JP2000172922A - 自動販売機のシュート装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドライバーなどを要することなく点検作業を
行うことができ、内箱をなすケースの出来上がり状態の
ためにシュートの傾斜角度が変わったりすることがない
自動販売機のシュート装置を提供する。 【解決手段】 商品収納部から払い出された商品を商品
取出口側に導く自動販売機のシュート１１を、自動販売
機の内箱の側面６ａに所定の傾斜姿勢で取り付けられた
左右の側面板１５と、これらの側面板１５の下部間に跨
って所定の傾斜姿勢で掛け渡される底板２０とにより構
成し、底板２０を所定方向に移動させることで左右の側
面板１５に対して着脱自在とする。これにより、シュー
ト１１を正しい姿勢で取り付けることができて、良好な
傾斜角度が保持され、また、ドライバーを持っていなく
ても、底板２０を外して、点検作業を行うことができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動販売機におい
て商品収納部から払い出された商品を商品取出口側に導
くシュート装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】図７に示すように、缶商品や紙パック商
品などを扱う自動販売機においては、商品収納部１から
下方に払い出された商品Ａを前面扉２の商品取出口３側
に導くシュート４が設けられている。このシュート４
は、自動販売機本体５に設けられた断熱構造の内箱６の
下部に、前側が低くなるように傾斜されて配置されてお
り、図８に概略的に示すように、内箱６の底面に取り付
けられたブラケット７にその前端がネジ８で止められて
いるとともに、内箱６内の空気を循環させるために背面
に立設されたダクト９にその後端の一対の突起爪４ａが
挿入されて係止されている。そして、シュート４が汚れ
た場合や、冷凍ユニットの冷却部や加熱ユニットの点検
時、商品収納部１の最も奥下方箇所の点検などの際に
は、ブラケット７のネジ８をドライバーを用いて外すこ
とで、シュート４を着脱できるようになっている。な
お、図７における１０は送風ファンで、近傍には冷凍ユ
ニットの冷却部や加熱ユニットなども配設されている。

【０００３】また、自動販売機本体５の奥行寸法が異な
る複数種類の自動販売機に対して、１種類のダクト９で
対応できるように、複数種類（例えば３種類）のシュー
ト４の突起爪４ａがそれぞれ挿入可能な複数の係止用挿
入孔９ａ，９ｂ，９ｃが設けられたものもある（図８、
図９参照）。この場合には、適合しない係止用挿入孔９
ａ，９ｂ，９ｃにシュート４を誤って係止させないよう
に、シュート４の左右の突起爪４ａ間の寸法、ならびに
左右の係止用挿入孔９ａ，９ｂ，９ｃ間の寸法を異なら
せて形成している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のシュート４の取付構造によれば、商品補充な
どを行う巡回係員が、その補充の際に冷却ユニットや加
熱ユニットの不調や商品収納部１の最も奥下方箇所の商
品詰まりなどに気づいて、これらの箇所の点検を行おう
とした時でも、その際にドライバーを持っていない場合
には、シュート４を外すことができず、点検作業を行え
ないことがあった。

【０００５】また、内箱６をなすケースの出来上がり状
態によりケースに対するブラケット７やダクト９の取付
位置のずれや、ダクト９における係止用挿入孔９ａ，９
ｂ，９ｃの形成位置のずれなどに起因して、シュート４
の傾斜角度が変わってしまうこともあった。

【０００６】さらに、ダクト９に複数の係止用挿入孔９
ａ，９ｂ，９ｃが設けられているものにおいては、係止
用挿入孔９ａ，９ｂ，９ｃ間の上下間隔があまりあいて
いないために、この間の部分の機械的強度が低下し、商
品Ａの払出などによりシュート４に外力が作用した際
に、係止用挿入孔９ａ，９ｂ，９ｃの係止箇所が変形し
てしまうおそれがあった。

【０００７】本発明は上記課題を解決するもので、ドラ
イバーなどを要することなく点検作業を行うことがで
き、内箱をなすケースの出来上がり状態のためにシュー
トの傾斜角度が変わったりすることがなく、ダクトなど
が変形するおそれのない自動販売機のシュート装置を提
供することを目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項１記載の本発明は、商品収納部から払い出さ
れた商品を商品取出口側に導く自動販売機のシュート
を、商品収納部が収容されている内箱の側面または上下
に延設されて側面壁を形成する仕切板に所定の傾斜姿勢
で取り付けられた左右の側面板と、これらの側面板の下
部間に跨って所定の傾斜姿勢で掛け渡される底板とによ
り構成し、底板を所定方向に移動させることで左右の側
面板に対して着脱自在としたものである。

【０００９】この構成により、着脱時には、ドライバー
などの治具を用意しなくても、底板を側面板に対して移
動させるだけで底板を外すことができて、点検作業を行
うことができる。また、側面板を適正な姿勢で取付ける
ことで、底板も正しい傾斜姿勢で支持されて良好な傾斜
角度が保持され、さらに、ダクトなどを変形させたりす
ることもない。

【００１０】請求項２記載の本発明は、請求項１に記載
の自動販売機のシュート装置において、各側面板には底
板を係合させる被係合部が底板長手方向に適当間隔あけ
て複数形成され、底板には前記被係合部に係合する係合
部が対応して形成され、底板の側面板からの離脱時には
底板を装着状態から異なる複数方向に移動させることで
離脱可能な状態となるように構成したものである。

【００１１】この構成により、底板の側面板からの離脱
時には底板を装着状態から異なる複数方向に移動させな
ければ離脱可能な状態とならないため、商品落下時など
の振動で底板が移動することがあっても底板が側面板か
ら外れることはない。

【００１２】請求項３記載の本発明は、請求項１または
２に記載の自動販売機のシュート装置において、商品取
出口が自動販売機幅方向に対して一部に集中して設けら
れ、底板に、商品収納部から払い出された商品を底板で
導く際に自動販売機幅方向の前記商品取出口側に寄せる
案内板を取り付けたものである。

【００１３】この構成により、商品取出口が自動販売機
幅方向に対して一部に集中して設けられている場合で
も、案内板により商品を商品取出口側に良好に案内する
ことができ、また、点検作業を行う際には、案内板が取
り付けられた底板を取り外すことで、点検作業を支障な
く行うことができる。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき説明する。なお、従来と同機能のものには同符
号を付してその説明は省略する。

【００１５】図１、図２に示すように、この自動販売機
においては、商品収納部１から下方に払い出された商品
Ａを商品取出口３側に導く自動販売機のシュート１１
を、内箱６の側面６ａに所定の傾斜姿勢で取り付けられ
た左右の側面板１５と、これらの側面板１５の下部間に
跨って所定の傾斜姿勢で掛け渡される底板２０とにより
構成している。なお、内箱６は断熱構造とされ、例えば
左右に３列（または２列）並べられて設けられており、
各内箱６における側面板１５の取付構造は、ほぼ同様な
構造とされている。また、１４は、各内箱６の前面下部
に設けられた開閉扉であり、この開閉扉１４が設けられ
ている開口部を通してシュート１１からの商品Ａが商品
取出口３に払い出されるようになっている。

【００１６】図３（ａ）〜（ｃ）に示すように、側面板
１５は、内箱６の側面６ａに複数のねじ１６（図２参
照）で取り付けられる取付板部１７と、取付板部１７の
下辺における前後３箇所から側方に突出して底板２０を
支持する支持片部１８とからなり、各支持片部１８には
前後方向に長い長孔１９が、底板２０を係合させる被係
合部として形成されている。

【００１７】図４（ａ）〜（ｃ）に示すように、底板２
０は、商品Ａを導く平板部２１と、平板部２１の前側に
複数設けられた通気孔２２と、平板部２１の両側辺から
下方に小さな寸法幅で下方にそれぞれ折曲された折曲面
部２３と、各折曲面部２３よりもさらに下方に突出して
前後に３箇所設けられた係合部としての爪状係合部２
４，２５，２６とから構成されている。そして、この底
板２０の爪状係合部２４〜２６が、側面板１５の長孔１
９にそれぞれ対応するように設けられており、底板２０
の爪状係合部２４〜２６が側面板１５の長孔１９に係合
するようになっている。

【００１８】爪状係合部２４〜２６は互いに、少し異な
る形状とされている。すなわち、底板２０の折曲面部２
３における前側に設けられた爪状係合部２４は、後方側
に突出する状態で下方に延びる段部２４ａと、この段部
２４ａの下方位置で前方に突出する爪部２４ｂとが設け
られ、また、底板２０の折曲面部２３における前後方向
中央に設けられた爪状係合部２５は、単に下方に延びる
下延部２５ａと、この下延部２５ａの下方位置で前方に
突出する爪部２５ｂとが設けられ、底板２０の折曲面部
２３における後側に設けられた爪状係合部２６は、前方
側に突出する状態で下方に延びる段部２６ａと、この段
部２６ａの下方位置で後方に大きく突出する爪部２６ｂ
とが設けられている。

【００１９】上記構成において、シュート１１を組付け
る際には、まず各側面板１５を内箱６の両側面６ａに複
数のねじ１６で取り付ける。この際に、底板２０を正し
い姿勢で支持できるように、側面板１５を適正な姿勢で
取付ける。なお、必要に応じて、側面板１５のねじ孔１
５ａ（図３（ｂ）参照）を長孔形状などにして、側面板
１５の姿勢を調整できる寸法範囲を大きくしてもよい。

【００２０】次に、内箱６の両側面６ａに固定された側
面板１５に底板２０を載せて組付ける。組付けの際に
は、まず、図５（ａ）に概略的に示すように、底板２０
における後側の爪状係合部２６だけを側面板１５の長孔
１９にその爪部２６ｂを後方に押し込むようにして嵌入
させる。次に、この後側の爪状係合部２６における爪部
２６ｂを支点とするようにして底板２０を斜め下方に回
動させて、図５（ｂ）に示すように、中央および前側の
爪状係合部２４，２５における各爪部２４ｂ，２５ｂを
対応する長孔１９に嵌入させる。そして、底板２０を前
側に移動させることで、図５（ｃ）に示すように、前側
の爪状係合部２４の段部２４ａが長孔１９に嵌入して、
底板２０を側面板１５に装着することができる。なお、
底板２０を離脱させる際には、これと逆の動作を行えば
よい。

【００２１】このように、底板２０を支持させるため側
面板１５を適正な姿勢で取付けることで、底板２０は正
しい姿勢で支持され、良好な傾斜角度が保持される。ま
た、奥行の異なる自動販売機などに対しても、側面板１
５を取り付けるための内箱６の両側面６ａのねじ孔の位
置を変更し、奥行に応じた底板２０を設けることによ
り、同じ構成の側面板１５を採用することが可能とな
る。

【００２２】さらに、着脱時には、ドライバーなどの治
具を用意しなくても、底板２０を側面板１５に対して移
動させるだけで底板２０を外すことができるため、あま
り手間がかからないだけでなく、商品補充などを行う巡
回係員が、その補充の際に冷却ユニットや加熱ユニット
の不調や商品収納部１の最も奥下方箇所の商品詰まりな
どに気づいて、これらの箇所の点検を行おうとした時
に、ドライバーを持っていなくても、底板２０を外すこ
とができて、点検作業を行うことができる。

【００２３】また、底板２０の側面板１５からの離脱時
には底板２０を装着状態から異なる複数方向に移動させ
なければ離脱可能な状態とならない（この実施の形態に
おいては、上方向、後方向、斜め上方向の３方向に移動
させた後、前方に抜く）ため、商品落下時などの振動で
底板２０が移動することがあっても底板２０が側面板１
５から外れることはなく、良好な信頼性が確保される。
また、ダクト９には孔部を形成しないので、孔部近傍箇
所が変形するということもない。

【００２４】また、開閉扉１４が設けられている開口部
および商品取出口３が自動販売機の幅方向に対して一
部、例えば中央などに集中して設けられており、商品収
納部１から下方に払い出された商品Ａを自動販売機の幅
方向に寄せる必要がある場合には、図６に示すように、
通路断面積が下方ほど小さくなるように、底板２０上に
案内板２７をねじなどにより立設姿勢で取り付けてもよ
く、この場合には、底板２０上に払い出された商品Ａが
案内板２７により幅方向に寄せられて、開閉扉１４が設
けられている開口部を介して商品取出口３に払い出され
ることとなる。この場合に、点検作業を行う際でも、案
内板２７が取り付けられた底板２０を移動させて取り外
すことで、点検作業を支障なく行うことができる。

【００２５】なお、上記の実施の形態においては、内箱
６の側面６ａに側面板１５を取付けた場合を述べたが、
上下に延設されて側面壁を形成する仕切板が設けられて
いる場合には、内箱６の側面６ａに代えて前記仕切板に
側面板１５を取付けてもよい。

【００２６】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、商品収納
部から払い出された商品を商品取出口側に導く自動販売
機のシュートを、商品収納部が収容されている内箱の側
面または上下に延設されて側面壁を形成する仕切板に所
定の傾斜姿勢で取り付けられた左右の側面板と、これら
の側面板の下部間に跨って所定の傾斜姿勢で掛け渡され
る底板とにより構成し、底板を所定方向に移動させるこ
とで左右の側面板に対して着脱自在とすることにより、
シュートを正しい姿勢で取り付けることができて、良好
な傾斜角度が保持され、商品を良好に商品取出口に導く
ことができて信頼性が向上するとともに、従来のように
ダクトなどを変形させる不具合を生じることもない。さ
らに、商品補充などを行う巡回係員が、その補充の際に
冷却ユニットや加熱ユニットの不調や商品収納部の最も
奥下方箇所の商品詰まりなどに気づいて、これらの箇所
の点検を行おうとした時に、ドライバーを持っていなく
ても、シュートを外して、点検作業を行うことができ、
作業性が良好となる。

【００２７】また、底板の側面板からの離脱時には底板
を装着状態から異なる複数方向に移動させることで離脱
可能な状態となるように構成することにより、商品落下
時などの振動で底板が移動することがあっても底板が側
面板から外れることがないため、信頼性が一層向上す
る。

【００２８】また、商品取出口が自動販売機幅方向に対
して一部に集中して設けられ、底板に、商品収納部から
払い出された商品を底板で導く際に自動販売機幅方向の
前記商品取出口側に寄せる案内板を取り付けたことによ
り、商品取出口が自動販売機幅方向に対して一部に集中
して設けられている場合でも、案内板により商品を商品
取出口側に良好に案内することができ、また、点検作業
を行う際には、案内板が取り付けられた底板を取り外す
ことで、点検作業を支障なく行うことができ、案内板を
紛失することも防止される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態に係る自動販売機の概略的
な断面図である。

【図２】同自動販売機のシュート装置の斜視図である。

【図３】（ａ）〜（ｃ）は同自動販売機のブラケットの
平面図、側面図、正面図である。

【図４】（ａ）〜（ｃ）は同自動販売機のシュートの平
面図、側面図、正面図である。

【図５】（ａ）〜（ｃ）はそれぞれ同自動販売機のシュ
ートの離脱時における動作を示した図である。

【図６】本発明の他の実施の形態に係る自動販売機の概
略的な断面図である。

【図７】従来の自動販売機の概略的な断面図である。

【図８】従来の自動販売機のシュート取付構造を概略的
に示す側面図である。

【図９】従来の自動販売機のダクトを概略的に示す正面
図である。

【符号の説明】

１ 商品収納部 Ａ 商品 ３ 商品取出口 ６ 内箱 ６ａ 側面 １１ シュート １５ 側面板 １９ 長孔（被係合部） ２０ 底板 ２１ 平板部 ２４〜２６ 爪状係合部（係合部） ２７ 案内板

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 商品収納部から払い出された商品を商品
   取出口側に導く自動販売機のシュートを、商品収納部が
   収容されている内箱の側面または上下に延設されて側面
   壁を形成する仕切板に所定の傾斜姿勢で取り付けられた
   左右の側面板と、これらの側面板の下部間に跨って所定
   の傾斜姿勢で掛け渡される底板とにより構成し、底板を
   所定方向に移動させることで左右の側面板に対して着脱
   自在とした自動販売機のシュート装置。
2. 【請求項２】 各側面板には底板を係合させる被係合部
   が底板長手方向に適当間隔あけて複数形成され、底板に
   は前記被係合部に係合する係合部が対応して形成され、
   底板の側面板からの離脱時には底板を装着状態から異な
   る複数方向に移動させることで離脱可能な状態となるよ
   うに構成した請求項１に記載の自動販売機のシュート装
   置。
3. 【請求項３】 商品取出口が自動販売機幅方向に対して
   一部に集中して設けられ、底板に、商品収納部から払い
   出された商品を底板で導く際に自動販売機幅方向の前記
   商品取出口側に寄せる案内板を取り付けた請求項１また
   は２に記載の自動販売機のシュート装置。