JP2000175321A - 間接操作棒及び間接作業装置 - Google Patents

間接操作棒及び間接作業装置

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JP2000175321A
JP2000175321A JP34469998A JP34469998A JP2000175321A JP 2000175321 A JP2000175321 A JP 2000175321A JP 34469998 A JP34469998 A JP 34469998A JP 34469998 A JP34469998 A JP 34469998A JP 2000175321 A JP2000175321 A JP 2000175321A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】作業者が安全で作業がしやすい作業姿勢をとる
ことができ、作業者にかかる肉体的負担を軽減できるよ
うにした間接操作棒及び間接作業装置を提供する。 【解決手段】ボルト回し操作具T2は絶縁操作棒R2と
ボルト回し工具4を備えており、絶縁操作棒R2は操作
棒本体1、駆動軸2、ハンドル3を備えている。操作棒
本体1は把持部材10と軸受部材16を備えている。軸
受部材16の連結体19には傘部材190が設けてあ
る。軸受部材16は把持部材10に対し軸周方向へ回転
可能に装着されており、係合穴にロックピン13の先端
部を係合することによって固定する方向を任意に設定で
きる。軸受部材16にはハンドル3操作で回転する駆動
軸2が装着されている。駆動軸2には傘部材26と鍔部
材27が設けてある。把持部材10内部には延長部材1
05が所要長さに引き出し可能に収納してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、架空電線
の配線工事等を間接活線作業で行う場合に使用する絶縁
操作棒等の間接操作棒及び間接操作棒に作業用工具を取
り付けた間接作業装置に関するものである。更に詳しく
は、取り付けられる作業用工具の作業方向を任意に調整
可能として、安全で作業がしやすい作業姿勢をとること
ができるようにし、作業用工具を含む間接作業装置の荷
重を腕以外にも分散して支持できるようにして、作業
時、作業者にかかる肉体的負担を軽減できるようにした
ものに関する。
【0002】
【従来技術】架空電線の配線工事等を間接活線作業で行
う場合には、多くの作業で絶縁操作棒が使用されてい
る。絶縁操作棒を使用して行われる作業は様々である
が、例えば、架空電線を把持して固着するために、柱上
に設けられた把持金具のボルトを締め付ける作業もその
一つである。ボルトの締め付け作業を行うためのボルト
回し操作具の一例を図14に示す。なお、図14は構造
を分かりやすく表現するために、全長に対し各部を拡大
したモデル図である。
【0003】ボルト回し操作具Tは、全天候型の絶縁操
作棒140とボルト回し工具144を備えている。絶縁
操作棒140は、絶縁材料で形成された本体141に駆
動軸142が設けてあり、駆動軸142は把持部149
側に設けられたハンドル143で回転させる構造であ
る。駆動軸142には、雨水を分断するための傘部材1
48と安全位置の目安となる鍔部材148aが設けてあ
り、本体141には傘部材148が設けてある。絶縁操
作棒140の本体141の先端部には、ボルト回し工具
144が取り付けられている。ボルト回し工具144
は、駆動軸142と連動する従動軸145と、従動軸1
45と連動する直角方向に設けられた作業軸146を有
する。作業軸146の先端部にはボックススパナ147
が装着されている。
【0004】上記ボルト回し操作具によれば、図15に
示すように、作業者が把持部149を片手で持って支
え、作業軸146先端部のボックススパナ147をボル
トのボルトヘッドに嵌め込み、もう片方の手でハンドル
143を回すことによって、作業者から上方へ離れた箇
所にあるボルトを感電の心配もなく安全に締め付けるこ
とができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したよう
な従来の絶縁操作棒を備えたボルト回し操作具には、次
のような課題があった。すなわち、従来のものでは、絶
縁操作棒の本体の先端部に取り付けられるボルト回し工
具の作業軸と、本体のハンドルの軸方向が同じに固定さ
れており、軸方向を変えることはできない。このため、
締め付ける対象となるボルトの軸方向によっては、ハン
ドルの軸方向が作業者に対し作業しやすい(回しやす
い)位置、すなわち把持部の横側ではなく、作業しにく
い手前側や奥側あるいは利き手側でない反対側となる場
合がある。作業しにくい側となった場合は、作業者が柱
上に固定した足場板上で上体をひねったりして無理に姿
勢を変えて作業を行っていた。なお、図15では、木の
枝の張り出し等により、作業者の作業向きが選択できな
い場合に、作業者がやむをえず利き手でない左手でハン
ドル操作を行っている状態を示している。
【0006】しかし、このように作業しにくく無理な姿
勢での作業は、当然ながら作業効率が悪く、また、柱上
で作業をする作業者の近くには高電圧の機器があるの
で、不用意に体を動かすと感電する危険があった。更
に、取り付けられる作業用工具も含めると相当な重さに
なるボルト回し操作具等の間接作業装置を長時間支えな
がら行う作業は、作業者にかかる肉体的負担が大きく、
作業効率も悪かった。
【0007】本発明は上記課題を解消するもので、取り
付けられる作業用工具の作業方向を本体の軸周方向にお
いて任意に調整可能として、作業者が安全で作業がしや
すい作業姿勢をとることができる絶縁操作棒等の間接操
作棒及びそれに作業用工具を取り付けた間接作業装置を
提供することを目的とする。また、作業用工具を取り付
けた間接作業装置の荷重を腕以外にも分散して支持でき
るようにし、作業時、作業者にかかる肉体的負担を軽減
できるようにした間接操作棒及び間接作業装置を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に講じた本発明の手段は次のとおりである。第1の発明
にあっては、作業を間接的に行うための間接操作棒であ
って、操作棒本体と、作業用工具を取り付けるための取
付手段と、取り付けられる作業用工具を作動させるため
の駆動軸と、当該駆動軸を回転させるためのハンドル
と、取り付けられる作業用工具の作業方向を上記操作棒
本体の軸周方向において調整するための方向調整手段
と、を備えていることを特徴とする、間接操作棒であ
る。
【0009】第2の発明にあっては、間接操作棒の長さ
を調整するための手段を備えていることを特徴とする、
第1の発明に係る間接操作棒である。
【0010】第3の発明にあっては、間接操作棒に、作
業者の着用物の所要部分に固定または係止するための手
段を備えていることを特徴とする、第1または第2の発
明に係る間接操作棒である。
【0011】第4の発明にあっては、所要部分に絶縁材
料を使用することにより、高電圧箇所の間接作業ができ
るようにしてあることを特徴とする、第1、第2または
第3の発明に係る間接操作棒である。
【0012】第5の発明にあっては、間接操作棒に、当
該間接操作棒に沿って流れる雨水を分断するための傘部
材が設けてあることを特徴とする、第4の発明に係る間
接操作棒である。
【0013】第6の発明にあっては、第1、第2、第
3、第4または第5の発明に係る間接操作棒に作業用工
具を取り付けたことを特徴とする、間接作業装置であ
る。
【0014】(作用)本発明に係る間接操作棒によれ
ば、方向調整手段によって作業用工具の作業方向を操作
棒本体の軸周方向において調整することができるので、
作業現場の状況に合わせて、ハンドルの方向と作業用工
具の作業方向の角度を任意に調整し、設定することがで
きる。従って、間接操作棒を使用する作業者は、無理な
姿勢をとることなく、作業箇所の視認やハンドル操作が
しやすい姿勢で作業できるので、柱上やクレーンバケッ
ト内での高所作業を安全に行うことが可能になる。ま
た、作業がしやすい姿勢で作業を行うことにより、作業
者の疲労も軽減できるので、作業効率を向上させること
ができる。
【0015】間接操作棒の長さを調整するための手段を
備えているものでは、作業者の体格の違いによる作業性
の変化をなくすことができ、ほぼ同様の作業性が得られ
る。また、例えば、把持部を持つ腕をできるだけ下げて
姿勢の維持がしやすい状態で支える等、作業時に作業者
にかかる肉体的負担を軽減することができる。更に、場
合によっては間接操作棒の基端部を作業者の腹部や腰部
に当てて荷重の一部を支えることにより、荷重を腕部以
外の箇所に分散させて作業者の疲労を軽減することがで
きる。
【0016】間接操作棒に、作業者の着用物の所要部分
に固定または係止するための手段を備えているもので
は、例えば、間接操作棒の基端部に設けた係止部をベル
トに掛けて支えるというような使い方ができ、間接操作
棒を固定または係止することによって作業をより確実に
行うことが可能になる。
【0017】所要部分に絶縁材料を使用することによ
り、高電圧箇所の間接作業ができるようにしてあるもの
では、例えば、架空電線の配線工事等を間接活線作業で
行うことができ、バイパス工事等をすることなく、無停
電での作業が可能になる。
【0018】間接操作棒に、間接操作棒に沿って流れる
雨水を分断するための傘部材が設けてあるものでは、雨
中での作業においても、高電圧箇所と間接操作棒のうち
作業者が触れている箇所との間で雨水がつながらないの
で、雨水がその間で導体として作用することがなく、感
電の危険がない安全な作業が可能になる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
き更に詳細に説明する。図1は本発明に係るボルト回し
操作具の第1の実施の形態を示す断面説明図、図2は図
1に示すボルト回し操作具の回動調整部の拡大断面説明
図、図3は図2におけるA−A部分に対応する断面説明
図である。なお、図1は構造を分かりやすく表現するた
めに、全長に対し各部を拡大したモデル図である。
【0020】符号T1は間接作業装置であるボルト回し
操作具である。ボルト回し操作具T1は、雨中での作業
も可能な全天候型の間接操作棒である絶縁操作棒R1と
その先端部に取り付けてあるボルト回し工具4により構
成されている。なお、絶縁操作棒R1に取り付けられる
作業用工具はボルト回し工具に限定されるものではな
く、例えば、小サイズの電線端末の皮剥ぎに使用するP
DC端末皮剥器や電線中間部の皮剥ぎに使用する電線皮
剥磨き器等、他の工具を取り付けることもできる。絶縁
操作棒R1は、絶縁体であるFRP製の操作棒本体1、
駆動軸2及びハンドル3を備えている。絶縁体として
は、例えば、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、エポキシ等の各種絶縁プラスチック、あるいはガラ
ス等、FRP以外の材料を使用することもできる。
【0021】操作棒本体1は、把持部材10と軸受部材
16を備えている。把持部材10の先部側には、端部が
開口したギヤ収容部11が設けてある。ギヤ収容部11
の開口縁には、内方へ突出した係合部12が全周にわた
り設けてある。係合部12の一箇所には、外側から内部
へ貫通してロックピン13が進退動ができるように装着
してある。ロックピン13は、外部側のつまみ部と内部
側の径大部の作用により抜け出ないようになっており、
後述する軸受部材16に設けられる係合穴171と共に
方向調整手段を構成する。把持部材10の先部側壁に
は、ギヤ収容部11へ貫通するハンドル取付部14が設
けてある。ハンドル取付部14の外部開口縁には、内方
へ突出した係合部15が全周にわたり設けてある。
【0022】把持部材10のギヤ収容部11には、上記
軸受部材16の基部が接続されている。軸受部材16
は、やや長く形成された基部側軸受部17と、やや短く
形成された先部側軸受部18を備えている。基部側軸受
部17と先部側軸受部18は同軸上に離隔して設けてあ
り、コ状の連結体19でつないである。先部側軸受部1
8の先部外面側には、相対向する二箇所に、取付手段を
構成する係合ピン180が設けてある。なお、係合ピン
180の数は二本に限定されるものではなく、後述する
係合溝43の数と対応すれば一本、三本、四本等でもよ
い。
【0023】また、連結体19の先部寄りには傘部材1
90が設けてある。傘部材190は、ゴム製の傘191
とその下方に連設してあるフッ素樹脂製のチューブ19
2により構成されている。チューブ192表面は撥水作
用を有し、雨滴がつながらないようにして、安全性をよ
り向上させている。
【0024】基部側軸受部17の基端部には、外方へ突
出し上記係合部12と係合する係合部170が全周にわ
たり設けてある。基部側軸受部17の基端部寄り外面側
には、軸周方向へ等間隔で複数箇所(本実施の形態では
八箇所)に係合穴171が設けてある。なお、基部側軸
受部17は、把持部材10に対し軸周方向へ回転可能に
装着されており、係合穴171に上記ロックピン13の
先端部を係合することによって、固定する方向を任意に
設定することができる。また、基部側軸受部17の基端
部寄り内面側には、内方へ突出して係合部172が全周
にわたり設けてある。
【0025】軸受部材16には、基部側軸受部17と先
部側軸受部18に挿通して駆動軸2が回転可能に装着さ
れている。駆動軸2は、本実施の形態では後述する金属
製のギヤ24を除いてFRP製であるが、安全箇所の基
準となる後述する鍔部材27より手元側に関しては、使
用材料は特に絶縁材料に限定されるものではなく、金属
等の導体を採用することもできる。駆動軸2の先部側に
は、先部側軸受部18に挿通されるやや径小の端軸部2
0が設けてある。端軸部20の先端面には、後述するボ
ルト回し工具4の従動軸の嵌合凸部450(六角棒状)
を嵌合させる嵌合凹部21(六角穴状)が設けてある。
駆動軸2には、端軸部20に隣接して径大のストッパー
22が設けてあり、後述する括れ部23と協働して、駆
動軸2が軸線方向に動かないようにすることができる。
【0026】駆動軸2の基端部には、金属製のギヤ24
(傘歯車)が設けてある。また、駆動軸2の基端部寄り
には、径小の括れ部23が設けてある。括れ部23は、
リング状の軸受メタル25を介し、上記係合部172に
係合されている。上記ハンドル取付部14には、ハンド
ル3が取り付けてある。ハンドル3は、操作部30と軸
部31を備えており、軸部31の先端部には、上記駆動
軸2のギヤ24と噛み合うギヤ32(傘歯車)が設けて
ある。軸部31の中間部には括れ部33が設けてあり、
ハンドル3は括れ部33をリング状の軸受メタル34を
介し上記係合部15に係合して取り付けてある。
【0027】駆動軸2のうち、基部側軸受部17と先部
側軸受部18間には、先部寄りに傘部材26が設けてあ
り、基部寄りに鍔部材27が設けてある。傘部材26
は、上記傘部材190と同様にゴム製の傘260とその
下方に連設してあるフッ素樹脂製のチューブ261によ
り構成されている。鍔部材27は、絶縁操作棒R1の先
端部分からの安全基準距離(600mm以上:安全衛生
規則に規定)の位置に設けられており、作業中、鍔部材
27より先部側に触れることがないようにするためのも
のである。また、上記したように軸受部材16の連結体
19にも傘部材190が設けてあり、傘部材26、19
0は、雨中の作業において、駆動軸2と連結体19に沿
って流れる雨水を分断することができる。
【0028】上記ボルト回し工具4は、ケース40を備
えている。ケース40の先部側内部にはギヤ収容部41
が設けてある。ケース40には、ギヤ収容部41から、
ケース40基部側へ貫通する軸挿通孔42が設けてあ
る。軸挿通孔42部分の壁部には、上記先部側軸受部1
8の係合ピン180と係合しボルト回し工具4を取り付
けるための係合溝43が設けてある。軸挿通孔42のギ
ヤ収容部41側端部には、内方へ突出した係合部44が
全周にわたり設けてある。
【0029】軸挿通孔42には、金属製の従動軸45が
回転可能に装着してある。従動軸45の基端部には、上
記駆動軸2の嵌合凹部21と嵌合し、駆動軸2の回転力
を従動軸45に伝えるための嵌合凸部450が設けてあ
る。従動軸45の先端部には、ギヤ451(傘歯車)が
設けてある。従動軸45は、リング状の軸受メタル45
2を介し上記係合部44に係合して取り付けてある。
【0030】また、ケース40には、ギヤ収容部41か
らケース40側部に貫通する軸挿通孔47が設けてあ
る。軸挿通孔47のギヤ収容部41側端部には、内方へ
突出した係合部48が全周にわたり設けてある。軸挿通
孔47には、従動軸45と連動し回転する作業軸49が
リング状の軸受メタル490を介し上記係合部48に係
合して回転可能に取り付けてある。作業軸49のうちギ
ヤ収容部41の内部側端部には、上記ギヤ451と噛み
合うギヤ491(傘歯車)が設けてある。また、外部側
端部には、回す(締め付ける)対象となるボルトのボル
トヘッドに嵌合するボックススパナ492が設けてあ
る。
【0031】(作 用)図4は図1に示すボルト回し操
作具の使用状態を示す説明図である。図1ないし図4を
参照して、ボルト回し操作具の作用を説明する。ボルト
回し操作具T1は、通常は図4に示すように、作業者M
が柱上に設けられた足場板5に乗り使用する。足場板5
に乗った作業者Mは、落下防止のための胴綱6を使用し
ている。そして、作業者Mは、ボルト回し操作具T1の
先端部のボックススパナ492をボルト8のボルトヘッ
ドに嵌め込み、把持部10を片手で持ち、もう片方の手
でハンドル3を回すことによって、作業者Mから上方へ
離れた箇所にあるボルト8を感電の心配もなく安全に締
め付けることができる。
【0032】また、回す対象のボルトの軸方向が変わ
り、作業者Mが足場板5上で上体をひねったりして無理
な姿勢をとらなければボルト回し操作ができない場合に
は、ロックピン13を係脱操作して軸受部材16を軸周
方向へ回転させて調整し、ハンドル3の軸部31とボル
ト回し工具4の作業軸49の角度を、作業者Mが足場板
5上で安全な作業姿勢をとりながら、かつハンドル3の
操作もしやすいように設定する。なお、図4では、木の
枝の張り出し等により、作業者Mの作業位置が選択でき
ない場合に、作業者Mがボルト回し工具4の作業軸49
とハンドル3の軸方向が逆方向(180度)になるよう
に調整して、利き手の右手でハンドル操作ができるよう
にしている。従って、作業者Mは、作業部分の視認をし
ながらのハンドル操作を柱上の足場板5の上で安全な作
業姿勢をとりながら行うことが可能になる。
【0033】駆動軸2と連結体19に傘部材26、19
0が設けてあるので、駆動軸2と連結体19に沿って流
れる雨水を分断することができ、雨中での作業時に、高
電圧箇所と絶縁操作棒R1のうち作業者Mが触れている
箇所との間で雨水がつながらないので、雨水が導体とし
て作用することがなく、感電の危険がない安全な作業が
可能になる。
【0034】図5は絶縁操作棒の回動調整部の他の構造
を示す断面説明図、図6は図5におけるB−B部分に対
応する断面説明図である。なお、図面において、上記実
施の形態と同一または同等箇所には同一の符号を付して
示し、構造の重複する説明は省略する。
【0035】本実施の形態では、係合部12の一箇所
に、外側から内部へ貫通してロックネジ13aが回転に
よる進退動ができるように螺着してある。ロックネジ1
3aの先端部が圧接される基部側軸受部17の外周部に
は係合穴は設けられておらず、ロックネジ13aを締め
付けて先端部を圧接することによる摩擦力によって、基
部軸受部17を固定する構造である。なお、ロックネジ
13aのつまみ部分は蝶ネジのつまみ形状であるが、こ
れに限定するものではなく、例えば、リング状、ボルト
ヘッド状のもの等も採用できる。この構造によれば、ハ
ンドル3の軸部31とボルト回し工具4の作業軸49の
軸周方向の角度(方向)を、上記実施の形態のように段
階的ではなく、無段階に更に細かい調整が可能になる。
【0036】図7は本発明に係るボルト回し操作具の第
2の実施の形態を示す分解断面説明図、図8は図7に示
すボルト回し操作具の把持部の拡大断面説明図、図9は
図8におけるC−C部分に対応する拡大断面説明図、図
10は図7に示すボルト回し操作具の把持部を伸張させ
た状態を示す拡大断面説明図である。なお、図7に示し
たものは、ボルト回し操作具を実際のプロポーションで
表したものである。また、図面において、上記実施の形
態と同一または同等箇所には同一の符号を付して示し、
構造の重複する説明は省略する。
【0037】ボルト回し操作具T2は、全天候型の絶縁
操作棒R2とその先端部に取り付けてあるボルト回し工
具4により構成されている。絶縁操作棒R2の把持部材
10内部には、基端部からギヤ収容部11へ貫通するガ
イド孔101が設けてある。把持部材10の基端部には
筒状の端部材102が固着してある。端部材102の基
部側には、壁部を貫通して筒状のピン装着部103が設
けてある。ピン装着部103には、ロックピン104が
進退可能にかつバネで内方へ付勢されて装着されてい
る。
【0038】ガイド孔101には、延長部材105が端
部材102を貫通し、出入り可能に装着されている。延
長部材105のうち、一側面部には上記ロックピン10
4と係合する多数の係合歯106が長手方向のほぼ全長
にわたり設けてある。係合歯106は、それぞれ下面が
逃げ傾斜した構造である。これにより、延長部材105
を引き出し操作は、ロックピン104を操作することな
く行うことができる。また、延長部材105を収容方向
へ動かそうとすると係合歯106の水平面とロックピン
104が係合してロックするようになっているので、延
長部材105をガイド孔101内に収容するときは、ロ
ックピン104を外方へ引っ張り係合を外して行うよう
にする。
【0039】延長部材105のうち係合歯106と反対
側の側面には、ほぼ全長にわたりキー109が設けてあ
る。また、上記係合歯106とキー109は、端部材1
02に対向して設けられた案内溝100に嵌め込まれて
案内され、これにより延長部材105の軸周方向の回転
を防止している。なお、各案内溝100が設けられる軸
周方向の角度は、180度に限定するものではなく、9
0度、120度等適宜設定できる。また、案内溝100
を端部材102ではなくガイド孔101内壁に、或いは
端部材102とガイド孔101内壁の双方に設けること
もできる。
【0040】延長部材105の基端部には、作業者が着
用するベルトに上方から係止することができるフック状
の係止具107が設けてある。なお、延長部材105の
先端部には、ロックピン104と係合できるようにした
径大の係合部108が設けてあり、延長部材105の抜
け出しによる脱落を防止している。なお、本実施の形態
では、延長部材105は把持部材10の内部に収容され
る構造としたが、外部に添設する構造としてもよい。
【0041】(作用)図11は図7に示すボルト回し操
作具の使用状態を示す説明図である。図7ないし図11
を参照してボルト回し操作具の作用を説明する。ボルト
回し操作具T2は、上記ボルト回し操作具T1の作用に
加えて次のような作用を有する。ボルト回し操作具T2
は、延長部材105を出し入れして絶縁操作棒R2の長
さを調整することができるので、例えば、把持部材10
を持つ腕をできるだけ下げて姿勢の維持がしやすい状態
で支える等、作業時に作業者Mにかかる肉体的負担を軽
減することが可能になる。また、場合によっては延長部
材105の基端部の係止具107部分を作業者Mの腹部
や腰部に当てて荷重を支えたり、図11に示すようにベ
ルト7に係止して荷重を腕部以外の箇所に分散させる使
い方も可能になり、より確実な作業を行うことができ
る。
【0042】図12は本発明に係るボルト回し操作具の
第3の実施の形態を示す分解断面説明図である。なお、
図12は構造を分かりやすく表現するために、全長に対
し各部を拡大したモデル図である。また、図面におい
て、上記実施の形態と同一または同等箇所には同一の符
号を付して示し、構造の重複する説明は省略する。ボル
ト回し操作具T3は、絶縁操作棒R3とボルト回し工具
4を備えている。ボルト回し操作具T3は、雨水を分断
するための傘部材を備えておらず、上記ボルト回し操作
具T1、T2のような全天候型ではなく、雨天時以外
(通常、晴天時)に使用するものである。
【0043】ボルト回し操作具T3は、ボルト回し操作
具T1とは操作棒本体1の構造が相違している。すなわ
ち、操作棒本体1の軸受部材16aはほぼ筒状で、駆動
軸2の全体を内包する構造である。そして、軸受部材1
6aの中間部には、上記と同様の鍔部材160が設けて
ある。ボルト回し操作具T3は、雨天時には使用できな
いが、上記ボルト回し操作具T1と比較して構造がより
簡易的で嵩張らずコンパクトである。なお、ボルト回し
工具4の作業方向の調整等、ボルト回し操作具T3の他
の作用については、ボルト回し操作具T1とほぼ同様で
あるので詳細な説明は省略する。
【0044】図13は本発明に係るボルト回し操作具の
第4の実施の形態を示す分解断面説明図である。なお、
図13に示したものは、ボルト回し操作具を実際のプロ
ポーションで表したものである。また、図面において、
上記実施の形態と同一または同等箇所には同一の符号を
付して示し、構造の重複する説明は省略する。ボルト回
し操作具T4は、絶縁操作棒R4とボルト回し工具4を
備えている。ボルト回し操作具T4は、雨水を分断する
傘部材を備えておらず、上記ボルト回し操作具T3と同
様に雨天時以外に使用するものである。
【0045】ボルト回し操作具T4は、上記ボルト回し
操作具T2とは操作棒本体1の構造が相違している。す
なわち、操作棒本体1の軸受部材16bはほぼ筒状で、
駆動軸2の全体を内包する構造である。そして、軸受部
材16bの中間部には、上記と同様の鍔部材160が設
けてある。ボルト回し操作具T4は、雨天時には使用で
きないが、上記ボルト回し操作具T2と比較して構造が
より簡易的で嵩張らずコンパクトである。なお、ボルト
回し工具4の作業方向の調整や、全体の長さの調整等、
ボルト回し操作具T4の他の作用については、ボルト回
し操作具T2とほぼ同様であるので詳細な説明は省略す
る。
【0046】本明細書で使用している用語と表現は、あ
くまで説明上のものであって限定的なものではなく、上
記用語、表現と等価の用語、表現を除外するものではな
い。また、本発明は図示されている実施の形態に限定さ
れるものではなく、技術思想の範囲内において種々の変
形が可能である。
【0047】
【発明の効果】本発明は上記構成を備え、次の効果を有
する。 (a)本発明に係る間接操作棒によれば、方向調整手段
によって作業用工具の作業方向を操作棒本体の軸周方向
において調整することができるので、作業現場の状況に
合わせて、ハンドルの方向と作業用工具の作業方向の角
度を任意に調整し、設定することができる。従って、間
接操作棒を使用する作業者は、無理な姿勢をとることな
く、作業箇所の視認やハンドル操作がしやすい姿勢で作
業できるので、柱上やクレーンバケット内での高所作業
を安全に行うことが可能になる。また、作業がしやすい
姿勢で作業を行うことにより、作業者の疲労も軽減でき
るので、作業効率を向上させることができる。
【0048】(b)間接操作棒の長さを調整するための
手段を備えているものでは、作業者の体格の違いによる
作業性の変化をなくすことができ、ほぼ同様の作業性が
得られる。また、例えば、把持部を持つ腕をできるだけ
下げて姿勢の維持がしやすい状態で支える等、作業時に
作業者にかかる肉体的負担を軽減することができる。更
に、場合によっては間接操作棒の基端部を作業者の腹部
や腰部に当てて荷重の一部を支えることにより、荷重を
腕部以外の箇所に分散させて作業者の疲労を軽減するこ
とができる。
【0049】(c)間接操作棒に、作業者の着用物の所
要部分に固定または係止するための手段を備えているも
のでは、例えば、間接操作棒の基端部に設けた係止部を
ベルトに掛けて支えるというような使い方ができ、間接
操作棒を固定または係止することによって作業をより確
実に行うことが可能になる。
【0050】(d)所要部分に絶縁材料を使用すること
により、高電圧箇所の間接作業ができるようにしてある
ものでは、例えば、架空電線の配線工事等を間接活線作
業で行うことができ、バイパス工事等をすることなく、
無停電での作業が可能になる。
【0051】(e)間接操作棒に、間接操作棒に沿って
流れる雨水を分断するための傘部材が設けてあるもので
は、雨中での作業においても、高電圧箇所と間接操作棒
のうち作業者が触れている箇所との間で雨水がつながら
ないので、雨水がその間で導体として作用することがな
く、感電の危険がない安全な作業が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るボルト回し操作具の第1の実施の
形態を示す断面説明図。
【図2】図1に示すボルト回し操作具の回動調整部の拡
大断面説明図。
【図3】図2におけるA−A部分に対応する断面説明
図。
【図4】図1に示すボルト回し操作具の使用状態を示す
説明図。
【図5】絶縁操作棒の回動調整部の他の構造を示す断面
説明図。
【図6】図5におけるB−B部分に対応する断面説明
図。
【図7】本発明に係るボルト回し操作具の第2の実施の
形態を示す分解断面説明図。
【図8】図7に示すボルト回し操作具の把持部の拡大断
面説明図。
【図9】図8におけるC−C部分に対応する拡大断面説
明図。
【図10】図7に示すボルト回し操作具の把持部を伸張
させた状態を示す拡大断面説明図。
【図11】図7に示すボルト回し操作具の使用状態を示
す説明図。
【図12】本発明に係るボルト回し操作具の第3の実施
の形態を示す分解断面説明図。
【図13】本発明に係るボルト回し操作具の第4の実施
の形態を示す分解断面説明図。
【図14】従来のボルト回し操作具の一例を示す断面説
明図。
【図15】従来のボルト回し操作具の使用状態を示す説
明図。
【符号の説明】
T1 ボルト回し操作具 R1 絶縁操作棒 1 操作棒本体 10 把持部材 11 ギヤ収容部 12 係合部 13 ロックピン 14 ハンドル取付部 15 係合部 16 軸受部材 17 基部側軸受部 170 係合部 171 係合穴 172 係合部 18 先部側軸受部 180 係合ピン 19 連結体 190 傘部材 191 傘 192 チューブ 2 駆動軸 20 端軸部 21 嵌合凹部 22 ストッパー 23 括れ部 24 ギヤ 25 軸受メタル 26 傘部材 260 傘 261 チューブ 27 鍔部材 3 ハンドル 30 操作部 31 軸部 32 ギヤ 33 括れ部 34 軸受メタル 4 ボルト回し工具 40 ケース 41 ギヤ収容部 42 軸挿通孔 43 係合溝 44 係合部 45 従動軸 450 嵌合凸部 451 ギヤ 452 軸受メタル 47 軸挿通孔 48 係合部 49 作業軸 490 軸受メタル 491 ギヤ 492 ボックススパナ 13a ロックネジ T2 ボルト回し操作具 R2 絶縁操作棒 100 案内溝 101 ガイド孔 102 端部材 103 ピン装着部 104 ロックピン 105 延長部材 106 係合歯 107 係止具 108 係合部 T3 ボルト回し工具 R3 絶縁操作棒 16a 軸受部材 160 鍔部材 T4 ボルト回し工具 R4 絶縁操作棒 16b 軸受部材
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年9月30日(1999.9.3
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 間接操作棒及び間接作業装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、架空電線
の配線工事等を間接活線作業で行う場合に使用する絶縁
操作棒等の間接操作棒及び間接操作棒に作業用工具を取
り付けた間接作業装置に関するものである。更に詳しく
は、取り付けられる作業用工具の作業方向を任意に調整
可能として、安全で作業がしやすい作業姿勢をとること
ができるようにし、作業用工具を含む間接作業装置の荷
重を腕以外にも分散して支持できるようにして、作業
時、作業者にかかる肉体的負担を軽減できるようにした
ものに関する。
【0002】
【従来技術】架空電線の配線工事等を間接活線作業で行
う場合には、多くの作業で絶縁操作棒が使用されてい
る。絶縁操作棒を使用して行われる作業は様々である
が、例えば、架空電線を把持して固着するために、柱上
に設けられた把持金具のボルトを締め付ける作業もその
一つである。ボルトの締め付け作業を行うためのボルト
回し操作具の一例を図14に示す。なお、図14は構造
を分かりやすく表現するために、全長に対し各部を拡大
したモデル図である。
【0003】ボルト回し操作具Tは、全天候型の絶縁操
作棒140とボルト回し工具144を備えている。絶縁
操作棒140は、絶縁材料で形成された本体141に駆
動軸142が設けてあり、駆動軸142は把持部149
側に設けられたハンドル143で回転させる構造であ
る。駆動軸142には、雨水を分断するための傘部材1
48と安全位置の目安となる鍔部材148aが設けてあ
り、本体141には傘部材148が設けてある。絶縁操
作棒140の本体141の先端部には、ボルト回し工具
144が取り付けられている。ボルト回し工具144
は、駆動軸142と連動する従動軸145と、従動軸1
45と連動する直角方向に設けられた作業軸146を有
する。作業軸146の先端部にはボックススパナ147
が装着されている。
【0004】上記ボルト回し操作具によれば、図15に
示すように、作業者が把持部149を片手で持って支
え、作業軸146先端部のボックススパナ147をボル
トのボルトヘッドに嵌め込み、もう片方の手でハンドル
143を回すことによって、作業者から上方へ離れた箇
所にあるボルトを感電の心配もなく安全に締め付けるこ
とができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したよう
な従来の絶縁操作棒を備えたボルト回し操作具には、次
のような課題があった。すなわち、従来のものでは、絶
縁操作棒の本体の先端部に取り付けられるボルト回し工
具の作業軸と、本体のハンドルの軸方向が同じに固定さ
れており、軸方向を変えることはできない。このため、
締め付ける対象となるボルトの軸方向によっては、ハン
ドルの軸方向が作業者に対し作業しやすい(回しやす
い)位置、すなわち把持部の横側ではなく、作業しにく
い手前側や奥側あるいは利き手側でない反対側となる場
合がある。作業しにくい側となった場合は、作業者が柱
上に固定した足場板上で上体をひねったりして無理に姿
勢を変えて作業を行っていた。なお、図15では、木の
枝の張り出し等により、作業者の作業向きが選択できな
い場合に、作業者がやむをえず利き手でない左手でハン
ドル操作を行っている状態を示している。
【0006】しかし、このように作業しにくく無理な姿
勢での作業は、当然ながら作業効率が悪く、また、柱上
で作業をする作業者の近くには高電圧の機器があるの
で、不用意に体を動かすと感電する危険があった。更
に、取り付けられる作業用工具も含めると相当な重さに
なるボルト回し操作具等の間接作業装置を長時間支えな
がら行う作業は、作業者にかかる肉体的負担が大きく、
作業効率も悪かった。
【0007】本発明は上記課題を解消するもので、取り
付けられる作業用工具の作業方向を本体の軸周方向にお
いて任意に調整可能として、作業者が安全で作業がしや
すい作業姿勢をとることができる絶縁操作棒等の間接操
作棒及びそれに作業用工具を取り付けた間接作業装置を
提供することを目的とする。また、作業用工具を取り付
けた間接作業装置の荷重を腕以外にも分散して支持でき
るようにし、作業時、作業者にかかる肉体的負担を軽減
できるようにした間接操作棒及び間接作業装置を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に講じた本発明の手段は次のとおりである。第1の発明
にあっては、作業を間接的に行うための間接操作棒であ
って、操作棒本体と、作業用工具を取り付けるための取
付手段と、取り付けられる作業用工具を作動させるため
の駆動軸と、当該駆動軸を回転させるためのハンドル
と、取り付けられる作業用工具の作業方向を上記操作棒
本体の軸周方向において調整するための方向調整手段
と、間接操作棒の長さを調整するための手段と、を備え
ていることを特徴とする、間接操作棒である。
【0009】第2の発明にあっては、作業を間接的に行
うための間接操作棒であって、操作棒本体と、作業用工
具を取り付けるための取付手段と、取り付けられる作業
用工具を作動させるための駆動軸と、当該駆動軸を回転
させるためのハンドルと、取り付けられる作業用工具の
作業方向を上記操作棒本体の軸周方向において調整する
ための方向調整手段と、作業者の着用物の所要部分に固
定または係止するための手段と、を備えていることを特
徴とする、間接操作棒である。
【0010】第3の発明にあっては、作業を間接的に行
うための間接操作棒であって、操作棒本体と、作業用工
具を取り付けるための取付手段と、取り付けられる作業
用工具を作動させるための駆動軸と、当該駆動軸を回転
させるためのハンドルと、取り付けられる作業用工具の
作業方向を上記操作棒本体の軸周方向において調整する
ための方向調整手段と、間接操作棒の長さを調整するた
めの手段と、作業者の着用物の所要部分に固定または係
止するための手段と、を備えていることを特徴とする、
間接操作棒である。
【0011】第4の発明にあっては、所要部分に絶縁材
料を使用することにより、高電圧箇所の間接作業ができ
るようにしてあることを特徴とする、第1、第2または
第3の発明に係る間接操作棒である。
【0012】第5の発明にあっては、間接操作棒に沿っ
て流れる雨水を分断するための傘部材が設けてあること
を特徴とする、第4の発明に係る間接操作棒である。
【0013】第6の発明にあっては、第1、第2、第
3、第4または第5の発明に係る間接操作棒に作業用工
具を取り付けたことを特徴とする、間接作業装置であ
る。
【0014】(作用)本発明に係る間接操作棒によれ
ば、方向調整手段によって作業用工具の作業方向を操作
棒本体の軸周方向において調整することができるので、
作業現場の状況に合わせて、ハンドルの方向と作業用工
具の作業方向の角度を任意に調整し、設定することがで
きる。従って、間接操作棒を使用する作業者は、無理な
姿勢をとることなく、作業箇所の視認やハンドル操作が
しやすい姿勢で作業できるので、柱上やクレーンバケッ
ト内での高所作業を安全に行うことが可能になる。ま
た、作業がしやすい姿勢で作業を行うことにより、作業
者の疲労も軽減できるので、作業効率を向上させること
ができる。
【0015】間接操作棒の長さを調整するための手段を
備えているものでは、作業者の体格の違いによる作業性
の変化をなくすことができ、ほぼ同様の作業性が得られ
る。また、例えば、把持部を持つ腕をできるだけ下げて
姿勢の維持がしやすい状態で支える等、作業時に作業者
にかかる肉体的負担を軽減することができる。更に、場
合によっては間接操作棒の基端部を作業者の腹部や腰部
に当てて荷重の一部を支えることにより、荷重を腕部以
外の箇所に分散させて作業者の疲労を軽減することがで
きる。
【0016】作業者の着用物の所要部分に固定または係
止するための手段を備えているものでは、例えば、間接
操作棒の基端部に設けた係止部をベルトに掛けて支える
というような使い方ができ、間接操作棒を固定または係
止することによって作業をより確実に行うことが可能に
なる。
【0017】所要部分に絶縁材料を使用することによ
り、高電圧箇所の間接作業ができるようにしてあるもの
では、例えば、架空電線の配線工事等を間接活線作業で
行うことができ、バイパス工事等をすることなく、無停
電での作業が可能になる。
【0018】間接操作棒に沿って流れる雨水を分断する
ための傘部材が設けてあるものでは、雨中での作業にお
いても、高電圧箇所と間接操作棒のうち作業者が触れて
いる箇所との間で雨水がつながらないので、雨水がその
間で導体として作用することがなく、感電の危険がない
安全な作業が可能になる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
き更に詳細に説明する。図1は本発明に係るボルト回し
操作具の第1の実施の形態を示す断面説明図、図2は図
1に示すボルト回し操作具の回動調整部の拡大断面説明
図、図3は図2におけるA−A部分に対応する断面説明
図である。なお、図1は構造を分かりやすく表現するた
めに、全長に対し各部を拡大したモデル図である。
【0020】符号T1は間接作業装置であるボルト回し
操作具である。ボルト回し操作具T1は、雨中での作業
も可能な全天候型の間接操作棒である絶縁操作棒R1と
その先端部に取り付けてあるボルト回し工具4により構
成されている。なお、絶縁操作棒R1に取り付けられる
作業用工具はボルト回し工具に限定されるものではな
く、例えば、小サイズの電線端末の皮剥ぎに使用するP
DC端末皮剥器や電線中間部の皮剥ぎに使用する電線皮
剥磨き器等、他の工具を取り付けることもできる。絶縁
操作棒R1は、絶縁体であるFRP製の操作棒本体1、
駆動軸2及びハンドル3を備えている。絶縁体として
は、例えば、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、エポキシ等の各種絶縁プラスチック、あるいはガラ
ス等、FRP以外の材料を使用することもできる。
【0021】操作棒本体1は、把持部材10と軸受部材
16を備えている。把持部材10の先部側には、端部が
開口したギヤ収容部11が設けてある。ギヤ収容部11
の開口縁には、内方へ突出した係合部12が全周にわた
り設けてある。係合部12の一箇所には、外側から内部
へ貫通してロックピン13が進退動ができるように装着
してある。ロックピン13は、外部側のつまみ部と内部
側の径大部の作用により抜け出ないようになっており、
後述する軸受部材16に設けられる係合穴171と共に
方向調整手段を構成する。把持部材10の先部側壁に
は、ギヤ収容部11へ貫通するハンドル取付部14が設
けてある。ハンドル取付部14の外部開口縁には、内方
へ突出した係合部15が全周にわたり設けてある。
【0022】把持部材10のギヤ収容部11には、上記
軸受部材16の基部が接続されている。軸受部材16
は、やや長く形成された基部側軸受部17と、やや短く
形成された先部側軸受部18を備えている。基部側軸受
部17と先部側軸受部18は同軸上に離隔して設けてあ
り、コ状の連結体19でつないである。先部側軸受部1
8の先部外面側には、相対向する二箇所に、取付手段を
構成する係合ピン180が設けてある。なお、係合ピン
180の数は二本に限定されるものではなく、後述する
係合溝43の数と対応すれば一本、三本、四本等でもよ
い。
【0023】また、連結体19の先部寄りには傘部材1
90が設けてある。傘部材190は、ゴム製の傘191
とその下方に連設してあるフッ素樹脂製のチューブ19
2により構成されている。チューブ192表面は撥水作
用を有し、雨滴がつながらないようにして、安全性をよ
り向上させている。
【0024】基部側軸受部17の基端部には、外方へ突
出し上記係合部12と係合する係合部170が全周にわ
たり設けてある。基部側軸受部17の基端部寄り外面側
には、軸周方向へ等間隔で複数箇所(本実施の形態では
八箇所)に係合穴171が設けてある。なお、基部側軸
受部17は、把持部材10に対し軸周方向へ回転可能に
装着されており、係合穴171に上記ロックピン13の
先端部を係合することによって、固定する方向を任意に
設定することができる。また、基部側軸受部17の基端
部寄り内面側には、内方へ突出して係合部172が全周
にわたり設けてある。
【0025】軸受部材16には、基部側軸受部17と先
部側軸受部18に挿通して駆動軸2が回転可能に装着さ
れている。駆動軸2は、本実施の形態では後述する金属
製のギヤ24を除いてFRP製であるが、安全箇所の基
準となる後述する鍔部材27より手元側に関しては、使
用材料は特に絶縁材料に限定されるものではなく、金属
等の導体を採用することもできる。駆動軸2の先部側に
は、先部側軸受部18に挿通されるやや径小の端軸部2
0が設けてある。端軸部20の先端面には、後述するボ
ルト回し工具4の従動軸の嵌合凸部450(六角棒状)
を嵌合させる嵌合凹部21(六角穴状)が設けてある。
駆動軸2には、端軸部20に隣接して径大のストッパー
22が設けてあり、後述する括れ部23と協働して、駆
動軸2が軸線方向に動かないようにすることができる。
【0026】駆動軸2の基端部には、金属製のギヤ24
(傘歯車)が設けてある。また、駆動軸2の基端部寄り
には、径小の括れ部23が設けてある。括れ部23は、
リング状の軸受メタル25を介し、上記係合部172に
係合されている。上記ハンドル取付部14には、ハンド
ル3が取り付けてある。ハンドル3は、操作部30と軸
部31を備えており、軸部31の先端部には、上記駆動
軸2のギヤ24と噛み合うギヤ32(傘歯車)が設けて
ある。軸部31の中間部には括れ部33が設けてあり、
ハンドル3は括れ部33をリング状の軸受メタル34を
介し上記係合部15に係合して取り付けてある。
【0027】駆動軸2のうち、基部側軸受部17と先部
側軸受部18間には、先部寄りに傘部材26が設けてあ
り、基部寄りに鍔部材27が設けてある。傘部材26
は、上記傘部材190と同様にゴム製の傘260とその
下方に連設してあるフッ素樹脂製のチューブ261によ
り構成されている。鍔部材27は、絶縁操作棒R1の先
端部分からの安全基準距離(600mm以上:安全衛生
規則に規定)の位置に設けられており、作業中、鍔部材
27より先部側に触れることがないようにするためのも
のである。また、上記したように軸受部材16の連結体
19にも傘部材190が設けてあり、傘部材26、19
0は、雨中の作業において、駆動軸2と連結体19に沿
って流れる雨水を分断することができる。
【0028】上記ボルト回し工具4は、ケース40を備
えている。ケース40の先部側内部にはギヤ収容部41
が設けてある。ケース40には、ギヤ収容部41から、
ケース40基部側へ貫通する軸挿通孔42が設けてあ
る。軸挿通孔42部分の壁部には、上記先部側軸受部1
8の係合ピン180と係合しボルト回し工具4を取り付
けるための係合溝43が設けてある。軸挿通孔42のギ
ヤ収容部41側端部には、内方へ突出した係合部44が
全周にわたり設けてある。
【0029】軸挿通孔42には、金属製の従動軸45が
回転可能に装着してある。従動軸45の基端部には、上
記駆動軸2の嵌合凹部21と嵌合し、駆動軸2の回転力
を従動軸45に伝えるための嵌合凸部450が設けてあ
る。従動軸45の先端部には、ギヤ451(傘歯車)が
設けてある。従動軸45は、リング状の軸受メタル45
2を介し上記係合部44に係合して取り付けてある。
【0030】また、ケース40には、ギヤ収容部41か
らケース40側部に貫通する軸挿通孔47が設けてあ
る。軸挿通孔47のギヤ収容部41側端部には、内方へ
突出した係合部48が全周にわたり設けてある。軸挿通
孔47には、従動軸45と連動し回転する作業軸49が
リング状の軸受メタル490を介し上記係合部48に係
合して回転可能に取り付けてある。作業軸49のうちギ
ヤ収容部41の内部側端部には、上記ギヤ451と噛み
合うギヤ491(傘歯車)が設けてある。また、外部側
端部には、回す(締め付ける)対象となるボルトのボル
トヘッドに嵌合するボックススパナ492が設けてあ
る。
【0031】(作 用)図4は図1に示すボルト回し操
作具の使用状態を示す説明図である。図1ないし図4を
参照して、ボルト回し操作具の作用を説明する。ボルト
回し操作具T1は、通常は図4に示すように、作業者M
が柱上に設けられた足場板5に乗り使用する。足場板5
に乗った作業者Mは、落下防止のための胴綱6を使用し
ている。そして、作業者Mは、ボルト回し操作具T1の
先端部のボックススパナ492をボルト8のボルトヘッ
ドに嵌め込み、把持部10を片手で持ち、もう片方の手
でハンドル3を回すことによって、作業者Mから上方へ
離れた箇所にあるボルト8を感電の心配もなく安全に締
め付けることができる。
【0032】また、回す対象のボルトの軸方向が変わ
り、作業者Mが足場板5上で上体をひねったりして無理
な姿勢をとらなければボルト回し操作ができない場合に
は、ロックピン13を係脱操作して軸受部材16を軸周
方向へ回転させて調整し、ハンドル3の軸部31とボル
ト回し工具4の作業軸49の角度を、作業者Mが足場板
5上で安全な作業姿勢をとりながら、かつハンドル3の
操作もしやすいように設定する。なお、図4では、木の
枝の張り出し等により、作業者Mの作業位置が選択でき
ない場合に、作業者Mがボルト回し工具4の作業軸49
とハンドル3の軸方向が逆方向(180度)になるよう
に調整して、利き手の右手でハンドル操作ができるよう
にしている。従って、作業者Mは、作業部分の視認をし
ながらのハンドル操作を柱上の足場板5の上で安全な作
業姿勢をとりながら行うことが可能になる。
【0033】駆動軸2と連結体19に傘部材26、19
0が設けてあるので、駆動軸2と連結体19に沿って流
れる雨水を分断することができ、雨中での作業時に、高
電圧箇所と絶縁操作棒R1のうち作業者Mが触れている
箇所との間で雨水がつながらないので、雨水が導体とし
て作用することがなく、感電の危険がない安全な作業が
可能になる。
【0034】図5は絶縁操作棒の回動調整部の他の構造
を示す断面説明図、図6は図5におけるB−B部分に対
応する断面説明図である。なお、図面において、上記実
施の形態と同一または同等箇所には同一の符号を付して
示し、構造の重複する説明は省略する。
【0035】本実施の形態では、係合部12の一箇所
に、外側から内部へ貫通してロックネジ13aが回転に
よる進退動ができるように螺着してある。ロックネジ1
3aの先端部が圧接される基部側軸受部17の外周部に
は係合穴は設けられておらず、ロックネジ13aを締め
付けて先端部を圧接することによる摩擦力によって、基
部軸受部17を固定する構造である。なお、ロックネジ
13aのつまみ部分は蝶ネジのつまみ形状であるが、こ
れに限定するものではなく、例えば、リング状、ボルト
ヘッド状のもの等も採用できる。この構造によれば、ハ
ンドル3の軸部31とボルト回し工具4の作業軸49の
軸周方向の角度(方向)を、上記実施の形態のように段
階的ではなく、無段階に更に細かい調整が可能になる。
【0036】図7は本発明に係るボルト回し操作具の第
2の実施の形態を示す分解断面説明図、図8は図7に示
すボルト回し操作具の把持部の拡大断面説明図、図9は
図8におけるC−C部分に対応する拡大断面説明図、図
10は図7に示すボルト回し操作具の把持部を伸張させ
た状態を示す拡大断面説明図である。なお、図7に示し
たものは、ボルト回し操作具を実際のプロポーションで
表したものである。また、図面において、上記実施の形
態と同一または同等箇所には同一の符号を付して示し、
構造の重複する説明は省略する。
【0037】ボルト回し操作具T2は、全天候型の絶縁
操作棒R2とその先端部に取り付けてあるボルト回し工
具4により構成されている。絶縁操作棒R2の把持部材
10内部には、基端部からギヤ収容部11へ貫通するガ
イド孔101が設けてある。把持部材10の基端部には
筒状の端部材102が固着してある。端部材102の基
部側には、壁部を貫通して筒状のピン装着部103が設
けてある。ピン装着部103には、ロックピン104が
進退可能にかつバネで内方へ付勢されて装着されてい
る。
【0038】ガイド孔101には、延長部材105が端
部材102を貫通し、出入り可能に装着されている。延
長部材105のうち、一側面部には上記ロックピン10
4と係合する多数の係合歯106が長手方向のほぼ全長
にわたり設けてある。係合歯106は、それぞれ下面が
逃げ傾斜した構造である。これにより、延長部材105
を引き出し操作は、ロックピン104を操作することな
く行うことができる。また、延長部材105を収容方向
へ動かそうとすると係合歯106の水平面とロックピン
104が係合してロックするようになっているので、延
長部材105をガイド孔101内に収容するときは、ロ
ックピン104を外方へ引っ張り係合を外して行うよう
にする。
【0039】延長部材105のうち係合歯106と反対
側の側面には、ほぼ全長にわたりキー109が設けてあ
る。また、上記係合歯106とキー109は、端部材1
02に対向して設けられた案内溝100に嵌め込まれて
案内され、これにより延長部材105の軸周方向の回転
を防止している。なお、各案内溝100が設けられる軸
周方向の角度は、180度に限定するものではなく、9
0度、120度等適宜設定できる。また、案内溝100
を端部材102ではなくガイド孔101内壁に、或いは
端部材102とガイド孔101内壁の双方に設けること
もできる。
【0040】延長部材105の基端部には、作業者が着
用するベルトに上方から係止することができるフック状
の係止具107が設けてある。なお、延長部材105の
先端部には、ロックピン104と係合できるようにした
径大の係合部108が設けてあり、延長部材105の抜
け出しによる脱落を防止している。なお、本実施の形態
では、延長部材105は把持部材10の内部に収容され
る構造としたが、外部に添設する構造としてもよい。
【0041】(作用)図11は図7に示すボルト回し操
作具の使用状態を示す説明図である。図7ないし図11
を参照してボルト回し操作具の作用を説明する。ボルト
回し操作具T2は、上記ボルト回し操作具T1の作用に
加えて次のような作用を有する。ボルト回し操作具T2
は、延長部材105を出し入れして絶縁操作棒R2の長
さを調整することができるので、例えば、把持部材10
を持つ腕をできるだけ下げて姿勢の維持がしやすい状態
で支える等、作業時に作業者Mにかかる肉体的負担を軽
減することが可能になる。また、場合によっては延長部
材105の基端部の係止具107部分を作業者Mの腹部
や腰部に当てて荷重を支えたり、図11に示すようにベ
ルト7に係止して荷重を腕部以外の箇所に分散させる使
い方も可能になり、より確実な作業を行うことができ
る。
【0042】図12は本発明に係るボルト回し操作具の
第3の実施の形態を示す分解断面説明図である。なお、
図12は構造を分かりやすく表現するために、全長に対
し各部を拡大したモデル図である。また、図面におい
て、上記実施の形態と同一または同等箇所には同一の符
号を付して示し、構造の重複する説明は省略する。ボル
ト回し操作具T3は、絶縁操作棒R3とボルト回し工具
4を備えている。ボルト回し操作具T3は、雨水を分断
するための傘部材を備えておらず、上記ボルト回し操作
具T1、T2のような全天候型ではなく、雨天時以外
(通常、晴天時)に使用するものである。
【0043】ボルト回し操作具T3は、ボルト回し操作
具T1とは操作棒本体1の構造が相違している。すなわ
ち、操作棒本体1の軸受部材16aはほぼ筒状で、駆動
軸2の全体を内包する構造である。そして、軸受部材1
6aの中間部には、上記と同様の鍔部材160が設けて
ある。ボルト回し操作具T3は、雨天時には使用できな
いが、上記ボルト回し操作具T1と比較して構造がより
簡易的で嵩張らずコンパクトである。なお、ボルト回し
工具4の作業方向の調整等、ボルト回し操作具T3の他
の作用については、ボルト回し操作具T1とほぼ同様で
あるので詳細な説明は省略する。
【0044】図13は本発明に係るボルト回し操作具の
第4の実施の形態を示す分解断面説明図である。なお、
図13に示したものは、ボルト回し操作具を実際のプロ
ポーションで表したものである。また、図面において、
上記実施の形態と同一または同等箇所には同一の符号を
付して示し、構造の重複する説明は省略する。ボルト回
し操作具T4は、絶縁操作棒R4とボルト回し工具4を
備えている。ボルト回し操作具T4は、雨水を分断する
傘部材を備えておらず、上記ボルト回し操作具T3と同
様に雨天時以外に使用するものである。
【0045】ボルト回し操作具T4は、上記ボルト回し
操作具T2とは操作棒本体1の構造が相違している。す
なわち、操作棒本体1の軸受部材16bはほぼ筒状で、
駆動軸2の全体を内包する構造である。そして、軸受部
材16bの中間部には、上記と同様の鍔部材160が設
けてある。ボルト回し操作具T4は、雨天時には使用で
きないが、上記ボルト回し操作具T2と比較して構造が
より簡易的で嵩張らずコンパクトである。なお、ボルト
回し工具4の作業方向の調整や、全体の長さの調整等、
ボルト回し操作具T4の他の作用については、ボルト回
し操作具T2とほぼ同様であるので詳細な説明は省略す
る。
【0046】本明細書で使用している用語と表現は、あ
くまで説明上のものであって限定的なものではなく、上
記用語、表現と等価の用語、表現を除外するものではな
い。また、本発明は図示されている実施の形態に限定さ
れるものではなく、技術思想の範囲内において種々の変
形が可能である。
【0047】
【発明の効果】本発明は上記構成を備え、次の効果を有
する。 (a)本発明に係る間接操作棒によれば、方向調整手段
によって作業用工具の作業方向を操作棒本体の軸周方向
において調整することができるので、作業現場の状況に
合わせて、ハンドルの方向と作業用工具の作業方向の角
度を任意に調整し、設定することができる。従って、間
接操作棒を使用する作業者は、無理な姿勢をとることな
く、作業箇所の視認やハンドル操作がしやすい姿勢で作
業できるので、柱上やクレーンバケット内での高所作業
を安全に行うことが可能になる。また、作業がしやすい
姿勢で作業を行うことにより、作業者の疲労も軽減でき
るので、作業効率を向上させることができる。
【0048】(b)間接操作棒の長さを調整するための
手段を備えているものでは、作業者の体格の違いによる
作業性の変化をなくすことができ、ほぼ同様の作業性が
得られる。また、例えば、把持部を持つ腕をできるだけ
下げて姿勢の維持がしやすい状態で支える等、作業時に
作業者にかかる肉体的負担を軽減することができる。更
に、場合によっては間接操作棒の基端部を作業者の腹部
や腰部に当てて荷重の一部を支えることにより、荷重を
腕部以外の箇所に分散させて作業者の疲労を軽減するこ
とができる。
【0049】(c)作業者の着用物の所要部分に固定ま
たは係止するための手段を備えているものでは、例え
ば、間接操作棒の基端部に設けた係止部をベルトに掛け
て支えるというような使い方ができ、間接操作棒を固定
または係止することによって作業をより確実に行うこと
が可能になる。
【0050】(d)所要部分に絶縁材料を使用すること
により、高電圧箇所の間接作業ができるようにしてある
ものでは、例えば、架空電線の配線工事等を間接活線作
業で行うことができ、バイパス工事等をすることなく、
無停電での作業が可能になる。
【0051】(e)間接操作棒に沿って流れる雨水を分
断するための傘部材が設けてあるものでは、雨中での作
業においても、高電圧箇所と間接操作棒のうち作業者が
触れている箇所との間で雨水がつながらないので、雨水
がその間で導体として作用することがなく、感電の危険
がない安全な作業が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るボルト回し操作具の第1の実施の
形態を示す断面説明図。
【図2】図1に示すボルト回し操作具の回動調整部の拡
大断面説明図。
【図3】図2におけるA−A部分に対応する断面説明
図。
【図4】図1に示すボルト回し操作具の使用状態を示す
説明図。
【図5】絶縁操作棒の回動調整部の他の構造を示す断面
説明図。
【図6】図5におけるB−B部分に対応する断面説明
図。
【図7】本発明に係るボルト回し操作具の第2の実施の
形態を示す分解断面説明図。
【図8】図7に示すボルト回し操作具の把持部の拡大断
面説明図。
【図9】図8におけるC−C部分に対応する拡大断面説
明図。
【図10】図7に示すボルト回し操作具の把持部を伸張
させた状態を示す拡大断面説明図。
【図11】図7に示すボルト回し操作具の使用状態を示
す説明図。
【図12】本発明に係るボルト回し操作具の第3の実施
の形態を示す分解断面説明図。
【図13】本発明に係るボルト回し操作具の第4の実施
の形態を示す分解断面説明図。
【図14】従来のボルト回し操作具の一例を示す断面説
明図。
【図15】従来のボルト回し操作具の使用状態を示す説
明図。
【符号の説明】 T1 ボルト回し操作具 R1 絶縁操作棒 1 操作棒本体 10 把持部材 11 ギヤ収容部 12 係合部 13 ロックピン 14 ハンドル取付部 15 係合部 16 軸受部材 17 基部側軸受部 170 係合部 171 係合穴 172 係合部 18 先部側軸受部 180 係合ピン 19 連結体 190 傘部材 191 傘 192 チューブ 2 駆動軸 20 端軸部 21 嵌合凹部 22 ストッパー 23 括れ部 24 ギヤ 25 軸受メタル 26 傘部材 260 傘 261 チューブ 27 鍔部材 3 ハンドル 30 操作部 31 軸部 32 ギヤ 33 括れ部 34 軸受メタル 4 ボルト回し工具 40 ケース 41 ギヤ収容部 42 軸挿通孔 43 係合溝 44 係合部 45 従動軸 450 嵌合凸部 451 ギヤ 452 軸受メタル 47 軸挿通孔 48 係合部 49 作業軸 490 軸受メタル 491 ギヤ 492 ボックススパナ 13a ロックネジ T2 ボルト回し操作具 R2 絶縁操作棒 100 案内溝 101 ガイド孔 102 端部材 103 ピン装着部 104 ロックピン 105 延長部材 106 係合歯 107 係止具 108 係合部 T3 ボルト回し工具 R3 絶縁操作棒 16a 軸受部材 160 鍔部材 T4 ボルト回し工具 R4 絶縁操作棒 16b 軸受部材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作業を間接的に行うための間接操作棒で
    あって、 操作棒本体(1) と、 作業用工具を取り付けるための取付手段と、 取り付けられる作業用工具を作動させるための駆動軸
    (2) と、 当該駆動軸(2) を回転させるためのハンドル(3) と、 取り付けられる作業用工具の作業方向を上記操作棒本体
    (1) の軸周方向において調整するための方向調整手段
    と、を備えていることを特徴とする、間接操作棒。
  2. 【請求項2】 間接操作棒の長さを調整するための手段
    を備えていることを特徴とする、 請求項1記載の間接操作棒。
  3. 【請求項3】 間接操作棒に、作業者の着用物の所要部
    分に固定または係止するための手段を備えていることを
    特徴とする、 請求項1または2記載の間接操作棒。
  4. 【請求項4】 所要部分に絶縁材料を使用することによ
    り、高電圧箇所の間接作業ができるようにしてあること
    を特徴とする、 請求項1、2または3記載の間接操作棒。
  5. 【請求項5】 間接操作棒に、当該間接操作棒に沿って
    流れる雨水を分断するための傘部材(26)(190) が設けて
    あることを特徴とする、 請求項4記載の間接操作棒。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4または5記載の間
    接操作棒に作業用工具を取り付けたことを特徴とする、 間接作業装置。
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