JP2000168298A - 装飾用白色天然大理石玉石置物の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 白色天然大理石玉石を素材とし、香料オイル
の匂いが長期間保たれ、暗闇で美しく神秘的に輝き、天
然の石質感を失うことなく、耐水性、耐候性、耐薬品性
に優れ屋外使用できる、同一物を短時間で大量生産可能
な装飾用白色天然大理石玉石置物の製造方法を提供す
る。 【手段】 白色天然大理石玉石を香料オイルに漬け込む
下地仕上げ工程と、漬け込み塗布と加熱乾燥により樹脂
皮膜を形成するための塗布及び加熱乾燥工程と、塗布及
び加熱乾燥後の仕上げ工程を結合してなることを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、白色天然大理石玉石に
蓄光顔料を含有した樹脂皮膜形成し、同時に香料オイル
の良い香りを長期間保存し、また暗い場所でより発光輝
度が高く、発光時間がより長くて美しく神秘的な輝きを
醸し出し、白色天然大理石玉石の石質感を失わなく屋外
使用できる大量生産可能な装飾用白色天然大理石玉石置
物の製造方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、香料グッズは多種多様の素材に香
料を浸透させた物がある。白色天然大理石玉石や砕石は
建材用として玄関先や庭の一部に使用するが付加価値が
低い。蓄光蛍光体を含有した製造技術にはアクリル樹脂
製品でブラックライトをあて発光させる物や、平板状の
天然花崗石表面またはサイズが大きな花崗石飛石の半表
面上にアクリル樹脂を塗布し発光させる物などがある。

【０００３】しかしながら、従来の香料グッズは多種多
様の素材に香料を浸透させた技術は香りが維持できる期
間は１、２カ月と短く問題点があり、また平板状の天然
花崗石に蓄光蛍光体を含有した樹脂塗布しても天然石の
石質感が失われ、発光輝度は低く、発光輝度の表現は一
定で単純であり、発光時間も短くブラックライトをあて
なければならない、また耐水性、耐候性などが劣る問題
点がある。

【０００４】前期理由により、香料グッズは従来ものが
ほとんどであり、蓄光蛍光体を含有したプラッチック製
品や天然花崗岩表面に蓄光蛍光体を含有した樹脂を塗布
した物いずれも蓄光型であるが発光時間が短いのでブラ
ックライトを併用使用する製品開発がされ、全て平板状
の素材に塗布し乾燥させたり焼き付けしたものである。
（例えば、特開平７−２３２９７９号公報参照）

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、平板状でな
く変形球体形状の白色天然大理石玉石を素材とし、蓄光
顔料を含有した樹脂皮膜形成により、発光輝度が高く、
香料オイルの良い香りが長期間保たれ、白色天然大理石
玉石の石質感を失わず、紫外線ライトを使用しないで長
時間発光し、その玉石の同一表面に発光輝度の強弱が表
現でき美しく神秘的な輝きをし、耐候性、耐水性、耐薬
品性に優れ屋外使用できる装飾用白色天然大理石玉石置
物の大量生産可能な製造方法を提供することを目的とす
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のうち請求項１記載の発明は、天然石の場合は
蓄光顔料の発光輝度をより高め、また発光時間をより長
くするためには透明度の高い白色の天然大理石玉石に塗
布することが不可欠であり、また香料オイルの良い香り
を長期間保存するには吸収率が高く乾燥しにくい白色天
然大理石玉石に香料オイルを石内部心まで浸透させるこ
とが不可欠であることを特徴とする。

【０００７】本発明のうち請求項２記載の発明は、前述
の請求項１記載の発明における白色天然大理石玉石表面
に蓄光顔料を含有したセラミック系変性フッソ樹脂を数
回塗布して数回加熱乾燥処理をして樹脂皮膜形成を製造
することを特徴とする。

【０００８】本発明のうち請求項３記載の発明は、数回
の加熱乾燥時に香料オイルの揮発性を利用して樹脂皮膜
に香料の匂いを密着させることを特徴とする。

【０００９】本発明のうち請求項４記載の発明は、乾燥
炉から取り出した、白色天然大理石玉石表面に樹脂皮膜
が形成されても石質感を失わず、乾燥時に白色天然大理
石玉石が乾燥台にまったく付着しないことを特徴とす
る。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。

【００１１】白色天然大理石玉石を水でよく洗浄し加熱
乾燥させ熱を冷まさせた後、香料オイルをその玉石の内
部心まで浸透させる。

【００１２】香料オイルが内部心まで浸透した白色天然
大理石玉石表面に、蓄光顔料を含有したセラミック系変
性フッソ樹脂を数回塗布し、数回加熱乾燥処理をする。

【００１３】蓄光顔料を含有したセラミック系変性フッ
ソ樹脂が固形化する前に、乾燥炉からだしてカタクリ粉
を白色天然大理石玉石の個々に全体にふりかける。その
玉石個々に余分に付着したカタクリ粉を振るい落とし手
で軽くまぶして、準備した乾燥台で乾燥する。完全乾燥
後水洗いをする。

【００１４】

【実施例１】実施例について、下地仕上げ工程、塗布及
び加熱乾燥工程、塗布及び加熱乾燥後仕上げ工程の３つ
の工程に別けて順次詳細に説明する。

【００１５】まず、蓄光顔料の発光輝度及び発光時間を
より高めるために白色天然大理石玉石（（株）中須砕石
の商品名鳴門産白色玉石）を使用素材にすること。下地
仕上げ工程について白色天然大理石玉石を水でよく洗浄
し加熱乾燥をしてよく乾燥させ冷ます。乾燥後、香料オ
イルの香りを長期間保存するために香料オイル（（株）
大香）に２４時間漬け込み内部心まで浸透させる。白色
天然大理石玉石１ｋｇにたいして香料オイル２０ｃｃ必
要。この香料オイル（溶剤系）は後述する塗布工程にお
ける塗布下地処理としてこの玉石表面をより一層に洗浄
し密着性を高め、香料オイルは揮発性がありその性質を
利用する。

【００１６】

【実施例２】次に塗布及び加熱乾燥工程について説明す
る。前述の下地仕上げ工程により白色天然大理石玉石表
面に蓄光顔料を含有したセラミック系変性フッソ樹脂
（関西ペイント（株）の商品名アレスセラフッソおよび
その硬化剤）による皮膜を形成する。この樹脂における
蓄光顔料の含有量は白色天然大理石玉石１ｋｇに対し
て、蓄光顔料（根本特殊化学（株）の商品名Ｎ夜光ルミ
ノーバ）１０ｇとセラミック系変性フッソ樹脂（硬化剤
含む）５０ｇとする。香料オイルを浸透させたこの白色
天然大理石玉石は全て個々の大きさ形状が違うことと変
形球体形状であるためその全面を塗布するためには漬け
込み塗布をする。また蓄光顔料の比重は３、８あり変形
球体形状の物を塗布する場合その顔料がよく垂れるた
め、塗布工程は３回漬け込み塗布し３回加熱乾燥をす
る。ボール型容器に蓄光顔料を含有したセラミック系変
性フッ素樹脂を入れる。蓄光顔料の比重が重いのでよく
混ぜ合わせた後、容器に玉石を漬け込み、３回の漬け込
み塗布工程では必ず容器を上下運動回転させ玉石をよく
混ぜる。塗布後金網で製造した受け皿台に移し１分間程
度玉石表面に付着した樹脂液を垂らしておく。玉石に付
着した樹脂液は顔料の比重が重く多くの顔料が特に１回
目の塗布工程の場合は樹脂液と共に垂れ落ちるので落ち
た樹脂液は漬け込み塗布する度にもとのボール型容器に
入れて使うこと。１回目の漬け込み塗布後、乾燥炉に入
れ８０℃程度で５分間（冬場は７分間）加熱乾燥すると
樹脂皮膜の粘膜性が高まり、２回目の漬け込み塗布後蓄
光顔料を含有した樹脂液の付着率が良くなりその樹脂液
の液垂れも１回目に比べ３分の１程度に減る。２回目の
漬け込み塗布後、乾燥炉に入れ８０℃程度で３分間（冬
場５分間）加熱乾燥すると樹脂皮膜の粘膜性がより高ま
り、３回目の漬け込み塗布後はその樹脂液の垂れはほと
んどなくなる。３回目の漬け込み塗布後、乾燥炉に入れ
８０℃程度で１分間（冬場２分間）加熱乾燥する。また
この玉石に浸透した香料オイルは揮発性が高いので３回
の加熱乾燥時に樹脂皮膜によく香料の匂いが密着する。
その樹脂皮膜形成により香料の匂いが長期間保たれる。

【００１７】

【実施例３】次に塗布及び加熱乾燥後仕上げ工程につい
て説明する。前述の塗布及び加熱乾燥後そのまま玉石を
乾燥させた場合乾燥後の樹脂皮膜形成に艷ができ、また
顔料の色（薄い緑色）が目立ち白色天然大理石玉石の石
質感が失われる。前述の３回目の加熱乾燥後、乾燥炉か
ら取り出したその個々の玉石全面にカタクリ粉（マエダ
（株）の商品名南部片栗）をふりかけ樹脂皮膜形成の粘
着性をなくす。さらに個々の玉石全面に付着した余分な
カタクリ粉はザル容器にその玉石を入れてカタクリ粉を
振り落し、その後それらの玉石を手でまぶしても樹脂が
手にほとんど付着しない。この仕上げ工程により白色天
然大理石玉石の石質感が保たれ顔料の色も目立たなくな
る。前述の仕上げ工程でできあがった個々の玉石は樹脂
皮膜形成を完全乾燥させる場合、玉石表面下部が付着し
ない乾燥台が必要である。乾燥台に高品質ポリビニール
を張り付けてその上で乾燥させれば玉石表面下部はまっ
たく付着しない。完全乾燥には１３時間程度必要。完全
乾燥後水で玉石表面に付着したカタクリ粉を洗い流す。

【００１８】本実施例により得られた製品は、白色天然
大理石玉石の石質感を失わず、香料の匂いが長期間保た
れる。また暗闇で発光輝度が高く発光時間く紫外線ライ
トが不用で美しく神秘的に輝きを醸し出す。そして耐水
性、耐候性、耐薬品性に優れ屋外使用できる。

【００１９】

【発明の効果】白色天然大理石玉石を素材にすることに
より、蓄光顔料の発光輝度及び発光時間がよくなる効果
がある。

【００２０】白色天然大理石玉石は香料オイルがよく浸
透し、香料の匂いが長期間保つ効果がある。

【００２１】３回の加熱乾燥により玉石表面に塗布され
たセラミック系変性フッ素樹脂皮膜の粘膜性が加熱乾燥
の度に高まり比重（３、８）の重い蓄光顔料の垂れを防
止し、漬け込み塗布をすることで玉石表面全体にむらな
く塗布できる効果がある。

【００２２】加熱乾燥が香料オイルの揮発性を高めセラ
ミック系変性フッ素樹脂皮膜によく密着しその樹脂皮膜
形成により香料の匂いが長期間（真夏屋外で２カ月以
上、室内で６カ月以上）保ち、この玉石１個あれば普通
乗用車室内であれば十分に香料の匂いを満たす効果があ
る。

【００２３】又、塗布及び加熱乾燥工程後にカタクリ粉
を使用することにより白色天然大理石玉石の石質感を失
わない効果がある。

【００２４】乾燥台に高品質ポリビニールを張り付ける
ことにより、完全乾燥しても白色天然大理石玉石表面下
部がまったく付着しない効果がある。

【００２５】これら一連の製造工程は製造時間が短縮化
され、香料の匂いと暗闇で美しく神秘的な輝きを醸し出
す芸術品としての生命である美観が極めて高く優れ、耐
水性、耐候性、耐薬品性に優れた屋外使用できる白色天
然大理石玉石置物を大量に工業生産できる効果がある。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 蓄光顔料の発光輝度及び発光時間をより
   高めるため、また香料オイルの良い香りをより長期間保
   つために、透明度の高いまた吸収率の高い白色天然大理
   石玉石を素材にすることと、その香料オイルが浸透した
   白色天然大理石玉石表面に蓄光顔料を含有した透明のセ
   ラミック系変性フッ素樹脂を数回塗布し数回加熱乾燥処
   理させながら香料の匂いを長期間保つための仕上げ工程
   と、乾燥炉から取り出したその白色天然大理石玉石が石
   質感を失わず、同時にその玉石に塗布した表面皮膜が乾
   燥台に付着させず仕上げる工程を結合とすることを特徴
   とする装飾用白色天然大理石玉石置物の製造方法。
2. 【請求項２】 請求項１記載の仕上げ工程が、蓄光顔料
   を含有した透明のセラミック系変性フッ素樹脂皮膜形成
   により成ることを特徴とする請求項１記載の装飾用白色
   天然大理石玉石置物の製造方法。
3. 【請求項３】 請求項１記載の仕上げ工程が、樹脂皮膜
   形成により香料の匂いを長期間保たれることを特徴とす
   る請求項１記載の装飾用白色天然大理石玉石置物の製造
   方法。
4. 【請求項４】 請求項１記載の仕上げ工程が、白色天然
   大理石玉石の石質感を失わず、乾燥時に乾燥台に付着さ
   せない仕上げ工程により成ることを特徴とする請求項１
   記載の装飾用白色天然大理石玉石置物の製造方法。