JP2000173929A - GaN系結晶成長用基板およびその用途 - Google Patents

GaN系結晶成長用基板およびその用途

Info

Publication number
JP2000173929A
JP2000173929A JP34462898A JP34462898A JP2000173929A JP 2000173929 A JP2000173929 A JP 2000173929A JP 34462898 A JP34462898 A JP 34462898A JP 34462898 A JP34462898 A JP 34462898A JP 2000173929 A JP2000173929 A JP 2000173929A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crystal
substrate
gan
mask
growth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34462898A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoichiro Ouchi
洋一郎 大内
Hiroaki Okagawa
広明 岡川
Kazuyuki Tadatomo
一行 只友
Masahiro Koto
雅弘 湖東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Cable Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Cable Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Cable Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Cable Industries Ltd
Priority to JP34462898A priority Critical patent/JP2000173929A/ja
Publication of JP2000173929A publication Critical patent/JP2000173929A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Led Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 マスク層を用いた結晶成長方法における工程
数または段取り替えの数をより少なくすることが可能な
GaN系結晶成長用基板を提供し、また、それを用いた
GaN系結晶の製造方法を提供すること。 【解決手段】 GaN系結晶が成長可能な結晶基板1の
基板面1aに、マスク領域10aと非マスク領域10b
とが形成されるようにマスク層2を直接形成し、非マス
ク領域に結晶基板面を露出させてGaN系結晶成長用基
板とする。非マスク領域を結晶成長の出発面として、あ
るいは、非マスク領域にさらにバッファ層を形成して、
GaN系結晶を成長させ、マスク層を覆うまで成長を継
続し、従来方法と同様以上の低転位で高品質なGaN系
結晶を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はGaN系半導体を結
晶成長させるための基板の技術分野に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】GaN系材料を用いて種々の半導体素子
を形成するためには、先ず基礎となる結晶基板上にGa
N系結晶を成長させる。結晶基板の材料は、GaN系結
晶の厳しい成長条件に耐え、かつ、GaN系結晶に対し
て格子整合性の良好なものでなくてはならない。しかし
ながら、そのような材料は得難いため、多少の格子不整
合は承知で、耐熱及耐圧性に優れたサファイア基板など
が結晶基板として用いられていた。
【0003】これに対して、GaN系結晶と結晶基板と
の格子不整合をより改善する目的で、結晶基板上に予め
バッファ層を形成し、該バッファ層上にGaN系結晶を
成長させる成長方法が開発された。それ以降、結晶基板
上に高品質なGaN系結晶を成長させる際には、バッフ
ァ層を介在させることが大前提にまでなっている。
【0004】その後さらに、GaN系結晶の高品質化が
求められるに従って、結晶内に存在する転位が問題とな
った。転位は、結晶基板、バッファ層、GaN系結晶の
各界面で発生し、結晶が成長し結晶層の厚みが増しても
上方に継承され、転位線(貫通転位)と呼ばれる連続し
た欠陥部分ともなる。
【0005】かかる問題に対して、マスク層を用いて低
転位なGaN系結晶層を得る方法が報告されている。以
下、この方法を「マスク法」とよぶ。マスク法は、Si
2など、GaN系結晶が成長し得ない材料からなるマ
スク層を、ベース基板の上面に特定のパターンで形成
し、ベース基板上面のうち、マスク層に覆われていない
領域を成長の出発面としてGaN系結晶を成長させるも
のである。GaN系結晶がマスク層の高さまで成長した
後も結晶成長を継続すると、GaN系結晶は厚さ方向に
成長するだけでなく、マスク層の上面に沿って横方向に
も成長し、マスク層を埋め込んで覆ったGaN系結晶層
が得られる。このようにして得られたGaN系結晶層に
は、例えばマスク層の上方の部分など特定の部分に、転
位線の伝搬の少ない低転位な部分が存在する。この低転
位な部分を主要部として半導体素子を作製すると、良好
な特性の半導体素子を得ることができるのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、従来の
マスク法における製造工程の流れに着目したところ、次
に述べる問題点が存在していることを見いだした。
【0007】即ち、従来のマスク法でも、最初の基礎と
なる結晶基板上には、ZnOなどの堆積膜によるバッフ
ァ層や、GaN、AlNなどのGaN系材料を低温で成
長させた低温成長バッファ層が形成されるが、どのよう
なバッファ層であっても、マスク層の形成前には必ず、
バッファ層上にさらにGaN系結晶層の薄膜を成長させ
ておくことが必須となっているのである。従って、ベー
ス基板を、サファイア結晶基板、AlN低温バッファ
層、GaN結晶薄膜のような3層構造とするなど、マス
ク層を形成する前には、必ず、GaN系結晶成長の工程
が必要となっている。
【0008】一方、その上に形成されるマスク層は、上
記のようにGaN系結晶が成長し得ない材料(SiO2
など)からなるものであり、その形成方法は、真空蒸
着、スパッタ、フォトリソグラフィー技術、エッチング
技術などを用いる方法であり、GaN系結晶の成長方法
とは根本的に異なるものである。
【0009】以上のことから、従来のマスク法の典型的
な製造工程の流れは、結晶成長装置内で、バッファ層
上にGaN系結晶を薄膜状に成長させ、これを結晶成
長装置内から取り出して、他の加工装置によってマスク
層を形成し、これを再び結晶成長装置内に戻して目的
のGaN系結晶層を成長させる流れとなっている。
【0010】即ち、本発明者等が見いだした製造工程の
問題点は、従来のマスク法では、同じ結晶成長装置を用
いることができるとの工程が、他の加工装置を用い
て行なうの工程によって分断されているという点であ
る。従来のマスク法では、上記したように、結晶基板・
バッファ層・GaN系結晶薄膜の3層構造のベース基板
の使用は大前提になっているので、の流れは必須
であり、ととの分断に着目するような発想はなかっ
たのである。
【0011】本発明は、本発明者等が新たに見いだした
上記問題点を自ら解決すべくなされたものである。即
ち、本発明の課題は、マスク層を用いた結晶成長方法に
おける工程数または段取り替えの数をより少なくするこ
とが可能なGaN系結晶成長用基板を提供し、また、そ
れを用いたGaN系結晶の製造方法を提供することであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の特徴を
有するものである。 (1)GaN系結晶が成長可能な結晶基板面に、マスク
領域と非マスク領域とが形成されるようにマスク層が形
成され、マスク層はそれ自身の表面からはGaN系結晶
が成長しない材料からなり、かつ、結晶基板面に直接形
成されており、非マスク領域には結晶基板面が露出して
いることを特徴とするGaN系結晶成長用基板。
【0013】(2)マスク層が、帯状のマスク領域と非
マスク領域とが交互に並んだストライプ状のパターンと
して形成されたものである上記(1)に記載のGaN系
結晶成長用基板。
【0014】(3)さらに、上記非マスク領域に露出し
ている結晶基板面を覆ってバッファ層が形成されている
上記(1)に記載のGaN系結晶成長用基板。
【0015】(4)バッファ層が、低温成長によるGa
N層であるか、または成膜法によるZnO層である上記
(3)に記載のGaN系結晶成長用基板。
【0016】(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記
載のGaN系結晶成長用基板を用い、該基板の非マスク
領域に露出した結晶面を結晶成長の出発面として、又
は、該露出した結晶面にさらに形成されたバッファ層の
上面を結晶成長の出発面として、マスク層の上面を覆う
までGaN系結晶を成長させることを特徴とするGaN
系結晶の製造方法。
【0017】本明細書では、GaN系結晶やサファイア
基板などの六方格子結晶の格子面を4つのミラー指数
(hkil)によって指定する場合があれば、記載の便
宜上、指数が負のときには、その指数の前にマイナス記
号を付けて表記するものとし、この負の指数に関する表
記方法以外は、一般的なミラー指数の表記方法に準じ
る。従って、GaN系結晶の場合では、C軸に平行なプ
リズム面(特異面)は6面あるが、例えば、その1つの
面は(1−100)と表記し、6面を等価な面としてま
とめる場合には{1−100}と表記する。また、前記
{1−100}面に垂直でかつC軸に平行な面を等価的
にまとめて{11−20}と表記する。また、(1−1
00)面に垂直な方向は〔1−100〕、それと等価な
方向の集合を〈1−100〉とし、(11−20)面に
垂直な方向は〔11−20〕、それと等価な方向の集合
を〈11−20〉と表記する。但し、図面にミラー指数
を記入する場合があれば、指数が負のときには、その指
数の上にマイナス記号を付けて表記し、ミラー指数の一
般的な表記方法に全て準じる。本発明でいう結晶方位
は、結晶基板上にC軸を厚み方向として成長したGaN
の結晶を基準とする方位である。
【0018】
【作用】マスク層を形成せず、結晶基板面全域にGaN
系結晶を直接成長させた場合は、基板面における結晶成
長に必要な核発生密度が低く、3次元成長が優位とな
る。このため、成長した結晶層の表面が六角形のヒロッ
クで覆われて良好な表面モフォロジーが得られず、ま
た、成長する結晶の品質も劣悪になってしまう。これに
対して、本発明では、マスク層によって基板面における
核発生が制限され、結果的に、非マスク領域に露出した
基板面では核発生密度が高くなる。よって、GaN系結
晶の成長初期段階においては、非マスク領域での2次元
成長が促進されて高品質な結晶が成長する。即ち、バッ
ファ層を介在させなくても、結晶基板面から高品質な結
晶が成長することになる。そして、更に結晶成長を継続
すると、結晶は横方向にも成長し、やがて、マスク層の
上面を覆い、低転位な部分を含む高品質なGaN系結晶
層を得ることができる。
【0019】本発明では、結晶基板面に直接的にマスク
層を形成し、非マスク領域に露出する基板の結晶面を出
発面にしてGaN系結晶を成長させる。また、バッファ
層を用いるときは、マスク層の形成後に、非マスク領域
に対してのみバッファ層を形成する。これによって、例
えば、バッファ層を用いる場合であっても、結晶基板上
にマスク層を形成した後は、バッファ層の形成から目的
のGaN系結晶の成長が完了するまで、同じ結晶成長装
置内にセットした状態のままで製造を進めることができ
る。また、「その場を動かさないこと」自体による結晶
品質の向上も期待できる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明によるGaN系結晶成長用
基板(以下、単に「結晶成長用基板」ともいう)は、図
1に示すように、結晶基板1の基板面1aにマスク層2
が直接形成されたものである。マスク層2は、基板面1
aにマスク領域10aと非マスク領域10bとを形成す
るパターンとして形成されている。この構造によって、
非マスク領域10bには、結晶基板1の基板面1a(即
ち、基板の結晶面)が、GaN系結晶を成長させる出発
面として露出している。
【0021】結晶基板は、GaN系結晶が成長可能なも
のであればよく、特に、C軸を厚み方向として成長可能
なものが好ましい。例えば、従来からGaN系結晶を成
長させる際に汎用されている、サファイア、水晶、Si
C等を用いることができる。なかでも、サファイアのC
面、A面、6H−SiC基板、特にC面サファイア基板
が好ましい。
【0022】マスク層は、それ自身の表面からは実質的
にGaN系結晶が成長し得ない材料を用いる。このよう
な材料としては、例えば非晶質体が例示され、Si
2 、SiNx等が例示される。特に、耐熱性に優れる
と共に成膜及びエッチング除去が比較的容易なSiO2
膜が好適に使用できる。マスク層の厚さは、50nm〜
500nm程度である。
【0023】マスク層の形成方法は、例えば真空蒸着、
スパッタ、熱CVD等の方法により、マスク層の材料に
て結晶基板の基板面の全面を覆うように形成した後、フ
ォトリソグラフィー技術によって感光性レジストのパタ
ーニングを行い、エッチングによって基板の一部を露出
させる等の方法によって形成される。
【0024】マスク層の形成パターン(特に、マスク領
域と非マスク領域との境界線の方向)、成長時の雰囲気
ガス、結晶成長方法は、GaN系結晶の成長のしかた
や、転位線の伝搬のしかたに大きな影響を与える重要な
要素である。これらの要素を、C軸方向の成長速度や横
方向成長速度がより顕著に変化するよう、組み合わせを
選択すればよい。
【0025】マスク領域と非マスク領域との境界線をG
aN系結晶の〈11−20〉方向の直線とする場合、フ
ァセット面である{1−101}面がこの境界線を越え
て横方向に成長する面となり、横方向への成長速度は遅
くなる。その結果、マスク層を平坦に埋め込むには、G
aN系結晶層はある程度の厚さが必要となる。
【0026】マスク領域と非マスク領域との境界線をG
aN系結晶の〈1−100〉方向の直線とする場合、こ
の境界線を越えて横方向に成長する面は{11−20}
面または{11−22}面となる。{11−20}面ま
たは{11−22}面はオフファセット面であり、ファ
セット面である{1−101}面に比べて、GaN系結
晶は横方向に高速成長する。その結果、マスク層を平坦
に埋め込んだときのGaN系結晶層は上記の場合に比べ
薄くて済む。
【0027】GaN系半導体素子の形成に有用な形成パ
ターンの一例として、ストライプ状のパターンが挙げら
れる。ストライプ状のパターンは、帯状のマスク層2を
縞状に配置したパターンである。従って、帯状のマスク
領域と帯状の非マスク領域とが交互に並ぶ。この帯の長
手方向が、マスク領域と非マスク領域との境界線の方向
である。
【0028】マスク層の形成パターンをストライプ状と
する場合、帯状のマスク領域(帯状のマスク層)の幅の
寸法は、成長させるGaN系結晶の組成や、最終的に製
作される素子の活性層の形状などによっても異なるが、
範囲としては、0.01μm〜20μm程度である。ま
た、非マスク領域の幅の寸法は、0.01μm〜20μ
m程度である。
【0029】結晶成長時の雰囲気ガスは、H2 、N2
Ar、He等が挙げられるが、形状等を制御するにはH
2 、N2 が好ましく用いられる。H2 リッチな雰囲気ガ
ス中で成長を行った場合、C軸方向の成長速度が速くな
る。一方、N2 リッチな雰囲気ガス中で成長を行った場
合、H2 リッチな雰囲気の場合に比べ、C軸方向の成長
速度が遅くなるため、相対的に横方向成長速度が速くな
る。
【0030】結晶成長法としては、HVPE、MOCV
D等が挙げられる。特に、厚膜を作製する場合はC軸方
向に成長速度の速いHVPEが好ましく、横方向に速く
成長させるにはMOCVDが好ましい。
【0031】本発明による結晶成長用基板を用いて成長
させるべきGaN系結晶とは、式InX GaY AlZ
(0≦X≦1、0≦Y≦1、0≦Z≦1、X+Y+Z=
1)で決定される化合物半導体である。特に、有用なも
のとしてはGaN、AlGaN、InGaNなどが代表
的である。
【0032】本発明では、結晶基板上に直接的にマスク
層を形成することを特徴とするが、図2に示すように、
マスク層2の形成後、非マスク領域10bには、さらに
バッファ層4を形成してもよい。
【0033】非マスク領域に形成するバッファ層として
は、ZnO、MgO等の材料をスパッタなどの成膜法で
堆積させたものや、GaN、AlNなどのGaN系材料
を低温で成長させた、所謂、低温成長バッファ層が挙げ
られる。
【0034】バッファ層としてZnOを用いる場合、マ
スク層の形成から、目的のGaN系結晶の成長までの工
程は、例えば、次のような手順となる。 結晶基板上にマスク層を形成する。 フォトリソグラフィー技術によって、非マスク部にZ
nOバッファ層を形成し、本発明の結晶成長用基板とす
る。 この基板を結晶成長装置内に設置し、高温GaN層を
成長させる。
【0035】また、バッファ層を、GaN系材料からな
る低温成長バッファ層とする場合、目的のGaN系結晶
の成長までの工程は、例えば、次のような手順となる。 結晶基板上にマスク層を形成する。 これを結晶成長装置内に設置し、GaN低温成長バッ
ファ層を成長させる。GaN低温成長バッファ層は非マ
スク領域に選択的に成長する。 引き続き、同じ装置内で高温GaN層を成長させる。
【0036】上記のように、非マスク領域にGaN低
温成長バッファ層を形成する場合、該バッファ層の成長
方法と、目的のGaN系結晶の成長方法とを、同一の方
法とすることにより、同一の成長装置内で連続的に成長
させることができる。
【0037】本発明によるGaN系結晶の成長方法は、
図3に示すように、本発明による結晶成長用基板を用
い、該基板の非マスク領域10bに露出する基板面1a
を結晶成長の出発面として、マスク層2上を覆うまでG
aN系結晶を成長させるものである。これによって、上
記作用の説明で述べたように、結晶品質の良好なGaN
系結晶層3が得られる。
【0038】
【実施例】実施例1 本実施例では、図1に示すように、結晶基板上にマスク
層を直接形成してなる結晶成長用基板を製作し、更にそ
れを用いてGaN結晶を成長させ、その品質を確認し
た。
【0039】〔結晶成長用基板の製作〕結晶基板とし
て、直径2インチ、厚さ330μmのサファイアC面基
板を用い、その基板面にスパッタリングによりSiO2
層を100nmの厚みに堆積させた。フォトリソグラフ
ィー技術及びエッチング技術によって、上記SiO2
の上面から、開口を形成して掘り下げ、該開口の内部底
面にサファイアC面基板の表面を露出させて、結晶成長
用基板とした。
【0040】開口の配置パターンは、1つの開口の形状
が1μm×1μmの正方形であって、これがSiO2
の上面に、開口の中心間距離が2μmとなるピッチでマ
トリクス状に並んだパターンとした。マスク層中心とし
て表現すると、幅1μmの帯状のSiO2 マスク層が、
〈1−100〉方向と〈11−20〉方向を縦横の方向
として格子状に交わったパターンであって、縦横の方向
ともに帯の中心間ピッチは2μmである。
【0041】〔GaN結晶の成長〕上記結晶成長用基板
をMOVPE装置内に設置し、成長温度1000℃にお
いて、N原料にアンモニア、Ga原料にトリメチルガリ
ウム、キャリアガスに窒素を用いてGaN結晶を3μm
の厚みに成長させた。
【0042】〔評価〕得られたGaN結晶の表面を観察
したところ、マスク層はGaN結晶により完全に覆わ
れ、GaN結晶は平坦な表面に成長していた。また、こ
のGaN結晶のX線ロッキングカーブの半値幅を測定し
たところ、その値は250秒であり、結晶品質は従来の
マスク法を用いて得られたものと同等であった。また、
結晶成長用基板の製作からGaN結晶の成長までにおい
て、結晶成長装置内へのセットと取出しの回数は1回で
済んだ。
【0043】実施例2 本実施例では、図2に示すように、結晶基板上にマスク
層を直接形成し、非マスク領域にGaN低温成長バッフ
ァ層を形成して、結晶成長用基板とし、さらにそれを用
いてGaN結晶を成長させ、その品質を確認した。
【0044】〔結晶成長用基板の製作〕マスク層の形成
パターンとして、〈1−100〉方向を長手方向として
延びる帯状のマスク層(帯幅4μm)を8μmピッチで
周期的に並べ、即ち、幅4μmのマスク領域と幅4μm
の非マスク領域とを交互に並べ、ストライプ状のパター
ンとしたこと以外は、実施例1と同様にSiO2 マスク
層を形成した。
【0045】次に、上記SiO2 マスク層の付いた基板
をMOVPE装置内に設置し、キャリアガスに水素を用
い、成長温度500℃において厚み30nmのGaN低
温成長バッファ層を基板面の非マスク領域に選択的に成
長させた。この段階のものが、本発明の結晶成長用基板
である。
【0046】〔GaN結晶の成長〕上記MOVPE装置
内に設置された状態のまま、成長温度を1000℃に昇
温し、窒素雰囲気にてGaN結晶を厚さ3μmまで成長
させた。
【0047】〔評価〕得られたGaN結晶の表面を実施
例1と同様に観察したところ、GaN結晶は、平坦な表
面に成長しており、また、X線ロッキングカーブの半値
幅は200秒であった。マスク法による成長方法であり
ながら、サファイア基板基板上へのGaN低温成長バッ
ファ層の形成から引き続き、その場で目的のGaN結晶
の成長へと移ることができ、高い作業効率でありかつ外
気に触れない利点が確認できた。
【0048】実施例3 本実施例は、非マスク領域にZnOバッファ層を形成し
たこと以外は、実施例2と同様にてGaN結晶を成長さ
せ、その品質を確認した。
【0049】〔結晶成長用基板の製作〕実施例2と同様
にパターンにてSiO2 マスク層が直接形成されたサフ
ァイア結晶基板に対して、ZnOをスパッタで50nm
の厚さに堆積させ、マスク層上のZnOをエッチングで
除去し、非マスク領域にのみZnOバッファ層が形成さ
れてなる本発明の結晶成長用基板を得た。
【0050】〔GaN結晶の成長と評価〕実施例2と同
様に、GaN結晶をMOVPEにて成長させ、得られた
GaN結晶の表面を観察したところ、GaN結晶は平坦
な表面に成長しており、また、X線ロッキングカーブの
半値幅は220秒であった。マスク法による成長方法で
ありながら、サファイア基板基板上へのGaN低温成長
バッファ層の形成から引き続き、その場で目的のGaN
結晶の成長へと移ることができ、高い作業効率でありか
つ外気に触れない利点が確認できた。
【0051】比較参考のために、サファイア基板上に、
バッファ層もマスク層も形成せず、直接的に1000℃
でGaN結晶を成長させたところ、得られたGaN結晶
の表面は六角形状のヒロックで覆われており、X線ロッ
キングカーブの半値幅は530秒であった。
【0052】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明では、マスク
法において結晶基板面にマスク層を直接形成する。その
後、非マスク領域に露出した結晶基板面をそのまま出発
面としてGaN系結晶を成長させる場合には、バッファ
層の形成工程が省略できる。また、非マスク領域だけに
バッファ層を形成する場合には、結晶成長装置を用いる
工程が他の工程によって分断されることがなく、1つに
まとめることができる。即ち、結晶成長装置への基板の
出し入れの段取り替えが1度で済む。
【0053】しかも、マスク法でありながら、成長装置
内にセットしたままで、バッファ層形成から目的のGa
N系結晶成長へと連続的に工程を進めることが可能とな
る。この点でも、結晶成長の出発面の管理が楽になり、
GaN系結晶の品質も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の結晶成長用基板の構造の一例を示す模
式図である。
【図2】本発明の結晶成長用基板の構造の他の態様を示
す模式図である。
【図3】本発明の結晶成長用基板上にGaN系結晶層を
成長させた状態を示す図である。
【符号の説明】
1 結晶基板 1a 基板面 2 マスク層 3 GaN系結晶層 10a マスク領域 10b 非マスク領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 只友 一行 兵庫県伊丹市池尻4丁目3番地 三菱電線 工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 湖東 雅弘 兵庫県伊丹市池尻4丁目3番地 三菱電線 工業株式会社伊丹製作所内 Fターム(参考) 5F041 AA40 AA42 CA33 CA40 CA46 CA65 CA74 CA77 5F045 AA04 AB09 AB14 AB17 AB18 AB26 AC08 AC12 AC15 AD14 AF02 AF09 AF13 AF20 BB08 BB12 DA53 DB02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 GaN系結晶が成長可能な結晶基板面
    に、マスク領域と非マスク領域とが形成されるようにマ
    スク層が形成され、マスク層はそれ自身の表面からはG
    aN系結晶が成長しない材料からなり、かつ、結晶基板
    面に直接形成されており、非マスク領域には結晶基板面
    が露出していることを特徴とするGaN系結晶成長用基
    板。
  2. 【請求項2】 マスク層が、帯状のマスク領域と非マス
    ク領域とが交互に並んだストライプ状のパターンとして
    形成されたものである請求項1記載のGaN系結晶成長
    用基板。
  3. 【請求項3】 さらに、上記非マスク領域に露出してい
    る結晶基板面を覆ってバッファ層が形成されている請求
    項1記載のGaN系結晶成長用基板。
  4. 【請求項4】 バッファ層が、低温成長によるGaN層
    であるか、または成膜法によるZnO層である請求項3
    記載のGaN系結晶成長用基板。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のGaN
    系結晶成長用基板を用い、該基板の非マスク領域に露出
    した結晶面を結晶成長の出発面として、又は、該露出し
    た結晶面にさらに形成されたバッファ層の上面を結晶成
    長の出発面として、マスク層の上面を覆うまでGaN系
    結晶を成長させることを特徴とするGaN系結晶の製造
    方法。
JP34462898A 1998-12-03 1998-12-03 GaN系結晶成長用基板およびその用途 Pending JP2000173929A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34462898A JP2000173929A (ja) 1998-12-03 1998-12-03 GaN系結晶成長用基板およびその用途

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34462898A JP2000173929A (ja) 1998-12-03 1998-12-03 GaN系結晶成長用基板およびその用途

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000173929A true JP2000173929A (ja) 2000-06-23

Family

ID=18370740

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34462898A Pending JP2000173929A (ja) 1998-12-03 1998-12-03 GaN系結晶成長用基板およびその用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000173929A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007001857A (ja) * 2005-06-21 2007-01-11 Samsung Electro Mech Co Ltd 窒化物系化合物層の製造方法、窒化物系化合物基板の製造方法、並びに垂直構造窒化物系半導体発光素子の製造方法
JP2008166673A (ja) * 2006-12-27 2008-07-17 Shogen Koden Kofun Yugenkoshi 発光ダイオード及びその製造方法
JP2009054898A (ja) * 2007-08-28 2009-03-12 Yamaguchi Univ 発光素子及びその作製方法
JP2009535803A (ja) * 2006-04-25 2009-10-01 ナショナル・ユニバーシティ・オブ・シンガポール エピタキシャル横方向異常成長窒化ガリウムテンプレート上での酸化亜鉛膜成長の方法
JP2013149974A (ja) * 2013-01-11 2013-08-01 Fujitsu Ltd 多結晶SiC基板を有する化合物半導体ウエハ、化合物半導体装置とそれらの製造方法
WO2019225112A1 (ja) * 2018-05-23 2019-11-28 株式会社Sumco Iii族窒化物半導体基板及びその製造方法

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8026156B2 (en) 2005-06-21 2011-09-27 Samsung Led Co., Ltd. Method of fabricating nitride-based compound layer, GaN substrate and vertical structure nitride-based semiconductor light emitting device
JP2007001857A (ja) * 2005-06-21 2007-01-11 Samsung Electro Mech Co Ltd 窒化物系化合物層の製造方法、窒化物系化合物基板の製造方法、並びに垂直構造窒化物系半導体発光素子の製造方法
US7569461B2 (en) 2005-06-21 2009-08-04 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Method of fabricating nitride-based compound layer, GaN substrate and vertical structure nitride-based semiconductor light emitting device
JP4509973B2 (ja) * 2005-06-21 2010-07-21 三星電機株式会社 窒化物系化合物層の製造方法、窒化物系化合物基板の製造方法、並びに垂直構造窒化物系半導体発光素子の製造方法
JP2009535803A (ja) * 2006-04-25 2009-10-01 ナショナル・ユニバーシティ・オブ・シンガポール エピタキシャル横方向異常成長窒化ガリウムテンプレート上での酸化亜鉛膜成長の方法
JP2013070072A (ja) * 2006-04-25 2013-04-18 National Univ Of Singapore エピタキシャル横方向異常成長窒化ガリウムテンプレート上での酸化亜鉛膜成長の方法
JP2008166673A (ja) * 2006-12-27 2008-07-17 Shogen Koden Kofun Yugenkoshi 発光ダイオード及びその製造方法
JP2009054898A (ja) * 2007-08-28 2009-03-12 Yamaguchi Univ 発光素子及びその作製方法
JP2013149974A (ja) * 2013-01-11 2013-08-01 Fujitsu Ltd 多結晶SiC基板を有する化合物半導体ウエハ、化合物半導体装置とそれらの製造方法
WO2019225112A1 (ja) * 2018-05-23 2019-11-28 株式会社Sumco Iii族窒化物半導体基板及びその製造方法
KR20210003229A (ko) * 2018-05-23 2021-01-11 가부시키가이샤 사무코 Ⅲ족 질화물 반도체 기판 및 그의 제조 방법
CN112470260A (zh) * 2018-05-23 2021-03-09 胜高股份有限公司 Iii族氮化物半导体基板及其制造方法
JPWO2019225112A1 (ja) * 2018-05-23 2021-05-27 株式会社Sumco Iii族窒化物半導体基板及びその製造方法
KR102513206B1 (ko) * 2018-05-23 2023-03-23 가부시키가이샤 사무코 Ⅲ족 질화물 반도체 기판의 제조 방법
CN112470260B (zh) * 2018-05-23 2024-05-14 胜高股份有限公司 Iii族氮化物半导体基板及其制造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000164929A5 (ja) 半導体薄膜および半導体素子の製造方法
US6608327B1 (en) Gallium nitride semiconductor structure including laterally offset patterned layers
JP3620269B2 (ja) GaN系半導体素子の製造方法
JP4947867B2 (ja) 窒化ガリウム系半導体構造及び該半導体構造を製造する方法
US20140127848A1 (en) Nitride semiconductor light-emittting device and process for producing the same
US20010007242A1 (en) Methods of fabricating gallium nitride semiconductor layers by lateral overgrowth
JPH1143398A (ja) GaN系結晶成長用基板およびその用途
JP2002518826A (ja) トレンチ側壁からの横方向成長による窒化ガリウム半導体層の製造
EP1070340A1 (en) Methods of fabricating gallium nitride semiconductor layers by lateral overgrowth through masks, and gallium nitride semiconductor structures fabricated thereby
JP4656438B2 (ja) 単結晶GaN基板の製造方法と単結晶GaN基板
JP2002217116A (ja) 結晶膜、結晶基板および半導体装置の製造方法
JP2017522721A (ja) 半極性iii族窒化物層を含む半導体材料の製造方法
JP4322187B2 (ja) 窒化物半導体発光素子
JP2000223417A (ja) 半導体の成長方法、半導体基板の製造方法および半導体装置の製造方法
JPH11130597A (ja) 転位線の伝搬方向の制御方法およびその用途
JP3650531B2 (ja) GaN系結晶基材およびその製造方法
JP2000173929A (ja) GaN系結晶成長用基板およびその用途
JPH10326912A (ja) 無転位GaN基板の製造方法及びGaN基材
US20050132950A1 (en) Method of growing aluminum-containing nitride semiconductor single crystal
JPH1140849A (ja) GaN系結晶成長用基板およびその用途
JPH1192296A (ja) GaN系結晶成長用基板およびその用途
JP3416042B2 (ja) GaN基材及びその製造方法
JP3569111B2 (ja) GaN系結晶基板の製造方法
WO2021085556A1 (ja) 半導体素子および半導体素子の製造方法
JP2000091252A (ja) 窒化ガリウム系化合物半導体及び半導体素子