JP2000170069A - 不織布の製造方法及び不織布 - Google Patents

不織布の製造方法及び不織布

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JP2000170069A
JP2000170069A JP35131998A JP35131998A JP2000170069A JP 2000170069 A JP2000170069 A JP 2000170069A JP 35131998 A JP35131998 A JP 35131998A JP 35131998 A JP35131998 A JP 35131998A JP 2000170069 A JP2000170069 A JP 2000170069A
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fibers
fiber
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novoloid
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Tamemaru Ezaki
為丸 江嵜
Kazuo Matsuda
一男 松田
Junichi Taniguchi
純一 谷口
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、以上の問題を鑑み、低目付
で均質性の高い不織布を効率的かつ安定に供給できる不
織布の製造方法及び不織布を提供することにある。 【解決手段】 ノボロイド系繊維(A成分)を含む不織
布を製造するに際し、A成分と分解及び/又は溶解除去
可能な繊維(B成分)を併用して不織布を製造し、得ら
れた不織布からB成分を除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ノボロイド系繊維を用
いた不織布の製造方法及び不織布に関する。
【0002】
【従来の技術】ノボロイド系繊維は、ベークライトの原
料であるフェノ−ルレジンを溶融紡糸して得られる有機
繊維であり、高度の防炎性能を有していることからアス
ベスト代替をはじめ各種産業用材料として用いられると
ともに、炭素繊維材料となることから多岐にわたる用途
展開がはかられている。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】しかしながら、ノボ
ロイド系繊維は繊維強度が低く、カード通過性を良好に
するだけの捲縮を付与するのが難しい問題があった。そ
のため、繊維間の絡合が不十分となるため通常の乾式不
織布製造用のカード機では効率的に生産できず、通常の
ポリエステル繊維不織布の製造条件(生産速度、原綿供
給量等)の半分以下とする必要があった。設備に改良を
加えることも行われているが、コスト高になるのみでな
く不織布の品質改善はいまだ不十分であり、特に目付が
小さく(薄く)均質な不織布を製造することは極めて困
難であることから、現在、厚手のフェルト状物がかろう
じて製造されているのが現状である。本発明の目的は、
以上の問題を鑑み、低目付で均質性の高い不織布を効率
的かつ安定に供給できる不織布の製造方法及び不織布を
提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1) ノボ
ロイド系繊維(A成分)を含む不織布を製造するに際
し、A成分と分解及び/又は溶解除去可能な繊維(B成
分)を併用して不織布を製造し、得られた不織布からB
成分を除去するノボロイド不織布の製造方法、(2)
ノボロイド系繊維(A成分)を含む不織布を製造するに
際し、A成分と分解及び/又は溶解除去可能な繊維(B
成分)を併用して不織布を製造し、得られた不織布から
B成分を除去する前又は除去した後にノボロイド系繊維
を焼成させる不織布の製造方法、(3) B成分が水中
溶解温度90℃以下のポリビニルアルコ−ル系繊維であ
る(1)又は(2)に記載の不織布の製造方法。(4)
B成分が分解及び/又は溶解除去可能なポリエステル
系繊維である(1)又は(2)に記載の不織布の製造方
法。(5) ノボロイド系繊維と分解及び/又は溶解除
去可能な繊維からなる不織布、(6) ノボロイド系繊
維を含み、かつ該ノボロイド系繊維が焼成されている絡
合不織布、に関する。
【0005】本発明に用いられるノボロイド系繊維は、
ベ−クライトの原料であるフェノ−ルレジンを溶融紡糸
して得られるものをいい、具体的には日本カイノ−ル株
式会社製「カイノ−ル」等が好適に使用できる。ノボロ
イド系繊維の好適な製造方法は、たとえばフェノ−ルレ
ジンを溶融紡糸した後硬化反応を生じさせ、次いで中和
・水洗する方法が挙げられる。ノボロイド繊維の一般的
な繊維性能は、繊維強度は乾燥時で1.4〜1.8g/
d、湿潤時で1.2〜1.6g/dであり、伸度は30
〜70%程度である。通常、合成繊維は機械捲縮工程等
により捲縮を付与できるが、ノボロイド系繊維は、機械
的強度及び耐摩耗性が極めて低く、捲縮付与工程で大き
な損傷を受けるため、高度に捲縮を付与することが困難
であった。そのため、従来は高品位の不織布を製造する
ことが困難であったが、本発明においてはノボロイド系
繊維に高度に捲縮を付与することなく高品位の不織布を
効率的に製造できる。
【0006】A成分の繊維性能を保持するためには捲縮
数は少ない方が好ましく、繊維性能を保持する点からは
5個/in以下、さらに4個/in以下とするのが好ま
しい。また捲縮率は5%以下、特に3%以下とするのが
好ましい。捲縮数及び捲縮率はJIS−L−1015−
7.12.1及び7.12.2の方法により測定でき
る。また加工性及び不織布性能の点からはA成分の単繊
維デニ−ルは1〜5d程度、繊維長は30〜80mm程
度が好ましい。かかるノボロイド系繊維と、分解及び/
又は溶解除去可能な繊維(B成分)を併用して不織布を
製造し、得られた不織布からB成分を除去することによ
り効率的かつ安定にノボロイド不織布を製造できる。
【0007】分解及び/又は溶解除去可能な繊維(B成
分)としては、A成分に実質的に悪影響を与えることな
く除去できるものであれば特に限定されず、溶剤や水
(温水)により除去可能な繊維が挙げられる。A成分の
繊維性能を損なうことなく不織布を製造する点からは、
B成分のヤング率は10〜400g/d、強度は3g/
d以上、特に5〜8g/d程度であるのが好ましく、製
造工程通過性から捲縮が付与されているのが好ましい。
具体的には捲縮数3〜15個/in、捲縮率3〜15
%、捲縮弾性率1〜8%の範囲であるのが好ましい。ま
た加工性及び不織布性能の点からはB成分の単繊維デニ
−ルは1〜5d程度、繊維長は30〜80mm程度が好
ましい。
【0008】A成分に与える影響が小さくまた工程性に
優れていることから、水中溶解温度90℃以下の繊維、
アルカリ水溶液で除去可能なポリエステル繊維、酸に弱
い繊維(綿、麻、絹、ウール等の天然繊維、レーヨン等
の再生繊維等)等が好適に使用できる。なかでも90℃
以下、好ましくは30〜70℃の水に溶解可能な繊維又
はアルカリ水溶液で除去可能なポリエステル繊維を使用
するのが好ましい。
【0009】水溶性繊維としては、水中溶解温度90℃
以下のポリビニルアルコ−ル系繊維(PVA系繊維)が
好ましい。水溶性PVA系繊維としては、PVA水溶液
を紡糸原液として乾式紡糸、湿式紡糸、乾湿式紡糸して
得られる従来公知の繊維(水系PVA系繊維)を用いる
ことができるが、特に機械的性能が高くかつ水溶解性に
優れていることから、PVAを有機溶剤に溶解したもの
を紡糸原液とし、これを紡糸して得られる繊維(有機溶
剤系PVA系繊維)を用いるのがより好ましい。有機溶
剤系PVA系繊維は、不織布化の妨げとなる芒硝等の物
質が多量に付着しておらず、しかも水に対する溶解性が
高く強度に優れたものである。そのため効率的に除去す
ることができ、また除去処理後に残留カス等が残存しに
くく優れた効果が得られる。さらに有機溶剤系PVA系
繊維は、機械的性能を損うことなく効率的に捲縮を付与
できるために良好なカード通過性が得られ、本発明にお
いて特に顕著な効果が得られる。
【0010】具体的には、水中溶解温度Tが0〜100
℃、水中最大収縮率20%以下、引張強度3g/d以
上、灰分1%以下、20℃相対湿度93%での寸法変化
率S%が下記式を満足するPVA系繊維が好ましい。 0≦T≦50のとき S≦6−(T/10) 50<T≦100のとき S≦1 好適な有機溶剤系PVA系繊維の製造方法としては、P
VA系ポリマ−を有機溶剤に溶解して得られた紡糸原液
を、該ポリマ−に対して固化能を有する有機溶媒を主体
とする固化浴(固化溶媒)に湿式紡糸又は乾湿式紡糸
し、得られた糸篠に2〜8倍の湿延伸を施し、該固化溶
媒により原液溶媒を繊維から抽出後乾燥し、必要に応じ
て乾熱延伸し、次いで80〜250℃でかつ多段の条件
下で3〜40%の乾熱収縮処理を行い、乾燥条件下で捲
縮を付与する方法が挙げられる。
【0011】好適に使用できるPVA系ポリマーとして
は、繊維化後0〜100℃の水に溶解するPVA系ポリ
マーが挙げられる。PVA系ポリマーの平均重合度は、
特に限定されないが、水中溶解温度、紡糸性、コスト等
の点から100〜3500の範囲、特に300〜300
0の範囲が好ましく、特に好ましくは700〜2500
の範囲とする。PVA系ポリマ−は他のユニットにより
共重合されていてもよく、水中溶解温度、寸法安定性等
の点から変性率0〜20モル%のものが好ましい。変性
ユニットとしては、エチレン、アリルアルコール、イタ
コン酸、アクリル酸、無水マレイン酸とその開環物、ア
リールスルホン酸、ピバリン酸ビニルの如く炭素数が4
以上の脂肪酸のビニルエステル、ビニルピロリドン、及
び上記イオン性基の一部または全量を中和した化合物な
どが例示できる。変性ユニットの導入法は共重合による
方法でも、後反応による導入方法でも良い。また変性ユ
ニットのポリマー鎖内での分布はランダムでもブロック
でもグラフトでも特に限定はない。
【0012】水中溶解温度0〜60℃の繊維を得たい場
合には、部分ケン化PVAを用いるのが好ましく、ケン
化度96モル%以下のものがより好ましく、繊維間の膠
着を防止し、かつ繊維の寸法安定性等を保持する点から
はけん化度80モル%以上とするのが好ましい。水中溶
解温度60〜100℃の繊維を得たい場合には、けん化
度96〜99.5モル%のPVA系ポリマ−を用いるの
が好ましい。
【0013】PVA系繊維に捲縮する方法は特に限定さ
れない。たとえば特公平6−33523号公報に開示さ
れているように、延伸された繊維を40〜70℃の温水
にて予熱したのち捲縮を付与し、次いで80℃以下で熱
処理を施す方法や、延伸熱処理されたトウ状繊維束を繊
維温度が50℃以上180℃以下の条件で乾熱状態で予
熱し、その後スタッフィングボックス付のニップロ−ラ
−に挟み込み、圧力をかけて捲縮をかけ、その後捲縮形
状を保持したまま、40℃以下の温度で冷却熱処理する
方法が挙げられる。しかしながら、低温水溶解性PVA
系繊維を用いる場合には前者の方法は採用できないた
め、後者の方法を採用するのが好ましい。かかる方法を
採用することにより、ヤング率10〜400g/d,強
度7g/d以上、捲縮率5〜15個/in、捲縮率5〜
15%、捲縮弾性率1〜8%のPVA系繊維を効率的に
製造できる。
【0014】またB成分として分解及び/又は溶解除去
可能なポリエステル系繊維を用いることができ、具体的
にはアルカリ水溶液で除去可能なポリエステル繊維が挙
げられる。アルカリ水溶液で除去可能なポリエステル繊
維とは、アルカリ溶液に対して易溶解性又は易分解性の
ポリエステル繊維(以下、単に易アルカリ溶解性ポリエ
ステル繊維を称す場合がある)であり、本発明にいうア
ルカリとはKOH溶液及び/又はNaOH溶液をいう。
たとえばNaOH濃度40g/リットル、温度95℃の
アルカリ溶液に浸漬した際の減量率を指標とすることに
より、アルカリ溶解性を評価することができる。
【0015】易アルカリ溶解性ポリエステルとしては、
エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポ
リエステルが好ましく、さらにポリアルキレングリコー
ルを共重合あるいはブレンドしたポリエステル、5―ス
ルホイソフタル酸等の金属スルフォネート基を含有した
ポリエステル、金属スルフォネート基含有ポリエステル
と他のポリエステルとのブレンド体、金属スルフォネー
ト基含有イソフタル酸とポリアルキレングリコールと分
岐鎖を有するポリアルキレングリコールを共重合したポ
リエステル等を挙げることができる。
【0016】また脂肪族ポリエステルもアルカリ減量速
度が速いことから好適に使用できる。好適な脂肪族ポリ
エステルとしては、たとえばコハク酸、マレイン酸、ブ
タル酸、アジピンギ酸、ピメリン酸、ヌベリン酸、分岐
を有する脂肪族カルボン酸等から選ばれる1種以上の組
み合せからなるカルボン酸と、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオー
ル、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、プロピレン
グリコール等から選ばれる1種以上のジオールから得ら
れるポリエステル等が挙げられる。更にアルカリ減量速
度を速くするために、5―スルホイソフタル酸、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ペンタ
エリスリトール、アルキレンオキサイドブロックを有す
るグリシジルエーテル、ポリヒドロキシブチレート、ポ
リヒドロキシブチレート/バリレート・ポリ(―カプロ
ラクトン)、ポリl―乳酸、ポリブチレンサクシネート
等を共重合してなる脂肪族ポリエステルを用いてもかま
わない。またポリアルキレングリコールや上記に挙げた
ような易アルカリ溶解性ポリエステルをブレンドしたポ
リエステルも易アルカリ溶解性ポリエステルとして好適
に使用できる。
【0017】乾式不織布の具体的な製造方法は特に限定
されないが、たとえばA成分及びB成分を混繊し、混打
綿工程、カード工程、絡合工程、巻上げ工程を通過させ
ることにより製造できる。その形態はランダムウエブで
あってもクロスウエブであってもよく、具体的にはロー
ラーカード、クロスラッパー、ランダムウエバー等によ
り製造すればよい。A成分とB成分の配合比は、加工性
及び不織布性能の点から50:50〜95:5、特に6
0:40〜90:10(重量比)とするのが好ましい。
勿論、本発明の効果を損わない範囲であれば、他の繊維
を併用しても構わないし、顔料、紫外線吸収剤等の配合
物が含まれていてもかまわない。本発明の効果をより顕
著に得るためには、B成分を除去した後の不織布の30
重量%以上、特に70重量%以上、さらに80重量%以
上がノボロイド系繊維であるのが好ましい。A成分とB
成分はどのような形態で併用して製造してもかまわず、
不織布中においてA成分とB成分が均一に存在していて
も、不均一に存在していてもかまわない。工程性及び不
織布性能の点からはA成分とB成分が実質的に均一に存
在するように製造するのが好ましい。
【0018】B成分を除去した後の不織布の形態安定
性、機械的性能等の点からは絡合処理を施して絡合不織
布とするのが好ましく、後にB成分を除去する場合には
絡合状態を予め強固にしておくのがより好ましい。勿
論、B成分を除去した後に絡合処理を施してもかまわな
いし、場合によってはB成分除去前及び除去後の複数回
施しても構わない。具体的な絡合処理としては、水流絡
合法及びニードルパンチ法等が挙げられ、なかでも水流
絡合法が好ましい。水流絡合処理を行う場合には、たと
えばノズル径0.03〜0.3mm(特に0.09〜
0.2mmと)、ピッチ0.15〜5mm(特に0.5
〜1.5mm)のノズルを1〜3列に配列したノズルプ
レートを用いるのが好ましく、水圧10〜500kg/
cm2の水流で1回又は複数回処理する方法が好適に挙
げられる。製造工程性、不織布性能の点から、B成分除
去前の不織布の目付は80〜300g/m2程度、強力は
5kg/25mm以上、裂断長1.5km以上とするの
が好ましい。
【0019】得られた不織布をそのまま製造することも
できるが、B成分を除去することによりノボロイド繊維
の性能が顕著に奏され優れた効果が得られる。このとき
B成分を完全に除去する必要はないが、A成分の特徴を
生かすという点からはB成分を実質的に除去する(好ま
しくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以
上を除去する)のが好ましい。除去方法はB成分によっ
て適宜選択して実施すれば良い。たとえば水溶性繊維を
用いている場合には適当な水温を有する水で処理すれば
よい。またアルカリ処理を行う場合には、たとえば所定
の濃度、温度のアルカリ性溶液に浸漬すればよい。アル
カリ性溶液は水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、リ
ン酸三ナトリウム等の強アルカリ溶液が好ましく、工程
性等の点から20〜100℃、2〜60g/リットルの
NaOH水溶液等に数分〜数時間浸漬する方法が好適に
挙げられる。
【0020】本発明によれば、A成分に実質的に捲縮加
工を施すことなく不織布を製造でき、製造工程での不織
布切れが防げるためにカード条件等を穏やかにすること
なく(生産性を低下させることなく)所望の不織布を効
率的に製造でき、また捲縮等により繊維性能が損なわれ
ないため高品位の不織布が得られる。さらに従来、強力
の点から厚手の不織布しか得られなかったが、本発明に
よれば低目付の不織布(具体的には150g/m2
下、特に30〜120g/m2)を製造できる。不織布
性能の点からは、B成分除去後の強力は0.5kg/2
5mm以上、裂断長0.3km以上、特に強力は1kg
/25mm以上、裂断0.8km以上であるのが好まし
い。
【0021】かかる方法により得られた不織布は諸性能
に優れたものであるが、さらに所望によりノボロイド系
繊維を焼成して炭素繊維とした炭素不織布を製造するこ
ともできる。焼成はB成分除去前に施してもかまわない
が、不織布性能等の点からはB成分除去後に行うのが好
ましい。ノボライド系繊維からなる炭素繊維を用いて不
織布を製造する場合、繊維が一層脆くなっているため工
程性が不良となるが本発明の方法によればかかる問題は
生じない。焼成方法は特に限定されないが、たとえば得
られた不織布を不活性ガス中で1〜20時間程度高温処
理してノボロイド系繊維を炭素繊維とする方法が挙げら
れる。高温処理の温度は700℃以上、さらに800〜
2800℃、特に850〜950℃とするのが好まし
く、不活性ガスとしては窒素ガスを用いるのが好まし
い。このとき予め不織布を高温(好ましくは200〜3
00℃)の熱風炉の中で酸化させた後に焼成するのが好
ましい。また炭素不織布を賦活化して活性炭素不織布と
してもかまわない。具体的には水蒸気、二酸化炭素、空
気等の酸化性ガスを導入して賦活させる方法が挙げられ
る。ガスの温度は500℃以上、特に600〜1000
℃とするのが好ましい。これら処理方法はバッチ式でも
連続式でもかまわない。
【0022】本発明により得られる不織布はあらゆる用
途に使用でき、たとえば耐熱性を生かした耐熱服、保護
手袋、安全保護具、防護シ−ト等の防護材、フィルタ
ー、リリースクロス、自動車用、家電製品用等に用いら
れる断熱シート、電器絶縁シート等に好適に使用でき
る。なかでも活性炭不織布としたものは、電極(キャパ
シタ等)、ガス吸収体等の用途に好適に使用でき、特に
電極に好適である。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれにより何等限定されるものではな
い。 [水中溶解温度 ℃]試料(糸)を針金などからなるフ
ックに吊り下げ、該試料に2mg/d相当の荷重をかけ
てビ−カ−内に設置し、試料が長さ5〜10cm程度浸
漬するまで5℃の水を注ぎ入れる。次いでビ−カ−を約
2℃/minの条件で昇温し、試料が溶解して破断し、
荷重とともに落下したときの水温を水中溶解温度とし
た。 [強度 g]JIS−L−1095−7.5.1に準じ
て測定した。 [捲縮数 個/in、捲縮率 %、捲縮弾性率]それぞ
れJIS−L−1015−7.12.1,JIS−L−
1015−7.12.2,JIS−L−1015−7.
12.3に準じて測定した。
【0024】[不織布強力 kg/25mm、裂断長
Km]不織布の加工方向(MD方向)について、JIS
―L−1913―6.3.1に準じて不織布強力を測定
し、裂断長は、((不織布強力kg/25mm)×2
5)/(目付 g/m2)により算出した。
【0025】[実施例1]重合度1170、ケン化度9
8.5モル%のPVAをDMSOに溶解した20重量%
溶液を紡糸原液とし、メタノ−ルを固化浴としてノズル
から吐出・紡糸し、5倍に湿延伸した後乾燥して繊維を
製造した。次いで130℃に乾熱予熱後捲縮を付与し、
繊維長51mmにカットして原綿とした。繊維の捲縮数
は6.2、捲縮率は8.9%、水中溶解温度60℃、単
繊維デニール1.2d、強度8.3g/dであった。該
PVA系繊維35重量%と捲縮数3.0個/in、捲縮
率2.0%のノボロイド系繊維(日本カイノ−ル株式会
社製「カイノ−ル」 2.2デニール×40mm、強度
1.5g/d)65重量%を混繊した原綿をカード工程
に供して下記の条件で150g/m2の不織布を製造し
た。工程通過性は良好であった。
【0026】 混打綿工程: ホッパーミキサー 2.5m/分 シリンダーオープナー 16回/インチ(ビーター打数) シングルビーター 17回/インチ(ビーター打数) ラップマシン 11オンス/ヤード カード工程: テーカイン 350回転/分 シリンダー 180回転/分 ドッファー 10回転/分 量目 150g/m2
【0027】得られた不織布を水流絡合機にて、表側及
び裏側から水圧20〜80kgcm2の条件で絡合処理
した後、低温にて乾燥した。得られた不織布の強力は7
kg/25mm,裂断長は2.1kmであった。その
後、浴比1:50、100℃×20分間熱水中に浸漬し
て煮沸してPVA系繊維を溶解除去した。その後乾燥し
て目付100g/m2のノボロイド系不織布を製造した。
得られたノボロイド系不織布の強力は1.8kg/25
mm,裂断長は1.1kmであり、均質で高品位の不織
布であった。製造工程性は良好であり不織布に破れ等は
生じなかった。
【0028】[実施例2]実施例1で使用した水溶性ポ
リビニルアルコール系繊維30重量%とノボロイド系繊
維70重量%を混繊した原綿を実施例1と同様の不織布
製造工程に供して目付100g/m2の不織布を製造し
た。該不織布の強力は7.4kg/25mm,裂断長は
2kmであった。次いでPVA系繊維を溶解除去後、目
付70g/m2のノボロイド系不織布を製造した。得られ
たノボロイド系不織布の強力は1.8kg/25mm,
裂断長は1.1kmであり、均質で高品位の不織布であ
った。また製造工程性は良好であり不織布に破れ等は生
じなかった。
【0029】[実施例3]実施例1で使用した水溶性ポ
リビニルアルコール系繊維30重量%とノボロイド系繊
維70重量%を混繊した原綿を実施例1と同様にカード
工程を通過させた後、ニードルパンチ機にて絡合処理を
施して目付170g/m2の不織布を製造した。該不織布
の強力は7.4kg/25mm,裂断長は2kmであっ
た。次いでPVA系繊維を溶解除去後、目付90g/m2
のノボロイド系不織布を製造した。得られたノボロイド
系不織布の強力は1kg/25mm,裂断長は0.5k
mであり、均質で高品位の不織布であった。また製造工
程性は良好であり不織布に破れ等は生じなかった。
【0030】[実施例4]B成分として易アルカリ減量
性ポリエステル系繊維(株式会社クラレ製 スルホイソ
フタル酸ソジウム5モル%共重合ポリエチレンテレフタ
レート繊維 1.6d×38mm、捲縮数11.0%、
捲縮率13.0、強度4.8g/d)を用い、A成分及
びB成分の配合量をそれぞれ30重量%、70重量%と
した以外は実施例1と同様にノボロイド系不織布を製造
した。B成分除去前の不織布の強力は8kg/25m
m,裂断長は2.2kmであり、B成分除去後のノボロ
イド系不織布の強力は1.4kg/25mm,裂断長は
1kmであり、均質で高品位の不織布であった。また製
造工程性は良好であり不織布に破れ等は生じなかった。
【0031】[比較例1]捲縮数10個/in、捲縮率
7%のノボロイド系繊維のみを用いて実施例1と同様に
150g/m2の不織布を製造しようとしたが、工程通
過性が低く破れ等が生じて所望の不織布は得られなかっ
た。
【0032】[実施例5〜8]実施例1〜4で得られた
ノボロイド系不織布を250℃の熱風炉で酸化処理し、
次いで電器熱処理機において800℃窒素雰囲気中で1
0時間熱処理を行ってノボロイド系繊維を焼成して炭素
不織布を製造した。得られた不織布は均一性に優れ耐熱
性等の諸性能に優れたものであり、特にキャパシタの電
極として優れた性能を奏するものであった。
【0033】[比較例2]比較例1で得られた不織布を
用いて、実施例5と同様に炭素不織布を製造した。得ら
れた不織布は均一性が低く、実用に耐えるものではなか
った。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノボロイド系繊維(A成分)を含む不織
    布を製造するに際し、A成分と分解及び/又は溶解除去
    可能な繊維(B成分)を併用して不織布を製造し、得ら
    れた不織布からB成分を除去するノボロイド不織布の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 ノボロイド系繊維(A成分)を含む不織
    布を製造するに際し、A成分と分解及び/又は溶解除去
    可能な繊維(B成分)を併用して不織布を製造し、得ら
    れた不織布からB成分を除去する前又は除去した後にノ
    ボロイド系繊維を焼成させる不織布の製造方法。
  3. 【請求項3】 B成分が水中溶解温度90℃以下のポリ
    ビニルアルコ−ル系繊維である請求項1又は請求項2に
    記載の不織布の製造方法。
  4. 【請求項4】 B成分が分解及び/又は溶解除去可能な
    ポリエステル系繊維である請求項1又は請求項2に記載
    の不織布の製造方法。
  5. 【請求項5】 ノボロイド系繊維と分解及び/又は溶解
    除去可能な繊維からなる不織布。
  6. 【請求項6】 ノボロイド系繊維を含み、かつ該ノボロ
    イド系繊維が焼成されている絡合不織布。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7815887B2 (en) 2000-10-11 2010-10-19 Carl Freudenberg Kg Conductive nonwoven fabric
US7947347B2 (en) 2004-07-20 2011-05-24 Kurashiki Bosek Kabushiki Kaisha Vacuum heat insulator

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