JP2000145809A - 動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達装置

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JP2000145809A
JP2000145809A JP10323189A JP32318998A JP2000145809A JP 2000145809 A JP2000145809 A JP 2000145809A JP 10323189 A JP10323189 A JP 10323189A JP 32318998 A JP32318998 A JP 32318998A JP 2000145809 A JP2000145809 A JP 2000145809A
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Japan
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power transmission
transmission device
driven
rotating member
driving
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JP10323189A
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Motoi Kato
基 加藤
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Ogura Clutch Co Ltd
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Ogura Clutch Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トルクリミッタ機構を構成した動
力伝達装置が装着された圧縮機の全長寸法を短縮する。 【解決手段】 圧縮機の円筒突出部Aには、回転
軸Bの突出方向に環状溝3aが開口したロータ3が回転
自在に支持されている。ロータ3の環状溝3a内には、
駆動側保持部材5がリベットで固定されている。回転軸
には、従動側保持部材8がリベットで固定されたハブ7
が装着されている。従動側保持部材8の円筒部8dは、
ロータ3の環状溝3a内に挿入されている。また円筒部
8dは、半径方向に隙間をおいて駆動側保持部材5の円
筒部5bに被せられている。各円筒部5b,8dには、
円周方向を等分する部位に複数の凹部5d,8eが形成
され、圧入嵌合された弾性部材12の係合部12aが凹
部5d,8eと係合されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、過負荷時にトル
クリミッタ機構を構成する動力伝達装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来の動力伝達装置としては、特開平9
−292003号公報に提案されているものが代表的で
ある。その公報の動力伝達装置は、連続可変容量タイプ
の圧縮機のフロントハウジングに装着された駆動側回転
部材と同圧縮機の回転軸に装着された従動側回転部材と
が設けられ、これら駆動側回転部材と従動側回転部材と
がゴム材製の弾性部材により一体回転可能に連結された
構造になっている。
【0003】動力伝達装置の駆動側回転部材は、圧縮機
のフロントハウジングに一体に形成された円筒突出部に
嵌合されスナップリングで抜け止めされた軸受、この軸
受の外輪が内周面に嵌合され抜け止めされた円筒状のロ
ータ、このロータの外周面に嵌合され溶着された内側円
筒部と、この内側円筒部の一端から半径方向外側へ延び
た円板部と、この円板部の外周端からフロントハウジン
グ側へ延び外周面がプーリ溝に形成された外側円筒部を
有し、フロントハウジング側に開口した環状溝が形成さ
れたプーリが設けられている。
【0004】またプーリの円板部には、内側保持部材が
リベットで固定されている。内側保持部材は、円周方向
に円弧状の凸部と円弧状の凹部が交互に形成され波打っ
た形状の円筒部、この円筒部の一方端部から半径方向外
側に延びているとともに、プーリの円板部側へ膨出した
取付け部に前記リベットの挿入穴が形成された外側折曲
げ部と、円筒部の他方端部から半径方向内側へ延びた内
側折曲げ部が設けられている。
【0005】動力伝達装置の従動側回転部材は、圧縮機
の回転軸軸端にスプライン嵌合されボルトで固定された
ハブと、このハブにリベットで固定された外側保持部材
が設けられている。外側保持部材は、内側保持部材の円
筒部の半径方向外側に被せられ、円周方向に円弧状の凸
部と円弧状の凹部が交互に形成され波打った形状の円筒
部、この円筒部の一方端部から半径方向外側へ延びた外
側折曲げ部と、円筒部の他方端部から半径方向内側へ延
び、ハブのフランジ部に重ねられてリベットで固定され
ているとともに、ハブのフランジ部と内側保持部材の内
側折曲げ部に軸線方向で対向する部位に設けられた補強
用のリブと、内側保持部材の外側折曲げ部と軸線方向で
対向する部位にリブと同様にプーリから離れる方向に膨
出した逃げ部とが一体に形成された内側折曲げ部が設け
られている。
【0006】そして、これら外側保持部材と内側保持部
材との間には、これら部材を一体回転可能に連結したゴ
ム材製の弾性部材が圧入嵌合されている。弾性部材は、
内側保持部材の円筒部の外周面と同様な波打った形状に
形成され前記円筒部の外周面に圧入された環状なトルク
変動吸収部位と、外側保持部材の円筒部の内周面と同様
な波打った形状からなり前記円筒部の内周面に圧入され
ているとともに、円周方向において凸部の一方には凹部
が形成され凸部の他方には凹状の逃げ溝が形成された環
状なトルク作動部位が設けられている。
【0007】このような動力伝達装置は、弾性部材のト
ルク作動部位(凸部)が弾性変形し易いようにトルク作
動部位に逃げ溝が設計され、圧縮機の回転軸がロックし
た場合、弾性部材の外側の凸部が弾性部材の逃げ溝と外
側保持部材の円筒部との間に形成された空間を埋めるよ
うに弾性変形するので、エンジンから圧縮機への動力伝
達は遮断される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の動力伝達装置
は、駆動側回転部材の内側保持部材が圧縮機の円筒突出
部より軸線方向に突出した構造からなり、従動側回転部
材のハブの半径方向外側に弾性部材が設けられているた
め、この動力伝達装置が装着された圧縮機の全長は別の
動力伝達装置である電磁クラッチが装着された圧縮機の
全長に較べ長くなる。この発明は、過負荷時にトルクリ
ミッタ機構を構成する動力伝達装置が装着された圧縮機
の全長寸法を短縮することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために請求項1に記載された動力伝達装置は、従動側
機器のハウジングに形成された円筒突出部に軸受を介し
て回転自在に支持され駆動側機器とベルトで連結された
駆動側回転部材と、前記円筒突出部内から突出した前記
従動側機器の回転軸に装着された従動側回転部材と、こ
れら回転部材に個々に設けられ半径方向に隙間をおいて
対向した環状な係合面と、これら係合面の間に形成され
た環状な空間と、前記係合面と回転方向において係合さ
れ前記空間に保持されたゴム材製の弾性部材とが設けら
れた動力伝達装置において、前記駆動側回転部材には、
前記軸受の外輪に嵌合された内側周壁部と、前記ベルト
が掛けられるプーリ溝が形成された外側周壁部と、前記
内側周壁部と前記外側周壁部を連結した側壁部と、前記
内側周壁部の外周面と前記外側周壁部の内周面、前記側
壁部の側面により画定され前記回転軸の突出方向に開口
した環状溝が形成され、前記従動側回転部材には、前記
駆動側回転部材の環状溝に挿入された円筒部が形成さ
れ、前記駆動側回転部材の環状溝内に設けられた前記係
合面と前記従動側回転部材の円筒部に設けられた前記係
合面との間に形成された前記空間に、前記係合面と回転
方向において係合された前記弾性部材が保持されている
ことを特徴とする。
【0010】また請求項2に記載された動力伝達装置
は、請求項1に記載された動力伝達装置において、前記
駆動側回転部材の側壁部には円筒状周面を前記係合面と
した環状な駆動側保持部材が固定され、前記従動側回転
部材には円筒状周面を前記係合面とした環状な従動側保
持部材が固定され、これら保持部材の係合面の間に前記
弾性部材を保持したことを特徴とする。
【0011】また請求項3に記載された動力伝達装置
は、請求項1に記載された動力伝達装置において、前記
駆動側回転部材の内側周壁部の外周面を前記係合面と
し、この係合面と前記従動側回転部材に設けられた前記
係合面との間に前記弾性部材を保持したことを特徴とす
る。
【0012】また請求項4に記載された動力伝達装置
は、請求項1に記載された動力伝達装置において、前記
駆動側回転部材には、前記内側周壁部の外周面と前記外
側周壁部の内周面との間に設けられ前記環状溝の開口側
へ延びた中間周壁部が形成されているとともに、この中
間周壁部の内周面を前記係合面とし、この係合面と前記
従動側回転部材に設けられた前記係合面との間に前記弾
性部材を保持したことを特徴とする。
【0013】また請求項5に記載された動力伝達装置
は、請求項1に記載された動力伝達装置において、前記
駆動側回転部材と前記従動側回転部材の係合面を、円周
方向に間隔をおいて複数の曲面状凹部が形成された円筒
状周面とし、前記駆動側回転部材の凹部と前記従動側回
転部材の凹部が半径方向に隙間をおいて対向することに
より画定された複数の係合空間と、これら係合空間の間
に形成された複数の連接空間とからなる前記空間を形成
するとともに、前記係合空間に圧入される複数の係合部
と前記連接空間に圧入される連接部が円周方向に交互に
形成された前記弾性部材が設けられていることを特徴と
する。
【0014】また請求項6に記載された動力伝達装置
は、請求項1に記載された動力伝達装置において、前記
弾性部材は前記駆動側回転部材の係合面または前記従動
側回転部材の係合面に接着されていることを特徴とす
る。
【0015】
【発明の実施の形態】第1の実施の形態である動力伝達
装置が図1と図2に示されている。図1は一部分を破断
して示した動力伝達装置の平面図、図2は図1の断面図
である。これら図面の動力伝達装置は、従動側機器とし
ての連続可変容量タイプの圧縮機に駆動側機器としての
自動車エンジンからの動力を伝達する装置であり、圧縮
機のフロントハウジングに一体に形成された円筒突出部
Aに回転自在に支持され自動車エンジン側とベルトで連
結された駆動側回転部材1と、圧縮機の回転軸Bに装着
された従動側回転部材6と、これら回転部材に個々に設
けられた係合面と回転方向において係合されたゴム材製
の弾性部材12が設けられている。
【0016】動力伝達装置の駆動側回転部材1は、圧縮
機の円筒突出部Aに嵌合されスナップリングで内輪が固
定された軸受2と、この軸受2の外輪が内周面に嵌合さ
れ固定されているロータ3と、このロータ3の外周面に
嵌合され溶着された板金プーリ4と、ロータ3の環状溝
3a内にリベットで固定された駆動側保持部材5が設け
られている。ロータ3は、軸受2が嵌合された円筒状の
内側周壁部3bと、板金プーリ4が外周面に嵌合され溶
着された円筒状の中間周壁部3cと、これら内側周壁部
3bと中間周壁部3cの圧縮機側端部を連結した円板状
の側壁部3dが一体に形成され、これら周壁部3b,3
cと側壁部3dにより圧縮機の回転軸Bが突出した方向
に開口した前記環状溝3aが画定されている。
【0017】板金プーリ4は、中間周壁部3cの外周面
に嵌合された円筒状のボス部4aと、このボス部4aの
一端から角度を持って外側に延びたフランジ部4bと、
このフランジ部4bの一端から軸線方向に延び外周面に
プーリ溝が形成された外側周壁部4cが設けられてい
る。
【0018】駆動側保持部材5は、側壁部3dの内側面
に重ね合わされて複数のリベットで固定された円板部5
aと、この円板部5aの内周面から軸線方向に折り曲げ
られているとともに、円板部5a側の大径円筒部と先端
側の小径円筒部が形成されこれら円筒部間に段差部5c
が形成された円筒部5bと、この円筒部5bの小径円筒
部の外周面(係合面)における円周方向を等分した部位
において半径方向内側に突出した複数の曲面状凹部5d
が一体に形成されている。
【0019】また回転軸Bの軸端に装着された従動側回
転部材6は、回転軸Bに装着されたハブ7とこのハブ7
に固定された従動側保持部材8が設けられている。ハブ
7は、回転軸Bの軸端に形成されたスプライン溝に嵌合
されたスプライン穴が形成されたボス部7aと、このボ
ス部7aの端部に一体に形成されたフランジ部7bが設
けられ、ボス部7aの軸穴に嵌合され固定された当て板
9を貫通して回転軸Bのねじ穴に螺合されたボルト10
により、ハブ7は回転軸Bに一体回転可能に固定されて
いる。
【0020】従動側保持部材8は、ロータ3の環状溝3
a側へ押し出されている外側円板部8bと、ハブ7のフ
ランジ部7bに重ね合わされて複数のリベットで固定さ
れた内側円板部8cが形成された円板部8aと、この円
板部8aの外周面からロータ3の環状溝3a側へ折り曲
げられ、その環状溝3a内において駆動側保持部材5の
円筒部5bの半径方向外側に挿入された円筒部8dが形
成されている。また円筒部8dの内周面(係合面)に
は、この円筒部8dの円周方向を等分した部位において
半径方向外側に突出した複数の曲面状凹部8eが一体に
形成されている。
【0021】このような保持部材5,8が設けられた駆
動側回転部材1は、駆動側保持部材5の小径円筒部に従
動側保持部材8の円筒部8dが半径方向に隙間をおいて
被せられた構造になっている。また駆動側保持部材5の
凹部5dと従動側保持部材の凹部8eとが半径方向で向
かい合っている。そしてこれら保持部材5,8の間に
は、凹部5dと凹部8eにより画定された略円柱状の係
合空間11aと、駆動側保持部材5の小径円筒部の円弧
状周面と従動側保持部材8の円筒部8dの円弧状周面に
より画定された湾曲状の連接空間11bが、円周方向に
交互に形成された空間11が設けられている。
【0022】空間11には、圧縮機のトルク変動を吸収
するために、また圧縮機の回転軸がロックしたときに動
力の伝達を遮断するために設けられた、ゴム材製の弾性
部材12が圧入嵌合され保持されている。弾性部材12
は、空間11の係合空間11aに圧入された略円柱状の
係合部12aと、空間11の連接空間11bに圧入され
た円弧状の連接部12bが円周方向に交互に設けられた
環状な部材に形成されている。
【0023】このような構造からなる動力伝達装置は、
内周面よりの側面が段差部5cに当接するまで、かつ凹
部5dと係合部12aとを位置合わせした状態で、駆動
側保持部材5に弾性部材12が圧入嵌合される。また、
凹部8eと係合部12aとを位置合わせした状態で、弾
性部材12の外周面に従動側保持部材8の円筒部8dが
圧入嵌合される。なお、従動側保持部材8の外側円板部
8bが、弾性部材12の側面と駆動側保持部材5の先端
面に当接しないように、それら部材間に隙間が形成され
ている。
【0024】またこのような構造からなる動力伝達装置
は、圧縮機に装着され板金プーリ4に掛けられるベルト
を介して伝達される自動車エンジン側の動力により回転
するので、圧縮機は駆動する。また更に駆動中に発生す
る圧縮機のトルク変動は、弾性部材12の弾性力により
吸収される。また圧縮機の回転軸がロック状態になる
と、弾性部材12の弾性力に抗して、自動車側エンジン
の動力により駆動側保持部材5の凹部5dが従動側保持
部材8の凹部8eに対して回転方向に先行するため、弾
性部材12が破断される。そして圧縮機への動力の伝達
が遮断される。
【0025】次に、図3に断面図で示された動力伝達装
置を説明する。この第2の実施の形態は、第1の実施の
形態における駆動側保持部材と従動側保持部材の形状と
これら保持部材を被せた構造が相異している。なお、そ
の他構造は同じであるから説明は省略する。
【0026】この動力伝達装置の駆動側保持部材13
は、ロータ3の環状溝3aに挿入されるとともに側壁部
3dに重ね合わされて複数のリベットで固定された円板
部13aと、この円板部13aの外周面から回転軸Bの
突出方向に折り曲げられた円筒部13bが形成され、ま
た円筒部13bには、円板部13a側の小径円筒部と環
状溝3aの開口側の大径円筒部が形成され、小径円筒部
から大径円筒部への移行部分に段差部13cが設けられ
ている。また更に大径円筒部の内周面(係合面)には、
この大径円筒部の円周方向を等分した部位において半径
方向外側に突出した複数の曲面状凹部13dが一体に形
成されている。
【0027】またこの動力伝達装置の従動側回転部材1
4は、ハブ7のフランジ部に複数のリベットで固定され
ているとともに外周面よりがロータ3の環状溝3a側へ
押し出されている円板部14aと、この円板部14aの
外周面からロータ3の環状溝3a側に折り曲げられた円
筒部14bが形成されている。円筒部14bは、駆動側
保持部材13の円筒部13bの内側となるロータ3の環
状溝3aに挿入されており、またこの円筒部14bの外
周面(係合面)における円周方向を等分した部位におい
て半径方向内側に突出した複数の曲面状凹部14cが一
体に形成されている。
【0028】このような構造からなる動力伝達装置は、
外周面よりの側面が段差部13cに当接するまで、かつ
凹部13dと係合部12aとを位置合わせした状態で、
駆動側保持部材13に弾性部材12が圧入嵌合される。
また、凹部14cと係合部12aとを位置合わせした状
態で、弾性部材12の内周面に従動側保持部材14の円
筒部14cが圧入嵌合される。したがってこの動力伝達
装置は、圧縮機の回転軸がロック状態になると、弾性部
材12の弾性力に抗して、自動車側エンジンの動力によ
り駆動側保持部材13の凹部13dが従動側保持部材1
4の凹部14cに対して回転方向に先行するため、弾性
部材12が破断される。そして圧縮機への動力の伝達が
遮断される。
【0029】次に、図4と図5に示された動力伝達装置
を説明する。図4は一部分を破断して示した動力伝達装
置の平面図、図5は図4の断面図である。この第3の実
施の形態は、第1の実施の形態における駆動側保持部材
をロータの内側周壁部とした構造が相異している。な
お、多少形状の相異はあるがその他構造は同じであるの
で説明は省略する。
【0030】この動力伝達装置のロータ15は、内側周
壁部15aと中間周壁部15b、これら周壁部15a,
15bの端部を連結した側板部15cが設けられてい
る。また内側周壁部15aの外周面(係合面)には、こ
の内側周壁部15aの円周方向を等分する部位に半径方
向内側へ窪んだ複数の曲面状凹部15dが設けられてい
る。
【0031】このような構造からなる動力伝達装置は、
側面が側壁部15cに当接するまで、かつ凹部15dと
係合部12aとを位置合わせした状態で、ロータ15の
内側周壁部15aに弾性部材12が圧入嵌合される。ま
た、凹部8eと係合部12aとを位置合わせした状態
で、弾性部材12の外周面に従動側保持部材8の円筒部
8dが圧入嵌合される。したがってこの動力伝達装置
は、圧縮機の回転軸がロック状態になると、弾性部材1
2の弾性力に抗して、自動車側エンジンの動力によりロ
ータ15の凹部15dが従動側保持部材8の凹部8eに
対して回転方向に先行するため、弾性部材12が破断さ
れる。そして圧縮機への動力の伝達が遮断される。
【0032】次に、図6と図7に示された動力伝達装置
を説明する。図6は一部分を破断して示した動力伝達装
置の平面図、図7は図6の断面図である。この第4の実
施の形態は、第2の実施の形態における駆動側保持部材
をロータの中間周壁部とした構造が相異している。な
お、多少形状の相異はあるがその他構造は同じであるの
で説明は省略する。
【0033】この動力伝達装置のロータ16は、内側周
壁部16aと中間周壁部16b、これら周壁部16a,
16bの端部を連結した側壁部16cが設けられてい
る。また中間周壁部16bの内周面(係合面)には、こ
の中間周壁部16bの円周方向を等分する部位に半径方
向外側へ窪んだ複数の曲面状凹部16dが設けられてい
る。
【0034】このような構造からなる動力伝達装置は、
側面が中間周壁部16dの端面と略同一平面になるま
で、かつ凹部16dと係合部12aとを位置合わせした
状態で、ロータ16の中間周壁部16bに弾性部材12
が圧入嵌合される。また、凹部14cと係合部12aと
を位置合わせした状態で、弾性部材12の内周面に従動
側保持部材14の円筒部14bが圧入嵌合される。した
がってこの動力伝達装置は、圧縮機の回転軸がロック状
態になると、弾性部材12の弾性力に抗して、自動車側
エンジンの動力によりロータ16の凹部16dが従動側
保持部材14の凹部14cに対して回転方向に先行する
ため、弾性部材12が破断される。そして圧縮機への動
力の伝達が遮断される。
【0035】以上、各実施の形態について説明したが、
この発明の動力伝達装置は、駆動側回転部材に内側周壁
部と外側周壁部および側壁部により画定された環状溝を
設けこの環状溝内に従動側回転部材の円筒部を挿入する
とともに、駆動側回転部材の環状溝内に設けられた係合
面と従動側回転部材の円筒部に設けられた係合面との間
に形成された空間に、係合面と回転方向において係合さ
れた弾性部材を保持させたことを特徴とするものであ
り、実施の形態以外の動力伝達装置であってもよい。
【0036】例えば、従動側回転部材を回転軸に装着さ
れるハブとこのハブに固定された従動側保持部材とで構
成したが、ハブのフランジ部をカップ状に形成してその
フランジ部を従動側保持部材としてもよい。また駆動側
回転部材を円筒突出部に軸受を介して支持されたロータ
とこのロータの外周面に嵌合され溶着された板金プーリ
とで構成したが、ロータの中間周壁部の外周面にプーリ
溝が転造加工された構造にしてもよい。すなわち、駆動
側回転部材の外側周壁部は、板金プーリでもロータの中
間周壁部でもよい。
【0037】また更に、ロータの内側周壁部または中間
周壁部、若しくは従動側回転部材に凹部が形成されてい
ない係合面を設け、その係合面に予め弾性部材を接着し
てもよい。接着方法としては、ゴムに接着剤を塗布した
後加熱してロータに固着する加硫固着を採用すればよ
い。また弾性部材が破断される構造を説明したが、従来
技術として説明した動力伝達装置のように、弾性部材が
弾性変形することにより動力の伝達が遮断される構造に
してもよい。
【0038】
【発明の効果】請求項1に記載された動力伝達装置は、
駆動側回転部材に内側周壁部と外側周壁部および側壁部
により画定された環状溝を設けこの環状溝内に従動側回
転部材の円筒部を挿入するとともに、駆動側回転部材の
環状溝内に設けられた係合面と従動側回転部材の円筒部
に設けられた係合面との間に形成された空間に、係合面
と回転方向において係合された弾性部材を保持したの
で、トルクリミッタ機構を構成する動力伝達装置が装着
された従動側機器(例えば圧縮機)の全長寸法を短縮す
ることができる。
【0039】請求項2に記載された動力伝達装置は、駆
動側回転部材と従動側回転部材に保持部材を設けた構造
にしたので、係合面の形状が異なる保持部材を取付けて
トルクリミッタ機構を変更することができる。
【0040】請求項3に記載された動力伝達装置は、駆
動側回転部材の内側周壁部の外周面を係合面としたの
で、駆動側保持部材を設ける必要がなく動力伝達装置の
低廉化が図られる。
【0041】請求項4に記載された動力伝達装置は、駆
動側回転部材の中間周壁部の内周面を係合面としたの
で、駆動側保持部材を設ける必要がなく動力伝達装置の
低廉化が図られる。
【0042】請求項5に記載された動力伝達装置は、駆
動側回転部材と従動側回転部材の係合面を、円周方向に
間隔をおいて複数の曲面状凹部が形成された円筒状周面
とし、駆動側回転部材の凹部と従動側回転部材の凹部が
半径方向に隙間をおいて対向することにより画定された
複数の係合空間と、これら係合空間の間に形成された複
数の連接空間とからなる空間を形成するとともに、係合
空間に圧入される複数の係合部と連接空間に圧入される
連接部が円周方向に交互に形成された弾性部材としたの
で、従動側機器の回転軸がロックしたとき駆動側機器の
動力により弾性部材の係合部は破断され動力の伝達を迅
速に遮断することができる。
【0043】請求項6に記載された動力伝達装置は、駆
動側回転部材の係合面または従動側回転部材の係合面に
弾性部材を予め接着しておくようにしたので、弾性部材
を係合面に圧入嵌合する組立工程が1つ削減され生産性
向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態として示された動力伝達装置
であり、一部分が破断された平面図である。
【図2】図1の断面図である。
【図3】第2の実施の形態として示された動力伝達装置
の断面図である。
【図4】第3の実施の形態として示された動力伝達装置
であり、一部分が破断された平面図である。
【図5】図4の断面図である。
【図6】第4の実施の形態として示された動力伝達装置
であり、一部分が破断された平面図である。
【図7】図6の断面図である。
【符号の説明】
1 駆動側回転部材 3 ロータ 4 板金プーリ 5 駆動側保持部材 6 従動側回転部材 7 ハブ 8 従動側保持部材 11 空間 12 弾性部材 13 駆動側保持部材 14 従動側保持部材 15 ロータ 16 ロータ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年11月25日(1998.11.
25)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】また更に、ロータの内側周壁部または中間
周壁部、若しくは従動側回転部材に凹部が形成されてい
ない係合面を設け、その係合面に予め弾性部材を接着し
てもよい。接着方法としては、ロータに接着剤を塗布し
て型内にセットした後、弾性材料(ゴム)を充填して加
熱することにより弾性部材をロータに固着する加硫固着
を採用すればよい。また弾性部材が破断される構造を説
明したが、従来技術として説明した動力伝達装置のよう
に、弾性部材が弾性変形することにより動力の伝達が遮
断される構造にしてもよい。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 従動側機器のハウジングに形成された円
    筒突出部に軸受を介して回転自在に支持され駆動側機器
    とベルトで連結された駆動側回転部材と、前記円筒突出
    部内から突出した前記従動側機器の回転軸に装着された
    従動側回転部材と、これら回転部材に個々に設けられ半
    径方向に隙間をおいて対向した環状な係合面と、これら
    係合面の間に形成された環状な空間と、前記係合面と回
    転方向において係合され前記空間に保持されたゴム材製
    の弾性部材とが設けられた動力伝達装置において、前記
    駆動側回転部材には、前記軸受の外輪に嵌合された内側
    周壁部と、前記ベルトが掛けられるプーリ溝が形成され
    た外側周壁部と、前記内側周壁部と前記外側周壁部を連
    結した側壁部と、前記内側周壁部の外周面と前記外側周
    壁部の内周面、前記側壁部の側面により画定され前記回
    転軸の突出方向に開口した環状溝が形成され、前記従動
    側回転部材には、前記駆動側回転部材の環状溝に挿入さ
    れた円筒部が形成され、前記駆動側回転部材の環状溝内
    に設けられた前記係合面と前記従動側回転部材の円筒部
    に設けられた前記係合面との間に形成された前記空間
    に、前記係合面と回転方向において係合された前記弾性
    部材が保持されていることを特徴とする動力伝達装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された動力伝達装置にお
    いて、前記駆動側回転部材の側壁部には円筒状周面を前
    記係合面とした環状な駆動側保持部材が固定され、前記
    従動側回転部材には円筒状周面を前記係合面とした環状
    な従動側保持部材が固定され、これら保持部材の係合面
    の間に前記弾性部材を保持したことを特徴とする動力伝
    達装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載された動力伝達装置にお
    いて、前記駆動側回転部材の内側周壁部の外周面を前記
    係合面とし、この係合面と前記従動側回転部材に設けら
    れた前記係合面との間に前記弾性部材を保持したことを
    特徴とする動力伝達装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載された動力伝達装置にお
    いて、前記駆動側回転部材には、前記内側周壁部の外周
    面と前記外側周壁部の内周面との間に設けられ前記環状
    溝の開口側へ延びた中間周壁部が形成されているととも
    に、この中間周壁部の内周面を前記係合面とし、この係
    合面と前記従動側回転部材に設けられた前記係合面との
    間に前記弾性部材を保持したことを特徴とする動力伝達
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載された動力伝達装置にお
    いて、前記駆動側回転部材と前記従動側回転部材の係合
    面を、円周方向に間隔をおいて複数の曲面状凹部が形成
    された円筒状周面とし、前記駆動側回転部材の凹部と前
    記従動側回転部材の凹部が半径方向に隙間をおいて対向
    することにより画定された複数の係合空間と、これら係
    合空間の間に形成された複数の連接空間とからなる前記
    空間を形成するとともに、前記係合空間に圧入される複
    数の係合部と前記連接空間に圧入される連接部が円周方
    向に交互に形成された前記弾性部材が設けられているこ
    とを特徴とする動力伝達装置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載された動力伝達装置にお
    いて、前記弾性部材は前記駆動側回転部材の係合面また
    は前記従動側回転部材の係合面に接着されていることを
    特徴とする動力伝達装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100458205C (zh) * 2005-10-11 2009-02-04 小仓离合器有限公司 动力传送装置
KR100937346B1 (ko) * 2003-05-12 2010-01-20 한라공조주식회사 전자 클러치
KR101075162B1 (ko) 2004-03-18 2011-10-24 한라공조주식회사 동력전달장치

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