JP2000180679A - テープスロット型光ファイバケーブル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 取り扱いが容易で信頼性の高いテープスロッ
ト型光ファイバケーブルを提供する。 【解決手段】 スロット３の溝２に内側ブロック１１を
装着し、内側ブロック１１の上に光ファイバテープ４を
装着し、光ファイバテープ４の上にリング１２を装着す
ることにより、光ファイバテープ４が両ブロック１１、
１３で挟み込まれるので、取り扱いが容易で信頼性の高
いテープスロット型光ファイバケーブルの提供を実現で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、テープスロット型
光ファイバケーブルに関する。

【０００２】

【従来の技術】図８は従来のテープスロット型光ファイ
バケーブルの断面図である。

【０００３】テープスロット型光ファイバケーブルは、
テンションメンバ１と、テンションメンバ１を覆うと共
に外周に長手方向に沿って４つの溝２が形成されたスロ
ット３と、各溝２内に積層された光ファイバテープ（心
線）４と、スロット３を光ファイバテープ４ごと覆うシ
ース５とで構成されたものである。

【０００４】ところでこの種のテープスロット型光ファ
イバケーブルは、溝２内で光ファイバテープ４が移動す
ることがあった。光ファイバテープ４が溝２内で移動す
ると、摩擦により光ファイバテープ４が断線するおそれ
がある。そこで以下のような対策が施されている。

【０００５】I ．光ファイバテープの一端を接着剤等の
充填材で固定する。

【０００６】II．スロットの溝内に介在物を入れ、その
上をテープ等で固定する。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た対策には以下のような問題がある。

【０００８】1) 充填材を使用すると、充填材を乾燥固
定させるのに時間がかかり、組立て、敷設等の作業性が
悪い。

【０００９】2) 充填材の使用や、介在物を入れテープ
で押さえて固定する場合は、光ファイバケーブルの配線
時における解体が困難である。

【００１０】3) 介在物を入れてテープ等で押さえて固
定する場合は、光ファイバテープの固定力にばらつきが
生じやすく信頼性が低下する。

【００１１】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、取り扱いが容易で信頼性の高いテープスロット型光
ファイバケーブルを提供することにある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のテープスロット型光ファイバケーブルは、ス
ロットの溝内に光ファイバテープを収納したテープスロ
ット型光ファイバケーブルにおいて、溝内に、光ファイ
バテープの移動を防止するための心線移動防止器具を装
着したものである。

【００１３】上記構成に加え本発明のテープスロット型
光ファイバケーブルの心線移動防止器具は、溝の底に装
着される内側ブロックと、光ファイバテープの外側に装
着される外側ブロックとに分割可能であり、外側ブロッ
クの内側と内側ブロックの外側との間で光ファイバテー
プを挟み込むのが好ましい。

【００１４】上記構成に加え本発明のテープスロット型
光ファイバケーブルの心線移動防止器具は、外側ブロッ
クの内側にはスロットの長手方向に湾曲した円弧状の凹
部が形成され、内側ブロックの外側には凹部にかん合可
能な円弧状の凸部が形成されているのが好ましい。

【００１５】上記構成に加え本発明のテープスロット型
光ファイバケーブルの心線移動防止器具は、外側ブロッ
クの凹部の曲率半径と、内側ブロックの凸部の曲率半径
とが、３０ｍｍ以上６２ｍｍ以下であるのが好ましい。

【００１６】上記構成に加え本発明のテープスロット型
光ファイバケーブルの心線移動防止器具は、内側ブロッ
クと外側ブロックとが光ファイバテープと接触する部分
にブチルゴムが用いられているのが好ましい。

【００１７】上記構成に加え本発明のテープスロット型
光ファイバケーブルの心線移動防止器具は、スロットの
溝内で心線移動防止器具自体が移動するのを防止するた
めの留め具が内側ブロックに設けられているのが好まし
い。

【００１８】上記構成に加え本発明のテープスロット型
光ファイバケーブルの心線移動防止器具は、スロットを
覆うリングの内側に外側ブロックが連結されており、ス
ロットにリングを装着することにより、溝内に収納され
た光ファイバテープが外側ブロックで留まってリングが
装着されるのが好ましい。

【００１９】本発明によれば、スロットの溝に内側ブロ
ックを装着し、内側ブロックの上に光ファイバテープを
装着し、光ファイバテープの上にリングを装着すること
により、テープファイバが両ブロックで挟み込まれるの
で、取り扱いが容易で信頼性の高いテープスロット型光
ファイバケーブルの提供を実現できる。

【００２０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて詳述する。

【００２１】本発明のテープスロット型光ファイバケー
ブルに用いられる心線移動防止器具とスロットとを示す
外観斜視図である。本発明のテープスロット型光ファイ
バケーブルの基本的な構造は図８に示した従来例と同様
のため説明を省略する。

【００２２】従来例との相違点は、スロット３の溝２内
に、光ファイバテープ４（図８参照）の移動を防止する
ための心線移動防止器具１０を装着した点にある。

【００２３】図１は本発明のテープスロット型光ファイ
バケーブルに用いられる心線移動防止器具とスロットの
外観斜視図であり、図２は図１の部分拡大図である。

【００２４】心線移動防止器具１０は、内側ブロック１
１と、スロット３を覆うリング１２の内側に連結された
外側ブロック１３とで構成されており、内側ブロック１
１と外側ブロック１３とに分割可能である。また、リン
グ１２は図ではＣ字断面形状を有しているが、通常はＯ
字断面形状を保持するようになっている。

【００２５】外側ブロック１３の内側にはスロット３の
長手方向に湾曲した円弧状の凹部１４が形成され、内側
ブロック１１の外側には凹部１４にかん合可能な円弧状
の凸部１５が形成されている。

【００２６】内側ブロック１１と外側ブロック１３とが
光ファイバテープ４と接触する部分にはブチルゴムが用
いられているので、光ファイバテープ４を傷めることが
ない。

【００２７】内側ブロック１１には、スロット３の溝２
内で心線移動防止器具１０自体が移動するのを防止する
ための留め具１６が設けられているのが好ましい。留め
具１６は、溝２内に収納可能でかつ光ファイバテープ４
が収納されるようなコの字断面形状を有しており、溝２
の長手方向に移動するのを防止するためスロット３の端
面に接触する切片１６ａを有している。

【００２８】心線移動防止器具１０は、このように構成
したことで、図３及び図４に示すように内側ブロック１
１の外側と、外側ブロック１３の内側との間で光ファイ
バテープ４を挟み込むようになっている。すなわち、ス
ロット３の溝２に内側ブロック１１を装着し、内側ブロ
ック１１の上に光ファイバテープ４を湾曲させて装着
し、光ファイバテープ４の上に外側ブロック１３ごとリ
ング１２を装着することにより、光ファイバテープ４が
両ブロック１１、１３で挟み込まれるので、取り扱いが
容易で信頼性の高いテープスロット型光ファイバケーブ
ルの提供を実現できる。

【００２９】尚、図３は図１に示した心線移動防止器具
で光ファイバテープを挟んだ状態を示す外観斜視図であ
り、図４は図３のＡ−Ａ線断面図である。

【００３０】

【実施例】以下、具体的な数値を挙げて説明するが限定
されるものではない。

【００３１】両ブロックの長さＬを４５ｍｍとし、凹部
１４及び凸部１５の曲率半径Ｒを４０ｍｍとし、ブチル
ゴムを用いて心線移動防止器具１０を作製したところ、
光ファイバテープ４の伝送損失はほとんど見られず、ま
た、光ファイバテープ４の引き抜き力は２．６ｋｇｆで
あり、実用上問題の無い結果となった。

【００３２】次に最適条件の根拠について説明する。

【００３３】図２は図１に示した心線移動防止器具の部
分拡大図である。

【００３４】光ファイバテープ４の移動を防止するため
には、移動力以上の摩擦力を確保することが必要であ
る。また、より多くの摩擦力を確保するためには心線移
動防止器具１０が光ファイバテープ４と接触する面積を
大きくする必要がある。そこで、図２に示すような光フ
ァイバテープ４の全ての面が心線移動防止器具１０と接
するような内側ブロック１１と、外側ブロック１３とで
挟んで留める構造とした。

【００３５】心線移動防止器具１０において、内側ブロ
ック１１及び外側ブロック１３の光ファイバテープ４と
の摩擦力を大きくするために摩擦係数が大きいものがよ
い。また光ファイバテープ４に外傷を生じさせないため
に表面に凹凸の少ない材質がよいことから、摩擦係数が
大きく、かつ表面が滑らかなブチルゴムを採用した。

【００３６】曲げによる損失が０．０１ｄＢ／ｍ以下に
なる光ファイバテープ４の曲げ半径は、図５より３０ｍ
ｍ以上であり、光ファイバテープ４の引き抜き力は１．
５ｋｇｆ以上必要であることが分かる。１．５ｋｇｆ以
上の摩擦力を確保できる限界の光ファイバテープ４の曲
率半径が図６より６２ｍｍであることから、内側ブロッ
ク１１の凸部１５の曲率半径Ｒと、外側ブロック１３の
凹部１４の曲率半径Ｒとは３０〜６２ｍｍの間とした。

【００３７】また、図６及び図７から両ブロック１１、
１３の長さＬはスロット３の長手方向に３８〜７８ｍｍ
の長さを有するのが好ましいことが分かった。尚、図５
は曲率半径と光ファイバの伝送損失との関係を示す図で
あり、横軸が曲率半径を示し、縦軸が伝送損失を示す。
図６は曲率半径と摩擦力との関係を示す図であり、横軸
が曲率半径を示し、縦軸が摩擦力を示す。図７は曲率半
径とブロックの長さとの関係を示す図であり、横軸がブ
ロックの長さを示し、縦軸が曲率半径を示している。

【００３８】

【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果を発揮する。

【００３９】取り扱いが容易で信頼性の高いテープスロ
ット型光ファイバケーブルの提供を実現することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のテープスロット型光ファイバケーブル
に用いられる心線移動防止器具とスロットの外観斜視図
である。

【図２】図１に示した心線移動防止器具の部分拡大図で
ある。

【図３】図１に示した心線移動防止器具で光ファイバテ
ープを挟んだ状態を示す外観斜視図である。

【図４】図３のＡ−Ａ線断面図である。

【図５】曲率半径と光ファイバの伝送損失との関係を示
す図である。

【図６】曲率半径と摩擦力との関係を示す図である。

【図７】曲率半径とブロックの長さとの関係を示す図で
ある。

【図８】従来のテープスロット型光ファイバケーブルの
断面図である。

【符号の説明】

２ 溝 ３ スロット １０ 心線移動防止器具 １１ 内側ブロック １２ リング １３ 外側ブロック １６ 留め具

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹山 茂治 茨城県日立市日高町５丁目１番１号 日立 電線株式会社日高工場内 Ｆターム(参考） 2H001 BB07 BB16 HH00

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 スロットの溝内に光ファイバテープを収
   納したテープスロット型光ファイバケーブルにおいて、
   上記溝内に、光ファイバテープの移動を防止するための
   心線移動防止器具を装着したことを特徴とするテープス
   ロット型光ファイバケーブル。
2. 【請求項２】 上記心線移動防止器具は、上記溝の底に
   装着される内側ブロックと、光ファイバテープの外側に
   装着される外側ブロックとに分割可能であり、外側ブロ
   ックの内側と内側ブロックの外側との間で光ファイバテ
   ープを挟み込む請求項１に記載のテープスロット型光フ
   ァイバケーブル。
3. 【請求項３】 上記心線移動防止器具は、外側ブロック
   の内側にはスロットの長手方向に湾曲した円弧状の凹部
   が形成され、内側ブロックの外側には凹部にかん合可能
   な円弧状の凸部が形成されている請求項１に記載のテー
   プスロット型光ファイバケーブル。
4. 【請求項４】 上記心線移動防止器具は、外側ブロック
   の凹部の曲率半径と、内側ブロックの凸部の曲率半径と
   が、３０ｍｍ以上６２ｍｍ以下である請求項１に記載の
   テープスロット型光ファイバケーブル。
5. 【請求項５】 上記心線移動防止器具は、内側ブロック
   と外側ブロックとが光ファイバテープと接触する部分に
   ブチルゴムが用いられている請求項１に記載のテープス
   ロット型光ファイバケーブル。
6. 【請求項６】 上記心線移動防止器具は、スロットの溝
   内で心線移動防止器具自体が移動するのを防止するため
   の留め具が内側ブロックに設けられている請求項１に記
   載のテープスロット型光ファイバケーブル。
7. 【請求項７】 上記心線移動防止器具は、スロットを覆
   うリングの内側に外側ブロックが連結されており、上記
   スロットにリングを装着することにより、上記溝内に収
   納された光ファイバテープが外側ブロックで留まってリ
   ングが装着される請求項１に記載のテープスロット型光
   ファイバケーブル。