JP2000170092A - アパタイトシート及び同アパタイトシート用繊維合成装置 - Google Patents

アパタイトシート及び同アパタイトシート用繊維合成装置

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JP2000170092A
JP2000170092A JP10346070A JP34607098A JP2000170092A JP 2000170092 A JP2000170092 A JP 2000170092A JP 10346070 A JP10346070 A JP 10346070A JP 34607098 A JP34607098 A JP 34607098A JP 2000170092 A JP2000170092 A JP 2000170092A
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apatite
sheet
fiber
antibacterial
antibacterial agent
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Yasunobu Nakamura
泰信 中村
Yoshinori Saigo
義紀 西郷
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Nakamura Seishisho Co Ltd
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Nakamura Seishisho Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繊維へのアパタイトの吸着量を多くしたアパ
タイト−繊維複合体からなるアパタイトシートであっ
て、さらに、抗菌性を有するアパタイトシートを提供す
る。また、アパタイトシートの大量生産可能な合成装置
を提供する。 【解決手段】 温度制御付ヒーターと攪拌機とを備えた
反応槽に、水供給器と、カルシウム成分供給器と、リン
酸溶液供給器と、アルカリ溶液供給器と、繊維供給器と
を配設するとともに、反応槽内のpH値を適正値に制御
するpH測定部を配設し、アルカリ溶液の供給量を調節
することにより反応槽内のpH値を制御するとともに、
pH値の変動が終息した時をアパタイト合成反応終了と
認識する判定部を有するアパタイトシート用繊維合成装
置。また、アパタイトシートは抗菌性繊維、あるいは、
無機系抗菌剤を配合・含浸・塗布して抗菌性を有する、
あるいは、抗菌性繊維からなる抗菌シート体を積層する
ことにより抗菌性を有するアパタイトシートとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アパタイト−繊維
複合体を歩留まりよく、かつ、大量に合成可能なアパタ
イトシート用繊維合成装置に関するものであり、また、
製造されるアパタイトシートが抗菌性を有するアパタイ
トシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、アパタイト−繊維複合体の合成に
おいては、硝酸カルシウムとリン酸水素2アンモニウム
とを混合してアパタイトを形成し、同アパタイトを濾
過、洗浄、乾燥してアパタイト粉体とした後、繊維と定
着剤とをまぜてアパタイト粉体を繊維に吸着させて合成
していた。
【0003】そして、合成されたアパタイト−繊維複合
体をシート状に抄紙し、多孔質であるアパタイトが生体
ウイルスを吸着しやすいことを利用して、マスクやフィ
ルタとして用いられている。
【0004】上記の合成方法では、図4(a)に示すよ
うに、繊維100の周囲にアパタイト粉体200が吸着
した状態となっており、アパタイトによる吸着面積が少
なく、また、定着剤を用いることによる不純物の吸着が
あり、より純粋で、アパタイトの吸着量の多いアパタイ
ト−繊維複合体の合成方法が望まれていた。
【0005】これに対し、特開平7−88819号公報
によって、アパタイト−繊維複合体を湿式合成すること
により、図4(b)に示すように、繊維100全面をア
パタイト300で被覆したアパタイトシートの製造方法
が開示され、アパタイト300の吸着量の多いアパタイ
トシートを製造できる可能性が示された。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の公報に
おいては、その実施例において開示されているようにビ
ーカーレベルの少量の製造方法を示しているだけであ
り、歩留まりよく大量生産できるものではなかった。
【0007】また、製造されたアパタイトシートは生体
ウイルスの吸着性は高いものの抗菌作用がないため、吸
着されたウイルスがアパタイトシート中のリン酸を栄養
分として繁殖してしまい、同アパタイトシートの長期間
の使用が困難であり、短期間での使い捨てによる利用に
限られていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1記載の本発明では、アパタイトシートに
抗菌性を持たせるべく、繊維表面にアパタイトを結晶化
・付着させたアパタイト−繊維複合体と、抗菌性繊維を
配合して抄紙し、シート状としたことを特徴とするアパ
タイトシートを提供せんとするものである。
【0009】請求項2記載の本発明では、繊維表面にア
パタイトを結晶化・付着させたアパタイト−繊維複合体
と、無機系抗菌剤を配合して抄紙し、シート状としたこ
とを特徴とするアパタイトシートを提供せんとするもの
である。
【0010】請求項3記載の本発明では、繊維表面にア
パタイトを結晶化・付着させたアパタイト−繊維複合体
を抄紙して形成したアパタイトシートの片面または両面
に機能繊維を配合したシートを積層したことを特徴とす
るアパタイトシートを提供せんとするものである。
【0011】特に、請求項4に記載したように、機能繊
維を抗菌性繊維としたことにも特徴を有するものであ
る。
【0012】請求項5記載の本発明では、繊維表面にア
パタイトを結晶化・付着させたアパタイト−繊維複合体
を抄紙して形成したアパタイトシートに抗菌剤を含浸ま
たは塗布して乾燥させたことを特徴とするアパタイトシ
ートを提供せんとするものである。
【0013】また、請求項6に記載したように、前記抗
菌剤が無機系抗菌剤であり、無機系抗菌剤を分散させた
溶液をアパタイトシートに含浸、または、塗布したこと
にも特徴を有するものである。
【0014】さらに、アパタイト−繊維複合体は、アパ
タイトの湿式合成段階で繊維を投入し、繊維表面にアパ
タイトを結晶化・付着させて形成されたことにも特徴を
有するものである。
【0015】請求項8記載の本発明では、アパタイトの
湿式合成段階で繊維と無機系抗菌剤とを投入し、繊維表
面にアパタイトを結晶化・付着させるとともに、無機系
抗菌剤を付着させながら抗菌剤−アパタイト−繊維複合
体を形成して抄紙し、シート状としたことを特徴とする
アパタイトシートを提供せんとするものである。
【0016】請求項9記載の本発明では、温度制御付ヒ
ーターと攪拌機とを備えた反応槽に、水供給器と、カル
シウム成分供給器と、リン酸溶液供給器と、アルカリ溶
液供給器と、繊維供給器とを配設するとともに、反応槽
内のpH値を測定するpH測定部と、同pH測定部によ
る測定値に基づいてアルカリ溶液の供給量を調節する判
定部を有することを特徴とするアパタイトシート用繊維
合成装置を提供せんとするものである。
【0017】また、同アパタイトシート用繊維合成装置
は、pH値の変動終息状態をアパタイト合成反応終了と
判定する判定部を有すること、攪拌機の攪拌翼の攪拌回
転数を少なくとも2段階に切替可能としたことにも特徴
を有するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明のアパタイトシート用繊維
合成装置は、温度制御付ヒーターと攪拌機とを備えた反
応槽に、水供給器と、カルシウム成分供給器と、リン酸
溶液供給器と、アルカリ溶液供給器と、繊維供給器とを
配設するとともに、反応槽内のpH値を測定するpH測
定部、及び、同pH測定部の測定値に基づいてアルカリ
溶液の供給量を調節する判定部からなるものである。
【0019】カルシウム成分としては硝酸カルシウムや
水酸化カルシウムなどを用い、リン酸溶液としてはリン
酸水素2アンモニウム溶液やリン酸水素アンモニウム溶
液あるいはリン酸溶液などを用い、アルカリ溶液として
は水酸化ナトリウム溶液や水酸化カリウム溶液などを用
いる。
【0020】ただし、これらの薬品に限定するものでは
なく、カルシウム成分によってカルシウムイオンが、リ
ン酸溶液によってリン酸イオンが、アルカリ溶液によっ
て水酸化物イオンが供給できればよい。
【0021】以下の説明では代表的な配合である硝酸カ
ルシウム、リン酸水素2アンモニウム、水酸化ナトリウ
ムをそれぞれ用いたとして説明を行う。
【0022】繊維供給器はアパタイトを析出・合成させ
る繊維を供給するものであり、使用される繊維としては
木材パルプ繊維、竹繊維、わら繊維、ジンピ繊維、ケナ
フ、レーヨンなどを使用することができ、また、繊維の
叩解度を適宜調整して使用してもよい。以下の説明で
は、繊維としては木材パルプを用いたとして説明を行
う。
【0023】攪拌機は攪拌翼を有する攪拌機であって、
攪拌翼を高速回転と低速回転の少なくとも2段階に切替
可能としたものである。
【0024】アパタイト−繊維複合体を合成するため
に、まず反応槽内に水供給器、カルシウム成分供給器及
び繊維供給器から、水、硝酸カルシウム及び木材パルプ
を所要量投入し、攪拌機を高速回転状態として木材パル
プを硝酸カルシウム溶液中に充分分散させる。
【0025】このとき、温度制御付ヒーターによって反
応槽内を45〜55℃まで加熱し、同加熱状体を維持す
る。
【0026】次いで、リン酸溶液供給器よりリン酸水素
2アンモニウム溶液を所要量投入する。
【0027】リン酸水素2アンモニウム溶液の所要量を
一度に投入すると、反応槽内でのリン酸水素2アンモニ
ウムの濃度勾配が激しく、アパタイトの木材パルプへの
析出・合成にばらつきが生じるおそれがあるため、少量
ずつ連続添加するとともに、攪拌機を高速回転状態と
し、反応槽内におけるリン酸水素2アンモニウムの濃度
ばらつきを抑制した方が好ましい。
【0028】また、硝酸カルシウム溶液のカルシウムイ
オンが、リン酸水素2アンモニウム溶液のリン酸イオン
と反応しながらアパタイトとして木材パルプに析出・合
成する際、反応液は酸性側に推移していくので、所定p
H値となるようにpH測定部及び判定部によってアルカ
リ溶液供給器より供給される水酸化ナトリウム溶液の量
を制御することによってpH値を制御する。
【0029】アパタイトの合成において、合成中の反応
液のpH値によって、合成されるアパタイトの繊維表面
への付着量が制御可能であるので、必要量のアパタイト
の付着量が得られるpH値をpH調整基準値としてpH
値制御を行う。
【0030】リン酸水素2アンモニウム溶液の投入が終
了すると、攪拌機を低速回転状態に切り換え、析出・合
成反応が終了するまで低速回転による攪拌状態を維持す
る。
【0031】アパタイトの析出・合成が終了する、つま
り、反応液の反応が停止すると、pH値の変動も終息し
て一定値となる。
【0032】従って、pH測定部でのpH値測定におい
て、一定時間の間、pH値変動が検出されない場合には
判定部で反応終了と判定し、ブザーまたはランプを用い
て反応終了を表示すべく構成する。
【0033】上述したようにして得られたアパタイト−
繊維複合体を抄紙することによってアパタイトシートを
得ることができる。
【0034】アパタイトシートを抄紙する際に、アパタ
イト−繊維複合体と、抗菌レーヨンや抗菌ポリエステル
などの抗菌性繊維とを所要量ずつ配合し、抄紙すること
によってアパタイト−繊維複合体と抗菌性繊維とが混在
した抗菌性を有するアパタイトシートが製造される。
【0035】また、抗菌性繊維ではなく無機系抗菌剤を
配合して抄紙することにより、抗菌性を有するアパタイ
トシートとすることもできる。
【0036】抄紙機によりアパタイトシートを抄紙する
際に、抄紙されたアパタイトシートに機能繊維を配合し
たシートを連続積層抄紙、あるいは重合積層することに
よって、アパタイトシートと機能繊維からなるシートの
2層構造としたアパタイトシートとしてもよい。
【0037】機能繊維を抗菌性繊維とすることによっ
て、アパタイトシートと抗菌シートとが積層された抗菌
性を有するアパタイトシートとすることができる。
【0038】あるいは、機能繊維からなるシート、アパ
タイトシート、機能繊維からなるシートをこの順に連続
抄紙、あるいは、重合積層して3層構造を有するアパタ
イトシートとし、さらに、機能繊維を抗菌性繊維とする
ことによって抗菌性を有するアパタイトシートとするこ
ともできる。
【0039】このとき、1層目の抗菌性繊維と3層目の
抗菌性繊維の素材を変え、それぞれ異なる菌に対する抗
菌性を有する抗菌性繊維を使用することにより抗菌能力
を高めてもよいし、さらに、アパタイトシートとして、
上述したように、あらかじめ抗菌性繊維あるいは無機系
抗菌剤を配合したアパタイトシートを用いることにより
抗菌能力を高めてもよい。
【0040】また、1層目と3層目のどちらか一方に抗
菌性繊維ではなく難燃繊維や防虫繊維を用いて別の機能
を生じさせたり、アパタイトシートの物性的欠点を補う
シートを積層することもできる。
【0041】アパタイトシートに抗菌性を生じさせるた
めに、抄紙されたアパタイトシートに無機系抗菌剤の分
散された溶液を含浸、または、塗布し、乾燥させること
により抗菌性を有するアパタイトシートとしてもよい。
【0042】あるいは、あらかじめアパタイトの湿式合
成段階において、硝酸カルシウム溶液に繊維を投入する
際に無機系抗菌剤も投入し、繊維表面にアパタイトを結
晶化・付着させるとともに無機系抗菌剤を付着させて抗
菌剤−アパタイト−繊維複合体を形成し、同抗菌剤−ア
パタイト−繊維複合体を抄紙することにより抗菌性を有
するアパタイトシートとしてもよい。
【0043】
【実施例】(アパタイトシート用繊維合成装置の構成)
本発明に係るアパタイトシート用繊維合成装置Aの実施
例について、概略図である図1を用いて詳説する。
【0044】同アパタイトシート用繊維合成装置Aは、
ヒーター2と攪拌機3とを備えた反応槽1と、水供給器
4と、カルシウム成分供給器5と、リン酸溶液供給器6
と、アルカリ溶液供給器7と、繊維供給器8と、pH測
定部9と、判定部10とからなるものである。
【0045】反応槽1はステンレス製であって、10ト
ン程度の容量を有し、大量生産を可能としている。
【0046】反応槽1には、ヒーター2として蒸気を用
いた蒸気ヒーターを反応槽1の周囲に配設し、間接加熱
すべく構成している。
【0047】ヒーター2としては、本実施例の蒸気ヒー
ターによる間接加熱だけでなく、発熱体を直接反応槽1
内に配設して直接加熱してもよいが、できるだけ不純物
の混入を防止し、かつ、確実に均一加熱するために、本
実施例では蒸気ヒーターによる間接加熱としている。
【0048】同ヒーター2には温度制御部11が取り付
けられており、温度測定部(図示せず)による測定値に
基づいて温度制御部11が蒸気流入バルブBの開度を調
整し、蒸気発生装置12からの蒸気の流入量を制御する
ことにより、反応槽1内の反応液の液温を45〜55℃
に維持すべく構成している。
【0049】攪拌機3は反応槽1の底部に配設されてお
り、駆動モータmによって攪拌翼13を回転させること
により、反応槽1内を均一に攪拌すべく構成している。
【0050】駆動モータmによる攪拌翼13の回転数は
高速回転と低速回転の少なくとも2段階の回転速度に切
替可能となっており、本実施例においては、高速回転状
態では300rpmで、低速回転状態では200rpm
で回転すべく構成している。
【0051】ただし、この回転数に限定するものではな
く、反応槽1の大きさ、攪拌翼13の形状などに応じて
回転数は適宜選択されるものである。
【0052】攪拌翼3の回転数の切り替えは、判定部1
0に設けた操作パネル(図示せず)で行うべく構成して
いる。図1中、14は攪拌機3の回転数を切り替えるた
めに駆動モータmを調節するためのモータ用配線であ
る。
【0053】回転数は2段階の切替でなく、複数段階の
切り換え、あるいは連続的な切り替えを可能としてもよ
い。
【0054】さらに、攪拌機3が攪拌翼13を用いた回
転攪拌ではなく、空気を送入することによる空気攪拌と
してもよいが、反応槽1内部の構造が複雑化し、かつ、
不純物の混入のおそれがあることから本実施例では攪拌
翼13を用いた。
【0055】水供給器4は、後述するカルシウム成分供
給器5より反応槽1内に供給された硝酸カルシウム溶液
を所定濃度に薄める水を供給するものであり、給水ポン
プ41を駆動して給水タンク42より水を送給すべく構
成している。図1中、43は送水管である。
【0056】カルシウム成分供給器5は、本実施例では
硝酸カルシウム溶液を供給する硝酸カルシウム溶液供給
器となっており、送給ポンプ51を駆動することにより
カルシウム成分タンク52から反応槽1内に所定量の硝
酸カルシウム溶液を送給すべく構成している。図1中、
53はカルシウム成分送給管である。
【0057】本実施例では、カルシウム成分タンク52
には高濃度に調整された硝酸カルシウム水溶液が入れら
れており、同硝酸カルシウム水溶液に水供給器4より供
給された水を加えて、反応槽1内の硝酸カルシウム溶液
の濃度調整を行っている。
【0058】他の実施例として、カルシウム成分供給器
5によって硝酸カルシウム溶液を供給するのではなく、
硝酸カルシウム粉体を供給すべくカルシウム成分供給器
5を構成してもよい。
【0059】リン酸溶液供給器6は、本実施例ではリン
酸水素2アンモニウム溶液を供給するリン酸水素2アン
モニウム溶液供給器となっており、送給ポンプ61を駆
動することによりリン酸溶液タンク62から反応槽1内
に所定量のリン酸水素2アンモニウム溶液を送給すべく
構成している。図1中、63はリン酸溶液送給管であ
る。
【0060】アルカリ溶液供給器7は、本実施例では水
酸化ナトリウム溶液を供給する水酸化ナトリウム溶液供
給器となっており、後述する判定部10において反応液
のpH測定値とpH調整基準値とのずれに基づいて定量
ポンプ71を駆動し、アルカリ溶液タンク72から必要
量の水酸化ナトリウム溶液を反応槽1内に送給すべく構
成している。図1中、73はアルカリ溶液送給管であ
る。
【0061】繊維供給器8は、所定量毎に分量された繊
維を反応槽1上部より、図示していないが、ベルトコン
ベアやポンプなどを用いて投入すべく構成している。
【0062】pH測定部9は、反応液のpH値を測定す
るために反応槽1に配設された循環配管93の中途部に
設けられており、抽出された反応液のpH値を連続測定
すべく構成している。
【0063】pH測定部9において得られたpH値は入
力配線15を介して判定部10に入力され、判定部10
では入力されたpH値とpH調整基準値とのずれに基づ
いてアルカリ溶液供給器7の定量ポンプ71の駆動制御
を行っている。
【0064】図1において、送水管41,カルシウム成
分送給管53,リン酸溶液送給管63,アルカリ溶液送
給管73は、反応槽1上部より各溶液を供給しているよ
うに記述しているが、便宜上このように記述しているだ
けであり、上部に限定するものではなく反応槽1側壁に
それぞれの供給口を配設してもよい。
【0065】(アパタイト−繊維複合体の合成)上記の
アパタイトシート用繊維合成装置Aを用いたアパタイト
−繊維複合体の合成作業について、図2の工程フローチ
ャートを参照しながら詳説する。
【0066】まず、水供給器4より反応槽1に水を4,
500リットル供給するとともに、攪拌翼13を300
rpmで回転させながらカルシウム成分供給器5により
0.4Mに調製された硝酸カルシウム溶液500リット
ルを投入し、ヒーター2による加熱を開始する。
【0067】次いで繊維として繊維供給器8により木材
パルプを50kg投入し、同木材パルプを硝酸カルシウ
ム溶液中に充分分散させる。
【0068】そして、反応槽1内の反応液が50℃以上
に加熱されると、それ以後、ヒーター2の温度制御部1
1によって反応液の液温を45〜55℃の間に維持しな
がら、リン酸溶液供給器6より0.024Mのリン酸水
素2アンモニウム溶液の送給を開始する(図2の配合a
1の状態)。
【0069】反応液にリン酸水素2アンモニウム溶液を
加えるとアパタイトの析出・合成が始まり、その析出・
合成反応によって反応液のpH値は酸性方向に変動す
る。
【0070】従って、リン酸水素2アンモニウム溶液の
送給開始するとともに、pH測定部9及び判定部10に
よる反応槽1内のpH制御を開始する。
【0071】本実施例では、pH調整基準値を8.0と
し、少なくともpHを7.5〜8.5の間に維持するべ
く、反応液のpHを連続測定し、pHが8.0近傍を維
持するようにアルカリ溶液供給器7より必要量の5N水
酸化ナトリウムを送給する。
【0072】0.024Mのリン酸水素2アンモニウム
溶液は1,500リットル送給されるが、同リン酸水素
2アンモニウム溶液の送給に際しては、反応液中でのリ
ン酸水素2アンモニウム溶液の濃度勾配を小さくするた
め、リン酸水素2アンモニウム溶液の濃度を低くすると
ともに、リン酸溶液送給管63の先端の送給口をシャワ
ー状の噴出形状に加工し、少量ずつシャワー状に反応槽
1内へ注入すべく構成している。
【0073】リン酸水素2アンモニウム溶液の送給が終
了すると、攪拌機3の攪拌翼13の回転数を200rp
mとして低速回転状態とし、表面にアパタイトの析出・
合成した木材パルプ同士が擦れたり、あるいは、攪拌翼
13によってアパタイトが木材パルプ表面より剥離する
ことを防止している。
【0074】攪拌機3を低速回転状態とした時を図2の
2次反応a2と呼び、反応液中のカルシウムイオンがリ
ン酸イオンによって、逐次、木材パルプ表面にアパタイ
トとなって合成・析出している状態をいう。
【0075】同2次反応a2中でも、反応液のpHは酸
性方向に変動するので、pH測定部9及び判定部10に
より、引き続きpH調整を行う。
【0076】本実施例では、pH調整基準値としては
8.0としているが、8.0に限定するものではなく、
反応液のpH値によってアパタイトの繊維表面への付着
量が制御可能であることを利用して、必要量のアパタイ
トの付着量が得られるpH値を基準pH値としてよい。
【0077】2次反応a2状態となって0.5〜2.0
時間程経過すると、析出・合成反応が終了することによ
って、反応液のpH値変動も終息する。
【0078】従って、pH測定部9でのpH値の測定に
おいて、一定時間、pH値の変動が検出されない場合に
判定部10において反応終了と判定し、判定部10の操
作パネルに反応終了を示すランプが点灯すべく構成して
いる。また、反応終了確定時にブザーが鳴るようにして
おいてもよい。
【0079】通常、析出・合成反応に要する時間は使用
する薬品の濃度や合成量などによって異なるため、反応
終了の見極めが困難であるが、pH値の変動によって判
定することにより、確実に反応を完了させることができ
るとともに、時間的なロスなく次工程へ進むことができ
るので、生産性を向上させることができる。
【0080】上述したアパタイト−繊維複合体の湿式合
成に使用した薬品の濃度及び使用量及び繊維の使用量
は、上述の数値に限定するものではなく、繊維表面に析
出・合成・吸着させるアパタイトの量に応じて適宜選択
されるものである。
【0081】(アパタイトシートの製造)上述したよう
に合成されたアパタイト−繊維複合体に、図2の工程フ
ローチャートに示す配合槽bにおいてポリビニールアル
コール(以下PVAと呼ぶ)、または、熱融着繊維など
の抄紙に必要な添加物を所要量配合し、濃度調整器cに
おいて濃度調整を行い、リフラーd及びスクリーンe工
程で不純物を取り除き、丸網抄紙機などの抄紙機fによ
ってアパタイトシートgとすることができる。
【0082】(アパタイトシートの第1実施例)アパタ
イトシートgの抄紙工程の配合槽bにおいて、アパタイ
ト−繊維複合体を5〜95%と、抗菌性繊維を5〜95
%配合し、同配合状態物にPVAまたは熱融着繊維など
の添加物を所要量添加して抄紙することにより、アパタ
イト−繊維複合体による生体ウイルスの吸着性と、抗菌
性繊維による抗菌性を有するアパタイトシートg1(図
示せず)とすることができる。
【0083】特に、アパタイト−繊維複合体を50〜9
7%と、抗菌性繊維を3〜50%、さらに必要に応じ
て、普通のレーヨンなどの長繊維0〜47%を加えた配
合比率として抄紙することにより、アパタイト−繊維複
合体による生体ウイルスの吸着性と、抗菌性繊維による
抗菌性とを最も効率よく発揮することができるととも
に、適度の通気性を有するアパタイトシートg1とする
ことができ、同アパタイトシートg1をフィルタとして
使用することができる。
【0084】ここで、抗菌性繊維とは抗菌性を有してい
る繊維であり、本実施例では抗菌レーヨンや抗菌ポリエ
ステルなどを用いているが、これらに限定するものでは
なく抗菌性を有している繊維であればどのようなものを
使用してもよい。また、以下の実施例で使用される抗菌
性繊維も全て同様である。
【0085】所望する紙質を得るために、アパタイト−
繊維複合体及び抗菌性繊維だけでなく、他の繊維を配合
してもよい。
【0086】(アパタイトシートの第2実施例)抗菌性
繊維の代わりに無機系抗菌剤を配合して抄紙することに
より、抗菌性を有するアパタイトシートg2(図示せ
ず)とすることもできる。
【0087】同アパタイトシートg2を製造するため
に、本実施例では、配合槽bにおいて、アパタイト−繊
維複合体を95〜99.99%と、銀ゼオライトを0.
01〜5%とを配合し、その後、さらにPVAまたは熱
溶着繊維などの添加剤を所要量添加して抄紙した。
【0088】銀ゼオライトはアパタイト−繊維複合体に
よって絡め取られながら抄紙されるため、抄紙されたア
パタイトシートg2に銀ゼオライトを含有することがで
き、抗菌性を生じさせることができる。
【0089】無機系抗菌剤としては銀ゼオライトに限定
するものではなく、リン酸ジルコニウムや銀錯体系抗菌
剤であってもよい。
【0090】(アパタイトシートの第3実施例)アパタ
イトシートgに機能繊維を配合したシートを積層するこ
とによって、アパタイトシートgの引張り強さや伸びな
どの物性的な欠点を補うことができ、同アパタイトシー
トの汎用性を高めることができる。
【0091】積層する機能繊維を配合したシートとして
は、単にアパタイトシートgの物性的欠点を補うものだ
けでなく、抗菌性繊維からなる抗菌シートhとすること
によって、所望する物性値となったアパタイトシートで
あって、かつ、抗菌性を有するアパタイトシートとする
ことができる。
【0092】本実施例では、図2に示す工程フローチャ
ートの抄紙機fによる抄紙において、アパタイトシート
gと抗菌シートhを連続して抄紙することにより2層に
積層したアパタイトシートg3とした(図3(a)参
照)。
【0093】同アパタイトシートg3を抄紙するため
に、アパタイトシートgを抄紙するアパタイトシート用
抄箱と、抗菌性繊維よる抗菌シートhを抄紙する抗菌シ
ート用抄箱とを併設しておき、連続抄紙を行うことによ
り積層している。
【0094】また、上記の抗菌シート用抄箱、アパタイ
トシート用抄箱、そして再度、抗菌シート用抄箱をこの
順に併設しておき、連続抄紙することによってアパタイ
トシートgを抗菌シートhで挟んだ3層構造の抗菌性を
有するアパタイトシートg4とすることもできる(図3
(b)参照)。
【0095】または、各シートを連続抄紙するのではな
く、アパタイトシートgと抗菌シートhとをそれぞれ抄
紙した後、上述したような2層構造あるいは3層構造に
重合積層してもよく、さらに、3層以上の積層を行って
もよい。
【0096】3層積層構造とした場合、1層目及び3層
目の抗菌シートhにそれぞれ異なる抗菌性繊維を使用す
ることにより抗菌可能な対象を広げることができ、形成
された3層構造のアパタイトシートg4の抗菌能力を高
めることができる。
【0097】さらに、アパタイトシートgの代わりに、
上述したような、あらかじめ抗菌性繊維あるいは無機系
抗菌剤を配合したアパタイトシートg1,g2を用いる
ことにより抗菌能力を高めることもできる。
【0098】また、3層積層構造のアパタイトシートg
4のうち、1層目または3層目のどちらか一方の機能繊
維を抗菌性繊維ではなく難燃繊維や防虫繊維、あるい
は、嵩高繊維とすることによって、抗菌性以外の機能を
付与することができるとともに、さらに多様な紙質のア
パタイトシートを提供することができ、同アパタイトシ
ートの適用範囲を広げることができる。
【0099】なお、アパタイトシートの積層は2層積層
や3層積層に限るものではなく、必要に応じてさらに積
層してもよい。
【0100】(アパタイトシートの第4実施例)抗菌性
を有する他のアパタイトシートとして、抄紙されたアパ
タイトシートgに、カテキンやヒノキチオールのような
液体状の抗菌剤を塗布または含浸させて乾燥させ、抗菌
性を生じさせたアパタイトシートg5(図示せず)とす
ることができる。
【0101】あるいは、溶液中に分散させた抗菌剤、た
とえば銀ゼオライトなどの無機系抗菌剤を分散させた無
機系抗菌剤含有溶液を塗布、あるいは含浸させ乾燥させ
ることにより、抗菌性を生じさせたアパタイトシートg
6とすることもできる。
【0102】アパタイト−繊維複合体を抄紙したのみの
アパタイトシートgでは、繊維表面に析出・合成された
アパタイトの多孔質部分によって、抗菌剤を吸着するこ
とができるとともに、その状態を強固に維持することが
でき、長期にわたって抗菌性を維持することができる。
【0103】特に、アパタイト−繊維複合体を上述した
ように湿式合成したことによって、繊維表面をアパタイ
トによって完全に被覆しているので、抗菌剤を塗布及び
含浸させた際に抗菌剤の吸着にばらつきが生じることが
なく、均一な抗菌性を生じさせることができる。
【0104】(アパタイトシートの第5実施例)図2に
示す工程フローチャートの配合a1工程であるアパタイ
トの湿式合成段階において、硝酸カルシウム溶液に木材
パルプを投入した際に、銀ゼオライトなどの無機系抗菌
剤を同時に投入することによって、木材パルプ表面にア
パタイトを結晶化・付着させるとともに無機系抗菌剤を
付着させ、抗菌剤−アパタイト−繊維複合体を形成する
ことができる。
【0105】ここで、木材パルプ表面に付着する無機系
抗菌剤は、木材パルプ表面に単に付着している状態をさ
すだけでなく、反応液中でアパタイトと結合して抗菌剤
−アパタイト結合体を形成した後、木材パルプに付着し
たもの、あるいは、木材パルプ表面に結晶化・付着した
アパタイトに付着したものまで含めて付着していると表
現している。
【0106】より単純には、無機系抗菌剤ではなく硝酸
銀を投入して、硝酸銀の銀イオンによる銀−アパタイト
−繊維複合体としてもよい。
【0107】そして、抗菌剤−アパタイト−繊維複合体
または銀−アパタイト−繊維複合体を抄紙することによ
り、抗菌剤または銀による抗菌性を有するアパタイトシ
ートg7(図示せず)とすることができる。
【0108】配合a1工程段階で無機系抗菌剤または硝
酸銀を配合し、抗菌剤−アパタイト−繊維複合体または
銀−アパタイト−繊維複合体としてアパタイトシートg
7を抄紙したことによって、抄紙されたアパタイトシー
トg7の厚み方向にも均一に抗菌剤を存在させることが
できるので、抗菌性を向上させることができる。
【0109】
【発明の効果】本発明によれば、上述したように、アパ
タイトシートが抗菌性を有するべく構成されることによ
って以下のような効果を得ることができる。
【0110】 アパタイトシートがアパタイトによる
生体ウイルスの吸着性とともに、抗菌性繊維による抗菌
性を有するため、生体ウイルスを吸着するとともに、吸
着した生体ウイルスを抑制・死滅させることができるア
パタイトシートを提供することができる。
【0111】 アパタイトシートに吸着した生体ウイ
ルスの増殖防止が可能であるので、長期間にわたって使
用することができ、取り替えのための作業回数を減少さ
せることができるとともに、消費量を低下させることが
できるので、経済的とすることができる。
【0112】 アパタイトシート体の片面あるいは両
面に機能繊維、特に抗菌性繊維からなるシートを積層抄
紙した場合には、アパタイトシート自体の物性的な欠点
を抗菌性繊維からなるシートで補うことができ、同アパ
タイトシートの適用範囲を増やすことができる。
【0113】 アパタイトシートの製造において、抗
菌性繊維や、無機系抗菌剤をはじめとする抗菌剤を配合
・塗布・含浸する、あるいは、抗菌性繊維からなるシー
トを連続抄紙することによって抗菌性を生じさせてお
り、新たな製造装置を必要とせず、従来の抄紙装置をそ
のまま流用することができる。
【0114】また、本発明の合成装置からは次のような
効果を得ることができる。
【0115】 温度制御付ヒーターと攪拌機とを備え
た反応槽に、水供給器と、カルシウム成分供給器と、リ
ン酸溶液供給器と、アルカリ溶液供給器と、繊維供給器
とを配設するとともに、反応槽内のpH値を測定するp
H測定部と、同pH測定部による測定値に基づいてアル
カリ溶液の供給量を調節する判定部を有するアパタイト
シート用繊維合成装置としたことによって、アパタイト
−繊維複合体を大量に、かつ、高歩留まりで製造するこ
とができる。
【0116】 析出・合成反応の終了をpH測定部に
よるpH値測定に基づいて判定すべく構成したことによ
って、析出・合成反応の終了を勘に頼ることなく確実に
判定することができるので、どのような条件下における
アパタイト−繊維複合体合成作業であっても、歩留まり
よく、確実に合成を行うことができる。
【0117】 攪拌翼の攪拌回転数を少なくとも2段
階に切替可能とし、2次反応時の回転数を抑えることに
よって、析出・合成したアパタイトの損傷を防止すると
ともに、反応液中での合成反応を確実に行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアパタイトシート用繊維合成装置
の概略説明図である。
【図2】アパタイトシート製造の工程フローチャートで
ある。
【図3】抗菌シートを積層抄紙したアパタイトシートの
断面図である。
【図4】アパタイト−繊維複合体の合成状体説明図であ
る。
【符号の説明】
A アパタイトシート用繊維合成装置 1 反応槽 2 ヒーター 3 攪拌機 4 水供給器 41 給水ポンプ 42 給水タンク 43 送水管 5 カルシウム成分供給器 51 送給ポンプ 52 カルシウム成分タンク 53 カルシウム成分送給管 6 リン酸溶液供給器 61 送給ポンプ 62 リン酸溶液タンク 63 リン酸溶液送給管 7 アルカリ溶液供給器 71 定量ポンプ 72 アルカリ溶液タンク 73 アルカリ溶液送給管 8 繊維供給器 9 pH測定部 93 循環配管 10 判定部 11 温度制御部 B 蒸気流入バルブ 12 蒸気発生装置 m 駆動モータ 13 攪拌翼 14 モータ用配線 15 入力配線 16 出力配線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L055 AA01 AF09 AF10 AF33 AF44 AF47 AG03 AG06 AG28 AH21 AJ01 BE08 BE10 FA02 FA21 GA27

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維表面にアパタイトを結晶化・付着さ
    せたアパタイト−繊維複合体と、抗菌性繊維を配合して
    抄紙し、シート状としたことを特徴とするアパタイトシ
    ート。
  2. 【請求項2】 繊維表面にアパタイトを結晶化・付着さ
    せたアパタイト−繊維複合体と、無機系抗菌剤を配合し
    て抄紙し、シート状としたことを特徴とするアパタイト
    シート。
  3. 【請求項3】 繊維表面にアパタイトを結晶化・付着さ
    せたアパタイト−繊維複合体を抄紙して形成したアパタ
    イトシートの片面または両面に機能繊維を配合したシー
    トを積層したことを特徴とするアパタイトシート。
  4. 【請求項4】 前記機能繊維が抗菌性繊維であることを
    特徴とする請求項3記載のアパタイトシート。
  5. 【請求項5】 繊維表面にアパタイトを結晶化・付着さ
    せたアパタイト−繊維複合体を抄紙して形成したアパタ
    イトシートに抗菌剤を含浸または塗布して乾燥させたこ
    とを特徴とするアパタイトシート。
  6. 【請求項6】 前記抗菌剤が無機系抗菌剤であり、無機
    系抗菌剤を分散させた溶液をアパタイトシートに含浸、
    または、塗布したことを特徴とする請求項5記載のアパ
    タイトシート。
  7. 【請求項7】 前記アパタイト−繊維複合体が、アパタ
    イトの湿式合成段階で繊維を投入し、繊維表面にアパタ
    イトを結晶化・付着させて形成されたことを特徴とする
    請求項1〜6のいずれか1項に記載のアパタイトシー
    ト。
  8. 【請求項8】 アパタイトの湿式合成段階で繊維と無機
    系抗菌剤とを投入し、繊維表面にアパタイトを結晶化・
    付着させるとともに、無機系抗菌剤を付着させながら抗
    菌剤−アパタイト−繊維複合体を形成して抄紙し、シー
    ト状としたことを特徴とするアパタイトシート。
  9. 【請求項9】 温度制御付ヒーターと攪拌機とを備えた
    反応槽に、水供給器と、カルシウム成分供給器と、リン
    酸溶液供給器と、アルカリ溶液供給器と、繊維供給器と
    を配設するとともに、反応槽内のpH値を測定するpH
    測定部と、同pH測定部による測定値に基づいてアルカ
    リ溶液の供給量を調節する判定部を有することを特徴と
    するアパタイトシート用繊維合成装置。
  10. 【請求項10】 前記判定部が、反応槽内のpH値の変
    動終息状態をアパタイト合成反応終了と判定することを
    特徴とする請求項9記載のアパタイトシート用繊維合成
    装置。
  11. 【請求項11】 前記攪拌機が攪拌翼を有し、同攪拌翼
    を回転させることにより反応槽内を攪拌する攪拌機であ
    って、攪拌翼の攪拌回転数を少なくとも2段階に切替可
    能としたことを特徴とする請求項9または請求項10記
    載のアパタイトシート用繊維合成装置。
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