JP2000176957A - 射出成形体の製造方法 - Google Patents
射出成形体の製造方法Info
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- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
Abstract
基材よりなる離型フィルムを使用した射出成形体の製造
方法を提供する。 【解決手段】ポリオレフィン基材表面にシリコーン樹脂
層を形成してなる離型フィルムを使用後、粘着フィルム
の保護フィルムとして使用後、廃離型フィルムとして回
収し、ポリオレフィンよりなる射出成形体の原料として
使用し、その際、該得られる射出成形体中のシリコーン
の樹脂量を0.1〜3重量%の範囲に調整する。
Description
が積層されたポリオレフィン基材よりなる離型フィルム
を使用した射出成形体の製造方法に関する。
ッカー等の表示媒体に粘着層を設けてなる粘着フィルム
における該粘着層の保護フィルムとして用いられる。
を含むものである。また、「フィルム」なる表現も厚み
に関して厳密な意味を有するものではなく、シートをも
包含するものである。
るものと合成樹脂を基材とするものに大別される。例え
ば、紙の場合、紙にポリエチレンをラミネートし該ラミ
ネート面に必要に応じてコロナ処理等の表面改質を行い
離型性を有する反応性シリコーンを架橋剤と重合開始剤
と共に塗布、硬化せしめ製造される。一方、合成樹脂を
基材とする場合は、該合成樹脂のシートもしくはフィル
ムに必要に応じてシリコーンとの密着性を良好にするた
めの表面処理、例えばアンダーコート、コロナ放電処
理、プラズマ放電処理、フレーム処理を施した後、メチ
ルビニルポリシロキサンとメチルハイドロジェンポリシ
ロキサン及び白金族原子を含む重合触媒の混合物を合成
樹脂表面に塗布し硬化せしめて製造される。
前記粘着フィルムの粘着層に対して保護フィルムとして
機能する。そして、離型フィルムより粘着フィルムを剥
がして使用され、この時点で離型フィルムは廃棄物とな
る。
全てが廃棄物となるものである。一般に、紙基材の離型
紙は、紙にポリオレフィン樹脂をラミネートしたものが
用いられているために廃棄物となった離型紙を再生利用
しようとすると牛乳パックと同様、多くの工程と時間を
経ねばならず経済的に極めて不利であり、焼却処分せざ
るを得ないのが現状である。
未だ十分に普及しておらず、その再利用について検討し
た報告は殆どない。また、合成樹脂よりなる離型フィル
ムの再利用に関し、再ペレット化することが考えられる
が、この場合、シリコーン皮膜層が存在することによ
り、溶融混練時にスクリューの滑りが生じ廃離型フィル
ムがスクリューに食い込まず再生ペレットの製造が困難
であったり、再生ペレットの合成樹脂の物性が原料樹脂
と比べ著しく変化することが懸念される。
基材とする離型フィルムについて、ペレット化を試みた
が、上記問題が存在することを確認した。
廃棄された後、焼却処分せざるを得ないのが現状であ
る。
は、前記離型フィルムの実用的且つ有効な再利用方法を
提供することにある。
的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、驚くべきこと
に、ポリオレフィン樹脂を原料としたポリオレフィン基
材を有する前記離型フィルムは、通常の押出機において
容易にペレット化することができ、これを含有されるシ
リコーン樹脂量を特定の範囲に調整して射出成形体の原
料として使用した場合、十分実用に供することのできる
射出成形体が得られることを見い出し、本発明を完成す
るに至った。
にシリコーン樹脂層を形成してなる離型フィルムを使用
後、粘着フィルムの保護フィルムとして使用後、廃離型
フィルムとして回収し、ポリプロピレンよりなる射出成
形体の原料として使用し、その際、該得られる射出成形
体中のシリコーンの樹脂量を0.1〜3重量%(wt
%)の範囲に調整することを特徴とする射出成形体の製
造方法である。
おけるポリオレフィン基材は、公知のポリオレフィン樹
脂、即ち、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等よ
り構成される。 ポリエチレン樹脂の種類としては高密
度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポ
リエチレンなどが挙げられる。ポリプロピレン樹脂とし
てはポリプロピレン樹脂単独重合体、プロピレンと少な
くとも一種類以上の他のα−オレフィンとのランダム共
重合体、ブロック共重合体などが挙げられる。プロピレ
ンと共重合せしめるα−オレフィンとしては、エチレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘ
プテン、1−オクテン、3−メチル−1−ブテン、4−
メチル−1−ペンテン等が挙げられる。また、これらの
ポリエチレン樹脂とポリプロピレン樹脂との混合物であ
ってもよい。この中でも特に結晶性を有する樹脂が好適
であり、比較的融点の高いポリプロピレン樹脂が最も好
適である。
シート用に使われる一般的な添加剤を加える事ができ
る。具体的な添加剤としては熱安定剤、加工安定剤、高
分子結晶核剤、塩素捕捉剤、アンチブロッキング剤等が
掲げられる。これらの種類と量に関しては本発明の効果
が阻害されない限り制限を受けるものではない。
っても二種類以上の層で形成される多層であってもよ
い。即ち、ポリオレフィン樹脂を単独で成形し得られる
単層フィルム、樹脂のモノマー構成が異なる事によって
融点や剛性等の性質が異なる二種類以上の樹脂を複層化
し二層以上よりなる一つのフィルムとする方法が含まれ
る。また、上記ポリオレフィン基材は、延伸されていて
もされていなくてもなんら差し支えない。即ち、無延伸
フィルムであっても一軸以上で延伸されていてもよい。
樹脂被膜層を構成するシリコーン樹脂は、オレフィンフ
ィルム上に積層可能で、離型性を有する公知のシリコー
ン樹脂が特に制限なく使用される。例えば、メチルビニ
ルポリシロキサンとメチルハイドロジェンシロキサン及
び白金族原子を含む重合触媒の混合物を重合硬化せしめ
たものが一般に使用される。また、上記シリコーン樹脂
の積層において、ポリオレフィン基材の表面にアンカー
コート層を形成する等の公知の処理も制限なく実施でき
る。
して熱、紫外線、電子線のいかなる方法を用いて重合硬
化されたものであっても、本発明の効果が阻害されない
限り制限を受けない。
されるシリコーン樹脂層の量は、0.03〜3.5g/
m2であることが好ましく、0.05〜3g/m2、特
に、0.1〜2g/m2であることが好ましい。
シリコーン樹脂被膜層がポリオレフィン樹脂に対して
0.03g/m2未満では離型フィルムの本来の目的で
ある離型性にバラツキが生じ実用に使えない。一方、ポ
リオレフィンフィルム上に形成されるシリコーン樹脂層
がポリオレフィン樹脂に対して3.5g/m2を超える
場合は、再生ペレットを作成するにあたり、溶融混練法
を用いるとスクリューが滑りペレット化を困難とする傾
向がある。また、上記範囲の量でシリコーン樹脂層を有
する離型フィルムは、これを使用後、廃離型フィルムと
して後記の射出成形体の原料として使用する場合、別途
希釈のためのポリオレフィンを添加することなく、その
まま使用することができ好ましい。
られた離型フィルムを、粘着フィルムの保護フィルムと
して積層し、該離型フィルムより粘着フィルムを剥がし
て使用された後に残存する離型フィルムである。
ベルの場合を例にとって説明する。離型フィルムに、粘
着層を積層した表示媒体、例えば紙、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、等のフィル
ム状物をラミネートした粘着フィルム(タック原反)を
製造し、印刷、打ち抜き(通常は、粘着フィルム部分の
みを打ち抜く。)を施してタックラベルとし、該タック
ラベルを離型フィルムより剥がして被着体に貼付するこ
とにより、離型フィルムとしての役割を終了する。
収し、ポリオレフィンよりなる射出成形体の原料として
使用する。
ら、ポリオレフィン基材の原料として使用する場所に直
接運搬され再生化される場合もあれば、印刷打ち抜きさ
れた場所に移動し、そこから再生化される場合もある。
また、廃離型フィルムは概ねロールの形で回収されまと
めて再生化の工程に供されるものである。ロールの形で
回収される場合も連続的に回収される場合とバッチ運転
で回収される場合もあるが本件発明はこれらの方法に制
限を受けるものではない。
は、公知の手段で溶融し、射出成形体に成形することが
できる。この場合、前記回収したロールより廃離型フィ
ルムを押出成形機に順次連続的に供給する方法や、廃離
型フィルムを裁断してフレアとした後、熱を加えてフレ
ークにした後、押出成形機に供給する方法等が採用され
るが、本発明の効果が阻害されない限り、その方法に制
限を受けるものではない。
成形体を成形する場合、該射出成形体に含有されるシリ
コーン樹脂含量は0.1〜3wt%に調整することが重
要である。
脂の含有量がポリオレフィン樹脂に対して0.1wt%
未満の場合は、希釈のためのポリオレフィンを必要と
し、経済的でない。一方、ポリオレフィン層にシリコー
ン樹脂が3wt%を超えて含む場合は、得られる射出成
形体の物性の低下、表面状態の悪化が起こり、実用的な
射出成形体を得ることが困難となる。
2.0wt%であることが更に好ましく、0.1〜1.
0wt%であることが最も好ましい。
るポリオレフィンの射出成形体は、これを含まないポリ
オレフィンの射出成形体と比べて物性面での低下が殆ど
ないばかりか、得られる射出成形体の引張破断伸びが著
しく改良されるという効果を発揮する。
に応じて着色のためにカラーマスターバッチを適宜添加
し成形する事もできる。また成形温度や方法によって
は、熱履歴によって樹脂劣化が危惧される場合がある
が、その際は熱安定剤や加工安定剤のマスターバッチを
適宜添加することもできる。
に調整する方法としては、ポリオレフィン基材上に塗布
硬化せしめるシリコーン樹脂層の量を調整する方法、廃
離型フィルムと共にポリオレフィン樹脂を使用し、該ポ
リオレフィン樹脂で希釈する方法などが挙げられる。
基材表面の少なくとも片面にシリコーン樹脂層を形成し
てなる離型フィルムを使用後、射出成形品原料と再利用
する際に、シリコーン樹脂量を調節することで、得られ
る射出成形品は曲げ弾性率等の一般物性の著しい低下も
なく破断伸び強度が著しく向上するものであり、その実
用的価値は極めて高い。
るが、本発明がこれらに限定されるものではない。
装置(Lab−X3000)を用いケイ素の量を定量し
あらかじめ作成していおいた検量線よりシリコーン樹脂
量を定量した。
min.の結晶性ホモポリプロピレン100重量部、酸
化防止剤として2,6−ジ−t−ブチルヒドロキシトル
エン0.1重量部、塩素補足剤としてステアリン酸カル
シウム0.1重量部、ポリシクロペンテン10wtpp
mをヘンシェルミキサーを用いて5分間混合した。その
後該組成物を口径60mmの押出造粒機を用い230℃
にてペレット化した。以下原料ペレットAという。
Aを用いて以下の方法にてキャストフィルムを作成し
た。
トAを供給し、樹脂温度230℃にてTダイより押出
し、30℃の冷却ロールを通して厚み60μmの単層フ
ィルムを得た。引き続き片方の表面の濡れ指数が40m
N/mとなるようにコロナ放電処理を施し、次いで40
℃にて24時間エージングした。
コロナ放電処理面に離型性シリコーン(東レ・ダウコー
ニング・シリコーン社製LTC760A;100部とS
RX−212cat.;1部を混合した溶液)をグラビ
ヤコーターを用いて該離型性シリコーンの固形分濃度が
0.1g/m2となるように塗工し次いで連続的に12
0℃の乾燥炉を通し溶剤の除去とシリコーン樹脂の硬化
を行い、キャストフィルム上にシリコーン樹脂を積層し
た。これを以下セパレーターと言う。
パレーターのシリコーン被膜面に粘着剤(日本合成化学
社製:コーポニール8711;100部とコロネートL
55E;1.75部を混合した溶液)をグラビヤコータ
ーを用いて固形分濃度が20g/m2となるように塗工
し次に連続的に100℃の乾燥炉を通し溶媒の除去を行
った。引き続き表示媒体となるポリエステルフィルム
(東洋紡PET:E5100)を粘着剤側にラミネート
した。その後、40℃で50時間エージングした。以下
粘着原反という。
なるPETフィルムを剥がしセパレーターのみをロール
に巻き取った。ロールに巻き取られた使用済みセパレー
ターを再生造粒装置(日立造船社製;ハイルーダー)を
用いて溶融、シート成形、カッティングし再生ペレット
化した。
トを用いて日鋼150T射出成形機を用いて射出成形体
を作成した。
準拠して行った。
脂は0.17wt%であった。
めた。
分濃度を0.3g/m2となるように調整した以外は実
施例1と同様に行った。結果を表−1にまとめた。
分濃度が0.6g/m2となるように調整した以外は実
施例1と同様に行った。結果を表−1にまとめた。
ムを作成した以外は実施例1と同様に行った。
l%含むメルトフローレート7.0g/10min.の
結晶性ランダムポリプロピレン100重量部、酸化防止
剤として2,6−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン
0.1重量部、塩素補足剤としてステアリン酸カルシウ
ム0.1重量部、をヘンシェルミキサーを用いて5分間
混合した。その後該組成物を口径60mmの押出造粒機
を用い230℃にてペレット化した。以下原料ペレット
Bという。
リュー径75mmの中心層用押出し機及びスクリュー径
50mmの表層用副押出し機2台からなり、マルチマニ
ホールド方式のTダイを有する3種3層共押出し装置を
用いて、中心層からペレットAを樹脂温度230℃で押
出し、2台の副押出し機よりペレットBを230℃で押
出し、60℃の冷却ロールを通して厚み60μmの2種
3層フィルムを得た。引き続き片方の表面の濡れ指数が
40mN/mとなるようにコロナ放電処理を施し、次い
で40℃にて24時間エージングした。
実施例1の離型処理の際に離型性シリコーンの固形分濃
度を0.3g/m2に調整した以外は実施例1と同様に
行った。結果を表−1にまとめた。
実施例1の離型処理の際に離型性シリコーンの固形分濃
度を0.6g/m2に調整した以外は実施例1と同様に
行った。結果を表−1にまとめた。
は実施例1と同様に行った。
Tフィルムを剥がしセパレーターのみをロールに巻き取
る操作ができなかったのでいわゆるキャストフィルムの
みを再生ペレット化しその射出成形体の物性評価を行っ
た。結果を表−1にまとめた。
モポリプロピレン100重量部、シリコーン樹脂粒子
(粒径2μm)0.5重量部、酸化防止剤として2,6
−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン0.1重量部、塩
素補足剤としてステアリン酸カルシウム0.1重量部、
ポリシクロペンテン10wtppmをヘンシェルミキサ
ーを用いて5分間混合した。その後該組成物を口径60
mmの押出造粒機を用い230℃にてペレット化した。
以下原料ペレットCという。
レットCを使用し、離型処理を行わなかった以外は実施
例1と同様に行った。
Tフィルムを剥がしセパレーターのみをロールに巻き取
る操作ができなかったのでいわゆるキャストフィルムの
みを再生ペレット化しその射出成形体の物性評価を行っ
た。結果を表−1にまとめた。
Claims (2)
- 【請求項1】ポリオレフィン基材表面にシリコーン樹脂
層を形成してなる離型フィルムを使用後、粘着フィルム
の保護フィルムとして使用後、廃離型フィルムとして回
収し、ポリオレフィンよりなる射出成形体の原料として
使用し、その際、該得られる射出成形体中のシリコーン
の樹脂量を0.1〜3重量%の範囲に調整することを特
徴とする射出成形体の製造方法。 - 【請求項2】ポリオレフィン基材として結晶性ポリプロ
ピレンを用いた請求項1記載の射出成形体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30235098A JP4118412B2 (ja) | 1998-10-09 | 1998-10-23 | 射出成形体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28852698 | 1998-10-09 | ||
JP10-288526 | 1998-10-09 | ||
JP30235098A JP4118412B2 (ja) | 1998-10-09 | 1998-10-23 | 射出成形体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000176957A true JP2000176957A (ja) | 2000-06-27 |
JP4118412B2 JP4118412B2 (ja) | 2008-07-16 |
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ID=26557214
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30235098A Expired - Fee Related JP4118412B2 (ja) | 1998-10-09 | 1998-10-23 | 射出成形体の製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4118412B2 (ja) |
-
1998
- 1998-10-23 JP JP30235098A patent/JP4118412B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP4118412B2 (ja) | 2008-07-16 |
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