JP2000176721A - 円筒部材の溝形成方法および溝形成装置 - Google Patents
円筒部材の溝形成方法および溝形成装置Info
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Abstract
ー部の強度を向上させた溝を容易に形成することができ
る溝形成方法およびその装置を提供すること。 【解決手段】切削加工により凹状の溝80を形成した
後,溝80の底コーナ部85を加工硬化させるフィレッ
ト加工を施す。回転可能な円盤形状を有すると共にその
外周端に溝80の底コーナ部85を押圧するための押圧
面215を有し,かつ,その回転軸芯C1を円筒部材8
の軸芯C2と略平行に設けてなるフィレットツール21
を用いる。フィレットツール21と円筒部材8とを相対
的に回転させながらフィレットツール21の押圧面21
5を溝80の内部に挿入して,底コーナ部85を押圧面
215により押圧して圧縮加工する。
Description
にリング状の溝を形成し,かつ,溝形成部の強度を向上
させる方法に関する。
または外周面にリング状(環状)の溝を設けることがあ
る。この溝の形成は通常切削加工により行われる。例え
ば,図19(a)に示すごとく,円筒状部品8は,その
内周面にスナップリングを配設するためのリング状の溝
80を設ける必要がある。この溝の形成は,図19
(a)に示すごとく,バイト90を用いて切削加工する
ことにより行う。
筒部材の溝形成方法においては,次の問題がある。即
ち,円筒部材8の内周面あるいは外周面にリング状の溝
を形成した場合には,応力集中しやすい部分である溝8
0の底面端部(底コーナー部)85の強度が不足し,そ
の底コーナ部85において破損しやすくなる。
筒部材の素材自体を高強度材に変更して強度を向上させ
る方策が採られていた。具体的には,円筒部材がアルミ
ニウム合金製の場合には,例えばADC12という材質
をADT17(高強度アルミダイカスト合金,Si:1
7%)という材質に変更するというような対策を行って
いた。
部の強度向上を図ることはできるが,素材コストおよび
加工コストの増加を来してしまう。例えば上記アルミニ
ウム合金の場合には,素材コストが増加し,また,溝加
工性が悪化して加工コストが増加する。
アップさせる方法として,所望箇所にフィレット加工を
施す方法が知られている。しかしながら,図19(b)
に示すごとく,従来のフィレット加工は,溝80の幅が
狭い場合には,フィレットツール95と溝開口端89と
が干渉し,所望部分,即ち溝の底コーナ部85にフィレ
ットツール95を押し当てることさえできない場合があ
った。即ち,従来は,狭い幅の溝80の底コーナ部85
を局部的に強化する有効な技術は知られていなかった。
されたもので,円筒部材の内周面または外周面に,底コ
ーナー部の強度を向上させた溝を容易に形成することが
できる溝形成方法およびその装置を提供しようとするも
のである。
面または内周面にリング状の溝を形成する方法におい
て,切削加工により凹状の溝を形成した後,該溝の底コ
ーナ部を加工硬化させるフィレット加工を施すに当た
り,回転可能な円盤形状を有すると共にその外周端に上
記溝の底コーナ部を押圧するための押圧面を有し,か
つ,その回転軸芯を上記円筒部材の軸芯と略平行に設け
てなるフィレットツールを用い,該フィレットツールと
上記円筒部材とを相対的に回転させながら上記フィレッ
トツールの上記押圧面を上記溝の内部に挿入して,上記
底コーナ部を上記押圧面により押圧して圧縮加工するこ
とを特徴とする円筒部材の溝形成方法にある。
削加工後に,回転軸芯が上記円筒部材の軸芯と略平行で
あるフィレットツールを用い,該フィレットツールの上
記押圧面の押圧によって上記溝の底コーナ部を圧縮加工
して加工硬化させることである。
挿入可能な,即ち上記溝の溝幅よりも厚みが小さい円盤
形状を有する。また,上記押圧面は,その円盤形状の外
周端に設ける。また,上記押圧面は,溝の底コーナ部に
対応するように,外周端における厚み方向の上端または
下端あるいは両端に設ける。また,上記フィレットツー
ルの回転軸芯は,上記のごとく,被加工物である円筒部
材の軸芯と略平行に設ける。
本発明においては,切削加工により溝を形成した後,上
記特殊な構造のフィレットツールを用いてフィレット加
工を行う。上記フィレットツールとしては,上記のごと
く,その回転軸芯が円筒部材の軸芯と略平行である円盤
状のものを用いる。これにより,円盤状のフィレットツ
ールを上記円筒部材の内周面または外周面に対して略垂
直に位置させることができる。
は,上記溝に対して正面から真っ直ぐに挿入することが
でき,上記底コーナ部に対して上記フィレットツールの
押圧面を容易に当接させることができる。それ故,溝幅
が狭い場合であっても,上記構造のフィレットツールを
用いることにより,容易にフィレット加工を実施するこ
とができる。
レット加工により,溝の底コーナ部は,圧縮加工により
加工硬化する。そのため,溝部の強度は従来よりも大幅
に向上させることができる。それ故,従来のような材質
強度アップ等を行う必要もなく,素材コストの増加や加
工性悪化による加工コストの増加等を防止することがで
きる。
内周面または外周面にコーナー部の強度を向上させた溝
を形成することができる溝形成方法を提供することがで
きる。
レットツールの上記押圧面は,円弧状に突出した突出部
と,該突出部の曲率と逆方向の曲率の円弧状の基端部と
を組合わせてなるS字形の断面形状を有していることが
好ましい。この場合には,上記押圧面により圧縮加工さ
れた圧縮加工部と,圧縮加工されなかった非圧縮加工部
との境界部を,バリ等のないスムーズな形状に仕上げる
ことができる。
面または内周面に形成したリング状の溝の底コーナ部を
加工硬化させるフィレット加工装置であって,回転可能
な円盤形状を有すると共にその外周端に上記溝の底コー
ナ部を押圧するための押圧面を有し,かつ,その回転軸
芯を上記円筒部材の軸芯と略平行に設けてなるフィレッ
トツールと,上記フィレットツールと上記円筒部材とを
相対的に回転させる回転手段とを有することを特徴とす
るフィレット加工装置にある。
上記フィレットツールを,上記回転手段によりフィレッ
トツールと円筒部材とを相対的に回転させると共に上記
溝の底コーナ部に上記押圧面を押し当てることにより,
上記優れた溝形成方法を容易に実施することができる。
そして,これにより,材質強度アップ等を行うことな
く,溝部の強度を従来よりも大幅に向上させることがで
きる。
レットツールの上記押圧面は,円弧状に突出した突出部
と,該突出部の曲率と逆方向の曲率の円弧状の基端部と
を組合わせてなるS字形の断面形状を有していることが
好ましい。これにより,上記のごとく,圧縮加工部と非
圧縮加工部の境界部をスムーズな形状にすることができ
る。
面または内周面にリング状の溝を形成する方法におい
て,切削加工により凹状の溝を形成するための刃先と,
該刃先の逃げ面に設けられ切削加工された溝の底コーナ
部を押圧して加工硬化させるための押圧面とを有するバ
イトを用い,まず,上記刃先が上記円筒部材に接触する
ように上記バイトを位置させて,該バイトと上記円筒部
材とを相対的に回転させながら上記円筒部材と上記切削
刃部とを接触させて溝を切削加工し,次いで,上記押圧
面が上記溝の底コーナ部に接触するように上記バイトを
位置させて,該バイトと上記円筒部材とを相対的に回転
させながら上記円筒部材と上記押圧面とを接触させて溝
の底コーナ部を圧縮加工することを特徴とする円筒部材
の溝形成方法にある。
記刃先の逃げ面に上記押圧面を設けたバイトを用い,該
バイトと円筒部材との接触位置を変更することにより,
上記切削加工と加工硬化とを1つのバイトを用いて行う
ことである。
突出部と,該突出部の曲率と逆方向の曲率の円弧状の基
端部とを組合わせてなるS字形の断面形状を有している
ことが好ましい。これにより,上記と同様に,上記押圧
面による圧縮加工部と非圧縮加工部の境界部をスムーズ
な形状にすることができる。
明においては,上記刃先の逃げ面に上記押圧面を有する
バイトを用いる。そのため,溝の切削加工と溝の加工硬
化とを,1つのバイトにより行うことができる。即ち,
まず,上記刃先を円筒部材に接触させた状態でバイトと
円筒部材とを相対的に回転させることにより溝の切削加
工を行う。次いで,バイトの位置を変更して逃げ面に設
けた押圧面を溝の底コーナ部に当接させた状態でバイト
と円筒部材とを相対的に回転させることにより,底コー
ナ部を圧縮加工により加工硬化させることができる。
ば,溝を切削加工するだけでなく,溝を加工硬化させる
ことができる。それ故,材質強度アップ等を行うことな
く,溝部の強度を従来よりも大幅に向上させることがで
きる。
面または内周面にリング状の溝を形成する装置におい
て,切削加工により凹状の溝を形成するための刃先と,
該刃先の逃げ面に設けられ切削加工された溝の底コーナ
部を押圧して加工硬化させるための押圧面とを有するバ
イトと,該バイトを保持すると共に上記円筒部材との接
触部位を上記刃先あるいは上記押圧面のいずれかに切替
えるために上記バイトの固定位置を変更する位置変更手
段と,上記バイトと上記円筒部材とを相対的に回転させ
る回転手段とを有することを特徴とする円筒部材の溝形
成装置にある。
トの固定位置を上記位置変更手段により変更して,上記
回転手段によりバイトと円筒部材とを相対的に回転させ
ることにより,上記優れた溝形成方法を容易に実施する
ことができる。
面または内周面にリング状の溝を形成する方法におい
て,切削加工により凹状の溝を形成するための切削刃部
と切削加工された溝の底コーナ部を押圧して加工硬化さ
せるための押圧面を有する圧縮部とよりなると共にこれ
らを同心円上において同時に回転可能に設け,かつ,上
記切削刃部の先端の回転半径Aと上記圧縮部の先端の回
転半径BとはB≧Aの関係にある複合工具を用い,該複
合工具を回転させながら上記円筒部材に上記切削刃部と
上記圧縮部とを交互に接触させて,切削と圧縮加工とを
交互に行うことを特徴とする円筒部材の溝形成方法にあ
る。
記切削刃部と圧縮部とを併せ持つ上記複合工具を用い,
上記溝の切削加工と圧縮加とを交互に行うことである。
に用いられるバイト等を適用することができる。また,
上記圧縮部としては,上述したフィレットツールのよう
に回転可能な円盤状のものでもよいし,固定されて上記
溝と摺動するタイプのものでもよい。また,上記切削刃
部の先端の回転半径Aと上記圧縮部の先端の回転半径B
とはB≧Aの関係とする。B<Aの場合には,底コーナ
部を加工硬化させることが困難となる。
に突出した突出部と,該突出部の曲率と逆方向の曲率の
円弧状の基端部とを組合わせてなるS字形の断面形状を
有していることが好ましい。これにより,上記押圧面に
より実際に圧縮加工された部分と,圧縮加工されなかっ
た隣接部との境界部を,バリ等のないスムーズな形状に
仕上げることができる。
本発明においては,上記切削刃部と圧縮部とを有する上
記複合工具を回転させながら上記円筒部材の内周面また
は外周面に接触させる。また,上記切削刃部と圧縮部の
回転半径の関係は,上記のごとく,B≧Aの関係にあ
る。そのため,上記切削刃部により切削加工されて形成
された溝部の上記底コーナ部には,B−Aの寸法分だけ
圧縮するように上記押圧面が当接する。それ故,底コー
ナ部は,押圧面により圧縮加工されて加工硬化する。
切削加工するだけでなく,溝を加工硬化させることがで
きる。それ故,材質強度アップ等を行うことなく,溝部
の強度を従来よりも大幅に向上させることができる。
部は上記複合工具上において回転可能に設けられている
ことが好ましい。即ち,上記圧縮部は,上記複合工具全
体の回転により公転しつつ,自己の回転により自転でき
るよう設けることが好ましい。この場合には,上記圧縮
部の押圧面と溝の底コーナ部とを摺動させずにスムーズ
に接触させることができるので,摩擦熱の発生等による
不具合を防止しつつ,スムーズに圧縮加工することがで
きる。
面または内周面にリング状の溝を形成する装置におい
て,切削加工により凹状の溝を形成するための切削刃部
と切削加工された溝の底コーナ部を押圧して加工硬化さ
せるための押圧面を有する圧縮部とよりなると共にこれ
らを同心円上において同時に回転可能に設け,かつ,上
記切削刃部の先端の回転半径Aと上記圧縮部の先端の回
転半径BとはB≧Aの関係にある複合工具と,該複合工
具を回転させながら上記円筒部材に上記切削刃部と上記
圧縮部とを交互に接触させるよう上記複合工具を移行さ
せる工具移行手段と上記複合工具と上記円筒部材とを相
対的に回転させる回転手段とを有を有することを特徴と
する円筒部材の溝形成装置にある。
工具を,上記工具移行手段により回転させながら移行さ
せると共に,上記回転手段により複合工具と円筒部材と
を相対的に回転させることにより,上記優れた溝形成方
法を容易に実施することができる。
縮部は上記複合工具上において回転可能に設けられてい
ることが好ましい。これにより,上記のごとく,上記圧
縮部を公転させると共に自転させることができ,上記押
圧面と溝の底コーナ部とを摺動させずにスムーズに接触
させることができる。
周面または内周面にリング状の溝を形成する方法におい
て,切削加工する溝の底部の形状に対応して設けたすく
い面の外周端に切刃を形成し,かつ,該すくい面の先端
コーナ部の少なくとも一方には,上記すくい面の端部を
内方に後退させて露出させたバニッシュ部を有するバイ
トを用い,該バイトと上記円筒部材とを相対的に回転さ
せながら両者を接触させて上記すくい面の外周端に沿っ
て切削加工を施すと共に上記バニッシュ部によって溝の
底コーナ部を押圧して圧縮加工することを特徴とする円
筒部材の溝形成方法にある。
記すくい面の先端コーナ部に上記バニッシュ部を設けて
なるバイトを用いることにより,溝の切削加工と溝の加
工硬化とを同時に行うことである。上記バニッシュ部
は,上記のごとく,すくい面の先端コーナ部を内方に後
退させることにより,すくい面よりも内部の部分を露出
させて設けてなる。上記バニッシュ部の具体的な形成方
法としては,すくい面の先端コーナ部の刃先を研磨して
丸めることにより,すくい面の境界部を内方に後退させ
る方法がある。
明においては,上記すくい面の先端コーナ部に上記バニ
ッシュ部を有するバイトを用いて溝の切削加工を行う。
そのため,まず,切削は,上記バニッシュ部が存在する
部分を残したまま,すくい面の境界部に沿って行われ
る。次いで,バニッシュ部の存在によって切削されずに
残った部分は,上記バニッシュ部によって押圧され,圧
縮加工される。そして,この圧縮加工により,溝の底コ
ーナ部は,加工硬化される。
部を有する特殊なバイトを用いることにより,溝の切削
加工と同時に溝の底コーナ部を加工硬化させることを非
常に容易に行うことができる。そのため,材質強度アッ
プ等を行うことなく,溝部の強度を従来よりも大幅に向
上させることができる。
周面または内周面にリング状の溝を形成するバイトにお
いて,切削加工する溝の底部の形状に対応して設けたす
くい面の外周端に切刃を形成し,かつ,該すくい面の先
端コーナ部の少なくとも一方には,上記すくい面の端部
を内方に後退させて露出させたバニッシュ部を有し,該
バニッシュ部により上記すくい面の外周端に沿って形成
された溝の底コーナ部を押圧して圧縮加工するよう構成
したことを特徴とする円筒部材の溝形成用バイトにあ
る。
法を容易に実施することができ,上記のごとく溝の切削
加工と溝の底コーナ部を加工硬化させることを非常に容
易に容易に行うことができる。
びフィレット加工装置につき,図1〜図5を用いて説明
する。本例は,図2(a)(b)に示すごとく,底部8
9を有する円筒部材8の内周面81にリング状の溝80
を形成する例である。この円筒部材8の外径はφ137
mm,円筒部の肉厚は4.2mmである。そして,内周
面81に設ける溝は,幅1.4mm,深さ1.5mmの
溝である。
当たっては,まず,図1(a)に示すごとく,溝切削用
のバイト11により切削加工して凹状の溝80を形成す
る。次いで,図1(b)に示すごとく,溝80の底コー
ナ部85を加工硬化させるフィレット加工を施す。
工装置2は,図1(b),図3に示すごとく,フィレッ
トツール21と,回転手段23とよりなる。フィレット
ツール21は,図1(b),図3に示すごとく,回転可
能な円盤形状を有すると共にその外周端に上記溝80の
底コーナ部85を押圧するための押圧面215を有し,
かつ,その回転軸芯C1を円筒部材8の軸芯C2と略平
行に設けてなる。
は,フィレットツール21の押圧面215は,円弧状に
突出した突出部216と,突出部216の曲率R1と逆
方向の曲率R2の円弧状の基端部217とを組合わせて
なるS字形の断面形状を有している。また,この押圧面
215は,フィレットツール21の外周端部における厚
み方向上端部のみに設けてある。そして,他端部は,6
0度のテーパ形状に沿って,小径化してある。また,フ
ィレットツール21は,その厚みを溝幅よりも小さい
1.2mmとした。
21と円筒部材8とを相対的に回転させる手段である。
この回転手段23は,図3に示すごとく,主軸保持部2
20に上下動可能に保持される主軸22と,円筒部材8
をセットしてこれを左右に移動させるテーブル部230
とよりなる。主軸22には,回転軸芯となる軸部225
を介してフィレットツール21を回転可能に配設してあ
る。そして,フィレット加工装置2は,主軸22の上下
動と,テーブル部230の左右移動によって,フィレッ
トツール21と円筒部材8との位置合わせおよび相対的
な回動を行うよう構成されている。
い,図4に示すごとく,フィレットツール21と円筒部
材8とを相対的に回転させながらフィレットツール21
の押圧面215を溝80の内部に挿入して,底コーナ部
85を上記押圧面により押圧して圧縮加工する。このと
きのフィレットツール21の押圧は,図1(b)に示す
ごとく,溝80の底コーナ部85において,X方向だけ
でなくY方向にも押圧力がかかるように行う。
例においては,切削加工により溝80を形成した後,上
記特殊な構造のフィレットツール21を有するフィレッ
ト加工装置2を用いてフィレット加工を行う。上記フィ
レットツール21は,上記のごとく,その回転軸芯C1
が円筒部材の軸芯C2と略平行である。そのため,図1
(b)に示すごとく,フィレットツール21を上記円筒
部材の内周面または外周面に対して略垂直に位置させる
ことができる。
1は,溝80に対して正面から真っ直ぐに挿入すること
ができ,底コーナ部85に対して押圧面215を容易に
当接させることができる。それ故,本例のように溝80
の溝幅が狭い場合であっても,上記構造のフィレットツ
ール21を用いることにより,容易にフィレット加工を
実施することができる。
ィレット加工によって従来よりも大幅に強度アップさせ
ることができる。それ故,従来のような材質強度アップ
等を行う必要もなく,素材コストの増加や加工性悪化に
よる加工コストの増加等を防止することができる。
の押圧面215の形状による影響を観察した。即ち,図
6に示すごとく,実施形態例1と同様のフィレットツー
ル21と,異なる形状の押圧面265を有するフィレッ
トツール26とを準備し,これらを用いて実施形態例1
と同様に溝8のフィレット加工を行った。
のごとく,円弧状に突出した突出部216と,突出部2
16の曲率R1と逆方向の曲率R2の円弧状の基端部2
17とを組合わせてなるS字形の断面形状を有する押圧
面215を有するものである。一方,図6に示すフィレ
ットツール26は,円弧状に突出した突出部266を有
し,曲率を逆転させることなくテーパ面267につない
だ断面形状を有している。
に示す。同図(a)は,上記フィレットツール21によ
りフィレット加工したものであり,同図(b)は,上記
フィレットツール26によりフィレット加工したもので
ある。同図より知られるごとく,上記S字形の断面形状
を有する押圧面215を有するフィレットツール21の
場合には,実際に圧縮加工された底コーナ部85の圧縮
部とこれに隣接する非圧縮部との境界がスムーズな形状
となった。
を有するフィレットツール26の場合には,上記境界部
にバリ状の突起87が形成された。この結果から,フィ
レットツールの押圧面は,上記のごとくS字形の断面形
状とすることが好ましいということが分かる。
85の強度アップ効果を定量的に評価した。具体的に
は,実施形態例1における円筒部材8として,材質がA
DC12(高強度アルミダイカスト合金Si:17%)
のもの(試料S1〜S3)と,材質がADT17(JI
S)のもの(試料S4〜S6)を準備した。そして,試
料S2,S3,S5,S6には,実施形態例1と同様に
溝80にフィレット加工を施した。また,上記フィレッ
ト加工における押圧面215の押し込み量は,試料S
2,S4に対しては0.10mm,試料S3,S6に対
しては0.15mmとした。
ーナ部85の断面における硬度を測定した。この度の測
定個所は,図7(a)に示すC〜Eの3点である。硬度
の測定結果を図8に示す。同図は横軸にフィレットツー
ル21の押圧面215の押し込み量(mm)を,縦軸に
上記C〜E点の硬度の平均値(Hv)をとったものであ
る。
7の試料S4〜S6は,ADC12よりなる試料S1〜
S3よりも素材強度自体が高いため,いずれのフィレッ
ト押し込み量においてもADC12のものよりも高硬度
となった。また,いずれの材質であっても,フィレット
加工を施し,押し込み量が大きいほど硬度向上効果が高
くなった。
試料S4とは素材強度において約45Hv程の差がある
にもかかわらず,試料S1に0.15mmの押し込み量
によるフィレット加工を施して試料S3とすることによ
り,試料S4と同等の硬度が得られるという点である。
85の強度として試料S4なみの強度が必要となった場
合には,素材変更をすることなく,押し込み量0.15
mmのフィレット加工を施すことにより対策できること
が分かる。そして,この対策によれば,ADC12から
ADT17への材質変更による,素材コストの増大,お
よび加工性低下による加工コストの増大という2つのコ
ストアップ要因を確実に回避することができる。
32に押圧面325を設けた特殊形状のバイト30を用
いて溝形成を行う例である。なお,本例において加工す
る円筒部材801は,図12に示すごとく,円筒部80
2の中程に円盤状の中底803を設けた部材である。本
例の円筒部材の溝形成装置3は,切削加工により凹状の
溝を形成するための刃先31と,該刃先31の逃げ面3
2に設けられ切削加工された溝の底コーナ部を押圧して
加工硬化させるための押圧面325とを有するバイト3
0を有する。
く,バイト30を保持すると共に上記円筒部材801と
の接触部位を刃先31あるいは押圧面325のいずれか
に切替えるためにバイト30の固定位置を変更する位置
変更手段34と,バイト30と円筒部材801とを相対
的に回転させる回転手段35とを有する。
(b)に示すごとく,3箇所に刃先31を有するタイプ
のものであって,摩耗等により使用する刃先31を変更
できるものである。そして,各刃先31の逃げ面32に
は,上記のごとく,押圧面325を有する。この押圧面
325は,図11(c)に示すごとく,円弧状に突出し
た突出部326と,該突出部326の曲率R1と逆方向
の曲率R2の円弧状の基端部327とを組合わせてなる
S字形の断面形状を有している。
とく,上下左右に移行可能な刃物台341とこれから延
設したホルダー部342とよりなる。ホルダー部342
の先端には,回転軸343を介して固定基板344を回
動可能に配設してある。
(b)に示すごとく,上記バイト30を固定してある。
そして,固定基板344を回動させることにより,バイ
ト30における,円筒部材801との接触部位を刃先3
1あるいは押圧面325のいずれかに切替えることがで
きる。上記回転手段35は,図12に示すごとく,回転
可能な主軸351とその先端に設けられた円筒部材固定
治具352とよりなる。そして,主軸351を回転させ
ることにより,円筒部材801をその軸芯を中心に回転
させることができる。
3を用いて円筒部材801の内周面にリング状の溝を形
成するに当たっては,上記回転手段35に円筒部材80
1をセットした状態でこれを回転させる。一方,上記バ
イト30は,上記固定基板344によって,刃先31が
円筒部材801の内周面に接触するよう位置させて固定
する。そして,上記刃物台341により,刃先31の位
置が所望の溝深さとなるようにバイト30を徐々に前進
させる。これにより,円筒部材801の内周面には,上
記バイト30の刃先31により切削加工されて溝80が
形成される。
とく,上記固定基板を若干回転させ,バイト30におけ
る上記逃げ面32の押圧面325を溝80の底コーナ部
85に接触させる。次いで,上記刃物台341により,
バイト30の押圧力を加えるとともに,上記のごとく,
円筒部材801を回転させる。これにより,溝80の底
コーナ部85は押圧面325により圧縮加工され,加工
硬化する。
32に押圧面325を有するバイト30を用いる。その
ため,溝80の切削加工と溝の加工硬化とを,1つのバ
イト30により行うことができる。したがって,本例に
よっても,溝を切削加工するだけでなく,溝を加工硬化
させることができる。
用いて溝形成を行う例である。なお,本例において加工
する円筒部材801は,実施形態例4と同じである。本
例における溝形成装置4は,図13,図14に示すごと
く,切削加工により凹状の溝を形成するための切削刃部
41と切削加工された溝の底コーナ部を押圧して加工硬
化させるための押圧面を有する圧縮部42とよりなると
共にこれらを同心円上において同時に回転可能に設け,
かつ,上記切削刃部41の先端411の回転半径Aと上
記圧縮部42の先端421の回転半径BとはB≧Aの関
係にある複合工具40を有する。
ごとく,切削刃部41と圧縮部42とを一体的に有して
いる。この切削刃部41は,従来の溝切用バイトの刃先
と同様の形状に設けてある。また,圧縮部42は,図1
3(b)に示すごとく,円弧状に突出した突出部426
と,該突出部426の曲率R1と逆方向の曲率R2の円
弧状の基端部427とを組合わせてなるS字形の断面形
状を有する押圧面425を有している。
は,複合工具40を回転させながら上記円筒部材801
に上記切削刃部41と上記圧縮部42とを交互に接触さ
せるよう複合工具40を移行させる工具移行手段43
と,複合工具40と円筒部材8とを相対的に回転させる
回転手段44とを有を有する。
とく,上下左右に移行可能な刃物台431とこれから延
設したホルダー部432とよりなる。ホルダー部432
の先端には,回転軸433を介して上記複合工具40を
回転可能に配設してある。また,上記回転手段44は,
同図に示すごとく,回転可能な主軸441とその先端に
設けられた円筒部材固定治具442とよりなる。そし
て,主軸441を回転させることにより,円筒部材80
1をその軸芯を中心に回転させるよう構成してある。
801の内周面にリング状の溝を形成するに当たって
は,上記回転手段44に円筒部材801をセットした状
態でこれを回転させ,一方,上記複合工具40を工具移
行手段43により回転させながら円筒部材801の内周
面の所望位置に移行させる。
は,上記複合工具40の切削刃部41と圧縮部42とが
交互に接触する。ここで,上記のごとく,切削刃部41
と圧縮部42の回転半径A,Bの関係は,上記のごと
く,B≧Aの関係にある。そのため,上記複合工具40
と円筒部材801との接触によって,前述した図10に
示した溝80と同様に,切削刃部41により切削加工さ
れて形成された溝80の底コーナ部85には,B−Aの
寸法分だけ圧縮するように上記押圧面425が当接す
る。それ故,底コーナ部85は,押圧面425により圧
縮加工されて加工硬化する。
成方法によれば,溝80を切削加工するだけでなく,溝
80を加工硬化させることができる。それ故,本例によ
っても,円筒部材801の材質強度アップ等を行うこと
なく,溝部の強度を従来よりも大幅に向上させることが
できる。
合工具40に代えて,圧縮部52自体を回転可能に設け
た複合工具50を用いた例である。複合工具50は,円
盤状の基板501と,これに配設した切削刃部51と圧
縮部52とよりなる。
る。また,圧縮部52は,円盤状の本体の外周端に押圧
面525を設けた構造を有している。この押圧面525
は,図15(b)に示すごとく,円弧状に突出した突出
部526と,該突出部526の曲率R1と逆方向の曲率
R2の円弧状の基端部527とを組合わせてなるS字形
の断面形状を有している。また,複合工具50において
も,切削刃部51の先端511の回転半径Aと上記圧縮
部52の先端521の回転半径BとはB≧Aの関係に設
けた。複合工具50以外は,実施形態例5と同様であ
る。
0上において回転可能に設けてある。そのため,圧縮部
52は,複合工具50全体の回転により公転しつつ,自
己の回転により自転できる。それ故,圧縮部52の押圧
面525と溝80の底コーナ部85とを摺動させずにス
ムーズに接触させることができるので,摩擦熱の発生等
による不具合を防止しつつ,スムーズな圧縮加工を実行
することができる。
図12又は図4に示した加工装置を用いた。この図12
又は図14の加工装置に換えて,図3に示すフィレット
加工装置を用い,フィレットツール21に換えてバイト
30,40又は50を取り付けても,上記と同様に加工
できる。
62の先端コーナ部にバニッシュ部63を設けた特殊形
状のバイト60を用いて溝形成を行う例である。本例の
円筒部材の溝形成装置6が用いるバイト60は,図1
6,図17に示すごとく,切削加工する溝80の底部の
形状に対応して設けたすくい面62の外周端に切刃61
を形成し,かつ,該すくい面62の先端コーナ部の一方
には,すくい面62の端部を内方に後退させて露出させ
て設けたバニッシュ部63を有している。
に示すごとく,すくい面62の先端コーナ部を逃げ面6
25に向けて丸く研磨して設けてある。そのため,バニ
ッシュ部63の存在する部分は,すくい面62の境界部
621が内方に後退し,バニッシュ部63が露出した状
態となっている。
く,上記バイト60を固定して,円筒部材801との相
対的な位置を調整するためのバイト移行手段64と,円
筒部材801をセットしてこれを回転させる回転手段
(図示略)とを有する。バイト移行手段64は,図18
(a)に示すごとく,上下左右に移行可能な刃物台64
1とこれから延設したホルダー部642とよりなる。ホ
ルダー部642の先端には,上記バイト60を固定す
る。なお,上記回転手段は,実施形態例5と同様であ
る。
801の内周面にリング状の溝を形成するに当たって
は,図18(b)に示すごとく,上記回転手段に円筒部
材801をセットした状態でこれを回転させる。一方,
上記バイト60は,上記バイト移行手段64によって,
円筒部材801の内周面に接触させる。即ち,バイト6
0として上記特殊な構造のものを用いる以外は,従来と
同様にして切削加工を行う。
62の先端コーナ部に上記バニッシュ部63を設けてあ
る。そのため,まず,切削は,上記バニッシュ部63が
存在する部分を残したまま,すくい面62の境界部62
1に沿って行われる。次いで,バニッシュ部63の存在
によって切削されずに残った部分は,上記バニッシュ部
63によって押圧され,圧縮加工される。そして,この
圧縮加工により,溝80の底コーナ部85は,加工硬化
される。
ュ部63を有する特殊なバイト60を用いることによ
り,溝の切削加工と同時に溝の底コーナ部を加工硬化さ
せることを非常に容易に行うことができる。そのため,
材質強度アップ等を行うことなく,溝部の強度を従来よ
りも大幅に向上させることができる。
63を上記すくい面62の一方の先端コーナ部のみに設
けた。これに代えて,すくい面62の両端のコーナ部,
すくい面62の底辺部,すくい面62の側辺部に,それ
ぞれにバニッシュ部63を設けることもできる。この場
合には,バニッシュ部63を設けた箇所に対応する溝部
分を加工硬化させることができる。
材の内周面または外周面に,底コーナー部の強度を向上
させた溝を容易に形成することができる溝形成方法およ
びその装置を提供することができる。
(b)フィレット加工,の加工状態を示す説明図。
面図,(b)F−F線矢視断面図。
構造を示す説明図。
から見た説明図。
圧面の形状を示す説明図。
圧面の形状を示す説明図。
への影響を示す説明図。
量と硬度との関係を示す説明図。
(a)縦断面,(b)横断面からみた説明図。
の,(a)縦断面,(b)横断面からみた説明図。
バイトと円筒部材との接触状態,(b)圧縮加工時のバ
イトと円筒部材との接触状態,(c)押圧面の断面形状
(G−G線矢視),を示す説明図。
示す説明図。
平面図,(b)押圧面の断面形状(H−H線矢視),を
示す説明図。
示す説明図。
平面図,(b)押圧面の断面形状(J−J線矢視),を
示す説明図。
示す説明図。
くい面(K矢視),(b)逃げ面(L矢視),(c)側
面(M矢視),(d)N−N線矢視断面,を示す説明
図。
構造を示す説明図,(b)バイトによる切削加工状態を
示す説明図。
ィレット加工,の加工状態を示す説明図。
Claims (12)
- 【請求項1】 円筒部材の外周面または内周面にリング
状の溝を形成する方法において,切削加工により凹状の
溝を形成した後,該溝の底コーナ部を加工硬化させるフ
ィレット加工を施すに当たり,回転可能な円盤形状を有
すると共にその外周端に上記溝の底コーナ部を押圧する
ための押圧面を有し,かつ,その回転軸芯を上記円筒部
材の軸芯と略平行に設けてなるフィレットツールを用
い,該フィレットツールと上記円筒部材とを相対的に回
転させながら上記フィレットツールの上記押圧面を上記
溝の内部に挿入して,上記底コーナ部を上記押圧面によ
り押圧して圧縮加工することを特徴とする円筒部材の溝
形成方法。 - 【請求項2】 請求項1において,上記フィレットツー
ルの上記押圧面は,円弧状に突出した突出部と,該突出
部の曲率と逆方向の曲率の円弧状の基端部とを組合わせ
てなるS字形の断面形状を有していることを特徴とする
円筒部材の溝形成方法。 - 【請求項3】 円筒部材の外周面または内周面に形成し
たリング状の溝の底コーナ部を加工硬化させるフィレッ
ト加工装置であって,回転可能な円盤形状を有すると共
にその外周端に上記溝の底コーナ部を押圧するための押
圧面を有し,かつ,その回転軸芯を上記円筒部材の軸芯
と略平行に設けてなるフィレットツールと,上記フィレ
ットツールと上記円筒部材とを相対的に回転させる回転
手段とを有することを特徴とするフィレット加工装置。 - 【請求項4】 請求項3において,上記フィレットツー
ルの上記押圧面は,円弧状に突出した突出部と,該突出
部の曲率と逆方向の曲率の円弧状の基端部とを組合わせ
てなるS字形の断面形状を有していることを特徴とする
フィレット加工装置。 - 【請求項5】 円筒部材の外周面または内周面にリング
状の溝を形成する方法において,切削加工により凹状の
溝を形成するための刃先と,該刃先の逃げ面に設けられ
切削加工された溝の底コーナ部を押圧して加工硬化させ
るための押圧面とを有するバイトを用い,まず,上記刃
先が上記円筒部材に接触するように上記バイトを位置さ
せて,該バイトと上記円筒部材とを相対的に回転させな
がら上記円筒部材と上記切削刃部とを接触させて溝を切
削加工し,次いで,上記押圧面が上記溝の底コーナ部に
接触するように上記バイトを位置させて,該バイトと上
記円筒部材とを相対的に回転させながら上記円筒部材と
上記押圧面とを接触させて溝の底コーナ部を圧縮加工す
ることを特徴とする円筒部材の溝形成方法。 - 【請求項6】 円筒部材の外周面または内周面にリング
状の溝を形成する装置において,切削加工により凹状の
溝を形成するための刃先と,該刃先の逃げ面に設けられ
切削加工された溝の底コーナ部を押圧して加工硬化させ
るための押圧面とを有するバイトと,該バイトを保持す
ると共に上記円筒部材との接触部位を上記刃先あるいは
上記押圧面のいずれかに切替えるために上記バイトの固
定位置を変更する位置変更手段と,上記バイトと上記円
筒部材とを相対的に回転させる回転手段とを有すること
を特徴とする円筒部材の溝形成装置。 - 【請求項7】 円筒部材の外周面または内周面にリング
状の溝を形成する方法において,切削加工により凹状の
溝を形成するための切削刃部と切削加工された溝の底コ
ーナ部を押圧して加工硬化させるための押圧面を有する
圧縮部とよりなると共にこれらを同心円上において同時
に回転可能に設け,かつ,上記切削刃部の先端の回転半
径Aと上記圧縮部の先端の回転半径BとはB≧Aの関係
にある複合工具を用い,該複合工具を回転させながら上
記円筒部材に上記切削刃部と上記圧縮部とを交互に接触
させて,切削と圧縮加工とを交互に行うことを特徴とす
る円筒部材の溝形成方法。 - 【請求項8】 請求項7において,上記圧縮部は上記複
合工具上において回転可能に設けられていることを特徴
とする円筒部材の溝形成方法。 - 【請求項9】 円筒部材の外周面または内周面にリング
状の溝を形成する装置において,切削加工により凹状の
溝を形成するための切削刃部と切削加工された溝の底コ
ーナ部を押圧して加工硬化させるための押圧面を有する
圧縮部とよりなると共にこれらを同心円上において同時
に回転可能に設け,かつ,上記切削刃部の先端の回転半
径Aと上記圧縮部の先端の回転半径BとはB≧Aの関係
にある複合工具と,該複合工具を回転させながら上記円
筒部材に上記切削刃部と上記圧縮部とを交互に接触させ
るよう上記複合工具を移行させる工具移行手段と上記複
合工具と上記円筒部材とを相対的に回転させる回転手段
とを有を有することを特徴とする円筒部材の溝形成装
置。 - 【請求項10】 請求項9において,上記圧縮部は上記
複合工具上において回転可能に設けられていることを特
徴とする円筒部材の溝形成装置。 - 【請求項11】 円筒部材の外周面または内周面にリン
グ状の溝を形成する方法において,切削加工する溝の底
部の形状に対応して設けたすくい面の外周端に切刃を形
成し,かつ,該すくい面の先端コーナ部の少なくとも一
方には,上記すくい面の端部を内方に後退させて露出さ
せたバニッシュ部を有するバイトを用い,該バイトと上
記円筒部材とを相対的に回転させながら両者を接触させ
て上記すくい面の外周端に沿って切削加工を施すと共に
上記バニッシュ部によって溝の底コーナ部を押圧して圧
縮加工することを特徴とする円筒部材の溝形成方法。 - 【請求項12】 円筒部材の外周面または内周面にリン
グ状の溝を形成するバイトにおいて,切削加工する溝の
底部の形状に対応して設けたすくい面の外周端に切刃を
形成し,かつ,該すくい面の先端コーナ部の少なくとも
一方には,上記すくい面の端部を内方に後退させて露出
させたバニッシュ部を有し,該バニッシュ部により上記
すくい面の外周端に沿って形成された溝の底コーナ部を
押圧して圧縮加工するよう構成したことを特徴とする円
筒部材の溝形成用バイト。
Priority Applications (1)
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JP36273798A JP4110307B2 (ja) | 1998-12-21 | 1998-12-21 | 円筒部材の溝形成方法および溝形成装置 |
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1998
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