JP2000179590A - 電磁クラッチ - Google Patents

電磁クラッチ

Info

Publication number
JP2000179590A
JP2000179590A JP10360779A JP36077998A JP2000179590A JP 2000179590 A JP2000179590 A JP 2000179590A JP 10360779 A JP10360779 A JP 10360779A JP 36077998 A JP36077998 A JP 36077998A JP 2000179590 A JP2000179590 A JP 2000179590A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
driven
elastic member
rotating body
driving
axial direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10360779A
Other languages
English (en)
Inventor
Shuji Kiyoshima
修二 清島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bosch Corp
Original Assignee
Zexel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Zexel Corp filed Critical Zexel Corp
Priority to JP10360779A priority Critical patent/JP2000179590A/ja
Publication of JP2000179590A publication Critical patent/JP2000179590A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 励磁コイルへの通電によってロータに吸着さ
れる駆動側回転体から弾性部材を介して回転動力を被駆
動側回転体へ伝達する電磁クラッチにおいて、駆動側回
転体から弾性部材にかかるトルクと被駆動側回転体が弾
性部材から受けるトルクとをほぼ等しくする。動力伝達
時に弾性部材に生じる圧縮力と引っ張り力とをバランス
させ、耐久性を高める。 【解決手段】 駆動側回転体4にその軸方向へ突出する
駆動側突部28を形成し、被駆動側回転体5にその軸方
向へ突出すると共に駆動側突部28と軸心からの距離を
ほぼ等しくする被駆動側突部29を形成する。弾性部材
30の駆動側突部28と対峙する部分及び被駆動側突部
29と対峙する部分に周方向で断続する係合溝を形成
し、この係合溝に各突部28,29を収容する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、動力源からコン
プレッサ等の従動機器に伝達される動力を断続させるた
めに用いられる電磁クラッチに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電磁クラッチとして、実開昭59
−185432号公報や特開平6−74258号公報で
示されるものが知られている。
【0003】前者の電磁クラッチは、アーマチュアを構
成する第1の連結体(駆動側回転体)と、この第1の連
結体(駆動側回転体)の内周面と対向する外周面を有す
るボス(被駆動側回転体)と、第1の連結体(駆動側回
転体)の内周面とボス(被駆動側回転体)の外周面との
間に介在されるダンパ(弾性部材)と、第1の連結体
(駆動側回転体)と軸方向において対峙し、動力源から
回転動力を受ける第2の連結体(ロータ)と、第1の連
結体(駆動側回転体)と第2の連結体(ロータ)との連
結状態を制御する励磁コイルとを備え、第1の連結体
(駆動側回転体)に伝達された回転動力は、ダンパ(弾
性部材)を介してボス(被駆動側回転体)へ伝達される
ようになっている。
【0004】特に、公報の第3図には、第1の連結体
(駆動側回転体)の内周面とボス(被駆動側回転体)の
外周面とに凹凸を設け、これに対応してダンパにもこれ
ら凹凸に噛み合う凹凸を形成する構成が示されている。
【0005】後者の電磁クラッチは、励磁コイルへの通
電によって摩擦係合するロータとアーマチュアとを有
し、アーマチュアに固定されて内周突起が内周側に形成
されたアウターハブと、このアウターハブの内周側に嵌
め込まれ、外周側に外周突起が形成されたインナーハブ
とを設け、アウターハブの内周面、インナーハブの外周
面、内周突起、及び外周突起で囲まれた空間にゴム部材
を挿入し、アーマチュアに伝達された回転動力をゴム部
材を介してインナーハブへ伝達する構成となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
構成によれば、駆動側回転体が弾性部材と噛み合う部分
と被駆動側回転体が弾性部材と噛み合う部分とが、ボス
の軸心から異なった距離にあるので、被駆動側回転体が
弾性部材から受けるトルクは、駆動側回転体から弾性部
材にかかるトルクよりも大きくなり、弾性部材の耐久性
に問題を生じる。したがって、前者の構成においてこの
点を克服するには、弾性部材と回転体との凹凸の形状を
工夫しなければならない煩わしさがある。
【0007】上述したトルクの差は、後者の構成のよう
に、内周突起から弾性部材にトルクがかかる部分と弾性
部材から外周突起にトルクがかかる部分とを軸心からほ
ぼ等しい距離とすれば克服されるが、後者の構成によれ
ば、内周突起と外周突起との間に形成される周方向の空
間に弾性部材が挿入されただけの構成であるため、動力
伝達時には、常に弾性部材を周方向に圧縮することにな
り、この状態が長期に亘って繰り返されると弾性部材の
復元力が低下し、周方向でがたつくことが懸念される。
このため、動力変動による振動や振動音の発生が問題と
なる。
【0008】また、後者の構成によれば、回転方向が常
に同じであれば、内周突起からトルクがかかる弾性部材
は1つ置きとなり、残りの弾性部材には、トルクがかか
らなくなるためダンパ効果が半減する不具合もある。
【0009】そこで、この発明においては、駆動側回転
体から弾性部材にかかるトルクと被駆動側回転体が弾性
部材から受けるトルクとをほぼ等しくすると共に、動力
伝達時に弾性部材に周方向において生じる圧縮力と引っ
張り力とをバランスさせ、耐久性を高めると共に振動や
振動音を効果的に防ぎ、取り付けられた弾性部材全体に
よってダンパ機能を得ることができる電磁クラッチを提
供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、この発明に係る電磁クラッチは、励磁コイルと、回
転自在に支持されたロータと、このロータの軸方向で対
峙し、前記励磁コイルへの通電により発生する電磁力に
よって前記ロータに吸着する駆動側回転体と、この駆動
側回転体と軸心を同じくする被駆動側回転体と、前記駆
動側回転体から前記被駆動側回転体へ回転動力を伝達す
る弾性部材とを備え、前記駆動側回転体にその軸方向へ
突出する駆動側突部を形成し、前記被駆動側回転体にそ
の軸方向へ突出すると共に前記駆動側突部と軸心からの
距離をほぼ等しくする被駆動側突部を形成し、前記弾性
部材の前記駆動側突部と対峙する部分及び被駆動側突部
と対峙する部分に周方向で断続する係合溝を形成し、前
記弾性部材の係合溝に前記駆動側突部及び前記被駆動側
突部を収容して、前記駆動側回転体と前記被駆動側回転
体とを前記弾性部材に対して軸方向で噛合させたことを
特徴としている(請求項1)。
【0011】このような構成によれば、ロータの回転時
に励磁コイルへ通電されると、駆動側回転体が軸方向に
変位してロータに吸着され、回転動力がロータから駆動
側回転体に供給され、この駆動側回転体から弾性部材を
介して被駆動側回転体へ回転動力が伝達される。この
際、弾性部材は、駆動側回転体の軸方向への変位によっ
て弾性変形された状態にある。
【0012】駆動側回転体と被駆動側回転体には、それ
ぞれ軸心から等しい距離に突部が形成され、これら突部
が弾性部材の係合溝に収容されているので、駆動側回転
体との噛合部分において弾性部材にかかるトルクと被駆
動側回転体との噛合部分において弾性部材からかかるト
ルクとをほぼ等しくすることができる。
【0013】また、それぞれの回転体の突部が弾性部材
の周方向で断続する係合溝に係合されているので、同じ
弾性部材に、周方向で圧縮する部分と引っ張る部分とが
形成され、弾性部材にかかる力をバランスさせることが
できる。
【0014】これに対して、励磁コイルへの通電を停止
させると、弾性変形された弾性部材の復元力によって駆
動側回転体がロータから離れ、回転体への回転動力の伝
達が遮断される。
【0015】ここで、駆動側突部と被駆動側突部とは、
軸心と垂直になる方向から見て軸方向で離れていること
が望ましい(請求項2)。このような構成によれば、何
らかの事情で被駆動側回転体に過大なトルクがかかった
場合に、弾性部材は破壊させるものの、駆動側回転体を
空回りさせることができる。
【0016】また、駆動側回転体を、前記ロータと対峙
するアーマチュアと、このアーマチュアに接合されて該
アーマチュアとの間に間隙を形成する駆動側カバー部材
とによって構成し、被駆動側回転体を、ハブと、このハ
ブの外周に接合されると共に前記間隙に挿入されて駆動
側カバー部材に対して軸方向で対峙する被駆動側カバー
部材とによって構成し、駆動側カバー部材に駆動側突部
を、被駆動側カバー部材に被駆動側突部をそれぞれ形成
し、被駆動側カバー部材にハブの周縁においてアーマチ
ュアと反対側から軸方向で重なる係合部を形成するとよ
い(請求項3)。
【0017】この構成によれば、弾性部材は、軸方向で
対峙する駆動側カバー部材と被駆動側カバー部材との間
に介在されるので、励磁コイルへの通電によりロータか
らアーマチュアに供給された回転動力は、駆動側カバー
部材から弾性部材に伝達され、弾性部材から被駆動側カ
バー部材を介してハブへ伝達される。この際、被駆動側
カバー部材には、アーマチュアと反対側から軸方向でハ
ブの周縁に重なる係止部が形成されているので、仮にハ
ブと被駆動側カバー部材との接合が外れたとしてもハブ
と被駆動側カバー部材との係止状態が確保されて弾性部
材の脱落を防止することができる。
【0018】上述した弾性部材は、励磁コイルへの通電
により圧縮されて弾性変形することから、この軸方向へ
の変形を容易にするために、回転体との接触面積を軸方
向への圧縮によって増大する断面形状とすることが望ま
しく(請求項4)、具体的には、一方の回転体と接触す
る面を凸面とし、他方の回転体と接触する面を凹面とす
る構成や、両側の回転体との接触面をいずれも凸面又は
凹面とする構成が考えられる。
【0019】尚、弾性部材は、駆動側回転体と被駆動側
回転体との間に周方向に均等に配設した複数の部材によ
って構成しても(請求項5)、環状に形成された1つの
部材によって構成してもよい(請求項6)。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面により説明する。図1及び図2において、電磁クラッ
チ1は、エンジンやモータなどの動力源からコンプレッ
サなどの従動機器に対して回転動力を断続的に供給でき
るようにするもので、励磁コイル2と、この励磁コイル
2の周囲を回転するロータ3と、このロータ3に対峙す
る駆動側回転体4と、この駆動側回転体4の回転に伴っ
て回転する被駆動側回転体5とを有して構成されてい
る。
【0021】励磁コイル2は、ステータハウジング6内
に設けられたボビン7に巻回され、取付板8によって従
動機器のハウジング9に対して固定されている。この励
磁コイル2が収納されたステータハウジグ6は、従動機
器と対面するロータ側面に形成された環状溝10に所定
のクリアランスをあけて収容されている。
【0022】ロータ3は、環状に形成されて、その外周
に動力源と連結する連結ベルト(Vベルト)を取り付け
るための溝(V溝)11が形成され、内周にベアリング
12を介して従動機器の駆動軸13を軸支する円筒部1
4の周囲に回転自在に外嵌されている。従動機器と反対
側のロータ3の側面は、軸心に対して垂直となる平面に
形成されて下記するアーマチュアと対峙する摩擦面15
を構成しており、この摩擦面15には、励磁コイル2に
よって発生する磁束を迂回させるための円弧状のスリッ
ト16が形成されている。
【0023】駆動側回転体4は、ロータ3の摩擦面15
と対峙する摩擦面17を備えた環状のアーマチュア18
と、このアーマチュア18に取り付けられた駆動側カバ
ー部材19とから構成され、アーマチュア18の摩擦面
17には、ロータ3の摩擦面15に形成されたスリット
16からずれた位置にスリット20を形成し、駆動側カ
バー部材19は、アーマチュア18に対してリベット2
1によって固着されている。この駆動側カバー部材19
は、環状プレートを加工して形成され、図3(a)にも
示されるように、アーマチュアの背面と当接して前記リ
ベット21を取り付ける取付孔22が形成された固着代
19aと、この固着代19aの内周縁より屈曲して軸方
向に立設された立設部19bと、この立設部19bから
内側へ屈曲された内延部19cとを有し、内延部19c
とアーマチュア18との間に間隙が形成されている。
【0024】被駆動側回転体5は、駆動軸13の端部に
ボルト25によって取り付けられるハブ26と、このハ
ブ26の外周に取り付けられた被駆動側カバー部材27
とから構成され、ハブ26の外周縁は、アーマチュア1
8から遠ざかる方向に立設され、被駆動側カバー部材2
7は、このハブ26の立設部26aに対してスポット溶
接にて接合されている。被駆動側カバー部材27は、環
状プレートを加工して形成され、図3(b)にも示され
るように、前記スポット溶接する立設部27aと、ハブ
26の立設部26aの先端部にアーマチュア18と反対
側から係止する内側へ折り曲げられた係止部27bと、
立設部27aからアーマチュア18の背面に沿って延
び、前記内延部19cとアーマチュア18との間の間隙
に挿入される外延部27cとを有している。
【0025】駆動側カバー部材19には、被駆動側カバ
ー部材27の側へ突出する駆動側突部28が円周の6箇
所に等間隔(60度の間隔)に設けられ、被駆動側カバ
ー部材27には、駆動側カバー部材の側へ突出する被駆
動側突部29が、同じく円周の6箇所に等間隔(60度
の間隔)に設けられている。これら両カバー部材の突部
28,29は、軸心からほぼ等しい距離に形成され、一
方のカバー部材の突部が他方のカバー部材の突部に対し
て約30度位相をずらして形成されている。また、駆動
側カバー部材19の内延部19cと被駆動側カバー部材
27の外延部27cとは、それぞれに形成された突部2
8,29が軸心と垂直になる方向から見た場合に軸方向
で離れるように各立設部19b、27aの寸法や突部2
8,29の突出量が調節されている。
【0026】そして、駆動側カバー部材19の内延部1
9cと被駆動側カバー部材27の外延部27cとの間に
は、以下述べる弾性部材30が介在され、この弾性部材
30を介して駆動側カバー部材19と被駆動側カバー部
材27とが連結されている。
【0027】弾性部材30は、駆動側カバー部材19と
被駆動側カバー部材27との全周にわたって設けられ、
3分割された同形状のものを並べて環状としたもので、
各弾性部材30には、図4に示されるように、駆動側突
部28を収容する係合溝31と、被駆動側突部29を収
容する係合溝32とが周方向で断続的に形成されてい
る。係合溝31は、駆動側突部28と対峙する片側の面
に設けられ、これと反対側の被駆動側突部29と対峙す
る面に係合溝32が設けられており、係合溝31と係合
溝32とは約30度位相をずらして形成され、各突部2
8,29はこれら係合溝31,32にガタツキなく収容
されている。
【0028】弾性部材30は、NBRや塩素化ブチルな
どのゴム材が用いられ、駆動側カバー部材19と被駆動
側カバー部材27とを最も離間した状態で内延部19c
及び外延部27cと当接しており、係合溝が形成されて
いない部位での断面形状は、駆動側カバー部材19の内
延部19cと当接する面が内周縁から外周縁にかけて凸
面に形成され、被駆動側カバー部材27の外延部27c
と当接する面が内周縁から外周縁にかけて凹面に形成さ
れている。
【0029】上記構成において、ロータ3が駆動源から
の駆動力を受けて回転し、励磁コイル2への通電が開始
されると、図2の破線で示したように磁路が形成され、
駆動側回転体4が弾性部材30の弾性力に抗してロータ
3に向かって変位し、弾性部材30を圧縮した状態でロ
ータ3の摩擦面15とアーマチュア18の摩擦面17と
が吸着され、ロータ3からアーマチュア18へ回転動力
が伝達される。そして、弾性部材30を介して駆動側回
転体4から被駆動側回転体5に回転動力が伝達され、駆
動軸13が回転される。
【0030】弾性部材30は、内延部19cと対峙する
面及び外延部27cと対峙する面が凸面又は凹面に形成
されていることから、弾性部材30と内延部19cとの
間、及び、弾性部材30と外延部27cとの間には隙間
が形成される。このため、弾性部材30を圧縮した際の
変形部分をこれら隙間に逃がすことができ、弾性部材3
0の軸方向への圧縮を容易にしている。
【0031】また、駆動側突部28が弾性部材30と噛
合する位置と、被駆動側突部29が弾性部材30と噛合
する位置とは、軸心からほぼ等しい距離にあるので、駆
動側回転体との噛合部分において弾性部材30にかかる
トルクと被駆動側回転体との噛合部分において弾性部材
30からかかるトルクとはほぼ等しくなり、これらトル
ク差による弾性部材30の破損の恐れは少なくなる。
【0032】仮に、駆動軸13のロック時等のように被
駆動側回転体5に過剰なトルクがかかる場合には、各回
転体の突部28,29によって弾性部材30は破壊され
るものの、駆動側突部28と被駆動側突部29とは軸方
向で離して設けられていることから、駆動側突部28と
被駆動側突部29とがぶつかり合うことはなく、駆動側
回転体4と被駆動側回転体5とを空回りさせることが可
能となる。つまり、弾性部材30は、ダンパ効果に加え
て、異常時に動力源を保護する安全装置として機能す
る。
【0033】しかも、駆動側突部28と被駆動側突部2
9とは、周方向に断続的に形成された係合溝31,32
に位相をずらして嵌め込まれているので、弾性部材30
の周方向には圧縮力が働く部分と引っ張り力が働く部分
とが交互に形成され、駆動側回転体4から被駆動側回転
体5への動力供給が解除された場合には、圧縮されてい
た部分を復元しようとする力と、引っ張られていた部分
を復元しようとする力とによって弾性部材30を確実に
復元することができ、長期の使用による弾性部材30の
周方向への塑性変形を抑えることができる。
【0034】図5に弾性部材30の他の例が示され、こ
の例で示す弾性部材30は、上記例とは異なり、環状に
形成されている。多分割の弾性部材を用いる上記構成で
は、成形型に弧状の溝を並列に多数形成すれば複数の弾
性部材を同時に成形できるため、作業効率の面で優れて
いるといえるが、弾性部材30の強度を高める上では、
環状に一体成形する方が好ましい。いずれの弾性部材3
0を用いるかは、使用目的や電磁クラッチを用いる場所
などを考慮をして適宜選択すればよい。
【0035】尚、上述の構成では、弾性部材30の係合
溝が形成されていない部位での断面形状が、駆動側カバ
ー部材19の内延部19cと当接する側を凸面とし、被
駆動側カバー部材27の外延部27cと当接する側を凹
面としたが、凸面との接触側を外延部27cとし、凹面
との接触側を内延部19cとしてもよい。また、弾性部
材30の断面形状は、変形部分を逃がす空間が形成され
る形状であれば、上述の構成に限定されるものではな
く、両側を凸面、又は、凹面に形成しても同様の作用効
果を得ることができる。
【0036】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
駆動側回転体の軸方向に突出する駆動側突部と、被駆動
側回転体の軸方向に突出する被駆動側突部とを、軸心か
らほぼ等しい距離に形成し、弾性部材に形成された係合
溝に各回転体の突部を収容するようにしたので、駆動側
回転体との噛合部分において弾性部材にかかるトルクと
被駆動側回転体との噛合部分において弾性部材からかか
るトルクとをほぼ等しくすることができ、しかも、弾性
部材に形成される係合溝を周方向に断続的に形成して各
回転体の突部を収容するようにしたので、弾性部材に周
方向で圧縮する部分と引っ張る部分とが形成され、弾性
部材にかかる力をバランスさせて耐久性を持たせること
ができる。
【0037】また、駆動側突部と被駆動側突部とを軸心
と垂直になる方向から見て軸方向で離して設けることに
より、被駆動側回転体に過大なトルクが加わった場合に
は、弾性部材を破壊させて駆動側回転体を空回りさせる
ことができ、弾性部材をダンパ装置としてのみならず安
全装置として機能させることができる。
【0038】さらに、駆動側回転体を、ロータと対峙す
るアーマチュアと、このアーマチュアに接合されて該ア
ーマチュアとの間に間隙を形成する駆動側カバー部材と
によって構成し、被駆動側回転体を、ハブと、このハブ
の外周に接合されると共に前記間隙に挿入されて駆動側
カバー部材に対して軸方向で対峙する被駆動側カバー部
材とによって構成し、駆動側カバー部材と被駆動側カバ
ー部材とに突部を形成してその間に弾性部材を介在さ
せ、さらに被駆動側カバー部材にアーマチュアと反対側
からハブの周縁に軸方向で重なる係合部を形成する構成
とすれば、ハブと被駆動側カバー部材との接合が外れて
も弾性部材の脱落を防止することができ、軸方向の荷重
に対する安全性を高めることができる。
【0039】上記弾性部材の断面形状は、回転体との接
触面積が軸方向への圧縮によって増大するような形状と
することが望ましく、このような構成とすれば、軸方向
への変形が容易となり、弾性部材と回転部材との間に弾
性変形した部分を吸収する逃げを形成することができ
る。
【0040】また、弾性部材は、強度的には、環状に形
成された1つの部材で構成することが望ましいが、駆動
側回転体と被駆動側回転体との間に周方向で均等に配設
した複数の部材によって構成してもよく、このような構
成によれば、弾性部材の成形を容易にすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る電磁クラッチを示すもの
で、図1(a)は断面図を、図1(b)は正面図をそれ
ぞれ示す。
【図2】図2は、図1に示す電磁クラッチの一部を拡大
した断面図である。
【図3】図3(a)は、駆動側回転体の駆動側カバー部
材を示す正面図とその3A−3A線で切断した断面図で
あり、図3(b)は、被駆動側回転体の被駆動側カバー
部材を示す正面図とその3B−3B線で切断した断面図
である。
【図4】図4は、3分割された弾性部材の1つを示す正
面図とその側面図である。
【図5】図5は、環状に形成された弾性部材を示す正面
図とその断面図である。
【符号の説明】
1 電磁クラッチ 2 励磁コイル 3 ロータ 4 駆動側回転体 5 被駆動側回転体 18 アーマチュア 19 駆動側カバー部材 26 ハブ 27 被駆動側カバー部材 27b 係合部 28 駆動側突部 29 被駆動側突部 30 弾性部材 31,32 係合溝

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 励磁コイルと、回転自在に支持されたロ
    ータと、このロータの軸方向で対峙し、前記励磁コイル
    への通電により発生する電磁力によって前記ロータに吸
    着する駆動側回転体と、この駆動側回転体と軸心を同じ
    くする被駆動側回転体と、前記駆動側回転体から前記被
    駆動側回転体へ回転動力を伝達する弾性部材とを備えた
    電磁クラッチにおいて、 前記駆動側回転体にその軸方向へ突出する駆動側突部を
    形成し、 前記被駆動側回転体にその軸方向へ突出すると共に前記
    駆動側突部と軸心からの距離をほぼ等しくする被駆動側
    突部を形成し、 前記弾性部材の前記駆動側突部と対峙する部分及び被駆
    動側突部と対峙する部分に周方向で断続する係合溝を形
    成し、 前記弾性部材の係合溝に前記駆動側突部及び前記被駆動
    側突部を収容して、前記駆動側回転体と前記被駆動側回
    転体とを前記弾性部材に対して軸方向で噛合させたこと
    を特徴とする電磁クラッチ。
  2. 【請求項2】 前記駆動側突部と前記被駆動側突部と
    は、前記軸心と垂直になる方向から見て軸方向で離れて
    いることを特徴とする請求項1記載の電磁クラッチ。
  3. 【請求項3】 前記駆動側回転体は、前記ロータと対峙
    するアーマチュアと、このアーマチュアに接合されて該
    アーマチュアとの間に間隙を形成する駆動側カバー部材
    とから構成され、前記被駆動側回転体は、ハブと、この
    ハブの外周に接合されると共に前記間隙に挿入されて駆
    動側カバー部材に対して軸方向で対峙する被駆動側カバ
    ー部材とから構成され、前記駆動側カバー部材に前記駆
    動側突部を、前記被駆動側カバー部材に前記被駆動側突
    部をそれぞれ形成し、前記被駆動側カバー部材に前記ハ
    ブの周縁において前記アーマチュアと反対側から軸方向
    で重なる係合部を形成したことを特徴とする請求項1記
    載の電磁クラッチ。
  4. 【請求項4】 前記弾性部材は、前記回転体との接触面
    積が前記軸方向への圧縮によって増大する断面形状を有
    していることを特徴とする請求項1記載の電磁クラッ
    チ。
  5. 【請求項5】 前記弾性部材は、前記駆動側回転体と前
    記被駆動側回転体との間に周方向に均等に配設された複
    数の部材からなる請求項1記載の電磁クラッチ。
  6. 【請求項6】 前記弾性部材は、環状に形成された1つ
    の部材からなる請求項1記載の電磁クラッチ。
JP10360779A 1998-12-18 1998-12-18 電磁クラッチ Pending JP2000179590A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10360779A JP2000179590A (ja) 1998-12-18 1998-12-18 電磁クラッチ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10360779A JP2000179590A (ja) 1998-12-18 1998-12-18 電磁クラッチ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000179590A true JP2000179590A (ja) 2000-06-27

Family

ID=18470884

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10360779A Pending JP2000179590A (ja) 1998-12-18 1998-12-18 電磁クラッチ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000179590A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6757048B2 (en) 2000-11-15 2004-06-29 Canon Kabushiki Kaisha Exposure apparatus, maintenance method therefor, semiconductor device manufacturing method using the apparatus, and semiconductor manufacturing factory
KR100937346B1 (ko) * 2003-05-12 2010-01-20 한라공조주식회사 전자 클러치
WO2014115301A1 (ja) * 2013-01-25 2014-07-31 トヨタ自動車株式会社 断接機構

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6757048B2 (en) 2000-11-15 2004-06-29 Canon Kabushiki Kaisha Exposure apparatus, maintenance method therefor, semiconductor device manufacturing method using the apparatus, and semiconductor manufacturing factory
US6891593B2 (en) 2000-11-15 2005-05-10 Canon Kabushiki Kaisha Exposure apparatus, maintenance method therefor, semiconductor device manufacturing method using the apparatus, and semiconductor manufacturing factory
US7034918B2 (en) 2000-11-15 2006-04-25 Canon Kabushiki Kaisha Exposure apparatus, maintenance method therefor, semiconductor device manufacturing method using the apparatus, and semiconductor manufacturing factory
KR100937346B1 (ko) * 2003-05-12 2010-01-20 한라공조주식회사 전자 클러치
WO2014115301A1 (ja) * 2013-01-25 2014-07-31 トヨタ自動車株式会社 断接機構
JP5935906B2 (ja) * 2013-01-25 2016-06-15 トヨタ自動車株式会社 断接機構

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20100259121A1 (en) Power transmission device
JP5451578B2 (ja) 電磁クラッチ
JP2000161389A (ja) 電磁クラッチ
EP2208905A1 (en) Electromagnetic clutch
JP3596072B2 (ja) 電磁クラッチ
JP2002021876A (ja) 電磁スプリングクラッチ
JP2000179590A (ja) 電磁クラッチ
WO2004065811A1 (en) Clutch device and starter/generator comprising such clutch device
JPH0972354A (ja) 電磁連結装置
JP2001317456A (ja) クラッチレス圧縮機
JPH11230188A (ja) クラッチレス圧縮機
JP2000179568A (ja) 動力伝達装置
WO2018181437A1 (ja) トルク伝達用継手および電動式パワーステアリング装置
WO2019176872A1 (ja) トルク伝達用継手および電動式パワーステアリング装置
WO2005010392A1 (ja) 電磁クラッチ
JP2002181132A (ja) 回転軸の連結構造
JPS633471Y2 (ja)
JP2008184988A (ja) エンジン始動装置
KR100658989B1 (ko) 압축기의전자클러치
JP3968937B2 (ja) エンジンのクラッチハウジングと駆動ギヤの結合構造
JP3069316B2 (ja) 無励磁作動型電磁ブレーキ
JP2000145809A (ja) 動力伝達装置
WO2018047568A1 (ja) 電磁クラッチ
JPH11236876A (ja) クラッチレス圧縮機
KR100490590B1 (ko) 압축기의전자클러치