JP2000176434A - 排水処理装置および方法 - Google Patents

排水処理装置および方法

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JP2000176434A
JP2000176434A JP10352533A JP35253398A JP2000176434A JP 2000176434 A JP2000176434 A JP 2000176434A JP 10352533 A JP10352533 A JP 10352533A JP 35253398 A JP35253398 A JP 35253398A JP 2000176434 A JP2000176434 A JP 2000176434A
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Tomoyuki Shinoda
智之 篠田
Teruyuki Hayashi
輝幸 林
Kimihito Kaneko
公仁 金子
Kohei Murata
興平 村田
Masato Kawahara
正人 川原
Tomohiko Kunugi
友彦 椚
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排水処理の負担を軽減して排水処理コストを
低減することができ、工場設備等の源水の使用量を低減
することができる排水処理装置および方法を提供するこ
と。 【解決手段】 TOC計43の測定結果に応じて、弁4
7a,48aにより、排水をTOC濃度が基準値以上の
ものと基準値未満のものとに分離し、TOC濃度が基準
値以上の排水は排水処理された後、放流され、TOC濃
度が基準値未満の排水は、回収され再利用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体製造設備等
において排出される排水を処理する排水処理装置および
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造設備においては、多種多量の
薬品が使用され、これらが排水として排出されている
が、この排水は、半導体を直接製造するラインからの製
造工程の排水と、半導体を製造するために必要な設備か
ら生じる製造工程以外の排水とに区分けされる。
【0003】この製造工程の排水としては、半導体結晶
を研磨して生じる微粒子を含む排水、ウエハを洗浄して
生じる油分や有機溶剤を含む排水、リソグラフィ工程に
おけるレジスト液や現像液等の排水、さらに、ウエハの
薬品による洗浄後に再汚染を防止するためにウエハを純
水により洗浄した際の排水など種々のものがある。ま
た、製造工程以外の排水としては、超純水製造装置によ
り純水を製造する際に生じる排水、各種ガスを排出した
後に洗浄により生じるガスの成分を含んだガス洗浄排
水、さらに、冷却水、生活排水などがある。
【0004】上記のような製造工程の排水は、大略的に
は、無機金属、有機溶剤等を多く含む排水を適当な時期
に数%〜数十%の濃厚液に処理し、この濃厚液を業者に
引き取らせるまたは別途処理する場合と、希薄な有機系
水洗水、酸およびアルカリ系水洗水、純水によりウエハ
を洗浄した際の排水などの排水に所定の排水処理を施し
た後に、放流する場合とに大別される。また、製造工程
以外の排水も、同様に、所定の排水処理を施した後に放
流するようになっている。
【0005】具体的には、図3に示す排水処理装置で
は、各処理ユニット等からの排水を排出するための排出
管1には、濃度計2が介装され、この濃度計2の下流側
で分岐された排出管1の2つの分岐管1a,1bには、
それぞれ、開閉弁3,4が設けられ、濃度計2からの信
号により弁開度が調整されるようになっている。一方の
分岐管1aには、濃度計2により、例えばフッ素濃度
(F)が50ppm以上であると判別された排水(濃
厚液)が流され、貯留タンク5に貯留された後、業者に
引き取られるようになっている。他方の分岐管1bに
は、フッ素濃度が50ppmより低い排水が流され、排
水処理ユニット6により所定の排水処理がされた後、放
流されるようになっている。
【0006】また、「超純水の科学」(リアライズ社)
P174〜P176には、排水回収装置入口において異
常排水の混入を防止するために排水の分別が行われるこ
と、および、その監視項目として、電気伝導率、pH、
TOC(total organic carbon)
などがあることが開示されている。そして、TOC濃度
を計測する場合、現状のppmのレンジで使用すること
ができるTOC計は、測定値が出るまでに約10分の計
測時間が必要であるため、その計測遅れをカバーするた
めに、その計測時間以上の滞留時間を持った水槽を3基
使用し、張り込み・TOCの計測・分別先への排出とい
うように使い分ける必要があることが記載されている。
また、簡便な方法として、一つの水槽を用い、TOCの
良好時には、下部にTOC計の測定時間以上の滞留部分
を保有しておき、異常時に全量排出するような方法が示
されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した図3の排水処
理装置において、フッ素濃度が50ppmより低く所定
の排水処理の後に放流する排水は、その約80%がフッ
素濃度が5ppm以下であり、この5ppm以下のもの
が全体に占める割合が非常に多く、5ppm以上のもの
の割合は非常に少ないため、上記のように、フッ素濃度
が50ppmより低い排水の全てについて、上記排水処
理ユニット6により排水処理を行って放流することは、
過重な処理を行っていることになり、コスト高騰の要因
になっている。また、処理した排水の全てを放流してい
るため、工場設備等の全体に占める源水の使用量が多い
といった問題がある。さらに、上述のように、さまざま
な排水濃度に対応させるため、貯留タンクを3基準備
し、張り込み・TOC濃度の計測・分別先への排出とい
うように使い分けて用いた場合には、装置が複雑になっ
たり、設置面積が大きくなるなどの問題を招来してい
た。さらにまた、貯留タンクが1基の場合には、高濃度
排水混入時にタンク内の全量を排出する必要がある等の
問題がある。
【0008】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
であって、排水処理の負担を軽減して排水処理コストを
低減することができ、かつ工場設備等の源水の使用量を
低減することができる排水処理装置および方法を提供す
ることを目的とする。また、複雑かつ大型の設備を用い
ることなく総有機炭素濃度によって排水を分離すること
ができる排水処理装置および方法を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の第1の観点によれば、各種の製造装置から
排出された排水の不純物濃度を測定する不純物濃度測定
手段と、前記不純物濃度測定手段の測定結果に基づい
て、不純物濃度が基準値以上のものと基準値よりも低い
ものとに分離する分離手段と、不純物濃度が基準値以上
の排水に所定の排水処理を施して放流する排水処理・放
流手段と、不純物濃度が基準値よりも低い排水を回収す
る回収手段とを具備することを特徴とする排水処理装置
が提供される。
【0010】本発明の第2の観点によれば、各種の製造
装置から排出された排水の総有機炭素の濃度を測定する
総有機炭素濃度測定装置と、前記総有機炭素濃度測定装
置を経た排水を、層流状態で移動させ、かつ順次排出す
るとともに、排水を導入してから排出するまでが総有機
炭素濃度測定装置における測定時間と対応するように該
排水を滞留させる滞留槽と、前記総有機炭素濃度測定装
置の測定値に基づいて、その値が基準値よりも低い排水
と、基準値以上の排水とを分離する分離手段と、前記総
有機炭素濃度測定装置の測定値が基準値以上の排水に所
定の排水処理を施して放流する排水処理・放流手段と、
前記総有機炭素濃度測定装置の測定値が基準値よりも低
い排水を回収する回収手段とを具備することを特徴とす
る排水処理装置が提供される。
【0011】本発明の第3の観点によれば、各種の製造
装置から排出された排水の総有機炭素の濃度を測定する
総有機炭素濃度測定装置と、前記総有機炭素濃度測定装
置を経た排水を、排水を導入してから排出するまでが総
有機炭素濃度測定装置における測定時間と対応するよう
に該排水を滞留させる滞留槽と、前記滞留槽から排出さ
れた排水の導電率を測定する導電率測定装置と、前記総
有機炭素濃度測定装置の測定値および前記導電率測定装
置の測定値に基づいて、これらの値がいずれも基準値よ
りも低い排水と、これらの少なくとも一方が基準値以上
の排水とを分離する分離手段と、前記総有機炭素濃度測
定装置の測定値および前記導電率測定装置の測定値の少
なくとも一方が基準値以上の排水に所定の排水処理を施
して放流する排水処理・放流手段と、前記総有機炭素濃
度測定装置の測定値および前記導電率測定装置の測定値
のいずれも基準値よりも低い排水を回収する回収手段と
を具備することを特徴とする排水処理装置が提供され
る。
【0012】本発明の第4の観点によれば、各種の製造
装置から排出された濃度排水の不純物濃度を測定する工
程と、前記不純物濃度の測定結果に基づいて、不純物濃
度が基準値以上のものと基準値よりも低いものとに分離
する工程と、不純物濃度が基準値以上の排水に所定の排
水処理を施して放流する工程と、不純物濃度が基準値よ
りも低い排水を回収する工程とを具備することを特徴と
する排水処理方法が提供される。
【0013】本発明の第5の観点によれば、各種の製造
装置から排出された排水の総有機炭素の濃度を測定する
工程と、排水を滞留槽に導入し、その中を層流状態で移
動させ、かつ順次排出するとともに、排水を導入してか
ら排出するまでが前記総有機炭素の濃度を測定している
時間と対応するように前記排水を滞留させる工程と、有
機炭素濃度の測定値に基づいて、その値が基準値よりも
低い排水と、基準値以上の排水とを分離する工程と、前
記総有機炭素濃度の測定値が基準値以上の排水に所定の
排水処理を施して放流する工程と、前記総有機炭素濃度
の測定値が基準値よりも低い排水を回収する工程とを具
備することを特徴とする排水処理方法が提供される。
【0014】本発明の第6の観点によれば、各種の製造
装置から排出された排水の総有機炭素の濃度を測定する
工程と、排水を滞留槽に導入し、その中を層流状態で移
動させ、かつ順次排出するとともに、排水を導入してか
ら排出するまでが前記総有機炭素の濃度を測定している
時間と対応するように前記排水を滞留させる工程と、前
記滞留槽から排出された排水の導電率を測定する工程
と、有機炭素濃度の測定値および導電率の測定値に基づ
いて、それらの値がいずれも基準値よりも低い排水と、
それらの少なくとも一方が基準値以上の排水とを分離す
る工程と、前記総有機炭素濃度の測定値および導電率の
測定値の少なくとも一方が基準値以上の排水に所定の排
水処理を施して放流する工程と、前記総有機炭素濃度の
測定値および導電率の測定値のいずれもが基準値よりも
低い排水を回収する工程とを具備することを特徴とする
排水処理方法が提供される。
【0015】このような構成の本発明によれば、製造装
置からの排水を、不純物濃度が基準値以上のものと基準
値より低いものに分離し、不純物濃度の高い排水は、所
定の排水処理の後に放流し、不純物濃度の低い排水は回
収され、再利用することができるので、排水処理は不純
物濃度の高いもののみについて行えばよく、排水処理の
負担を軽減することができ、排水処理および放流のコス
トの低減を図ることができる。また、このように不純物
濃度の低い排水が回収され、再利用することができるの
で、工場設備等の全体に占める源水の使用量を削減する
ことができる。
【0016】また、排水を総有機炭素量によって分離す
る場合には、総有機炭素濃度測定に比較的時間がかかる
ため、測定結果が出た時点では、測定対象の排水はかな
り下流側に到達しており、濃度によって連続的に排水を
分離することが実質的に困難であるが、上述したよう
に、排水を滞留槽に導入し、その中を層流状態で移動さ
せ、かつ順次排出するとともに、排水を導入してから排
出するまでが総有機炭素の濃度を測定している時間と対
応するように前記排水を滞留させるようにすれば、排水
を分離する地点には総有機炭素濃度の測定順に排水が到
達し、しかも排水がその地点に到達した際に、その総有
機炭素濃度の測定結果を分離手段に送るようにすること
ができるので、排水を総有機炭素濃度が基準値より低い
ものと、基準値以上のものとに連続的にかつ正確に分離
することができる。この場合に、滞留槽を設けるのみで
よいので、設備の複雑化および大型化を招来することが
ない。また、排水を分離する前に導電率を測定するよう
にすることにより、排水中の無機物質の濃度も把握する
ことができ、総有機炭素濃度および無機物質濃度のいず
れもが基準値より低い排水のみが回収され、再利用する
ことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
排水処理装置および方法を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る排水処理装置のブロ
ック図であり、図2は、図1に示した排水処理装置に装
着された排水を不純物濃度に応じて分離する分離装置の
模式図である。
【0018】図1に示すように、各種の製造装置10
a,10b,……,10nが設けられており、また、製
造工程以外の装置として、空調装置11および流しユニ
ット12が設けられている。
【0019】この各種の製造装置10a,10b,…
…,10nからは、有機系、無機系、希薄なものなど排
水の種類に応じた複数の排水管13a,13b,13c
が延びている。
【0020】排水管13aには、有機系および無機系の
排水が流され、それぞれ、排水受けタンク14,15に
貯留され、その後、これら有機系および無機系の排水
は、業者に引き取られるまたは別途処理させるようにな
っている。
【0021】排水管13bには、他の有機系の排水が流
され、排水受けタンク17に貯留され、同様に、業者に
引き取られるまたは別途処理されるようになっている。
【0022】排水管13cには、例えば、半導体ウエハ
の薬品による洗浄後に再汚染を防止するためにウエハを
純水により洗浄した際の排水などが流され、排水受けタ
ンク20に貯留され、図2に詳細に示す機構により、こ
の排水を不純物濃度が基準値以上のものと基準値より低
いものとに分離し、不純物濃度が基準値以上のものは所
定の排水処理を施して放流する一方(図1に破線で示す
流れ)、不純物濃度が基準値よりも低いものは所定の処
理を施して回収され、再利用水として利用されるように
なっている(図1に実線で示す流れ)。
【0023】具体的には、上記排水(例えば、フッ素濃
度(F)が50ppmより低いと判断されたもの)が
排水受けタンク20に貯留され、滞留槽21を経て分離
された排水のうちの不純物濃度の高いもの、具体的に
は、後述するTOC(総有機炭素)計43(total
organic carbon analyzer)
によって得られたTOC濃度が0.5ppm以上の排
水、または後述する導電率計46によって得られた電気
伝導率が100μs/cm以上の排水が、図1に破線で
示すライン22を通って排水槽23に流され、次いで、
反応槽および沈殿槽などからなる排水処理ユニット24
により排水処理され、さらに、反応槽、濾過槽および活
性炭槽などからなる排水処理ユニット25により排水処
理され、次いで、中間槽26および監視槽27を介し
て、河川等に放流される。
【0024】滞留槽21を経て分離された排水のうちの
不純物濃度の低いもの、具体的には、TOC濃度が0.
5ppmより低くかつ電気伝導率が100μs/cmよ
り低い排水は、図1に実線で示す循環ライン30を通っ
て、回収水受槽31に至り、さらに活性炭、逆浸透膜、
UV殺菌、およびフィルターなどを有する処理ユニット
32により処理され、次いで、中間タンクおよび1次純
水タンクなどからなる処理ユニット33を経て再利用可
能な状態とされ回収される。この回収水は、上述した製
造工程における半導体製造装置およびそれ以外の装置で
ある空調装置11および流しユニット12に流されて、
再利用される。
【0025】このように、本実施の形態では、製造装置
から排出され、例えばフッ素濃度が50ppmより低い
と判断された排水が、不純物濃度が基準値以上のもの
と、不純物濃度が基準値より低いものとに分離され、濃
度が基準値以上の排水は、排水処理ユニット24,25
による排水処理の後に放流されている一方、不純物濃度
が基準値よりも低い排水は、処理ユニット31,32に
よる処理の後に回収されて再利用される。
【0026】したがって、排水処理は不純物濃度の高い
もののみについて行えばよく、排水処理の負担を軽減す
ることができ、排水処理および放流のコストの低減を図
ることができる。また、このように工場設備等から排出
される排水のうち、不純物濃度が低いものを再利用水と
してリサイクル活用することができ、工場設備等の全体
に占める源水の使用量を削減することができる。特に、
不純物濃度が低いもの、例えばTOC濃度が0.5pp
m未満のものが、80%程度の大きな割合を占める場合
等に、排水処理の負担を著しく低減することができ、か
つ排水のうち大きな割合を占める部分を再利用すること
ができるので、源水の使用量を著しく少なくすることが
できる。
【0027】次に、図2を参照して、排水を不純物濃度
に応じて分離する機構について説明する。図1にも示し
た排水管13cには、排水受けタンク20が介装されて
おり、この排水受けタンク20には、排水の水位を計測
するためのリミッタースイッチ41が設けられている。
この排水受けタンク20の下流側には、ポンプ42を介
して、TOC計43が介装されている。このTOC計4
3は、TOC濃度を例えば所用時間3分間で測定するよ
うになっており、測定結果(すなわち、TOC濃度が
0.5ppm以上かそれ未満か)に応じて、後述する開
閉弁47a,48aに信号を出力するようになってい
る。
【0028】TOC計43の下流には、図1にも示した
滞留槽21が配置されている。この滞留槽21は排水を
下から導入して上から排出するようになっており、その
上部および下部には、導入された排水の流れを層流にす
るための整流板45が設けられている。そして、この滞
留槽21には排水を導入してから排出するまでがTOC
計43における測定時間と対応するように排水が滞留さ
れる。整流板45には多数の排水通過孔45aが形成さ
れており、排水がこの孔45aを通過することにより層
流となるようになっている。この整流板45の大きさ
は、例えばφ1000mmであり、孔45aの大きさ
は、例えばφ6mmである。なお、整流板45の孔45
aの形状および個数を調整することにより、滞留槽21
内を移動する排水の層流状態を制御し、排水が滞留槽2
1内を通過する時間を調整することができる。
【0029】この滞留槽21の下流には、排水の導電率
を測定するための導電率計46が介装されている。この
導電率計46により、排水の導電率が100μs/cm
以上か未満かが測定され、測定結果に応じて、後述する
開閉弁47a,48aに信号を出力するようになってい
る。なお、導電率は無機不純物濃度の指標であり、導電
率を測定することにより無機不純物量を把握することが
できる。
【0030】この導電率計46の下流おいては、配管1
3cは、配管47および配管48に分岐されており、排
水処理・放流側には、開閉弁47aが介装され、回収・
再利用側には、開閉弁48aが介装されている。これら
開閉弁47a,48aの開閉は、上述したTOC計43
および導電率計46からの信号に応じて決定されるよう
になっている。
【0031】導電率計46の下流から排水受けタンク2
0に向けて循環ライン49が設けられ、この循環ライン
49には、上記リミッタースイッチ41により開閉され
る開閉弁50が介装されている。このように循環ライン
49を設けているのは、各製造装置10a,10b,…
…,10nは、バッチ処理であり、排水が非連続で排出
されるため、排水受けタンク20内の排水の量が少ない
ときには、分離槽21の下流側から排水を排水受けタン
ク20内に戻し、排水の排出量を極力連続的に調整する
ためである。
【0032】また、図2に示すように、循環ライン49
の先端部Aは、排水受けタンク20の奥底まで延長され
て、先端部Aの管端が、常に、貯留する排水中に存する
状態とされる。すなわち、先端部Aの管端が、排水受け
タンク20中の排水に浸かっていない場合には、循環ラ
イン49からのリターン排水が排水受けタンク20内に
流入する際に、排水受けタンク20内の排水中にエアー
が混入し、そのエアーによって、後段に配置されるTO
C計43でのTOC濃度計測の精度が悪化したり、滞留
槽21内において、層流を形成し難いといった恐れがあ
るので、排水受けタンク20へのリターン配管すなわち
循環ライン49に、浸水する部分(先端部A)を設け
て、エアー混入による層流破壊等を防止するようにして
いる。
【0033】以上のような構成の機構において、排水受
けタンク20内の排水は、ポンプ42を介して、TOC
計43で連続的にサンプリングされTOC濃度が測定さ
れる。TOC計43を経た排水は、滞留槽21内に下か
ら流入され、滞留槽21に設けられた整流板45により
層流にされ、上から順次排出される。そして、この滞留
槽21は、排水を導入してから排出するまでがTOC濃
度を測定している時間と対応するように排水を滞留させ
る。したがって、排水を分離する地点にはTOC濃度の
測定順に排水が到達し、しかも排水がその地点に到達し
た際に、そのTOC濃度の測定信号を開閉弁47a、4
8aに送るようにすることができる。この滞留槽21か
ら流出された排水は、導電率計46により導電率が測定
される。その後、TOC濃度計43および導電率計46
からの信号に応じて開閉弁47a,48aが開閉され、
フッ素濃度が50ppm未満の排水のうち不純物濃度の
高いもの(TOC濃度が0.5ppm以上、または、導
電率が100μs/cm以上の排水)と、不純物濃度の
低いもの(TOC濃度が0.5ppm未満および導電率
が100μs/cm未満の排水)とに分離されて、図1
に示したように高濃度のものは排水処理された後放流さ
れ、濃度の低いものは回収されて再利用に供される。
【0034】このように、排水が滞留槽21中を層流状
態で移動され、かつ順次排出されるとともに、排水を導
入してから排出するまでがTOC濃度を測定している時
間と対応するように排水を滞留させるので、TOC計4
3において測定に例えば3分間かかるとしても、排水を
分離する地点にはTOC濃度の測定順に排水が到達し、
しかも排水がその地点に到達した際に、その測定信号を
開閉弁47a,48aに送るようにすることができるの
で、排水をTOC濃度に応じて連続的にかつ正確に分離
することができる。また、導電率計46により排水の導
電率を測定するようにしているので、排水中の無機物質
の濃度も把握することができ、TOC濃度および無機物
質濃度のいずれもが基準値より低い排水のみを回収して
再利用することができる。
【0035】また、このように、TOC濃度および導電
率を実際に測定できるため、どの排水ラインからの排水
かを把握することができ、排水ラインの管理を行うこと
ができる。
【0036】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
ず、種々の変形が可能である。例えば、不純物を測定す
るためにTOC濃度計および導電率計を用いたが、他の
ものであってもよい。また、層流を形成するために整流
板を用いたが、これに限らず他の手段で層流を形成して
もよい。さらに、上記実施の形態では、本発明を半導体
製造設備に適用した場合について説明したが、これに限
らず他の種々の製造設備に適用することが可能である。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
製造装置からの排水を、不純物濃度が基準値以上のもの
と基準値より低いものに分離し、不純物濃度の高い排水
は、所定の排水処理の後に放流し、不純物濃度の低い排
水は回収され、再利用することができるので、排水処理
は不純物濃度の高いもののみについて行えばよく、排水
処理の負担を軽減することができ、排水処理および放流
のコストの低減を図ることができる。また、このように
不純物濃度の低い排水が回収され、再利用することがで
きるので、工場設備等の全体に占める源水の使用量を削
減することができる。
【0038】また、排水を滞留槽に導入し、その中を層
流状態で移動させ、かつ順次排出するとともに、排水を
導入してから排出するまでが総有機炭素の濃度を測定し
ている時間と対応するように前記排水を滞留させるの
で、排水を分離する地点には総有機炭素濃度の測定順に
排水が到達し、しかも排水がその地点に到達した際に、
その総有機炭素濃度の測定結果を分離手段に送るように
することができるので、排水を総有機炭素濃度が基準値
より低いものと、基準値以上のものとに、連続的にかつ
正確に分離することができる。この場合に、滞留槽を設
けるのみでよいので、設備の複雑化および大型化を招来
することがない。また、排水を分離する前に導電率を測
定するようにすることにより、排水中の無機物質の濃度
も把握することができ、総有機炭素濃度および無機物質
濃度のいずれもが基準値より低い排水のみを回収して再
利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る排水処理装置のブロ
ック図。
【図2】図1に示した排水処理装置に装着された排水を
濃度に応じて分離する分離装置の模式図。
【図3】従来に係る排水処理装置の模式図。
【符号の説明】
10a,10b,……,10n;製造装置 11;空調装置 12;流しユニット 13a,13b,13c;排水管 20;排水受けタンク 21;滞留槽 24,25;排水処理ユニット 31;回収槽 32,33;処理ユニット 41;リミッタースイッチ 42;ポンプ 43;TOC計(総有機炭素濃度測定装置) 45;整流板 46;導電率計(導電率測定装置) 47,48;開閉弁 49;循環ライン 50;開閉弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小松 晴彦 東京都府中市住吉町2丁目30番7号 東京 エレクトロンロジスティクス株式会社内 (72)発明者 篠田 智之 東京都府中市住吉町2丁目30番7号 東京 エレクトロンロジスティクス株式会社内 (72)発明者 林 輝幸 東京都港区赤坂五丁目3番6号 東京エレ クトロン株式会社内 (72)発明者 金子 公仁 東京都港区赤坂五丁目3番6号 東京エレ クトロン株式会社内 (72)発明者 村田 興平 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成 建設株式会社内 (72)発明者 川原 正人 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成 建設株式会社内 (72)発明者 椚 友彦 東京都新宿区西新宿三丁目4番7号 栗田 工業株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各種の製造装置から排出された排水の不
    純物濃度を測定する不純物濃度測定手段と、 前記不純物濃度測定手段の測定結果に基づいて、不純物
    濃度が基準値以上のものと基準値よりも低いものとに分
    離する分離手段と、 不純物濃度が基準値以上の排水に所定の排水処理を施し
    て放流する排水処理・放流手段と、 不純物濃度が基準値よりも低い排水を回収する回収手段
    とを具備することを特徴とする排水処理装置。
  2. 【請求項2】 前記不純物濃度測定手段は、排水中の総
    有機炭素の濃度測定を行うことを特徴とする請求項1に
    記載の排水処理装置。
  3. 【請求項3】 前記不純物濃度測定手段は、さらに、排
    水の導電率の測定を行うことを特徴とする請求項2に記
    載の排水処理装置。
  4. 【請求項4】 各種の製造装置から排出された排水の総
    有機炭素の濃度を測定する総有機炭素濃度測定装置と、 前記総有機炭素濃度測定装置を経た排水を、層流状態で
    移動させ、かつ順次排出するとともに、排水を導入して
    から排出するまでが総有機炭素濃度測定装置における測
    定時間と対応するように該排水を滞留させる滞留槽と、 前記総有機炭素濃度測定装置の測定値に基づいて、その
    値が基準値よりも低い排水と、基準値以上の排水とを分
    離する分離手段と、 前記総有機炭素濃度測定装置の測定値が基準値以上の排
    水に所定の排水処理を施して放流する排水処理・放流手
    段と、 前記総有機炭素濃度測定装置の測定値が基準値よりも低
    い排水を回収する回収手段とを具備することを特徴とす
    る排水処理装置。
  5. 【請求項5】 前記分離手段は、前記総有機炭素濃度の
    値が基準値よりも低い排水を通流させる配管と、前記総
    有機炭素濃度の値が基準値以上の排水を通流させる配管
    と、排水をこれら配管に振り分ける弁機構とを有するこ
    とを特徴とす請求項4に記載の排水処理装置。
  6. 【請求項6】 各種の製造装置から排出された排水の総
    有機炭素の濃度を測定する総有機炭素濃度測定装置と、 前記総有機炭素濃度測定装置を経た排水を、層流状態で
    移動させ、かつ順次排出するとともに、排水を導入して
    から排出するまでが総有機炭素濃度測定装置における測
    定時間と対応するように該排水を滞留させる滞留槽と、 前記滞留槽から排出された排水の導電率を測定する導電
    率測定装置と、 前記総有機炭素濃度測定装置の測定値および前記導電率
    測定装置の測定値に基づいて、これらの値がいずれも基
    準値よりも低い排水と、これらの少なくとも一方が基準
    値以上の排水とを分離する分離手段と、 前記総有機炭素濃度測定装置の測定値および前記導電率
    測定装置の測定値の少なくとも一方が基準値以上の排水
    に所定の排水処理を施して放流する排水処理・放流手段
    と、 前記総有機炭素濃度測定装置の測定値および前記導電率
    測定装置の測定値のいずれも基準値よりも低い排水を回
    収する回収手段とを具備することを特徴とする排水処理
    装置。
  7. 【請求項7】 前記分離手段は、前記総有機炭素濃度お
    よび前記導電率の値のいずれもが基準値よりも低い排水
    を通流させる配管と、前記総有機炭素濃度および前記導
    電率の値の少なくとも一方が基準値以上の排水を通流さ
    せる配管と、排水をこれら配管に振り分ける弁機構とを
    有することを特徴とする請求項6に記載の排水処理装
    置。
  8. 【請求項8】 前記滞留槽は、下から上に向けて排水が
    移動するとともに、排水を層流にするための整流板を有
    していることを特徴とする請求項4ないし請求項7のい
    ずれか1項に記載の排水処理装置。
  9. 【請求項9】 前記総有機炭素濃度測定装置の上流側に
    設けられ、各種の製造装置から排出された排水を貯留す
    る排水受けタンクと、 この排水受けタンク内の排水の量が少ないときに、前記
    滞留槽の下流側から排水を前記排水受けタンク内に戻す
    ための循環ラインとをさらに具備することを特徴とする
    請求項4ないし請求項8のいずれか1項に記載の排水処
    理装置。
  10. 【請求項10】 各種の製造装置から排出された排水の
    不純物濃度を測定する工程と、 前記不純物濃度の測定結果に基づいて、不純物濃度が基
    準値以上のものと基準値よりも低いものとに分離する工
    程と、 不純物濃度が基準値以上の排水に所定の排水処理を施し
    て放流する工程と、 不純物濃度が基準値よりも低い排水を回収する工程とを
    具備することを特徴とする排水処理方法。
  11. 【請求項11】 各種の製造装置から排出された排水の
    総有機炭素の濃度を測定する工程と、 排水を滞留槽に導入し、その中を層流状態で移動させ、
    かつ順次排出するとともに、排水を導入してから排出す
    るまでが前記総有機炭素の濃度を測定している時間と対
    応するように前記排水を滞留させる工程と、 有機炭素濃度の測定値に基づいて、その値が基準値より
    も低い排水と、基準値以上の排水とを分離する工程と、 前記総有機炭素濃度の測定値が基準値以上の排水に所定
    の排水処理を施して放流する工程と、 前記総有機炭素濃度の測定値が基準値よりも低い排水を
    回収する工程とを具備することを特徴とする排水処理方
    法。
  12. 【請求項12】 各種の製造装置から排出された排水の
    総有機炭素の濃度を測定する工程と、 排水を滞留槽に導入し、その中を層流状態で移動させ、
    かつ順次排出するとともに、排水を導入してから排出す
    るまでが前記総有機炭素の濃度を測定している時間と対
    応するように前記排水を滞留させる工程と、 前記滞留槽から排出された排水の導電率を測定する工程
    と、 有機炭素濃度の測定値および導電率の測定値に基づい
    て、それらの値がいずれも基準値よりも低い排水と、そ
    れらの少なくとも一方が基準値以上の排水とを分離する
    工程と、 前記総有機炭素濃度の測定値および導電率の測定値の少
    なくとも一方が基準値以上の排水に所定の排水処理を施
    して放流する工程と、 前記総有機炭素濃度の測定値および導電率の測定値のい
    ずれもが基準値よりも低い排水を回収する工程とを具備
    することを特徴とする排水処理方法。
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