JP2000170814A - 衝撃吸収構造 - Google Patents

衝撃吸収構造

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JP2000170814A
JP2000170814A JP11188803A JP18880399A JP2000170814A JP 2000170814 A JP2000170814 A JP 2000170814A JP 11188803 A JP11188803 A JP 11188803A JP 18880399 A JP18880399 A JP 18880399A JP 2000170814 A JP2000170814 A JP 2000170814A
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component
absorbing structure
shock absorbing
break
energy absorber
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JP11188803A
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English (en)
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Sukeyuki Matsuda
祐之 松田
Masao Hara
正雄 原
Daizaburo Adachi
大三郎 安達
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 いままで以上に張り出さなくても所望の衝撃
エネルギを吸収し得る衝撃吸収構造を提供する。 【解決手段】 ピラートリム2とピラー1との間に、複
数のリブ部4をもって格子状に形成されたエネルギ吸収
体3が設けられている。このエネルギ吸収体3は、リブ
部4の交差部分を破断させる引張方向において、引張破
断伸びが高められ、リブ部4の交差部分が破断しない分
だけ衝撃エネルギが吸収されるようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衝撃吸収構造に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】衝撃吸収構造には、内装材と該内装材が
覆う強度部材との間に樹脂製エネルギ吸収体を配設し、
その樹脂製エネルギ吸収体を、交差状態をもって一体化
させて内装材の内面側から複数のリブ部が起立する構造
としたものがある。このものにおいては、人間が内装材
に衝突しても、その衝撃エネルギが樹脂製エネルギ体に
吸収されることになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近時、樹脂製
エネルギ吸収体による衝撃エネルギの吸収能力を増大さ
せることが望まれており(例えば、人間のよりよい保護
(傷害の低減等)の観点からは、衝突時のつぶれ加速度
を小さい状態(速度変化が小さい状態)にしつつ長い時
間に亘って衝撃エネルギを吸収できるようにするこ
と)、このように衝撃エネルギの吸収能力を増大させる
場合には、これまでの衝撃エネルギ吸収構造では衝撃エ
ネルギを吸収しきれないことから、樹脂製エネルギ吸収
体の厚みを厚くして衝突時の衝撃吸収ストローク(変位
量)を増大し、その衝撃吸収ストロークの増大によって
上記場合では吸収しきれなくなる衝撃エネルギを吸収す
る必要がある。このため、そのような場合には、樹脂製
エネルギ吸収体の厚みを厚くすることに基づき、張り出
しが増大することになる。
【0004】具体的には、上記衝撃吸収構造は、特開平
10−129377号公報、特開平10−76893号
公報に示すように、衝突する可能性がありその衝突に伴
って乗員(頭部等)がボディにぶつかるおそれがある自
動車等のような乗物に適用されることになり、乗物にお
いて、そのときの衝撃エネルギを吸収すべく、乗員のぶ
つかる可能性のある内装材と該内装材により覆われる強
度部材との間に樹脂製エネルギ吸収体が配設されること
になる。近時、乗物において、乗員のよりよい保護の気
運が高まっており、その観点から、樹脂製エネルギ吸収
体のつぶれ時の最大加速度を下げた場合には、そのつぶ
れ時の最大加速度を下げて吸収しきれなくなった衝撃エ
ネルギを、樹脂製エネルギ吸収体の厚みを厚くして衝撃
吸収ストロークを確保しなければならず、限られた乗物
の室内は一層狭められ、外部に対する視認性等が低下さ
れることになる。
【0005】一方、特開平8−127298号公報に示
すように、衝突時に、樹脂製エネルギ吸収体をつぶすだ
けでなく、その樹脂製エネルギ吸収体により強度部材と
してのピラーを変形させて、衝撃吸収ストロークを増加
させる内容が提案されているが、近時、ボディ剛性向上
のため、ピラーの肉厚増加、レインフォースメントの追
加、ハイテン化等が行われており、上記提案に基づき強
度部材としてのピラーをも変形させて衝撃吸収ストロー
クを増加させることは困難な状況にある。
【0006】本発明は以上のような事情を勘案してなさ
れたもので、その技術的課題は、いままで以上に張り出
さなくても所望の衝撃エネルギを吸収し得る衝撃吸収構
造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を達成す
るために本発明(請求項1の発明)にあっては、板状の
リブ部が交差状態をもって一体化された樹脂製エネルギ
吸収体を備える衝撃吸収構造において、前記樹脂製エネ
ルギ吸収体の引張破断伸びが、前記リブ部の交差部分を
破断させる引張方向において、リブ部の交差部分が同一
荷重下において破断するものの引張破断伸びに比して高
められている構成としてある。この請求項1の好ましい
態様としては、請求項2〜7、20〜26の記載の通り
となる。
【0008】上記技術的課題を達成するために本発明
(請求項8の発明)にあっては、板状のリブ部が交差状
態をもって一体化された樹脂製エネルギ吸収体を備える
衝撃吸収構造において、前記リブ部の隣り合うもの同士
を連結して、座屈変形時において該隣り合うリブ部の端
部を破断させる引張方向に移動することを拘束する拘束
部材が備えられている構成としてある。この請求項8の
好ましい態様としては、請求項9以下の記載の通りとな
る。
【0009】
【発明の効果】請求項1に記載された発明によれば、樹
脂製エネルギ吸収体の引張破断伸びが、リブ部の交差部
分を破断させる引張方向において、リブ部の交差部分が
同一荷重下において破断するものの引張破断伸びに比し
て高められていることから、衝突変形初期に発生荷重
(つぶれ加速度)が一定レベルまで立ち上がった後、破
断し易い交差部分等において、その破断をさせるための
引張方向に伸びが増加して、その交差部分等において破
断することが抑制されることになり、衝撃吸収ストロー
クを増大させなくても、樹脂製エネルギ吸収体による衝
撃エネルギの吸収は増加されることになる。このため、
いままで以上に張り出さなくても所望の衝撃エネルギを
吸収できることになる。
【0010】請求項2に記載された発明によれば、曲げ
弾性率が0.5GPa以上であり60(1/s)の歪速
度における引張破断伸びが80%以上であるように設定
されていることから、一般的剛性程度の剛性を確保しつ
つ、通常の場合(曲げ弾性率が0.5GPa以上、60
(1/s)の歪速度の下で引張破断伸びが30%以下)
よりも引張破断伸びを向上させることができ、リブ部の
交差部分の破断を抑制して、いままで以上に張り出さな
くても衝撃エネルギを吸収できることになる。
【0011】請求項3に記載された発明によれば、樹脂
製エネルギ吸収体が、60(1/s)の歪速度における
引張破断伸びが145%以上であるように設定されてい
ることから、上記請求項2の場合よりも、一層、張り出
さなくても衝撃エネルギを吸収できることになる。
【0012】請求項4に記載された発明によれば、交差
状態とされたリブ部が格子形状を構成していることか
ら、一般的な格子形状に対しても、前述の請求項1と同
様の作用効果を得ることができることになる。
【0013】請求項5に記載された発明によれば、交差
状態とされたリブ部が波形状を構成していることから、
波形状に対しても、前述の請求項1と同様の作用効果を
得ることができることになる。
【0014】請求項6に記載された発明によれば、交差
状態とされたリブ部が、起立するようにして板状体に一
体化されていることから、リブ部に衝撃荷重を的確に伝
達して、エネルギ吸収体による衝撃エネルギの吸収を向
上させることができると共に、エネルギ吸収体の剛性を
高めて初期発生荷重を高めることができることになる。
【0015】請求項7に記載された発明によれば、上述
の請求項6と同様の作用効果を得る他に、交差状態とさ
れたリブ部及び板状体が射出成形により形成されている
ことから、所望の形状を高精度に生産性良く得ることが
できることになる。
【0016】請求項8に記載された発明によれば、拘束
部材が、リブ部の隣り合うもの同士を連結して、座屈変
形時において該隣り合うリブ部端部(先端部又は基端
部)の交差部分を破断させる引張方向に移動することを
拘束することから、衝突変形初期には、最も破断し易く
且つ破断を進行させる起因となる隣り合うリブ部端部の
交差部分が破断しにくくされたことに基づき、発生荷重
(つぶれ加速度)が一気に大きく立ち上がるが、隣り合
うリブ部同士における先端部及び基端部以外の部分が破
断を開始することに基づき、発生荷重(つぶれ加速度)
は直ちに低下に転ずることになる。そして、その破断が
生じた後は、その破断の進行が、隣り合うリブ部端部の
交差部分からの破断の場合に比して遅くなることから、
発生荷重(つぶれ加速度)は徐々に低下し、発生荷重
(つぶれ加速度)の作用時間(人間が内装材に当接して
いる時間)が増大して衝撃エネルギの吸収を増大させる
ことができることになる。このため、エネルギ吸収体の
厚みがをほとんど変わらない状態で所望の衝撃エネルギ
を吸収できることになる。
【0017】請求項9に記載された発明によれば、拘束
部材が、複数のリブ部を挟持するようにして該各リブ部
の先端部及び基端部にそれぞれ一体化されていることか
ら、上記請求項8と同様の作用効果を得る上において、
複数のリブ部の一方側端部(先端部又は基端部)につ
き、1つの拘束部材で足りることになり、部品点数の増
加を極力少なくすることができることになる。
【0018】請求項10に記載された発明によれば、拘
束部材が平板状とされていることから、樹脂製エネルギ
吸収体の厚みの増加を抑えることができることになる。
【0019】請求項11に記載された発明によれば、拘
束部材の少なくとも一つに複数のリブ部先端部を嵌合す
る嵌合部が形成され、該嵌合部に該各リブ部端部が嵌合
されていることから、接着剤を用いることなく、簡単に
各リブ部と拘束部材とを一体化して、各リブ部端部の移
動を確実に拘束できることになる。
【0020】請求項12に記載された発明によれば、各
リブ部端部に突起部が一体的にそれぞれ設けられ、拘束
部材に、嵌合部として、各突起部を嵌合可能な嵌合孔が
それぞれ形成されて、各嵌合孔に各突起部が嵌合されて
いることから、突起部を破断し易い個所近傍に配置して
破断を的確に抑制できると共に、拘束部材に対する加工
を孔として拘束部材に対する加工を容易にすることがで
きることになる。
【0021】請求項13に記載された発明によれば、取
付け用強度部材が拘束部材の一方を兼ねていることか
ら、部品点数を低減できるだけでなく、強度部材に対す
るリブ部端部の一体化に基づき、衝撃荷重を的確に樹脂
製エネルギ吸収体に伝達できることになる。
【0022】請求項14に記載された発明によれば、拘
束部材の少なくとも一つと各リブ部端部とが固着されて
いることから、接着、溶着等の一般的な方法を用いて簡
単に、拘束部材と各リブ部端部とを一体化することがで
きることになる。
【0023】請求項15に記載された発明によれば、拘
束部材が複数のリブ部と同種の樹脂材により形成されて
いることから、接着、溶着による接合強度を有効に確保
して、拘束部材と各リブ部端部との一体化を確実なもの
とすることができることになる。
【0024】請求項16に記載された発明によれば、複
数のリブ部が格子状を形成していることから、一般的な
格子状に対しても、前述の請求項8と同様の作用効果を
得ることができることになる。
【0025】請求項17に記載された発明によれば、複
数のリブ部が波状を形成していることから、波状に対し
ても、前述の請求項8と同様の作用効果を得ることがで
きることになる。
【0026】請求項18に記載された発明によれば、樹
脂製エネルギ吸収体が、自動車の強度部材と該強度部材
を覆う内装材との間に設けられることから、自動車の衝
撃吸収構造として用いて、内装材の張り出しをほとんど
変わりない状態で所望の衝撃エネルギを吸収できること
になる。
【0027】請求項19に記載された発明によれば、拘
束部材の一方が、ピラートリム、ボンネット、フェンダ
ー、カウルグリルのいずれかであることから、部品点数
の低減を図ることができると共に、これらピラートリム
等の要素と複数のリブ(樹脂製エネルギ吸収体)との一
体化に基づき、取り扱い性、組み付け性を向上させるこ
とができることになる。
【0028】請求項20に記載された発明によれば、樹
脂製エネルギ吸収体は、メルトフローレート(MFR)
が0.4(g/10分)よりも大なるポリプロピレン又
はプロピレン−エチレンブロック共重合体からなる成分
(A)と、エチレン系ゴムからなる成分(B)とからな
り、成分(A)と成分(B)との和に対する該成分
(A)中のプロピレンーエチレン共重合部と該成分
(B)との和の割合が、25重量%以上45重量%以下
であることにより、曲げ弾性率と高速引張破断伸びとが
両立する所望領域(例えば、曲げ弾性率0.5GPa以
上、歪速度60(1/s)の下で高速引張破断伸びが8
0%以上の領域)の下で、高速引張破断伸びを高めたエ
ネルギ吸収体を具体的に得ることができ、いままで以上
に張り出さなくても、所望の衝撃エネルギを吸収できる
ことになる。
【0029】請求項21に記載された発明によれば、成
分(B)が、架橋ゴムを含んでいることによって、曲げ
弾性率と高速引張破断伸びとが両立する所望領域の下
で、高速引張破断伸びを高めたエネルギ吸収体を得るこ
とができ、いままで以上に張り出さなくても、所望の衝
撃エネルギを吸収できることになる。
【0030】請求項22に記載された発明によれば、成
分(B)が、スチレン−エチレン−プロピレンの3元共
重合体又はスチレン−エチレン−ブチレンの3元共重合
体であることから、曲げ弾性率と高速引張破断伸びとが
両立する所望領域の下で、高速引張破断伸びを高めたエ
ネルギ吸収体を具体的に得ることができ、その成分
(B)を用いることによって、いままで以上に張り出さ
なくても、所望の衝撃エネルギを吸収できることにな
る。
【0031】請求項23に記載された発明によれば、成
分(B)と相容する成分(D)、成分(B)と成分
(D)との配合関係等に基づき、曲げ弾性率と高速引張
破断伸びとが両立する所望領域の下で、高速引張破断伸
びを高めたエネルギ吸収体を具体的に得ることができ、
成分(D)、成分(B)と成分(D)との配合関係等に
より、いままで以上に張り出さなくても、所望の衝撃エ
ネルギを吸収できることになる。
【0032】請求項24に記載された発明によれば、成
分(A)における混合前の粘度に対する前記成分(B)
における混合前の粘度の比、すなわち(成分(B)の粘
度/成分(A)の粘度)が、2.6〜10であることか
ら、高速引張破断伸びに関し、その範囲でピークを作る
特性を示し、高速引張破断伸びを高めたエネルギ吸収体
を得ることができることになる。このため、上記粘度関
係により、いままで以上に張り出さなくても、所望の衝
撃エネルギを吸収できることになる。
【0033】請求項25に記載された発明によれば、成
分(A)よりもMFRが10(g/10分)以上大きい
ポリプロピレンが成分(C)として配合され、成分
(C)が、成分(A)、(B)、(C)の和全体に対し
て5〜20重量%の配合割合で配合されていることによ
り、具体的に、曲げ弾性率と高速引張破断伸びとが両立
する所望領域の下で、高速引張破断伸びを高めたエネル
ギ吸収体を得ることができ、いままで以上に張り出さな
くても、所望の衝撃エネルギを吸収できることになる。
また、板状体に対して交差状態とされたリブ部が一体化
されたものを射出成形する場合には、射出成形時の樹脂
流れに基づき低分子量が外側に集まることを利用して、
板状体の外側層に低分子量からなる硬い成分を偏在させ
ることができ、板状体の曲げ弾性率を向上させることが
できることになる。このため、初期発生荷重の立ち上が
り勾配等を高めることができることになる。
【0034】請求項26に記載された発明によれば、リ
ブ部の交差部分を破断させる引張方向が、衝撃荷重が該
リブ部の立設方向に作用するときには、該衝撃荷重の作
用方向に対して略直交する方向であることから、そのよ
うな具体的な場合に対しても、前述の請求項1〜25の
各請求項と同様の作用効果を確保できることになる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0036】先ず、本発明が適用される衝撃吸収構造に
ついて説明する。図1は自動車における衝撃吸収構造を
示すものである。その図1において、符号1は自動車に
おける各ピラー(ピラーインナ)、符号2はピラートリ
ムであり、その自動車における各ピラー1とピラートリ
ム2との間に、樹脂製エネルギ吸収体3が設けられてい
る。エネルギ吸収体3は、図2、図3に示すように、格
子形状の格子状体を形成しており、その格子形状は、板
状の複数のリブ部4により構成され、その各リブ部4
は、隣り合うリブ部4に対して略直角な配置関係をとる
ように配設されている。本実施形態においては、このエ
ネルギ吸収体3(各リブ部4の基端部)は、同じ樹脂を
用いた一体成形により、各リブ部4がピラートリム2内
面から起立するように一体化されており、エネルギ吸収
体3の各リブ部4の先端部4aはピラー1に当接されて
いる。このエネルギ吸収体3の形状は、外見上、通常の
ものと変わりないようにされており、リブ部高さ(ピラ
ートリム2の内面からリブ4先端までの長さ)は15m
m程度、リブ部間隔(対向するリブ部間の長さ)は20
mm程度、リブ部厚み(肉厚)は1mm程度とされてい
る。
【0037】上記エネルギ吸収体3は、その材質性能と
して、高速引張破断伸び(伸び率)が、通常の場合(曲
げ弾性率が0.5GPa以上であることを前提として、
30%程度)よりも高められている。隣り合うリブ部4
先端部4aの交差部分(交わる部分)において破断が生
じた場合、エネルギ吸収体3に対する発生荷重が大きく
落ち込むことに着目し(図7の従来材料線参照)、隣り
合うリブ部4に衝撃荷重が加わることに伴い該隣り合う
リブ部4を破断させる方向の引張力が作用したとき、各
リブ部4が伸びて、隣り合うリブ部4における先端部及
び基端部の交差部分において破断が生じることを抑制す
るためである。これにより、図7(改良材料線参照)に
示すように、衝突変形初期に発生荷重(つぶれ加速度)
が一定レベルまで立ち上がった後に、発生荷重(加速
度)が略一定状態で続く変位(時間)が長くなり、衝撃
吸収ストロークを増大させなくても、エネルギ吸収体3
による衝撃エネルギの吸収が増加することになる。
【0038】尚、曲げ弾性率の下限としての0.5GP
aは、一般的な部材としての要求剛性から導かれるもの
で、曲げ弾性率が大きくなればなるほど、曲げにくくな
る傾向を示すことになる。
【0039】上記内容に関し、より具体的に説明する。
高速引張破断伸びが通常とされた材質性能をもって、前
記エネルギ吸収体3と同じ格子形状のエネルギ吸収体を
形成し、そのエネルギ吸収体にピラートリム2を介して
衝撃荷重を加えると、先ず、図4に示すように、エネル
ギ吸収体3は、圧縮弾性変形を起こし、続いて、図5、
図6に示すように、隣り合うリブ部先端部4aの交差部
分において、衝撃荷重が加わることに伴って、衝撃荷重
の作用方向に対して略直交する方向(図5中、例えば矢
印H方向参照)に引張力が作用し、その隣り合うリブ部
先端部4aの交差部分は破断すると共に、各リブ部4の
平板部4bが座屈変形することになる。このような状態
は、図7(従来材料線参照)においては、衝突当初の立
ち上がり点までが圧縮弾性変形領域を示し、その点から
横軸の端付近までが、隣り合う各リブ部先端部4aにお
ける交差部分の破断と、各リブ部4における座屈変形の
混在領域を示すことになる。
【0040】このような過程における各変形毎に歪速度
と歪量とを計測してみると、圧縮弾性変形においては、
歪速度が約90(1/s)、歪量が1〜2%を示し、隣
り合うリブ部4の交差部分の引張変形(破断)において
は、歪速度が1700〜3500(1/s)、歪量が約
100%を示し、リブ部4の平板部4bの座屈変形にお
いては、歪速度が約900(1/s)、歪量が30〜4
0%を示した。このことから、隣り合うリブ部4におけ
る交差部分の引張変形(破断)が、衝撃エネルギの吸収
に大きく影響を与えるとの認識を得、この破断を抑制す
べく、上記歪速度、歪量に基づき、歪速度2000(1
/s)の下で高速引張破断伸び100%を得んとしてい
る。
【0041】但し、上記歪速度2000(1/s)の領
域は計測が困難である。このため、図8に示すように、
図8において、仮目標値として、上記値(歪速度200
0(1/s)、高速引張破断伸び(伸び率)を100
%)を設定し、その仮目標値を基準として、エネルギ吸
収体の一般的素材の傾向を考慮しつつ(歪速度が低下す
るに従って伸び率が増加する傾向、その傾向程度等(一
点鎖線参照))、計測可能な上限としての60(1/
s)付近で、伸び率を求め、その値200%程度を、実
際に取り扱う目標値とした。
【0042】具体的には、上記高速引張破断伸び(伸び
率)を得るべく、配合材料、条件等の観点から種々の実
験を行って、図9に示す結果を得、その図9に示す結果
により、下記知見(樹脂組成物)を見い出した。尚、こ
の図9において、ホモPPはポリプロピレン、ブロック
PPはプロピレン−エチレンブロック共重合体、ランダ
ムPPはプロピレン−エチレンランダム共重合体を示
す。
【0043】前記エネルギ吸収体3を構成する樹脂組成
物は、メルトフローレート(MFR)が0.4(g/1
0分)よりも大なるポリプロピレン又はプロピレン−エ
チレンブロック共重合体からなる成分Aと、エチレン系
ゴムからなる成分Bとからなり、成分Aと成分Bとの和
に対する成分A中のプロピレン−エチレン共重合部と成
分Bとの和の割合が、25重量%以上45重量%以下と
されるのが好ましい。成分Aと成分Bとの和に対する成
分A中のプロピレン−エチレン共重合部と成分Bとの和
の割合、すなわち{(成分A中のプロピレン−エチレン
共重合部)+成分B}/(成分A+成分B)が、25重
量%以上45重量%以下としたのは、図10、図11
(図9のデータをプロット)に示すように、25%重量
未満では高速引張破断伸びを確保することができず、4
5重量%を越えると、曲げ弾性率(0.5GPa)を確
保することができない一方、上記25重量%以上45重
量%以下の範囲内の実施例は、曲げ弾性率0.5GPa
以上の下で、高速引張破断伸び80%以上を確保するこ
とができ、改善が見られる所望領域に入ることができる
からである。以下、曲げ弾性率と高速引張破断伸びとが
両立する所望の領域を、曲げ弾性率0.5GPa以上、
歪速度60(1/s)の下で高速引張破断伸びが80%
以上の領域とする。
【0044】成分AのMFRを0.4(g/10分)よ
りも大としたのは、図12(図9のデータからプロッ
ト)に示すように、成分AのMFRが0.4(g/10
分)以下では、曲げ弾性率と高速引張破断伸びとを、改
善が見られる所望の領域で両立させることが困難である
からである。この場合、成分AのMFRが21(g/1
0分)より大であることが好ましく、MFRが45(g
/10分)よりも大きい場合には、より好ましい。図1
2(図9のデータからプロット)に示すように、曲げ弾
性率と高速引張破断伸びとを所望の領域で両立させつ
つ、高速引張破断伸びを高めることができるからであ
る。ここで、、MFRは、流れ易さを介して分子量傾向
を示すもので、MFRが大きくなればなるほど、低分子
量化傾向を示すものである。
【0045】上記成分Aのタクティシティは93以上で
あることが好ましい。図13(図9中、配合No7、1
7参照)に示すように、曲げ弾性率と高速引張破断伸び
とを所望領域で両立させつつ、高速引張破断伸びを高め
ることができるからである。ここで、タクティシティ
は、立体規則性を示すものであり、NMR(核磁気共
鳴)を用いた常法により測定される。
【0046】上記成分Bは、その少なくとも一部が架橋
されていることが好ましい。図14(図9中、配合No
6、7、16参照)に示すように、成分Bに関し、少な
くとも一部が架橋されていれば、曲げ弾性率と高速引張
破断伸びとを所望領域で両立させつつ、高速引張破断伸
びを高めることができるからである。
【0047】上記成分Bは、オレフィン系熱可塑性エラ
ストマーで、そのオレフィン系熱可塑性エラストマーの
ゴム成分がエチレン−プロピレン系3元共重合体であ
り、そのオレフィン系熱可塑性エラストマー中のゴム成
分配合量が、40〜60重量%であることが好ましい。
特にこの場合、成分Bが一部架橋されているものは、高
速引張破断伸びを高める観点から、より好ましい(図9
中、配合No7参照)。
【0048】上記一部架橋された成分Bのゴム硬さは、
JIS Aで75以下であることが好ましく、JIS
Aで55以下がより好ましい。図15(図9中、配合N
o8、9、7参照)に示すように、成分Bのゴム硬さが
75以下において、そのゴム硬さを小さくすればするほ
ど、所望領域の下で、高速引張破断伸びを高めることが
できるからである。
【0049】上記成分Bは、スチレン−エチレン−プロ
ピレン−スチレン共重合体(SEPS)であることが好
ましい。図16(図9の配合No6、21のデータから
プロット)に示すように、SEPSは、曲げ弾性率と高
速引張破断とが両立する所望領域の下で、他の成分より
も、高速引張破断伸びを高めることができるからであ
る。
【0050】成分Cとして、成分AよりもMFRが10
以上大きいポリプロピレンが配合され、その成分Cが、
前記成分A、B、Cの和全体に対して5〜20重量%の
配合割合で配合されていることが好ましい。図17(図
9の配合No19、20のデータからプロット)に示す
ように、成分Cは、曲げ弾性率と高速引張破断伸びとが
両立する所望領域の下で、高速引張破断伸びを高めるこ
とができるからである。この場合、配合量が5重量%未
満では効果が出ず、20重量%を越えると、成分AのM
FRを単に大きくしたのと同様となって効果はでない。
【0051】比表面積が3.5m2/g以上であるタル
クを、該タルクを含む全体の30重量%以下となるよう
に配合するのが好ましく、10重量%〜20重量%とす
るのが特に好ましい。図18(図9の配合No8、10
のデータからプロット)に示すように、タルクは、上記
範囲では、曲げ弾性率と高速引張破断伸びとが両立する
所望領域の下で、高速引張破断伸びを高めることができ
るからである。すなわち、比表面積が3.5m2/g未
満の場合、配合がタルクを含む全体の30重量%を越え
る場合には、高速引張破断伸びは、混ざりにくくなる等
の理由により、大きく低下し、また、10重量%未満で
は曲げ弾性率の向上が少なく、20重量%を越えると、
伸びが低下すると共に比重が大きくなってしまうからで
ある。
【0052】また、上記エネルギ吸収体3は、射出成形
により形成されている。これは、射出成形時の樹脂流れ
に基づき低分子量が流れの外側(金型面側)に集まるこ
とを利用し、板状体としてのピラートリム2の外側層
(車室内側)に低分子量からなる硬い成分を偏在させ
て、ピラートリム2の曲げ弾性率を高めようとしている
のである。これにより、前述の配合成分と補完し合っ
て、図7の改良材料線に示すように、図7の従来材料線
に比して、初期発生荷重の立ち上がり勾配を急勾配にす
ると共に、初期発生荷重を高い状態に維持しつつ変位す
ることができることになる(衝撃エネルギ吸収量の増
大)。
【0053】また、上記エネルギ吸収体3は、別の態様
として、下記のようなポリオレフィン樹脂組成物を用い
ても形成することができる。この樹脂組成物も、高速引
張破断伸びと曲げ弾性率とが両立する所望の領域(前述
の如く、曲げ弾性率0.5GPa以上、歪速度60(1
/s)の下で高速引張破断伸びが80%以上の領域、以
下同じ)において、高速引張破断伸び(伸び率)を向上
させるべく、種々の配合材料、条件等について実験を行
って得られたものであり、その具体的内容は、実験結果
を示す図19、図20から導き出されたものである。
尚、この図19、図20において、前記図9において用
いた略語の定義の他に、SEBSはスチレン−エチレン
−ブチレン−スチレン共重合体、SEPSはスチレン−
エチレン−プロピレン−スチレン共重合体、SEEPS
はスチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレ
ン共重合体、PSはポリスチレンを示す。また、図19
中、タルクマスターバッチは、タルクとポリプロピレン
樹脂とを70:30の割合で混ぜ込んだ樹脂ペレットで
あり、その割合を考慮して、全体に対するタルク、ポリ
プロピレン樹脂の割合が算出されている。
【0054】この樹脂組成物は、MFRが16(g/1
0分)より大なるポリプロピレン又はプロピレンーエチ
レンブロック共重合体からなる成分Aと、エチレン系ゴ
ムからなる成分Bと、成分Bと相容する成分Dとからな
り、成分Aと成分Bと成分Dとの和に対する該成分A中
のプロピレンーエチレン共重合部と該成分Bと該成分D
との和の割合が、25重量%以上45重量%以下であ
り、成分Bの配合量と成分Dの配合量との和に対する該
成分Dの配合量の割合が、0.8未満とされている。高
速引張破断伸びと曲げ弾性率とを所望の領域に入るよう
にしつつ、高速引張破断伸びをできるだけ向上させるた
めである。以下、具体的に説明する。
【0055】上記成分Aは、そのMFRを16〜120
(g/10分)とするのが好ましく、より好ましくは、
MFRを45(g/10分)以上とするのがよい。図2
1、図22に示すように、成分AのMFRを16(g/
10分)よりも大きくした場合には、曲げ弾性率が所望
の領域内において多少、低下するものの、成分AのMF
R16(g/10分)を境にその値が大きくなるにつれ
て、高速引張破断伸びが増加傾向に転じ、MFRが45
(g/10分)以上となると、高速引張破断伸びが高い
値で安定することになるからである。一方、成分AのM
FRは高いほど好ましいが、成分Aの上限は、一般的に
入手できるものの制約に基づき、上述の通り120程度
となる。尚、この場合、MFRは、JIS K7210
に準じて測定され、その測定条件は、230℃、2.1
6kgである。
【0056】成分A、Bの他に、成分Bと相容する成分
Dを含有させているのは、図23、図24(図19、図
20のデータだけでなく図9のデータをも利用してプロ
ット)に示すように、成分Dを含有させた場合の方が、
成分Dを含有させない場合に比べて、所望の曲げ弾性率
(例えば0.5PGa以上)の下で、高速引張破断伸び
を効果的に高めることができるからである。
【0057】成分Aと成分Bと成分Dとの和に対する該
成分A中のプロピレンーエチレン共重合部と該成分Bと
該成分Dとの和の割合、すなわち、{(成分A中のプロ
ピレン−エチレン共重合部)+成分B+成分D}/(成
分A+成分B+成分D)が25重量%以上45重量%以
下としたのは、図25に示すように、その割合を増やし
ていけば、高速引張破断伸びが高まっていく一方、曲げ
弾性率が低下することになり、その割合が25重量%以
上45重量%以下のときに、図26に示すように、高速
引張破断伸びと曲げ弾性率とを所望の領域で両立させる
ことができるからである。
【0058】成分Bの配合量と前記成分Dの配合量との
和に対する該成分Dの配合量の割合、すなわち、成分D
の配合量/(成分Bの配合量+成分Dの配合量)が0.8
未満とされているのは、図27に示すように、その割合
が0.8未満側へ値が小さくなる方向に進むにつれて、
高速引張破断伸びが高まる傾向にあるからである。この
場合、図27からも明らかなように、上記割合は、0.
1以上0.5以下が望ましい。高速引張破断伸びが高い
値領域に存在するだけでなく、その値の範囲において、
最も高い高速引張破断伸びが得られるからである。
【0059】上記成分Aのタクティシティは、93以上
であることが好ましい。図28、図29(図19、図2
0中の実施例15、比較例17よりプロット)に示すよ
うに、成分Aのタクティシティの増加に伴い、高速引張
破断伸びを向上させることができるからである。この場
合、この成分Aのタクティシティの値は、NMR(核磁
気共鳴)を用いた常法により求められる。
【0060】前記成分Bとしては、少なくともスチレン
骨格とエチレン骨格との両方を含む共重合体、すなわ
ち、水素添加スチレン系樹脂エラストマーであるものが
好ましい。具体的には、プロピレン骨格を含んで、スチ
レン−エチレン−プロピレンの3元共重合体(例えばス
チレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体(S
EPS)、或いはスチレン−エチレン−エチレン−プロ
ピレン−スチレン共重合体(SEEPS))をなすもの
や、ブチレン骨格を含んで、スチレン−エチレン−ブチ
レンの3元共重合体(SEBS)をなすものであっても
よい。さらに、成分Bとしては、上記内容成分の他に、
エチレンを含むα−オレフィン共重合体を含んでいるも
のでもよく(例えば、SEPSとα−オレフィン共重合
体(非架橋タイプ)とを含むもの等)、その場合、その
エチレンを含むα−オレフィン共重合体は、少なくとも
一部が架橋されていてもよい(例えば、SEPSと部分
架橋されたα−オレフィン共重合体とを含むもの等)。
図30、図31に示すように、高速引張破断伸びと曲げ
弾性率とが、所望の領域内において、バランスよく好ま
しい値をだすからである。
【0061】上記成分B中に含まれるα−オレフィン共
重合体のゴム硬さが、JIS Aで73以下が好まし
く、JIS Aで55以下であることがさらに好まし
い。図32(図19、図20中の実施例21〜23より
プロット)に示すように、JIS Aで73以下であれ
ば、高速引張破断伸びを高い状態で維持でき、JIS
Aで55以下であれば、値が上昇に転じて高速引張破断
伸びを一層、高くすることができるからである。一方、
α−オレフィン共重合体は、JIS Aで小さければ小
さいほど好ましいが、そのゴム硬さの下限は、入手でき
るものによる制約から、JIS Aで40程度とされ
る。
【0062】上記成分B中に含まれるα−オレフィン共
重合体のMFRは、8.6(g/10分)以下が好まし
く、より好ましくは0.5(g/10分)以下であるの
がよい。図33(図19、図20中の実施例21〜23
よりプロット)に示すように、MFRが8.6(g/1
0分)以下であれば、高速引張破断伸びを所望の領域内
における値に安定して維持でき、MFRを0.5(g/
10分)以下とすれば、高速引張破断伸びを上昇に転じ
て高くすることができるからである。一方、α−オレフ
ィン共重合体のMFRの下限値は、測定法上の理由か
ら、0.05程度と考えられる。この場合のMFRも、
JIS K7210に準じて測定され、その測定条件
は、230℃、2.16kgである。
【0063】上記成分Bの共重合体のMFRは、0.5
〜140(g/10分)の範囲が好ましく、より好まし
くは4.5〜50(g/10分)、よりさらに好ましく
は12〜20(g/10分)とするのがよい。図34
(図19、図20中の実施例15、19、24〜29、
比較例15、16よりプロット)に示すように、上記範
囲において、高速引張破断伸びに関し、大きい値を得る
ことができるからである。この場合も、MFRは、JI
S K7210に準じて測定され、その測定条件は、2
30℃、2.16kgである。
【0064】上記成分Bの共重合体中のスチレン骨格含
有量が、13重量%以上35重量%未満であることが好
ましく、より好ましくは18重量%以上30重量%未満
がよく、よりさらに好ましくは22重量%以上25重量
%未満とするのがよい。図35(図19、図20中の実
施例15、19、24〜29、比較例15、16よりプ
ロット)に示すように、上記範囲で、高速引張破断伸び
に関し、大きい値を得ることができ、特に好ましい範囲
では、ピーク値を得ることができるからである。
【0065】前記成分Dとしては、芳香族ビニル重合体
を用いることができ、具体的には、ポリスチレン(P
S)や、芳香族ビニル共重合体であるアクリロニトリル
−ブチレン−スチレン共重合体(ABS)、変性ポリフ
ェニレンエーテル(PPE)、スチレン−ブチレン−ス
チレン共重合体(SBS)等を用いるのが好ましい。図
36、図37に示すように、いずれの成分も、高速引張
破断伸びと曲げ弾性率とが、所望の領域内において、バ
ランスよく好ましい値をだすからである。
【0066】上記成分DのMFRは、6(g/10分)
以上が好ましく、より好ましくは10(g/10分)以
上であるのがよい。図38(図19、図20中の実施例
15、31、32よりプロット)に示すように、MFR
が6(g/10分)以上で、高速引張破断伸びに関し、
高い値を得ることができ、MFRが10(g/10分)
以上となると、さらに、高速引張破断伸びが高まること
になるからである。この場合、MFRは、JIS K7
210に準じて測定され、その測定条件は、200℃、
5kgである。
【0067】前記Dを前記成分(B)が取り囲んでお
り、それらが前記成分(A)中に分散された微細構造と
なっているものが好ましい。実施例を示す図39(実施
例34の顕微鏡写真図(倍率30000倍))、図40
(実施例31の顕微鏡写真図(倍率30000倍))
と、比較例を示す図41(比較例18の顕微鏡写真図
(倍率30000倍))、図42(比較例14の顕微鏡
写真図(倍率30000倍))との対比から明らかなよ
うに、実施例においては上述のような微細構造を示し、
それに基づき、高速引張破断伸びと曲げ弾性率とに関
し、そのような微細構造となっていない比較例に比し
て、所望の領域内において、バランスよく好ましい値を
だすことになるからである。この場合、図39〜図42
において、符号Aが成分A、符号Bが成分B、符号Dが
成分Dを示している。実施例を示す図39、図40にお
いては、白い部分が成分Aを示し、その成分A中におい
て、成分Bが黒く小さい多数の各塊として分散し、その
成分B中に成分Dがグレー部分として存在しており、成
分Dを成分Bが取り囲む構造となっている。一方、比較
例を示す図41、図42においては、成分Bと成分Dと
が独立且つ肥大化して存在する微細構造となっており、
実施例に係るような微細構造は得られないことになって
いる。
【0068】前記成分Aにおける混合前の溶融粘度に対
する前記成分Bにおける混合前の溶融粘度の比、すなわ
ち、(成分Bの溶融粘度/成分Aの溶融粘度)は、2.
6〜10であることが好ましい。図43(図19、図2
0中の実施例31、34、比較例14、18よりプロッ
ト)に示すように、(成分Bの溶融粘度/成分Aの溶融
粘度)は、高速引張破断伸びに関し、ピークを作る特性
を示し、上記の範囲で高速引張破断伸びについて好まし
い値をだすからである。この場合、粘度は、JIS K
7199の下、キャピログラフを用いて、温度200
℃、せん断速度364.8(1/s)、キャピラリー径
1mmの測定条件で測定したものである。以下、粘度測
定においては、同じ測定条件の下、同じ測定方法を用い
ている。
【0069】前記成分Bにおける混合前の溶融粘度に対
する成分Dにおける混合前の溶融粘度の比、すなわち、
(成分Dの溶融粘度/成分Bの溶融粘度)は、特に0.
4以下であることが好ましい。図44(図19、図20
中の実施例15、31、32よりプロット)に示すよう
に、1.2以下であれば、高速引張破断伸びについて所
望の値が得られるが、特に0.4以下であれば、高速引
張破断伸びを高い値にすることができるからである。一
方、この(成分Dの溶融粘度/成分Bの溶融粘度)の下
限は、入手できるものによる制約から0.02程度とさ
れている。
【0070】クロロホルムを用いるソックスレー分別に
より抽出残成分と抽出成分とに分別し、抽出成分を、メ
チルエチルケトンを用いる溶解分別により、メチルエチ
ルケトン不溶成分とメチルエチルケトン可溶成分とに分
別し、メチルエチルケトン可溶成分を、ヘキサンを用い
る溶解分別により、ヘキサン可溶成分とヘキサン不溶成
分とに分別し、前記抽出残成分に対してn−デカンによ
る加熱溶解分別により、n−デカン可溶成分を分別し、
上記ヘキサン不溶成分の極限粘度η1、上記ヘキサン可
溶成分と上記メチルエチルケトン不溶成分とを混合した
混合物の極限粘度η2、上記n−デカン可溶成分の極限
粘度η3を求めた場合に、n−デカン可溶成分の極限粘
度η3に対する前記混合物の極限粘度η2の比、すなわ
ちη2/η3が、0.6以上0.9以下であることが好
ましく、より好ましくは、0.6より大で且つ0.9未
満であるのがよい。図45(図19、図20中の実施例
15、26、27よりプロット)に示すように、高速引
張破断伸びに関し、0.6〜0.9の範囲では所望の領
域に存在しつつピークを作る特性を示すことになるから
である。この場合、上記η2/η3が0.6以上0.9
以下である関係は、具体的には、前記成分A、B、Dを
含んでいる当該ポリオレフィン樹脂組成物が成形品粉砕
物又は成形前のペレットである場合において、それを分
別したものおいても成立することになっており、上記ヘ
キサン不溶成分としては、ポリスチレンが主成分とな
り、ヘキサン可溶成分としては、成分B(SEPS等)
が主成分となる。また、上記メチルエチルケトン不溶成
分としては、成分B(SEPS等)が主成分となり、上
記n−デカン可溶成分としては、ポリプロピレンが主成
分となる。
【0071】上記と同じようにして求めた前記ヘキサン
不溶成分の極限粘度η1、前記混合物の極限粘度η2、
前記n−デカン可溶成分の極限粘度η3については、混
合物の極限粘度η2に対する前記ヘキサン不溶成分の極
限粘度η1の比、すなわちη1/η2が0.5以下であ
ることが好ましく、より好ましくは0.5未満とするの
がよい。図46に示すように、η1/η2が0.5以下
であれば、高速引張破断伸びを向上させることができる
からである。この場合、下限値は0.05が好ましい。
【0072】当該樹脂組成物は、成分Aとして、リサイ
クルされたポリプロピレン又はプロピレン−エチレンブ
ロック共重合体が含有され、成分Dとして、リサイクル
された芳香族ビニル重合体が含有され、成分Bとして少
なくともスチレン骨格とエチレン骨格との両方を含む共
重合体が、含有割合調整材として、含有されていてもよ
い。これにより、成分A、Dとしてリサイクルされたも
のが用いられるとしても(ポリプロピレン、芳香族ビニ
ル重合体としてはポリスチレン、アクリロニトリル−ブ
チレン−スチレン共重合体(ABS)又は変性ポリフェ
ニレンエーテル(PPE)等)、含有割合調整材として
の成分Bが、A、D、Bの含有割合を調整することにな
り、フレッシュな材料を用いる場合同様、高速引張破断
伸びと曲げ弾性率とを、所望の領域において、両立させ
ることができることになる。
【0073】具体例をもって説明すれば、自動車におい
ては、リサイクル性を考えて、インストルメントパネル
の本体及び表皮にポリプロピレン樹脂(成分A)が使用
されている一方、空気吹き出し口やスイッチ等にはAB
S樹脂が使われることが多く、センターパネル等にはA
BS樹脂又は変性PPE樹脂が使われることが多い。こ
のため、これまでは、リサイクル性に優れているといわ
れるポリプロピレン製インストルメントパネルであって
も、空気吹き出し口やスイッチ、センターパネルといっ
た部品を分離しなくてはならず、解体の時間や費用がか
かるという問題があった。しかし、上記のように、成分
A、Dとしてリサイクルされたものが用いられるとして
も、含有割合調整材としての成分Bが、A、D、Bの含
有割合を調整することから、フレッシュな材料を用いる
場合同様、本発明として、高速引張破断伸びと曲げ弾性
率とを、所望の領域において、両立させることができる
ことになり、使用用途の拡大を図って、上記問題を解消
できることになる。
【0074】この実施態様に係るポリオレフィン樹脂組
成物においても、比表面積が3.5m2/g以上である
タルクが、該タルクを含む全体の0〜30重量%の範囲
で配合されているのが好ましく、10重量%〜20重量
%とするのが特に好ましい。タルクは、上記範囲では、
曲げ弾性率と高速引張破断伸びとが両立する所望領域の
下で、高速引張破断伸びを高めることができるからであ
る。すなわち、比表面積が3.5m2/g未満の場合、
配合がタルクを含む全体の30重量%を越える場合に
は、高速引張破断伸びは、混ざりにくくなる等の理由に
より、大きく低下し、また、10重量%未満では曲げ弾
性率の向上が少なく、20重量%を越えると、伸びが低
下すると共に比重が大きくなってしまうからである。
【0075】この実施態様に係るポリオレフィン樹脂組
成物においては、前述の各要素に基づき或いは各要素の
結合関係に基づき、曲げ弾性率が0.5GPa以上であ
り60(1/s)の歪速度における引張破断伸びが80
%以上であるように設定するのが好ましく、さらに、曲
げ弾性率が0.5GPa以上であり60(1/s)の歪
速度における引張破断伸びが145%以上であるように
設定するのがより好ましい。樹脂組成物自体或いはエネ
ルギ吸収体3の構造との協働作用により、所望の衝撃エ
ネルギを的確に吸収するべく、高速引張破断伸びと曲げ
弾性率とが両立する所望の領域内において、高速引張破
断伸びを高めるためである。
【0076】図47は第2実施形態、図48〜図51は
第3実施形態、図52、図53は第4実施形態、図54
は第5実施形態を示すものである。この各実施形態にお
いて、前記第1実施形態と同一構成要素については同一
符号を付してその説明を省略する。
【0077】図47に示す第2実施形態は、前記第1実
施形態の変形例を示す。この第2実施形態においては、
前記第1実施形態に係る格子形状に代えて、エネルギ吸
収体3が波状に形成されており、その波状は、高速引張
破断伸びが高められた板状の前記各リブ部4を交差する
ようにつなぎ合わせることにより得られることになって
いる。これにより、各リブ部4の交差部分(つなぎ合わ
せ部分)が、構造として、衝撃荷重に基づき破断しやす
くなるけれども、各リブ部4(エネルギ吸収体3)の高
速引張破断伸びが高められていることに基づき、各リブ
部4の破断が抑制され、前記第1実施形態と同様の作用
効果を得ることができることになる。
【0078】図48〜図51に示す第3実施形態におい
ては、エネルギ吸収体33が、格子状体35を拘束部材
としてのピラートリム32と樹脂製支持板36とにより
挟持一体化する構成とされている。
【0079】すなわち、格子状体35は、各リブ部4を
隣り合うリブ部4に対して略直角な配置関係をとるよう
に配設することにより格子状に形成されており、その格
子状体35は、その各リブ部34がピラートリム32か
ら起立するように一体化されている。この格子状体35
とピラートリム32とは、通常用いられる一般的樹脂
(一般的なポリプロピレン(曲げ弾性率0.5GPa以
上、高速引張破断伸び(伸び率)30%程度))を用い
て、射出成形により、同時に形成されることになってい
る。
【0080】支持板36は、上記格子状体35等と同種
の樹脂材を用いて平板状に形成されており、その平板状
の支持板36と各リブ部34(格子状体35)先端部
(図20中、下側端部)とは、接着剤或いは溶着によ
り、該各リブ部34を挟持するようにして一体化されて
いる。
【0081】このエネルギ吸収体33が自動車(ピラー
部分)にセットされた状態において、衝撃荷重が加われ
ば、衝突変形初期において、最も破断し易く且つ破断を
進行させる起因となる隣り合うリブ部34先端部及び基
端部の交差部分が破断しにくくされたことに基づき、図
50、図51の特性線f1に示すように、発生荷重(つ
ぶれ加速度)が一気に大きく立ち上がるが、隣り合うリ
ブ部34先端部及び基端部の交差部分以外の部分、すな
わち該先端部と該基端部との間の中央部分における交差
部分がその辺を中心として破断を開始して破断空間37
を形成することになり(図49参照)、発生荷重(つぶ
れ加速度)は直ちに低下に転ずることになる。そして、
その破断が生じた後は、その破断の進行が、隣り合うリ
ブ部先端部及び基端部の交差部分からの破断の場合に比
して遅いことから、発生荷重(つぶれ加速度)は図50
の特性線f1に示すように、徐々に低下し、発生荷重
(つぶれ加速度)の作用時間(人間が内装材に当接して
いる時間)が増大して衝撃エネルギの吸収を増大させる
ことができることになる。このため、ピラートリム32
の張り出しがほとんど変わらない状態で所望の衝撃エネ
ルギを吸収できることになる。尚、図50、図51中、
特性線f2は、前記第1実施形態における特性を示す。
勿論この場合、支持板36が平板状にされていること
は、ピラートリム32の張り出しを抑制するために寄与
することになっている。
【0082】図52、図53に示す第4実施形態は、第
3実施形態の変形例を示すもので、支持板36と各リブ
部34との一体化の別の態様を示すものである。すなわ
ち、支持板36の内面には、各リブ部34の先端部形状
に対応した溝38が嵌合部として形成されており、その
溝38に各リブ部34先端部が嵌合されることになって
いる。これにより、接着剤を用いなくても、各リブ部3
4(格子状体35)を支持板36に簡単に一体化して、
各リブ部34の先端部が破断のための引張方向に変形す
ることを確実に拘束できることになる。
【0083】図54に示す第5実施形態は、第3実施形
態の変形例を示すもので、支持板36と各リブ部34と
の一体化のさらに別の態様を示すものである。すなわ
ち、各リブ部34先端部には、隣り合うリブ部34の交
差部分近傍において突起部39が突設されている一方、
支持板36には、各突起部39に対応して、嵌合孔40
がそれぞれ形成されており、その各嵌合孔40に各突起
部39が嵌合されている。これにより、突起部39を破
断し易い個所近傍に配置して破断を的確に抑制できると
共に、支持板36に対する加工を孔形成とし、支持板3
6に対する加工を容易にすることができることになる。
この場合、嵌合孔40をピラー(ピラーインナ)に形成
して、支持板36を省いてもよい。これにより、部品点
数の低減を図ることができると共に、エネルギ吸収体3
3とピラーとの強固な一体化に基づき、各リブ部34の
先端部が破断のための引張方向に変形することを確実に
拘束できることになる。また、嵌合孔40は、貫通孔に
限らず、凹所状のものを用いてもよい。
【0084】上記第3〜第5実施形態においては、理解
を容易にするために、格子状体35等に、通常用いられ
る一般的樹脂(一般的なポリプロピレン(曲げ弾性率
0.5GPa以上、高速引張破断伸び(伸び率)30%
程度))を使用した場合を例にとって説明したが、勿
論、前記第1実施形態におけるいずれかの樹脂組成物を
用いてもよい。上述の構造だけでなく、樹脂自体の作用
によっても、曲げ弾性率と高速引張破断伸びとを向上さ
せることができることになるからである。
【0085】以上実施形態について説明したが本発明に
あっては、次の態様を包含する。 1)本発明を、自動車のボンネット、フェンダ、カウル
グリル、フロントピラーの外側等、歩行者の人体(例え
ば頭部)が当たる部位、ルーフサイド(ルーフサイドト
リム、ルーフサイドを覆う天井材)の他、自動車以外の
乗物にも適用すること。 2)交差状態とされたリブ部により、ハニカム形状、矩
形形状等とすること。 3)ヘルメット等の頭部を保護するものに適用するこ
と。
【図面の簡単な説明】
【図1】ピラーとピラートリムとの間に配設される第1
実施形態に係る樹脂製エネルギ吸収体を示す横断面図。
【図2】第1実施形態に係る樹脂製エネルギ吸収体及び
ピラートリムを示す縦断面図。
【図3】第1実施形態に係る樹脂製エネルギ吸収体及び
ピラートリムを示す平面図。
【図4】従来に係るエネルギ吸収体及びピラートリムに
対して衝撃荷重が加わる状態を説明する説明図。
【図5】図4からの動作状態図。
【図6】図5からの動作状態図。
【図7】第1実施形態に係るエネルギ吸収体及びピラー
トリムに衝撃荷重が加わった場合における荷重−変位特
性を示す特性線図。
【図8】 計測可能な領域での目標伸び率(高速引張破
断伸び)を求める手法を説明する説明図。
【図9】種々の条件、成分等の下でエネルギ吸収体を成
形し、その各成形品に対して行った実験の結果を示す
図。
【図10】曲げ弾性率及び高速引張破断伸びに対して、
{(成分A中のプロピレンーエチレン共重合部)+成分
B}/(成分A+成分B)が及ぼす影響を示す図。
【図11】曲げ弾性率と高速引張破断伸びとが両立する
所望領域(例えば曲げ弾性率0.5GPa以上、高速引
張破断伸び80%以上の領域)に対する各実験結果の存
否状態を示す図。
【図12】曲げ弾性率及び高速引張破断伸びに対して、
成分AのMFRが及ぼす影響を示す図。
【図13】曲げ弾性率及び高速引張破断伸びに対して、
成分Aのタクティシティが及ぼす影響を示す図。
【図14】曲げ弾性率及び高速引張破断伸びに対して、
成分Bの架橋形態が及ぼす影響を示す図。
【図15】曲げ弾性率及び高速引張破断伸びに対して、
成分Bのゴム硬さが及ぼす影響を示す図。
【図16】曲げ弾性率及び高速引張破断伸びに対して、
成分BとしてのSEPSが及ぼす影響を示す図。
【図17】曲げ弾性率及び高速引張破断伸びに対して、
成分Cが及ぼす影響を示す図。
【図18】曲げ弾性率及び高速引張破断伸びに対して、
タルクが及ぼす影響を示す図。
【図19】さらに別の種々の条件、成分等の下でエネル
ギ吸収体を成形し、その各成形品に対して行った実験の
結果を示す図。
【図20】図19の続きを示す図。
【図21】高速引張破断伸びに対して、別の樹脂組成物
(図19、図20)に係る成分AのMFRが及ぼす影響
を示す図。
【図22】曲げ弾性率及び高速引張破断伸びに対して、
別の樹脂組成物に係る成分AのMFRが及ぼす影響を示
す図。
【図23】高速引張破断伸びに対して、別の樹脂組成物
に係る成分Dが及ぼす影響を示す図。
【図24】曲げ弾性率及び高速引張破断伸びに対して、
別の樹脂組成物に係る成分Dが及ぼす影響を示す図。
【図25】曲げ弾性率に対して、別の樹脂組成物に係る
{(成分A中のプロピレン−エチレン共重合部)+成分
B+成分D}/(成分A+成分B+成分D)が及ぼす影
響を示す図。
【図26】曲げ弾性率及び高速引張破断伸びに対して、
別の樹脂組成物に係る{(成分A中のプロピレン−エチ
レン共重合部)+成分B+成分D}/(成分A+成分B
+成分D)が及ぼす影響を示す図。
【図27】高速引張破断伸びに対して、別の樹脂組成物
に係る成分Dの配合量/(成分Bの配合量+成分Dの配
合量)が及ぼす影響を示す図。
【図28】高速引張破断伸びに対して、別の樹脂組成物
に係る成分Aのタクティシティが及ぼす影響を示す図。
【図29】曲げ弾性率及び高速引張破断伸びに対して、
別の樹脂組成物に係る成分Aのタクティシティが及ぼす
影響を示す図。
【図30】高速引張破断伸びに対して、別の樹脂組成物
に係る成分Bの種類が及ぼす影響を示す図。
【図31】曲げ弾性率及び高速引張破断伸びに対して、
別の樹脂組成物に係る成分Bの種類が及ぼす影響を示す
図。
【図32】高速引張破断伸びに対して、別の樹脂組成物
に係るα−オレフィン共重合体のゴム硬さが及ぼす影響
を示す図。
【図33】高速引張破断伸びに対して、別の樹脂組成物
に係るα−オレフィン共重合体のMFRが及ぼす影響を
示す図。
【図34】高速引張破断伸びに対して、別の樹脂組成物
に係る成分BのMFRが及ぼす影響を示す図。
【図35】高速引張破断伸びに対して、別の樹脂組成物
に係る成分Bのスチレン含量が及ぼす影響を示す図。
【図36】高速引張破断伸びに対して、別の樹脂組成物
に係る成分Dの種類が及ぼす影響を示す図。
【図37】曲げ弾性率及び高速引張破断伸びに対して、
別の樹脂組成物に係る成分Dの種類が及ぼす影響を示す
図。
【図38】高速引張破断伸びに対して、別の樹脂組成物
に係る成分DのMFRが及ぼす影響を示す図。
【図39】実施例に係る内部構造を示す顕微鏡写真図
(倍率30000倍)。
【図40】実施例に係る別の内部構造を示す顕微鏡写真
図(倍率30000倍)。
【図41】比較例に係る別の内部構造を示す顕微鏡写真
図(倍率30000倍)。
【図42】比較例に係る別の内部構造を示す顕微鏡写真
図(倍率30000倍)。
【図43】高速引張破断伸びに対して、別の樹脂組成物
に係る(成分Bの溶融粘度/成分Aの溶融粘度)が及ぼ
す影響を示す図。
【図44】高速引張破断伸びに対して、別の樹脂組成物
に係る(成分Dの溶融粘度/成分Bの溶融粘度)が及ぼ
す影響を示す図。
【図45】高速引張破断伸びに対して、別の樹脂組成物
に係る極限粘度η2/極限粘度η3が及ぼす影響を示す
図。
【図46】高速引張破断伸びに対して、別の樹脂組成物
に係る極限粘度η1/極限粘度η2が及ぼす影響を示す
図。
【図47】第2実施形態に係るエネルギ吸収体及びピラ
ートリムを示す斜視図。
【図48】第3実施形態に係るエネルギ吸収体を示す正
面図。
【図49】図48からの動作状態図。
【図50】第3実施形態における加速度ー時間特性を示
す特性線図。
【図51】第3実施形態における荷重ー変位特性を示す
特性線図。
【図52】第4実施形態に係るエネルギ吸収体を示す部
分正面図。
【図53】図52のX−X線断面図。
【図54】第5実施形態に係るエネルギ吸収体を示す斜
視図。
【符号の説明】
1 ピラー 2 ピラートリム 3 エネルギ吸収体 4 リブ部 4a リブ部先端部 32 ピラートリム 33 エネルギ吸収体 34 リブ部 36 支持板 38 溝 39 突起部 40 嵌合孔

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板状のリブ部が交差状態をもって一体化
    された樹脂製エネルギ吸収体を備える衝撃吸収構造にお
    いて、 前記樹脂製エネルギ吸収体の引張破断伸びが、前記リブ
    部の交差部分を破断させる引張方向において、リブ部の
    交差部分が同一荷重下において破断するものの引張破断
    伸びに比して高められている、ことを特徴とする衝撃吸
    収構造。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記樹脂製エネルギ吸収体が、曲げ弾性率が0.5GP
    a以上であり60(1/s)の歪速度における引張破断
    伸びが80%以上であるように設定されている、ことを
    特徴とする衝撃吸収構造。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 前記樹脂製エネルギ吸収体が、60(1/s)の歪速度
    における引張破断伸びが145%以上であるように設定
    されている、ことを特徴とする衝撃吸収構造。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 交差状態とされた前記リブ部が格子形状を構成してい
    る、ことを特徴とする衝撃吸収構造。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかにおいて、 交差状態とされた前記リブ部が波形状を構成している、
    ことを特徴とする衝撃吸収構造。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかにおいて、 交差状態とされた前記リブ部が、起立するようにして板
    状体に一体化されている、ことを特徴とする衝撃吸収構
    造。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 交差状態とされた前記リブ部及び前記板状体が射出成形
    により一体成形されている、ことを特徴とする衝撃吸収
    構造。
  8. 【請求項8】 板状のリブ部が交差状態をもって一体化
    された樹脂製エネルギ吸収体を備える衝撃吸収構造にお
    いて、 前記リブ部の隣り合うもの同士を連結して、座屈変形時
    において該隣り合うリブ部の端部を破断させる引張方向
    に移動することを拘束する拘束部材が備えられている、
    ことを特徴とする衝撃吸収構造。
  9. 【請求項9】 請求項8において、 前記拘束部材が、前記複数のリブ部を挟持するようにし
    て該各リブ部の先端部及び基端部にそれぞれ一体化され
    ている、ことを特徴とする衝撃吸収構造。
  10. 【請求項10】 請求項8又は9において、 前記拘束部材が、平板状とされている、ことを特徴とす
    る衝撃吸収構造。
  11. 【請求項11】 請求項8〜10のいずれかにおいて、 前記拘束部材の少なくとも一つに前記複数のリブ部端部
    を嵌合する嵌合部が形成され、該嵌合部に該各リブ部端
    部が嵌合されている、ことを特徴とする衝撃吸収構造。
  12. 【請求項12】 請求項11において、 前記各リブ部端部に突起部が一体的にそれぞれ設けら
    れ、 前記拘束部材に、前記嵌合部として、前記各突起部を嵌
    合可能な嵌合孔がそれぞれ形成されて、該各嵌合孔に該
    各突起部が嵌合されている、ことを特徴とする衝撃吸収
    構造。
  13. 【請求項13】 請求項8〜12のいずれかにおいて、 取付け用強度部材が、前記拘束部材の一方を兼ねてい
    る、ことを特徴とする衝撃吸収構造。
  14. 【請求項14】 請求項8において、 前記拘束部材の少なくとも一つと前記各リブ部端部とが
    固着されている、ことを特徴とする衝撃吸収構造。
  15. 【請求項15】 請求項14において、 前記拘束部材が前記複数のリブ部と同種の樹脂材により
    形成されている、ことを特徴とする衝撃吸収構造。
  16. 【請求項16】 請求項8〜15のいずれかにおいて、 前記複数のリブ部が格子状を形成している、ことを特徴
    とする衝撃吸収構造。
  17. 【請求項17】 請求項8〜16のいずれかにおいて、 前記複数のリブ部が波状を形成している、ことを特徴と
    する衝撃吸収構造。
  18. 【請求項18】 請求項8〜17のいずれかにおいて、 前記樹脂製エネルギ吸収体が、自動車の強度部材と該強
    度部材を覆う内装材との間に設けられる、ことを特徴と
    する衝撃吸収構造。
  19. 【請求項19】 請求項9において、 前記拘束部材の一方が、ピラートリム、ボンネット、フ
    ェンダー、カウルグリルのいずれかである、ことを特徴
    とする衝撃吸収構造。
  20. 【請求項20】 請求項1〜19のいずれかにおいて、 前記樹脂製エネルギ吸収体は、メルトフローレート(M
    FR)が0.4(g/10分)よりも大なるポリプロピ
    レン又はプロピレン−エチレンブロック共重合体からな
    る成分(A)と、エチレン系ゴムからなる成分(B)と
    からなり、 前記成分(A)と前記成分(B)との和に対する該成分
    (A)中のプロピレン−エチレン共重合部と該成分
    (B)との和の割合が、25重量%以上45重量%以下
    である、ことを特徴とする衝撃吸収構造。
  21. 【請求項21】 請求項20において 前記成分(B)が、架橋ゴムを含んでいる、ことを特徴
    とする衝撃吸収構造。
  22. 【請求項22】 請求項21又は22において 前記成分(B)が、スチレン−エチレン−プロピレンの
    3元共重合体又はスチレン−エチレン−ブチレンの3元
    共重合体である、ことを特徴とする衝撃吸収構造。
  23. 【請求項23】 請求項20〜22のいずれかにおい
    て、 前記(B)と相容する成分(D)が含まれ、 前記成分(A)と前記成分(B)と前記成分(D)との
    和に対する該成分(A)中のプロピレンーエチレン共重
    合部と該成分(B)と該成分(D)との和の割合が、2
    5重量%以上45重量%以下であり、 前記成分(B)の配合量と前記成分(D)の配合量との
    和に対する該成分(D)の配合量の割合が、0.8未満
    とされている、ことを特徴とする衝撃吸収構造。
  24. 【請求項24】 請求項20〜23のいずれかにおい
    て、 前記成分(A)における混合前の粘度に対する前記成分
    (B)における混合前の粘度の比(成分(B)の粘度/
    成分(A)の粘度)が、2.6〜10である、ことを特
    徴とする衝撃吸収構造。
  25. 【請求項25】 請求項20〜24のいずれかにおい
    て、 前記成分(A)よりもメルトフローレート(MFR)が
    10(g/10分)以上大きいポリプロピレンが成分
    (C)として配合され、 前記成分(C)が、前記成分(A)、(B)、(C)の
    和全体に対して5〜20重量%の配合割合で配合されて
    いる、ことを特徴とする衝撃吸収構造。
  26. 【請求項26】 請求項1〜25のいずれかにおいて、 前記リブ部の交差部分を破断させる引張方向が、衝撃荷
    重が該リブ部の立設方向に作用するときには、該衝撃荷
    重の作用方向に対して略直交する方向である、ことを特
    徴とする衝撃吸収構造。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004040163A1 (ja) * 2002-10-31 2004-05-13 Kyoraku Co., Ltd. 車両用衝撃吸収体
JP2018066435A (ja) * 2016-10-19 2018-04-26 日産自動車株式会社 衝撃吸収部材、および該衝撃吸収部材を用いたフロントルーフクロスメンバ

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WO1999011708A1 (fr) * 1997-08-28 1999-03-11 Chisso Corporation Compositions de resine de polyolefine

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