネット4
8側へ向けて開口した凹形状のヨーク配置部54が形成
されており、その内側には珪素鋼板等の磁性材により板
状に形成された固定ヨーク56が配置されている。この
固定ヨーク56は、上述した駆動コイル50が励磁され
た際に駆動コイル50から生じる磁束の磁気回路を構成
する。
【0060】すなわち、本光偏向器12において、駆動
マグネット48、駆動コイル50、固定ヨーク56は所
謂ブラシレスモータを構成しており、駆動コイル50を
通電して励磁することにより生じる駆動力で回転軸34
を介して回転多面鏡20を回転させる。
【0061】(周波数発電機10の構成)また、駆動マ
グネット48よりも回転軸34の半径方向内側で且つハ
ウジング28側には交番磁界発生手段、又は、その下位
概念である第1マグネットとして周波数発電機10を構
成する発電マグネット62が配置されている。発電マグ
ネット62は全体的にリング状に形成されており、回転
軸34に対して同軸的な状態で接着剤等の固着手段によ
りフランジ38へ固着されている。また、図2に示され
るように、発電マグネット62はその周方向に沿って所
定角度(本実施の形態では30度)毎に異なる極性が交
互に着磁されている(すなわち、所定角度毎にN極とS
極とが交互に形成されている)。
【0062】一方、基板42には、固定軸32及び回転
軸34が同軸的に貫通する貫通孔64が形成されてお
り、図2に示されるように、基板42上の貫通孔64の
周囲には固定軸32及び回転軸34の軸線に沿って発電
マグネット62と対向して導電部としてのFGパターン
66を構成する複数本の放射部68が形成されている。
放射部68はエッチング等により形成された導電体で、
放射部68の半径方向に沿って放射状に形成されてい
る。また、放射部68は、発電マグネット62の各磁極
の形成範囲に等しい角度(すなわち、本実施の形態では
30度)毎に貫通孔64の軸線周りに等間隔に形成され
ている。上述した回転軸34が固定軸32周りに回転し
て発電マグネット62が回転した際には、固定軸32及
び回転軸34の軸線に沿って各放射部68と対向する発
電マグネット62の磁極の極性が、回転軸34の回転速
度に応じた時間毎に変化するが、上記の如く、各磁極の
形成範囲と各放射部68との間隔が等しいため、各放射
部68と対向する発電マグネット62の磁極の極性は、
全ての放射部68で同時に極性が変化する。
【0063】また、図2及び図3に示されるように、各
放射部68は、貫通孔64の近傍で貫通孔64の周方向
に沿って長手とされ、各放射部68と共にFGパターン
66を構成するブリッジ部72と、ブリッジ部72より
も貫通孔64の半径方向外側に設けられると共に、貫通
孔64の周方向に沿って長手とされて各放射部68と共
にFGパターン66を構成するブリッジ部70と、によ
り電気的に接続され、全体的に2本の線状とされてい
る。これにより、FGパターン66は全体的に環状の櫛
歯形状となり、FGパターン66に電流が流れた際に
は、隣接する放射部68同士で貫通孔64の半径方向に
沿った電流の向きが反対になる。
【0064】但し、図3に示されるように、複数の放射
部68のうち、貫通孔64の周方向に沿って互いに対向
する1組(すなわち、本実施の形態では16ある放射部
68のうちの2つの放射部68)だけは、ブリッジ部7
0、72の何れによっても接続されておらず、代わり
に、これらの放射部68の長手方向一端には引出部74
若しくは引出部76が接続されている。引出部74は、
貫通孔64と略同心で且つ曲率半径が貫通孔64の内径
寸法よりも十分に大きな略半円形状とされており、基板
42上の各放射部68及び発電マグネット62よりも貫
通孔64の半径方向外側に形成されている。引出部74
の長手方向一端は上述した一対の放射部68のうちの一
方の長手方向一端へ接続されており、他端は上述した駆
動コイル50へ供給する交流電流を制御する制御手段と
しての制御回路(図示省略)へ電気的に接続されてい
る。
【0065】一方、引出部76は、貫通孔64と略同心
で且つ曲率半径が貫通孔64の内径寸法よりも十分に大
きな略半円形状とされており、貫通孔64を介して引出
部74とは反対側で且つ各放射部68及び発電マグネッ
ト62よりも貫通孔64の半径方向外側に形成されてい
る。引出部76の長手方向一端は、上述した一対の放射
部68のうちの他方の長手方向一端へ接続されており、
他端は上述した駆動コイル50へ供給する電流の大きさ
及び向きを制御するコンピュータ等の制御手段(図示省
略)へ接続されている。
【0066】発電マグネット62の各磁極が形成する磁
界により各放射部68には誘導電流が流れるが、発電マ
グネット62が回転することで各放射部68と対向する
発電マグネット62の磁極の極性が変化するため、放射
部68から見た場合、発電マグネット62が形成する磁
界は発電マグネット62の回転速度に応じた時間毎に磁
界が変化する交番磁界となり、これにより、各放射部6
8では発電マグネット62の回転速度に応じた時間毎に
向きが相反する電流、すなわち、発電マグネット62の
回転速度に応じた時間を周期とする交流電流が流れる。
上述した制御手段では、この交流電流の電圧を検知し、
この検知結果に基づいて駆動コイル50に流す電流を制
御している。
【0067】また、図1に示されるように、固定軸32
及び回転軸34の軸線に沿って発電マグネット62より
もハウジング28側で且つ基板42に形成された貫通孔
64の内側には、外径寸法が貫通孔64の内径寸法より
も小さな磁性体としてのリング状の回転ヨーク78が配
置されている。回転ヨーク78は上述した固定ヨーク5
6と同様に珪素鋼板等の磁性材料により形成されてお
り、回転軸34に対して同軸的な状態で接着剤等の固着
手段によりフランジ38へ固着されていると共に、軸線
方向ハウジング28側が基板42を介して発電マグネッ
ト62とは反対側に位置している。回転ヨーク78は、
上述した発電マグネット62が形成する磁界の磁束が通
る磁気回路を構成しており、これによって、発電マグネ
ット62より形成される磁界の磁束は上述した固定ヨー
ク56を通過しない。
【0068】(本実施の形態の作用、効果)次に、本実
施の形態の作用並びに効果について説明する。
【0069】本周波数発電機10を採用した光偏向器1
2では、駆動コイル50に交流電流が通電されて励磁さ
れることにより、駆動コイル50を流れる電流(交流電
流)と駆動マグネット48により形成される磁界とによ
って電磁誘導作用が生じ、これによって、回転軸34周
りの所定方向に沿ったトルクが生じる。このトルクによ
って駆動マグネット48が固着されているフランジ38
を介して回転軸34が一体的に回転し、回転軸34と一
体の回転多面鏡20が高速回転する。これにより、コリ
メータレンズ18を介してレーザ光源16から射出され
たレーザ光が、回転する回転多面鏡20の反射面22に
反射されて感光体ドラム26の外周面上のその軸方向に
沿って走査される。
【0070】また、回転多面鏡20の高速回転状態で
は、固定軸32の外周面に形成された複数のヘリングボ
ーン溝36によって固定軸32の周囲に空気の層が形成
され、回転軸34はその内周部が空気の層の分だけ固定
軸32の外周面から離間した状態で回転する。さらに、
フランジ38の外周部に設けられたスラストマグネット
40とその外側に設けられたスラストマグネット44と
の間に生じる吸引力により、回転軸34のハウジング2
8側の端部は、ハウジング28の端面から離間する。し
たがって、回転多面鏡20が高速回転している状態で
は、図1に示されるように、回転軸34及び回転多面鏡
20等の回転軸34と共に一体的に回転する回転体は、
宙に浮いた状態となり、他の部材の何れにも接触しな
い。
【0071】さらに、回転多面鏡20や回転軸34と共
に発電マグネット62が高速回転すると、固定軸32及
び回転軸34の軸線に沿ってFGパターン66の放射部
68と対向する発電マグネット62の磁極が、発電マグ
ネット62の回転速度に応じた時間毎に変化し、これに
より、各放射部68には発電マグネット62の回転速度
に応じた時間毎に方向が相反する磁束B1 及び磁束B2
(図2参照)が交互に横切る(すなわち、各放射部68
からみた発電マグネット62の磁界は、発電マグネット
62の回転速度に応じた時間毎に磁界の方向が変化する
交番磁界となる)。通常、導電体に磁束が横切ると導電
体に電流が流れるが、上記のように、方向が相反する磁
束B1 及び磁束B2 が放射部68を交互に横切ること
で、磁束B1 又は磁束B2 が放射部68を横切る周期と
同じ周期の交流電流がFGパターン66に流れる。
【0072】このときの交流電流の電圧eは、従来の技
術の項目でも説明した下記の(1)式で概ね表される。
なお、(1)式において、Bは発電マグネット62にて
発生し、放射部68を横切る磁束B1 、B2 の磁束密
度、Lは放射部68の発電有効線素長、ωは回転軸34
の回転角速度、rは放射部68の長手方向中央を結んだ
仮想円の半径である。
【0073】e=B・L・ω・r ...(1) この(1)式において発電マグネット62にて発生して
放射部68を横切る磁束B1 、B2 の磁束密度B、放射
部68の発電有効線素長L、放射部68の長手方向中央
を結んだ仮想円の半径rの各々は定数であるため、回転
軸34の回転角速度ωが変化すると、これに比例して電
圧eが変化する。駆動コイル50への通電を制御する制
御手段は、FGパターン66の引出部74、76を介し
て常にFGパターン66に流れる交流電流の電圧eをモ
ニタし、この電圧eが予め設定した回転軸34の回転角
速度(すなわち、回転多面鏡20の回転角速度)に対応
した電圧から外れないように駆動コイル50へ流す交流
電流を制御する。このため、本光偏向器12では、常に
一定の角速度で回転多面鏡20を回転させることがで
き、反射面22で反射したレーザ光の走査速度を予め設
定した走査速度に保つことができる。
【0074】ところで、本実施の形態においては、上述
したように発電マグネット62が回転軸34に対して同
軸的にフランジ38へ固定され、また、発電マグネット
62により形成された磁界の磁束B1 、B2 が通過する
回転ヨーク78も回転軸34に対して同軸的にフランジ
38へ固定されている。このため、回転軸34が回転す
ると、発電マグネット62と回転ヨーク78とは一体的
に回転し、互いに相対変位することはない。
【0075】したがって、FGパターン66から見た場
合には発電マグネット62により形成された磁界は交番
磁界となるが、回転ヨーク78から見た場合には基本的
に発電マグネット62により形成された磁界は時間の経
過に伴う変化がない。このため、発電マグネット62に
より形成された磁界の磁束B1 、B2 は、回転ヨーク7
8を通過するものの、回転ヨーク78に渦電流を発生さ
せることがなく、したがって回転ヨーク78では鉄損が
生じない。しかも、回転ヨーク78を設けることで、発
電マグネット62により形成される交番磁界が固定ヨー
ク56を横切ることもない。したがって、本周波数発電
機10を適用した光偏向器12では、回転ヨーク78及
び固定ヨーク56の何れにも、発電マグネット62によ
り形成された磁界に起因する渦電流損失が生じないた
め、回転軸34を回転させるためのトルクを必要以上に
大きくする必要がなく、トルクを発生させるために必要
な消費電力(すなわち、駆動コイル50に要する電力)
を軽減できる。
【0076】また、上記の如く、発電マグネット62が
形成する磁界に起因する渦電流損失が固定ヨーク56及
び回転ヨーク78の何れにも生じないため、発電マグネ
ット62に比較的磁力の大きな(すなわち、上記(1)
式の磁束密度Bが高い)磁石を発電マグネット62とし
て適用できる(換言すれば、磁力の大きな磁石を発電マ
グネット62として用いても、基本的に回転軸34を回
転させるためのトルクに影響を及ぼさない)。このた
め、周波数発電機10をコンパクトにでき、ひいては、
光偏向器12の小型化に寄与する。また、発電マグネッ
ト62の磁束密度Bを予め大きくしておくことで電圧e
を基に算出して得られる回転軸34の回転速度の検出精
度、すなわち、回転多面鏡20の回転速度の検出精度を
向上させることができる。
【0077】さらに、本実施の形態では、固定軸32及
び回転軸34の軸線に沿って(すなわち、基板42に形
成された貫通孔64の軸線に沿って)発電マグネット6
2がFGパターン66の放射部68と対向しているもの
の、回転ヨーク78の外径寸法が貫通孔64の内径寸法
よりも小さい。このため、図1に示される光偏向器12
の組み立て状態(周波数発電機10の組み立て状態でも
ある)であっても、回転多面鏡20や回転軸34と共
に、固定軸32の軸線に沿って発電マグネット62を基
板42から離間させる方向へ移動させれば、回転ヨーク
78は発電マグネット62と共に移動して貫通孔64を
通り抜け、基板42から引き離される(分離される)。
したがって、本光偏向器12(本周波数発電機10)で
は、基本的には発電マグネット62と回転ヨーク78と
を一体とした状態のままで容易に回転軸34を固定軸3
2から外すことができ、メンテナンス等に要する時間を
短縮できる。また、このことは、組み立てに関しても同
様に言うことができ、装置の製造工程の短縮や、メンテ
ナンス後の装置の組立調整に要する時間を短縮できる。
【0078】なお、本実施の形態では、固定軸32及び
回転軸34の軸線に沿って発電マグネット62をFGパ
ターン66の放射部68に対向させ、回転ヨーク78の
外径寸法を貫通孔64の内径寸法よりも小さくした構成
であったが、これとは反対に、固定軸32及び回転軸3
4の軸線に沿って回転ヨーク78をFGパターン66の
放射部68に対向させ、発電マグネット62の外径寸法
を貫通孔64の内径寸法よりも小さくして、少なくとも
発電マグネット62の一部を基板42を介して回転ヨー
ク78とは反対側に位置させる構成としてもよく、この
場合であっても、上述した効果を損なうことがない。
【0079】次に、本発明の他の実施の形態について説
明する。なお、以下の各実施の形態の説明において、前
記第1の実施の形態及び説明している実施の形態よりも
前出の実施の形態の部位と基本的に同一の部位に関して
は、同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0080】<第2の実施の形態>(周波数発電機90
の構成)図5には本発明の第2の実施の形態に係る周波
数発電機90を適用した光偏向器92(すなわち、本発
明の第2の実施の形態に係る光偏向器92)の要部が斜
視図により示されている。
【0081】この図に示されるように、本周波数発電機
90(本周波数発電機90を用いた光偏向器92)は、
前記第1の実施の形態において用いた基板42を備えて
おらず、代わりに基板94を備えている。基板94は外
径寸法が発電マグネット62の外径寸法よりも大きな
(すなわち、当然のことながら発電マグネット62の内
径寸法よりも大きな)略円盤形状とされており、その外
周縁近傍にFGパターン66の放射部68が発電マグネ
ット62の軸線(すなわち、図5では図示を省略してい
るが、固定軸32及び回転軸34の軸線)に沿って発電
マグネット62と対向する如く形成されている。
【0082】また、本周波数発電機90(本周波数発電
機90を用いた光偏向器92)は、前記第1の実施の形
態において用いた回転ヨーク78に代わり、磁性体とし
ての回転ヨーク96を備えている。回転ヨーク96は全
体的にリング状とされている点においては前記第1の実
施の形態に係る周波数発電機10の回転ヨーク78と同
じであるが、回転ヨーク96はその内径寸法が基板94
の外径寸法よりも大きい。回転ヨーク96は発電マグネ
ット62と同軸的で且つ一体的に設けられていると共
に、図5に示されるように、基板94の半径方向外側で
基板94に対して略同軸的に配置され、且つ、その一部
が発電マグネット62の軸線に沿って基板94を介して
発電マグネット62とは反対側に位置している。
【0083】(第2の実施の形態の作用、効果)上記構
成の本実施の形態では、発電マグネット62にて生じた
磁束B1 は、ハウジング28側で且つ発電マグネット6
2の半径方向外方向に沿って基板94へ向かい、磁束B
2 は基板94を通って再び発電マグネット62へ戻る。
磁束B1は発電マグネット62から基板94へ向かう途
中、及び磁束B2 が基板94から発電マグネット62へ
戻る途中でFGパターン66の放射部68を横切り、放
射部68に誘導電流を生じさせる。したがって、本実施
の形態においても、フランジ38と共に発電マグネット
62が回転軸34と一体的に回転することで、放射部6
8に対する発電マグネット62が形成する磁界は交番磁
界となり、FGパターン66には発電マグネット62の
回転速度、すなわち、回転多面鏡20の回転速度に応じ
た周波数の交流電流が流れる。また、上述したように、
回転ヨーク96は発電マグネット62と一体とされてい
るため、回転ヨーク96に対して発電マグネット62が
形成する磁界は交番磁界とはならず、したがって、発電
マグネット62が発生する磁界に起因する渦電流が回転
ヨーク96に生ずることはない。
【0084】すなわち、本実施の形態は、前記第1の実
施の形態に係る周波数発電機10の基板42に対応する
基板94及び回転ヨーク78に対応する回転ヨーク96
の配置態様や形状等が基板42や回転ヨーク78とは異
なるために、発電マグネット62にて生じた磁束の向き
が前記第1の実施の形態とは異なるものの、発電マグネ
ット62と回転ヨーク96とが一体とされている点につ
いては、前記第1の実施の形態と基本的に同じであるた
め、基本的には前記第1の実施の形態と同様の作用を奏
し、同様の効果を得ることができる。
【0085】ところで、前記第1の実施の形態では、回
転ヨーク78の外径寸法を基板42に形成した貫通孔6
4の内径寸法よりも小さくしたが故に回転多面鏡20や
回転軸34と共に固定軸32の軸線に沿って発電マグネ
ット62を基板42から離間させる方向へ移動させるこ
とで回転ヨーク78を基板42から引き離すことができ
た。
【0086】これに対し、本実施の形態では、基板94
の外径寸法よりも回転ヨーク96の内径寸法が大きいた
め、基板94単体で見た場合、基板94は回転ヨーク9
6の軸線に沿って自由に移動できる。したがって、回転
多面鏡20や回転軸34と共に、固定軸32の軸線に沿
って発電マグネット62を基板42から離間させる方向
へ移動させて、発電マグネット62と一体の回転ヨーク
96を発電マグネット62と共に移動せさることで、相
対的に基板94が回転ヨーク96内を貫通して回転ヨー
ク96が基板94から引き離される(分離される)。こ
れにより、本実施の形態においても発電マグネット62
と回転ヨーク96とを一体とした状態のままで容易に回
転軸34を固定軸32から外すことができ、メンテナン
ス等に要する時間を短縮できる。また、このことは、組
み立てに関しても同様に言うことができ、装置の製造工
程の短縮や、メンテナンス後の装置の組立調整に要する
時間を短縮できる。
【0087】なお、本実施の形態では、固定軸32及び
回転軸34の軸線に沿って発電マグネット62をFGパ
ターン66の放射部68に対向させ、回転ヨーク96の
内径寸法を基板94の外径寸法よりも大きくした構成で
あったが、これとは反対に、固定軸32及び回転軸34
の軸線に沿って回転ヨーク96をFGパターン66の放
射部68に対向させ、発電マグネット62の内径寸法を
基板94の外径寸法よりも大きくして、少なくとも発電
マグネット62の一部を基板94を介して回転ヨーク9
6とは反対側に位置させる構成としてもよく、この場合
であっても、上述した効果を損なうことがない。
【0088】<第3の実施の形態>(周波数発電機10
0の構成)図6には本発明の第3の実施の形態に係る周
波数発電機100を適用した光偏向器102(すなわ
ち、本発明の第3の実施の形態に係る光偏向器102)
の構成が断面図によって示されており、図7には本周波
数発電機100(本光偏向器102)の要部が斜視図に
より示されている。
【0089】これらの図に示されるように、本周波数発
電機100(本周波数発電機100を適用した光偏向器
102)では、前記第1の実施の形態において用いた回
転ヨーク78を備えておらず、代わりに磁性体、又はそ
の下位概念である第2マグネットとしての回転マグネッ
ト104を備えている。
【0090】回転マグネット104は、外径寸法が貫通
孔64の内径寸法よりも小さなリング状とされ、その軸
線方向一端側が基板42を介して発電マグネット62と
は反対側に位置する点、及び、接着剤等の固着手段によ
ってフランジ38へ固着され、回転軸34が回転するこ
とにより回転マグネット104が発電マグネット62と
共に一体的に且つ同軸的に回転する点においては、回転
ヨーク78と同じである。
【0091】しかし、回転マグネット104は、その周
方向に沿って着磁されている点で回転ヨーク78とは構
成が異なる。回転マグネット104は、その周方向に沿
って発電マグネット62の各磁極の範囲と同じ角度毎に
異なる極性で交互に着磁されている(すなわち、所定角
度毎にN極とS極とが交互に形成されている)。
【0092】また、回転マグネット104の各磁極は、
各磁極から回転マグネット104の半径方向外側で且つ
回転マグネット104の軸線方向に沿って傾斜した方向
に沿って対向する発電マグネット62の磁極とは反対の
極性を有している。したがって、発電マグネット62の
各磁極のうちのN極にて発生した磁束B1 は、回転マグ
ネット104の磁極のうち対応するS極へ向かい、ま
た、回転マグネット104の各磁極のうちのN極にて発
生した磁束B2 は、発電マグネット62の磁極のうち対
応するS極へ向かう。
【0093】(第3の実施の形態の作用、効果)上述し
たように、本実施の形態では、発電マグネット62の磁
極うちN極で生じた磁束B1 が当該磁極に対応する回転
マグネット104のS極へ向かい、回転マグネット10
4の磁極うちN極で生じた磁束B2 が当該磁極に対応す
る発電マグネット62のS極へ向かうため、所謂漏れ磁
束が減少する。したがって、発電マグネット62の磁力
が同じであれば、放射部68を横切る磁束の磁束密度は
増大するため、前記第1の実施の形態で説明した(1)
式の電圧eが前記第1の実施の形態に係る周波数発電機
10よりも増える。このため、固定軸32の回転速度の
検出精度、すなわち、回転多面鏡20の回転速度の検出
精度が向上する。
【0094】また、前記第1の実施の形態では、発電マ
グネット62が着磁されていたのに対し、回転ヨーク7
8は着磁されていないため、基本的に両者は別部品で構
成しなければならないが、本実施の形態では、発電マグ
ネット62と回転マグネット104の双方が着磁される
構成であるため、樹脂製磁石等の如く発電マグネット6
2と回転マグネット104との一体成形が可能である。
このため、部品点数の軽減を図ることができ、部品コス
ト及びフランジ38への組み付けコストの軽減を図るこ
とができる。
【0095】なお、前記第1の実施の形態の発電マグネ
ット62と回転ヨーク78とを特許請求の範囲に記載し
た各請求項の構成要件に対応させると、発電マグネット
62が『交番磁界発生手段』であり『第1マグネット』
で、回転ヨーク78が『磁性体』であった。これに対
し、本実施の形態の発電マグネット62と回転マグネッ
ト104とを特許請求の範囲に記載した各請求項の構成
要件に対応させた場合には、回転マグネット104自身
が磁界を形成していることから、発電マグネット62が
『交番磁界発生手段』であり『第1マグネット』で、回
転マグネット104が『磁性体』であり『第2マグネッ
ト』と見ることもできるし、回転マグネット104が
『交番磁界発生手段』であり『第1マグネット』で、発
電マグネット62が『磁性体』であり『第2マグネッ
ト』と見ることもできる。
【0096】また、敢えて詳細な説明は省略したが、本
実施の形態は、基本的に前記第1の実施の形態に係る周
波数発電機10の回転ヨーク78を回転マグネット10
4に代えた構成であり、しかも、着磁されているか否か
を除けば回転マグネット104の外径寸法や配置態様等
の諸条件は回転ヨーク78と同じであるため、前記第1
の実施の形態と基本的に同様の作用を奏し、同様の効果
を得ることができることは言うまでもない。
【0097】さらに、本実施の形態において用いた基板
42に代えて前記第2の実施の形態で用いた基板94を
採用すると共に、回転マグネット104の内径寸法を基
板94の外径寸法よりも大きなリング状とし、基板94
に対して前記第2の実施の形態における回転ヨーク96
と同様に配置してもよい。
【0098】<第4の実施の形態>次に、本発明の第4
の実施の形態について説明する。
【0099】(周波数発電機120の構成)図8には本
発明の第4の実施の形態に係る周波数発電機120を適
用した光偏向器122(すなわち、本発明の第4の実施
の形態に係る光偏向器122)の構成が断面図によって
示されており、図9には本周波数発電機120(本光偏
向器122)の要部が斜視図により示されている。
【0100】これらの図に示されるように、本周波数発
電機120(すなわち、本周波数発電機120を適用し
た光偏向器122)は、前記第1の実施の形態において
用いた回転ヨーク78を備えておらず、代わりに磁性体
としての回転ヨーク124を備えている。回転ヨーク1
24は、例えば薄珪素鋼板等の磁性材料により薄肉板状
で且つ内径寸法が回転軸34の外径寸法よりも小さなリ
ング状に形成されており、図8に示されるように、回転
軸34の軸線に沿って回転多面鏡20とは反対側の回転
軸34の端部へ接着剤等の固着手段により回転軸34に
対して同軸的に固着されている。
【0101】また、図8に示されるように、回転ヨーク
124の外径寸法は発電マグネット62の外径寸法に略
等しく、回転ヨーク124の外周部近傍では回転軸34
の軸線に沿って回転ヨーク124が基板42を介して発
電マグネット62と対向している。
【0102】(第4の実施の形態の作用、効果)このよ
うに、本実施の形態では、回転軸34の軸線に沿って回
転ヨーク124が発電マグネット62と対向しているた
め、図9に示されるように、発電マグネット62から回
転ヨーク124へ向かう磁束B1 の向き、及び、回転ヨ
ーク124から発電マグネット62へ戻る磁束B2 の向
きは、発電マグネット62及び回転ヨーク124の半径
方向内側外側を問わず回転軸34の軸線に平行となり、
磁束密度が均一となる(すなわち、発電マグネット62
と回転ヨーク124との間にはたらく磁界がFGパター
ン66の放射部68に対してその法線方向に作用し、し
かも、放射部68の長手方向一端側と他端側とで作用す
る磁界の磁束密度が均一となる)。これにより、発電マ
グネット62の磁力を前記第1の実施の形態における発
電マグネット62の磁力と同等にしても、放射部68を
横切る磁束密度を向上でき、前記第1の実施の形態で説
明した(1)式の電圧e(すなわち、FGパターン66
を流れる交流電流の電圧)を向上させることができる。
このため、回転多面鏡20の回転速度の検出精度を向上
させることができる。
【0103】また、上述したように、回転ヨーク124
の外径寸法を発電マグネット62の外径寸法と略等しく
したため、発電マグネット62で生じたものの回転ヨー
ク124へ向かわない所謂漏れ磁束が減少する。これに
より、発電マグネット62で生じた磁束をより有効に利
用できる(すなわち、前記第1の実施の形態では漏れ磁
束となっていた磁束を回転ヨーク124へ向かわせるこ
とができる)。これによっても、放射部68を横切る磁
束密度を向上でき、電圧e(すなわち、FGパターン6
6を流れる交流電流の電圧)を向上させて、回転多面鏡
20の回転速度の検出精度を向上させることができる。
【0104】さらに、発電マグネット62及び回転ヨー
ク124の各外径寸法を大きくすることが容易であるた
め、発電マグネット62及び回転ヨーク124の各外径
寸法を大きくし、これに伴い各放射部68を長くするこ
とでFGパターン66に対して発電マグネット62によ
り形成される交番磁界が作用する面積を増やすことがで
きる。これにより、一層、電圧e(すなわち、FGパタ
ーン66を流れる交流電流の電圧)を向上させることが
でき、回転多面鏡20の回転速度の検出精度を向上させ
ることができる。
【0105】なお、特に詳細には説明しなかったが、本
実施の形態においても、回転多面鏡20が回転した際に
は、回転ヨーク124は発電マグネット62と共に一体
的に回転するため、この点については前記第1の実施の
形態と同様の作用を奏し、同様の効果を得ることができ
る。
【0106】<第5の実施の形態>次に、本発明の第5
の実施の形態について説明する。
【0107】(周波数発電機140の構成)図10には
本発明の第5の実施の形態に係る周波数発電機140を
適用した光偏向器142(すなわち、本発明の第5の実
施の形態に係る光偏向器142)の要部が斜視図により
示されている。この図に示されるように、本周波数発電
機140(すなわち、本周波数発電機140を適用した
光偏向器142)は、前記第1の実施の形態において用
いた回転ヨーク78を備えておらず、代わりに基板14
4を備えている。基板144は、セラミックや合成樹脂
材等の非磁性材料により板状に形成されている点、FG
パターン66が形成されている点、及び発電マグネット
62の軸線に沿って(すなわち、図10では図示しない
が固定軸32及び回転軸34の軸線に沿って)発電マグ
ネット62に対して対向配置されている点に関しては回
転ヨーク78と同様である。
【0108】しかしながら、基板144には貫通孔64
が形成されておらず、代わりに特許請求の範囲の請求項
5に記載した貫通孔としての櫛歯状貫通孔146が形成
されている。櫛歯状貫通孔146は貫通孔64の如き単
なる円孔ではなく、互いに隣接する放射部68のうちブ
リッジ部70により接続されている部分では、基板14
4が一対の放射部68とブリッジ部70に沿って櫛歯状
貫通孔146の内周部が切り欠かれている。このため、
櫛歯状貫通孔146の内周部には、その半径方向内側へ
向けて開口した第1凹部としての凹部148と、その半
径方向内側へ向けて突出した第1凸部としての凸部15
0と、が櫛歯状貫通孔146の内周部の周方向に沿って
交互に連続して形成されている。したがって、本周波数
発電機140における基板144の櫛歯状貫通孔146
は、FGパターン66に対応した環状櫛歯形状となって
いる。
【0109】また、本周波数発電機140は磁性体とし
ての回転ヨーク152を備えている。回転ヨーク152
は、基本的に前記第4の実施の形態に係る周波数発電機
120の回転ヨーク124と同様に、全体的に薄肉板状
で且つリング状に形成されて回転多面鏡20とは反対側
の回転軸34の端部へ固着されており、しかも、その外
周部近傍では、発電マグネット62の軸線に沿って(す
なわち、図10では図示はしないが固定軸32及び回転
軸34の軸線に沿って)発電マグネット62と対向して
いる。
【0110】しかしながら、回転ヨーク152は回転ヨ
ーク124とは異なり、外周部に第2凸部としての複数
の凸部154が形成されている。各凸部154の幅寸法
は櫛歯状貫通孔146の内周部に形成された凹部148
の内幅寸法よりも小さく、また、全ての凸部154の先
端部(すなわち、半径方向外側端部)を結んでできる仮
想円の直径寸法は、全ての凹部148の内底部を結んで
できる仮想円の直径寸法よりも小さい。
【0111】また、隣接する凸部154の間は回転ヨー
ク152の半径方向外側へ向けて開口した第2凹部とし
ての凹部156とされている。各凹部156の内幅寸法
は櫛歯状貫通孔146の内周部に形成された凸部150
の幅寸法よりも大きく、また、全ての凹部156の内底
部を結んでできる仮想円の直径寸法は、全ての凸部15
0の先端部を結んでできる仮想円の直径寸法よりも小さ
い。
【0112】さらに、回転ヨーク152の軸線周りに凸
部154及び凹部156が形成される周期は、櫛歯状貫
通孔146の軸線周りに凸部150及び凹部148が形
成される周期に等しい。
【0113】(第5の実施の形態の作用、効果)ここ
で、図11及び図12には、基板144と凹部156の
概略的な平面図が示されている。なお、図11及び図1
2においては、本実施の形態の作用並びに効果をより明
確に説明するために、基板144及び凹部156以外の
部材、並びに、基板144に形成されているFGパター
ン66等は省略している。
【0114】図11に示されるように、本実施の形態で
は、回転ヨーク152の軸線周りに凸部154及び凹部
156が形成される周期と櫛歯状貫通孔146の軸線周
りに凸部150及び凹部148が形成される周期とが等
しいため、櫛歯状貫通孔146及び回転ヨーク152の
軸線に沿って(すなわち、図10乃至図12では図示は
しないが、固定軸32及び回転軸34の軸線に沿って)
に凹部148と凹部156とを対向させると、凸部15
0と凸部154とが櫛歯状貫通孔146及び回転ヨーク
152の軸線に沿って互いに対向する。この状態では、
櫛歯状貫通孔146及び回転ヨーク152の軸線に沿っ
て櫛歯状貫通孔146が発電マグネット62と回転ヨー
ク152の凸部154との間に位置する。したがって、
櫛歯状貫通孔146及び回転ヨーク152の軸線に沿っ
て発電マグネット62が凸部154と対向する部分で
は、発電マグネット62にて生じた磁束の向きが櫛歯状
貫通孔146及び回転ヨーク152の軸線に対して平行
となる。このため、櫛歯状貫通孔146及び回転ヨーク
152の軸線に沿って発電マグネット62が凸部154
と対向する部分においては、前記第4の実施の形態と同
様の作用を奏し、同様の効果を得ることができる。
【0115】ところで、前記第4の実施の形態では、固
定軸32及び回転軸34の軸線に沿って発電マグネット
62と回転ヨーク124とが互いに対向していたため、
前記第1乃至第3の実施の形態の如く発電マグネット6
2と回転ヨーク124とを一体としたままの状態で基板
42に対して所定範囲以上移動させることはできず、し
たがって、組立調整やメンテナンス等におけるメリット
は少ない。
【0116】しかしながら、本実施の形態では、回転ヨ
ーク152の軸線周りに凸部154及び凹部156が形
成される周期は、櫛歯状貫通孔146の軸線周りに凸部
150及び凹部148が形成される周期に等しいため、
凹部148と凹部156とが対向し、凸部150と凸部
154とが対向した状態(図11図示状態)から、回転
ヨーク152の軸線周りに凸部154及び凹部156が
形成される周期の半周期分だけ回転軸34を介して回転
多面鏡20と共に回転ヨーク152を回転させると、図
12に示されるように、基板144及び回転ヨーク15
2の軸線に沿って凹部148と凸部154とが対向し、
凸部150と凹部156とが対向する。しかも、既に説
明した凸部150及び凹部148と凸部154及び凹部
156との寸法関係上、基板144及び回転ヨーク15
2の軸線に沿って回転ヨーク152を移動させれば、凹
部148の内側に凸部154が入り込み、凸部150の
内側へ凹部156が入り込んで、基板144の櫛歯状貫
通孔146を回転ヨーク152が通り抜ける。このた
め、前記第1乃至第3の実施の形態と同様に、発電マグ
ネット62と回転ヨーク152とを一体としたままの状
態で容易に回転軸34を固定軸32から外すことがで
き、メンテナンス等に要する時間を短縮できる。また、
このことは組み立てに関しても同様に言うことができ、
装置の製造工程の短縮や、メンテナンス後の装置の組立
調整に要する時間を短縮できる。
【0117】なお、特に詳細には説明しなかったが、本
実施の形態においても、回転多面鏡20が回転した際に
は、回転ヨーク152は発電マグネット62と共に一体
的に回転するため、この点については前記第1の実施の
形態と同様の作用を奏し、同様の効果を得ることができ
る。
【0118】また、本実施の形態では、基板144の櫛
歯状貫通孔146の内周部に凹部148及び凸部150
を形成し、回転ヨーク152の外周部に凸部154及び
凹部156を形成した構成であったが、回転ヨーク15
2に櫛歯状貫通孔146を形成してその内周部に凹部1
48及び凸部150を形成すると共に、基板144を円
盤状に形成してその外周部に凸部154及び凹部156
を形成してもよい。
【0119】<第6の実施の形態>次に、本発明の第6
の実施の形態について説明する。
【0120】(周波数発電機170の構成)図13には
本発明の第6の実施の形態に係る周波数発電機170を
適用した光偏向器172(すなわち、本発明の第6の実
施の形態に係る光偏向器172)の構成が断面図によっ
て示されている。
【0121】この図に示されるように、本周波数発電機
170(本周波数発電機170を適用した光偏向器17
2)は、前記第1の実施の形態において用いた発電マグ
ネット62及び回転ヨーク78を備えておらず、代わり
に、回転マグネット174を備えている。ここで、図1
4には回転マグネット174を拡大した斜視図が示され
ている。図14に示されるように、回転マグネット17
4は頸部176を備えている。頸部176は全体的にリ
ング状とされており、その内径寸法は回転軸34の回転
多面鏡20とは反対側での外径寸法に略等しいか、或い
は、ごく僅かに大きく、回転軸34の軸線に沿って回転
多面鏡20とは反対側の回転軸34の外周部へ接着剤等
の固定手段により同軸的で且つ一体的に固着されてい
る。
【0122】頸部176の軸線方向一端側には、交番磁
界発生手段、又はその下位概念である第1マグネットと
しての第1マグネット部178が形成されている。第1
マグネット部178は頸部176と同軸のリング状で頸
部176と共に一体成形されている。また、第1マグネ
ット部178はその内径寸法が頸部176と等しいもの
の、外径寸法は頸部176よりも大きい。したがって、
頸部176の半径方向中間部よりも外側では、頸部17
6の半径方向外側へフランジ状に延出されている。さら
に、特に図示はしないが、頸部176の軸方向中間部よ
りも一端側と第1マグネット部178とには、その周方
向に沿ってFGパターン66の放射部68に対応して所
定角度毎に異なる極性が交互に着磁されている(すなわ
ち、所定角度毎にN極とS極とが交互に形成されてい
る)。
【0123】これに対して、頸部176の軸線方向他端
側には、磁性体、又はその下位概念である第2マグネッ
トとしての第2マグネット部180が形成されている。
第2マグネット部180は頸部176と同軸のリング状
で頸部176と共に一体成形されている。また、第2マ
グネット部180はその内径寸法が頸部176と等しい
ものの、外径寸法は頸部176よりも大きく、第1マグ
ネット部178の外径寸法に等しい。したがって、頸部
176の半径方向中間部よりも外側では、頸部176の
半径方向外側へフランジ状に延出されている。このた
め、第1マグネット部178及び第2マグネット部18
0の頸部176よりも半径方向外側へ延出された部分で
は、回転マグネット174の軸線(すなわち、回転軸3
4の軸線)に沿って第1マグネット部178と第2マグ
ネット部180とが互いに対向し、図13に示されるよ
うに、第1マグネット部178と第2マグネット部18
0とが互いに対向しあう部分の間に、基板42に形成さ
れたFGパターン66(図13では図示省略)が位置す
る。さらに、特に図示はしないが、頸部176の軸方向
中間部よりも他端側と第2マグネット部180とは、そ
の周方向に沿って第1マグネット部178の着磁態様と
同じ角度毎に異なる極性が交互に着磁されている(すな
わち、所定角度毎にN極とS極とが交互に形成されてい
る)。但し、頸部176の軸線方向一端側及び第1マグ
ネット部178と、頸部176の軸線方向他端側及び第
2マグネット部180とで着磁態様の周期(すなわち、
N極或いはS極が形成される周期)は同じであるが、頸
部176の軸線方向一端側及び第1マグネット部178
と、頸部176の軸線方向他端側及び第2マグネット部
180とでその周期が半周期ずれている。このため、回
転マグネット174の軸線に沿って第1マグネット部1
78及び第2マグネット部180の頸部176よりも半
径方向外側へ延出された部分では、互いに異なる極性を
有する磁極が対向することになる。
【0124】(第6の実施の形態の作用、効果)上述し
たように、本実施の形態では、回転マグネット174の
軸線に沿って(すなわち、回転軸34の軸線に沿って)
第1マグネット部178及び第2マグネット部180の
頸部176よりも半径方向外側へ延出された部分が対向
している。このため、前記第4の実施の形態の如く、第
1マグネット部178と第2マグネット部180との間
の空隙を介して第1マグネット部178から第2マグネ
ット部180へ向かう磁束の向き、及び、第2マグネッ
ト部180から第1マグネット部178へ向かう磁束の
向きが、半径方向内外を問わず回転マグネット174の
軸線に対して平行になり、磁束密度が均一になる。これ
により、前記第1の実施の形態で説明した(1)式の電
圧e(すなわち、FGパターン66を流れる交流電流の
電圧)を向上させることができる。このため、回転多面
鏡20の回転速度の検出精度を向上させることができ
る。
【0125】しかも、前記第4の実施の形態とは異な
り、本実施の形態では、第1マグネット部178及び第
2マグネット部180がそれぞれ着磁されており、且
つ、上述したように、第1マグネット部178の磁極と
回転マグネット174の軸線に沿って当該磁極と対向す
る第2マグネット部180の磁極とは異なる極性である
ため、第1マグネット部178の磁極と第2マグネット
部180の磁極とが回転マグネット174の軸線に沿っ
て互いに引き合う。このため、第1マグネット部178
の磁力が前記第4の実施の形態における発電マグネット
62と同等の磁力を有しているとすれば、前記第4の実
施の形態と比べて所謂漏れ磁束が少なくなるか、或いは
無くなるため、より一層多くの磁束が第2マグネット部
180へ向かうことになる(すなわち、第2マグネット
部180へ向かう磁束密度が増える)。これにより、更
に一層、電圧eを向上させることができ、回転多面鏡2
0の回転速度の検出精度を向上させることができる。
【0126】さらに、本実施の形態では、交番磁界発生
手段或いはその下位概念である第1マグネットとしての
第1マグネット部178と、磁性体或いはその下位概念
である第2マグネットとしての第2マグネット部180
とが頸部176を介して一体とされている。このため、
交番磁界発生手段或いはその下位概念である第1マグネ
ットと、磁性体或いはその下位概念である第2マグネッ
トとを別体で構成した場合に比べて、回転軸34への組
み付けが容易であり、しかも、交番磁界発生手段或いは
その下位概念である第1マグネットと、磁性体或いはそ
の下位概念である第2マグネットとの間の隙間の調整も
不要であるため、組み付け時の調整が容易になる。
【0127】なお、特に詳細には説明しなかったが、第
1マグネット部178と第2マグネット部180とは一
体であり、回転体20と共に第1マグネット部178が
回転しても第2マグネット部180は共に回転するた
め、この点については前記第1の実施の形態と同様の作
用を奏し、同様の効果を得ることができる。
【0128】また、本実施の形態では、第1マグネット
部178を交番磁界発生手段或いはその下位概念である
第1マグネットとし、第2マグネット180を磁性体或
いはその下位概念である第2マグネットとしたが、第2
マグネット部180を交番磁界発生手段或いはその下位
概念である第1マグネットとし、第1マグネット178
を磁性体或いはその下位概念である第2マグネットと解
釈しても差し支えない。
【0129】<第7の実施の形態> (周波数発電機190の構成)図15には本発明の第7
の実施の形態に係る周波数発電機190を適用した光偏
向器192(すなわち、本発明の第7の実施の形態に係
る光偏向器192)の構成が断面図によって示されてい
る。この図に示されるように、本周波数発電機190
(本周波数発電機190を適用した光偏向器192)
は、前記第4の実施の形態に係る周波数発電機120と
は異なり、スラストマグネット40、駆動マグネット4
8、及び発電マグネット62を備えておらず、代わりに
回転マグネット194を備えている。
【0130】回転マグネット194は、外径寸法及び内
径寸法が、軸方向に沿って適宜に変化したリング状或い
は筒状とされており、最大外径寸法が前記第4の実施の
形態におけるスラストマグネット40の外径寸法に略等
しく、且つ、最小内径寸法が前記第4の実施の形態にお
ける発電マグネット62の内径寸法に略等しい。なお、
敢えて言うならば、図15と図8とを比べてわかるよう
に、回転マグネット194の形状は、前記第4の実施の
形態でそれぞれ別体に設けられていたスラストマグネッ
ト40、駆動マグネット48、及び発電マグネット62
を連結した形状に類似している。
【0131】回転マグネット194の軸線に沿って回転
多面鏡20側の外周部近傍はスラストマグネット部19
6とされており、この部分では軸線方向中間部よりも一
端側と他端側とで極性が異なるように着磁されている
(すなわち、軸線方向中間部よりも一端側がN極及びS
極の何れか一方の極性で着磁され、他端側が何れか他方
の極性で着磁されている)。
【0132】一方、本実施の形態では、前記第4の実施
の形態とは異なり、マグネット保持部46にスラストマ
グネット44が保持されておらず、代わりに、スラスト
マグネット198が固着されている。スラストマグネッ
ト198は基本的にスラストマグネット44と略同形状
のリング状とされているが、半径方向に沿ってスラスト
マグネット部196の軸線方向中間部よりも一端側と対
向する部分では、スラストマグネット部196の軸線方
向中間部よりも一端側に着磁された極性とは異なる極性
で着磁されており、半径方向に沿ってスラストマグネッ
ト部196の軸線方向中間部よりも他端側と対向する部
分では、スラストマグネット部196の軸線方向中間部
よりも他端側に着磁された極性とは異なる極性で着磁さ
れている。すなわち、着磁の態様こそ前記第4の実施の
形態とは異なるが、スラストマグネット部196及びス
ラストマグネット198はスラストマグネット40及び
スラストマグネット44と同等の作用を奏する。
【0133】また、回転マグネット194の内周部近傍
は交番磁界発生手段、又はその下位概念の第1マグネッ
トとしての発電マグネット部200とされており、更
に、発電マグネット部200とスラストマグネット部1
96との間は駆動マグネット部202とされている。回
転マグネット194の発電マグネット部200及び駆動
マグネット部202とされている部分では、その周方向
に沿って45度毎に異なる極性で交互に着磁されている
(すなわち、特に図示はしないが、本実施の形態で発電
マグネット部200及び駆動マグネット部202には、
4つのN極と4つのS極の合計8つの磁極が形成されて
いる)。
【0134】一方、特に図示はしないが、本実施の形態
は前記第4の実施の形態とは異なり、基板42上には6
個の駆動コイル50が環状に配置されていると共に、F
Gパターン66の放射部68は45度毎に設けられてい
る。
【0135】(第7の実施の形態の作用、効果)上記構
成の本実施の形態は、スラストマグネット40に相当す
るスラストマグネット部196、駆動マグネット48に
相当する駆動マグネット部202、及び発電マグネット
62に相当する発電マグネット部200が回転マグネッ
ト194として一体とされているものの、基本的な構成
は前記第4の実施の形態と同じである。したがって、前
記第4の実施の形態と同様の作用を奏し、同様の効果を
得ることができる。
【0136】また、スラストマグネット40に相当する
スラストマグネット部196、駆動マグネット48に相
当する駆動マグネット部202、及び発電マグネット6
2に相当する発電マグネット部200が回転マグネット
194として一体とされているため、前記第4の実施の
形態と比べると部品点数が減少する。これにより、部品
コスト及び組立工数の軽減を図ることができる。
【0137】さらに、本実施の形態では、発電マグネッ
ト部200と駆動マグネット部202の磁極数を同数に
したため、発電マグネット部200と駆動マグネット部
202を近接させることにより発電マグネット部200
の磁力と駆動マグネット部202の磁力とが互いに及ぼ
す影響を少なく、或いは無くすことができ、回転マグネ
ット194が回転軸34と共に一体的に回転した際に形
成される交番磁界によりFGパターン66の放射部68
に生ずる交流電流の特性劣化を防止できる。
【0138】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、交番
磁界発生手段により形成される磁界が磁性体に対しては
交番磁界にならないため、磁性体に鉄損が発生しない。
このため、回転体を回転させるための駆動源への負担を
軽減できるため、装置を小型化でき、しかも、交番磁界
の磁束密度を向上させることが可能であるため、回転速
度検出のための交流電流の電圧、すなわち、出力を向上
でき、更には、駆動源への負担を軽減できることから消
費電力を低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る周波数発電
機を適用した光偏向器の断面図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態に係る周波数発電
機の構成の概略を示す斜視図である。
【図3】 本発明の第1の実施の形態に係る周波数発電
機の基板の平面図である。
【図4】 本光偏向器を適用した画像記録装置の要部の
概要を示す斜視図である。
【図5】 本発明の第2の実施の形態に係る周波数発電
機の構成の概略を示す図2に対応した斜視図である。
【図6】 本発明の第3の実施の形態に係る周波数発電
機を適用した光偏向器の図1に対応した断面図である。
【図7】 本発明の第3の実施の形態に係る周波数発電
機の構成の概略を示す図2に対応した斜視図である。
【図8】 本発明の第4の実施の形態に係る周波数発電
機を適用した光偏向器の図1に対応した断面図である。
【図9】 本発明の第4の実施の形態に係る周波数発電
機の構成の概略を示す図2に対応した斜視図である。
【図10】 本発明の第5の実施の形態に係る周波数発
電機の構成の概略を示す図2に対応した斜視図である。
【図11】 第1凸部と第2凸部及び第1凹部と第2凹
部が対向した状態の概略を示す平面図である。
【図12】 第1凸部と第2凹部及び第1凹部と第2凸
部が対向した状態の概略を示す図11に対応した平面図
である。
【図13】 本発明の第6の実施の形態に係る周波数発
電機を適用した光偏向器の図1に対応した断面図であ
る。
【図14】 交番磁界発生手段及び磁性体としての回転
マグネットの構成を示す斜視図である。
【図15】 本発明の第7の実施の形態に係る周波数発
電機を適用した光偏向器の図1に対応した断面図であ
る。
【図16】 従来の周波数発電機を適用した光偏向器の
断面図である。
【図17】 従来の周波数発電機の構成の概略を示す斜
視図である。
【符号の説明】 10 周波数発電機 12 光偏向器 20 回転多面鏡(回転体) 34 回転軸 42 基板 48 駆動マグネット 50 駆動コイル 62 発電マグネット(交番磁界発生手段、第1マ
グネット) 64 貫通孔 66 FGパターン(導電部) 78 回転ヨーク(磁性体) 90 周波数発電機 92 光偏向器 96 回転ヨーク(磁性体) 100 周波数発電機 102 光偏向器 104 回転マグネット(磁性体、第2マグネッ
ト) 120 周波数発電機 122 光偏向器 124 回転ヨーク(磁性体) 140 周波数発電機 142 光偏向器 144 基板 146 櫛歯状貫通孔(貫通孔) 148 凹部(第1凹部) 150 凸部(第1凸部) 152 回転ヨーク(磁性体) 154 凸部(第2凸部) 156 凹部(第2凹部) 170 周波数発電機 172 光偏向器 178 第1マグネット部(交番磁界発生手段、第
1マグネット) 180 第2マグネット部(磁性体、第2マグネッ
ト) 190 周波数発電機 192 光偏向器 200 発電マグネット部(交番磁界発生手段、第
1マグネット)
フロントページの続き Fターム(参考) 2H045 AA14 AA15 AA24 AA54 5H019 AA04 AA07 BB01 BB02 BB05 BB09 BB11 BB15 BB19 BB20 BB22 CC00 CC02 CC10 DD06 EE07 EE13 FF00 FF01 FF03 GG01 5H621 BB07 HH02 HH05 JK07 JK13 JK19

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周囲に一定の磁界を形成すると共に、回
    転体と共に一体的に回転し、当該回転によって相対的に
    回転する部位における前記磁界を交番磁界とする交番磁
    界発生手段と、 前記交番磁界発生手段により形成される磁界の磁束が通
    過する磁気回路を構成すると共に、前記交番磁界発生手
    段と共に一体的に回転する磁性体と、 前記交番磁界発生手段にて発生し前記磁性体を通過する
    磁束を横切って設けられ、前記交番磁界発生手段及び前
    記磁性体が回転した状態では、前記交番磁界発生手段及
    び前記磁性体に対して前記交番磁界発生手段及び前記磁
    性体の回転方向とは反対側へ向けて相対回転する導電部
    と、 を備える周波数発電機。
  2. 【請求項2】 貫通孔を有し、前記貫通孔の周囲に前記
    導電部が形成された基板を備え、 前記交番磁界発生手段及び前記磁性体のうち外径寸法が
    前記貫通孔の内径寸法よりも大きい方を、前記貫通孔の
    軸方向に沿って前記基板に対して対向配置し、 前記交番磁界発生手段及び前記磁性体のうち外径寸法が
    前記貫通孔の内径寸法よりも小さい方を、少なくとも一
    部が前記導電部を介して前記大きい方とは反対側に位置
    するように配置した、 ことを特徴とする請求項1記載の周波数発電機。
  3. 【請求項3】 前記回転体の半径方向に沿って前記交番
    磁界発生手段及び前記磁性体の何れか一方を前記導電部
    が形成された基板の外側に設けると共に、前記交番磁界
    発生手段及び前記磁性体の何れか他方を前記回転体の半
    径方向に沿って前記導電部に対して対向配置した、 ことを特徴とする請求項1記載の周波数発電機。
  4. 【請求項4】 前記回転体の軸線に沿って前記導電部を
    介して前記交番磁界発生手段と前記磁性体とを対向配置
    したことを特徴とする請求項1記載の周波数発電機。
  5. 【請求項5】 半径方向中心側へ向けて突出した第1凸
    部及び前記半径方向中心側へ向けて開口した第1凹部が
    前記内周部の周方向に沿って交互に形成された貫通孔を
    有し、前記貫通孔の外側に前記内周部に沿って前記導電
    部が形成された基板を備え、 前記交番磁界発生手段及び前記磁性体の少なくとも何れ
    か一方の外周部に、半径方向外側へ向けて突出し、前記
    第1凹部の内側へ入り込み可能な第2凸部、及び前記半
    径方向外側へ向けて開口し、前記第2凸部が前記第1凹
    部の内側に入り込んだ状態で前記第1凸部を内側に収容
    する第2凹部を前記外周部の周方向に沿って交互に形成
    した、 ことを特徴とする請求項4記載の周波数発電機。
  6. 【請求項6】 前記交番磁界発生手段を、 前記回転方向へ向けて異なる極性が交互に着磁された第
    1マグネットとした、 ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載
    の周波数発電機。
  7. 【請求項7】 前記磁性体を、 前記交番磁界発生手段にて発生して前記導電部を横切っ
    た磁束、又は、前記導電部を横切って前記交番磁界発生
    手段へ戻る磁束の方向に前記交番磁界発生手段側の磁極
    と対向した部分が、当該交番磁界発生手段側の磁極とは
    異なる極性で着磁された第2マグネットとした、 ことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載
    の周波数発電機。
  8. 【請求項8】 前記交番磁界発生手段と前記磁性体とを
    一体形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項7の
    何れかに記載の周波数発電機。
  9. 【請求項9】 ハウジングに設けられた支持部に回転自
    在に支持された回転軸と、 前記回転軸に対して同軸的且つ一体的に設けられ、外周
    面にて入射した光を反射する回転多面鏡と、 前記回転軸に設けられ、前記回転軸と共に一体的に回転
    する駆動磁石と、 前記回転軸の回転半径方向に沿って前記駆動磁石と対向
    して設けられ、通電時における前記駆動磁石の磁力とに
    より生じる電磁誘導作用によって前記駆動磁石を回転さ
    せる駆動コイルと、 周囲に一定の磁界を形成すると共に、回転軸と共に一体
    的に回転し、当該回転によって相対的に回転する部位に
    おける前記磁界を交番磁界とする交番磁界発生手段と、 前記交番磁界発生手段にて発生する磁界の磁束の磁気回
    路を構成すると共に、前記交番磁界発生手段及び前記駆
    動磁石と共に一体的に回転する磁性体と、 前記交番磁界発生手段にて発生し前記磁性体を通る磁束
    を横切って設けられ、前記交番磁界発生手段及び前記磁
    性体が回転した状態では、前記交番磁界発生手段及び前
    記磁性体に対して前記交番磁界発生手段及び前記磁性体
    の回転方向とは反対側へ向けて相対回転する導電部と、 を備える光偏向器。
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