JP2000171028A - 石炭焚火力発電プラントの出炭量制御方法 - Google Patents

石炭焚火力発電プラントの出炭量制御方法

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JP2000171028A
JP2000171028A JP10341772A JP34177298A JP2000171028A JP 2000171028 A JP2000171028 A JP 2000171028A JP 10341772 A JP10341772 A JP 10341772A JP 34177298 A JP34177298 A JP 34177298A JP 2000171028 A JP2000171028 A JP 2000171028A
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Toshio Inoue
敏男 井上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 石炭種に応じて出炭量指令を調節することが
でき、出炭量の制御性向上を図り得る石炭焚火力発電プ
ラントの出炭量制御方法を提供する。 【解決手段】 ミル4への給炭量16の一次遅れを出炭
量18と見なし、該出炭量18が出炭量指令19と等し
くなるよう給炭機6の駆動装置7の回転数を制御する
際、水分量・粉砕性推定器37において石炭の水分量3
5と粉砕性36を推定すると共に、ミルモデル出炭量推
定器39において出炭量38を推定し、出炭遅れ時定数
推定器41において、ミルモデル出炭量推定器39で推
定された出炭量38に基づき出炭遅れ時定数40を求
め、該出炭遅れ時定数40と出力指令57と負荷変化率
71とに基づいて出炭量指令19のための先行指令78
を求め、負荷変化時には前記先行指令78を出炭量指令
19に加えるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石炭焚火力発電プ
ラントの出炭量制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図8は従来の石炭焚火力発電プラントの
一例を表わすものであって、図8中、1は石炭焚のボイ
ラ本体、2はボイラ本体1の火炉、3はボイラ本体1内
に微粉炭を噴射して燃焼させるためのバーナ、4は石炭
を粉砕して微粉炭とするためのミル、5は石炭を貯留す
るコールバンカ、6はコールバンカ5に貯留された石炭
をミル4へ供給するための給炭機、7は給炭機6の駆動
装置、8は一次空気をミル4ヘ供給するための一次空気
供給管、9はミル4で粉砕された微粉炭をバーナ3へ導
くための微粉炭管であり、コールバンカ5に貯留された
石炭を、駆動装置7によって駆動される給炭機6によ
り、石炭粉砕用のミル4へ投入し、該ミル4において前
記石炭を粉砕すると共に、一次空気供給管8から一次空
気をミル4内へ導入し、該一次空気により粉砕された微
粉炭を微粉炭管9を介してバーナ3へ空気搬送し、ボイ
ラ本体1の火炉2内において燃焼させるようになってい
る。
【0003】前記ミル4内には、粗粉分離器10が設け
られているが、該粗粉分離器10としては、一般に、図
8に示すように、分級ベーン11を開度調整自在となる
よう円周方向へ複数配設し、該分級ベーン11の開度を
増減させることにより分級率を変化させるようにしたも
のや、或いは、円周方向へ所要ピッチでスリットが形成
された筒状のロータを回転自在に配設し、該ロータの回
転速度を増減させることにより分級率を変化させるよう
にしたもの(図示せず)がある。尚、図8中、13はミ
ル4内下部に回転自在に配設されたテーブル、14はテ
ーブル13上に押し付けられるように配設された石炭粉
砕用のローラ、15は一次空気ポートである。
【0004】前記給炭機6の駆動装置7には、その回転
数に基づいてミル4への給炭量16を検出する給炭量検
出器17が設けられ、又、前記給炭量16に基づいて求
められる出炭量18が、出力指令に基づく出炭量指令1
9と等しくなるよう制御を行うための制御器20が設け
られ、出炭量制御装置が構成されている。
【0005】前記制御器20は、給炭量検出器17で検
出されたミル4への給炭量16が負荷変化に伴って変化
した場合に、その給炭量16の変化に対し、予め設定し
た時間遅れが生じるよう追従させて、ミル4から出炭さ
れると予測される出炭量18を出力する一次遅れ器21
と、出力指令に基づく出炭量指令19と前記一次遅れ器
21から出力される出炭量18との差を求め出炭量偏差
22を出力する減算器23と、該減算器23から出力さ
れる出炭量偏差22を比例積分処理して該出炭量偏差2
2をなくすための回転数調整指令24を前記給炭機6の
駆動装置7へ出力する比例積分調節器25とを備えてな
る構成を有している。
【0006】前述の如き石炭焚火力発電プラントの出炭
量制御装置においては、ボイラ本体1並びにミル4の運
転時には、給炭量検出器17によってミル4へ投入され
る給炭量16が検出されて制御器20の一次遅れ器21
へ出力され、前記給炭量検出器17で検出された給炭量
16が負荷変化に伴って変化した場合には、前記一次遅
れ器21において、給炭量16の変化に対し、予め設定
した時間遅れが生じるよう追従させて、ミル4から出炭
されると予測される出炭量18が減算器23へ出力さ
れ、該減算器23において出力指令に基づく出炭量指令
19と前記一次遅れ器21から出力される出炭量18と
の差が求められて出炭量偏差22が比例積分調節器25
へ出力され、該比例積分調節器25において前記減算器
23から出力される出炭量偏差22が比例積分処理され
て該出炭量偏差22をなくすための回転数調整指令24
が前記給炭機6の駆動装置7へ出力され、該給炭機6の
駆動装置7の回転数が調節され、給炭機6からミル4へ
投入される給炭量16が調節され、出炭量18の制御が
行われるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、石炭焚火力
発電プラントの場合、燃料として用いられる石炭種によ
って石炭の粉砕性が変化するため、粉砕性の悪い石炭の
場合には、出力指令に基づく出炭量指令19に対する石
炭の追従性が低下する。
【0008】しかしながら、前述の如き従来の石炭焚火
力発電プラントにおいては、出炭量指令19は、出力指
令の変化を基準として設定されているだけであって、石
炭種によるミル4の出炭遅れ等については全く考慮され
ていないため、出炭量指令19に対して実際の出炭量
は、図9において仮想線で示されるようになり、大幅な
負荷変化の終了後に、過渡的に出炭量18が過剰になっ
たり、不足したりすることがあり、出炭量18の制御性
が低下するという欠点を有していた。
【0009】本発明は、斯かる実情に鑑み、石炭種に応
じて出炭量指令を調節することができ、出炭量の制御性
向上を図り得る石炭焚火力発電プラントの出炭量制御方
法を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、ミルへの給炭
量の一次遅れを出炭量と見なし、該出炭量が出炭量指令
と等しくなるよう給炭機の駆動装置の回転数を制御する
石炭焚火力発電プラントの出炭量制御方法において、ミ
ルへの給炭量と、一次空気流量と、ミル入口一次空気温
度と、ミル出口一次空気温度と、分級ベーン開度或いは
分級回転数と、ミル差圧との全て、もしくはそのいずれ
かに基づいて石炭の水分量と粉砕性を推定すると共に出
炭量を推定し、該出炭量に基づいて出炭遅れ時定数を求
め、該出炭遅れ時定数と出力指令と負荷変化率とに基づ
いて出炭量指令のための先行指令を求め、負荷変化時に
は前記先行指令を出炭量指令に加えることを特徴とする
石炭焚火力発電プラントの出炭量制御方法にかかるもの
である。
【0011】上記手段によれば、以下のような作用が得
られる。
【0012】本発明の石炭焚火力発電プラントの出炭量
制御方法においては、ミルへの給炭量の一次遅れが出炭
量と見なされ、該出炭量が出炭量指令と等しくなるよう
給炭機の駆動装置の回転数が制御される際、ミルへの給
炭量と、一次空気流量と、ミル入口一次空気温度と、ミ
ル出口一次空気温度と、分級ベーン開度或いは分級回転
数と、ミル差圧との全て、もしくはそのいずれかに基づ
いて石炭の水分量と粉砕性が推定されると共に出炭量が
推定され、該出炭量に基づいて出炭遅れ時定数が求めら
れ、該出炭遅れ時定数と出力指令と負荷変化率とに基づ
いて出炭量指令のための先行指令が求められ、負荷変化
時には前記先行指令が出炭量指令に加えられる。
【0013】この結果、出炭量指令が出力指令の変化を
基準として設定されるだけではなく、石炭種によるミル
の出炭遅れ等について考慮され、先行指令が加えられて
出力されるため、実際の出炭量は、元の出炭量指令と略
合致する形となり、大幅な負荷変化の終了後に、過渡的
に出炭量が過剰になったり、不足したりすることが回避
され、出炭量の制御性が向上することとなる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図示
例と共に説明する。
【0015】図1は本発明を実施する形態の一例であっ
て、図中、図8と同一の符号を付した部分は同一物を表
わしており、基本的な構成は図8に示す従来のものと同
様であるが、本図示例の特徴とするところは、図1に示
す如く、一次空気供給管8に、ミル4へ導入される一次
空気流量26を検出する一次空気流量検出器27と、ミ
ル入口一次空気温度28を検出するミル入口一次空気温
度検出器29とを設け、微粉炭管9に、ミル出口一次空
気温度30を検出するミル出口一次空気温度検出器31
を設け、ミル4に、ミル差圧32を検出するミル差圧検
出器33を設け、更に、制御器20内に、負荷変化中に
負荷変化信号60が「1」のときa側に切り換えられ、
「1」の入力信号61が出力信号63として出力される
一方、負荷が整定して負荷変化信号60が「0」になっ
たときb側に切り換えられ、「0」の入力信号62が出
力信号63として出力される切換器64と、該切換器6
4から出力される出力信号63が入力され、該出力信号
63が変化した場合に、その変化率を設定値以下の範囲
内に制限する処理を行って出力信号65を出力する変化
率制限器66と、出力指令57に基づき補正ゲイン67
を求めて出力する第一関数発生器68と、前記変化率制
限器66から出力される出力信号65に対し前記第一関
数発生器68から出力される補正ゲイン67を掛け、出
力信号69を出力する乗算器70と、負荷変化率71に
基づき補正ゲイン72を求めて出力する第二関数発生器
73と、前記乗算器70から出力される出力信号69に
対し前記第二関数発生器73から出力される補正ゲイン
72を掛け、出力信号74を出力する乗算器75と、ミ
ル4への給炭量16と、一次空気流量26と、ミル入口
一次空気温度28と、ミル出口一次空気温度30と、分
級ベーン11の開度34と、ミル差圧32との全て、も
しくはそのいずれかに基づいて石炭の水分量35と粉砕
性36を推定する水分量・粉砕性推定器37と、ミル4
への給炭量16と、一次空気流量26と、ミル入口一次
空気温度28と、ミル出口一次空気温度30と、分級ベ
ーン11の開度34と、ミル差圧32と、石炭の水分量
35と粉砕性36との全て、もしくはそのいずれかに基
づいて出炭量38を推定するミルモデル出炭量推定器3
9と、該ミルモデル出炭量推定器39で推定された出炭
量38に基づき出炭遅れ時定数40を求めて出力する出
炭遅れ時定数推定器41と、該出炭遅れ時定数推定器4
1で求められた出炭遅れ時定数40に基づき出炭遅れ補
正ゲイン76を求めて出力する第三関数発生器77と、
前記乗算器75から出力される出力信号74に対し前記
第三関数発生器77から出力される出炭遅れ補正ゲイン
76を掛け、出炭量指令19のための先行指令78を出
力する乗算器79と、出炭量指令19に対し前記乗算器
79から出力される先行指令78を加え、補正出炭量指
令19’を出力する加算器80とを追加装備した点にあ
る。
【0016】前記ミルモデル出炭量推定器39において
は、図2に示す如く、ミル4内部を 石炭が供給され、テーブル13に落下する領域 石炭がテーブル13の回転による遠心力によって移動
する領域 石炭がテーブル13の回転による遠心力によって移動
する領域(搬送領域における粗粉炭の一部が加わる) 粉砕領域への石炭供給領域(粉砕領域の石炭の一
部が加わる) 粉砕領域(石炭の一部が石炭供給領域へ戻る) 粉砕された微粉炭が一次空気によって搬送される領域
(粗粉炭の一部が落下し、領域へ戻る) 粗粉分離領域(粗粉炭の一部が分離され、領域へ戻
る) という七つの領域に仮想的に分割してあり、石炭の移動
経路を、図3に示すように捉え、前記石炭の水分量35
と粉砕性36を考慮した上で、出炭量38を算出するよ
うにしている。
【0017】前記出炭遅れ時定数推定器41において
は、前記ミルモデル出炭量推定器39で推定された出炭
量38と、通常の一次遅れ、即ち、K/(1+TS
(但し、TSはラプラス変換の演算子)という式によっ
て求められる出炭量とを各時刻毎に比較し、その偏差が
最も小さくなるようなtを最小二乗法によって求め、こ
のtを出炭遅れ時定数40として出力するようにしてい
る。ここで、前記出炭量38を表わす関数をy(t)、
前記一次遅れによって求められる出炭量を表わす関数を
y’(t)とすると、∫(y(t)−y’(t))2
tを最小にするtを求める形となっている。
【0018】前記補正ゲイン67は、出力指令57が増
加するほど大きくして行けばよいため、前記第一関数発
生器68には、図4に示される如く、出力指令57の増
加に伴って補正ゲイン67を増加させるような関数が入
力されている。
【0019】前記補正ゲイン72は、負荷変化率71が
増加するほど大きくして行けばよいため、前記第二関数
発生器73には、図5に示される如く、負荷変化率71
の増加に伴って補正ゲイン72を増加させるような関数
が入力されている。
【0020】前記出炭遅れ補正ゲイン76は、出炭遅れ
時定数40が増加するほど大きくして行けばよいため、
前記第三関数発生器77には、図6に示される如く、出
炭遅れ時定数40の増加に伴って出炭遅れ補正ゲイン7
6を増加させるような関数が入力されている。
【0021】次に、上記図示例の作動を説明する。
【0022】ボイラ本体1並びにミル4の運転時には、
給炭量検出器17によってミル4へ投入される給炭量1
6が検出され、一次空気流量検出器27によってミル4
へ導入される一次空気流量26が検出され、ミル入口一
次空気温度検出器29によってミル入口一次空気温度2
8が検出され、ミル出口一次空気温度検出器31によっ
てミル出口一次空気温度30が検出され、ミル差圧検出
器33によってミル差圧32が検出され、更に分級ベー
ン11の開度34が検出され、前記給炭量16が制御器
20の一次遅れ器21へ入力されると共に、前記給炭量
16と一次空気流量26とミル入口一次空気温度28と
ミル出口一次空気温度30と分級ベーン11の開度34
とミル差圧32とが制御器20の水分量・粉砕性推定器
37とミルモデル出炭量推定器39へ入力される。
【0023】ここで、負荷を変化させるために出力指令
57が図7に示されるように変化すると、負荷変化信号
60が「0」から「1」になり、これにより、切換器6
4がb側からa側に切り換えられ、「1」の入力信号6
1が出力信号63として変化率制限器66へ出力され、
該変化率制限器66において、前記切換器64から出力
される出力信号63の変化率を設定値以下の範囲内に制
限する処理が行われて出力信号65が乗算器70へ出力
され、該乗算器70において、出力指令57に基づき第
一関数発生器68から出力される補正ゲイン67が、前
記変化率制限器66から出力される出力信号65に対し
て掛けられ、出力信号69が乗算器75へ出力され、該
乗算器75において、負荷変化率71に基づき第二関数
発生器73から出力される補正ゲイン72が、前記乗算
器70から出力される出力信号69に対して掛けられ、
出力信号74が乗算器79へ出力される。
【0024】前記水分量・粉砕性推定器37において
は、ミル4への給炭量16と、一次空気流量26と、ミ
ル入口一次空気温度28と、ミル出口一次空気温度30
と、分級ベーン11の開度34と、ミル差圧32との全
て、もしくはそのいずれかに基づいて石炭の水分量35
と粉砕性36が推定され、前記ミルモデル出炭量推定器
39においては、ミル4への給炭量16と、一次空気流
量26と、ミル入口一次空気温度28と、ミル出口一次
空気温度30と、分級ベーン11の開度34と、ミル差
圧32と、石炭の水分量35と粉砕性36との全て、も
しくはそのいずれかに基づいて出炭量38が推定され、
出炭遅れ時定数推定器41へ出力され、該出炭遅れ時定
数推定器41において前記ミルモデル出炭量推定器39
で推定された出炭量38に基づき出炭遅れ時定数40が
求められて第三関数発生器77へ出力され、該第三関数
発生器77において、前記出炭遅れ時定数推定器41で
求められた出炭遅れ時定数40に基づき出炭遅れ補正ゲ
イン76が求められて前記乗算器79へ出力され、該乗
算器79において、前記乗算器75から出力される出力
信号74に対し前記第三関数発生器77から出力される
出炭遅れ補正ゲイン76が掛けられ、出炭量指令19の
ための先行指令78が加算器80へ出力され、該加算器
80において、出炭量指令19に対し前記乗算器79か
ら出力される先行指令78が加えられ、補正出炭量指令
19’が減算器23へ出力される。
【0025】前記給炭量検出器17で検出された給炭量
16が負荷変化に伴って変化した場合には、前記一次遅
れ器21において、給炭量16の変化に対し、予め設定
した時間遅れが生じるよう追従させて、ミル4から出炭
されると予測される出炭量18が前記減算器23へ出力
され、該減算器23において、前記加算器80から出力
される補正出炭量指令19’と前記一次遅れ器21から
出力される出炭量18との差が求められて出炭量偏差2
2が比例積分調節器25へ出力され、該比例積分調節器
25において前記減算器23から出力される出炭量偏差
22が比例積分処理されて該出炭量偏差22をなくすた
めの回転数調整指令24が前記給炭機6の駆動装置7へ
出力され、該給炭機6の駆動装置7の回転数が調節さ
れ、給炭機6からミル4へ投入される給炭量16が調節
され、出炭量18の制御が行われる。
【0026】この結果、出炭量指令19が出力指令の変
化を基準として設定されるだけではなく、石炭種による
ミル4の出炭遅れ等について考慮され、先行指令78が
加えられた補正出炭量指令19’として出力されるた
め、該補正出炭量指令19’に対して実際の出炭量は、
図7において仮想線で示されるように、元の出炭量指令
19と略合致する形となり、大幅な負荷変化の終了後
に、過渡的に出炭量18が過剰になったり、不足したり
することが回避され、出炭量18の制御性が向上するこ
ととなる。
【0027】尚、粗粉分離器10として、分級ベーン1
1の開度34を増減させることにより分級率を変化させ
るようにしたものに代えて、円周方向へ所要ピッチでス
リットが形成された筒状のロータを回転自在に配設し、
該ロータの回転速度を増減させることにより分級率を変
化させるようにしたものを採用した場合には、前記分級
ベーン11の開度34の代わりに前記ロータの分級回転
数を検出して前記水分量・粉砕性推定器37並びにミル
モデル出炭量推定器39へ入力するようにすればよい。
【0028】こうして、石炭種に応じて出炭量指令19
を調節することができ、出炭量18の制御性向上を図り
得る。
【0029】尚、本発明の石炭焚火力発電プラントの出
炭量制御方法は、上述の図示例にのみ限定されるもので
はなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々
変更を加え得ることは勿論である。
【0030】
【発明の効果】以上、説明したように本発明の石炭焚火
力発電プラントの出炭量制御方法によれば、石炭種に応
じて出炭量指令を調節することができ、出炭量の制御性
向上を図り得るという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例の概要構成図であ
る。
【図2】本発明を実施する形態の一例においてミルモデ
ル出炭量推定器により仮想的に分割されたミル内部の七
つの領域を表わす概略図である。
【図3】本発明を実施する形態の一例においてミル内部
の石炭移動経路を表わすブロック図である。
【図4】図1に示す第一関数発生器に入力されている関
数を表わす線図である。
【図5】図1に示す第二関数発生器に入力されている関
数を表わす線図である。
【図6】図1に示す第三関数発生器に入力されている関
数を表わす線図である。
【図7】本発明を実施する形態の一例において、出力指
令の変化に対する各種出力信号の変化、並びに補正出炭
量指令の変化を表わす線図である。
【図8】従来例の概要構成図である。
【図9】従来例における出炭量指令と実際の出炭量との
関係を表わす線図である。
【符号の説明】
4 ミル 6 給炭機 7 駆動装置 11 分級ベーン 16 給炭量 18 出炭量 19 出炭量指令 19’ 補正出炭量指令 22 出炭量偏差 24 回転数調整指令 26 一次空気流量 28 ミル入口一次空気温度 30 ミル出口一次空気温度 32 ミル差圧 34 開度 35 水分量 36 粉砕性 37 水分量・粉砕性推定器 38 出炭量 39 ミルモデル出炭量推定器 40 出炭遅れ時定数 41 出炭遅れ時定数推定器 57 出力指令 60 負荷変化信号 67 補正ゲイン 71 負荷変化率 72 補正ゲイン 76 出炭遅れ補正ゲイン 78 先行指令 80 加算器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミルへの給炭量の一次遅れを出炭量と見
    なし、該出炭量が出炭量指令と等しくなるよう給炭機の
    駆動装置の回転数を制御する石炭焚火力発電プラントの
    出炭量制御方法において、ミルへの給炭量と、一次空気
    流量と、ミル入口一次空気温度と、ミル出口一次空気温
    度と、分級ベーン開度或いは分級回転数と、ミル差圧と
    の全て、もしくはそのいずれかに基づいて石炭の水分量
    と粉砕性を推定すると共に出炭量を推定し、該出炭量に
    基づいて出炭遅れ時定数を求め、該出炭遅れ時定数と出
    力指令と負荷変化率とに基づいて出炭量指令のための先
    行指令を求め、負荷変化時には前記先行指令を出炭量指
    令に加えることを特徴とする石炭焚火力発電プラントの
    出炭量制御方法。
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