JP2000179954A - 空調装置 - Google Patents

空調装置

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JP2000179954A
JP2000179954A JP10353382A JP35338298A JP2000179954A JP 2000179954 A JP2000179954 A JP 2000179954A JP 10353382 A JP10353382 A JP 10353382A JP 35338298 A JP35338298 A JP 35338298A JP 2000179954 A JP2000179954 A JP 2000179954A
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JP
Japan
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discharge
working fluid
pressure
cooling circuit
heating circuit
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JP10353382A
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English (en)
Inventor
Takanori Okabe
孝徳 岡部
Toshiro Fujii
俊郎 藤井
Takayuki Imai
崇行 今井
Yoshiyuki Nakane
芳之 中根
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 暖房回路と冷房回路とを備えた空調装置にお
いて、暖房回路起動時における作動流体の吐出圧の立ち
上がり時間を早くして容量復帰性を向上する工夫を講じ
るとともに、かかる工夫を講じても冷房回路作動時にお
ける吐出圧の脈動等の不具合を生じることのない技術を
提供する。 【解決手段】 圧縮機101と冷房回路と暖房回路とを
有し、圧縮機101は駆動室110と吸入部116と吐
出部120,121を有し、作動流体を吐出部120か
ら駆動室110へ放出して吐出容量が減少され、冷房回
路は、吐出部121から吸入部116へ至る経路上に配
置されたコンデンサと熱交換機を有し、暖房回路は、吐
出部121から熱交換機へと至るバイパス路と熱交換機
を有し、吐出部121からの作動流体の吐出は、暖房回
路作動時において作動流体の吐出圧が所定値以下の場合
に制限または遮断され、冷房回路作動時には制限または
遮断されないことを特徴とする空調装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は可変容量型圧縮機
によって圧縮された作動流体を利用して作動する冷房回
路と暖房回路を有する空調装置における暖房回路起動時
の容量復帰技術に関する。
【0002】
【従来の技術】暖房回路と、冷房回路と、両回路を作動
させるための圧縮機とを有する空調装置の一例が、特開
平5−223357号公報に開示されている。かかる空
調装置における暖房回路は、冷房回路を構成する部品の
一部を利用することによって暖房機能を奏させるもので
あり、一般にホットガスバイパスヒータと通称されてい
る。一方、例えば特開平10−47242号公報に開示
されるように、圧縮機の一種類として、吐出容量を適宜
変更することができる構成を有する可変容量型圧縮機が
知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の空調装置に
おける冷暖房回路の作動源に、上記可変容量型圧縮機を
組合わせる構成が考えられる。この場合、空調装置の運
転を停止する度に可変容量型圧縮機の内部の圧力を低く
して空調装置が再起動される場合の起動ショックを抑制
する工夫が考えられる。一方、このような工夫をした場
合、空調装置停止時における可変容量型圧縮機の吐出部
の圧力が低いため、空調装置を起動する際に、作動流体
の吐出圧が低圧状態から立ち上がって回路を十分に作動
させることができるまでに時間を要し、回路作動に必要
な容量の復帰性が悪いという問題点が予想される。特
に、空調装置の外周温度が低い場合、すなわち暖房回路
の起動時には、吐出圧が十分に立ち上がるまでに一層多
くの時間を要する。
【0004】暖房回路起動時における吐出圧の立ち上が
り時間を短くして容量復帰性を向上させるために、作動
流体の吐出圧と吸入圧との差圧によって開かれる弁を吐
出経路に設けておくという工夫が更に考えられる。暖房
回路起動時における低い吐出圧では上記差圧が大きくな
らず、当該弁は閉じていることになり、吐出部からの作
動流体の吐出が遮断されることになる。すると作動流体
は吐出部から回路に送られず吐出部に滞留するので、吐
出圧が短時間のうちに昇圧されることになる。短時間の
うちに吐出圧が昇圧されると可変容量型圧縮機の容量が
短時間のうちに復帰し、以降吐出圧は所定の基準値を維
持できるようになる。同時に、吐出圧が上昇すると上記
吐出圧と吸入圧の差圧が大きくなるので、当該差圧によ
って上記弁は開かれるととともにかかる開弁状態が維持
され、以後作動流体は円滑に回路に送られることにな
る。
【0005】上記のごとき弁を設けた場合、その開弁条
件は吐出圧と吸入圧との差圧に依存することになる。と
ころで、かかる工夫が施された空調装置において冷房回
路を作動する場合、吸入圧が所定の基準値よりも低くな
った場合、冷房回路の熱交換機に着霜が生じるおそれが
あるため、可変容量型圧縮機の吐出容量を減少して吸入
圧の低圧状態を回避することが考えられる。すなわち、
可変容量型圧縮機の吐出容量が減少した場合、吸入圧が
増加するとともに吐出圧が減少するという特性を利用し
て、吸入圧の異常低圧対策が講じられる。
【0006】しかしながら、冷房回路作動時において吐
出容量を減少させた場合、異常低圧対策は効果的に行わ
れるものの、同時に作動流体の吐出圧と吸入圧との差圧
が減少してしまうので、上記した容量復帰性向上のため
の弁が閉じてしまうことが予測される。この弁が閉じる
と、上述のごとく吐出部が遮断されて吐出圧が上昇し、
かかる吐出圧の上昇によって再び弁が開き、かくして弁
が開閉を繰り返して吐出圧の脈動を引き起こすことにな
って好ましくない。また、かかる吐出圧の脈動に伴って
可変容量型圧縮機の吐出容量も変動するという不具合が
生じてしまう。
【0007】そこで本発明では、暖房回路と冷房回路と
を備えた空調装置において、暖房回路起動時における作
動流体の吐出圧の立ち上がり時間を早くして容量復帰性
を向上する工夫を講じるとともに、かかる工夫を講じて
も冷房回路作動時における吐出圧の脈動等の不具合を生
じることのない技術を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ため、請求項1の発明では、圧縮機と、冷房回路と、暖
房回路とを有する空調装置において下記の要件を有す
る。前記圧縮機は、駆動室と、作動流体を吸入する吸入
部と、圧縮された作動流体を吐出する吐出部とを有する
とともに、圧縮された作動流体を前記吐出部から前記駆
動室へ放出することによって吐出容量が減少される。前
記冷房回路は、前記吐出部から前記吸入部へと至る経路
上に配置されたコンデンサと前記コンデンサよりも下流
側に配置された熱交換機とを有する。前記暖房回路は、
前記吐出部から前記熱交換機へと至るバイパス路と、前
記熱交換機とを有する。前記吐出部からの作動流体の吐
出は、前記暖房回路作動時において作動流体の吐出圧が
所定値以下の場合に制限または遮断され、前記冷房回路
作動時には制限または遮断されない。
【0009】請求項1の空調装置では、圧縮された作動
流体を吐出部から駆動室へ放出することによって吐出容
量を減少する可変容量型圧縮機を用いて、冷房回路と暖
房回路を択一的に作動する。本空調装置における暖房回
路はホットガスバイパスヒータと通称される。なお、バ
イパス路には膨張弁等の減圧手段を設けておくことが好
ましい。吐出部からの作動流体の吐出は、暖房回路作動
時において吐出圧が所定値以下の場合に制限または遮断
されることになる。吐出圧が所定値以下の場合とは、暖
房回路起動時において作動流体の吐出圧が十分に立ち上
がっていない状態に相当する。この場合、本空調装置で
は吐出部からの作動流体の吐出を制限または遮断する。
作動流体の吐出が制限される場合、圧縮された作動流体
は吐出部から暖房回路へと送られにくくなり、吐出部に
おける作動流体の圧力は昇圧されることになる。また作
動流体の吐出が遮断される場合、圧縮された作動流体は
吐出部から暖房回路へ全く送られず、吐出部における作
動流体の圧力は更に迅速に昇圧されることになる。これ
らの結果、作動流体の吐出圧が迅速に高められるので、
可変容量型圧縮機の容量が迅速に復帰することになる。
容量が復帰すると暖房能力を十分に発揮させるのに必要
な吐出圧が定常的に得られることになる。一方、作動流
体の吐出圧が所定値を超えた場合(吐出圧が十分昇圧さ
れた場合)には、もはや吐出部からの作動流体の吐出を
制限または遮断する必要がないため、作動流体は吐出部
から暖房回路へと送られることになる。
【0010】一方、冷房回路は本来高温下で使用される
ことが予定されており、暖房回路のごとく作動流体の吐
出圧の立ち上がりに時間がかかるという問題は生じな
い。従って冷房回路作動時には、吐出部から冷房回路へ
の作動流体の吐出は制限または遮断されない。このため
冷房回路作動時にあっては、低すぎる吸入圧を高くする
べく可変容量型圧縮機の吐出容量を減少させる制御を行
ったとしても、作動流体の吐出圧が脈動するといった不
具合は生じない。
【0011】請求項2の発明では、圧縮機と、冷房回路
と、暖房回路とを有する空調装置において、下記の要件
を有する。前記圧縮機は、駆動室と、作動流体を吸入す
る吸入部と、圧縮された作動流体を吐出する吐出部と、
前記吐出部からの作動流体の吐出経路上に設けられた弁
とを有するとともに、圧縮された作動流体を前記吐出部
から前記駆動室へ放出することによって吐出容量が減少
される。前記冷房回路は、前記吐出部から前記吸入部へ
と至る経路上に配置されたコンデンサと前記コンデンサ
よりも下流側に配置された熱交換機とを有する。前記暖
房回路は、前記吐出部から前記熱交換機へと至るバイパ
ス路と、前記熱交換機とを有する。前記吐出経路上に設
けられた弁は、前記冷房回路作動時に容量制御によって
調整される最低吸入圧力値以上の圧力で開く。
【0012】請求項2の空調装置では、請求項1の空調
装置と同様に、吐出部からの作動流体の吐出は、冷房回
路作動時においては遮断または制限されず、かつ、暖房
回路作動時において作動流体の吐出圧が十分に立ち上が
ってこない場合には遮断または制限されて、迅速な吐出
圧の昇圧を促すことになる。本空調装置では、かかる作
動流体の吐出の遮断または制限は、吐出部からの作動流
体の吐出経路上に設けられた弁の開閉を介して行われ
る。この弁は、冷房回路または暖房回路のいずれが作動
しているかを問わず、吐出圧が冷房回路作動時の基準吸
入圧以上の圧力になると開くように開弁条件が設定され
ている。当該弁は、冷房回路作動時においては常時開い
ていることになる。なぜなら、可変容量型圧縮機におけ
る作動流体の吐出圧は吸入圧を下回ることはないので、
作動流体の吐出圧は、冷房回路作動時には常に冷房回路
作動時の基準吸入圧よりも高く、従って上記開弁条件が
満たされることになるからである。従って冷房回路作動
時においては、吐出部からの作動流体の吐出は遮断また
は制限されなくなるため、吐出圧の脈動等といった不具
合が生じないことになる。一方、暖房回路作動時におい
て作動流体の吐出圧が上記基準吸入圧よりも低い場合、
すなわち暖房回路起動時における吐出圧が未だ十分に高
められておらず、冷房回路作動時の基準吸入圧を下回る
程に低い場合には、上記開弁条件が満たされないので、
吐出部からの作動流体の吐出は遮断または制限されるこ
とになる。そのため作動流体の吐出圧が短時間のうちに
昇圧されて容量復帰することになる。この昇圧により吐
出圧が上記基準吸入圧以上となった場合には、吐出部か
らの作動流体の吐出は制限または遮断されず、円滑に暖
房回路に送られる。
【0013】請求項3の発明では、圧縮機と、冷房回路
と、暖房回路とを有する空調装置において、下記の要件
を有する。前記圧縮機は、駆動室と、作動流体を吸入す
る吸入部と、圧縮された作動流体を吐出する吐出部とを
有するとともに、圧縮された作動流体を前記吐出部から
前記駆動室へ放出することによって吐出容量が減少され
る。前記冷房回路は、前記吐出部から前記吸入部へと至
る経路上に配置されたコンデンサと前記コンデンサより
も下流側に配置された熱交換機とを有する。前記暖房回
路は、前記吐出部から前記熱交換機へと至るバイパス路
と、前記熱交換機とを有する。前記吐出部における作動
流体の吐出は、外周温度が所定値以下であって作動流体
の吐出圧が所定値以下の場合に制限または遮断される。
【0014】請求項3の空調装置においても、吐出部か
らの作動流体の吐出は、冷房回路作動時においては遮断
または制限されず、かつ、暖房回路作動時において作動
流体の吐出圧が十分に立ち上がってこない場合には遮断
または制限されて、迅速な吐出圧の昇圧を促すことにな
る。本空調装置では、かかる作動流体の吐出の遮断また
は制限は、外周温度および作動流体の吐出圧をパラメー
タとして行われる。外周温度をパラメータとするのは、
冷房回路作動時と暖房回路作動時とを区別するためであ
る。つまり、外周温度が当該所定値以下ならば暖房回路
が作動され、外周温度が当該所定値を超えれば冷房回路
が作動されるものと区別する。従って外周温度における
所定値は、暖房回路が作動されることが予定されている
温度として設定しておくことが好ましい。また作動流体
の吐出圧をパラメータとするのは、吐出圧が十分に立ち
上がっていない状態か否かを区別するためである。
【0015】請求項4の発明では、前記吐出部における
作動流体の吐出の制限または遮断はバイメタルを介して
行われることを特徴とする請求項3に記載の空調装置と
いう構成とされる。
【0016】請求項4の空調装置では、請求項3の空調
装置にあって暖房回路が起動される際の作動流体の吐出
の制限または遮断はバイメタルを介して行われることに
なる。具体的には、バイメタルの温度変化に応じた形状
変化を利用して、吐出部からの吐出経路における作動流
体の吐出の制限または遮断を行う。
【0017】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の一形態である
空調装置につき、図面を参照しつつ説明していく。図1
に示すように、本空調装置100は、概括的に見て、冷
房回路151と、暖房回路152と、両回路の駆動源で
ある可変容量型圧縮機101とによって構成されてい
る。なお、本発明の構成要素の一つである容量復帰手段
は、図2に示されるものの、本空調装置100の概括的
構成を現した図1においては示されていない。容量復帰
手段の構造・作用については、後で詳しく説明する。こ
の空調装置100は、本実施の形態では車載用の空調装
置として構成されており、可変容量型圧縮機101の駆
動軸125は車のエンジン170に接続されて駆動され
る。
【0018】冷房回路151は、可変容量型圧縮機10
1で圧縮された高圧の作動流体を利用して作動し、可変
容量型圧縮機101の吐出部Dから吸入部Sへと至る経
路151a上に配置されたコンデンサ155と第1の膨
張弁157と熱交換機159とアキュムレータ161と
を有する。熱交換機159はエバポレータと通称され
る。
【0019】暖房回路152も、可変容量型圧縮機10
1で圧縮された高温高圧の作動流体を利用して作動し、
吐出部Dから吐出された作動流体を熱交換機159へ導
くバイパス路152a上に配置された第2の膨張弁16
3と、上記熱交換機159と、アキュムレータ161を
有する。すなわち暖房回路152は上記冷房回路151
の構成要素の一部を兼用する構造とされている。かかる
構造を有する暖房回路152はホットガスバイパスヒー
タと通称されている。
【0020】熱交換機159は温水ヒータ171と並置
されている。温水ヒータ171内には、パイプ173を
介してエンジン170からの冷却温水が循環している。
図1中、第1の開閉弁153aと第2の開閉弁153b
は、冷房回路151と暖房回路152のいずれか一方を
択一的に作動させるための切替用弁である。
【0021】冷房回路151作動時には、可変容量型圧
縮機101で圧縮されて高温・高圧となった作動流体が
コンデンサ155に送られ、そこで高温の作動流体が有
する熱を外部に捨て、作動流体は液化する。次に第1の
膨張弁157によって作動流体は減圧されて熱交換機1
59に送られ、そこで外部の熱を奪ってガス化する。ガ
ス化した作動流体はアキュムレータ161を経て再び可
変容量型圧縮機101に還流され再循環されることにな
る。暖房回路152作動時には、可変容量型圧縮機10
1で圧縮されて高温・高圧となった作動流体は、バイパ
ス路152a上に設けられた第2の膨張弁163によっ
て減圧されて熱交換機159に送られ、そこで外部に熱
を放出する。暖房回路152のサイクル中、作動流体は
常にガス状態で暖房回路152を循環する。
【0022】本実施の形態において、暖房回路152は
補助暖房装置として位置づけられている。すなわち、暖
房回路152作動時に熱交換機159で発せられる熱
は、既に述べた温水ヒータ171に対する補助暖房用熱
源として用いられるものであり、エンジン170の起動
時、特に外気温(外周温度)が−20℃等といった低温
下における起動のように、エンジン170の冷却温水で
は暖房用の熱が足りない場合に、これを補うために好適
に用いられる。
【0023】次に図2を参照しつつ、高圧の作動流体を
冷房回路151・暖房回路152に供給して両回路を作
動する可変容量型圧縮機101の構造について説明す
る。可変容量型圧縮機101の内部には駆動室110が
形成されており、その駆動室110内で斜板130が駆
動軸125に支持されている。斜板130は駆動軸12
5に支持されて、駆動軸125に対して傾斜した状態で
駆動軸125の回転に伴って回転する。また駆動軸12
5に対する斜板130の傾斜角は可変となっており、以
後、駆動軸125に直交する状態に近づくことを「斜板
130が立つ」といい、図示の状態で水平に近づくこと
を「斜板130が寝る」という。
【0024】斜板130は、その周縁部において、可動
シュー131を介してピストン135の頭部と連結され
ている。ピストン135は、駆動軸125のまわりに計
6本配置されており(図では一本しか現されていな
い)、6個のシリンダボア109内にて図示左右方向に
スライド可能に挿入されている。6個のシリンダボア1
09の円周方向の位置は可変容量型圧縮機101のハウ
ジング101aによって固定されている。図示のごとく
斜板130が傾斜して駆動軸125と共に回転すると、
円周方向については固定されたピストン135に対し
て、斜板130の周縁が滑っていく。斜板130の最も
ピストン側に傾いた周縁がピストン135に対応して位
置しているとき(図1はその状態を示す)、ピストン1
35はシリンダボア109内に最も深く挿入される。斜
板130の最も反ピストン側に傾いた周縁(図2の場合
図示下方に示されている周縁)がピストン135に対応
して位置しているとき(図2の状態から駆動軸125が
180度回転した場合に相当する)、ピストン135は
シリンダボア109内から最も大きく抜き出される。駆
動軸125が一回転することで各ピストン135は各シ
リンダボア109内で左右方向に一往復する。
【0025】各シリンダボア109の底部には吸入孔1
18aと吐出孔123aが設けられ、吸入孔118aに
対して吸入弁118が対応位置し、吐出孔123aに対
して吐出弁123が対応位置している。各吸入孔118
aは吸入室115に連通し、各吐出孔123aは吐出室
120に連通している。斜板130によってピストン1
35が図中左方向に移動する場合、作動流体は吸入口1
16から吸入室115・吸入孔118a・吸入弁118
を介してシリンダボア109内に導入される。次いで、
斜板130によってピストン135が図中右方向に移動
する際には、吸入された作動流体は圧縮されて高圧状態
とされ、吐出孔123a・吐出弁123・吐出室120
を介して吐出口121から吐出される。
【0026】この可変容量型圧縮機101の吐出容量
は、ピストン135のストローク量によって定められ
る。ピストン135のストローク量は斜板130の傾斜
角度によって定められる。斜板130が寝ているほどピ
ストン135のストローク量は大きく、可変容量型圧縮
機101の吐出容量は大きくなる。反対に、斜板130
が立つほどピストン135のストローク量は小さく、可
変容量型圧縮機101の吐出容量は小さくなる。
【0027】斜板130の傾斜角度は、ピストン135
の両側の圧力差、すなわち駆動室110内の圧力とシリ
ンダボア109内の圧力の差によって決定される。本実
施の形態においてこの差圧は、駆動室110内の圧力を
増減させることによって調整される。吐出容量を減少さ
せる場合には、吐出室120内の高圧の作動流体を駆動
室110へ放出して駆動室110内の圧力を高くする。
すると斜板130は立ち、ピストン135のストローク
量が減少して吐出容量が減少する。反対に容量を増加さ
せようとする場合には、吐出室120内の作動流体が駆
動室110へ放出されないようにする。すると、駆動室
110内の圧力が低くなり、斜板130は寝て行き、ピ
ストン135のストローク量が増大して吐出容量が増大
する。
【0028】本実施の形態では、作動流体放出路145
上に設けられた容量制御弁140を開けることによっ
て、高圧の作動流体を吐出室120から駆動室110へ
放出する。具体的には、暖房回路作動中において作動流
体の吐出圧Pdが所定の基準値を超えて高圧状態となっ
た場合、および冷房回路作動中において作動流体の吸入
圧Psが所定の基準値を下回るような低圧状態となった
場合に、ソレノイド143を介して弁体141が開き、
第1の放出路145aと第2の放出路145bとを連通
する。これにより高圧の作動流体が吐出部120から駆
動室110に放出され、駆動室110内の圧力が上昇
し、斜板130が立ち、ピストンストロークが減少し、
吐出容量が減少し、その結果、作動流体の吐出圧が減少
するとともに吸入圧が増加する。また、駆動室110に
放出された作動流体は抽気通路147を通って吸入室1
15に送られる。
【0029】図2に示すように、吐出口121には容量
復帰手段201が設けられている。容量復帰手段201
は、概略的に見て、弁体203と、パイロット室207
と、差圧室209とから構成されている。弁体203
は、図中上下方向に移動が可能であり、図2は弁体20
3がもっとも下方に移動した状態を示す。この状態にお
いて弁体203は吐出口121を遮断している。パイロ
ット室207は、パイロット通路205によって吐出室
120と連通されている。従ってパイロット室207内
の圧力は吐出圧Pdとされる。差圧室209は、通気路
211によって大気に通じており、従って差圧室209
内の圧力は大気圧とされる。また、差圧室209内部に
はスプリング213が設けられている。
【0030】弁体203は、パイロット室207内の圧
力Pdが大きくなって、差圧室209内の大気圧および
スプリング213の図中下方への付勢力の合力に対する
差圧が大きくなった場合に、図2中上方に移動して吐出
口121を開放する。一方、パイロット室207内の圧
力Pdが小さい場合には、図2に示されるように弁体2
03は図中下方に移動して吐出口121を遮断する。弁
体203の具体的な開弁条件はスプリング213の剛性
を適宜調節する等して設定できる。本空調装置では、冷
房回路作動時における作動流体の基準吸入圧以上の圧力
によって、弁体203が図中上方に移動して吐出口12
1を開放するように設定されている。つまり、冷房回路
または暖房回路のいずれが作動中かを問わず、弁体20
3は冷房回路作動時における作動流体の基準吸入圧以上
の圧力で開く。
【0031】暖房回路作動時においては、作動流体の吐
出圧Pdが上記基準吸入圧よりも小さい場合には弁体2
03は吐出口121を遮断し、吐出圧Pdが上記基準吸
入圧以上となった場合には弁体203は吐出口121を
開放する。また、冷房回路作動時においては、作動流体
の吐出圧Pdは常に基準吸入圧Psよりも大きいことか
ら、弁体203は常に吐出口121を開放している。
【0032】次に本空調装置の作用について説明する。
前提として空調装置100を停止する場合、空調装置1
00が再起動される際の起動ショックを抑制するべく可
変容量型圧縮機101を最小吐出容量状態とする必要性
があり、可変容量型圧縮機101内の圧力は低圧状態と
される。従って、空調装置100が停止している状態か
ら冷暖房回路151,152を起動させる場合、可変容
量型圧縮機101における作動流体の吐出圧Pdは低圧
状態から高圧状態へと立ち上がっていき、これに伴って
吐出容量も順次復帰していく。しかしながら、空調装置
101の外周温度が低い場合、すなわち暖房回路起動の
際には、作動流体の吐出圧が立ち上がるのに時間を要す
るという問題がある。
【0033】このため、図2に示すように、容量復帰手
段201の弁体203は、吐出口121を遮断し、吐出
室120内の作動流体が吐出口121から吐出されない
ようにする。なお、この場合容量制御弁140も閉じて
いる。すると、吐出室120内の高圧の作動流体は吐出
室内に滞留するので、吐出圧Pdは短時間のうちに昇圧
されることになる。ところでパイロット通路205によ
って吐出室120と連通されたパイロット室207内の
圧力は吐出圧Pdとされるが、吐出圧Pdが昇圧され、
差圧室209内に導入された大気圧とスプリング213
の付勢力の合力よりも大きくなった場合、弁体203は
図中上方に移動して吐出口121を開くことになる。な
お既に述べたように、弁体203が冷房回路作動時にお
ける基準吸入圧以上の圧力で開くように、スプリング2
13の剛性が調節されている。この結果、吐出室120
内に滞留していた作動流体は、吐出口121から吐出さ
れ、図1に示す暖房回路152に送られることになる。
この時、作動流体の吐出圧Pdは十分に昇圧されている
ので、可変容量型圧縮機101の容量は暖房回路152
を作動するのに十分な程度に復帰される。
【0034】暖房回路の定常作動中における作動流体の
吐出圧Pdは、差圧室209内の大気圧およびスプリン
グ213の付勢力の合力に打ち勝って弁体203を図中
上方に押し上げ続けるのに十分な程の大きさである。換
言すれば、暖房回路の定常作動中、吐出口121は遮断
されず、従って作動流体は吐出室120から吐出口12
1を通って吐出され、図1に示す暖房回路152に送ら
れることになる。
【0035】暖房回路の定常作動中において作動流体の
吐出圧Pdが所定の基準値を超えて高圧状態となった場
合、図2に示す容量制御弁140が開いて吐出容量が減
少し、その結果吐出圧Pdが減少することになる。これ
はあくまで吐出圧Pdが過度の高圧状態となることを抑
制するための制御であり、吐出圧Pdは、弁体203が
吐出口121を遮断してしまう程に減圧されるものでは
ない。従って暖房回路の起動時を除いて、暖房回路作動
中に吐出口121が遮断されることはない。
【0036】冷房回路作動時においては、外周温度が高
く吐出圧の立ち上がりが比較的早く、上述した容量復帰
手段は吐出口121を遮断しない。従って作動流体は吐
出室120から吐出口121を経て吐出されることにな
る。ところで冷房回路作動時には、図1に示す熱交換機
159における着霜を防止するために、作動流体の吸入
圧Psが過度に低圧になるのを防止するための手段が講
じられている。具体的には、冷房回路作動時において作
動流体の吸入圧Psが基準吸入圧値を下回った場合に
は、図2に示す容量制御弁140が開いて、高圧の作動
流体を吐出室120から駆動室110に放出する。基準
吸入圧値とは、定常的な冷房回路作動時における作動流
体の吸入圧の基準値である。高圧の作動流体が吐出室1
20から駆動室110へ放出される結果、駆動室110
内の圧力Pcが高くなり、斜板130の傾斜角の減少・
ピストンストロークの減少・吐出容量の減少・吐出圧P
dの減少および吸入圧Psの増加が生じる。
【0037】このように冷房回路作動中において、作動
流体の吸入圧Psの過度の低圧状態を防止するために吐
出容量制御を行った場合、結果的に吐出圧Pdが減少し
てしまうことになるが、既に述べたように、弁体203
は冷房回路作動時の基準吸入圧以上の圧力で開弁される
ように設定されており、弁体203は冷房回路作動中は
常時開かれている(吐出口121を開放する)ことにな
る。なぜなら、冷房回路作動中に生じ得る吸入圧の最小
値は基準吸入圧値であり、一方吐出圧Pdは常に吸入圧
Psよりも大きいので、冷房回路作動中の容量変更制御
によって吐出圧Pdが減少したとしても、弁体203の
開弁条件は常に満たされており、弁体203が吐出口1
21を遮断することはないからである。
【0038】本空調装置によれば、暖房回路作動時にお
いて作動流体の吐出圧Pdが低い場合、すなわち暖房回
路起動時においては、弁体203が吐出口121を遮断
することによって吐出圧Pdが迅速に立ち上げられるの
で、容量復帰性が向上されることになる。しかも、弁体
203は冷房回路作動時の基準吸入圧以上の圧力で開く
ように開弁条件が設定されているため、冷房回路作動中
は弁体203は常時開いていることになる。従って、冷
房回路作動中に吸入圧の過度の低圧状態を解消すべく吐
出容量を減少する制御を行ったとしても、弁体203が
吐出口121を遮断することはないので、吐出圧の脈動
や、吐出容量の変動といった不具合は生じない。
【0039】(第1の変更例)この変更例は、外周温度
をパラメータとして作動流体の吐出口を遮断する構成を
採用している。図3に示すように、本変更例では、吐出
口121上に容量復帰手段301が設けられている。容
量復帰手段301は、概略的に見て、弁体303とパイ
ロット室307と、差圧室319と、バイメタル315
とから構成されている。弁体303は、図3中上下方向
に移動が可能である。図3は弁体303が下方に移動し
た状態を示している。パイロット室307は、パイロッ
ト通路305によって吐出口121と連通されている。
従ってパイロット室307内の圧力は吐出圧Pdとされ
る。差圧室319は、差圧通路311によって吸入口1
16と連通されており、差圧室319内の圧力は吸入圧
Psとされる。また差圧室319内にはスプリング31
3が設けられている。パイロット室307は、更に誘導
路306および区画室317を経由して、吐出口121
の吐出側(図3では弁体303よりも右側の吐出口部
分)に通じている。誘導路306と区画室317との間
にはバイメタル315が設けられている。このバイメタ
ル315は、外周温度が所定値以下の場合には、誘導路
306から区画室317に至る経路を遮断し(バイメタ
ル315は図3の状態から変形して上下方向に伸長す
る)、外周温度が所定値を超えた場合には誘導路306
と区画室317とを連通状態とする。図3は連通した状
態を示している。本変更例では、バイメタル315が変
形するための所定温度を、冷房回路作動が予定される外
周温度および暖房回路作動が予定される外周温度とに係
らしめている。
【0040】弁体303は、パイロット室307内の圧
力Pdが大きくなって、差圧室319内の吸入圧Psお
よびスプリング313の図中下方への付勢力の合力との
差圧が大きくなった場合に、図3中上方に移動して吐出
口121を開放する。一方、パイロット室307内の圧
力Pdが小さい場合には、弁体303は図中下方に移動
して吐出口121を遮断する。弁体303の具体的な開
弁条件はスプリング313の剛性を適宜調節する等して
設定できる。
【0041】暖房回路作動時においては、外周温度が低
くバイメタル315は、図3の状態から上下真直に伸長
して、誘導路306から区画室317に至る経路を遮断
する状態とされる。従って暖房回路作動中に誘導路30
6・区画室317を介して作動流体が吐出されることは
ない。暖房回路が起動される場合には、吐出圧Pdが未
だ低いので、パイロット室307内の吐出圧Pdは差圧
室319内の吸入圧Psとスプリング313の図中下方
への付勢力との合力に打ち勝って弁体303を上方に押
し上げることができないので、吐出口121は弁体30
3によって遮断されている。従って作動流体は吐出口1
21から外方(暖房回路側)に吐出されず、迅速に昇圧
されることになる。吐出圧Pdが十分に昇圧されると、
パイロット室307内の吐出圧Pdが高められて弁体3
03が図3上方に押し上げられる。すると吐出口303
は開放され、作動流体は吐出口から吐出されることにな
る。
【0042】暖房回路作動中であって、吐出圧Pdが十
分に昇圧された後は、容量が復帰して定常的に吐出圧P
dが出力されるため、弁体303は図3上方に押し上げ
られ続け、吐出口121を開放する。この時、昇圧され
た吐出圧Pdが弁体303を上方に押し上げるのみなら
ず、バイメタル315を押し開ける構成としてもよい。
【0043】一方、冷房回路作動時においては、外周温
度が比較的高く、バイメタル315は図3に示す状態、
すなわち誘導路306と区画室317とを連通する状態
となっている。冷房回路作動中は、このバイメタル31
5は常時開いている。冷房回路作動中において、作動流
体の吸入圧Psが所定の基準値を下回って過度の低圧状
態となった場合には、上記実施の形態で説明したのと同
様に、吐出容量を減少して吸入圧Psを増加させる制御
が行われる。この時、吐出容量が減少するに従って作動
流体の吐出圧Pdが減少してしまい、パイロット室30
7内の吐出圧Pdが減少し、弁体303は、図3に示す
ように下方に移動して吐出口121を遮断するおそれが
ある。しかしながら、この場合にもバイメタル315が
開いており、誘導路306と区画室317とは連通され
ているため、作動流体はパイロット通路305・パイロ
ット室307・誘導路306・区画室317を経由して
吐出されることになる。またこのように吸入圧の過度の
低圧を防止する制御を行っている間は吐出容量自体が減
少するので、弁体303によって吐出口121が遮断さ
れていても、冷房回路を作動するのに必要な作動流体
は、上記誘導路306経由による作動流体によって十分
に確保されることになる。
【0044】(第2の変更例)この変更例は、上記第1の
変更例と同じく、吐出口を遮断するために外周温度をパ
ラメータとする構成を採用している。この変更例におけ
る容量復帰手段401では、図4に示すように、バイメ
タル415が補助部材403aを介して弁体403を直
接上下動させる構造とされている。図4は、弁体403
が上方に移動される途中の状態を示している。暖房回路
作動時においては、バイメタル415はその先端が図中
下方に移動するように変形し、これに伴って弁体403
も下方に移動し、吐出口121を遮断する。暖房回路を
起動させる際に、吐出圧Pdが未だ低い場合には、パイ
ロット通路405を介してパイロット室407に導入さ
れた吐出圧Pdは、差圧室409内の吸入圧Psとスプ
リング413との合力に打ち勝てず、弁体403は図中
下方に位置して吐出口121を遮断する。この結果、吐
出圧Pdは迅速に昇圧されることになる。さて吐出圧P
dが昇圧されると、パイロット室407内の吐出圧Pd
が高められて弁体403を図中上方に押し上げることに
なる。その結果、吐出口121が開放されて作動流体は
吐出されることになる。
【0045】冷房回路作動中は、外周温度が所定値を上
回っており、バイメタル415はその先端が図4上方に
移動するように変形して弁体403を上方に押し上げ
る。すると、図4に示されるように、弁体403と吐出
口121との間に間隙が形成されるため、作動流体は常
時吐出口121から外方(冷房回路)に送られることに
なる。冷房回路作動中に吸入圧Psの過度の低圧状態を
防止するべく容量制御を行った結果、吐出圧Pdが減少
して差圧室409内の吸入圧Psとスプリング413の
付勢力の合力が弁体403が図4中下方に移動させよう
としても、バイメタル403が弁体403の下方への移
動を阻止するため、吐出口121は遮断されてしまうこ
とがない。かくして冷房回路作動中において吸入圧の過
度の低圧防止のため容量制御を行っても、吐出口121
が遮断されることはない。
【0046】(第3の変更例)この変更例は、図5に示す
ように、吐出口121を遮断するための弁体503をソ
レノイド511を介して操作する変更例に関する。具体
的には、弁体503は連結部材505を介して作動部材
507と一体状に連結されている。作動部材507はソ
レノイド511の励磁・非励磁を通じて図5中上下方向
に移動する。すると弁体503も同様に上下方向に移動
して、吐出口121の開閉動作を行う。
【0047】弁体503の開閉制御は、制御手段513
が、作動流体の吐出圧Pd値を検出するPd値検出手段
515および本空調装置の外周温度を検出する外周温度
検出手段517からの各検出信号に基づいて行う。Pd
値が所定の値よりも小さい場合、すなわち吐出圧Pdが
十分に立ち上がっていない場合であって、なおかつ、外
周温度が所定の値よりも小さい場合、すなわち暖房回路
が作動されるような低温状況にある場合には、制御装置
513は制御信号を発してソレノイド511を操作し、
弁体503を上方に移動させて吐出口121を遮断す
る。これによって吐出圧Pdは短時間で昇圧されること
になる。一方、上記条件が満たされない場合、すなわち
暖房回路作動時であって吐出圧Pdが十分に立ち上がっ
ている状態、または冷房回路作動時には、弁体503を
図5中下方に移動させて、吐出口121を開放状態とす
る。これによって作動流体は吐出口121から外方(回
路側)に吐出されることになる。
【0048】本実施の形態およびその各変更例では、各
種弁体203,303,403,503はいずれも吐出
口121を遮断する構成であったが、例えば吐出口12
1の流路面積を減少させる構成とすることも可能であ
る。この場合には、吐出口の断面積が減少し、作動流体
の流量が制限されて吐出圧の迅速な立ち上がりが確保さ
れることになる。
【0049】なお、本実施の形態およびその各変更例で
は、可変容量型圧縮機のうち、片側斜板式のもの、すな
わち、図2中の斜板130の片側だけにピストン135
が配置されたタイプを用いて説明しているが、例えば斜
板の両側にピストンを連結して往復動させる両頭ピスト
ンタイプの可変容量型圧縮機をもって構成することも可
能である。
【0050】また本実施の形態およびその各変更例で
は、容量復帰手段は可変容量型圧縮機の内部(ハウジン
グ内)に設けられる構成であったが、これを可変容量型
圧縮機外に設ける構成としてもよい。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、暖房回路と冷房回路と
を備えた空調装置において、暖房回路起動時における作
動流体の吐出圧の立ち上がり時間を早くして容量復帰性
を向上する工夫を講じるとともに、かかる工夫を講じて
も冷房回路作動時における吐出圧の脈動等の不具合を生
じることのない技術が提供されることとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本空調装置の概括的構成を示す図である。
【図2】本実施の形態に係る可変容量型圧縮機および容
量復帰手段の構造を示す断面図である。
【図3】第1の変更例に係る容量復帰手段の構造を示す
断面図である。
【図4】第2の変更例に係る容量復帰手段の構造を示す
断面図である。
【図5】第3の変更例に係る容量復帰手段の構造を示す
断面図である。
【符号の説明】
101 コンプレッサ 110 駆動室 115 吸入室 120 吐出室 125 駆動軸 130 斜板 135 ピストン 140 容量制御弁 145 作動流体放出路 147 抽気通路 201 容量復帰弁 203 弁体 205 パイロット通路 207 パイロット室 209 差圧室 211 通気路
フロントページの続き (72)発明者 今井 崇行 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 中根 芳之 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 Fターム(参考) 3L092 AA04 AA14 BA05 BA27 DA01 DA03 EA03 EA05 EA16 FA23

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機と、冷房回路と、暖房回路とを有
    し、 前記圧縮機は、駆動室と、作動流体を吸入する吸入部
    と、圧縮された作動流体を吐出する吐出部とを有すると
    ともに、圧縮された作動流体を前記吐出部から前記駆動
    室へ放出することによって吐出容量が減少されるもので
    あり、 前記冷房回路は、前記吐出部から前記吸入部へと至る経
    路上に配置されたコンデンサと前記コンデンサよりも下
    流側に配置された熱交換機とを有し、 前記暖房回路は、前記吐出部から前記熱交換機へと至る
    バイパス路と、前記熱交換機とを有し、 前記吐出部からの作動流体の吐出は、前記暖房回路作動
    時において作動流体の吐出圧が所定値以下の場合に制限
    または遮断され、前記冷房回路作動時には制限または遮
    断されないことを特徴とする空調装置。
  2. 【請求項2】 圧縮機と、冷房回路と、暖房回路とを有
    し、 前記圧縮機は、駆動室と、作動流体を吸入する吸入部
    と、圧縮された作動流体を吐出する吐出部と、前記吐出
    部からの作動流体の吐出経路上に設けられた弁とを有す
    るとともに、圧縮された作動流体を前記吐出部から前記
    駆動室へ放出することによって吐出容量が減少されるも
    のであり、 前記冷房回路は、前記吐出部から前記吸入部へと至る経
    路上に配置されたコンデンサと前記コンデンサよりも下
    流側に配置された熱交換機とを有し、 前記暖房回路は、前記吐出部から前記熱交換機へと至る
    バイパス路と、前記熱交換機とを有し、 前記吐出経路上に設けられた弁は、前記冷房回路作動時
    に容量制御によって調整される最低吸入圧力値以上の圧
    力で開くことを特徴とする空調装置。
  3. 【請求項3】 圧縮機と、冷房回路と、暖房回路とを有
    し、 前記圧縮機は、駆動室と、作動流体を吸入する吸入部
    と、圧縮された作動流体を吐出する吐出部とを有すると
    ともに、圧縮された作動流体を前記吐出部から前記駆動
    室へ放出することによって吐出容量が減少されるもので
    あり、 前記冷房回路は、前記吐出部から前記吸入部へと至る経
    路上に配置されたコンデンサと前記コンデンサよりも下
    流側に配置された熱交換機とを有し、 前記暖房回路は、前記吐出部から前記熱交換機へと至る
    バイパス路と、前記熱交換機とを有し、 前記吐出部における作動流体の吐出は、外周温度が所定
    値以下であって作動流体の吐出圧が所定値以下の場合に
    制限または遮断されることを特徴とする空調装置。
  4. 【請求項4】 前記吐出部における作動流体の吐出の制
    限または遮断はバイメタルを介して行われることを特徴
    とする請求項3に記載の空調装置。
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