JPH11281910A - 周波数発電機及び光偏向器 - Google Patents

周波数発電機及び光偏向器

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JPH11281910A
JPH11281910A JP10297326A JP29732698A JPH11281910A JP H11281910 A JPH11281910 A JP H11281910A JP 10297326 A JP10297326 A JP 10297326A JP 29732698 A JP29732698 A JP 29732698A JP H11281910 A JPH11281910 A JP H11281910A
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JP
Japan
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magnetic field
drawer
field forming
forming unit
rotation
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JP10297326A
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English (en)
Inventor
Kenji Onishi
健司 大西
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転駆動用の駆動磁石の磁界の影響により周
波数信号に不要な信号が重畳することを防止する。 【解決手段】 周波数発電パターン(FGパターン)6
1には、周波数信号を駆動磁石22よりも径方向外側に
引き出すための引き出し線62、63が接続されてい
る。引き出し線62は、FGパターン61から駆動磁石
22の磁界の影響を受ける径方向中間位置まで引き出す
線素62Aと、駆動磁石22の磁界の影響を受けない円
周方向に沿って駆動磁石22の1極分(機械角で45
度)だけ引き出す線素62Cと、線素62Cの端部から
外周側へ引き出す線素62Bとにより構成されている。
このため、回転する駆動磁石22の磁界によって、線素
62Aに発生する電流と線素62Bに発生する電流と
は、位相差が180度で振幅が等しくなり、これらの不
要な電流は相殺される。引き出し線63も同様である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、周波数発電機及び
光偏向器に係り、より詳しくは、回転体の回転数に応じ
た周波数信号を発電する周波数発電機、及び回転多面鏡
の回転数に応じた周波数信号を発電する機能を有しレー
ザビームプリンタ、電子写真複写機等の電子写真装置に
設けられた光偏向器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、レーザ等の光源から出射された
光ビームで画像担体を走査してその画像を読み取る画像
読取装置、あるいは画像信号や文字信号で変調された光
ビームで記録媒体を走査して画像の記録を行う画像記録
装置では、上記光ビームを走査するための手段として多
数の反射鏡面が外周面に形成された回転多面鏡が用いら
れる。
【0003】この種の光偏向器として、回転多面鏡に固
着した回転スリーブと、回転スリーブに固定された回転
駆動用の駆動マグネットと、回転スリーブに挿通された
固定軸と、固定軸を保持するハウジングと、ハウジング
に固定され駆動マグネットに対して回転力を付与する駆
動コイルと、パターン部が駆動コイルの内周内に形成さ
れた回転周波数検出用の櫛歯形状の周波数発電パターン
と、周波数発電パターンから周波数信号を駆動マグネッ
トの外周外へ取り出すための2本の引き出し線と、周波
数発電パターンと対向する位置に回転スリーブに固定さ
れた周波数発電マグネットとを、有する光偏向器が知ら
れている。
【0004】図8には、上記のような光偏向器における
周波数発電パターン93、駆動マグネット92、駆動コ
イル91等の配置例を示している。ここで、駆動マグネ
ット92の内周側に形成された周波数発電パターン93
により発電された電流(以下、周波数信号と称する)
は、間隔Kを隔てて回路基板90上に形成された引き出
し線94、95によって図示しない制御回路に入力され
る。
【0005】ところで、近年レーザプリンタ、複写機、
およびファクシミリ装置等は、高速・多機能化が急速に
進む一方、小型化、高画質化がより強く求められるよう
になっている。このため、小型で常に安定した速度で光
走査が可能な光偏向器の必要性が高まってきている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図8に
示すような従来の構成では周波数発電パターン93の引
き出し線94、95を流れる周波数信号が駆動マグネッ
ト92の磁界の影響を受けてしまい、精度の良い周波数
信号を得ることができない、という問題があった。すな
わち、図8の構成例では、2本の引き出し線94、95
は駆動マグネット92を径方向に横切るため、駆動マグ
ネット92の磁界の影響を受けて、駆動マグネット92
の磁界によって引き出し線94に図9の不要電流Iaが
発電され、引き出し線95に図9の不要電流Ibが発電
されてしまう。ここで、引き出し線94、95は間隔K
を隔てて形成されているので、電流Ia、Ibは回転角
度に対し間隔Kの分だけ位相差を持つことになり、結果
的に図9に示すような不要な電流Ic(=Ia−Ib)
を発電してしまう。このため、周波数発電パターン93
から駆動マグネット92の外側へ取り出された周波数信
号は図10に示すように振幅が変動する波形となり、該
周波数信号に基づいて行われる回転制御に悪影響を与え
回転むら等の不都合が発生するおそれがある、という問
題があった。
【0007】このような問題に対し、特開平5−260
714号公報には、2本の引き出し線の一方を2本に分
岐して、他方の引き出し線の両側に沿ってそれぞれ配線
することで、駆動マグネットの磁界の影響によって引き
出し線に発電される不要信号を低減する技術が開示され
ている。
【0008】しかしながら、この技術では、引き出し線
素を分岐するためのジャンパが必要となるため装置の構
造が複雑になってしまう。また、この技術によっても、
駆動マグネットの磁界の影響による不要信号の発生を完
全に無くすことはできない、という問題があった。
【0009】本発明は、上記問題点を解消するために成
されたものであり、駆動マグネットの磁界の影響により
周波数信号に不要な信号が重畳することを防止できる周
波数発電機及び光偏向器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の周波数発電機は、固定された基台
に立設された円柱状又は円筒状の固定軸と、前記固定軸
の外側又は内側で回転可能に設けられた回転軸と、前記
回転軸の外周面に固着された回転体と、前記固定軸の軸
心を中心とする同心円に沿ってN極とS極とが交互に配
置され且つ前記回転体又は前記基台に固着され、回転駆
動用の磁界を形成する回転駆動用磁界形成部と、該回転
駆動用磁界形成部よりも内周側に設けられ周波数発電用
の磁界を形成する周波数発電用磁界形成部と、を含んで
構成された磁石と、前記基台又は前記回転体における前
記回転駆動用磁界形成部に対向する位置に設けられた回
転駆動用のコイルと、前記基台又は前記回転体における
前記周波数発電用磁界形成部に対向する位置に設けられ
た周波数発電パターンと、前記周波数発電パターンから
周波数信号を前記コイルよりも外周側へ取り出すための
2本の引き出し線と、を有する周波数発電機であって、
前記2本の引き出し線の各々は、前記回転駆動用磁界形
成部の異なる磁極に対向するよう配置された第1の引き
出し部と第2の引き出し部とを含んで構成され、前記回
転駆動用磁界形成部の磁界によって前記第1の引き出し
部に発生する電流と前記第2の引き出し部に発生する電
流とが相殺するように、該第1の引き出し部及び第2の
引き出し部が配置されている、ことを特徴とする。
【0011】次に、請求項1に記載の周波数発電機の作
用を説明する。
【0012】請求項1に記載の周波数発電機では、円柱
状又は円筒状の固定軸が基台に立設されており、回転軸
が該固定軸の外側又は内側で回転可能に設けられてい
る。即ち、回転軸が円柱状又は円筒状の固定軸の外側で
回転可能に設けられた構成、又は回転軸が円筒状の固定
軸の内側で回転可能に設けられた構成となっている。
【0013】また、回転軸の外周面には回転体が固着さ
れており、この回転体は回転軸とともに回転可能に設け
られている。
【0014】また、周波数発電機には、固定軸の軸心を
中心とする同心円に沿ってN極とS極とが交互に配置さ
れ且つ回転体又は基台に固着された磁石が設けられてお
り、この磁石は、回転駆動用の磁界を形成する回転駆動
用磁界形成部と、該回転駆動用磁界形成部よりも内周側
に設けられ周波数発電用の磁界を形成する周波数発電用
磁界形成部と、を含んで構成されている。なお、回転駆
動用磁界形成部と周波数発電用磁界形成部とは一体で構
成しても良いし、別体で構成しても良い。
【0015】一方、基台又は回転体における回転駆動用
磁界形成部に対向する位置には回転駆動用のコイルが設
けられており、基台又は回転体における周波数発電用磁
界形成部に対向する位置には周波数発電パターンが設け
られている。また、周波数発電パターンから周波数信号
をコイルよりも外周側へ取り出すための2本の引き出し
線が設けられている。
【0016】このような構成の周波数発電機では、回転
体を回転駆動する際に、コイルに所定電圧が印加される
か又は所定電流が供給される。これにより、コイルに電
流が流れ、この電流と、コイルに対向する回転駆動用磁
界形成部の磁界とによる電磁誘導作用で所定方向に力が
発生し、この力によって回転体が所定方向に回転する。
【0017】この回転により、回転体に設置された周波
数発電用磁界形成部又は周波数発電パターンも回転す
る。周波数発電用磁界形成部が回転する場合、回転する
周波数発電用磁界形成部の磁界によって、該周波数発電
用磁界形成部に対向して配置された周波数発電パターン
に、図4に示すような交流電流が発生する。一方、周波
数発電パターンが回転する場合も、周波数発電用磁界形
成部の磁界によって、周波数発電パターンに図4に示す
ような交流電流が発生する。そして、発生した交流電流
は、周波数信号として2本の引き出し線によって、コイ
ルよりも外周側へ取り出される。
【0018】ところで、2本の引き出し線は、コイルと
回転駆動用磁界形成部とが対向している領域を横切って
配置されているので、回転駆動用磁界形成部の磁界によ
って、2本の引き出し線に不要な交流電流が発生し、上
記周波数発電パターンに発生する交流電流に重畳するお
それがある。
【0019】ところが、第1の発明に係る周波数発電機
では、2本の引き出し線の各々は第1の引き出し部と第
2の引き出し部とを含んで構成されており、これら第1
の引き出し部と第2の引き出し部とは、回転駆動用磁界
形成部の異なる磁極に対向するよう配置されている。即
ち、回転体の回転中のある一時点では、第1の引き出し
部と第2の引き出し部とは回転駆動用磁界形成部の異な
る磁極に対向している。これにより、回転駆動用磁界形
成部の磁界によって第1の引き出し部に発生する電流と
第2の引き出し部に発生する電流とは、正負逆になる。
【0020】しかも、第1の引き出し部に発生する電流
と第2の引き出し部に発生する電流とが相殺する(具体
的には、位相差が180度で振幅が等しくなる)よう
に、該第1の引き出し部及び第2の引き出し部が配置さ
れている。
【0021】このため、各引き出し線において、第1の
引き出し部と第2の引き出し部とでそれぞれ不要な電流
が発生するものの、それらの電流は相殺することとな
り、上記周波数発電パターンに発生する交流電流には、
不要な電流が一切重畳しない。このように、回転駆動用
磁界形成部の磁界の影響で、不要な電流が、周波数発電
パターンに発生する交流電流に重畳してしまうことを防
止することができる。
【0022】請求項2に記載の周波数発電機は、固定さ
れた基台に立設された円柱状又は円筒状の固定軸と、前
記固定軸の外側又は内側で回転可能に設けられた回転軸
と、前記回転軸の外周面に固着された回転体と、前記固
定軸の軸心を中心とする同心円に沿ってN極とS極とが
交互に配置され且つ前記回転体又は前記基台に固着さ
れ、回転駆動用の磁界を形成する回転駆動用磁界形成部
と、該回転駆動用磁界形成部よりも内周側に設けられ周
波数発電用の磁界を形成する周波数発電用磁界形成部
と、を含んで構成された磁石と、前記基台又は前記回転
体における前記回転駆動用磁界形成部に対向する位置に
設けられた回転駆動用のコイルと、前記基台又は前記回
転体における前記周波数発電用磁界形成部に対向する位
置に設けられた周波数発電パターンと、前記周波数発電
パターンから周波数信号を前記コイルよりも外周側へ取
り出すための2本の引き出し線と、を有する周波数発電
機であって、前記2本の引き出し線の各々は、前記回転
駆動用磁界形成部の異なる磁極に対向するよう配置され
た第1の引き出し部と第2の引き出し部とを含んで構成
され、前記第1の引き出し部及び前記第2の引出し部
は、何れか一方が何れか他方の半径方向外側に配置され
ており、前記第1の引き出し部及び前記第2の引出し部
のうちの半径方向内側に配置されている方の半径方向長
さがL1 、半径方向外側に配置されている方の半径方向
長さがL2 であるときに、前記第1の引き出し部と前記
第2の引き出し部との前記回転体の回転方向に沿った位
相差が前記回転駆動用磁界形成部の磁極に対して電気角
で180°×m(m=1、3、5・・・)であり、L1
>L2 である、ことを特徴としている。
【0023】次に請求項2に記載の周波数発電機の作用
を説明する。
【0024】請求項2に記載の周波数発電機では、円柱
状又は円筒状の固定軸が基台に立設されており、回転軸
が該固定軸の外側又は内側で回転可能に設けられてい
る。即ち、回転軸が円柱状又は円筒状の固定軸の外側で
回転可能に設けられた構成、又は回転軸が円筒状の固定
軸の内側で回転可能に設けられた構成となっている。
【0025】また、回転軸の外周面には回転体が固着さ
れており、この回転体は回転軸とともに回転可能に設け
られている。
【0026】また、周波数発電機には、固定軸の軸心を
中心とする同心円に沿ってN極とS極とが交互に配置さ
れ且つ回転体又は基台に固着された磁石が設けられてお
り、この磁石は、回転駆動用の磁界を形成する回転駆動
用磁界形成部と、該回転駆動用磁界形成部よりも内周側
に設けられ周波数発電用の磁界を形成する周波数発電用
磁界形成部と、を含んで構成されている。なお、回転駆
動用磁界形成部と周波数発電用磁界形成部とは一体で構
成しても良いし、別体で構成しても良い。
【0027】一方、基台又は回転体における回転駆動用
磁界形成部に対向する位置には回転駆動用のコイルが設
けられており、基台又は回転体における周波数発電用磁
界形成部に対向する位置には周波数発電パターンが設け
られている。また、周波数発電パターンから周波数信号
をコイルよりも外周側へ取り出すための2本の引き出し
線が設けられている。
【0028】このような構成の周波数発電機では、回転
体を回転駆動する際に、コイルに所定電圧が印加される
か又は所定電流が供給される。これにより、コイルに電
流が流れ、この電流と、コイルに対向する回転駆動用磁
界形成部の磁界とによる電磁誘導作用で所定方向に力が
発生し、この力によって回転体が所定方向に回転する。
【0029】この回転により、回転体に設置された周波
数発電用磁界形成部又は周波数発電パターンも回転す
る。周波数発電用磁界形成部が回転する場合、回転する
周波数発電用磁界形成部の磁界によって、該周波数発電
用磁界形成部に対向して配置された周波数発電パターン
に、図4に示すような交流電流が発生する。一方、周波
数発電パターンが回転する場合も、周波数発電用磁界形
成部の磁界によって、周波数発電パターンに図4に示す
ような交流電流が発生する。そして、発生した交流電流
は、周波数信号として2本の引き出し線によって、コイ
ルよりも外周側へ取り出される。
【0030】ところで、2本の引き出し線は、コイルと
回転駆動用磁界形成部とが対向している領域を横切って
配置されているので、回転駆動用磁界形成部の磁界によ
って、2本の引き出し線に不要な交流電流が発生し、上
記周波数発電パターンに発生する交流電流に重畳するお
それがある。
【0031】回転駆動用磁界形成部または周波数発電パ
ターンが回転すると、回転駆動用磁界形成部の磁界によ
って第1の引き出し部及び第2の引き出し部に各々逆起
電圧が発生するが、回転する物体では周速v=半径r・
角速度ωの関係があるため、回転中心から遠い方(回転
半径rが大の方)に位置する引き出し部と、回転中心に
近い方(回転半径rが小の方)に位置する引き出し部
と、を比較すると、回転駆動用磁界形成部が引き出し部
を横切る速度は、回転中心から遠い方(回転半径rが大
の方)が大となる。
【0032】また、一般に知られているように、磁束密
度Bの磁界中を、長さLの導線が速度vで移動したと
き、導線に発生する電圧eは、e=B・L・vで与えら
れる。
【0033】引き出し部に発生する逆起電圧は速度に比
例するため、回転中心に近い方(回転半径rが小の方)
に位置する引き出し部に発生する逆起電圧よりも回転中
心から遠い方(回転半径rが大の方)に位置する引き出
し部に発生する逆起電圧は大となる。
【0034】このため、回転中心に近い方に位置する引
き出し部の長さと、回転中心から遠い方に位置する引き
出し部の長さとを同一長さにすると、回転中心に近い方
に位置する引き出し部に発生する逆起電圧と回転中心か
ら遠い方に位置する引き出し部に発生する逆起電圧との
差分だけ電圧が残ってしまい、第1の引き出し部に流れ
る電流と第2の引き出し部に流れる電流とを相殺するこ
とができなくなる。請求項2に記載の周波数発電機で
は、逆起電圧が低い方の引き出し部の回転半径方向長さ
1 >逆起電圧が高い方の引き出し部の回転半径方向長
さL2 とすることにより、回転中心に近い方に位置する
引き出し部に流れる電流と、回転中心から遠い方に位置
する引き出し部に流れる電流とを同一レベルにすること
が可能となり、また、回転中心に近い方に位置する引き
出し部と回転中心から遠い方に位置する引き出し部、こ
こでは第1の引き出し部と第2の引き出し部との回転方
向に沿った位相差を回転駆動用磁界形成部の磁極に対し
て電気角で180°×m(m=1、3、5・・・、即
ち、1を含む3以上の整数のうちの奇数)させると、第
1の引き出し部に発生する逆起電圧と第2の引き出し部
に発生する逆起電圧とが逆位相の関係になり、第1の引
き出し部と第2の引き出し部とでそれぞれ不要な電流が
発生するものの、それらの電流を相殺することが可能と
なる。
【0035】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の周波数発電機において、前記第1の引き出し部と前記
第2の引出し部との位相の切替え位置は、前記回転駆動
用磁界形成部との相対的な回転移動によって前記第1の
引き出し部に発生する逆起電圧をe1 、前記回転駆動用
磁界形成部との相対的な回転移動によって前記第2の引
き出し部に発生する逆起電圧をe2 としたときに、e1
=e2 となる位置である、ことを特徴としている。
【0036】次に請求項3に記載の周波数発電機の作用
を説明する。
【0037】請求項3に記載の周波数発電機では、第1
の引き出し部に発生する逆起電圧e 1 =第2の引き出し
部に発生する逆起電圧e2 としたので、逆起電圧e1
逆起電圧e2 とを逆位相の関係にすることにより、第1
の引き出し部と第2の引き出し部とでそれぞれ不要な電
流が発生するものの、それらの電流を完全に相殺するこ
とが可能となる。
【0038】請求項4に記載の発明は、請求項2に記載
の周波数発電機において、前記回転体の回転中心から前
記第1の引き出し部及び前記第2の引出し部のうちの半
径方向内側に配置されている方の前記磁石の内周端と対
向する点までの半径方向距離をrin、前記回転体の回転
中心から前記第1の引き出し部及び前記第2の引出し部
のうちの半径方向外側に配置されている方の前記磁石の
外周端と対向する点までの半径方向距離をrout 、前記
回転体の回転中心から前記第1の引き出し部と前記第2
の引き出し部との位相切替わり位置までの半径方向距離
をrp としたときに、rp ={(rin 2 +rout 2 )/
2}1/2 である、ことを特徴としている。
【0039】次に請求項4に記載の周波数発電機の作用
を説明する。
【0040】磁束密度Bの磁界中を長さLの導線が速度
vで移動したとき、導線に発生する電圧eは、e=B・
L・vで与えられる。逆に、長さLの導線に対して、磁
束密度Bの磁界が速度vで移動したときにも上記式は成
り立つ。
【0041】したがって、図11に示すように、磁石1
00(磁束密度Bg )が、回転中心Cを回転中心として
角速度ωで引き出し線素102上を回転したとき、磁石
100と対向する図中の回転中心Cに近い方の長さL1
の部分102inで発生する電圧ein及び、磁石100と
対向する回転中心Cから遠い方の長さL2 の部分102
out で発生する電圧eout は、回転中心Cから部分10
inの半径方向内端(磁石100の内周端)までの半径
方向距離をrin、回転中心Cから部分102inと部分1
02out との境界まで半径方向距離をrp 、回転中心C
から部分102 out の半径方向外端(磁石100の外周
端)までの半径方向距離をrout 、部分102inの半径
方向平均位置(中央位置)における磁石100の通過す
る周方向速度vin、部分102out の半径方向平均位置
(中央位置)における磁石100の通過する周方向速度
out とすると、e=B・L・vより、 ein=Bg ・(rp −rin)・{(rin+rp )/2}
ω=(Bg ・ω/2)・(rp 2 −rin 2) eout =Bg ・(rout −rp )・{(rp +rout
/2}ω=(Bg ・ω/2)・(rout 2 −rp 2 ) で表すことができる。
【0042】ここで、ein=eout とすると、 (Bg ・ω/2)・(rp 2 −rin 2)=(Bg ・ω/
2)・(rout 2 −r p 2 ) rp 2 −rin 2=rout 2 −rp 2p ={(rin 2 +rout 2 )/2}1/2 となる。
【0043】即ち、rp ={(rin 2 +rout 2 )/
2}1/2 の関係を満足すれば、回転中心Cに近い方の長
さL1 の部分102inで発生する電圧einと、回転中心
Cから遠い方の長さL2 の部分102out で発生する電
圧eout とを同じ大きさにすることができる。
【0044】したがって、電圧einと電圧eout とを逆
位相の関係にすれば、第1の引き出し部と第2の引き出
し部とでそれぞれ不要な電流が発生するものの、それら
の電流を完全に相殺することが可能となる。
【0045】なお、上記計算式は、磁石100の磁界の
強さが、磁石100の内外径の中央位置を基準として径
方向に対照であることを仮定としている。したがって、
磁界の強さに偏りがある場合には、それに応じて第1の
引き出し部の長さ及び第2の引き出し部の長さを変更す
る必要がある。
【0046】また、上記計算式で用いた磁石100の内
周端及び外周端(回転中心からの距離rin及びrout
は、磁界と引き出し線との関係を分かりやすくするため
に用いたものであり、径方向に見て磁界の影響を受けは
じめる点及び受け終わる点を示唆している。
【0047】請求項5に記載の光偏向器は、固定された
基台に立設された円柱状又は円筒状の固定軸と、前記固
定軸の外側又は内側で回転可能に設けられた回転軸と、
光を反射する複数の反射面が外周に形成され、前記回転
軸の外周面に固着された回転多面鏡と、前記固定軸の軸
心を中心とする同心円に沿ってN極とS極とが交互に配
置され且つ前記回転多面鏡又は前記基台に固着され、回
転駆動用の磁界を形成する回転駆動用磁界形成部と、該
回転駆動用磁界形成部よりも内周側に設けられ周波数発
電用の磁界を形成する周波数発電用磁界形成部と、を含
んで構成された磁石と、前記基台又は前記回転多面鏡に
おける前記回転駆動用磁界形成部に対向する位置に設け
られた回転駆動用のコイルと、前記基台又は前記回転多
面鏡における前記周波数発電用磁界形成部に対向する位
置に設けられた周波数発電パターンと、前記周波数発電
パターンから周波数信号を前記コイルよりも外周側へ取
り出すための2本の引き出し線と、を有する光偏向器で
あって、前記2本の引き出し線の各々は、前記回転駆動
用磁界形成部の異なる磁極に対向するよう配置された第
1の引き出し部と第2の引き出し部とを含んで構成さ
れ、前記回転駆動用磁界形成部の磁界によって前記第1
の引き出し部に発生する電流と前記第2の引き出し部に
発生する電流とが相殺するように、該第1の引き出し部
及び第2の引き出し部が配置されている、ことを特徴と
する。
【0048】次に、請求項5に記載の光偏向器の作用を
説明する。
【0049】次に、請求項5に記載の発明は、周波数発
電の機能を有する光偏向器に請求項1に記載の発明を適
用したものである。
【0050】この請求項5に記載の光偏向器では、円柱
状又は円筒状の固定軸が基台に立設されており、回転軸
が固定軸の外側又は内側で回転可能に設けられている。
即ち、回転軸が円柱状又は円筒状の固定軸の外側で回転
可能に設けられた構成、又は回転軸が円筒状の固定軸の
内側で回転可能に設けられた構成となっている。
【0051】また、光を反射する複数の反射面が外周に
形成された回転多面鏡が、回転軸の外周面に固着されて
おり、この回転多面鏡は回転軸とともに回転可能に設け
られている。
【0052】このような光偏向器には、固定軸の軸心を
中心とする同心円に沿ってN極とS極とが交互に配置さ
れ且つ回転多面鏡又は基台に固着された磁石が設けられ
ており、この磁石は、回転駆動用の磁界を形成する回転
駆動用磁界形成部と、該回転駆動用磁界形成部よりも内
周側に設けられ周波数発電用の磁界を形成する周波数発
電用磁界形成部と、を含んで構成されている。なお、回
転駆動用磁界形成部と周波数発電用磁界形成部とは一体
で構成しても良いし、別体で構成しても良い。
【0053】一方、基台又は回転多面鏡における回転駆
動用磁界形成部に対向する位置には回転駆動用のコイル
が設けられており、基台又は回転多面鏡における周波数
発電用磁界形成部に対向する位置には周波数発電パター
ンが設けられている。また、周波数発電パターンから周
波数信号をコイルよりも外周側へ取り出すための2本の
引き出し線が設けられている。
【0054】このような構成の周波数発電機では、回転
多面鏡を回転駆動する際に、コイルに所定電圧が印加さ
れるか又は所定電流が供給される。これにより、コイル
に電流が流れ、この電流と、コイルに対向する回転駆動
用磁界形成部の磁界とによる電磁誘導作用で所定方向に
力が発生し、この力によって回転多面鏡が所定方向に回
転する。
【0055】この回転により、回転多面鏡に設置された
周波数発電用磁界形成部又は周波数発電パターンも回転
する。周波数発電用磁界形成部が回転する場合、回転す
る周波数発電用磁界形成部の磁界によって、該周波数発
電用磁界形成部に対向して配置された周波数発電パター
ンに、図4に示すような交流電流が発生する。一方、周
波数発電パターンが回転する場合も、周波数発電用磁界
形成部の磁界によって、周波数発電パターンに図4に示
すような交流電流が発生する。そして、発生した交流電
流は、周波数信号として2本の引き出し線によって、コ
イルよりも外周側へ取り出される。
【0056】このような請求項5に係る光偏向器におい
ても、上記請求項1の発明と同様に、2本の引き出し線
は、コイルと回転駆動用磁界形成部とが対向している領
域を横切って配置されているので、回転駆動用磁界形成
部の磁界によって、2本の引き出し線の各々に不要な交
流電流が発生するおそれがある。
【0057】ところが、各引き出し線は、回転駆動用磁
界形成部の異なる磁極に対向するよう配置された第1の
引き出し部と第2の引き出し部とを含んで構成されてお
り、その上、回転駆動用磁界形成部の磁界によって第1
の引き出し部に発生する電流と第2の引き出し部に発生
する電流とが相殺する(具体的には、位相差が180度
で振幅が等しくなる)ように、該第1の引き出し部及び
第2の引き出し部が配置されている。
【0058】このため、各引き出し線において、第1の
引き出し部と第2の引き出し部とでそれぞれ不要な電流
が発生するものの、それらの電流は相殺することとな
り、上記周波数発電パターンに発生する交流電流には、
不要な電流が一切重畳しない。このように、回転駆動用
磁界形成部の磁界の影響で、不要な電流が、周波数発電
パターンに発生する交流電流に重畳してしまうことを防
止することができる。
【0059】請求項6に記載の光偏向器は、固定された
基台に立設された円柱状又は円筒状の固定軸と、前記固
定軸の外側又は内側で回転可能に設けられた回転軸と、
光を反射する複数の反射面が外周に形成され、前記回転
軸の外周面に固着された回転多面鏡と、前記固定軸の軸
心を中心とする同心円に沿ってN極とS極とが交互に配
置され且つ前記回転多面鏡又は前記基台に固着され、回
転駆動用の磁界を形成する回転駆動用磁界形成部と、該
回転駆動用磁界形成部よりも内周側に設けられ周波数発
電用の磁界を形成する周波数発電用磁界形成部と、を含
んで構成された磁石と、前記基台又は前記回転多面鏡に
おける前記回転駆動用磁界形成部に対向する位置に設け
られた回転駆動用のコイルと、前記基台又は前記回転多
面鏡における前記周波数発電用磁界形成部に対向する位
置に設けられた周波数発電パターンと、前記周波数発電
パターンから周波数信号を前記コイルよりも外周側へ取
り出すための2本の引き出し線と、を有する光偏向器で
あって、前記2本の引き出し線の各々は、前記回転駆動
用磁界形成部の異なる磁極に対向するよう配置された第
1の引き出し部と第2の引き出し部とを含んで構成さ
れ、前記第1の引き出し部及び前記第2の引出し部は、
何れか一方が何れか他方の半径方向外側に配置されてお
り、前記第1の引き出し部及び前記第2の引出し部のう
ちの半径方向内側に配置されている方の半径方向長さが
1 、半径方向外側に配置されている方の半径方向長さ
がL2 であるときに、前記第1の引き出し部と前記第2
の引き出し部との前記回転体の回転方向に沿った位相差
が前記回転駆動用磁界形成部の磁極に対して電気角で1
80°×m(m=1、3、5・・・)であり、L1 >L
2である、ことを特徴としている。
【0060】次に請求項6に記載の光偏向器の作用を説
明する。
【0061】この請求項6に記載の光偏向器では、円柱
状又は円筒状の固定軸が基台に立設されており、回転軸
が固定軸の外側又は内側で回転可能に設けられている。
即ち、回転軸が円柱状又は円筒状の固定軸の外側で回転
可能に設けられた構成、又は回転軸が円筒状の固定軸の
内側で回転可能に設けられた構成となっている。
【0062】また、光を反射する複数の反射面が外周に
形成された回転多面鏡が、回転軸の外周面に固着されて
おり、この回転多面鏡は回転軸とともに回転可能に設け
られている。
【0063】このような光偏向器には、固定軸の軸心を
中心とする同心円に沿ってN極とS極とが交互に配置さ
れ且つ回転多面鏡又は基台に固着された磁石が設けられ
ており、この磁石は、回転駆動用の磁界を形成する回転
駆動用磁界形成部と、該回転駆動用磁界形成部よりも内
周側に設けられ周波数発電用の磁界を形成する周波数発
電用磁界形成部と、を含んで構成されている。なお、回
転駆動用磁界形成部と周波数発電用磁界形成部とは一体
で構成しても良いし、別体で構成しても良い。
【0064】一方、基台又は回転多面鏡における回転駆
動用磁界形成部に対向する位置には回転駆動用のコイル
が設けられており、基台又は回転多面鏡における周波数
発電用磁界形成部に対向する位置には周波数発電パター
ンが設けられている。また、周波数発電パターンから周
波数信号をコイルよりも外周側へ取り出すための2本の
引き出し線が設けられている。
【0065】このような構成の周波数発電機では、回転
多面鏡を回転駆動する際に、コイルに所定電圧が印加さ
れるか又は所定電流が供給される。これにより、コイル
に電流が流れ、この電流と、コイルに対向する回転駆動
用磁界形成部の磁界とによる電磁誘導作用で所定方向に
力が発生し、この力によって回転多面鏡が所定方向に回
転する。
【0066】この回転により、回転多面鏡に設置された
周波数発電用磁界形成部又は周波数発電パターンも回転
する。周波数発電用磁界形成部が回転する場合、回転す
る周波数発電用磁界形成部の磁界によって、該周波数発
電用磁界形成部に対向して配置された周波数発電パター
ンに、図4に示すような交流電流が発生する。一方、周
波数発電パターンが回転する場合も、周波数発電用磁界
形成部の磁界によって、周波数発電パターンに図4に示
すような交流電流が発生する。そして、発生した交流電
流は、周波数信号として2本の引き出し線によって、コ
イルよりも外周側へ取り出される。
【0067】このような請求項6に係る光偏向器におい
ても、上記請求項2の発明と同様に、2本の引き出し線
は、コイルと回転駆動用磁界形成部とが対向している領
域を横切って配置されているので、回転駆動用磁界形成
部の磁界によって、2本の引き出し線の各々に不要な交
流電流が発生するおそれがある。
【0068】回転駆動用磁界形成部または周波数発電パ
ターンが回転すると、回転駆動用磁界形成部の磁界によ
って第1の引き出し部及び第2の引き出し部に各々逆起
電圧が発生するが、回転する物体では周速v=半径r・
角速度ωの関係があるため、回転中心から遠い方(回転
半径rが大の方)に位置する引き出し部と、回転中心に
近い方(回転半径rが小の方)に位置する引き出し部
と、を比較すると、回転駆動用磁界形成部が引き出し部
を横切る速度は、回転中心から遠い方(回転半径rが大
の方)が大となる。
【0069】また、磁束密度Bの磁界中を、長さLの導
線が速度vで移動したとき、導線に発生する電圧eは、
e=B・L・vで与えられる。
【0070】引き出し部に発生する逆起電圧は速度に比
例するため、回転中心に近い方(回転半径rが小の方)
に位置する引き出し部に発生する逆起電圧よりも回転中
心から遠い方(回転半径rが大の方)に位置する引き出
し部に発生する逆起電圧は大となる。
【0071】このため、回転中心に近い方に位置する引
き出し部の長さと、回転中心から遠い方に位置する引き
出し部の長さとを同一長さにすると、回転中心に近い方
に位置する引き出し部に発生する逆起電圧と回転中心か
ら遠い方に位置する引き出し部に発生する逆起電圧との
差分だけ電圧が残ってしまい、第1の引き出し部に流れ
る電流と第2の引き出し部に流れる電流とを相殺するこ
とができなくなる。請求項6に記載の光偏向器では、逆
起電圧が低い方の引き出し部の回転半径方向長さL1
逆起電圧が高い方の引き出し部の回転半径方向長さL2
とすることにより、回転中心に近い方に位置する引き出
し部に流れる電流と、回転中心から遠い方に位置する引
き出し部に流れる電流とを同一レベルにすることが可能
となり、また、回転中心に近い方に位置する引き出し部
と回転中心から遠い方に位置する引き出し部、ここでは
第1の引き出し部と第2の引き出し部との回転方向に沿
った位相差を回転駆動用磁界形成部の磁極に対して電気
角で180°×m(m=1、3、5・・・、即ち、1を
含む3以上の整数のうちの奇数)させると、第1の引き
出し部に発生する逆起電圧と第2の引き出し部に発生す
る逆起電圧とが逆位相の関係になり、第1の引き出し部
と第2の引き出し部とでそれぞれ不要な電流が発生する
ものの、それらの電流を相殺することが可能となる。
【0072】請求項7に記載の光偏向器は、請求項6に
記載の光偏向器において、前記第1の引き出し部と前記
第2の引出し部との位相の切替え位置は、前記回転駆動
用磁界形成部との相対的な回転移動によって前記第1の
引き出し部に発生する逆起電圧をe1 、前記回転駆動用
磁界形成部との相対的な回転移動によって前記第2の引
き出し部に発生する逆起電圧をe2 としたときに、e1
=e2 となる位置である、ことを特徴としている。
【0073】次に請求項7に記載の光偏向器の作用を説
明する。
【0074】請求項7に記載の光偏向器では、第1の引
き出し部に発生する逆起電圧e1 =第2の引き出し部に
発生する逆起電圧e2 としたので、逆起電圧e1 と逆起
電圧e2 とを逆位相の関係にすることにより、第1の引
き出し部と第2の引き出し部とでそれぞれ不要な電流が
発生するものの、それらの電流を完全に相殺することが
可能となる。
【0075】請求項8に記載の光偏向器は、請求項6に
記載の光偏向器において、前記回転体の回転中心から前
記第1の引き出し部及び前記第2の引出し部のうちの半
径方向内側に配置されている方の前記磁石の内周端と対
向する点までの半径方向距離をrin、前記回転体の回転
中心から前記第1の引き出し部及び前記第2の引出し部
のうちの半径方向外側に配置されている方の前記磁石の
外周端と対向する点までの半径方向距離をrout 、前記
回転体の回転中心から前記第1の引き出し部と前記第2
の引き出し部との位相切替わり位置までの半径方向距離
をrp としたときに、rp ={(rin 2 +rout 2 )/
2}1/2 である、ことを特徴としている。
【0076】次に請求項8に記載の光偏向器の作用を説
明する。
【0077】磁束密度Bの磁界中を長さLの導線が速度
vで移動したとき、導線に発生する電圧eは、e=B・
L・vで与えられる。逆に、長さLの導線に対して、磁
束密度Bの磁界が速度vで移動したときにも上記式は成
り立つ。
【0078】したがって、図11に示すように、磁石1
00(磁束密度Bg )が、回転中心Cを回転中心として
角速度ωで引き出し線素102上を回転したとき、図中
の回転中心Cに近い方の長さL1 の部分102inで発生
する電圧ein及び、回転中心Cから遠い方の長さL2
部分102out で発生する電圧eout は、回転中心Cか
ら部分102inの半径方向内端までの半径方向距離をr
in、回転中心Cから部分102inと部分102out との
境界まで半径方向距離をrp 、回転中心Cから部分10
out の半径方向外端までの半径方向距離をrout 、部
分102inの半径方向平均位置(中央位置)における磁
石100の通過する周方向速度vin、部分102out
半径方向平均位置(中央位置)における磁石100の通
過する周方向速度vout とすると、e=B・L・vよ
り、 ein=Bg ・(rp −rin)・{(rin+rp )/2}
ω=(Bg ・ω/2)・(rp 2 −rin 2) eout =Bg ・(rout −rp )・{(rp +rout
/2}ω=(Bg ・ω/2)・(rout 2 −rp 2 ) で表すことができる。
【0079】ここで、ein=eout とすると、 (Bg ・ω/2)・(rp 2 −rin 2)=(Bg ・ω/
2)・(rout 2 −r p 2 ) rp 2 −rin 2=rout 2 −rp 2p ={(rin 2 +rout 2 )/2}1/2 となる。
【0080】即ち、rp ={(rin 2 +rout 2 )/
2}1/2 の関係を満足すれば、回転中心Cに近い方の長
さL1 の部分102inで発生する電圧einと、回転中心
Cから遠い方の長さL2 の部分102out で発生する電
圧eout とを同じ大きさにすることができる。
【0081】したがって、電圧einと電圧eout とを逆
位相の関係にすれば、第1の引き出し部と第2の引き出
し部とでそれぞれ不要な電流が発生するものの、それら
の電流を完全に相殺することが可能となる。
【0082】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施形態として、回
転体の一例としての回転多面鏡の回転数に応じた周波数
信号を発電する機能を有する光偏向器について説明す
る。
【0083】[画像記録装置の概略構成]まず、図6を
用いて、光偏向器80を含んで構成された画像記録装置
70の概略構成を説明する。
【0084】図6に示すように、画像記録装置70に
は、複数の反射鏡面48Aが側面に形成された回転多面
鏡48が設けられており、この回転多面鏡48は駆動機
構81の駆動力によって固定軸14の回りを矢印A方向
に等角速度で回転する。
【0085】また、画像記録装置70には、半導体レー
ザあるいはガスレーザ等のレーザ光出射装置85と、該
レーザ光出射装置85からのレーザ光を平行光束とする
コリメータレンズ86と、レーザ光が照射されることで
表面に像が形成される感光体ドラム88と、回転多面鏡
48の反射鏡面48Aで反射したレーザ光を感光体ドラ
ム88の表面に集光し且つ該レーザ光が感光体ドラム8
8の表面を等速度で走査するように作用する集光光学系
87と、感光体ドラム88の表面に形成された像を現像
して可視像とする図示しない現像装置とが、設けられて
いる。
【0086】形成される画像のデジタル画像データに基
づき図示しない変調手段によって変調されたレーザ光が
レーザ光出射装置85から射出され、コリメータレンズ
86で平行光とされた後、反射鏡面48Aに入射する。
反射鏡面48Aで反射したレーザ光は集光光学系87を
通して感光体ドラム88の表面に照射される。
【0087】このとき回転多面鏡48の矢印A方向への
回転に伴って、レーザ光が偏向される方向が矢印B方向
に沿って変化するので、該レーザ光は感光体ドラム88
の表面を走査することになる。これと同時に、感光体ド
ラム88は矢印C方向に回転するので、レーザ光による
感光体ドラム88に対する上記走査方向に垂直な方向に
沿った副走査も行われることになる。これにより、感光
体ドラム88の表面が2次元的に走査され、該感光体ド
ラム88上に上記デジタル画像データに基づく像が形成
される。この像は図示しない現像装置により現像され、
可視像となる。
【0088】[光偏向器80の構造]次に、図5を用い
て光偏向器80の構造を説明する。図5に示すように、
光偏向器80では、ステータ10側のハウジング12の
中央部に圧入等でセラミックス製の固定軸14が固定さ
れており、この固定軸14の外周面には動圧軸受を構成
するための深さ数μmのヘリングボーン溝24が多数形
成されている。
【0089】ハウジング12の上面には、回路基板18
が配置されている。この回路基板18には、図7に示す
ように、6個のコアレスコイル20が全体として円環を
描くように等間隔で配置されており、これらコアレスコ
イル20の励磁切り替え制御を行う図示しない制御回路
も設けられている。また、回路基板18には、ロータ1
6(図5参照)の位置を検出する位置検出素子としての
ホール素子21が各コアレスコイル20の中心に固定さ
れている。これらホール素子21により後述する駆動マ
グネット22の複数の磁極が検出され、該検出結果に基
づいてロータ16の回転中の位置が検出される。また、
図5に示すように、回路基板18のコアレスコイル20
と反対側(コアレスコイル20の下側)には、珪素鋼板
から成るステータヨーク28が、ハウジング12上に穿
設した浅溝30に設置されている。
【0090】また、ハウジング12の上面には、ハウジ
ング12と一体的に形成されたスラストマグネットホル
ダ32が立設されており、このスラストマグネットホル
ダ32の上部には、垂直断面が矩形でリング状に形成さ
れたステータ側スラストマグネット38が、接着等の方
法によって取り付けられている。
【0091】一方、ロータ16側には、セラミックス製
で中空円筒状に形成された回転軸40が、3〜8μm程
度の隙間をおいて固定軸14に挿通されている。このた
め、回転軸40が固定軸14の回りを高速回転する場
合、固定軸14と回転軸40との間に動圧が発生し、こ
の動圧により固定軸14の半径方向に沿って対向した動
圧軸受が構成される。
【0092】回転軸40の外周部の所定位置には、アル
ミニウム製のリング状のフランジ42が焼き嵌めや圧入
等の方法により固定されている。このフランジ42の上
面には、取り付け面46が形成されており、この取り付
け面46上にアルミニウム製の回転多面鏡48が固定用
のバネ50によって固定されている。この回転多面鏡4
8は多角形柱状に形成されており、各側面48Aは鏡面
に加工されている。なお、取り付け面46は回転軸40
の軸芯に対して垂直となるよう高精度に加工されてい
る。
【0093】フランジ42におけるコアレスコイル20
に対応する部位には切欠き部42Aが形成されており、
この切欠き部42Aには回転駆動用の駆動マグネット2
2が接着等によって取り付けられている。駆動マグネッ
ト22は全体がリング状に成形されており(図7参
照)、その中央の穴部におけるステータ10側には、内
径を一段広げた開口とした開口段部52が形成されてい
る。また、駆動マグネット22では、中心角45度ずつ
に8等分した各区分に、隣接する区分が異極となるよう
N極とS極とが着磁されている(図7参照)。
【0094】フランジ42の切欠き部56には、回転数
に応じた周波数信号を発電するための周波数発電マグネ
ット(以下、FGマグネットと記す)60が接着によっ
て取り付けられている。このFGマグネット60は全体
がリング状に成形されており、中心角30度ずつに12
等分した各区分に、隣接する区分が異極となるようN極
とS極とが着磁されている。
【0095】回路基板18におけるFGマグネット60
に対向する位置には、櫛歯状の周波数発電パターン(以
下、FGパターンと称する)61(図1も参照)がエッ
チング等によって形成されており、このFGパターン6
1に発生する交流電流に基づいて、ロータ16の回転数
が検出される。
【0096】フランジ42の上面には、垂直断面が矩形
で環状に切欠いて形成された溝部54が設けられてお
り、この溝部54にはバランス調整用の釣合い重り57
Aが取り付けられている。また、フランジ42とFGマ
グネット60とで形成される段部59には、バランス調
整用の釣合い重り57Bが取り付けられている。これら
の釣合い重り57A、57Bは、ロータ16の回転中の
バランスを調整する。
【0097】フランジ42の外周面には、リング状に形
成されたロータ側スラストマグネット58が接着によっ
て取り付けられている。このロータ側スラストマグネッ
ト58は、ステータ側スラストマグネット38に対向す
るよう所定間隔を置いて配置されており、ロータ側スラ
ストマグネット58の外周面部とステータ側スラストマ
グネット38の内周面部とで吸引力が働くよう相互に異
極に着磁されている。このため、これらロータ側スラス
トマグネット58とステータ側スラストマグネット38
とでスラスト磁気軸受が構成される。このスラスト磁気
軸受では、ロータ側スラストマグネット58とステータ
側スラストマグネット38とで働く吸引力がロータ16
の回転軸40におけるスラスト方向(軸方向)の荷重よ
りも大きく設定されており、このため、上記吸引力によ
りロータ16全体が浮上する。
【0098】上記のようにロータ16は、スラスト磁気
軸受によりスラスト方向に支持されると共に、動圧軸受
によりラジアル方向に支持されている。これにより、回
路基板18上の駆動制御回路が各コアレスコイル20に
交流電圧を印加するよう制御することで、各コアレスコ
イル20に電流が流れ、各コアレスコイル20に対向す
る駆動マグネット22の磁界と上記電流とで電磁誘導作
用が働き、駆動マグネット22に対し回転駆動力が発生
する。この回転駆動力によって、ロータ16が宙に浮い
た状態で高速回転することとなる。
【0099】[FGパターン61の構成]次に、図1を
用いてFGパターン61周辺の構成を説明する。図1に
示すように、FGパターン61には2本の引き出し線6
2、63が接続されており、これら引き出し線62、6
3により周波数信号が駆動マグネット22よりも径方向
外側に引き出される。
【0100】このうち引き出し線62は、FGパターン
61から駆動マグネット22の磁界の影響を受ける径方
向中間位置(本例では駆動マグネット22の径方向中間
位置)まで引き出す線素62Aと、駆動マグネット22
の磁界の影響を受けない円周方向に沿って駆動マグネッ
ト22の1極分(機械角で45度)だけ引き出す線素6
2Cと、線素62Cの端部から外周側へ引き出す線素6
2Bとにより、構成されている。
【0101】ここで、図1に示すように、駆動マグネッ
ト22の回転中心Cから線素62Aの駆動マグネット2
2の内周端と対向している点までの半径方向距離を
in、回転中心Cから線素62Bの駆動マグネット22
の外周端と対向している点までの半径方向距離を
out 、回転中心Cから線素62Aと線素62Bとの回
転方向の位相の切替え位置、即ち、線素62Cまでの半
径方向距離をrp としたときに、rp ={(rin 2 +r
out 2 )/2}1/2 の関係が成り立っている。
【0102】上記と同様に、引き出し線63は、FGパ
ターン61から駆動マグネット22の磁界の影響を受け
る径方向中間位置まで引き出す線素63Aと、駆動マグ
ネット22の磁界の影響を受けない円周方向に沿って駆
動マグネット22の1極分(機械角で45度)だけ上記
線素62Cと逆方向に引き出す線素63Cと、線素63
Cの端部から外周側へ引き出す線素63Bとにより、構
成されている。
【0103】また、上記と同様に、駆動マグネット22
の回転中心Cから線素63Aの駆動マグネット22の内
周端と対向している点までの半径方向距離をrin、回転
中心Cから線素63Bの駆動マグネット22のが外周端
と対向している点までの半径方向距離をrout 、回転中
心Cから線素63Aと線素63Bとの回転方向の位相の
切替え位置、即ち、線素63Cまでの半径方向距離をr
p としたときに、rp={(rin 2 +rout 2 )/2}
1/2 の関係が成り立っている。
【0104】ここで、rin=20mm、rout =40mmで
あるとすると、rp =31.622・・・mm(即ち、駆
動マグネット22の内周端と外周端との間においては、
線素62Aの長さ>線素62Bの長さ、線素63Aの長
さ>線素63Bの長さ)となる。
【0105】なお、線素62A、63Aは間隔Lをおい
て配置されている。
【0106】[本実施形態の作用]回路基板18上の駆
動制御回路の制御により各コアレスコイル20に交流電
圧が印加されると、各コアレスコイル20に電流が流
れ、各コアレスコイル20に対向する駆動マグネット2
2の磁界と上記電流とで電磁誘導作用が働き、駆動マグ
ネット22に対し回転駆動力が発生する。この回転駆動
力によって、ロータ16が所定方向に高速回転する。
【0107】ロータ16の回転に伴い駆動マグネット2
2も回転し、回転する駆動マグネット22の磁界によっ
て線素62Aには、電圧einが発生し、図3に示す電流
I1が発生する。
【0108】線素62Bは、線素62Aに対し円周方向
に沿って駆動マグネット22の1極分だけずれて配置さ
れ且つ駆動マグネット22の径方向中心部で線素62A
と接続され、rp ={(rin 2 +rout 2 )/2}1/2
を満足しているので、駆動マグネット22の磁界によっ
て線素62Bには図3の電流I1に対し180度の位相
差を有し振幅が等しい電圧eout による電流I2が発生
する。
【0109】即ち、引き出し線素62A、62Bの各々
で駆動マグネット22の磁界の影響によって発生する不
要な電流は相殺され、不要な電流の合成波形は、図3の
横軸(時間軸)に重なった波形I5となる。
【0110】同様に、回転する駆動マグネット22の磁
界によって線素63Aには、電圧e inが発生し、図3に
示す電流I3が発生する。
【0111】線素63Bは、線素63Aに対し円周方向
に沿って駆動マグネット22の1極分だけずれて配置さ
れ且つ駆動マグネット22の径方向中心部で線素63A
と接続され、rp ={(rin 2 +rout 2 )/2}1/2
を満足しているので、駆動マグネット22の磁界によっ
て線素63Bには図3の電流I3に対し180度の位相
差を有し振幅が等しい電圧eout による電流I4が発生
する。
【0112】即ち、引き出し線素63A、63Bの各々
で駆動マグネット22の磁界の影響によって発生する不
要な電流は相殺され、不要な電流の合成波形は、図3の
横軸(時間軸)に重なった波形I5となる。
【0113】このようにFGパターン61の引き出し線
62、63の各々に発生する不要な電流は相殺されるの
で、図4に示すように不要信号を含まない周波数信号を
得ることができる。
【0114】なお、線素62Bは線素62Aに対し円周
方向に沿って駆動マグネット22の3極分(135度)
だけずらして配置しても良く、この場合も、線素62B
に発生する不要な電流と線素62Aに発生する不要な電
流とを相殺させることができる。もちろん、線素63
A、63Bについても同様に、円周方向に沿って駆動マ
グネット22の3極分(135度)だけずらして配置し
ても良い。
【0115】また、線素62A、62B間のずらし角度
と線素63A、63B間のずらし角度とが異なるよう配
置しても良い。即ち、線素62A、62B間を円周方向
に沿って駆動マグネット22の3極分(135度)だけ
ずらし、線素63A、63B間を円周方向に沿って駆動
マグネット22の1極分(45度)だけずらしても良
い。
【0116】[FGパターン61周辺の別の構成例]次
に、図2を用いてFGパターン61周辺の別の構成例を
説明する。図2に示すように、FGパターン61には2
本の引き出し線64、65が接続されており、これら引
き出し線64、65により周波数信号が駆動マグネット
22よりも径方向外側に引き出される。
【0117】引き出し線64は、FGパターン61から
駆動マグネット22の磁界の影響を受ける径方向中間位
置(本例では駆動マグネット22の径方向中間位置)ま
で引き出す線素64Aと、駆動マグネット22の磁界の
影響を受けない円周方向に沿って駆動マグネット22の
1極分(機械角で45度)だけ引き出す線素64Cと、
線素64Cの端部から外周側へ引き出す線素64Bとに
より、構成されている。
【0118】引き出し線65も、上記引き出し線64と
同様に、FGパターン61から駆動マグネット22の磁
界の影響を受ける径方向中間位置まで引き出す線素65
Aと、駆動マグネット22の磁界の影響を受けない円周
方向に沿って駆動マグネット22の1極分(機械角で4
5度)だけ上記線素64Cと同じ方向に引き出す線素6
5Cと、線素65Cの端部から外周側へ引き出す線素6
5Bとにより、構成されている。なお、線素64A、6
5Aの間隔及び線素64B、65Bの間隔は、ともに間
隔Lに設定されている。
【0119】また、この実施形態においても、前述した
実施形態と同様に、rp ={(rin 2 +rout 2 )/
2}1/2 を満足するように線素64C及び線素65Cの
各々の位置が決められている。
【0120】引き出し線64、65が上記のように構成
されているので、回転する駆動マグネット22の磁界に
よって線素64Aには図3の電流I1が発生し、線素6
4Bには電流I1に対し180度の位相差を有し振幅が
等しい電流I2が発生する。即ち、引き出し線素64
A、64Bの各々で駆動マグネット22の磁界の影響に
よって発生する不要な電流は相殺され、不要な電流の合
成波形は、図3の横軸(時間軸)に重なった波形I5と
なる。
【0121】同様に、回転する駆動マグネット22の磁
界によって線素65Aには図3の電流I3が発生し、線
素65Bには電流I3に対し180度の位相差を有し振
幅が等しい電流I4が発生する。即ち、引き出し線素6
5A、65Bの各々で駆動マグネット22の磁界の影響
によって発生する不要な電流は相殺され、不要な電流の
合成波形は、図3の横軸(時間軸)に重なった波形I5
となる。
【0122】このようにFGパターン61の引き出し線
64、65の各々に発生する不要な電流は相殺されるの
で、図4に示すように不要信号を含まない周波数信号を
得ることができる。
【0123】なお、上記実施形態では、周波数発電機の
一例として、光偏向器に設けられた周波数信号の発電に
係る機構について説明したが、上記のような光偏向器に
限らず、回転体の回転数に応じた周波数信号を発電する
さまざまな周波数信号に対して本発明は適用可能であ
り、上記実施形態と同様に不要信号を含まない周波数信
号を得ることができる。
【0124】また、上記実施形態の光偏向器では、ロー
タ16側に駆動マグネット22とFGマグネット60と
を設け、ステータ10側にコアレスコイル20とFGパ
ターン61とを設けた例を説明したが、これらの配置に
ついては、駆動マグネット22とコアレスコイル20と
が対向し且つFGマグネット60とFGパターン61と
が対向していれば良く、ステータ10側に駆動マグネッ
ト22とFGマグネット60とを設けロータ16側にコ
アレスコイル20とFGパターン61とを設けた光偏向
器についても、本発明は適用可能であり、上記同様の効
果を得ることができる。
【0125】また、上記実施形態では、1本の引き出し
線における内周側と外周側での2つの線素(例えば、線
素62A、62B)のずらし角度を、円周方向に沿って
駆動マグネット22の奇数極分(45度又は135度)
に設定し且つ上記2つの線素を駆動マグネット22の径
方向略中間位置にて接続した構成例を示したが、所望の
精度の周波数信号が得られる範囲内で、内周側の線素と
外周側の線素とのずらし角度及び2つの線素の接続位置
を調整しても良い。
【0126】また、引き出し線は図1および図2に示す
ように略直線的な形状とする(即ち、複数の線分で構成
する)ことに限定されるものではなく、回路基板上に設
置されるコイルやホール素子等の配置に応じて、所望の
精度の周波数信号が得られる範囲内で変形しても良い。
【0127】また、上記実施形態では、固定軸14の外
側で動圧空気軸受により軸支された円筒型の回転軸40
が回転する構造のスリーブ回転型の光偏向器80に本発
明を適用した例を説明したが、円筒型の固定軸の内側で
軸が回転する構造のシャフト回転型の光偏向器にも本発
明は適用可能である。
【0128】また、上記実施形態では、回転駆動用の磁
界を形成する駆動マグネット22と周波数発電用の磁界
を形成するFGマグネット60とを別体で構成した例を
示したが、これらは一体で構成しても良い。
【0129】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の周波数発
電機及び光偏向器によれば、周波数信号を取り出すため
の引き出し線を構成する第1の引き出し部と第2の引き
出し部とでそれぞれ発生する不要な電流は相殺すること
となるので、周波数発電パターンに発生する交流電流に
不要な電流が重畳してしまうことを防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態のFGパターンの引き出し線の構
成例を示す上面図である。
【図2】 FGパターンの引き出し線の別の構成例を示
す上面図である。
【図3】 駆動マグネットの磁界の影響によって図1、
図2の引き出し線に発生する不要な電流波形を示すグラ
フである。
【図4】 光偏向器で発電されるFG出力信号の波形を
示すグラフである。
【図5】 光偏向器の構造を説明するための縦断面図で
ある。
【図6】 光偏向器を含んで構成された画像記録装置の
概略構成図である。
【図7】 図5の光偏向器のFGパターン周辺を示す上
面図である。
【図8】 従来の光偏向器のFGパターン周辺を示す上
面図である。
【図9】 駆動マグネットの磁界の影響によって図8の
引き出し線に発生する不要な電流波形を示すグラフであ
る。
【図10】 図8の光偏向器で発電されるFG出力信号
の波形を示すグラフである。
【図11】 駆動磁石と線素との位置関係を説明する説
明図である。
【符号の説明】
12 ハウジング(基台) 14 固定軸 20 コアレスコイル(コイル) 22 駆動マグネット 48 回転多面鏡 60 FGマグネット 61 周波数発電パターン 62、63、64、65 引き出し線 62A、63A、64A、65A 線素 62B、63B、64B、65B 線素

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定された基台に立設された円柱状又は
    円筒状の固定軸と、 前記固定軸の外側又は内側で回転可能に設けられた回転
    軸と、 前記回転軸の外周面に固着された回転体と、 前記固定軸の軸心を中心とする同心円に沿ってN極とS
    極とが交互に配置され且つ前記回転体又は前記基台に固
    着され、回転駆動用の磁界を形成する回転駆動用磁界形
    成部と、該回転駆動用磁界形成部よりも内周側に設けら
    れ周波数発電用の磁界を形成する周波数発電用磁界形成
    部と、を含んで構成された磁石と、 前記基台又は前記回転体における前記回転駆動用磁界形
    成部に対向する位置に設けられた回転駆動用のコイル
    と、 前記基台又は前記回転体における前記周波数発電用磁界
    形成部に対向する位置に設けられた周波数発電パターン
    と、 前記周波数発電パターンから周波数信号を前記コイルよ
    りも外周側へ取り出すための2本の引き出し線と、 を有する周波数発電機であって、 前記2本の引き出し線の各々は、前記回転駆動用磁界形
    成部の異なる磁極に対向するよう配置された第1の引き
    出し部と第2の引き出し部とを含んで構成され、 前記回転駆動用磁界形成部の磁界によって前記第1の引
    き出し部に発生する電流と前記第2の引き出し部に発生
    する電流とが相殺するように、該第1の引き出し部及び
    第2の引き出し部が配置されている、 ことを特徴とする周波数発電機。
  2. 【請求項2】 固定された基台に立設された円柱状又は
    円筒状の固定軸と、 前記固定軸の外側又は内側で回転可能に設けられた回転
    軸と、 前記回転軸の外周面に固着された回転体と、 前記固定軸の軸心を中心とする同心円に沿ってN極とS
    極とが交互に配置され且つ前記回転体又は前記基台に固
    着され、回転駆動用の磁界を形成する回転駆動用磁界形
    成部と、該回転駆動用磁界形成部よりも内周側に設けら
    れ周波数発電用の磁界を形成する周波数発電用磁界形成
    部と、を含んで構成された磁石と、 前記基台又は前記回転体における前記回転駆動用磁界形
    成部に対向する位置に設けられた回転駆動用のコイル
    と、 前記基台又は前記回転体における前記周波数発電用磁界
    形成部に対向する位置に設けられた周波数発電パターン
    と、 前記周波数発電パターンから周波数信号を前記コイルよ
    りも外周側へ取り出すための2本の引き出し線と、 を有する周波数発電機であって、 前記2本の引き出し線の各々は、前記回転駆動用磁界形
    成部の異なる磁極に対向するよう配置された第1の引き
    出し部と第2の引き出し部とを含んで構成され、 前記第1の引き出し部及び前記第2の引出し部は、何れ
    か一方が何れか他方の半径方向外側に配置されており、 前記第1の引き出し部及び前記第2の引出し部のうちの
    半径方向内側に配置されている方の半径方向長さが
    1 、半径方向外側に配置されている方の半径方向長さ
    がL2 であるときに、 前記第1の引き出し部と前記第2の引き出し部との前記
    回転体の回転方向に沿った位相差が前記回転駆動用磁界
    形成部の磁極に対して電気角で180°×m(m=1、
    3、5・・・)であり、 L1 >L2 である、 ことを特徴とする周波数発電機。
  3. 【請求項3】 前記第1の引き出し部と前記第2の引出
    し部との位相の切替え位置は、前記回転駆動用磁界形成
    部との相対的な回転移動によって前記第1の引き出し部
    に発生する逆起電圧をe1 、前記回転駆動用磁界形成部
    との相対的な回転移動によって前記第2の引き出し部に
    発生する逆起電圧をe2 としたときに、e1 =e2 とな
    る位置である、 ことを特徴とする請求項2に記載の周波数発電機。
  4. 【請求項4】 前記回転体の回転中心から前記第1の引
    き出し部及び前記第2の引出し部のうちの半径方向内側
    に配置されている方の前記磁石の内周端と対向する点ま
    での半径方向距離をrin、 前記回転体の回転中心から前記第1の引き出し部及び前
    記第2の引出し部のうちの半径方向外側に配置されてい
    る方の前記磁石の外周端と対向する点までの半径方向距
    離をrout 、 前記回転体の回転中心から前記第1の引き出し部と前記
    第2の引き出し部との位相切替わり位置までの半径方向
    距離をrp としたときに、 rp ={(rin 2 +rout 2 )/2}1/2 である、 ことを特徴とする請求項2に記載の周波数発電機。
  5. 【請求項5】 固定された基台に立設された円柱状又は
    円筒状の固定軸と、 前記固定軸の外側又は内側で回転可能に設けられた回転
    軸と、 光を反射する複数の反射面が外周に形成され、前記回転
    軸の外周面に固着された回転多面鏡と、 前記固定軸の軸心を中心とする同心円に沿ってN極とS
    極とが交互に配置され且つ前記回転多面鏡又は前記基台
    に固着され、回転駆動用の磁界を形成する回転駆動用磁
    界形成部と、該回転駆動用磁界形成部よりも内周側に設
    けられ周波数発電用の磁界を形成する周波数発電用磁界
    形成部と、を含んで構成された磁石と、 前記基台又は前記回転多面鏡における前記回転駆動用磁
    界形成部に対向する位置に設けられた回転駆動用のコイ
    ルと、 前記基台又は前記回転多面鏡における前記周波数発電用
    磁界形成部に対向する位置に設けられた周波数発電パタ
    ーンと、 前記周波数発電パターンから周波数信号を前記コイルよ
    りも外周側へ取り出すための2本の引き出し線と、 を有する光偏向器であって、 前記2本の引き出し線の各々は、前記回転駆動用磁界形
    成部の異なる磁極に対向するよう配置された第1の引き
    出し部と第2の引き出し部とを含んで構成され、 前記回転駆動用磁界形成部の磁界によって前記第1の引
    き出し部に発生する電流と前記第2の引き出し部に発生
    する電流とが相殺するように、該第1の引き出し部及び
    第2の引き出し部が配置されている、 ことを特徴とする光偏向器。
  6. 【請求項6】 固定された基台に立設された円柱状又は
    円筒状の固定軸と、 前記固定軸の外側又は内側で回転可能に設けられた回転
    軸と、 光を反射する複数の反射面が外周に形成され、前記回転
    軸の外周面に固着された回転多面鏡と、 前記固定軸の軸心を中心とする同心円に沿ってN極とS
    極とが交互に配置され且つ前記回転多面鏡又は前記基台
    に固着され、回転駆動用の磁界を形成する回転駆動用磁
    界形成部と、該回転駆動用磁界形成部よりも内周側に設
    けられ周波数発電用の磁界を形成する周波数発電用磁界
    形成部と、を含んで構成された磁石と、 前記基台又は前記回転多面鏡における前記回転駆動用磁
    界形成部に対向する位置に設けられた回転駆動用のコイ
    ルと、 前記基台又は前記回転多面鏡における前記周波数発電用
    磁界形成部に対向する位置に設けられた周波数発電パタ
    ーンと、 前記周波数発電パターンから周波数信号を前記コイルよ
    りも外周側へ取り出すための2本の引き出し線と、 を有する光偏向器であって、 前記2本の引き出し線の各々は、前記回転駆動用磁界形
    成部の異なる磁極に対向するよう配置された第1の引き
    出し部と第2の引き出し部とを含んで構成され、 前記第1の引き出し部及び前記第2の引出し部は、何れ
    か一方が何れか他方の半径方向外側に配置されており、 前記第1の引き出し部及び前記第2の引出し部のうちの
    半径方向内側に配置されている方の半径方向長さが
    1 、半径方向外側に配置されている方の半径方向長さ
    がL2 であるときに、 前記第1の引き出し部と前記第2の引き出し部との前記
    回転体の回転方向に沿った位相差が前記回転駆動用磁界
    形成部の磁極に対して電気角で180°×m(m=1、
    3、5・・・)であり、 L1 >L2 である、 ことを特徴とする光偏向器。
  7. 【請求項7】 前記第1の引き出し部と前記第2の引出
    し部との位相の切替え位置は、前記回転駆動用磁界形成
    部との相対的な回転移動によって前記第1の引き出し部
    に発生する逆起電圧をe1 、前記回転駆動用磁界形成部
    との相対的な回転移動によって前記第2の引き出し部に
    発生する逆起電圧をe2 としたときに、e1 =e2 とな
    る位置である、 ことを特徴とする請求項6に記載の光偏向器。
  8. 【請求項8】 前記回転体の回転中心から前記第1の引
    き出し部及び前記第2の引出し部のうちの半径方向内側
    に配置されている方の前記磁石の内周端と対向する点ま
    での半径方向距離をrin、 前記回転体の回転中心から前記第1の引き出し部及び前
    記第2の引出し部のうちの半径方向外側に配置されてい
    る方の前記磁石の外周端と対向する点までの半径方向距
    離をrout 、 前記回転体の回転中心から前記第1の引き出し部と前記
    第2の引き出し部との位相切替わり位置までの半径方向
    距離をrp としたときに、 rp ={(rin 2 +rout 2 )/2}1/2 である、 ことを特徴とする請求項6に記載の光偏向器。
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