JP2000175472A - 巻上機制御装置 - Google Patents

巻上機制御装置

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JP2000175472A
JP2000175472A JP11044069A JP4406999A JP2000175472A JP 2000175472 A JP2000175472 A JP 2000175472A JP 11044069 A JP11044069 A JP 11044069A JP 4406999 A JP4406999 A JP 4406999A JP 2000175472 A JP2000175472 A JP 2000175472A
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洋二 中村
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大輔 松尾
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洋 近藤
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良裕 川上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便安価な構成でしかも商用交流電源による
モータ駆動を有効に活用することができ、また、インバ
ータを特別に大きくすることなく、速やかな減速動作特
性を実現することができる巻上機制御装置を得ることを
目的とする。 【解決手段】 下降運転時、接点「INV」15を閉じ
インバータ6により巻上モータ3を回転駆動し、回転速
度が商用交流電源の周波数に相当する定格速度になる
と、接点「INV」15を開、接点「下」16を閉にし
て商用交流電源により巻上モータ3を回転駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、巻上モータを可
逆可変速駆動可能なインバータを備えた巻上機制御装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のインバータを使用してエレベー
タやクレーンに適用される巻上機制御装置において、そ
のインバータの損失低減等を目的に、その巻上モータに
供給する電源を、インバータ電源と商用交流電源とに適
宜切り換える方式が提案されている。例えば、特開平4
−85272号公報に開示された油圧エレベータの運転
方法は、エレベータの上昇開始後に加速上昇から定速上
昇へ移行する際に、および下降開始後に加速下降から定
速下降へ移行する際に電動モータの電源をインバータ電
源から商用交流電源(周波数50Hzまたは60Hz)
に切り換えるというものである。また、エレベータの定
速上昇から減速上昇へ移行する際に、および定速下降か
ら減速下降へ移行する際に電動モータの電源を商用交流
電源からインバータ電源に切り換えるというものであ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の巻上機制御装置
は以上のように構成されているので、上昇および下降の
両運転時に商用交流電源により巻上モータを駆動するケ
ースが存在するが、上記商用交流電源ではその電圧の相
回転順が決まっているので、同一電源で上昇時と下降時
とで巻上モータの回転方向を逆転させるためには、商用
交流電源と巻上モータとの接続部分に、相回転方向を切
り換える接触器が、インバータ電源との切り換え手段と
は別に必要となり、この接続部分の構造が複雑でコスト
高になるとともに、信頼性も低下せざるを得ないという
問題点があった。
【0004】また、定速運転から減速運転に移行する
際、即ち、高速運転から低速運転または運転停止に移行
する際は、インバータ電源に切り換える必要があるが、
特に下降運転時は回生動作となり、条件によっては速や
かな減速動作が得られない、また、インバータの負担が
大きくなりその分インバータ設備容量の増大、コストア
ップになるという問題点があった。
【0005】この発明は以上のような問題点を解消する
ためになされたもので、簡便安価な構成でしかも商用交
流電源によるモータ駆動を有効に活用することができる
巻上機制御装置を得ることを目的とする。また、インバ
ータを特別に大きくすることなく、速やかな減速動作特
性を実現することができる巻上機制御装置を得ることを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係る巻上機制
御装置は、巻上モータ、この巻上モータを可逆可変速駆
動可能なインバータ、商用交流電源、および上記巻上モ
ータへ供給する電源を上記インバータと商用交流電源と
のいずれかに切り換える切換器を備え、上記巻上モータ
を回転駆動することにより負荷荷重の上昇運転および下
降運転を制御する巻上機制御装置において、上記上昇運
転時は、常に上記インバータにより上記巻上モータを回
転駆動し、上記下降運転時は、上記インバータにより上
記巻上モータを回転駆動し、回転速度が所定の値になっ
たとき上記切換器を操作して上記商用交流電源により上
記巻上モータを回転駆動するようにしたものである。
【0007】また、この発明に係る巻上機制御装置は、
その下降運転時は、インバータにより巻上モータを回転
駆動し、回転速度が商用交流電源の周波数に相当する値
になったとき切換器を操作して上記商用交流電源により
上記巻上モータを回転駆動するようにしたものである。
【0008】また、この発明に係る巻上機制御装置は、
巻上モータ、この巻上モータを可逆可変速駆動可能なイ
ンバータ、商用交流電源、および上記巻上モータへ供給
する電源を上記インバータと商用交流電源とのいずれか
に切り換える切換器を備え、上記巻上モータを回転駆動
することにより負荷荷重の上昇運転および下降運転を制
御する巻上機制御装置において、上記上昇運転時は、常
に上記インバータにより上記巻上モータを回転駆動し、
上記下降運転時は、上記インバータにより上記巻上モー
タを回転駆動し、上記インバータの直流入力電圧が所定
の値になったとき上記切換器を操作して上記商用交流電
源により上記巻上モータを回転駆動するようにしたもの
である。
【0009】また、この発明に係る巻上機制御装置は、
その商用交流電源による下降運転中に運転指令がなくな
ると、切換器を操作してインバータを巻上モータに接続
しかつ上記インバータを直流出力モードにしてダイナミ
ックブレーキをかけるとともに機械式ブレーキで制動す
るようにしたものである。
【0010】また、この発明に係る巻上機制御装置は、
その商用交流電源による下降運転中に運転指令がなくな
ると、機械式ブレーキによる制動を指令し、その一定時
間後に切換器を操作して上記商用交流電源と巻上モータ
とを切り離すようにしたものである。
【0011】また、この発明に係る巻上機制御装置は、
その一定時間として、機械式ブレーキへの制動指令出力
時点から制動動作開始時点までに相当する時間を設定す
るようにしたものである。
【0012】また、この発明に係る巻上機制御装置は、
巻上モータ、およびこの巻上モータを可逆可変速駆動可
能なインバータを備え、運転指令に基づき上記巻上モー
タを回転駆動して負荷荷重の昇降運転を制御する巻上機
制御装置において、上記インバータによる運転中に上記
運転指令がなくなると、上記インバータを交流出力モー
ドから直流出力モードに変換してダイナミックブレーキ
をかけるとともに機械式ブレーキで制動するようにした
ものである。
【0013】また、この発明に係る巻上機制御装置は、
巻上モータ、およびこの巻上モータを可逆可変速駆動可
能なインバータを備え、運転指令に基づき上記巻上モー
タを回転駆動して負荷荷重の昇降運転を制御する巻上機
制御装置において、上記インバータによる運転中に上記
運転指令がなくなると、上記インバータの出力周波数を
減らして減速し、上記インバータの直流入力電圧が所定
の値になったとき上記インバータを交流出力モードから
直流出力モードに変換してダイナミックブレーキをかけ
るとともに機械式ブレーキで制動するようにしたもので
ある。
【0014】また、この発明に係る巻上機制御装置は、
その昇降運転を高速運転と低速運転とで指令する場合で
あって、上記高速運転指令がなくなり機械式ブレーキで
制動停止後、上記低速運転指令が存在したとき、インバ
ータを交流出力モードで立ち上げ低周波数の交流電圧を
出力して低速運転を開始するようにしたものである。
【0015】また、この発明に係る巻上機制御装置のイ
ンバータは、商用交流電源の電圧を直流に変換した電圧
をその直流入力電圧とするものである。
【0016】また、この発明に係る巻上機制御装置は、
巻上モータ、商用交流電源、および上記商用交流電源と
巻上モータとの間に挿入された開閉器を備え、上記商用
交流電源の供給を受けて巻上モータを回転駆動すること
により負荷荷重の上昇運転および下降運転を制御する巻
上機制御装置において、下降運転中に運転指令がなくな
ると、上記商用交流電源と巻上モータとの接続は維持し
て先ず機械式ブレーキによる制動を指令し、その一定時
間後に上記開閉器を操作して上記商用交流電源と巻上モ
ータとを切り離すようにしたものである。
【0017】また、この発明に係る巻上機制御装置は、
その一定時間として、機械式ブレーキへの制動指令出力
時点から制動動作開始時点までに相当する時間を設定す
るようにしたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明の
実施の形態1におけるホイストの巻上機制御装置の全体
構成を示す回路図である。図において、端子R0、S
0、T0には50Hzまたは60Hzの三相200Vの
商用交流電源が供給されている。1は後述する各機器を
収容する制御装置、2はホイストの上昇/下降および高
速/低速/停止の運転を指令するための押ボタン、3は
誘導電動機でなる巻上モータ、4は機械式ブレーキであ
る巻上ブレーキで、後述するダイオードスタックからの
直流電流の供給が途絶えるとブレーキが作動する。5は
巻上モータ3の回転速度を検出する回転センサである。
【0019】次に、制御装置1内の構成について説明す
る。6はインバータで、商用交流電源からの三相交流電
圧を直流に変換するコンバータ部7、平滑コンデンサ
8、この平滑コンデンサ8の電圧を直流入力電圧として
動作し可逆可変周波数の三相交流電圧を出力するインバ
ータ部、およびインバータ部9の制御部、更には、後述
する各端子からの信号に基づき各種の処理動作を行う制
御回路を備えている。
【0020】10は上限リミットスイッチ(1段目)
で、常時閉に保たれ、この状態は、インバータ6がその
端子LSにR相電圧が印加されることで認識する。そし
て、上昇運転を続けホイストのフックが上昇すると、そ
の上昇端において上記上限リミットスイッチ10のレバ
ーに衝突し、上限リミットスイッチ10が動作してその
接点が開放され、インバータ6はその端子LS入力の喪
失からこれを判断して上昇運転停止の制御を行う。11
は上限リミットスイッチ(2段目)で、先の上限リミッ
トスイッチ(1段目)の動作にもかかわらず上昇運転が
停止せず更に上昇を続けた場合、この上限リミットスイ
ッチ(2段目)の接点が開放し、インバータ6への商用
交流電源の供給を断つ。
【0021】押ボタン2の「上」を1段目まで押し込む
と、インバータ6の端子UPにR相電圧が印加され、イ
ンバータ6は上昇低速運転指令が入力されたと認識す
る。押ボタン2の「上」を更に2段目まで押し込むと、
インバータ6の端子UPにR相電圧が印加されていたの
に加えて、同端子HIにR相電圧が印加され、インバー
タ6は上昇高速運転指令が入力されたと認識する。ま
た、押ボタン2の「下」を1段目まで押し込むと、イン
バータ6の端子DNにR相電圧が印加され、インバータ
6は下降低速運転指令が入力されたと認識する。押ボタ
ン2の「下」を更に2段目まで押し込むと、インバータ
6の端子DNにR相電圧が印加されていたのに加えて、
同端子HIにR相電圧が印加され、インバータ6は下降
高速運転指令が入力されたと認識する。
【0022】接触器「INV」12、「下」13および
「BRS」14はそれぞれインバータ6の端子OUT
2、OUT4およびOUT5からR相電圧が出力される
と付勢される構成となっている。そして、接触器「IN
V」12が付勢されると接点「INV」15を閉じイン
バータ6の端子U、V、Wから出力された電圧が巻上モ
ータ3に供給される。V相にはダイオードスタック17
が直列に挿入されており、V相に流れる電流を整流した
直流電流が巻上ブレーキ4に流れそのブレーキ動作を拘
束する。接触器「下」13が付勢されると接点「下」1
6を閉じ、下降方向に回転する相順で商用交流電源が巻
上モータ3に供給される。接触器「BRS」14が付勢
されると接点「BRS」18を閉じ、これにより巻上ブ
レーキ4はダイオードスタック17からの直流電流が絶
たれてそのブレーキ力が作動する。
【0023】次に、以上の巻上機制御装置における各種
の具体的な運転動作形態を各実施の形態例として順次説
明する。
【0024】実施の形態2.図2はこの発明の実施の形
態2における巻上機制御装置の動作を説明するタイミン
グチャートである。ここでは、ホイストの下降運転動作
を扱っている。接触器「INV」12は電源投入時より
付勢されており、接点「INV」15が閉じている(図
1)。時間t1において、押ボタン2の「下」を1段目
まで押すと(低速運転指令)、インバータ6は巻上モー
タ3が下降方向に回転する相順で低周波電圧を出力する
ので、巻上ブレーキ4は開放され下降低速運転が開始さ
れる。
【0025】時間t2において押ボタン2の「下」を2
段目まで押すと(高速運転指令)、インバータ6はその
出力周波数を徐々に増やしはじめ、下降運転が加速され
る。時間t3において、回転センサ5で検出される、巻
上モータ3の回転速度が商用交流電源の周波数、ここで
は50Hzに相当する定格速度になると、接触器「下」
13が付勢され、接触器「INV」12が消勢されて接
点「INV」15が開となるとともに、接点「下」16
が閉じて商用交流電源の電圧が巻上モータ3に供給され
る。これにより、下降高速運転に伴う回生エネルギーが
インバータ6を介することなく直接商用交流電源に回収
される。
【0026】次に、時間t4において、押ボタン2の
「下」を1段目まで戻すと(低速運転指令)、接触器
「INV」12が付勢され、接触器「下」13が消勢さ
れて接点「下」16が開となるとともに、接点「IN
V」15が閉じてインバータ6の出力端子が巻上モータ
3に接続される。そして、同時に、インバータ6は直流
出力モードでその端子U、W間から直流電圧を出力する
よう制御され、誘導電動機である巻上モータ3はこの直
流電圧の入力によりダイナミックブレーキ(発電制動)
が機能して減速を開始する。この時、インバータ6の端
子Vはオフ状態であるので、商用交流電源運転時にダイ
オードスタック17を介して巻上ブレーキ4に流れてい
たブレーキ電流は次第に減衰する。
【0027】時間t5においてダイナミックブレーキを
停止するが、この付近で巻上ブレーキ4の機械式ブレー
キが動作し巻上モータ3は一旦停止する。時間t6にお
いて、押ボタン2の「下」は1段目まで押されたまま、
即ち、低速運転指令が存続しているので、インバータ6
は低周波電圧を出力し、下降低速運転を再開する。
【0028】時間t7において、押ボタン2の「下」か
ら手を放すと、停止指令となり、接触器「BRS」14
が付勢されて接点「BRS」18が閉じ、巻上ブレーキ
4へのブレーキ電流が途絶えて機械式ブレーキが動作す
る。そして、時間t8において、巻上ブレーキ4が確実
に動作して巻上モータ3が停止するとインバータ6は出
力を停止し、一連の下降運転動作を終了する。
【0029】以上のように、インバータから商用交流電
源への切り換えは下降運転時にのみ採用し、後述するよ
うに、上昇運転時には採用しない構成としたので、商用
交流電源を巻上モータ3に供給する場合に相順を切り換
える手段が不要となり、装置としての価格が低減し信頼
性も向上する。
【0030】一般に一定の力行運転能力を有するインバ
ータの回生運転能力は、その平滑コンデンサ8の過電圧
特性によっている。即ち、主として力行運転用に設定さ
れたインバータに高容量の回生負担をかけると平滑コン
デンサ8が過電圧となってインバータがトリップするこ
とになる。ところで、巻上機制御装置にあっては、下降
高速運転時に回生すべき容量が最大となる。従って、こ
の下降高速運転時のみに商用交流電源に直接回生する方
式を採用することで、インバータはほぼ力行運転能力の
みを考慮した小形、低価格のもので済み、インバータ/
商用交流電源併用方式の利点がそのまま有効に活かされ
る訳である。
【0031】また、図2において、高速から低速になっ
た場合、インバータ6を回生動作とすることなく、直流
出力モードとしてダイナミックブレーキを働かせる方式
としたので、インバータ6に大きな回生能力をもたせる
ことなく確実な減速動作特性が得られ、安全性が担保さ
れる。即ち、インバータ6はその平滑コンデンサ8の電
圧を一定の限度内に抑えて回生動作を行う場合には、そ
の回生容量を制限せざるを得ず、結果として、減速停止
までの距離が増大し、安全性が確保されないことにな
る。
【0032】また、巻上ブレーキ4は、ダイナミックブ
レーキで巻上モータ3が十分減速した後に働かせるの
で、そのブレーキ板の摩耗も抑制される。なお、以上の
説明では、巻上モータ3の回転速度を回転センサ5で検
出するようにしたが、この回転速度とともに変化するイ
ンバータ6の出力周波数を基に回転速度を判断するよう
にしてもよい。
【0033】実施の形態3.図3はこの発明の実施の形
態3における巻上機制御装置の動作を説明するタイミン
グチャートである。ここでは、比較的高負荷における下
降動作を扱っている。図2の場合と同様に、時間t1で
押ボタン2の「下」が1段目まで押されてインバータ6
からの低周波電圧で低速運転を開始した後、時間t2に
おいて、押ボタン2の「下」が2段目まで押されると、
インバータ6はその出力周波数を徐々に増やしはじめ、
下降運転が加速される。
【0034】次に、この加速途中の時間t3において、
インバータ6の平滑コンデンサ8の電圧が所定の設定値
に達すると、これを検出して接触器「下」13が付勢さ
れ、接触器「INV」12が消勢されて接点「INV」
15が開になるとともに、接点「下」16が閉じて商用
交流電源の電圧が巻上モータ3に供給される。これによ
り、下降運転に伴う回生エネルギーがインバータ6を介
することなく直接商用交流電源に回収される。高負荷下
降運転時にあっても、インバータ6の回生能力の限界ま
で、できるだけ加速することで商用交流電源への切り換
えをスムーズにして切り換えに伴う衝撃を抑制すること
ができる。低速運転指令が出された時間t4以降の動作
は図2の場合と全く同様であるので説明を省略する。
【0035】図4は無負荷または軽負荷下降運転の場合
の動作を示すタイミングチャートである。ここでは、回
生負担が小さいので、時間t2からインバータ6により
加速が開始され、時間t3で商用交流電源の周波数50
Hzに相当する定格速度に達した後、更に時間t4に至
った時点でインバータ6の平滑コンデンサ8の電圧が所
定の設定値に達して商用交流電源運転に入り、極めてス
ムーズに切り換わる。
【0036】実施の形態4.図5はこの発明の実施の形
態4における巻上機制御装置の動作を説明するタイミン
グチャートである。ここでは、ホイストの上昇運転動作
を扱っている。接触器「INV」12は電源投入時より
付勢されており、接点「INV」15が閉じている(図
1)。時間t1において、押ボタン2「上」を1段目ま
で押すと(低速運転指令)、インバータ6は巻上モータ
3が上昇方向に回転する相順で低周波電源を出力するの
で、巻上ブレーキ4は開放され上昇低速運転が開始され
る。
【0037】時間t2において、押ボタン2の「上」を
2段目まで押すと(高速運転指令)、インバータ6はそ
の出力周波数を徐々に増やしはじめ、上昇運転が加速さ
れる。時間t3において、巻上モータ3の回転速度が所
定の定格速度になると、以降、上昇定格速度運転に入
る。
【0038】次に、時間t4において、押ボタン2の
「上」を1段目まで戻すと(低速運転指令)、インバー
タ6は交流出力モードから直流出力モードに変換し、そ
の端子U、W間から直流電圧を出力するよう制御され、
巻上モータ3はこの直流電圧の入力によりダイナミック
ブレーキが機能して減速を開始する。この時、インバー
タ6の端子Vはオフ状態であるので、インバータ6の交
流出力モード時にダイオードスタック17を介して巻上
ブレーキ4に流れていたブレーキ電流は次第に減衰す
る。
【0039】時間t5においてダイナミックブレーキを
停止するが、この付近で巻上ブレーキ4の機械式ブレー
キが動作し巻上モータ3は一旦停止する。時間t6にお
いて、押ボタン2の「上」は1段目まで押されたまま、
即ち、低速運転指令が存続しているので、インバータ6
は低周波電圧を出力し、上昇低速運転を再開する。
【0040】時間t7において、押ボタン2の「上」か
ら手を放すと、停止指令となり、接触器「BRS」14
が付勢されて接点「BRS」18が閉じ、巻上ブレーキ
4へのブレーキ電流が途絶えて機械式ブレーキが動作す
る。そして、時間t8において、巻上ブレーキ4が確実
に動作して巻上モータ3が停止するとインバータ6は出
力を停止し、一連の上昇運転を終了する。
【0041】以上のように、インバータ6によるダイナ
ミックブレーキ操作と巻上ブレーキ4による機械式ブレ
ーキ操作との併用で、確実で急速な減速動作が実現する
とともに、巻上ブレーキ4は、ダイナミックブレーキで
巻上モータ3が十分減速した後に働かせるので、そのブ
レーキ板の摩耗も抑制される。
【0042】下降運転時にも全く同様に適用することが
できる。この場合、インバータ6の回生制動に頼ること
なく、確実な急減速特性が得られ安全性が担保される。
【0043】実施の形態5.図6はこの発明の実施の形
態5における巻上機制御装置の動作を説明するタイミン
グチャートである。実施の形態4(図5)と異なるの
は、減速指令に対して、先ずインバータ6によりその許
容される範囲内で回生制動を実行する点である。即ち、
時間t2で押ボタン2の「上」が2段目まで押され、イ
ンバータ6がその出力周波数を徐々に増やして上昇運転
の加速を開始した後、その加速途中の時間t3におい
て、押ボタン2の「上」が1段目まで戻されると、イン
バータ6はその出力周波数を徐々に減じる回生運転を開
始する。そして、時間t4において、インバータ6の平
滑コンデンサ8の電圧が所定の設定値に達すると、これ
を検出してインバータ6は交流出力モードから直流出力
モードに変換し、その端子U、W間から直流電圧を出力
するよう制御され、巻上モータ3はこの直流電圧の入力
によりダイナミックブレーキが機能して急速に減速す
る。更に、巻上ブレーキ4に流れていたブレーキ電流も
減衰して巻上ブレーキ4の機械式ブレーキが動作して巻
上モータ3は一旦停止する。
【0044】その後の動作は、実施の形態4(図5)と
同様であるので説明は省略する。
【0045】この実施の形態では、高速から低速への減
速指令時、インバータ6の回生能力の範囲内、即ち、平
滑コンデンサ8の電圧が許容限度値内の範囲ではインバ
ータ6によりエネルギーの回収を行い、その後はインバ
ータ6によるダイナミックブレーキ操作と巻上ブレーキ
4による機械式ブレーキ操作との併用で、急速な減速動
作を確保することができる。勿論、巻上ブレーキ4のブ
レーキ板の摩耗も抑制される。
【0046】また、下降運転時にも全く同様に適用する
ことができる。この場合、減速指令の当初、インバータ
6の回生制動が行われるが、これにより、たとえその平
滑コンデンサ8の電圧が急上昇しても、トリップ動作等
の不具合を発生することなく、自動的にダイナミックブ
レーキ動作に移行するので、機器の信頼性は勿論、安全
性も確保される。
【0047】図7はこの発明の実施の形態6における巻
上機制御装置の動作を説明するタイミングチャートであ
る。図3(実施の形態3)の場合と同様に、時間t1で
押ボタン2の「下」が1段目まで押されてインバータ6
からの低周波電圧で低速運転を開始した後、時間t2に
おいて、押ボタン2の「下」が2段目まで押されると、
インバータ6はその出力周波数を徐々に増やしはじめ、
下降運転が加速される。
【0048】次に、この加速途中の時間t3において、
インバータ6の出力周波数が所定の設定値、ここでは3
0Hzに達すると、これを検出して接触器「下」13が
付勢され、接触器「INV」12が消勢されて接点「I
NV」15が開になるとともに、接点「下」16が閉じ
て商用交流電源の電圧が巻上モータ3に供給される。即
ち、この実施の形態6においては、インバータから商用
交流電源への切換時を、インバータ6の出力周波数によ
り判断しており、この設定周波数としては、インバータ
6の回生能力の限界、従って、その平滑コンデンサ8の
電圧の制限値に相当する周波数値に設定される。
【0049】このように、切換時の判断を、インバータ
では、本来その把握手段が備わっている出力周波数の値
によっているので、平滑コンデンサ8の電圧を検出する
手段を特別に設ける必要がなくなり、その分、装置が簡
便安価となる利点がある。インバータ6の出力周波数に
替わって巻上モータ3の回転速度により判断してもよい
ことは、実施の形態2で説明したと同様である。
【0050】そして、以上の構成によっても、実施の形
態3の場合と同様、高負荷下降運転時にあっても、イン
バータ6の回生能力の限界まで、できるだけ加速するこ
とで商用交流電源への切り換えをスムーズにして切り換
えに伴う衝撃を抑制することができるとの効果を奏する
ことは勿論である。
【0051】次に、時間t4において、押ボタン2の
「下」を1段目まで戻すと(低速運転指令)、ここで
は、先ず、接触器「BRS」14が付勢されて接点「B
RS」18が閉じ、巻上ブレーキ4へのブレーキ電流が
途絶えて機械式ブレーキが動作する。この機械式ブレー
キによる制動動作が開始される直前の、時間t4から一
定時間経過した時間t5において、接触器「INV」1
2が付勢され、接触器「下」13が消勢されて接点
「下」16が開となるとともに、接点「INV」16が
閉じてインバータ6の出力端子が巻上モータ3に接続さ
れる。但し、インバータ6の出力は零としている。
【0052】時間t5経過後、機械式ブレーキにより巻
上モータ3が一旦停止した後、時間t6で、接触器「B
RS」14が消勢されて接点「BRS」18が開く。ま
た、時間t6において、押ボタン2の「下」は1段目ま
で押されたまま、即ち、低速運転指令が存続しているの
で、インバータ6は低周波電圧を出力し、これに伴っ
て、機械式ブレーキが解除され、下降低速運転を再開す
る。時間t7で押ボタン2の「下」から手を放し停止指
令となって巻上モータ3が停止するに至る動作は先の実
施の形態と同様である。
【0053】下降運転中に、高速運転指令がなくなっ
て、制動動作を開始する場合、機械式ブレーキが指令を
受けてから実際に制動動作を開始するまでに時間遅れが
あり、この制動遅れの間に下降速度が加速される恐れが
あるが、以上説明したように、この実施の形態6におい
ては、高速運転指令がなくなっても、商用交流電源の接
続は維持したまま、先ず、機械式ブレーキに制動指令を
送り、実際に制動動作が開始される直前になって商用交
流電源からインバータへ切り換えるようにしたので、上
述した、下降速度が加速するという不具合が解消され
る。
【0054】なお、以上の実施の形態6は、商用交流電
源とインバータとを切り換えて巻上モータを駆動する方
式のものについて説明したが、上述した、機械式ブレー
キにおける制動動作遅れに伴う不具合を解消するため、
運転指令がなくなっても、商用交流電源の接続は維持し
たまま、先ず、機械式ブレーキに制動指令を送り、その
後、一定時間経過後商用交流電源を切り離すようにすれ
ば、インバータを使用せず、もっぱら商用交流電源の入
切で巻上モータを回転駆動する方式の巻上機制御装置に
も同様に適用でき同等の効果を奏する。
【0055】なお、以上の動作説明では、いずれも、押
ボタン2をその2段目から1段目まで戻した後、その状
態(低速運転指令)を一定期間維持する場合を扱った
が、押ボタン2を2段目から直ちに停止指令にした場合
は、インバータ6によるダイナミックブレーキが動作す
るとともに、接触器「BRS」14が付勢されて接点
「BRS」18が閉じ、巻上ブレーキ4による機械式ブ
レーキが動作して巻上モータ3は急減速停止する。そし
て、インバータ6はその出力を停止する。以上のよう
に、確実な停止動作特性が得られ、この場合も、巻上ブ
レーキ4は、インバータ6によるダイナミックブレーキ
で巻上モータ3が減速した後に働かせるので、そのブレ
ーキ板の摩耗も抑制される。
【0056】また、運転指令を、高速/低速の2段で指
令する場合に限らず、1段のみ、即ち、運転指令の有無
のみで操作する場合にもこの発明は同様に適用すること
ができる。
【0057】また、以上の説明におけるインバータ6
は、下降運転中の所定時に巻上モータ3に直接接続され
る商用交流電源と同一の交流電源をコンバータ部7で直
流に変換して得られる平滑コンデンサ8の電圧をその直
流入力電圧として動作する構成のものとしたが、上記商
用交流電源とは異なる系統または他の直流電源を入力と
して動作する構成のものとしてもこの発明は同様に適用
することができ同等の効果を奏する。
【0058】また、以上ではホイストに適用した場合に
ついて説明したが、この発明はクレーンやエレベータな
ど、他の種類の昇降機構に適用することもできる。
【0059】
【発明の効果】以上のように、この発明に係る巻上機制
御装置は、上昇運転時は、常にインバータにより巻上モ
ータを回転駆動し、下降運転時は、上記インバータによ
り上記巻上モータを回転駆動し、回転速度が所定の値に
なったとき切換器を操作して商用交流電源により上記巻
上モータを回転駆動するようにしたので、商用交流電源
運転のために必要となる接続切換機構が極めて簡便安価
になるとともに、下降運転時のインバータの発生損失を
低減することができる。
【0060】また、この発明に係る巻上機制御装置は、
その下降運転時は、インバータにより巻上モータを回転
駆動し、回転速度が商用交流電源の周波数に相当する値
になったとき切換器を操作して上記商用交流電源により
上記巻上モータを回転駆動するようにしたので、商用交
流電源への切り換えがより円滑になされる。
【0061】また、この発明に係る巻上機制御装置は、
上昇運転時は、常にインバータにより巻上モータを回転
駆動し、下降運転時は、上記インバータにより上記巻上
モータを回転駆動し、上記インバータの直流入力電圧が
所定の値になったとき切換器を操作して商用交流電源に
より上記巻上モータを回転駆動するようにしたので、商
用交流電源運転のために必要となる接続切換機構が極め
て簡便安価になるとともに、下降運転時のインバータの
発生損失を低減することができる。かつ、インバータを
その回生能力が最少限のもの、例えば、力行性能のみを
考慮した仕様のものにすることができ、その小形、低価
格化が実現する。
【0062】また、この発明に係る巻上機制御装置は、
商用交流電源による下降運転中に運転指令がなくなる
と、切換器を操作してインバータを巻上モータに接続し
かつ上記インバータを直流出力モードにしてダイナミッ
クブレーキをかけるとともに機械式ブレーキで制動する
ようにしたので、インバータの回生能力に左右されるこ
となく、急減速停止動作が確実に得られ、機械式ブレー
キのブレーキ板の摩耗も抑制される。
【0063】また、この発明に係る巻上機制御装置は、
商用交流電源による下降運転中に運転指令がなくなる
と、機械式ブレーキによる制動を指令し、その一定時間
後に切換器を操作して上記商用交流電源と巻上モータと
を切り離すようにしたので、機械式ブレーキの制動動作
開始の遅れにより下降速度が加速するという不具合が解
消される。
【0064】また、この発明に係る巻上機制御装置は、
一定時間として、機械式ブレーキへの制動指令出力時点
から制動動作開始時点までに相当する時間を設定するよ
うにしたので、機械式ブレーキの制動動作と電源の切り
換えのタイミング調整が確実になされる。
【0065】また、この発明に係る巻上機制御装置は、
インバータによる運転中に運転指令がなくなると、上記
インバータを交流出力モードから直流出力モードに変換
してダイナミックブレーキをかけるとともに機械式ブレ
ーキで制動するようにしたので、インバータの回生能力
に左右されることなく、急減速停止動作が確実に得ら
れ、機械式ブレーキのブレーキ板の摩耗も抑制される。
【0066】また、この発明に係る巻上機制御装置は、
インバータによる運転中に運転指令がなくなると、上記
インバータの出力周波数を減らして減速し、上記インバ
ータの直流入力電圧が所定の値になったとき上記インバ
ータを交流出力モードから直流出力モードに変換してダ
イナミックブレーキをかけるとともに機械式ブレーキで
制動するようにしたので、インバータをその回生能力が
最少限のもの、例えば、力行性能のみを考慮した仕様の
ものにすることができ、その小形、低価格化が実現する
とともに、当該インバータの回生能力に左右されること
なく、急減速停止動作が確実に得られ、機械式ブレーキ
のブレーキ板の摩耗も抑制される。
【0067】また、この発明に係る巻上機制御装置は、
昇降運転を高速運転と低速運転とで指令する場合であっ
て、上記高速運転指令がなくなり機械式ブレーキで制動
停止後、上記低速運転指令が存在したとき、インバータ
を交流出力モードで立ち上げ低周波数の交流電圧を出力
して低速運転を開始するようにしたので、減速動作が確
実になされ、かつ低速に至るまでの減速距離が短縮され
る。
【0068】また、この発明に係る巻上機制御装置のイ
ンバータは、商用交流電源の電圧を直流に変換した電圧
をその直流入力電圧とするので、特に電源部分の構成が
簡便となる。
【0069】また、この発明に係る巻上機制御装置は、
巻上モータ、商用交流電源、および上記商用交流電源と
巻上モータとの間に挿入された開閉器を備え、上記商用
交流電源の供給を受けて巻上モータを回転駆動すること
により負荷荷重の上昇運転および下降運転を制御する巻
上機制御装置において、下降運転中に運転指令がなくな
ると、上記商用交流電源と巻上モータとの接続は維持し
て先ず機械式ブレーキによる制動を指令し、その一定時
間後に上記開閉器を操作して上記商用交流電源と巻上モ
ータとを切り離すようにしたので、機械式ブレーキの制
動動作開始の遅れにより下降速度が加速するという不具
合が解消される。
【0070】また、この発明に係る巻上機制御装置は、
一定時間として、機械式ブレーキへの制動指令出力時点
から制動動作開始時点までに相当する時間を設定するよ
うにしたので、機械式ブレーキの制動動作と電源の切り
離しのタイミング調整が確実になされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における巻上機制御
装置の全体構成を示す回路図である。
【図2】 この発明の実施の形態2における巻上機制御
装置の動作を説明するタイミングチャートである。
【図3】 この発明の実施の形態3における巻上機制御
装置の動作を説明するタイミングチャートである。
【図4】 この発明の実施の形態3における巻上機制御
装置の動作を説明するタイミングチャートである。
【図5】 この発明の実施の形態4における巻上機制御
装置の動作を説明するタイミングチャートである。
【図6】 この発明の実施の形態5における巻上機制御
装置の動作を説明するタイミングチャートである。
【図7】 この発明の実施の形態6における巻上機制御
装置の動作を説明するタイミングチャートである。
【符号の説明】
2 押ボタン、3 巻上モータ、4 巻上ブレーキ、5
回転センサ、6 インバータ、7 コンバータ部、8
平滑コンデンサ、9 インバータ部、12〜14 接
触器、15,16,18 接点、17 ダイオードスタ
ック。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 洋 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 川上 良裕 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 3F002 EA05 EA08 EA09 GA03 3F204 CA07 GA03 5H001 AA01 AB01 AB10 AC02 5H576 AA06 AA07 BB09 CC05 DD02 DD04 EE10 FF01 FF05 GG02 HA01 HB02 LL01

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 巻上モータ、この巻上モータを可逆可変
    速駆動可能なインバータ、商用交流電源、および上記巻
    上モータへ供給する電源を上記インバータと商用交流電
    源とのいずれかに切り換える切換器を備え、上記巻上モ
    ータを回転駆動することにより負荷荷重の上昇運転およ
    び下降運転を制御する巻上機制御装置において、 上記上昇運転時は、常に上記インバータにより上記巻上
    モータを回転駆動し、上記下降運転時は、上記インバー
    タにより上記巻上モータを回転駆動し、回転速度が所定
    の値になったとき上記切換器を操作して上記商用交流電
    源により上記巻上モータを回転駆動するようにしたこと
    を特徴とする巻上機制御装置。
  2. 【請求項2】 下降運転時は、インバータにより巻上モ
    ータを回転駆動し、回転速度が商用交流電源の周波数に
    相当する値になったとき切換器を操作して上記商用交流
    電源により上記巻上モータを回転駆動するようにしたこ
    とを特徴とする請求項1記載の巻上機制御装置。
  3. 【請求項3】 巻上モータ、この巻上モータを可逆可変
    速駆動可能なインバータ、商用交流電源、および上記巻
    上モータへ供給する電源を上記インバータと商用交流電
    源とのいずれかに切り換える切換器を備え、上記巻上モ
    ータを回転駆動することにより負荷荷重の上昇運転およ
    び下降運転を制御する巻上機制御装置において、 上記上昇運転時は、常に上記インバータにより上記巻上
    モータを回転駆動し、上記下降運転時は、上記インバー
    タにより上記巻上モータを回転駆動し、上記インバータ
    の直流入力電圧が所定の値になったとき上記切換器を操
    作して上記商用交流電源により上記巻上モータを回転駆
    動するようにしたことを特徴とする巻上機制御装置。
  4. 【請求項4】 商用交流電源による下降運転中に運転指
    令がなくなると、切換器を操作してインバータを巻上モ
    ータに接続しかつ上記インバータを直流出力モードにし
    てダイナミックブレーキをかけるとともに機械式ブレー
    キで制動するようにしたことを特徴とする請求項1ない
    し3のいずれかに記載の巻上機制御装置。
  5. 【請求項5】 商用交流電源による下降運転中に運転指
    令がなくなると、機械式ブレーキによる制動を指令し、
    その一定時間後に切換器を操作して上記商用交流電源と
    巻上モータとを切り離すようにしたことを特徴とする請
    求項1ないし3のいずれかに記載の巻上機制御装置。
  6. 【請求項6】 一定時間として、機械式ブレーキへの制
    動指令出力時点から制動動作開始時点までに相当する時
    間を設定するようにしたことを特徴とする請求項5記載
    の巻上機制御装置。
  7. 【請求項7】 巻上モータ、およびこの巻上モータを可
    逆可変速駆動可能なインバータを備え、運転指令に基づ
    き上記巻上モータを回転駆動して負荷荷重の昇降運転を
    制御する巻上機制御装置において、 上記インバータによる運転中に上記運転指令がなくなる
    と、上記インバータを交流出力モードから直流出力モー
    ドに変換してダイナミックブレーキをかけるとともに機
    械式ブレーキで制動するようにしたことを特徴とする巻
    上機制御装置。
  8. 【請求項8】 巻上モータ、およびこの巻上モータを可
    逆可変速駆動可能なインバータを備え、運転指令に基づ
    き上記巻上モータを回転駆動して負荷荷重の昇降運転を
    制御する巻上機制御装置において、 上記インバータによる運転中に上記運転指令がなくなる
    と、上記インバータの出力周波数を減らして減速し、上
    記インバータの直流入力電圧が所定の値になったとき上
    記インバータを交流出力モードから直流出力モードに変
    換してダイナミックブレーキをかけるとともに機械式ブ
    レーキで制動するようにしたことを特徴とする巻上機制
    御装置。
  9. 【請求項9】 昇降運転を高速運転と低速運転とで指令
    する場合であって、上記高速運転指令がなくなり機械式
    ブレーキで制動停止後、上記低速運転指令が存在したと
    き、インバータを交流出力モードで立ち上げ低周波数の
    交流電圧を出力して低速運転を開始するようにしたこと
    を特徴とする請求項4ないし8のいずれかに記載の巻上
    機制御装置。
  10. 【請求項10】 インバータは、商用交流電源の電圧を
    直流に変換した電圧をその直流入力電圧とすることを特
    徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の巻上機制
    御装置。
  11. 【請求項11】 巻上モータ、商用交流電源、および上
    記商用交流電源と巻上モータとの間に挿入された開閉器
    を備え、上記商用交流電源の供給を受けて巻上モータを
    回転駆動することにより負荷荷重の上昇運転および下降
    運転を制御する巻上機制御装置において、 下降運転中に運転指令がなくなると、上記商用交流電源
    と巻上モータとの接続は維持して先ず機械式ブレーキに
    よる制動を指令し、その一定時間後に上記開閉器を操作
    して上記商用交流電源と巻上モータとを切り離すように
    したことを特徴とする巻上機制御装置。
  12. 【請求項12】 一定時間として、機械式ブレーキへの
    制動指令出力時点から制動動作開始時点までに相当する
    時間を設定するようにしたことを特徴とする請求項11
    記載の巻上機制御装置。
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