JP2000179820A - ごみ焼却炉の燃え切り点検出方法及び装置 - Google Patents

ごみ焼却炉の燃え切り点検出方法及び装置

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JP2000179820A
JP2000179820A JP10356384A JP35638498A JP2000179820A JP 2000179820 A JP2000179820 A JP 2000179820A JP 10356384 A JP10356384 A JP 10356384A JP 35638498 A JP35638498 A JP 35638498A JP 2000179820 A JP2000179820 A JP 2000179820A
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功 月本
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勝弘 石見
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外乱が発生して火炎部と灰部との境界が不鮮
明になっても、安定して燃え切り点を検出する。 【解決手段】 ストーカ式のごみ焼却炉10内における
燃焼部(火炎部)16と灰部18との境界を燃え切り点
として検出し、ごみの燃焼位置を制御するに際し、IT
Vカメラ20で炉内画像を撮影し、画像処理装置24に
より、炉内画像の明るさ分布の傾向を利用して、火炎部
16のみを抽出するための2値化しきい値を求め、この
2値化しきい値により火炎部16の領域を抽出して燃え
切り点を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ストーカ式ごみ焼
却炉における炉内の映像を画像処理して、火炎部と灰部
との境界である燃え切り点を検出する方法及び装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】図8に示すように、ストーカ式のごみ焼
却炉10では、投入ホッパ12から投入されたごみをス
トーカ14で搬送しながら焼却する。そこで、炉内の適
切な位置でごみを燃焼させるため、燃焼部(火炎部)1
6と灰部18との境界を検出し、ごみの燃焼位置を制御
している。この燃焼部(火炎部)と灰部との境界を「燃
え切り点」と呼んでいる。なお、燃え切り点の定量的な
定義はなされておらず、各メーカーの提案する検出方法
によって燃え切り点の判断基準はまちまちである。従来
から、図8、図9に示すように、炉内をITVカメラ2
0で撮影し、得られた映像を画像処理装置22でディジ
タル化(A/D変換)して階調データに変換し、画像処
理を実行することにより、燃え切り点を検出する方法が
用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ストーカ式ごみ焼却炉
では、ごみが投入された時や炉内で崩れた時に、舞い上
がったごみや灰によって火炎の光が反射し、火炎領域以
外の明るい領域が増大することがあり、燃え切り点検出
の外乱となる。すなわち、炉内でごみや灰が舞い上がっ
た状態では、火炎部と灰部との境界が不鮮明になり、図
10のように正確な燃え切り点の検出が難しくなる。従
来の燃え切り点検出方法としては、画面上下方向におけ
る階調データの変化点を検出する方法、階調データを2
値化し火炎部分を抽出して燃え切り点を検出する方法な
どがある。前者の方法は、外乱が発生し火炎領域以外の
明るい領域が増大すると、階調データの変化に特徴が現
れにくくなり、安定して燃え切り点を検出するのが難し
くなる。すなわち、図11に示すように、外乱が入った
右の状態では、階調データの変化がゆるやかになり、正
確な燃え切り点の検出が困難になる。
【0004】これに対して、後者の方法は、適切な2値
化しきい値(以下、適宜「しきい値」という)さえ求め
られれば、正確に火炎部分を抽出することができ、安定
して燃え切り点を検出できる。通常、2値化処理の対象
画像では、明るさの分布において、背景となる暗い部分
と、検出対象の明るい部分(反射光)にピークが現れ、
これらのピークの間の谷間にしきい値を設定して2値化
を行う。照明の変動する環境では、2つのピークの分離
度が最大になるしきい値を統計的に算出する判別分析法
がよく適用される。判別分析法は、2値化しきい値決定
の一般的な手法の1つで、対象物と背景との2つの分布
の分離度を最大とする値を選択するものである。判別分
析法では、分布に明瞭なピーク間の区別がなくても、や
や強引にではあるが2値化しきい値を決めることができ
る。例えば、図12に示すような分布においては、クラ
ス内分散、クラス間分散は下記のように求められる。 クラス内分散 v(c)=n1×v1+n2×v2 クラス間分散 v(b)=n1×n2×(m1−m22 そして、すべての濃度値fに対して、R(f)=v(b)
(f)/v(c)(f)を求め、R(f)が最大となるf
(d)をしきい値とする。
【0005】明るさの分布が、図13のように背景とな
る暗い部分と検出対象の明るい部分との2つのピークの
場合は、上記の手法で、R(f)が最大となるしきい値
を決定することができる。ところが、ストーカ式ごみ焼
却炉内の撮影画像では、光源(照明)となる火炎が存在
し、明るさの分布に3つのピークが現れ、この手法でし
きい値を決定することができない。すなわち、ごみ投入
やごみ崩れによりごみや灰が舞い上がると、炉内画像に
おいて、火炎部の明るい領域と灰部の暗い領域の他に、
舞い上がったごみや灰による反射光の影響で、図14に
示すように、明るさの分布に火炎部()、灰部()
に相当するピーク以外に3つ目のピーク()が現れ
る。一般的に、明るさの分布に3つ以上のピークがある
と、ピークが2つの場合に比べて、領域分離の方法が複
雑になり、図14の場合も、上記の手法ではしきい値を
決めることができない。したがって、図15に示すよう
に、斜線部が火炎部と判断されてしまい、結果として、
燃え切り点が誤検出されてしまう。なお、ごみ焼却炉に
おける燃え切り点の検出において、炉内の火炎と灰との
境界が不鮮明になるような外乱の影響を考慮した方法
は、検索したが見あたらなかった。
【0006】本発明は上記の諸点に鑑みなされたもの
で、本発明の目的は、ストーカ式ごみ焼却炉において、
ごみが投入された時や炉内で崩れた時に、舞い上がった
ごみや灰によって火炎の光が反射し、火炎領域以外の明
るい領域が増大して、火炎部と灰部との境界が不鮮明に
なる場合でも、ストーカ式ごみ焼却炉における炉内画像
特有の明るさ分布の傾向を利用することにより、このよ
うな外乱の影響を除去することができ、安定した燃え切
り点の検出が行える方法及び装置を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のごみ焼却炉の燃え切り点検出方法は、ス
トーカ式ごみ焼却炉内における火炎部(燃焼部)と灰部
との境界を燃え切り点として検出し、ごみの燃焼位置を
制御するに際し、ストーカ式ごみ焼却炉の炉内画像の明
るさ分布の傾向を利用して、火炎部のみを抽出するため
の2値化しきい値を求め、この2値化しきい値により火
炎部の領域を抽出して、燃え切り点を検出するように構
成されている(図1、図4、図5、図6、図7参照)。
また、本発明の方法は、ストーカ式ごみ焼却炉内におけ
る火炎部と灰部との境界を燃え切り点として検出し、ご
みの燃焼位置を制御するに際し、炉内画像の映像信号を
ディジタル化して濃度値の階調データに変換し、濃度値
の画素数から濃度値に対する画素数の変化率を求めて、
濃度値が大から小となる向きに検索を行い、画素数の変
化率が初めて負(−)から正(+)の値に変化する点又
は初めて負(−)から0になる点を2値化しきい値と
し、この2値化しきい値により火炎部の領域を抽出し
て、燃え切り点を検出することを特徴としている(図
1、図4、図7参照)。
【0008】また、本発明の方法は、ストーカ式ごみ焼
却炉内における火炎部と灰部との境界を燃え切り点とし
て検出し、ごみの燃焼位置を制御するに際し、炉内画像
の映像信号をディジタル化して濃度値の階調データに変
換し、炉内で舞い上がったごみや灰による反射光部分が
火炎部と近接し灰部の暗い部分とは離れて分布するとい
う特徴から、2値化しきい値決定手法を適用して火炎部
に反射光部分を加えた領域が抽出できる値を求め、この
値を用いて灰部の暗い部分の領域を除いた後、再度2値
化しきい値決定手法を適用して火炎部のみを抽出するた
めの2値化しきい値を求め、この2値化しきい値により
火炎部の領域を抽出して、燃え切り点を検出することを
特徴としている(図1、図5、図6、図7参照)。上記
の本発明の方法において、2値化しきい値決定手法とし
て、判別分析法を適用することができる。これらの本発
明の方法において、求めた2値化しきい値により火炎部
を抽出し、走査線ごとに算出した火炎部の領域の割合が
一定値以下になる境界を燃え切り点として検出すること
ができる(図7参照)。
【0009】本発明のごみ焼却炉の燃え切り点検出装置
は、ストーカ式ごみ焼却炉に設けられた炉内を撮影して
炉内画像を得るための撮影手段(例えば、ITVカメ
ラ)と、撮影手段で撮影された炉内画像の映像信号をデ
ィジタル化して階調データに変換し、ストーカ式ごみ焼
却炉の炉内画像の明るさ分布の傾向を利用して、火炎部
のみを抽出するための2値化しきい値を求め、この2値
化しきい値により火炎部の領域を抽出して燃え切り点を
検出するための画像処理手段(画像処理装置)とを包含
することを特徴としている(図1、図4、図5、図6、
図7参照)。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明するが、本発明は下記の実施の形態に何ら限定さ
れるものではなく、適宜変更して実施することが可能な
ものである。図1は、本発明の実施の形態によるごみ焼
却炉の燃え切り点検出装置を備えたごみ焼却設備を示し
ている。図1に示すように、ストーカ式のごみ焼却炉1
0では、投入ホッパ12から投入されたごみをストーカ
14で搬送しながら焼却している。そこで、炉内の適切
な位置でごみを燃焼させるため、燃焼部(火炎部)16
と灰部18との境界である燃え切り点を検出し、ごみの
燃焼位置を制御している。それには、まず、炉内をIT
Vカメラ20で撮影し、得られた映像を画像処理装置2
4でディジタル化(A/D変換)して階調データに変換
し、画像処理を実行する。画像処理装置24において、
映像信号をA/D変換でディジタル化し、得られた濃度
値の階調データから、以下のように燃え切り点を検出す
る。
【0011】図2のように、外乱のない安定した燃焼常
時には、灰部に相当するピーク、火炎部に相当するピ
ーク以外には大きなピークは見られず、判別分析法な
どの2値化しきい値決定手法を用いてしきい値を求めて
もピークの影響は少なく、燃え切り点を誤検出する可
能性は小さい。ところが、ストーカ式ごみ焼却炉では、
ごみが投入された時や炉内で崩れた時に、舞い上がった
ごみや灰によって火炎の光が反射し、火炎領域以外の明
るい領域が増大する場合がある。このような外乱発生時
に、図3のような3つの大きなピークが現れると、同様
の2値化しきい値決定手法では領域を分離できなくな
る。燃え切り点の検出では、ピークに相当する領域を3
領域に分離する必要はなく、火炎部に相当するの領域
のみを抽出できればよい。このような明るさ分布の特徴
から、次のようにしてしきい値bを求める。
【0012】[方法1]図4に示すように、濃度値fの
画素数H(f)から濃度値fに対する画素数の変化率
H′(f)(=H(f)−H(f+1))を求め、fの
値が大から小となる向きに検索を行い、変化率H′
(n)が初めて−から+の値に変化する点(または、初
めて−から0になる点)をしきい値bとする。
【0013】[方法2]外乱発生時には、炉内で舞い上
がったごみや灰による反射光部分は、火炎部と近接して
分布し、灰部の暗い部分とは離れて分布している(図3
参照)。この特徴から、図5の上図に示すように、従来
からの2値化しきい値決定手法の1つである判別分析法
を適用することで、まず、値aを導出する。そして、図
5の下図に示すように、aより暗い部分の領域を除き、
再度判別分析法を適用して、しきい値bを決定する。こ
の方法を図6の炉内画像で説明すると、aより暗い部分
の領域が除かれることで、図6の上図に示す斜線部分が
抽出され、この斜線部分の領域が2つのピークをもつ明
るさ分布になることから、図6の下図のように火炎部の
みが簡単に抽出できることになる。
【0014】実際の明るさの分布は、図4の上図のよう
にはなめらかでないため、上記の方法1で安定して適正
なしきい値を得るには、分布特性曲線に移動平均等のス
ムージングの前処理を行うなどの注意が必要であるが、
わずかな計算量で簡便にしきい値bを算出することがで
きる。一方、上記の方法2は、統計的な手法でしきい値
を算出することから、計算も複雑化し演算量が増加する
が、安定したしきい値が得られる。例えば、ごみの投入
間隔や搬送速度が速く、高速処理が不可欠な場合のよう
に、精度よりも速度が要求される場合には、方法1を使
用してしきい値bを決定し、処理速度上の制約が緩く安
定性が重視される場合(現実にはこの場合が多い)に
は、方法2を用いてしきい値bを決定する。つぎに、図
7に示すように、方法1又は方法2で求めたしきい値b
により火炎部を抽出し、走査線ごとに算出した火炎部の
領域の割合が一定値(図7における指定値F)以下にな
る境界を燃え切り点として検出する。
【0015】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、つぎのような効果を奏する。 (1) ストーカ式ごみ焼却炉において、ごみが投入さ
れた時や炉内で崩れた時に、明るさの分布に火炎(照
明)、火炎以外の明るい部分(舞い上がったごみや灰に
よる反射光)、暗い部分(背景)の3つのピークが存在
し、一般的な2値化しきい値決定手法では、火炎のみを
抽出するための2値化しきい値を決定することができな
い場合でも、ストーカ式ごみ焼却炉の炉内画像の明るさ
分布の傾向を利用することにより、簡単に火炎部のみを
抽出するための2値化しきい値を決定することができ、
これにより、ごみや灰による反射(外乱)の影響を除去
して、安定した燃え切り点の検出を行うことが可能にな
る。 (2) 濃度値の画素数から濃度値に対する画素数の変
化率を求め、濃度値が大から小となる向きに検索を行
い、変化率が初めて−から+の値に変化する点(また
は、初めて−から0になる点)を2値化しきい値とする
方法を用いる場合は、わずかな計算量で簡便に2値化し
きい値を算出することができ、速い処理速度で燃え切り
点を検出することができる。 (3) 外乱発生時に反射光部分が火炎部と近接し灰部
の暗い部分とは離れて分布するという特徴から、統計的
な2値化しきい値決定手法を適用して火炎部に反射光部
分を加えた領域を抽出し、再度2値化しきい値決定手法
を適用して火炎部のみを抽出するための2値化しきい値
を決定する場合は、統計的な手法で2値化しきい値を算
出することから、精度の高い2値化しきい値が得られ、
安定した燃え切り点の検出が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるごみ焼却炉の燃え切
り点検出装置を備えたごみ焼却設備を示す概略構成図で
ある。
【図2】外乱のない安定燃焼時における炉内画像の明る
さ分布を示すグラフである。
【図3】外乱発生時における炉内画像の明るさ分布を示
すグラフである。
【図4】本発明の実施の形態における2値化しきい値の
決定方法の一例(方法1)を示す明るさ分布と変化率の
グラフである。
【図5】本発明の実施の形態における2値化しきい値の
決定方法の他の例(方法2)を示す明るさ分布のグラフ
である。
【図6】図5に示す明るさ分布を用いて説明した方法に
対応する炉内画像である。
【図7】本発明の実施の形態において、求めた2値化し
きい値により燃え切り点を検出する方法を示す炉内画像
及びグラフである。
【図8】従来のストーカ式のごみ焼却設備を示す概略構
成図である。
【図9】従来のごみ焼却炉の燃え切り点検出装置を示す
概略図である。
【図10】外乱が発生して正しい燃え切り点の検出が行
えない場合を示す炉内画像である。
【図11】階調データの変化点を検出する従来の燃え切
り点検出方法を示す炉内画像及びグラフである。
【図12】一般的な2つのピークをもつ分布を示すグラ
フである。
【図13】背景と検出対象との2つのピークをもつ明る
さ分布及びこの分布のクラス内分散に対するクラス間分
散の割合を示すグラフである。
【図14】背景(灰)と検出対象(火炎)との他に、舞
い上がったごみや灰による反射光に相当する3つ目のピ
ークをもつ明るさ分布及びこの分布のクラス内分散に対
するクラス間分散の割合を示すグラフである。
【図15】図14に示すグラフから火炎部のみを抽出す
るための2値化しきい値が誤検出された場合の炉内画像
である。
【符号の説明】
10 ごみ焼却炉 12 投入ホッパ 14 ストーカ 16 燃焼部(火炎部) 18 灰部 20 ITVカメラ 22、24 画像処理装置
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年11月5日(1999.11.
5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【請求項】 ストーカ式ごみ焼却炉内における火炎部
と灰部との境界を燃え切り点として検出し、ごみの燃焼
位置を制御するに際し、炉内画像の映像信号をディジタ
ル化して濃度値の階調データに変換し、濃度値の画素数
から濃度値に対する画素数の変化率を求めて、濃度値が
大から小となる向きに検索を行い、画素数の変化率が初
めて負から正の値に変化する点又は初めて負から0にな
る点を2値化しきい値とし、この2値化しきい値により
火炎部の領域を抽出して、燃え切り点を検出することを
特徴とするごみ焼却炉の燃え切り点検出方法。
【請求項】 ストーカ式ごみ焼却炉内における火炎部
と灰部との境界を燃え切り点として検出し、ごみの燃焼
位置を制御するに際し、炉内画像の映像信号をディジタ
ル化して濃度値の階調データに変換し、炉内で舞い上が
ったごみや灰による反射光部分が火炎部と近接し灰部の
暗い部分とは離れて分布するという特徴から、2値化し
きい値決定手法を適用して火炎部に反射光部分を加えた
領域が抽出できる値を求め、この値を用いて灰部の暗い
部分の領域を除いた後、再度2値化しきい値決定手法を
適用して火炎部のみを抽出するための2値化しきい値を
求め、この2値化しきい値により火炎部の領域を抽出し
て、燃え切り点を検出することを特徴とするごみ焼却炉
の燃え切り点検出方法。
【請求項】 2値化しきい値決定手法として判別分析
法を適用する請求項記載のごみ焼却炉の燃え切り点検
出方法。
【請求項】 求めた2値化しきい値により火炎部を抽
出し、走査線ごとに算出した火炎部の領域の割合が一定
値以下になる境界を燃え切り点として検出する請求項
1、2又は3記載のごみ焼却炉の燃え切り点検出方法。
【請求項】 ストーカ式ごみ焼却炉に設けられた炉内
を撮影して炉内画像を得るための撮影手段と、 撮影手段で撮影された炉内画像の映像信号をディジタル
化して階調データに変換し、濃度値の画素数から濃度値
に対する画素数の変化率を求めて、濃度値が大から小と
なる向きに検索を行い、画素数の変化率が初めて負から
正の値に変化する点又は初めて負から0になる点を2値
化しきい値とし、この2値化しきい値により火炎部の領
域を抽出して燃え切り点を検出するための画像処理手段
とを包含することを特徴とするごみ焼却炉の燃え切り点
検出装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のごみ焼却炉の燃え切り点検出方法は、ス
トーカ式ごみ焼却炉内における火炎部(燃焼部)と灰部
との境界を燃え切り点として検出し、ごみの燃焼位置を
制御するに際し、炉内画像の映像信号をディジタル化し
て濃度値の階調データに変換し、濃度値の画素数から濃
度値に対する画素数の変化率を求めて、濃度値が大から
小となる向きに検索を行い、画素数の変化率が初めて負
(−)から正(+)の値に変化する点又は初めて負
(−)から0になる点を2値化しきい値とし、この2値
化しきい値により火炎部の領域を抽出して、燃え切り点
を検出するように構成されている(図1、図4、図7参
照)。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】本発明のごみ焼却炉の燃え切り点検出装置
は、ストーカ式ごみ焼却炉に設けられた炉内を撮影して
炉内画像を得るための撮影手段(例えば、ITVカメ
ラ)と、撮影手段で撮影された炉内画像の映像信号をデ
ィジタル化して階調データに変換し、濃度値の画素数か
ら濃度値に対する画素数の変化率を求めて、濃度値が大
から小となる向きに検索を行い、画素数の変化率が初め
て負(−)から正(+)の値に変化する点又は初めて負
(−)から0になる点を2値化しきい値とし、この2値
化しきい値により火炎部の領域を抽出して燃え切り点を
検出するための画像処理手段(画像処理装置)とを包含
することを特徴としている(図1、図4、図7参照)。
また、本発明の装置は、ストーカ式ごみ焼却炉に設けら
れた炉内を撮影して炉内画像を得るための撮影手段(例
えば、ITVカメラ)と、撮影手段で撮影された炉内画
像の映像信号をディジタル化して階調データに変換し、
炉内で舞い上がったごみや灰による反射光部分が火炎部
と近接し灰部の暗い部分とは離れて分布するという特徴
から、2値化しきい値決定手法を適用して火炎部に反射
光部分を加えた領域が抽出できる値を求め、この値を用
いて灰部の暗い部分の領域を除いた後、再度2値化しき
い値決定手法を適用して火炎部のみを抽出するための2
値化しきい値を求め、この2値化しきい値により火炎部
の領域を抽出して燃え切り点を検出するための画像処理
手段(画像処理装置)とを包含することを特徴としてい
る(図1、図5、図6、図7参照)。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、つぎのような効果を奏する。 (1) ストーカ式ごみ焼却炉において、ごみが投入さ
れた時や炉内で崩れた時に、明るさの分布に火炎(照
明)、火炎以外の明るい部分(舞い上がったごみや灰に
よる反射光)、暗い部分(背景)の3つのピークが存在
し、一般的な2値化しきい値決定手法では、火炎のみを
抽出するための2値化しきい値を決定することができな
い場合でも、ストーカ式ごみ焼却炉の炉内画像の明るさ
分布の傾向を利用することにより、簡単に火炎部のみを
抽出するための2値化しきい値を決定することができ、
これにより、ごみや灰による反射(外乱)の影響を除去
して、安定した燃え切り点の検出を行うことが可能にな
る。 (2) 濃度値の画素数から濃度値に対する画素数の変
化率を求め、濃度値が大から小となる向きに検索を行
い、変化率が初めて−から+の値に変化する点(また
は、初めて−から0になる点)を2値化しきい値とする
方法を用いることにより、わずかな計算量で簡便に2値
化しきい値を算出することができ、速い処理速度で燃え
切り点を検出することができる。 (3) 外乱発生時に反射光部分が火炎部と近接し灰部
の暗い部分とは離れて分布するという特徴から、統計的
な2値化しきい値決定手法を適用して火炎部に反射光部
分を加えた領域を抽出し、再度2値化しきい値決定手法
を適用して火炎部のみを抽出するための2値化しきい値
を決定することにより、統計的な手法で2値化しきい値
を算出することができるので、精度の高い2値化しきい
値が得られ、安定した燃え切り点の検出が行える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 種子田 定博 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 Fターム(参考) 3K061 HA06 3K062 AA02 AB01 AC01 BA02 CA08 CB05 DA05 DA40

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ストーカ式ごみ焼却炉内における火炎部
    と灰部との境界を燃え切り点として検出し、ごみの燃焼
    位置を制御するに際し、ストーカ式ごみ焼却炉の炉内画
    像の明るさ分布の傾向を利用して、火炎部のみを抽出す
    るための2値化しきい値を求め、この2値化しきい値に
    より火炎部の領域を抽出して、燃え切り点を検出するこ
    とを特徴とするごみ焼却炉の燃え切り点検出方法。
  2. 【請求項2】 ストーカ式ごみ焼却炉内における火炎部
    と灰部との境界を燃え切り点として検出し、ごみの燃焼
    位置を制御するに際し、炉内画像の映像信号をディジタ
    ル化して濃度値の階調データに変換し、濃度値の画素数
    から濃度値に対する画素数の変化率を求めて、濃度値が
    大から小となる向きに検索を行い、画素数の変化率が初
    めて負から正の値に変化する点又は初めて負から0にな
    る点を2値化しきい値とし、この2値化しきい値により
    火炎部の領域を抽出して、燃え切り点を検出することを
    特徴とするごみ焼却炉の燃え切り点検出方法。
  3. 【請求項3】 ストーカ式ごみ焼却炉内における火炎部
    と灰部との境界を燃え切り点として検出し、ごみの燃焼
    位置を制御するに際し、炉内画像の映像信号をディジタ
    ル化して濃度値の階調データに変換し、炉内で舞い上が
    ったごみや灰による反射光部分が火炎部と近接し灰部の
    暗い部分とは離れて分布するという特徴から、2値化し
    きい値決定手法を適用して火炎部に反射光部分を加えた
    領域が抽出できる値を求め、この値を用いて灰部の暗い
    部分の領域を除いた後、再度2値化しきい値決定手法を
    適用して火炎部のみを抽出するための2値化しきい値を
    求め、この2値化しきい値により火炎部の領域を抽出し
    て、燃え切り点を検出することを特徴とするごみ焼却炉
    の燃え切り点検出方法。
  4. 【請求項4】 2値化しきい値決定手法として判別分析
    法を適用する請求項3記載のごみ焼却炉の燃え切り点検
    出方法。
  5. 【請求項5】 求めた2値化しきい値により火炎部を抽
    出し、走査線ごとに算出した火炎部の領域の割合が一定
    値以下になる境界を燃え切り点として検出する請求項1
    〜4のいずれかに記載のごみ焼却炉の燃え切り点検出方
    法。
  6. 【請求項6】 ストーカ式ごみ焼却炉に設けられた炉内
    を撮影して炉内画像を得るための撮影手段と、 撮影手段で撮影された炉内画像の映像信号をディジタル
    化して階調データに変換し、ストーカ式ごみ焼却炉の炉
    内画像の明るさ分布の傾向を利用して、火炎部のみを抽
    出するための2値化しきい値を求め、この2値化しきい
    値により火炎部の領域を抽出して燃え切り点を検出する
    ための画像処理手段とを包含することを特徴とするごみ
    焼却炉の燃え切り点検出装置。
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