JP2000169813A - ポリエステル繊維とゴムとの接着用接着剤組成物 - Google Patents

ポリエステル繊維とゴムとの接着用接着剤組成物

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JP2000169813A
JP2000169813A JP10349749A JP34974998A JP2000169813A JP 2000169813 A JP2000169813 A JP 2000169813A JP 10349749 A JP10349749 A JP 10349749A JP 34974998 A JP34974998 A JP 34974998A JP 2000169813 A JP2000169813 A JP 2000169813A
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修二 ▲高▼橋
Shuji Takahashi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温度処理においてもポリエステル繊維とゴ
ムとの良好な接着性が得られる接着剤組成物の提供。 【解決手段】 (a)レゾルシン(R)・ホルマリン
(F)初期縮合物(RF)とゴムラテックス(L)の水
系混合液並びに(b)常温で固体であり、エポキシ当量
が300以下でかつ実質的に水に不溶なエポキシ樹脂の
実質的に有機溶剤を含まない水分散液とを含んでなる接
着剤組成物であって、ゴムラテックス(L)として、カ
ルボキシル変性ビニルピリジン・ブタジエン・スチレン
三元共重合体ラテックスを固形分として全ゴムラテック
ス(固型分)中の少なくとも20重量%含んでなるポリ
エステル繊維とゴムとの接着用接着剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイヤ、コンベア
ベルトホースなどのゴムをポリエステル繊維で補強した
ゴム複合製品の製造などに使用するポリエステル繊維と
予じめ一浴処理(又は一段処理)で処理するのに用いる
ポリエステル繊維とゴムとの接着用接着剤組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維とゴムとの接着は、従
来エポキシやブロックドイソシアネートで予めポリエス
テル繊維を処理した後、更にレゾルシン・ホルムアルデ
ヒド初期縮合物とゴムラテックスの水系混合液(RF
L)等で処理したり、またはp−クロルフェノール・レ
ゾルシン・ホルムアルデヒド縮合物やアリルヒドロキシ
フェニルエーテル・レゾルシン・ホルムアルデヒド縮合
物を含む水溶液で処理したのちに、RFL処理を施すと
いった所謂二浴処理を適用していたが、かかる接着方法
は生産性が悪く、また接着力も必ずしも高くないという
問題があった。
【0003】そこで、一浴処理でポリエステル繊維とゴ
ムとを接着させる接着剤が開発され、例えば特開平8−
302317号公報にはレゾルシンホルマリン初期縮合
物とゴムラテックスの水系混合液並びに常温で固体であ
り、エポキシ当量が300以下、かつ実質的に水に不溶
なエポキシ樹脂(例えばクレゾールノボラックエポキシ
樹脂)の実質的に有機溶剤を含まない水分散液を含んで
なる一浴処理に用いられる繊維とゴムとの接着剤組成物
として開示されている。また特開平10−46475号
公報には、ポリエステル繊維を芳香族ポリエポキシド化
合物、ブロックドポリイソシアネート及びレゾルシンホ
ルマリンゴムラテックス(RFL)を含む処理剤でポリ
エステル繊維を処理する方法が記載されている。しかし
ながら、これらの配合では、接着の処理温度依存性が高
く、低温処理では充分な接着が得られないという問題が
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、前記した従来技術の問題点を排除して、低温度にお
いて処理した場合にも高温度で処理したのと同様のポリ
エステル繊維とゴムとの接着性を得ることができるポリ
エステル繊維とゴムとの接着用接着剤組成物を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、(a)
レゾルシン(R)・ホルマリン(F)初期縮合物(R
F)とゴムラテックス(L)の水系混合液並びに(b)
常温で固体であり、エポキシ当量が300以下でかつ実
質的に水に不溶なエポキシ樹脂の実質的に有機溶剤を含
まない水分散液とを含んでなる接着剤組成物であって、
ゴムラテックス(L)として、カルボキシル変性ビニル
ピリジン・ブタジエン・スチレン三元共重合体ラテック
スを固形分として全ゴムラテックス(固型分)中の少な
くとも20重量%含んでなるポリエステル繊維とゴムと
の接着用接着剤組成物が提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明では、(a)レゾルシン
(R)・ホルマリン(F)初期縮合物(RF)と、カル
ボキシル変性ビニルピリジン・ブタジエン・スチレン三
元共重合体ラテックスを全ゴムラテックス中の少なくと
も20重量%含むゴムラテックス(L)の水系混合液並
びに(b)常温で固体であり、エポキシ当量が300以
下でかつ実質的に水に不溶なエポキシ樹脂の実質的に有
機溶剤を含まない水分散液とからなる接着剤組成物を用
いてポリエステル繊維を例えば温度215〜230℃で
一段処理し、従来のように230℃超の高温熱処理する
ことなく、次に例えば未加硫ゴムに埋設し加硫して一体
化することにより優れた接着性でポリエステル繊維とゴ
ムを接着させることができる。
【0007】RFLに用いられるレゾルシン(R)・ホ
ルムアルデヒド(F)初期縮合物(RF)は、既に広く
使用されており、レゾルシンとホルマリン水溶液を水に
溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカ
リ金属水酸化物を触媒として反応させたレゾール型、又
はシュウ酸、塩酸等の酸性触媒下で反応させたノボラッ
ク型があるが、本発明ではいずれのものも用いることが
できる。本発明で用いるRFLにはレゾルシン(R)と
ホルムアルデヒド(F)の配合モル比(F/R)には特
に限定はないが好ましくは1.0〜3.0であり、更に
好ましくは1.5〜2.5である。この比が低すぎると
接着層の架橋性が低くなり、接着力が低下するおそれが
ある。また、逆に高過ぎると接着層の架橋性が高くなり
すぎて脆くなりやすく、接着性が低下するおそれがあ
り、また処理液の経時安定性も影響を受けやすくなる。
ノボラック型の初期縮合物としては、住友化学工業
(株)製のスミカノール700や保土ヶ谷化学工業
(株)製のアドハ−RFなどが市販されている。これら
のノボラック型RF樹脂を用いる場合には、水に溶解す
るために、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアル
カリ金属水酸化物を少量添加する。また、通常これらの
ノボラック型RF樹脂を用いる場合には、ホルマリン水
溶液を後添加する。
【0008】本発明の接着剤組成物に用いるゴムラテッ
クス(L)は、前述の如く、固形分として全ゴムラテッ
クス中に少なくとも20重量%以上、好ましくは30〜
75重量%のカルボキシル変性ビニルピリジン・ブタジ
エン・スチレン三元共重合体を用いることが必要であ
る。このカルボキシル変性ビニルピリジン・ブタジエン
・スチレン三元共重合体のラテックスは、例えば日本ゼ
オン(株)よりLX603などとして市販されている。
このカルボキシル変性三元共重合体は、ビニルピリジ
ン、エチレン性不飽和カルボン酸、共役ジエン系単量体
(ブタジエン)及びスチレン又はその誘導体を乳化共重
合することによって得られる共重合体ラテックスであ
る。
【0009】ピリジル基を導入するために使用されるビ
ニルピリジンとしては2−ビニルピリジンが好ましいが
3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−メチル
−5−ビニルピリジン、5−エチル−2−ビニルピリジ
ンなどの1種またはそれ以上を用いることもできる。ピ
リジル基の含有量は好ましくは共重合体中の7〜26重
量%、更に好ましくは11〜23重量%である。
【0010】カルボキシル基はエチレン性不飽和酸単量
体を共重合することによって三元共重合体ラテックス中
に導入される。エチレン性不飽和酸単量体としては、例
えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮
酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、ブテントリカ
ルボン酸などの不飽和カルボン酸、不飽和ジカルボン酸
のモノアルキルエステル、アクリル酸スルホエチルNa
塩、メタクリル酸スルホプロピルNa塩、アクリルアミ
ドプロパンスルホン酸などの不飽和スルホン酸又はその
アルカリ塩などの1種もしくはそれ以上を使用すること
ができる。カルボキシル基はエチレン性不飽和酸エステ
ル単量体またはエチレン系不飽和酸無水物単量体を共重
合した後に加水分解などによって共重合体に導入しても
よい。
【0011】エチレン性不飽和酸エステル単量体および
エチレン性不飽和酸無水物単量体としてはアクリル酸、
メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、イタコン酸、フ
マル酸、マレイン酸、ブテントリカルボン酸などの不飽
和カルボン酸のモノ、ジ及びトリエステル、マレイン酸
無水物が例示され、これらの1種またはそれ以上を使用
することができる。カルボルキシル基はラテックス粒子
場面にラテックス中の重合体1g当り0.01ミリ当量
以上存在するのが好ましく、更に好ましくは0.02ミ
リ当量以上であり、さらに好ましくは0.05ミリ当量
〜2.5ミリ当量である。
【0012】共役ジエン単量体としては、例えば1,3
−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,
3−ジメチル−1,3−ブタジエン、ハロゲン置換ブタ
ジエンなどの脂肪族共役ジエン系単量体の1種もしくは
それ以上を使用する。共重合体中の共役ジエン系単量体
の含有量は、好ましくは45〜85重量%であり、更に
好ましくは60〜75重量%である。スチレン誘導体と
しては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、2−メ
チルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレ
ン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチ
ルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル
−2−メチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロ
スチレン、モノフルオロスチレン、ヒドロキシメチルス
チレンなどの芳香族ビニル化合物およびエチレン、プロ
ピレン、アクリロニトリル、塩化ビニルなどの脂肪族ビ
ニル化合物などが例示され、これらの1種またはそれ以
上を共重合することができる。
【0013】本発明において使用するゴムラテックス
(L)に配合する前記カルボキシル変性三元共重合以外
のゴムラテックスとしては、例えばビニルピリジン・ス
チレン・ブタジエンターポリマーゴムラテックス、スチ
レン・ブタジエンコポリマーラテックス、天然ゴムラテ
ックス、アクリロニトリルブタジエンゴムラテックス、
クロロプレンゴムラテックスなどをあげることができ
る。
【0014】本発明において使用するゴムラテックス
(L)中には前記カルボキシル変性ビニルピリジン・ブ
タジエン・スチレン三元共重合体が固形分として少なく
とも20重量%以上、好ましくは30〜75重量%含ま
れていることが必要である。この配合量が20重量%未
満では熱処理温度が低いと良好な接着が得られないので
好ましくない。
【0015】本発明に係る接着剤組成物には、更にエポ
キシ樹脂100重量部あたり20〜100重量部のポリ
イソシアネート化合物誘導体、例えばトリレンジイソシ
アネート(TDI)の二量体、あるいはメチルエチルケ
トオキシムブロックメチレンビスイソシアネート、ε−
カプロラクタムブロックメチレンビスイソシアネートな
どを含ませることによって低温熱処理での接着を更に高
めることが出来る。これらの中でもトリレンジイソシア
ネート(TDI)の二量体が接着性の点でより好まし
い。
【0016】本発明において使用するエポキシ樹脂は、
常温で固体であり、エポキシ当量が300以下で、実質
的に水に不溶なエポキシ樹脂で、通常ポリエステル繊維
とゴムとの接着処理に用いられるものである。例えばポ
リオールとエピクロルヒドリンとの反応から得られるエ
ポキシ樹脂は、水溶性であるためにRFLに添加すると
エポキシがRF樹脂と反応し、接着剤のゲル化や接着性
の低下を生ずるので好ましくない。ここで「実質的に水
に不溶な」とは室温にて水90重量部にエポキシ樹脂1
0重量部を溶解した時の溶解度が10%未満であること
をいう。また、非水溶性エポキシ樹脂であっても、常温
で液体、もしくは融点が40℃未満の常温で液状のエポ
キシ樹脂は本発明においては使用できない。更に、本発
明において用いるエポキシ樹脂は、エポキシ当量が30
0以下のものでなければならない。
【0017】本発明において使用するエポキシ樹脂は好
ましくは、常温で固体、例えば融点が40℃以上である
ことが必要である。その理由は、本発明の接着剤組成物
は通常、常温で用いられ、5〜40℃の環境下にさらさ
れる。かかる使用時の温度雰囲気下で液状であるエポキ
シは、本発明者らの検討ではRFLと混合して放置する
ことによりRF樹脂と反応し、接着剤のゲル化や接着低
下をきたすので好ましくない。これは、RF樹脂が水に
溶解しており、エポキシ樹脂が液体状で分散している
と、エポキシ樹脂が固体状態で分散している場合に比較
して反応し易くなるためと推定される。従って、通常の
使用環境温度、例えば40℃未満では熱軟化による液状
化を生じないエポキシ樹脂の選択が必須となる。
【0018】また本発明において使用するエポキシ樹脂
のエポキシ当量は300以下であることが必要である。
なお、ここで「エポキシ当量」とはエポキシ樹脂のエポ
キシ基1個当たりの分子量であり、エポキシ当量が30
0を超えると、実質的に繊維と反応するエポキシ基の数
が少ないために、十分な接着力が得られない。接着性の
観点からエポキシ当量は150〜250であるのがさら
に好ましい。このようなエポキシ樹脂としては、ポリフ
ェノール型エポキシ樹脂類の内、フェノールノボラック
型、クレゾールノボラック型、ハイドロキノン型、臭素
化ノボラック型、キシレン変性ノボラック型、フェノー
ルグリオキザール型、トリスオキシフェニルメタン型、
トリスフェノールPA型、ビスフェノールAノボラック
型のエポキシ樹脂があげられる。接着性や汎用性の点
で、特に好ましいエポキシ樹脂はクレゾールノボラック
型エポキシ樹脂である。
【0019】更に、本発明においては、前記エポキシ樹
脂の水分散液には実質的に有機溶剤が含まれていないこ
とが必要である。通常これらのエポキシ樹脂を水分散す
るために、一度、エポキシ樹脂をトルエン等の有機溶剤
に溶解し、適当な分散剤を用いて水分散化する方法が行
われる。しかし、上記した如く、液状で水の中に分散さ
せた場合にはRF樹脂との反応が起こりやすく、接着力
が低下するという問題がある。また、RFLと混合する
とエポキシ樹脂が凝集沈澱を起こしやすい。
【0020】本発明において、実質的に有機溶剤を含ま
ない水分散を得るのには、公知の方法を用いることが出
来る。例えば、常温で固体状のエポキシ樹脂を熱軟化温
度以上に加熱し、溶融状態とし、熱水と分散剤とを混合
攪拌し、さらに微細化するためにコロイドミルを通し
て、平均粒子径を例えば5μm以下にする。この方法
は、水の沸点以下で溶融するエポキシ樹脂に適用でき
る。また、熱軟化温度が更に高いエポキシ樹脂を用いる
場合には、そのエポキシ樹脂が可溶な有機溶剤を用い
て、エポキシ樹脂を溶解し、水及び分散剤を加えて高剪
断力を持つ攪拌装置にて所定の分散度まで混合攪拌し、
更に、有機溶剤を除去するために、減圧蒸留を行うこと
によって有機溶剤を実質的に含まないエポキシ樹脂の水
分散液が得られる。
【0021】尚、ここで用いる分散剤としては、公知の
非イオン性分散剤または陰イオン性分散剤を用いる。陽
イオン性分散剤を用いることも可能であるが、RFLへ
添加した場合にゲル化を生ずることがあるのであまり好
ましくない。
【0022】本発明に係るエポキシ樹脂水分散液中のエ
ポキシ樹脂の平均分散粒子径は5μm以下であるのが好
ましく、0.1〜4μmであるのが更に好ましい。この
平均粒子径が5μmを超えると水分散液の分散安定性に
劣り、接着剤使用時にエポキシ樹脂が沈降し易く十分な
接着力が得られない場合がある。従って、より安定な接
着を得るには、平均粒子径を5μm以下とするのが好ま
しい。
【0023】本発明の接着剤組成物を適用するポリエス
テル繊維としては、ポリエチレンテレフタレート繊維、
ポリエチレン−2,6ナフタレート繊維等をあげること
ができる。
【0024】RFL水系混合液(a)とエポキシ樹脂の
水分散液(b)の固形分比(b/a)は重量比で好まし
くは15/100(0.15)〜120/100(1.
2)、更に好ましくは20/100(0.20)〜10
0/100(1.0)の範囲である。この値が低過ぎる
と、良好な接着力が得られにくくなり、また、逆に高過
ぎると接着力が低下すると共にコードが硬くなり疲労性
や加工性を低下させる場合がある。
【0025】本発明の接着剤組成物は、接着剤組成物に
含有されるアルカリ金属水酸化物が全接着剤固形分に対
して、0.05〜1.0重量%であるのがより好まし
い。通常RFLを調製する際に、アルカリ金属水酸化物
を用いるが、最終的に接着剤組成物に含有されるアルカ
リ金属水酸化物が1.0重量%を超えると、特に、ポリ
エステル繊維との接着に於いて、アルカリ金属水酸化物
が触媒となってポリエステル繊維の加水分解が起こりや
すくなり、その結果として耐熱接着剤が悪化するおそれ
があるので好ましくない。一方、アルカリ金属水酸化物
の配合量が0.05重量%未満の場合には、特にノボラ
ック型レゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物が水に
溶解しにくくなる傾向にあり、また、RFLの熟成に長
時間が必要となって生産性も低下する傾向にあるので好
ましくない。
【0026】本発明に従った接着剤組成物を繊維に塗布
し乾燥した後の熱処理温度は215℃以上が好ましく、
より好適には220〜235℃である。この熱処理温度
が215℃未満では本接着剤組成物を用いたとしても接
着が低下する傾向にあるのであまり好ましくない。
【0027】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に具体的に
説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定する
ものでないことは言うまでもない。
【0028】標準例、実施例1等10及び比較例1〜4 表Iに示す配合(重量部)の接着液を作成し、この接着
液にポリエチレンテレフタレート繊維タイヤコード(1
500d/2)を浸漬し、130℃で60秒乾燥後、表
Iに示す所定温度で100秒間熱処理した。この処理コ
ードをJISL1017タイヤコード試験法のTテスト
(引き抜き接着試験)及び剥離試験にてゴムとの接着力
を測定した。測定はすべて100℃で行った。また、処
理コードの引張強度(JIS L 1017)を測定し
た。結果を表Iに示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】表Iに示した配合成分は以下の通りであ
る。 Vp(ビニルピリジン・スチレン・ブタジエン三元共重
合体)ラテックス:日本ゼオン製2518FS カルボキシル変性Vp(ビニルピリジン・スチレン・ブ
タジエン三元共重合体)ラテックス:日本ゼオン製LX
603 水分散エポキシ樹脂:クレゾールノボラック型エポキシ
樹脂(チバガイギー製ECN1400) ポリイソシアネート誘導体1:MDIベースのブロック
ドイソシアネート(メチルエチルケトオキシムブロッ
ク) ポリイソシアネート誘導体2:TDI(2,4−トルイ
レンジイソシアネート)の二量体(下記化学式(I)参
照) RFL:RF樹脂(ノボラック型RF樹脂(スミカノー
ル700)12.5重量部とホルムアルデヒド2.5重
量部からなる)15重量部(固形分)に対してゴムラテ
ックス100重量部(固形分)の混合液を用いた。ディ
ップ液固形分は20重量%とし、ポリエステル繊維への
付着量は5%となるように調整した。
【0032】
【化1】
【0033】次に得られた処理ポリエステル繊維とゴム
との接着試験に用いた未加硫ゴム組成物の配合は、下記
の通りで行なった。 成 分 重量部 NR 60 SBR 40 ZnO 4 ステアリン酸 1.5 老化防止剤 1 カーボンブラック 60 アロマオイル 8 イオウ 3 加硫促進剤 1.5
【0034】表Iの標準例はゴムラテックスとしてカル
ボキシル変成Vpラテックスを全く用いていない配合で
235℃で処理したものである。この配合で処理温度を
下げたものが比較例1,2である。処理温度が低いと接
着が低下する事がわかる。また、単にポリイソシアネー
トを添加したものは低温処理では標準例の接着水準に対
し大幅に劣る事が分かる。また、単にポリイソシアネー
トを添加したものは、低温処理では標準例の接着水準に
対し大幅に劣る事が分かる。一方、本発明のカルボキシ
ル変成Vpラテックスを併用したものは、225℃でも
比較的良好な接着を与える。さらに、ポリイソシアネー
ト誘導体を併用するとさらに良好な接着を与え、TDI
の二量体を用いた場合には標準例以上の接着を達成する
事が可能である事がわかる。
【0035】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、低
温処理でもポリエステル繊維とゴムとの高い接着が得ら
れる。その結果、コード強力利用率が高くなり、コード
ゴム複合体の耐久性が高まる。また低温処理で高接着が
得られるので省エネルギーにもなる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J040 CA061 CA062 CA161 CA162 DB041 DB042 DB071 DB072 DB081 DB082 DB101 DB102 DH041 DH042 EB061 EB062 EC051 EC052 EC071 EC072 EC151 EC152 EF141 EF142 EF151 EF152 EF181 EF182 EF251 EF252 EF321 EF322 GA07 HC16 JA03 LA06 MA10 MA12 MB02 NA05 NA15 NA16

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)レゾルシン(R)・ホルマリン
    (F)初期縮合物(RF)とゴムラテックス(L)の水
    系混合液並びに(b)常温で固体であり、エポキシ当量
    が300以下でかつ実質的に水に不溶なエポキシ樹脂の
    実質的に有機溶剤を含まない水分散液とを含んでなる接
    着剤組成物であって、ゴムラテックス(L)として、カ
    ルボキシル変性ビニルピリジン・ブタジエン・スチレン
    三元共重合体ラテックスを固形分として全ゴムラテック
    ス(固型分)中の少なくとも20重量%含んでなるポリ
    エステル繊維とゴムとの接着用接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 接着剤組成物がエポキシ樹脂100重量
    部あたり20〜100重量部のポリイソシアネート化合
    物誘導体を更に含む請求項1に記載のポリエステル繊維
    とゴムとの接着用接着剤組成物。
  3. 【請求項3】 ポリイソシアネート化合物誘導体がトリ
    レンジイソシアネートの二量体である請求項2に記載の
    ポリエステル繊維とゴムとの接着用接着剤組成物。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100647410B1 (ko) * 2003-10-14 2006-11-17 주식회사 효성 고무 보강용 디프드 폴리에스테르 섬유 및 이의 접착제조성물
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JP2021021184A (ja) * 2019-07-24 2021-02-18 三ツ星ベルト株式会社 伝動ベルト用心線の製造方法および伝動ベルトの製造方法、ならびに処理剤および処理用キット

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