JP2000178384A - フィルム用ポリオレフィン組成物 - Google Patents

フィルム用ポリオレフィン組成物

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JP2000178384A
JP2000178384A JP36159698A JP36159698A JP2000178384A JP 2000178384 A JP2000178384 A JP 2000178384A JP 36159698 A JP36159698 A JP 36159698A JP 36159698 A JP36159698 A JP 36159698A JP 2000178384 A JP2000178384 A JP 2000178384A
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film
biphenylenediphosphonite
tetrakis
phosphorus
polyolefin
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Hironori Honda
博紀 本田
Hideki Umekawa
秀喜 梅川
Shuji Watanabe
修爾 渡邊
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】端面色、アンチブロッキング性に優れるフィル
ムの成形において、成形中に生成する黒焦げを著しく低
減したフィルム用ポリオレフィン組成物を提供する。 【解決手段】ポリオレフィンにシリカ系アンチブロッキ
ング剤及び分子内のリン原子に直接芳香環が結合した構
造を有すリン系化合物よりなる熱安定剤を配合してな
り、上記リン系化合物よりなる熱安定剤の配合量を該ポ
リオレフィン100重量部に対して、0.01重量部〜
0.5重量部とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術】本発明は、新規なフィルム用ポリ
オレフィン組成物に関する。詳しくは、フィルムの成形
への使用において、成形直後および経時後の端面色、ア
ンチブロッキング性に優れるフィルムの成形を可能にし
ながら、成形中に生成する黒焦げを著しく低減したフィ
ルム用ポリオレフィン組成物を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィンは成形中の熱酸化劣化を
防止するために熱安定剤が使用されている。ポリオレフ
ィンの熱酸化劣化は、フィルムにおいては重ねたフィル
ムの端面色を黄変させる問題があった。従来、ポリオレ
フィン用の熱安定剤としてはフェノール系、リン系、イ
オウ系などのものが用いられてきた。フェノール系熱安
定剤は、単独では熱安定効果に劣るために、リン系、イ
オウ系の熱安定剤と併用されてきた。
【0003】ところが、イオウ系の熱安定剤はその臭気
のため、食品包装用途用ポリオレフィンへの使用は敬遠
される場合が多かった。一方、トリス(2,4−ジ−t
−ブチルフェニル)ホスファイトなどのリン系熱安定剤
は臭気の問題がなく、ポリオレフィンの熱安定性向上が
優れるため、多種のフィルムの用途に使用されてきた。
【0004】また、フィルム用のポリオレフィンには滑
り性およびブロッキング性の改良、インフレーションフ
ィルムの口開き性改良などの目的でアンチブロッキング
剤(以下AB剤という)が添加されている。AB剤に
は、シリカ、チタニア、アルミナ、炭酸カルシウム、タ
ルク、ゼオライトなどの無機系粒子、アクリル樹脂、メ
ラミン樹脂、シリコーン樹脂などの有機系粒子などが用
いられる。それらの中で無機系粒子、特にシリカは、性
能と価格のバランスに優れることから多く用いられてい
る。
【0005】しかしながら、このようなシリカ系AB剤
を含有するポリオレフィンは、従来より好適に使用され
ている前記リン系熱安定剤を添加すると、黒焦げを生成
する場合があり問題であった。そして、かかる黒焦げは
フィルム製膜機のスクリーンメッシュ、ダイス部に滞留
し、フィルムの黒点、フィッシュアイ、フィルムの縦ス
ジなどフィルムの品質を損なう原因となるため問題であ
った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、シリ
カ系AB剤を含有するフィルムの成形中に生成する黒焦
げを著しく低減しながら、端面色、アンチブロッキング
性に優れたポリオレフィンフィルムの製造が可能なポリ
オレフィン組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題について鋭意研究を重ねた結果、この黒焦げはシリカ
系AB剤とリン系物質からなり、AB剤とリン系熱安定
剤の反応によることを確認した。特にシリカ系AB剤の
中で汎用に用いられる、珪酸ソーダを酸により中和して
沈降して得られる湿式シリカは、吸着水分量が多いこ
と、さらに吸油性が高いため黒焦げの問題が起こりやす
いことが確認された。
【0008】かかる知見に基づき更に研究を重ねた結
果、シリカ系AB剤を含有するポリオレフィンに対し、
特定の構造を有するリン系熱安定剤を添加することによ
り上記目的を達成した組成物が得られることを見い出
し、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は、ポリオレフィンにシリカ
系アンチブロッキング剤及び分子内のリン原子に芳香環
が直接結合した構造を有するリン系化合物よりなる熱安
定剤が配合されてなり、上記リン系化合物よりなる熱安
定剤の配合量が、該ポリオレフィン100重量部に対し
て、0.01重量部〜0.5重量部であることを特徴と
するフィルム用ポリオレフィン組成物である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において、ポリオレフィン
は、公知のものが特に制限なく使用され、それにはエチ
レン単独重合体、プロピレン単独重合体、エチレン、プ
ロピレン、炭素数4から20のα−オレフィンからなる
ランダムまたはブロック共重合体などがある。
【0011】本発明において、エチレンおよびプロピレ
ン以外のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテ
ン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−
ヘプテン、1−オクテン、3−メチル−1−ブテン、4
−メチル−1−ペンテン等を挙げることができる。
【0012】本発明に用いるポリオレフィンのメルトフ
ローレートは特に限定されるものではないが、0.1〜
100g/10分、好ましくは1〜20g/10分の範
囲である。
【0013】上記ポリオレフィンは、公知の如何なる方
法で製造されたものでも良い。一般には、チ−グラ−型
重合触媒を始め、その改良触媒、またはメタロセン触媒
を用いる種々の重合方法によって製造することができ
る。
【0014】本発明に用いるシリカ系AB剤は無定形シ
リカであれば限定されるものではないが、珪酸ソーダを
酸により中和して沈降させて得られる湿式シリカが、本
発明の我々の組み合わせによる効果が顕著であり好まし
い。
【0015】上記シリカ系AB剤の平均粒子径はコール
ターカウンターを用いた測定値で0.5μm〜5.0μ
mが好ましい。また、本発明は上記シリカ系AB剤の水
分量が10〜100mg/gのものについて特に効果的
である。
【0016】シリカ系AB剤の配合量は、アンチブロッ
キング剤として通常使用される公知の配合量が特に制限
なく選択される。一般には、ポリオレフィン100重量
部に対し、0.1重量部〜1.0重量部が好適である。
0.1重量部未満では得られるフィルムのアンチブロッ
キング性が不十分であり、滑り性も劣る傾向があり、
1.0重量部を超えるとフィルムの透明性、耐傷付き性
が劣る傾向がある。
【0017】本発明に用いるリン系熱安定剤は、分子内
のリン原子に直接芳香環が結合した構造を有すリン系化
合物であれば特に限定されるものではないが、特に、一
般式(I)及び一般式(II)で示されるリン系化合物よ
り選ばれた少なくとも1種のリン系化合物であることが
好ましい。
【0018】 R1P(OR22 (I) (R2O)2PR1−R1P(OR22 (II) (但し、R1はフェニル基、またはフェニレン基、R2
炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、または炭素数
7〜15のフェニル基誘導体を示す。) 上記フェニル基誘導体としては、炭素数1〜9のアルキ
ル基によって置換されたフェニル基が挙げられる。
【0019】具体的には、上記一般式(I)で示される
リン系化合物としては、ジメチル−フェニルホスホナイ
ト、ジ−t−ブチル−フェニルホスホナイトなどのジア
ルキル−フェニルホスホナイト類、ジフェニル−フェニ
ルホスホナイト、ジ−(4−ペンチル−フェニル)−フ
ェニルホスホナイト、ジ−(2−t−ブチル−フェニ
ル)−フェニルホスホナイト、ジ−(2−メチル−3−
ペンチル−フェニル)−フェニルホスホナイト、ジ−
(2−メチル−4−オクチル−フェニル)−フェニルホ
スホナイト、ジ−(3−ブチル−4−メチル−フェニ
ル)−フェニルホスホナイト、ジ−(3−ヘキシル−4
−エチル−フェニル)−フェニルホスホナイト、ジ−
(2,4,6−トリメチルフェニル)−フェニルホスホ
ナイト、ジ−(2,3−ジメチル−4−エチル−フェニ
ル)−フェニルホスホナイト、ジ−(2,6−ジエチル
−3−ブチルフェニル)−フェニルホスホナイト、ジ−
(2,3−ジプロピル−5−ブチルフェニル)−フェニ
ルホスホナイト、ジ−(2,4,6−トリ−t−ブチル
フェニル)−フェニルホスホナイト、などのジ−フェニ
ル誘導体−フェニルホスホナイト類が挙げられる。
【0020】また、一般式(II)で示されるリン系化合
物としては、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−フ
ェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テ
トラキス(2,5−ジ−t−ブチル−フェニル)−4,
4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(3,
5−ジ−t−ブチル−フェニル)−4,4’−ビフェニ
レンジホスホナイト、テトラキス(2,3,4−トリメ
チルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイ
ト、テトラキス(2,3−ジメチル−5−エチル−フェ
ニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テト
ラキス(2,3−ジメチル−4−プロピルフェニル)−
4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス
(2,3−ジメチル−5−t−ブチルフェニル)−4,
4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,
5−ジメチル−4−t−ブチルフェニル)−4,4’−
ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,3−ジ
エチル−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレ
ンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジエチル−4
−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホ
ナイト、テトラキス(2,4,5−トリエチルフェニ
ル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラ
キス(2,6−ジエチル−4−プロピルフェニル)−
4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス
(2,5−ジエチル−6−ブチルフェニル)−4,4’
−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,3−
ジエチル−5−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフ
ェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,5−ジエチ
ル−6−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレ
ンジホスホナイト、テトラキス(2,3−ジプロピル−
5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホス
ホナイト、テトラキス(2,6−ジプロピル−4−メチ
ルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイ
ト、テトラキス(2,6−ジプロピル−5−エチルフェ
ニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テト
ラキス(2,3−ジプロピル−6−ブチルフェニル)−
4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス
(2,6−ジプロピル−5−ブチルフェニル)−4,
4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,
3−ジブチル−4−メチルフェニル)−4,4’−ビフ
ェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,5−ジブチ
ル−3−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジ
ホスホナイト、テトラキス(2,6−ジブチル−4−メ
チルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイ
ト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−3−メチル
フェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、
テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェ
ニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テト
ラキス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニ
ル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラ
キス(2,5−ジ−t−ブチル−3−メチルフェニル)
−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス
(2,5−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)−
4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス
(2,5−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)−
4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス
(2,6−ジ−t−ブチル−3−メチルフェニル)−
4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス
(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)−
4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス
(2,6−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)−
4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス
(2,3−ジブチル−4−エチルフェニル)−4,4’
−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−
ジブチル−3−エチルフェニル)−4,4’−ビフェニ
レンジホスホナイト、テトラキス(2,5−ジブチル−
4−エチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホス
ホナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−3−
エチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナ
イト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−エチ
ルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイ
ト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−6−エチル
フェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、
テトラキス(2,5−ジ−t−ブチル−3−エチルフェ
ニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テト
ラキス(2,5−ジ−t−ブチル−4−エチルフェニ
ル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラ
キス(2,5−ジ−t−ブチル−6−エチルフェニル)
−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス
(2,6−ジ−t−ブチル−3−エチルフェニル)−
4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス
(2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェニル)−
4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス
(2,6−ジ−t−ブチル−5−エチルフェニル)−
4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス
(2,3,4−トリブチルフェニル)−4,4’−ビフ
ェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4,6−ト
リ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジ
ホスホナイトなどが挙げられる。
【0021】中でも、テトラキス(2,4−ジ−t−ブ
チル−フェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナ
イトなどの4,4’−ビフェニレンジホスホナイト化合
物が好ましく、特に好ましいものはテトラキス(2,4
−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4’−
ビフェニレンジホスホナイトが好適である。
【0022】本発明において、上記リン系化合物に代え
て分子内のリン原子に直接芳香環が結合した構造を有さ
ないリン系化合物を使用した場合は、本発明に記載の配
合量でこれを配合しても、ポリオレフィン及び/または
熱安定剤の劣化物がシリカ系AB剤に吸着して黒焦げと
なりやすく、得られる成形品は黒点、フィッシュアイ、
縦スジなどのために外観が不良となる。
【0023】また、本発明に用いられる分子内のリン原
子に直接芳香環が結合した構造を有すリン系熱安定剤の
配合量は、ポリオレフィン100重量部に対して、0.
01重量部〜0.5重量部であることが必要である。即
ち、シリカ系AB剤の配合量が0.01重量部未満の場
合、得られるフィルムの端面色が劣り、また、0.5重
量部を超えるとフィルムの臭気、フィルム表面へのブリ
ードアウトによる外観低下、ブロッキングなどの問題が
生じる。、本発明の目的を達成することができない。
【0024】上記範囲において、リン系熱安定剤の好適
な配合量の下限は、配合されるシリカ系AB剤の量(重
量部)に対して、0.1%以上、好ましくは0.2%以
上の量(重量部)である。
【0025】本発明のポリオレフィン組成物には、その
特性を著しく阻害しない範囲で、公知の耐侯安定剤、結
晶化核剤、充填材、顔料、帯電防止剤、重金属不活性化
剤、他の熱安定剤および滑剤などの各種添加剤を配合す
ることができる。
【0026】本発明のポリオレフィン組成物は、ポリオ
レフィンの融点以上の温度、好ましくは180℃〜30
0℃に加熱した通常の混練押出機を用いて製造すること
ができる。
【0027】また、本発明のポリオレフィン組成物は、
インフレーション法、Tダイキャスト法、カレンダー法
などでフィルムを製造することができる。
【0028】また、フィルムは一方向或いは二方向に延
伸しても良い。この場合の延伸フィルムの一方向におけ
る延伸倍率は、1.3倍〜6倍が好ましい。
【0029】本発明のポリオレフィン組成物は、押出機
先端のスクリーンメッシュ付近、押出機に接続されたス
パイラルダイス及びTダイスの出口付近、カレンダーロ
ールの隙間付近などの部分に黒焦げが付着しにくいため
に、フィルムを長期間連続製造することが可能である。
【0030】
【発明の効果】本発明のポリオレフィン組成物は、シリ
カ系AB剤を含有するフィルムの成形中に生成する黒焦
げを著しく低減しながら、端面色、アンチブロッキング
性に優れたポリオレフィンフィルムを提供することが可
能である。本発明のポリオレフィン組成物は、例えば、
食品、衣料、雑貨、建材、電気製品、工業用部品など各
種製品の包装用フィルム、建材、部材の保護フィルム、
化粧フィルムなどの製造に用いることができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例を掲げて説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0032】尚、実施例において、各種測定方法は以下
の方法による。
【0033】(1)メルトフローレート JIS K 7210に準じてポリオレフィンペレット
のメルトフローレート(MFR)を測定した。試験温度
は230℃、試験荷重は21.18Nであった。
【0034】(2)フィルムの透明性 JIS K 6714に準じてフィルムのヘーズ値を測
定した。
【0035】(3)フィルムの滑り摩擦係数 JIS K 7125に準じてフィルムの摩擦係数を測
定した。
【0036】(4)フィルムのブロッキング性 2枚のフィルム試料(12×12cm)を重ねあわせ、
98.1Nの荷重をかけて温度50℃の雰囲気に72時
間放置後、重ねあわせ部分が3×4cmとなるよう試料
を切り出し、引張試験機(速度100mm/分)でせん
断剥離強度を測定した。
【0037】(5)フィルムの口開き性 インフレーション法で製膜したフィルムを、製膜直後に
筒状に密着したまま、横方向に幅15mm、長さはフィ
ルム原反幅で切り出す。フィルムサンプルを引張荷重測
定器にセットした治具と粘着テープで接着し、剥離力を
測定した。
【0038】(6)フィルムの端面色 フィルムの端面を肉眼観察し、以下の3段階評価を行っ
た。
【0039】 ○:端面色が白 △:端面色が黄色 ×:端面色が褐色 (7)フィルムのフィッシュアイ フィルムを目視観察して、1m2当りに存在する面積0.
2mm2以上のフィッシュアイの個数を測定した。
【0040】また、実施例に先だって、実施例で用いた
AB剤、熱安定剤を表1及び表2に示した。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】実施例1 エチレン−プロピレン−ランダム共重合体の重合粉(エ
チレン含有量2.5重量%、MFR=8g/10分)1
00重量部に対し、シリカ系AB剤(富士シリシア社製
サイリシア430)を0.4重量部、リン系熱安定剤と
してテトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−
4,4’−ビフェニレンジホスホナイト0.04重量
部、フェノール系熱安定剤としてイルガノックス101
0を0.03重量部、塩素捕捉剤としてステアリン酸カ
ルシウム0.1重量部、滑剤としてエルカ酸アミド0.
1重量部とを100Lのヘンシェルミキサーで混合した
後、スクリュー径65mmΦの押出機を用いて230℃
で押出造粒し、ペレットを得た。このペレットを、スク
リュー径50mmΦの押出機で280℃にて溶融混練し
た後、径200mmΦのスパイラルダイより押出し、水
冷インフレーション法で厚み30μmのインフレーショ
ンフィルムを製造した。6時間連続製造後に得られたフ
ィルムの物性を表3に示す。
【0044】実施例2 実施例1におけるリン系熱安定剤の配合量を0.4重量
部に代えた以外は、同様にフィルムを製造した。得られ
たフィルムの物性を表3に示す。
【0045】実施例3 実施例1におけるAB剤を富士シリシア社製サイリシア
330、配合量を0.3重量部に代えた以外は、実施例
1と同様にフィルムを製造した。得られたフィルムの物
性を表3に示す。
【0046】実施例4 実施例3におけるAB剤の配合量を0.8重量部に代え
た以外は、同様にフィルムを製造した。得られたフィル
ムの物性を表3に示す。
【0047】実施例5 実施例1におけるエチレン−プロピレン−ランダム共重
合体の重合粉をプロピレン単独重合体の重合粉(MFR
=8g/10分)、AB剤の配合量を0.2重量部に代
えた以外は、同様にフィルムを製造した。得られたフィ
ルムの物性を表3に示す。
【0048】実施例6 実施例1におけるAB剤の配合量を0.5重量部、リン
系安定剤をテトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−
メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナ
イトに代えた以外は、同様にフィルムを製造した。得ら
れたフィルムの物性を表3に示す。
【0049】実施例7 実施例6で用いたのと同じプロピレン単独重合体の重合
粉100重量部に対し、AB剤として富士シリシア社製
サイリシア330を0.2重量部を用いた以外は、実施
例6と同様にペレットを得た。このペレットを、スクリ
ュー径50mmΦの押出機で280℃にて溶融混練した
後、幅1200mm、すき間1.6mmのTダイより押
出し、40℃に保ったロールで冷却しながら厚み30μ
mのTダイキャストフィルムを製造した。6時間連続製
造後に得られたフィルムの物性を表3に示す。
【0050】実施例8 実施例7におけるプロピレン単独重合体を高密度ポリエ
チレン(MFR=7g/10分)に代えた以外は、同様
にフィルムを製造した。得られたフィルムの物性を表3
に示す。
【0051】
【表3】
【0052】比較例1 実施例1におけるリン系熱安定剤の代わりに3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエンを0.1重量部
配合した以外は、同様にフィルムを製造した。得られた
フィルムの物性を表4に示す。
【0053】比較例2 実施例1におけるリン系熱安定剤の代わりにイルガノッ
クス1010を0.1重量部配合した以外は、同様にフ
ィルムを製造した。得られたフィルムの物性を表4に示
す。
【0054】比較例3 実施例1におけるリン系熱安定剤の代わりにビス(2,
6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリ
スリトールジホスファイトを0.03重量部配合した以
外は、同様にフィルムを製造した。得られたフィルムの
物性を表4に示す。
【0055】比較例4 実施例1におけるリン系熱安定剤の代わりにトリス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトを
0.1重量部配合した以外は、同様にフィルムを製造し
た。得られたフィルムの物性を表4に示す。
【0056】比較例5 実施例1におけるリン系熱安定剤の代わりにビス(2,
4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジ
ホスファイトを0.2重量部配合した以外は、同様にフ
ィルムを製造した。得られたフィルムの物性を表4に示
す。
【0057】比較例6 実施例1におけるリン系熱安定剤を配合しない以外は、
実施例1と同様にフィルムを製造した。得られたフィル
ムの物性を表4に示す。
【0058】比較例7 実施例1におけるリン系熱安定剤の配合量を0.8重量
部に代えた以外は、実施例1と同様にフィルムを製造し
た。得られたフィルムの物性を表4に示す。
【0059】比較例8 実施例8におけるAB剤の配合量を0.4重量部に代
え、リン系熱安定剤としてビス(2,6−ジ−t−ブチ
ル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホス
ファイト0.1重量部用いた以外は、実施例8と同様に
フィルムを製造した。得られたフィルムの物性を表4に
示す。
【0060】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA15 AA20 AA21 AA75 AA76 AB26 AC15 AE05 AE11 AF25 AF45 AH04 BB04 BB06 BB07 BB08 BB09 BC01 4J002 BB031 BB051 BB151 BB171 BP021 BP031 DJ016 EW117

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィンにシリカ系アンチブロッ
    キング剤及び分子内のリン原子に芳香環が直接結合した
    構造を有するリン系化合物よりなる熱安定剤が配合され
    てなり、上記リン系化合物よりなる熱安定剤の配合量
    が、該ポリオレフィン100重量部に対して、0.01
    重量部〜0.5重量部であることを特徴とするフィルム
    用ポリオレフィン組成物。
  2. 【請求項2】 分子内のリン原子に芳香環が直接結合し
    た構造を有するリン系化合物が一般式(I)及び一般式
    (II)で示されるリン系化合物より選ばれた少なくとも
    1種のリン系化合物である請求項1記載のフィルム用ポ
    リオレフィン組成物。 R1P(OR22 (I) (R2O)2PR1−R1P(OR22 (II) (但し、R1はフェニル基、またはフェニレン基、R2
    炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、または炭素数
    7〜15のフェニル基誘導体を示す。)
  3. 【請求項3】 リン系熱安定剤が4,4’−ビフェニレ
    ンジホスホナイト化合物であることを特徴とする請求項
    1のフィルム用ポリオレフィン組成物。
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