JP2000176052A - テニスボール - Google Patents

テニスボール

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JP2000176052A
JP2000176052A JP10362895A JP36289598A JP2000176052A JP 2000176052 A JP2000176052 A JP 2000176052A JP 10362895 A JP10362895 A JP 10362895A JP 36289598 A JP36289598 A JP 36289598A JP 2000176052 A JP2000176052 A JP 2000176052A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 適度な硬度と高い反発特性を有し、打撃時の
感触が良好な硬質テニスボールを提供する。 【解決手段】 ゴム組成物を加硫成形してなるコアを有
するテニスボールにおいて、該ゴム組成物は加硫ゴム粉
末を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はテニスボールに係
り、特に、適度な硬度と高い反発特性を有し、打撃時の
感触が良好な硬質テニスボールに関する。
【0002】
【従来の技術】硬質テニスボールは、天然ゴム又は合成
ゴムよりなる中空球状のコアの表面にフェルト製のカバ
ー(メルトン)を被覆して構成され、コアの中空部内に
大気圧より約0.6〜0.9kg/cm2高い加圧空気
を封入した加圧テニスボールと、この中空部内を大気圧
とした無圧テニスボールとが知られている。
【0003】テニスボールのコアを形成するゴム組成物
は、ゴムの混練時に各種添加剤との均一混練性を高め、
押し出し作業性を向上させるために、軟化剤(オイル)
が添加される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、軟化剤の配合
により、加硫後のコアの硬度が低下する傾向がある。こ
の軟化剤に起因する加硫後の硬度低下を防止するために
は、加硫促進剤の配合量を増加させることが考えられる
が、加硫促進剤を増量することは、得られるゴム製コア
の反発特性を低下させるため、好ましくない。
【0005】本発明は上記従来の問題点を解決し、適度
な硬度と高い反発特性を有し、打撃時の感触が良好な硬
質テニスボールを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のテニスボール
は、ゴム組成物を加硫成形してなるコアを有するテニス
ボールにおいて、該ゴム組成物は加硫ゴム粉末を含むこ
とを特徴とする。
【0007】コアの加硫成形原料である未加硫のゴム組
成物中に該ゴム組成物と同種のゴムよりなる加硫ゴム粉
末を配合することにより、軟化剤の配合量を少なくした
上で、良好な混練性、押し出し性を得ることができる。
このため、軟化剤に起因する硬度低下を抑制することが
できる。また、硬度低下を改善するために、加硫剤を増
量する必要もないことから、反発特性の低下を引き起こ
すことなく、打撃時の感触を向上させることができる。
【0008】本発明において、加硫ゴム粉末はゴム組成
物のゴム成分と同種のゴム成分を主成分とするものが好
ましく、ここで、ゴム組成物のゴム成分と同種のゴム成
分を主成分とする加硫ゴム粉末とは、 当該ゴム組成物と同一組成のゴム組成物を加硫した
もの 当該ゴムに用いられているゴム成分と同一のゴム成
分を主体とし、組成が若干異なるゴム組成物を加硫した
ものなどの加硫ゴムの粉末を指す。
【0009】また、本発明において、加硫ゴム粉末の含
有量は該ゴム組成物中のゴム成分100重量部に対して
0.5〜100重量部、特に、5〜30.0重量部であ
ることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0011】図1は加硫成形して得られた椀状(半球
状)コアの集合体の平面図、図2は図1のII−II線に沿
う断面図、図3は2個の椀状コアを接着して得られた球
状のコアを示す断面図である。
【0012】本発明において、コアの加硫成形原料とな
るゴム組成物中に配合する加硫ゴム粉末の粒度(長径)
は0.3〜0.2mm、特に0.5〜0.7mmである
ことが好ましい。この粒度が過度に大きくても小さくて
も、ゴム組成物中への均一混練性、成形性が損なわれ、
好ましくない。
【0013】また、ゴム組成物中の加硫ゴム粉末の配合
量は、ゴム組成物中のゴム成分100重量部に対して
0.5〜100重量部が好ましく、5〜30重量部が更
に好ましい。この配合量が0.5重量部未満では加硫ゴ
ム粉末を配合したことによる本発明の効果が十分に得ら
れず、100重量部を超えると加硫成形時の作業性が損
なわれることがある。
【0014】また、この加硫ゴム粉末は、粉末処理前の
状態でJIS A硬度が40〜90°特に75〜90°
の範囲であることが好ましい。この硬度が40°未満で
は、ボールとして柔らか過ぎ、90°を超えると逆に硬
過ぎてしまう。
【0015】このような硬度を有し、かつ、テニスボー
ルのコア材料のゴム組成物中のゴム成分と同種のゴム成
分を主成分とする加硫ゴム粉末としては、タイヤのトレ
ッドゴム、特に産業廃棄物として大量に排出される廃タ
イヤのトレッドゴム、或いはゴルフボールのコア材やテ
ニスボールのコア製造時に生じるバリやバフ粉を用いる
ことができ、特に、従来廃棄処分されているテニスボー
ルのコア製造時のバリを粉砕処理したもの、或いはバリ
粉をそのまま用いて適当な粒度の加硫ゴム粉末を調製し
て用いるのが有利である。
【0016】即ち、テニスボールのコアは、図1,2に
示す如く、まず椀状コア1を多数(図1では23個)同
時に形成し、この椀状コア1を接着して図3に示すよう
な球状コア2とするが、この椀状コア1の成形に当って
は、コア内部や内外表面に空気溜りが生じることを防止
するために、コア材料としてのゴム組成物が若干多目に
型内に充填される。このため、過剰量の材料がはみ出す
ことにより、バリ3が発生する。即ち、椀状コア1はバ
リ3により一体に連結された状態で成形される。なお、
図1中、4は空隙部である。
【0017】従って、この椀状コア1の連結体から椀状
コア1を打ち抜いてバリ3を切除するため、通常1個の
椀状コア1当たり約2gのバリが発生する。また、打ち
抜いた椀状コア1は更に接着部1Aのバリを除去して接
着剤で貼り合わせて球状コア2とし(この際、加圧テニ
スボールでは、公知の加圧処理が行われる。)、更にこ
の球状コアの外表面にメルトンを被覆して製品とされる
が、このメルトンの被覆に際しては、メルトンの接着を
良好なものにするために、表面のバフ処理が行われる。
このため、これらの工程においてもバリやバフ粉が発生
する。
【0018】従来、これらのバリやバフ粉は廃棄処分さ
れているが、本発明では、このようなバリやバフ粉を加
硫ゴム粉末として利用するのが有利である。
【0019】なお、本発明のテニスボールは、コア材料
としてのゴム組成物に所定量の加硫ゴム粉末を配合する
こと以外は従来と同様に製造される。
【0020】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明する。
【0021】実施例1 テニスボールのコア成形時に生じるバリ及びバフ粉から
粒径2〜3mmの加硫ゴム粉末(加硫ゴム粉末A)と粒
径0.5〜0.7mmの加硫ゴム粉末(加硫ゴム粉末
B)を得、これらの加硫ゴム粉末を配合した表1に示す
組成のゴム組成物を調製した(ただし、比較例1では加
硫ゴム粉末を配合せず)。
【0022】このゴム組成物を用いて常法に従って、加
圧コアを製造し、外表面にメルトンを被覆して硬質テニ
スボールを製造した。なお、用いた加硫ゴム粉末A,B
はいずれも粉末にする前の状態でのJIS A硬度は7
5°である。
【0023】得られた硬質テニスボールについて重量、
外径、硬度、リバウンドを測定すると共に、3人の評価
者により打撃時の感触を調べ、結果を表1に示した。な
お、表1には国際連盟規格を併記する。
【0024】
【表1】
【0025】表1より、本発明の硬質テニスボールは、
適正な硬度を有し、高反発性で打撃時の感触に優れるこ
とがわかる。
【0026】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、適
度な硬度と高い反発特性を有し、打撃時の感触が良好な
硬質テニスボールが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】加硫成形して得られた椀状(半球状)コアの集
合体の平面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】2個の椀状コアを接着して得られた球状のコア
を示す断面図である。
【符号の説明】 1 椀状コア 2 球状コア 3 バリ 4 空隙部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム組成物を加硫成形してなるコアを有
    するテニスボールにおいて、該ゴム組成物は加硫ゴム粉
    末を含むことを特徴とするテニスボール。
  2. 【請求項2】 上記加硫ゴム粉末の含有量が、ゴム組成
    物中のゴム成分100重量部に対し0.5〜100重量
    部であることを特徴とする請求項1に記載のテニスボー
    ル。
  3. 【請求項3】 上記加硫ゴム粉末の含有量が、ゴム組成
    物中のゴム成分100重量部に対し5〜30重量部であ
    ることを特徴とする請求項2に記載のテニスボール。
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