JP2000171045A - 遠赤外線放射体およびその製造法 - Google Patents
遠赤外線放射体およびその製造法Info
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- JP2000171045A JP2000171045A JP34260498A JP34260498A JP2000171045A JP 2000171045 A JP2000171045 A JP 2000171045A JP 34260498 A JP34260498 A JP 34260498A JP 34260498 A JP34260498 A JP 34260498A JP 2000171045 A JP2000171045 A JP 2000171045A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 遠赤外線放射特性に優れたステンレス鋼板ベ
ースの安価な遠赤外線放射体を提供する。 【解決手段】 ステンレス鋼板表面の遠赤外線放射面
を、ピット未発生部分の面積率が40%以下、ピット開口
部の平均径Dが1〜10μm、オーバーハング密度Kが0.1
〜1.5となるような、オーバーハングしたピット壁を多
数形成した特異な粗面化表面とした遠赤外線放射体。ま
た、その表面上に、耐熱樹脂層を3〜50g/m2の被覆量
で被覆した遠赤外線放射体。当該耐熱樹脂層には必要に
応じてAl2O3,ZrO2,SiO2,TiO2,MnO2
等の金属酸化物を主体としたセラミックス粒子が30質量
%以下添加される。前記の特異な粗面化表面は塩化第二
鉄水溶液中での特定条件下の交番電解によって形成する
ことができる。
ースの安価な遠赤外線放射体を提供する。 【解決手段】 ステンレス鋼板表面の遠赤外線放射面
を、ピット未発生部分の面積率が40%以下、ピット開口
部の平均径Dが1〜10μm、オーバーハング密度Kが0.1
〜1.5となるような、オーバーハングしたピット壁を多
数形成した特異な粗面化表面とした遠赤外線放射体。ま
た、その表面上に、耐熱樹脂層を3〜50g/m2の被覆量
で被覆した遠赤外線放射体。当該耐熱樹脂層には必要に
応じてAl2O3,ZrO2,SiO2,TiO2,MnO2
等の金属酸化物を主体としたセラミックス粒子が30質量
%以下添加される。前記の特異な粗面化表面は塩化第二
鉄水溶液中での特定条件下の交番電解によって形成する
ことができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被加熱物体に遠赤
外線を放射する遠赤外線放射体であって、特に乾燥・加
熱装置,調理器,熱交換器等の耐食性が要求される用途
に適した遠赤外線放射体およびその製造法に関するもの
である。
外線を放射する遠赤外線放射体であって、特に乾燥・加
熱装置,調理器,熱交換器等の耐食性が要求される用途
に適した遠赤外線放射体およびその製造法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】遠赤外線は塗料や食品等の有機物質に高
効率で吸収されるため、これらの迅速加熱に積極的に利
用されている。例えば塗料乾燥装置や加熱調理器具等に
は被加熱物体に面して遠赤外線放射体が取り付けられ、
加熱効率の向上が図られている。このような用途では被
加熱物体から多量の水蒸気が発生し、加熱終了後に装置
内部に結露が起こりやすい。加熱−結露を繰り返す環境
下では腐食防止の観点からステンレス鋼を素材とした遠
赤外線放射体を使用する例が多い。
効率で吸収されるため、これらの迅速加熱に積極的に利
用されている。例えば塗料乾燥装置や加熱調理器具等に
は被加熱物体に面して遠赤外線放射体が取り付けられ、
加熱効率の向上が図られている。このような用途では被
加熱物体から多量の水蒸気が発生し、加熱終了後に装置
内部に結露が起こりやすい。加熱−結露を繰り返す環境
下では腐食防止の観点からステンレス鋼を素材とした遠
赤外線放射体を使用する例が多い。
【0003】一般的な表面仕上げのステンレス鋼素材を
そのまま使用しても十分な遠赤外線放射特性が得られな
いため、その表面にAl2O3,ZrO2,SiO2,Ti
O2等の遠赤外線放射特性に優れた酸化物を主体とした
セラミックスを被覆する手法が知られている。
そのまま使用しても十分な遠赤外線放射特性が得られな
いため、その表面にAl2O3,ZrO2,SiO2,Ti
O2等の遠赤外線放射特性に優れた酸化物を主体とした
セラミックスを被覆する手法が知られている。
【0004】一方、ステンレス鋼素材の表面積を増大さ
せることも遠赤外線放射特性を向上させるうえで有効で
あり、例えばショットブラスト等を利用した粗面化処理
が行われている。遠赤外線放射特性をさらに改善するた
めに、その粗面化表面上に酸化皮膜などを形成させる場
合もある。例えば特開昭55−6433号公報には化学的な処
理により酸化皮膜を形成させる手法が、特公平7−88560
号公報には加熱処理によりAl酸化物を形成させる手法
が紹介されている。
せることも遠赤外線放射特性を向上させるうえで有効で
あり、例えばショットブラスト等を利用した粗面化処理
が行われている。遠赤外線放射特性をさらに改善するた
めに、その粗面化表面上に酸化皮膜などを形成させる場
合もある。例えば特開昭55−6433号公報には化学的な処
理により酸化皮膜を形成させる手法が、特公平7−88560
号公報には加熱処理によりAl酸化物を形成させる手法
が紹介されている。
【0005】また、穴あけ,V曲げ等の加工が施されて
所望の形状にされたステンレス鋼板上に、遠赤外線放射
特性を高めるための黒色の耐熱樹脂を塗装する手法が知
られており、この種の遠赤外線放射体は加熱調理器具の
グリルレンジなどで広く使用されている。
所望の形状にされたステンレス鋼板上に、遠赤外線放射
特性を高めるための黒色の耐熱樹脂を塗装する手法が知
られており、この種の遠赤外線放射体は加熱調理器具の
グリルレンジなどで広く使用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、一般的な表面
仕上げのステンレス鋼素材表面にセラミックスを被覆す
る手法では、加熱−冷却が繰り返されるうちにセラミッ
クス被覆層とステンレス鋼素地との熱膨張差に起因して
セラミックス被覆層が剥離しやすい。
仕上げのステンレス鋼素材表面にセラミックスを被覆す
る手法では、加熱−冷却が繰り返されるうちにセラミッ
クス被覆層とステンレス鋼素地との熱膨張差に起因して
セラミックス被覆層が剥離しやすい。
【0007】ショットブラスト等の粗面化処理は生産効
率が低く粉塵の問題も生じ、その割には粗面化による遠
赤外線放射特性の改善効果が少ない。この粗面化表面に
化学的な処理で酸化皮膜を形成させる特開昭55−6433号
公報の手法は粗面化+化学処理の2段処理が必要となる
ことに加え、化学処理には10〜40分もの長時間を要し、
連続処理には適さない。加熱処理でAl酸化物を形成さ
せる特公平7−88560号公報の手法も粗面化+加熱処理の
2段処理が必要で、Al酸化物の形成には4時間以上も
の長時間を要するので連続処理ができず、しかもステン
レス鋼種はAlを数%含有したものに制限される。
率が低く粉塵の問題も生じ、その割には粗面化による遠
赤外線放射特性の改善効果が少ない。この粗面化表面に
化学的な処理で酸化皮膜を形成させる特開昭55−6433号
公報の手法は粗面化+化学処理の2段処理が必要となる
ことに加え、化学処理には10〜40分もの長時間を要し、
連続処理には適さない。加熱処理でAl酸化物を形成さ
せる特公平7−88560号公報の手法も粗面化+加熱処理の
2段処理が必要で、Al酸化物の形成には4時間以上も
の長時間を要するので連続処理ができず、しかもステン
レス鋼種はAlを数%含有したものに制限される。
【0008】また、耐熱塗料は一般にステンレス鋼板と
の密着性に乏しいので、加工前の鋼板に対して連続塗装
を施す「プレコート塗装」では遠赤外線放射体の製品に
加工する際、塗膜剥離を生じやすい。このためステンレ
ス鋼板を耐熱樹脂層で被覆したタイプの遠赤外線放射体
を製造する場合は、製品形状に加工された中間製品に対
して個々に塗装を施す「ポストコート塗装」とされるの
が通常であり、これがコスト高を招いている。
の密着性に乏しいので、加工前の鋼板に対して連続塗装
を施す「プレコート塗装」では遠赤外線放射体の製品に
加工する際、塗膜剥離を生じやすい。このためステンレ
ス鋼板を耐熱樹脂層で被覆したタイプの遠赤外線放射体
を製造する場合は、製品形状に加工された中間製品に対
して個々に塗装を施す「ポストコート塗装」とされるの
が通常であり、これがコスト高を招いている。
【0009】本発明は、かかる現状に鑑み、高い遠赤外
線放射特性を呈する表面構造であって、鋼帯(コイル)
の状態で連続処理して形成することができ、かつ穴あけ
・V曲げ等の加工にも耐えられる表面構造を有したステ
ンレス鋼板ベースの遠赤外線放射体を提供することを目
的とする。
線放射特性を呈する表面構造であって、鋼帯(コイル)
の状態で連続処理して形成することができ、かつ穴あけ
・V曲げ等の加工にも耐えられる表面構造を有したステ
ンレス鋼板ベースの遠赤外線放射体を提供することを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明はオーバーハングしたピット壁を有
する電解粗面化表面をステンレス鋼板表面に形成して遠
赤外線の放射率を0.7以上にした遠赤外線放射体であ
る。ここで、「オーバーハングしたピット壁」とはピッ
トの壁面が鋼板の水平方向(平均的な板厚方向に直角の
方向)より板厚中央部側を向いた部分をいう。つまり、
粗面化表面を形成した鋼板面を真上から見たとき、ピッ
トの内壁面の一部がオーバーハングしたピット壁に隠れ
て見えなくなっているようなピットを有する電解粗面化
表面が形成されていることを意味する。また、遠赤外線
の放射率は、500℃に加熱した当該遠赤外線放射体と、
同一温度の黒体における、5〜25μmの波長範囲の遠赤外
線放射強度の比(ε)によって表す。
に、請求項1の発明はオーバーハングしたピット壁を有
する電解粗面化表面をステンレス鋼板表面に形成して遠
赤外線の放射率を0.7以上にした遠赤外線放射体であ
る。ここで、「オーバーハングしたピット壁」とはピッ
トの壁面が鋼板の水平方向(平均的な板厚方向に直角の
方向)より板厚中央部側を向いた部分をいう。つまり、
粗面化表面を形成した鋼板面を真上から見たとき、ピッ
トの内壁面の一部がオーバーハングしたピット壁に隠れ
て見えなくなっているようなピットを有する電解粗面化
表面が形成されていることを意味する。また、遠赤外線
の放射率は、500℃に加熱した当該遠赤外線放射体と、
同一温度の黒体における、5〜25μmの波長範囲の遠赤外
線放射強度の比(ε)によって表す。
【0011】請求項2の発明は、遠赤外線放射面を、ピ
ット未発生部分の面積率が40%以下、ピット開口部の平
均径Dが1〜10μm、かつ下記(1)で定義するオーバーハ
ング密度Kが0.1〜1.5の範囲となる粗面化されたステン
レス鋼板表面で構成した遠赤外線放射体である。 (1)オーバーハング密度K:鋼板断面の顕微鏡観察像に
おいて、50μm以上の長さの測定範囲を定め、当該測定
範囲内でピット内壁面が断面曲線の平均線の方向より板
厚中央部側に向いている部分(=オーバーハング部)の
個数nを測定し、その個数nを測定範囲の長さ(μm)
で除した値をK(個/μm)とする。ここで断面曲線と
は当該断面に現れる鋼板最表面の輪郭をいい、断面曲線
の平均線とは定めた測定範囲において、その断面曲線ま
での偏差の二乗和が最小になるように設定した直線また
は曲線をいう。
ット未発生部分の面積率が40%以下、ピット開口部の平
均径Dが1〜10μm、かつ下記(1)で定義するオーバーハ
ング密度Kが0.1〜1.5の範囲となる粗面化されたステン
レス鋼板表面で構成した遠赤外線放射体である。 (1)オーバーハング密度K:鋼板断面の顕微鏡観察像に
おいて、50μm以上の長さの測定範囲を定め、当該測定
範囲内でピット内壁面が断面曲線の平均線の方向より板
厚中央部側に向いている部分(=オーバーハング部)の
個数nを測定し、その個数nを測定範囲の長さ(μm)
で除した値をK(個/μm)とする。ここで断面曲線と
は当該断面に現れる鋼板最表面の輪郭をいい、断面曲線
の平均線とは定めた測定範囲において、その断面曲線ま
での偏差の二乗和が最小になるように設定した直線また
は曲線をいう。
【0012】ここで、ピット未発生部分の面積率とは鋼
板表面の垂直投影面積に占めるピット未発生部分の面積
の割合(%)をいう。ピットの開口部の平均径Dは、各
ピットの開口部の直径を平均したμm単位の値を意味す
る。したがって、Dの値は1〜10μmの範囲に規定される
が、開口部の直径が1μm未満のピットや10μmを超える
ピットが存在する場合も含まれる。Dの値は鋼板表面を
真上から観察した顕微鏡写真によって求めることがで
き、具体的には垂直投影像における各ピットの最大径を
一定面積内の全てのピットについて求め、その総和を測
定ピット数で除した値をD(μm)とする。その際、径が
0.3μm未満のものは測定対象から外す。そのような微小
なものはピット未発生部分との見分けが付けにくいから
である。断面曲線およびその平均線は、表面粗さの定義
と表示に関するJIS B 0601において定義されている「断
面曲線」および「断面曲線又は粗さ曲線の平均線」と同
様の概念である。
板表面の垂直投影面積に占めるピット未発生部分の面積
の割合(%)をいう。ピットの開口部の平均径Dは、各
ピットの開口部の直径を平均したμm単位の値を意味す
る。したがって、Dの値は1〜10μmの範囲に規定される
が、開口部の直径が1μm未満のピットや10μmを超える
ピットが存在する場合も含まれる。Dの値は鋼板表面を
真上から観察した顕微鏡写真によって求めることがで
き、具体的には垂直投影像における各ピットの最大径を
一定面積内の全てのピットについて求め、その総和を測
定ピット数で除した値をD(μm)とする。その際、径が
0.3μm未満のものは測定対象から外す。そのような微小
なものはピット未発生部分との見分けが付けにくいから
である。断面曲線およびその平均線は、表面粗さの定義
と表示に関するJIS B 0601において定義されている「断
面曲線」および「断面曲線又は粗さ曲線の平均線」と同
様の概念である。
【0013】請求項3の発明は、オーバーハングしたピ
ット壁を有する電解粗面化表面をステンレス鋼板表面に
形成し、その電解粗面化表面を耐熱樹脂層で被覆して遠
赤外線の放射率を0.7以上にした遠赤外線放射体であ
る。請求項4の発明は、遠赤外線放射面の表面構造を、
ピット未発生部分の面積率が40%以下、ピット開口部の
平均径Dが1〜10μm、かつ請求項2の(1)で定義したオ
ーバーハング密度Kが0.1〜1.5の範囲となる粗面化され
たステンレス鋼板表面上に耐熱樹脂層が被覆された構造
とした遠赤外線放射体である。請求項5の発明は、請求
項3または4の発明において耐熱樹脂層が500℃以上の
耐熱温度を有する樹脂で構成される点を規定したもので
ある。請求項6の発明は、請求項3または4の発明にお
いて耐熱樹脂層がアルコキシシラン化合物を出発原料と
して加水分解・縮合反応させたシリコーン樹脂,アルコ
キシシラン化合物とホウ酸化合物を加熱縮重合させたポ
リボロシロキサン樹脂,ポリカルボシラン樹脂,ポリシ
ラスチレン樹脂,ポリチタノカルボシラン樹脂,および
ポリシラザン樹脂から選ばれた1種または2種以上の樹
脂で構成される点を規定したものである。請求項7の発
明は、請求項3〜6の発明において耐熱樹脂層の被覆量
を焼き付け後の質量で3〜50g/m2に規定したものであ
る。
ット壁を有する電解粗面化表面をステンレス鋼板表面に
形成し、その電解粗面化表面を耐熱樹脂層で被覆して遠
赤外線の放射率を0.7以上にした遠赤外線放射体であ
る。請求項4の発明は、遠赤外線放射面の表面構造を、
ピット未発生部分の面積率が40%以下、ピット開口部の
平均径Dが1〜10μm、かつ請求項2の(1)で定義したオ
ーバーハング密度Kが0.1〜1.5の範囲となる粗面化され
たステンレス鋼板表面上に耐熱樹脂層が被覆された構造
とした遠赤外線放射体である。請求項5の発明は、請求
項3または4の発明において耐熱樹脂層が500℃以上の
耐熱温度を有する樹脂で構成される点を規定したもので
ある。請求項6の発明は、請求項3または4の発明にお
いて耐熱樹脂層がアルコキシシラン化合物を出発原料と
して加水分解・縮合反応させたシリコーン樹脂,アルコ
キシシラン化合物とホウ酸化合物を加熱縮重合させたポ
リボロシロキサン樹脂,ポリカルボシラン樹脂,ポリシ
ラスチレン樹脂,ポリチタノカルボシラン樹脂,および
ポリシラザン樹脂から選ばれた1種または2種以上の樹
脂で構成される点を規定したものである。請求項7の発
明は、請求項3〜6の発明において耐熱樹脂層の被覆量
を焼き付け後の質量で3〜50g/m2に規定したものであ
る。
【0014】請求項8の発明は、請求項3〜7の発明に
おいて耐熱樹脂層が遠赤外線放射特性に優れる金属酸化
物を主体としたセラミックス粒子を含有するものである
点を規定したものである。請求項9の発明は、請求項3
〜7の発明において耐熱樹脂層がAl2O3,ZrO2,
SiO2,TiO2,およびMnO2から選ばれた1種ま
たは2種以上の金属酸化物を主体としたセラミックス粒
子を含有するものである点を規定したものである。請求
項10の発明は、請求項8または9の発明において耐熱
樹脂層中のセラミックス粒子の含有量が焼き付け後の樹
脂量に対して30質量%以下である点を規定したものであ
る。
おいて耐熱樹脂層が遠赤外線放射特性に優れる金属酸化
物を主体としたセラミックス粒子を含有するものである
点を規定したものである。請求項9の発明は、請求項3
〜7の発明において耐熱樹脂層がAl2O3,ZrO2,
SiO2,TiO2,およびMnO2から選ばれた1種ま
たは2種以上の金属酸化物を主体としたセラミックス粒
子を含有するものである点を規定したものである。請求
項10の発明は、請求項8または9の発明において耐熱
樹脂層中のセラミックス粒子の含有量が焼き付け後の樹
脂量に対して30質量%以下である点を規定したものであ
る。
【0015】請求項11の発明は、請求項2,4,5,
6または7の発明において遠赤外線の放射率が0.8以上
である点を規定したものである。請求項12の発明は、
請求項8〜10の発明において遠赤外線の放射率が0.9
以上である点を規定したものである。
6または7の発明において遠赤外線の放射率が0.8以上
である点を規定したものである。請求項12の発明は、
請求項8〜10の発明において遠赤外線の放射率が0.9
以上である点を規定したものである。
【0016】請求項13の発明は、請求項1〜12に係
る遠赤外線放射体のうちフェライト系ステンレス鋼を対
象とした製造法であり、Fe3+濃度:5〜50g/L(リッ
トル)の塩化第二鉄水溶液中で、アノード電解時の電流
密度:1.0〜10.0kA/m2,カソード電解時の電流密度:
0.1〜2.0kA/m2とした0.5〜5Hzの交番電解をフェライト
系ステンレス鋼板の表面に20〜120秒間施してステンレ
ス鋼板表面を粗面化する遠赤外線放射体の製造法であ
る。請求項14の発明は、同様にオーステナイト系ステ
ンレス鋼を対象とした製造法であり、Fe3+濃度:40〜
120g/Lの塩化第二鉄水溶液中で、アノード電解時の電
流密度:1.0〜10.0kA/m2,カソード電解時の電流密
度:0.3〜2.0kA/m2とした0.5〜5Hzの交番電解をオース
テナイト系ステンレス鋼板の表面に20〜120秒間施して
ステンレス鋼板表面を粗面化する遠赤外線放射体の製造
法である。請求項15の発明は、請求項3〜10に係る
遠赤外線放射体の製造において、粗面化されたステンレ
ス鋼板が鋼帯の状態になっているときに、その表面に耐
熱樹脂塗料をプレコート塗装する遠赤外線放射体の製造
法である。
る遠赤外線放射体のうちフェライト系ステンレス鋼を対
象とした製造法であり、Fe3+濃度:5〜50g/L(リッ
トル)の塩化第二鉄水溶液中で、アノード電解時の電流
密度:1.0〜10.0kA/m2,カソード電解時の電流密度:
0.1〜2.0kA/m2とした0.5〜5Hzの交番電解をフェライト
系ステンレス鋼板の表面に20〜120秒間施してステンレ
ス鋼板表面を粗面化する遠赤外線放射体の製造法であ
る。請求項14の発明は、同様にオーステナイト系ステ
ンレス鋼を対象とした製造法であり、Fe3+濃度:40〜
120g/Lの塩化第二鉄水溶液中で、アノード電解時の電
流密度:1.0〜10.0kA/m2,カソード電解時の電流密
度:0.3〜2.0kA/m2とした0.5〜5Hzの交番電解をオース
テナイト系ステンレス鋼板の表面に20〜120秒間施して
ステンレス鋼板表面を粗面化する遠赤外線放射体の製造
法である。請求項15の発明は、請求項3〜10に係る
遠赤外線放射体の製造において、粗面化されたステンレ
ス鋼板が鋼帯の状態になっているときに、その表面に耐
熱樹脂塗料をプレコート塗装する遠赤外線放射体の製造
法である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の遠赤外線放射体は、ベー
スとなるステンレス鋼板表面の粗面化形態に大きな特徴
がある。図1に、本発明の遠赤外線放射体に用いること
ができる粗面化ステンレス鋼板の表面を真上から観察し
た電子顕微鏡(SEM)写真の一例を示す。鋼板表面に
ピットが高密度に形成しており、ピットの開口部の形態
が蜂の巣状に表れている。この例ではピット未発生部分
の面積率が5%未満、ピット開口部の平均径Dが2μmで
ある。図2に、このステンレス鋼板の断面の電子顕微鏡
(SEM)写真を示す。開口部が内部よりも狭くなった
ピットやオーバーハングしたピット壁が多数観察され、
本発明に用いるステンレス鋼板の特徴的な粗面化形態を
呈している。
スとなるステンレス鋼板表面の粗面化形態に大きな特徴
がある。図1に、本発明の遠赤外線放射体に用いること
ができる粗面化ステンレス鋼板の表面を真上から観察し
た電子顕微鏡(SEM)写真の一例を示す。鋼板表面に
ピットが高密度に形成しており、ピットの開口部の形態
が蜂の巣状に表れている。この例ではピット未発生部分
の面積率が5%未満、ピット開口部の平均径Dが2μmで
ある。図2に、このステンレス鋼板の断面の電子顕微鏡
(SEM)写真を示す。開口部が内部よりも狭くなった
ピットやオーバーハングしたピット壁が多数観察され、
本発明に用いるステンレス鋼板の特徴的な粗面化形態を
呈している。
【0018】図3は、図2の断面写真の拡大スケッチで
ある。図3中に測定範囲として定めた長さ50μmの範囲
を示すとともに、その測定範囲内でピット内壁面が断面
曲線の平均線の方向より板厚中央部側を向いている部分
(=オーバーハング部)を矢印で示した。この例では測
定範囲50μmあたりオーバーハング部の個数は18個であ
る。したがって、前記(1)の定義に従うオーバーハング
密度Kは18/50=0.36(個/μm)と求められる。
ある。図3中に測定範囲として定めた長さ50μmの範囲
を示すとともに、その測定範囲内でピット内壁面が断面
曲線の平均線の方向より板厚中央部側を向いている部分
(=オーバーハング部)を矢印で示した。この例では測
定範囲50μmあたりオーバーハング部の個数は18個であ
る。したがって、前記(1)の定義に従うオーバーハング
密度Kは18/50=0.36(個/μm)と求められる。
【0019】本発明者らは、遠赤外線放射特性に及ぼす
粗面化形態の影響を調べるために、ステンレス鋼板表面
にショットブラストや本発明で規定する電解により種々
の形態の粗面化表面を形成して500℃における遠赤外線
放射率を測定した。その結果、例えばBET法による表
面積がほぼ同一であるショットブラスト処理材(オーバ
ーハング密度K=0)と電解処理材(オーバーハング密
度K=0.28)では、オーバーハング部を有する後者の方
が前者の約1.6倍も高い遠赤外線放射率を示すことがわ
かった。また、種々の実験により、オーバーハング部の
多い粗面化表面ほど、遠赤外線放射特性が向上すること
もわかった。さらに、耐熱樹脂層で被覆した場合でも、
ステンレス鋼板素地においてオーバーハング部を有する
粗面化表面を形成しておくと、裸のまま使用する場合と
同様に遠赤外線放射特性が向上することも明らかとなっ
た。
粗面化形態の影響を調べるために、ステンレス鋼板表面
にショットブラストや本発明で規定する電解により種々
の形態の粗面化表面を形成して500℃における遠赤外線
放射率を測定した。その結果、例えばBET法による表
面積がほぼ同一であるショットブラスト処理材(オーバ
ーハング密度K=0)と電解処理材(オーバーハング密
度K=0.28)では、オーバーハング部を有する後者の方
が前者の約1.6倍も高い遠赤外線放射率を示すことがわ
かった。また、種々の実験により、オーバーハング部の
多い粗面化表面ほど、遠赤外線放射特性が向上すること
もわかった。さらに、耐熱樹脂層で被覆した場合でも、
ステンレス鋼板素地においてオーバーハング部を有する
粗面化表面を形成しておくと、裸のまま使用する場合と
同様に遠赤外線放射特性が向上することも明らかとなっ
た。
【0020】一般に物体の放射率(有効放射率)は凹凸
があって表面積の大きい物体で高くなることが知られて
いるが、上記の結果は、単に表面積だけではなく、凹凸
の形態による影響が大きいことを意味している。オーバ
ーハングしたピット壁を有する粗面化表面は、遠赤外線
の放射特性を顕著に高める特異な表面形態であると言え
る。ただし、現時点で放射特性に及ぼすオーバーハング
部の作用を物理的に説明することは難しい。
があって表面積の大きい物体で高くなることが知られて
いるが、上記の結果は、単に表面積だけではなく、凹凸
の形態による影響が大きいことを意味している。オーバ
ーハングしたピット壁を有する粗面化表面は、遠赤外線
の放射特性を顕著に高める特異な表面形態であると言え
る。ただし、現時点で放射特性に及ぼすオーバーハング
部の作用を物理的に説明することは難しい。
【0021】ピットが鋼板表面に隙間なく形成されてい
たとしても、オーバーハング密度Kが0.1未満であると
遠赤外線放射特性の大きな向上効果は期待できない。一
方、オーバーハング密度Kが1.5を超える場合、すなわ
ち非常に微細なピットの集まりとなる場合には特に10μ
mより長波長側の赤外線放射特性が却って低下する。ま
た、ピットはできるだけ高密度に存在していることが望
ましい。ピット未発生部分の面積率が40%以下となるよ
うにピットが高密度に存在する状態でオーバーハング密
度Kが0.1〜1.5の範囲にあるとき、大きな遠赤外線放射
効果が発揮される。
たとしても、オーバーハング密度Kが0.1未満であると
遠赤外線放射特性の大きな向上効果は期待できない。一
方、オーバーハング密度Kが1.5を超える場合、すなわ
ち非常に微細なピットの集まりとなる場合には特に10μ
mより長波長側の赤外線放射特性が却って低下する。ま
た、ピットはできるだけ高密度に存在していることが望
ましい。ピット未発生部分の面積率が40%以下となるよ
うにピットが高密度に存在する状態でオーバーハング密
度Kが0.1〜1.5の範囲にあるとき、大きな遠赤外線放射
効果が発揮される。
【0022】ピット開口部の大きさもまた、遠赤外線放
射特性に影響を及ぼす。すなわち、ピット径が大きくな
りすぎると粗面化表面の表面積減少による影響が強ま
り、遠赤外線放射特性の低下を招く。逆にピット径が小
さくなりすぎると10μmを超える長波長側の赤外線放射
特性が低下する。効率の良い遠赤外線放射効果を考慮す
ると、鋼板表面におけるピット開口部の平均径Dが1〜1
0μmの範囲になる場合が好ましい。
射特性に影響を及ぼす。すなわち、ピット径が大きくな
りすぎると粗面化表面の表面積減少による影響が強ま
り、遠赤外線放射特性の低下を招く。逆にピット径が小
さくなりすぎると10μmを超える長波長側の赤外線放射
特性が低下する。効率の良い遠赤外線放射効果を考慮す
ると、鋼板表面におけるピット開口部の平均径Dが1〜1
0μmの範囲になる場合が好ましい。
【0023】ステンレス鋼板の粗面化表面を裸のまま使
用する遠赤外線放射体において、上記のようにピット未
発生部分の面積率が40%以下,オーバーハング密度Kが
0.1〜1.5,ピット開口部の平均径Dが1〜10μmという粗
面化形態にしたとき、500℃における遠赤外線放射率が
0.7以上という優れた放射特性を示すものが安定して得
られ、乾燥・加熱装置,調理器,熱交換器等の用途で好
適に使用できる。また、遠赤外線放射率が0.8以上の特
に優れた特性を呈するものを作ることもできる。さら
に、このような粗面化形態による遠赤外線放射特性の向
上効果は、耐熱樹脂層で被覆して使用する場合において
も同様に発揮される。
用する遠赤外線放射体において、上記のようにピット未
発生部分の面積率が40%以下,オーバーハング密度Kが
0.1〜1.5,ピット開口部の平均径Dが1〜10μmという粗
面化形態にしたとき、500℃における遠赤外線放射率が
0.7以上という優れた放射特性を示すものが安定して得
られ、乾燥・加熱装置,調理器,熱交換器等の用途で好
適に使用できる。また、遠赤外線放射率が0.8以上の特
に優れた特性を呈するものを作ることもできる。さら
に、このような粗面化形態による遠赤外線放射特性の向
上効果は、耐熱樹脂層で被覆して使用する場合において
も同様に発揮される。
【0024】上記の粗面化形態を呈するステンレス鋼板
表面を耐熱樹脂層で被覆すると、耐食性が向上するだけ
でなく、防汚性,耐疵付き性にも優れた遠赤外線放射体
が得られる。遠赤外線放射体の用途によっては、その表
面が500〜600℃になることも考えられる。このため、耐
熱樹脂層は500℃以上の耐熱性を有する樹脂で構成する
ことが望ましい。また、耐熱樹脂は、鋼帯の状態で連続
塗装が可能な焼成条件を持つ塗料であれば好適である。
本発明の遠赤外線放射体に適する耐熱樹脂として、アル
コキシシラン化合物を出発原料として加水分解・縮合反
応させたシリコーン樹脂,アルコキシシラン化合物とホ
ウ酸化合物を加熱縮重合させたポリボロシロキサン樹
脂,ポリカルボシラン樹脂,ポリシラスチレン樹脂,ポ
リチタノカルボシラン樹脂,ポリシラザン樹脂等が挙げ
られる。これらの樹脂を2種以上混合した塗料を用いて
もよい。
表面を耐熱樹脂層で被覆すると、耐食性が向上するだけ
でなく、防汚性,耐疵付き性にも優れた遠赤外線放射体
が得られる。遠赤外線放射体の用途によっては、その表
面が500〜600℃になることも考えられる。このため、耐
熱樹脂層は500℃以上の耐熱性を有する樹脂で構成する
ことが望ましい。また、耐熱樹脂は、鋼帯の状態で連続
塗装が可能な焼成条件を持つ塗料であれば好適である。
本発明の遠赤外線放射体に適する耐熱樹脂として、アル
コキシシラン化合物を出発原料として加水分解・縮合反
応させたシリコーン樹脂,アルコキシシラン化合物とホ
ウ酸化合物を加熱縮重合させたポリボロシロキサン樹
脂,ポリカルボシラン樹脂,ポリシラスチレン樹脂,ポ
リチタノカルボシラン樹脂,ポリシラザン樹脂等が挙げ
られる。これらの樹脂を2種以上混合した塗料を用いて
もよい。
【0025】粗面化表面上に樹脂を塗布した場合、膜厚
は一様にならないので、本発明ではその被覆量を焼き付
け後の質量を用いて表している。上記耐熱樹脂の被覆量
1g/m2は、膜厚に換算した場合、平均約1μmに相当す
る。耐熱樹脂層の被覆量が3g/m2未満だと粗面化表面
全体を覆うことが難しくなり、耐食性等の改善効果があ
まり期待できない。一方、後述のように50g/m2を超え
ると穴あけ,V曲げ等の加工時に剥離しやすくなる。し
たがって、耐熱樹脂層の被覆量は3〜50g/m2とするこ
とが望ましい。
は一様にならないので、本発明ではその被覆量を焼き付
け後の質量を用いて表している。上記耐熱樹脂の被覆量
1g/m2は、膜厚に換算した場合、平均約1μmに相当す
る。耐熱樹脂層の被覆量が3g/m2未満だと粗面化表面
全体を覆うことが難しくなり、耐食性等の改善効果があ
まり期待できない。一方、後述のように50g/m2を超え
ると穴あけ,V曲げ等の加工時に剥離しやすくなる。し
たがって、耐熱樹脂層の被覆量は3〜50g/m2とするこ
とが望ましい。
【0026】上記のような耐熱塗料は本来、ステンレス
鋼素地との密着性に乏しく、一般的な表面仕上げのステ
ンレス鋼板に塗装した場合、例えばコイル状に巻き取る
程度の歪みが与えられただけでも剥離が生じる。このた
めこの種の塗料は製品加工後にポストコート塗装するの
が通常である。しかし本発明では下地鋼板に上記の粗面
化ステンレス鋼板を使用するので、オーバーハングした
ピット壁を有するその特徴的な粗面化形態によって樹脂
層に対するアンカー効果が発揮され、塗装密着性は著し
く向上する。実験の結果、本発明規定の方法で粗面化し
たステンレス鋼帯を通常の連続塗装ラインに通板して、
上記耐熱樹脂塗料を塗装した場合、コイル状に巻き取る
際の剥離の問題は十分に解消されることが確認された。
また、鋼帯の段階で「粗面化表面+耐熱樹脂層」の表面
構造を形成させたステンレス鋼板を用いて実際に穴あけ
およびV曲げを施し遠赤外線放射体を製造したところ、
樹脂被覆量50g/m2以下の範囲において耐熱樹脂層の剥
離がない健全な製品が得られた。このことは、耐熱樹脂
層の被覆処理を製品加工前の鋼帯の段階で実施できるこ
と、すなわち「プレコート塗装」で連続的に耐熱樹脂層
を被覆できることを意味する。このように、本発明にお
ける特異な粗面化形態は、遠赤外線放射特性を向上させ
るとともに耐熱樹脂層の密着性を顕著に高めるという、
ダブル効果を発揮するものである。
鋼素地との密着性に乏しく、一般的な表面仕上げのステ
ンレス鋼板に塗装した場合、例えばコイル状に巻き取る
程度の歪みが与えられただけでも剥離が生じる。このた
めこの種の塗料は製品加工後にポストコート塗装するの
が通常である。しかし本発明では下地鋼板に上記の粗面
化ステンレス鋼板を使用するので、オーバーハングした
ピット壁を有するその特徴的な粗面化形態によって樹脂
層に対するアンカー効果が発揮され、塗装密着性は著し
く向上する。実験の結果、本発明規定の方法で粗面化し
たステンレス鋼帯を通常の連続塗装ラインに通板して、
上記耐熱樹脂塗料を塗装した場合、コイル状に巻き取る
際の剥離の問題は十分に解消されることが確認された。
また、鋼帯の段階で「粗面化表面+耐熱樹脂層」の表面
構造を形成させたステンレス鋼板を用いて実際に穴あけ
およびV曲げを施し遠赤外線放射体を製造したところ、
樹脂被覆量50g/m2以下の範囲において耐熱樹脂層の剥
離がない健全な製品が得られた。このことは、耐熱樹脂
層の被覆処理を製品加工前の鋼帯の段階で実施できるこ
と、すなわち「プレコート塗装」で連続的に耐熱樹脂層
を被覆できることを意味する。このように、本発明にお
ける特異な粗面化形態は、遠赤外線放射特性を向上させ
るとともに耐熱樹脂層の密着性を顕著に高めるという、
ダブル効果を発揮するものである。
【0027】上記の耐熱樹脂層中に遠赤外線放射特性に
優れる金属酸化物を主体としたセラミックス粒子を含有
させることによって、遠赤外線放射特性をさらに向上さ
せることができる。このような金属酸化物としては、A
l2O3,ZrO2,SiO2,TiO2,MnO2等が挙げ
られ、複数の種類のセラミックス粒子を複合して含有さ
せてもよい。これらを用いると500℃における遠赤外線
放射率が0.9以上という極めて優れた遠赤外線放射特性
を実現することができる。セラミックス粒子の添加量が
あまり多いと加工時に塗膜剥離が起こりやすくなるの
で、焼き付け後の樹脂量に対してその含有量が30質量%
以下となる範囲で添加することが望ましい。
優れる金属酸化物を主体としたセラミックス粒子を含有
させることによって、遠赤外線放射特性をさらに向上さ
せることができる。このような金属酸化物としては、A
l2O3,ZrO2,SiO2,TiO2,MnO2等が挙げ
られ、複数の種類のセラミックス粒子を複合して含有さ
せてもよい。これらを用いると500℃における遠赤外線
放射率が0.9以上という極めて優れた遠赤外線放射特性
を実現することができる。セラミックス粒子の添加量が
あまり多いと加工時に塗膜剥離が起こりやすくなるの
で、焼き付け後の樹脂量に対してその含有量が30質量%
以下となる範囲で添加することが望ましい。
【0028】耐熱樹脂の被覆方法は、均一に被覆できる
方法であれば特に制限はないが、鋼帯の状態で被覆する
ことを考えた場合にはロールコーター方式で塗布するの
が一般的といえる。
方法であれば特に制限はないが、鋼帯の状態で被覆する
ことを考えた場合にはロールコーター方式で塗布するの
が一般的といえる。
【0029】本発明の遠赤外線放射体に用いるステンレ
ス鋼板の粗面化表面は、塩化第二鉄水溶液中での交番電
解によって形成することができる。以下に、交番電解処
理の条件について述べる。
ス鋼板の粗面化表面は、塩化第二鉄水溶液中での交番電
解によって形成することができる。以下に、交番電解処
理の条件について述べる。
【0030】〔アノード電解〕交番電解におけるアノー
ド電解の目的は、ステンレス鋼板表面にピットを形成さ
せることである。アノード電流密度が1.0kA/m2未満で
は活性溶解が起こるだけでステンレス鋼板表面にピット
を形成することができない。一方、10.0kA/m2を超える
とCl-イオンの分解反応をともなうようになり、作業
効率と作業環境がともに悪化する。したがって、アノー
ド電流密度は1.0〜10.0kA/m2の範囲とする。また、交
番電解1サイクルあたりのアノード通電時間はステンレ
ス鋼板表面に形成されるピットの開口径と関係し、1サ
イクルあたりのアノード通電時間が長くなるほどピット
の開口径は増大する。効率よい遠赤外線の放射特性が得
られる「ピット開口部の平均径:1〜10μm」を実現する
には1サイクルあたりのアノード通電時間を0.1〜1sec
とすることが望ましい。
ド電解の目的は、ステンレス鋼板表面にピットを形成さ
せることである。アノード電流密度が1.0kA/m2未満で
は活性溶解が起こるだけでステンレス鋼板表面にピット
を形成することができない。一方、10.0kA/m2を超える
とCl-イオンの分解反応をともなうようになり、作業
効率と作業環境がともに悪化する。したがって、アノー
ド電流密度は1.0〜10.0kA/m2の範囲とする。また、交
番電解1サイクルあたりのアノード通電時間はステンレ
ス鋼板表面に形成されるピットの開口径と関係し、1サ
イクルあたりのアノード通電時間が長くなるほどピット
の開口径は増大する。効率よい遠赤外線の放射特性が得
られる「ピット開口部の平均径:1〜10μm」を実現する
には1サイクルあたりのアノード通電時間を0.1〜1sec
とすることが望ましい。
【0031】〔カソード電解〕カソード電解の目的は、
ステンレス鋼板表面でH2を発生させ、ピット内のpH上
昇を利用してピット内壁にFe3++3OH-→Fe(O
H)3の反応によりFe(OH)3の保護皮膜を形成させる
こと、およびピット未発生部分を活性化させることであ
る。そのためカソード電流密度の下限は、電解液中のF
e3+の還元反応の限界電流密度より高くしてH2発生領
域の値となるように設定する必要がある。塩化第二鉄濃
度,液温,流速等によって多少変動するが、フェライト
系ステンレス鋼に適用する電解液で0.1kA/m2以上、オ
ーステナイト系ステンレス鋼に適用する電解液で0.3kA/
m2以上あればよい。一方、カソード電流密度を上げて
H2発生量を多くしていくとピット形状は次第に浅いお
椀型に変化するので、遠赤外線放射特性に優れたピット
形態を維持するためには、2.0kA/m2以下のカソード電
流密度にすることが望ましい。上記カソード電解の目的
を十分に達成するには1サイクルあたりのカソード通電
時間を0.01sec以上とすることが望ましい。
ステンレス鋼板表面でH2を発生させ、ピット内のpH上
昇を利用してピット内壁にFe3++3OH-→Fe(O
H)3の反応によりFe(OH)3の保護皮膜を形成させる
こと、およびピット未発生部分を活性化させることであ
る。そのためカソード電流密度の下限は、電解液中のF
e3+の還元反応の限界電流密度より高くしてH2発生領
域の値となるように設定する必要がある。塩化第二鉄濃
度,液温,流速等によって多少変動するが、フェライト
系ステンレス鋼に適用する電解液で0.1kA/m2以上、オ
ーステナイト系ステンレス鋼に適用する電解液で0.3kA/
m2以上あればよい。一方、カソード電流密度を上げて
H2発生量を多くしていくとピット形状は次第に浅いお
椀型に変化するので、遠赤外線放射特性に優れたピット
形態を維持するためには、2.0kA/m2以下のカソード電
流密度にすることが望ましい。上記カソード電解の目的
を十分に達成するには1サイクルあたりのカソード通電
時間を0.01sec以上とすることが望ましい。
【0032】〔交番電解サイクル〕交番電解1サイクル
あたりの適正通電時間は、アノード電解で0.1〜1sec、
カソード電解で0.01sec以上とするのがよいことを述べ
たが、工業的規模での交番電源を考慮した場合、アノー
ドとカソードの通電時間は1:1とすることがコスト的
な面から望ましい。このことから、交番電解のサイクル
は0.5〜5Hzの範囲とするのがよい。
あたりの適正通電時間は、アノード電解で0.1〜1sec、
カソード電解で0.01sec以上とするのがよいことを述べ
たが、工業的規模での交番電源を考慮した場合、アノー
ドとカソードの通電時間は1:1とすることがコスト的
な面から望ましい。このことから、交番電解のサイクル
は0.5〜5Hzの範囲とするのがよい。
【0033】〔電解液〕Fe3+を含む電解液を使用す
る。これは、前述したように、すでに形成したピット内
でFe3++3OH-→Fe(OH)3の反応を起こしてピッ
ト内壁をFe(OH)3で保護し、ピット未発生部分で新
たなピットの形成を促進させるためである。Fe3+を含
まない塩化第一鉄,硝酸,塩酸,硫酸等の電解液中では
上記反応を利用したピット内壁保護作用が生じない。ま
た、ステンレス鋼を対象とするため、電解液中にはステ
ンレス鋼の酸化作用を促進するNO3 -,SO4 2-といっ
たイオンが含まれていないことも、孔食、すなわちピッ
ト形成を容易にし、短時間での粗面化処理を可能にする
ために重要である。このような観点から、Fe3+を含む
塩化第二鉄水溶液が適している。
る。これは、前述したように、すでに形成したピット内
でFe3++3OH-→Fe(OH)3の反応を起こしてピッ
ト内壁をFe(OH)3で保護し、ピット未発生部分で新
たなピットの形成を促進させるためである。Fe3+を含
まない塩化第一鉄,硝酸,塩酸,硫酸等の電解液中では
上記反応を利用したピット内壁保護作用が生じない。ま
た、ステンレス鋼を対象とするため、電解液中にはステ
ンレス鋼の酸化作用を促進するNO3 -,SO4 2-といっ
たイオンが含まれていないことも、孔食、すなわちピッ
ト形成を容易にし、短時間での粗面化処理を可能にする
ために重要である。このような観点から、Fe3+を含む
塩化第二鉄水溶液が適している。
【0034】電解液のエッチング力と形成されるピット
の形状との間には密接な関係がある。電解液のエッチン
グ力が弱いと浅めのピットが形成されやすく、エッチン
グ力が増すにつれて半球状あるいは鍵穴状といったピッ
ト開口部の大きさの割には深さのあるピットが形成され
るようになる。本発明では遠赤外線放射特性を高めるた
めにオーバーハング部の多い粗面化形態が求められ、ど
ちらかといえば半球状あるいは開口部が内部よりも狭く
なったピットが形成されることが好ましい。そのような
ピット形成を行う電解液としては、工業的に管理しやす
い30〜70℃の液温範囲において、フェライト系ステンレ
ス鋼では電解液中に含まれるFe3+濃度が5〜50g/L、
オーステナイト系ステンレス鋼では40〜120g/Lとなる
ように塩化第二鉄濃度をコントロールすることが望まし
い。
の形状との間には密接な関係がある。電解液のエッチン
グ力が弱いと浅めのピットが形成されやすく、エッチン
グ力が増すにつれて半球状あるいは鍵穴状といったピッ
ト開口部の大きさの割には深さのあるピットが形成され
るようになる。本発明では遠赤外線放射特性を高めるた
めにオーバーハング部の多い粗面化形態が求められ、ど
ちらかといえば半球状あるいは開口部が内部よりも狭く
なったピットが形成されることが好ましい。そのような
ピット形成を行う電解液としては、工業的に管理しやす
い30〜70℃の液温範囲において、フェライト系ステンレ
ス鋼では電解液中に含まれるFe3+濃度が5〜50g/L、
オーステナイト系ステンレス鋼では40〜120g/Lとなる
ように塩化第二鉄濃度をコントロールすることが望まし
い。
【0035】〔電解処理時間〕交番電解処理時間が20se
cに満たないと、ステンレス鋼板表面のピット未発生部
分の面積率を40%以下にすることが難しくなる。一方、
120secを超えて電解しても粗面化形態および遠赤外線放
射特性に大きな差はなく、それ以上の処理は不経済であ
る。したがって、交番電解処理時間は20〜120secが好ま
しい。これは工業的規模での連続生産に十分対応できる
処理時間といえる。
cに満たないと、ステンレス鋼板表面のピット未発生部
分の面積率を40%以下にすることが難しくなる。一方、
120secを超えて電解しても粗面化形態および遠赤外線放
射特性に大きな差はなく、それ以上の処理は不経済であ
る。したがって、交番電解処理時間は20〜120secが好ま
しい。これは工業的規模での連続生産に十分対応できる
処理時間といえる。
【0036】以上のような電解粗面化処理は種々のステ
ンレス鋼種に適用できる。したがって、本発明の赤外線
放射体には使用環境に応じて最適なステンレス鋼種が採
用できる。
ンレス鋼種に適用できる。したがって、本発明の赤外線
放射体には使用環境に応じて最適なステンレス鋼種が採
用できる。
【0037】
【実施例】〔実施例1〕各ステンレス鋼種において、適
正な電解液の条件を調べた。板厚0.4mmのSUS410L,SUS4
30,SUS444,SUS304,SUS316Lの2B仕上げステンレス
鋼板に通常の電解脱脂・酸洗を施した材料について、温
度およびFe3+の濃度を種々変えた塩化第二鉄水溶液の
電解液中で、アノード電流密度5.0kA/m2,カソード電
流密度0.1〜2.0kA/m2,交番電解サイクル5Hz,処理時
間60secとした条件で電解処理を行い、それぞれの鋼種
について適正な電解液の条件範囲を調査した。
正な電解液の条件を調べた。板厚0.4mmのSUS410L,SUS4
30,SUS444,SUS304,SUS316Lの2B仕上げステンレス
鋼板に通常の電解脱脂・酸洗を施した材料について、温
度およびFe3+の濃度を種々変えた塩化第二鉄水溶液の
電解液中で、アノード電流密度5.0kA/m2,カソード電
流密度0.1〜2.0kA/m2,交番電解サイクル5Hz,処理時
間60secとした条件で電解処理を行い、それぞれの鋼種
について適正な電解液の条件範囲を調査した。
【0038】図4にその結果を示す。図4中、各鋼種ご
とに枠で囲まれた領域が、その鋼種について前記(1)で
定義したオーバーハング密度Kが0.1〜1.5となる粗面化
表面を安定して形成できる電解条件の範囲を表す。一般
的に不動態化作用が強いとされる鋼種ほど適正範囲は高
濃度・高温度側となる。このことからわかるように、本
発明で規定する粗面化表面を形成するには、その鋼種の
不動態化力と液のエッチング力のバランスが適正になる
ように、電解液の濃度・液温を調整することが重要であ
る。発明者らの調査の結果、主要なステンレス鋼種にお
いては工業上管理しやすい30〜70℃の液温範囲において
適正な塩化第二鉄濃度を設定することが可能であり、具
体的にはフェライト系鋼種では5〜50g/L、オーステナ
イト系鋼種では40〜120g/Lの範囲に塩化第二鉄濃度を
調整することが望ましい。
とに枠で囲まれた領域が、その鋼種について前記(1)で
定義したオーバーハング密度Kが0.1〜1.5となる粗面化
表面を安定して形成できる電解条件の範囲を表す。一般
的に不動態化作用が強いとされる鋼種ほど適正範囲は高
濃度・高温度側となる。このことからわかるように、本
発明で規定する粗面化表面を形成するには、その鋼種の
不動態化力と液のエッチング力のバランスが適正になる
ように、電解液の濃度・液温を調整することが重要であ
る。発明者らの調査の結果、主要なステンレス鋼種にお
いては工業上管理しやすい30〜70℃の液温範囲において
適正な塩化第二鉄濃度を設定することが可能であり、具
体的にはフェライト系鋼種では5〜50g/L、オーステナ
イト系鋼種では40〜120g/Lの範囲に塩化第二鉄濃度を
調整することが望ましい。
【0039】〔実施例2〕板厚0.8mmのSUS430・2B仕
上げ材に通常の電解脱脂・酸洗を施した材料を用いて、
本発明規定の電解処理で粗面化したサンプルAおよびB
と、サンドブラスト処理で粗面化したサンプルCを作製
し、各サンプルについて、元のSUS430・2B仕上げ材を
1としたときのBET法による比表面積,および遠赤外
線放射率を比較した。遠赤外線放射率は500℃に加熱し
たサンプルについて測定した5〜25μmの範囲の遠赤外線
放射強度を、同一温度の黒体放射との比(ε)で表した。
結果は表1のとおりである。
上げ材に通常の電解脱脂・酸洗を施した材料を用いて、
本発明規定の電解処理で粗面化したサンプルAおよびB
と、サンドブラスト処理で粗面化したサンプルCを作製
し、各サンプルについて、元のSUS430・2B仕上げ材を
1としたときのBET法による比表面積,および遠赤外
線放射率を比較した。遠赤外線放射率は500℃に加熱し
たサンプルについて測定した5〜25μmの範囲の遠赤外線
放射強度を、同一温度の黒体放射との比(ε)で表した。
結果は表1のとおりである。
【0040】
【表1】
【0041】比表面積はサンプル間で大差ないにもかか
わらず、遠赤外線放射率は本発明規定の電解処理材
(A,B)とサンドブラスト処理材(C)で大きく異な
った。サンプルA,Bではオーバーハング部の多い特異
な粗面化形態が遠赤外線放射特性を著しく高めているも
のと推察される。
わらず、遠赤外線放射率は本発明規定の電解処理材
(A,B)とサンドブラスト処理材(C)で大きく異な
った。サンプルA,Bではオーバーハング部の多い特異
な粗面化形態が遠赤外線放射特性を著しく高めているも
のと推察される。
【0042】〔実施例3〕板厚0.6mmのSUS430,SUS304
の2D仕上げ材に通常の電解脱脂・酸洗を施した材料を
用いて、液温50℃,電解処理時間60secと一定にし、塩
化第二鉄濃度,アノード・カソード電流密度,交番電解
サイクルの条件を変えて種々の粗面化形態を呈するサン
プルを作製した。各サンプルについて実施例2と同様に
遠赤外線放射率を求めた。表2に、これらの電解処理条
件,粗面化形態および遠赤外線放射率を示す。
の2D仕上げ材に通常の電解脱脂・酸洗を施した材料を
用いて、液温50℃,電解処理時間60secと一定にし、塩
化第二鉄濃度,アノード・カソード電流密度,交番電解
サイクルの条件を変えて種々の粗面化形態を呈するサン
プルを作製した。各サンプルについて実施例2と同様に
遠赤外線放射率を求めた。表2に、これらの電解処理条
件,粗面化形態および遠赤外線放射率を示す。
【0043】
【表2】
【0044】表2に示されるように、適正な電解条件で
粗面化したNo.1〜15のサンプルは、いずれもピット未発
生部分の面積率が40%以下、ピット開口部の平均径Dが
1〜10μm、かつオーバーハング密度Kが0.1〜1.5の範囲
の粗面化形態を呈し、遠赤外線放射率が0.8以上の優れ
た特性を示した。これに対し、電解条件が不適切であっ
たNo.21〜28のサンプルは、遠赤外線放射率が0.7未満と
低かった。このうちNo.21,22はピット開口部の平均径
Dが適正範囲を外れた例、No.23,25,27はほとんど隙
間なく高密度にピットが発生したがオーバーハングした
ピット壁が少なかった例、No.24はピットの発生が少な
かった例、No.26,28はピットの発生がみられなかった
例である。No.29は通常の2D仕上げ表面を呈するもの
であり、その遠赤外線放射率は非常に低い。
粗面化したNo.1〜15のサンプルは、いずれもピット未発
生部分の面積率が40%以下、ピット開口部の平均径Dが
1〜10μm、かつオーバーハング密度Kが0.1〜1.5の範囲
の粗面化形態を呈し、遠赤外線放射率が0.8以上の優れ
た特性を示した。これに対し、電解条件が不適切であっ
たNo.21〜28のサンプルは、遠赤外線放射率が0.7未満と
低かった。このうちNo.21,22はピット開口部の平均径
Dが適正範囲を外れた例、No.23,25,27はほとんど隙
間なく高密度にピットが発生したがオーバーハングした
ピット壁が少なかった例、No.24はピットの発生が少な
かった例、No.26,28はピットの発生がみられなかった
例である。No.29は通常の2D仕上げ表面を呈するもの
であり、その遠赤外線放射率は非常に低い。
【0045】〔実施例4〕板厚0.5mmのSUS430LX・No.4
仕上げ材に通常の電解脱脂・酸洗を施した材料を用い
て、本発明で規定する適正な条件で電解処理を行って粗
面化し、この粗面化表面上に耐熱樹脂層を被覆した。被
覆前の粗面化表面は、ピット未発生部分の面積率が5%
未満,ピット開口部の平均径Dが2μm,オーバーハング
密度Kが0.34であり、遠赤外線放射率が0.82を示すもの
であった。使用した耐熱樹脂はシリコーン樹脂塗料(日
本合成ゴム社製「グラカスB103」)である。いくつか
の例ではこの塗料にセラミックス粒子を添加した。被覆
方法は、バーコーターにより塗布する方法とし、200℃
×1minの条件で焼き付けを行った。耐熱樹脂層を焼き付
け乾燥したサンプルについて、実施例2と同様に遠赤外
線放射率を測定するとともに、穴あけおよび90°V曲げ
(曲げコーナー部:1R)の加工を施し、加工部での耐
熱樹脂層の剥離状況を調べた。また耐熱樹脂層を焼き付
け乾燥したサンプルについて、500℃×10hrの大気中加
熱を施した後SST試験8時間を行う耐食試験を実施し、発
錆状況を調査して、耐食性(以下「加熱後耐食性」とい
う)を評価した。比較のため、電解粗面化処理前のNo.4
仕上げ材そのもの、およびNo.4仕上げ材に上記耐熱塗料
を塗布したものについても遠赤外線放射率および加熱後
耐食性を調べた。表3にこれらの結果を示す。
仕上げ材に通常の電解脱脂・酸洗を施した材料を用い
て、本発明で規定する適正な条件で電解処理を行って粗
面化し、この粗面化表面上に耐熱樹脂層を被覆した。被
覆前の粗面化表面は、ピット未発生部分の面積率が5%
未満,ピット開口部の平均径Dが2μm,オーバーハング
密度Kが0.34であり、遠赤外線放射率が0.82を示すもの
であった。使用した耐熱樹脂はシリコーン樹脂塗料(日
本合成ゴム社製「グラカスB103」)である。いくつか
の例ではこの塗料にセラミックス粒子を添加した。被覆
方法は、バーコーターにより塗布する方法とし、200℃
×1minの条件で焼き付けを行った。耐熱樹脂層を焼き付
け乾燥したサンプルについて、実施例2と同様に遠赤外
線放射率を測定するとともに、穴あけおよび90°V曲げ
(曲げコーナー部:1R)の加工を施し、加工部での耐
熱樹脂層の剥離状況を調べた。また耐熱樹脂層を焼き付
け乾燥したサンプルについて、500℃×10hrの大気中加
熱を施した後SST試験8時間を行う耐食試験を実施し、発
錆状況を調査して、耐食性(以下「加熱後耐食性」とい
う)を評価した。比較のため、電解粗面化処理前のNo.4
仕上げ材そのもの、およびNo.4仕上げ材に上記耐熱塗料
を塗布したものについても遠赤外線放射率および加熱後
耐食性を調べた。表3にこれらの結果を示す。
【0046】
【表3】
【0047】表3に示されるように、本発明規定の適正
な電解条件で粗面化したステンレス鋼板上に耐熱樹脂層
を被覆したNo.31〜41のサンプルは、被覆原板の遠赤外
線放射率0.82を上回る優れた遠赤外線放射特性を示し
た。一般的な表面仕上げのステンレス鋼板上に耐熱樹脂
層を被覆したNo.43,44の遠赤外線放射率は0.6に達して
いないことから、耐熱樹脂層を被覆した場合でも下地鋼
板に形成したオーバーハング部を有する特定の粗面化形
態が遠赤外線放射特性向上に寄与していると考えられ
る。No.31〜41の中でも、遠赤外線放射特性に優れる金
属酸化物を主体としたセラミックス粒子を樹脂層中に添
加したNo.34〜37,40,41は遠赤外線放射率が0.9を上回
る極めて高い特性を呈した。本実施例の加熱後耐食性評
価は汎用ステンレス鋼にとってかなり厳しいものと言え
るが、耐熱樹脂層の被覆量が少ないNo.38および樹脂被
覆のないNo.42を除き、赤錆の発生は認められなかっ
た。耐熱樹脂層の被覆量が多いNo.39、セラミックス粒
子の添加量が多いNo.40,41は加工部の樹脂層密着性に
劣っていたが、ポストコート塗装することにより遠赤外
線放射体に使用できる。なお、下地に一般的な表面仕上
げ材を用いたNo.43,44も加工部の樹脂層密着性が悪か
った。
な電解条件で粗面化したステンレス鋼板上に耐熱樹脂層
を被覆したNo.31〜41のサンプルは、被覆原板の遠赤外
線放射率0.82を上回る優れた遠赤外線放射特性を示し
た。一般的な表面仕上げのステンレス鋼板上に耐熱樹脂
層を被覆したNo.43,44の遠赤外線放射率は0.6に達して
いないことから、耐熱樹脂層を被覆した場合でも下地鋼
板に形成したオーバーハング部を有する特定の粗面化形
態が遠赤外線放射特性向上に寄与していると考えられ
る。No.31〜41の中でも、遠赤外線放射特性に優れる金
属酸化物を主体としたセラミックス粒子を樹脂層中に添
加したNo.34〜37,40,41は遠赤外線放射率が0.9を上回
る極めて高い特性を呈した。本実施例の加熱後耐食性評
価は汎用ステンレス鋼にとってかなり厳しいものと言え
るが、耐熱樹脂層の被覆量が少ないNo.38および樹脂被
覆のないNo.42を除き、赤錆の発生は認められなかっ
た。耐熱樹脂層の被覆量が多いNo.39、セラミックス粒
子の添加量が多いNo.40,41は加工部の樹脂層密着性に
劣っていたが、ポストコート塗装することにより遠赤外
線放射体に使用できる。なお、下地に一般的な表面仕上
げ材を用いたNo.43,44も加工部の樹脂層密着性が悪か
った。
【0048】〔実施例5〕次に、鋼帯を用いた実験例を
示す。板厚0.4mm、幅600mmのSUS430・2B仕上げ材に通
常の電解脱脂・酸洗を施した鋼帯について、液温45℃,
Fe3+濃度15g/m2の塩化第二鉄水溶液中でアノード電
流密度5.0kA/m2,カソード電流密度0.15kA/m2として
片面のみ電解粗面化処理を施した。交番電解サイクルを
5Hzと一定にし、通板速度を変えることにより電解処理
時間を20〜60secの範囲で変化させた。一方、実施例4
と同じ耐熱樹脂(日本合成ゴム社製「グラカスB10
3」)にMn,Cr,Alの複合酸化物のセラミックス
粒子を添加した塗料を用意した。セラミックス粒子の添
加量は焼き付け乾燥後の含有量が15質量%となるように
調整した。この塗料を、上記電解処理で得られた粗面化
表面上に鋼帯のまま塗装ラインにおいてロールコーター
法で塗布した。焼成条件は200℃×1min、耐熱樹脂層の
被覆量は10g/m2とした。なお、鋼帯には一部、塗装せ
ずに電解粗面化表面のままの部分を残した。この鋼帯の
電解処理時間の異なる部分から採取した各サンプルにつ
いて、実施例2と同様に遠赤外線放射率測定を行い、さ
らに、未塗装部分については粗面化形態の測定を、塗装
部分については実施例4と同様に加工部の樹脂層密着性
調査を行った。結果を表4に示す。
示す。板厚0.4mm、幅600mmのSUS430・2B仕上げ材に通
常の電解脱脂・酸洗を施した鋼帯について、液温45℃,
Fe3+濃度15g/m2の塩化第二鉄水溶液中でアノード電
流密度5.0kA/m2,カソード電流密度0.15kA/m2として
片面のみ電解粗面化処理を施した。交番電解サイクルを
5Hzと一定にし、通板速度を変えることにより電解処理
時間を20〜60secの範囲で変化させた。一方、実施例4
と同じ耐熱樹脂(日本合成ゴム社製「グラカスB10
3」)にMn,Cr,Alの複合酸化物のセラミックス
粒子を添加した塗料を用意した。セラミックス粒子の添
加量は焼き付け乾燥後の含有量が15質量%となるように
調整した。この塗料を、上記電解処理で得られた粗面化
表面上に鋼帯のまま塗装ラインにおいてロールコーター
法で塗布した。焼成条件は200℃×1min、耐熱樹脂層の
被覆量は10g/m2とした。なお、鋼帯には一部、塗装せ
ずに電解粗面化表面のままの部分を残した。この鋼帯の
電解処理時間の異なる部分から採取した各サンプルにつ
いて、実施例2と同様に遠赤外線放射率測定を行い、さ
らに、未塗装部分については粗面化形態の測定を、塗装
部分については実施例4と同様に加工部の樹脂層密着性
調査を行った。結果を表4に示す。
【0049】
【表4】
【0050】表4に示されるように、いずれのサンプル
も優れた遠赤外線放射特性を呈した。また、耐熱樹脂層
は穴あけおよび90°V曲げで剥離しなかったことから、
この樹脂層は遠赤外線放射体の製品加工に耐え得る加工
性を有すると言える。
も優れた遠赤外線放射特性を呈した。また、耐熱樹脂層
は穴あけおよび90°V曲げで剥離しなかったことから、
この樹脂層は遠赤外線放射体の製品加工に耐え得る加工
性を有すると言える。
【0051】
【発明の効果】本発明の遠赤外線放射体は、ステンレス
鋼板表面に形成された特異な形態の粗面化表面によって
優れた遠赤外線放射特性を呈する。その粗面化表面は電
解処理によって連続的に低コストで形成でき、電解処理
条件のコントロールで多くのステンレス鋼種に対応でき
る。また、その粗面化ステンレス鋼板表面上に耐熱樹脂
層を被覆した遠赤外線放射体は一層優れた耐食性を示
す。しかも、下地鋼板に形成された特異な形態の表面凹
凸によって樹脂層の剥離が防止されるため、従来困難と
された鋼帯でのプレコート塗装によって、耐熱樹脂層を
被覆した遠赤外線放射体が製造できるようになった。
鋼板表面に形成された特異な形態の粗面化表面によって
優れた遠赤外線放射特性を呈する。その粗面化表面は電
解処理によって連続的に低コストで形成でき、電解処理
条件のコントロールで多くのステンレス鋼種に対応でき
る。また、その粗面化ステンレス鋼板表面上に耐熱樹脂
層を被覆した遠赤外線放射体は一層優れた耐食性を示
す。しかも、下地鋼板に形成された特異な形態の表面凹
凸によって樹脂層の剥離が防止されるため、従来困難と
された鋼帯でのプレコート塗装によって、耐熱樹脂層を
被覆した遠赤外線放射体が製造できるようになった。
【図1】本発明の遠赤外線放射体に用いることができる
粗面化ステンレス鋼板の表面を真上から観察した電子顕
微鏡(SEM)写真である。
粗面化ステンレス鋼板の表面を真上から観察した電子顕
微鏡(SEM)写真である。
【図2】図1のステンレス鋼板の断面の電子顕微鏡(S
EM)写真である。
EM)写真である。
【図3】図2の電子顕微鏡(SEM)写真の拡大スケッ
チである。
チである。
【図4】各種ステンレス鋼について、電解液として使用
する塩化第二鉄水溶液の温度と濃度の適正範囲を示すグ
ラフである。
する塩化第二鉄水溶液の温度と濃度の適正範囲を示すグ
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮野 勉 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株式 会社技術研究所内 (72)発明者 多々納 政義 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株式 会社技術研究所内 (72)発明者 和泉 圭二 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株式 会社技術研究所内 Fターム(参考) 3K092 PP03 QA05 QB61 QB65 RF03 SS33 VV40
Claims (15)
- 【請求項1】 オーバーハングしたピット壁を有する電
解粗面化表面をステンレス鋼板表面に形成して遠赤外線
の放射率を0.7以上にした遠赤外線放射体。 - 【請求項2】 遠赤外線放射面を、ピット未発生部分の
面積率が40%以下、ピット開口部の平均径Dが1〜10μ
m、かつ下記(1)で定義するオーバーハング密度Kが0.1
〜1.5の範囲となる粗面化されたステンレス鋼板表面で
構成した遠赤外線放射体。 (1)オーバーハング密度K:鋼板断面の顕微鏡観察像に
おいて、50μm以上の長さの測定範囲を定め、当該測定
範囲内でピット内壁面が断面曲線の平均線の方向より板
厚中央部側に向いている部分(=オーバーハング部)の
個数nを測定し、その個数nを測定範囲の長さ(μm)
で除した値をK(個/μm)とする。ここで断面曲線と
は当該断面に現れる鋼板最表面の輪郭をいい、断面曲線
の平均線とは定めた測定範囲において、その断面曲線ま
での偏差の二乗和が最小になるように設定した直線また
は曲線をいう。 - 【請求項3】 オーバーハングしたピット壁を有する電
解粗面化表面をステンレス鋼板表面に形成し、その電解
粗面化表面を耐熱樹脂層で被覆して遠赤外線の放射率を
0.7以上にした遠赤外線放射体。 - 【請求項4】 遠赤外線放射面の表面構造を、ピット未
発生部分の面積率が40%以下、ピット開口部の平均径D
が1〜10μm、かつ下記(1)で定義するオーバーハング密
度Kが0.1〜1.5の範囲となる粗面化されたステンレス鋼
板表面上に耐熱樹脂層が被覆された構造とした遠赤外線
放射体。 (1)オーバーハング密度K:鋼板断面の顕微鏡観察像に
おいて、50μm以上の長さの測定範囲を定め、当該測定
範囲内でピット内壁面が断面曲線の平均線の方向より板
厚中央部側に向いている部分(=オーバーハング部)の
個数nを測定し、その個数nを測定範囲の長さ(μm)
で除した値をK(個/μm)とする。ここで断面曲線と
は当該断面に現れる鋼板最表面の輪郭をいい、断面曲線
の平均線とは定めた測定範囲において、その断面曲線ま
での偏差の二乗和が最小になるように設定した直線また
は曲線をいう。 - 【請求項5】 耐熱樹脂層が500℃以上の耐熱温度を有
する樹脂で構成される請求項3または4に記載の遠赤外
線放射体。 - 【請求項6】 耐熱樹脂層がアルコキシシラン化合物を
出発原料として加水分解・縮合反応させたシリコーン樹
脂,アルコキシシラン化合物とホウ酸化合物を加熱縮重
合させたポリボロシロキサン樹脂,ポリカルボシラン樹
脂,ポリシラスチレン樹脂,ポリチタノカルボシラン樹
脂,およびポリシラザン樹脂から選ばれた1種または2
種以上の樹脂で構成される請求項3または4に記載の遠
赤外線放射体。 - 【請求項7】 耐熱樹脂層の被覆量が3〜50g/m2であ
る請求項3〜6に記載の遠赤外線放射体。 - 【請求項8】 耐熱樹脂層が遠赤外線放射特性に優れる
金属酸化物を主体としたセラミックス粒子を含有するも
のである請求項3〜7に記載の遠赤外線放射体。 - 【請求項9】 耐熱樹脂層がAl2O3,ZrO2,Si
O2,TiO2,およびMnO2から選ばれた1種または
2種以上の金属酸化物を主体としたセラミックス粒子を
含有するものである請求項3〜7に記載の遠赤外線放射
体。 - 【請求項10】 耐熱樹脂層中のセラミックス粒子の含
有量が30質量%以下である請求項8または9に記載の遠
赤外線放射体。 - 【請求項11】 遠赤外線の放射率が0.8以上である請
求項2,4,5,6または7に記載の遠赤外線放射体。 - 【請求項12】 遠赤外線の放射率が0.9以上である請
求項8〜10に記載の遠赤外線放射体。 - 【請求項13】 Fe3+濃度:5〜50g/Lの塩化第二鉄
水溶液中で、アノード電解時の電流密度:1.0〜10.0kA/
m2,カソード電解時の電流密度:0.1〜2.0kA/m2とし
た0.5〜5Hzの交番電解をフェライト系ステンレス鋼板の
表面に20〜120秒間施してステンレス鋼板表面を粗面化
する請求項1〜12に記載の遠赤外線放射体の製造法。 - 【請求項14】 Fe3+濃度:40〜120g/Lの塩化第二
鉄水溶液中で、アノード電解時の電流密度:1.0〜10.0k
A/m2,カソード電解時の電流密度:0.3〜2.0kA/m2と
した0.5〜5Hzの交番電解をオーステナイト系ステンレス
鋼板の表面に20〜120秒間施してステンレス鋼板表面を
粗面化する請求項1〜12に記載の遠赤外線放射体の製
造法。 - 【請求項15】 粗面化されたステンレス鋼帯の表面に
耐熱樹脂塗料をプレコート塗装する請求項3〜10に記
載の遠赤外線放射体の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34260498A JP2000171045A (ja) | 1998-12-02 | 1998-12-02 | 遠赤外線放射体およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34260498A JP2000171045A (ja) | 1998-12-02 | 1998-12-02 | 遠赤外線放射体およびその製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000171045A true JP2000171045A (ja) | 2000-06-23 |
Family
ID=18355064
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34260498A Withdrawn JP2000171045A (ja) | 1998-12-02 | 1998-12-02 | 遠赤外線放射体およびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000171045A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6773803B2 (en) | 2000-12-19 | 2004-08-10 | Posco | Far-infrared emission powder with antibacterial activity and bio-wave steel plate coated with resin containing same |
-
1998
- 1998-12-02 JP JP34260498A patent/JP2000171045A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6773803B2 (en) | 2000-12-19 | 2004-08-10 | Posco | Far-infrared emission powder with antibacterial activity and bio-wave steel plate coated with resin containing same |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060207 |