JP2000167533A - 石油系油汚染土壌の修復方法 - Google Patents
石油系油汚染土壌の修復方法Info
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Abstract
また、土壌粒子に強く付着した油分等についても効率的
に分離除去可能な石油系油汚染土壌の修復法を提供す
る。 【解決手段】 油汚染土壌をスラリー化し、気泡の吹き
込みにより油分を浮上分離させる土壌洗浄処理を施した
後、得られた処理土壌に栄養源を添加して堆積し、栄養
源の補給と通気性と保水性を維持するバイオレメディエ
ーション処理による油分解処理を施す修復方法とする。
また、前記バイオレメディエーション処理に引き続き再
度土壌洗浄処理を施す修復方法とする。さらに、初めに
バイオレメディエーション処理を施した後、引き続き土
壌洗浄処理を施す修復方法とする。
Description
による油汚染土壌からの汚染油分の分離除去方法に関
し、特に、バイオレメディエーションと土壌洗浄法との
段階的な組合せによる汚染油分の分離除去方法に関す
る。
表的な修復方法としては、微生物による油分の分解を図
る土壌修復法即ちバイオレメディエーションおよび水等
との混合状態において疎水性油分の浮遊分離を図る土壌
洗浄法があり、それぞれ幾つかの技術が提案されあるい
は実施されている。
生物を散布して、土壌粒子の表面に付着した油分を分解
・除去する微生物による洗浄方法(特開平7−1022
98号公報)、また、油汚染土壌に対し硝酸アンモニウ
ム等窒素源おびリン源の水溶液を添加混合して土壌中の
微生物を活性化し、土壌中の石油等油分を分解させる石
油汚染土壌の修復方法(特開平9−276831号公
報)、油で汚染された砂を分級し、篩下分として大部分
の油分を回収すると共に、篩上分について浮遊選別手段
により油分を浮上分離させて回収する含油砂からの油の
回収法(特公昭57−57070号公報)、難水溶性有
機物等油分で汚染された土壌をスラリー状にし、酸化剤
と共にアルカリ剤を加えた後、気泡を供給して油分を浮
上分離させる土壌浄化法(特開平9−299924号公
報)等が提案されている。また、土壌洗浄法とバイオレ
メディエーションを組み合わせた方法(特開平10−2
11486号公報)等も提案されている。
レメディエーションは、前記のように、汚染土壌中の微
生物を活性化させ、また、高分解能を有する微生物を散
布して菌数を増加させる等により、土壌中の油分を分解
させる方法であって、低コスト且つ低エネルギー消費
で、副生成物の恐れもなく二次処理が不要で、且つま
た、常温常圧で実施できて操業上また安全上有利であ
り、現位置処理が比較的容易である等の多くの利点があ
るが、処理速度が遅く、油分の濃度や油分の組成(芳香
族炭化水素や重質成分のアスファルテンあるいはレジン
等については微生物分解が困難)によっては微生物によ
る分解は困難であり、さらには、野外処理の場合、気温
や降水等の影響を受けやすい等の問題があった。
土壌を水等との混合状態において気泡の吹き込み等によ
り、油の疎水的性質を利用して浮遊泡沫と共に浮上分離
させる土壌洗浄法に関しては、処理そのものは比較的、
効率よく行われるが、土壌粗粒子の表面の凹凸に入り込
んだ油分については分離が困難であって、結局、油分の
分離回収は泡沫浮上分離装置で処理できる粒度の土壌粒
子に付着した油分と土壌粒子表面から洗い落とされた油
分に限られるという問題があった。また、土壌洗浄法と
バイオレメディエーションを組み合わせた特開平10−
211486号公報に記載されている方法(気泡連行
法)は、第一に難水溶性有機物を浮上分離させる工程
と、第二に残存汚染物を含む沈砂をバイオレメディエー
ションで処理する工程の2工程からなる。この方法は物
理選別的な手法と微生物の洗浄能力を活用した手法の組
み合わせであるが、土壌中油分の分離にアルカリ剤の添
加を必要とする。そのため、アルカリ剤の使用によるコ
ストの発生や、pH8以上で微生物の死滅の恐れがあ
る、等の問題点がある。
り時間をかけることなく、土壌を汚染する油分の組成に
係わらず、且つ、油分が高濃度の土壌であっても適用が
可能で、また、土壌粒子の表面に強く吸着した油分、粗
粒子の表面凹凸に入り込んだ油分についても分離除去が
可能な石油等による汚染土壌の浄化方法の提供を目的と
するものである。
めに、本発明は、第1に、微生物を含む油汚染土壌をス
ラリー化し、気泡の吹き込みにより油分を分離する土壌
洗浄処理を施した後、得られた洗浄土壌に栄養源を添加
し、該栄養源の補給と酸素と水の供給により微生物を活
性化して油分解を促進させるバイオレメディエーション
を施すことを特徴とする、石油系油汚染土壌の修復方法
を、第2に、前記油汚染土壌に前記土壌洗浄処理を施し
た後に前記バイオレメディエーションによる油分解処理
を施し、次いで、得られた処理土壌に再度前記土壌洗浄
処理を施すことを特徴とする、前記第1の石油系油汚染
土壌の修復方法を、第3に、前記バイオレメディエーシ
ョンによる油分解処理を施した後、得られた処理土壌を
スラリー化し、気泡の吹き込みにより油を分離する土壌
洗浄処理を施すことを特徴とする、石油系油汚染土壌の
修復方法を提供する。
に、前記の土壌洗浄処理を実施して、泡沫浮上分離手段
により油分の70〜90%を泡沫と共に浮上分離させて回収
する。洗浄処理後に土壌中に残存している油分について
は、さらに、バイオレメディエーション処理の一つであ
るバイオパイル処理を実施することにより微生物を利用
した油分の分解処理を行った後、好ましくはさらに、再
度洗浄処理を行うことによって、油汚染土壌の十分な清
浄化が可能である。あるいはまた、比較的低濃度の油分
で汚染された土壌に対しては、初めに、前記のバイオレ
メディエーションを施した後、前記の土壌洗浄処理を施
すことによって土壌の修復化が可能である。
って説明する。油汚染土壌にスラリー濃度(w/w)が
10〜40%になるように水を加えて解砕し、洗浄を兼ねて
スラリー化する。スラリー化処理の後、篩分装置により
土壌を+2mm (2mm 径以上)、−2mm (2mm 径以下)の
粒子区分に分級する(土壌洗浄工程)。
トリッションを行った後、泡沫浮上分離装置を使用し、
気泡を吹き込んで浮上分離処理を実施し、油分を付着し
た浮物(フロス)即ち浮遊泡沫と沈物(シンク)即ち沈
殿粒子とに分離する(浮上分離工程)。この浮上分離工
程で、浮遊泡沫と共に除かれる油分は、通常、元土(油
汚染土壌)に含まれていた油分の80%以上を占めてお
り、油分が低濃度に低減した沈殿粒子が得られる。
前記土壌洗浄工程の分級操作で区分された+2mm 粒子の
土壌と混合し、脱水装置により含水率が20%程度になる
まで脱水して洗浄土壌を得、処理水は排水する(脱水工
程)。
であるバイオパイル処理を施す。すなわち、前記脱水工
程で水分を調整された洗浄土壌に対して、窒素およびリ
ン酸またカリウム等の無機塩類による栄養塩水溶液とさ
らに通気性および保水性を改善するための副資材(例え
ば大鋸屑等)を適宜の水と共に混合する。ここで混合す
る栄養塩類は、洗浄土壌中の油分濃度に応じて窒素およ
びリン酸またカリウムの添加比率を変えて添加する。さ
らに洗浄土壌の性質によっては、土壌pHの安定や栄養
塩類の流出防止等の目的で副資材として土質改良剤(例
えばゼオライト等)を加えて混合する。このように、洗
浄土壌に必要な添加物を加えて混合した混合土壌を用
い、積み上げて山状堆積物(パイル)を造成すると共
に、通気および散水を行うための塩化ビニル等樹脂製パ
イプを埋設してバイオパイルとする(バイオパイル造成
工程)。
された栄養塩を資化しながら、土壌中の油分を分解して
土壌を修復する(バイオパイル処理工程)。通気は混合
土壌間隙ガス中の酸素濃度を 6〜21%程度となるように
制御管理する。パイル内温度は18〜24℃程度となるよう
に管理する。混合土壌の水分は、通気により減少するの
で、適度に散水を行い、含水率(水分重量÷湿土壌重量
×100%)を15〜20%程度になるように管理する。場
合によっては水分の蒸発防止および保温のためにビニル
シート等でパイル表面を覆う。また、バイオパイルの処
理管理にあたっては、パイル中の酸素濃度測定結果から
酸素消費速度を推定して栄養塩類の追加を適宜行う。無
機栄養塩類の追加は水溶性の肥料等を用いて水に溶解さ
せて散水時に供給することで容易に行うことができる。
バイオパイル処理においてこれらの栄養塩を供給するた
めには徐放性の園芸用肥料などを併用することも好まし
い手段である。
油分分解能を有する微生物を含むので、バイオパイル処
理においては、特に新たな微生物の供給を必要としない
が、必要があれば、微生物含有土壌をバイオパイル造成
工程において添加してもよい。
理開始から2〜3か月間で酸素消費速度が遅くなり、微
生物による油分分解活性が低下した兆候が現れる。油分
組成にもよるが、この時点での油分濃度は元土の油分濃
度に比べて約50%程度に低減する。3か月以上の運転に
より油分をさらに低減させることができる。
油分や微生物によって分解し難い油分を低減し、引き続
くバイオパイル処理即ちバイオレメディエーションによ
り残存油分の分解処理を行うことにより実質的に油汚染
土壌の修復が図れるが、特に、このバイオパイル処理に
おいて油分分解能を有する微生物は界面活性剤(バイオ
サーファクタント)を分泌し、この界面活性剤が土壌粒
子の微細孔等に付着した油分を分離させるので、汚染油
の組成等によりバイオパイルによる微生物分解処理を実
施した後も未分解の油分または難分解性の油分が残存す
る場合について、さらに、再度、前記土壌洗浄法を繰り
返すことにより、効率的に残存油分を分離除去させるこ
とが可能であり、土壌の十分な修復が図られる。
に示したように、前記バイオパイル処理に先立つ土壌洗
浄法と同一である。即ち、バイオパイル処理からの処理
土壌をスラリー化して分級する二次土壌洗浄工程と、−
2mm 粒子をアトリッションの後、浮上分離処理して沈殿
粒子と含油浮上泡沫を得る二次浮上分離工程と、該二次
浮上分離工程の沈殿粒子と前記二次土壌洗浄工程からの
+2mm 粒子とを混合して脱水する脱水工程とからなる二
次土壌洗浄法により修復土壌を得ることができる。
に対しては、土壌洗浄工程を経ることなく、対象となる
石油系油汚染土壌から、石や植物残渣などの異物を取り
除いてバイオパイルを造成し、このバイオパイルによる
生物分解処理を実施した後、残存している未分解の油分
または難分解性の油分について、土壌洗浄処理を実施し
て泡沫浮上により残存油分を分離除去することも可能で
ある。この場合、前記のように、バイオパイル処理にお
いて微生物による界面活性剤が有利に活用できる利点が
ある。また、このような土壌の場合、ランドファーミン
グなどのより自然条件に近い状況でのバイオレメディエ
ーションが適用可能である。
スラリー濃度(w/w) で20%となるように、水でリパルプ
して分級し、+2mm 、−2mm の土壌粒子に分別した(土
壌洗浄工程)。−2mm の粒度区分の土壌粒子に対してア
トリッションを行い、沈殿粒子と油分の付着した微細な
浮遊粒子を含んだ液層に分かれるようにし、この浮遊粒
子を続く泡沫浮上分離装置により、油分と共に浮遊泡沫
(フロス)として分離・除去した(浮上分離工程)。次
いで、泡沫浮上分離装置で分離された沈殿粒子に前記+
2mm 粒子を合わせて脱水し、油分濃度10,000mg/kg の洗
浄土壌を得た(脱水工程)。
分:窒素:燐=100 :22:5 )を徐放性添加剤の形態で
添加し、また、保水および通気改良材として大鋸屑を土
壌乾重量に対して10%、そして、土質改良材としてゼオ
ライトを 2%となるように加えて混合した。この混合土
壌を用いて、3 〜 6 m3のバイオパイルを造成した(バ
イオパイル造成工程)。バイオパイルの散水および通気
用のパイプをパイル内のガス中酸素濃度をモニタリング
し、酸素消費速度が200mg O2 /kg-soil/min以上となる
よう通気流量の調整ならびに水溶性栄養塩類の添加を行
った(バイオパイル処理)。約2か月間のバイオパイル
処理後、パイル土壌の油分濃度は、3,000mg/kgとなっ
た。
土壌を再度土壌洗浄法により処理した。即ち、油分濃度
3,000mg/kgのバイオパイル処理土壌を水でリパルプして
スラリー濃度20%(w/w)のスラリーとし、アトリッ
ション後、二次浮上分離工程に供し、泡沫浮上分離した
結果、含油浮上泡沫によって油分の分離がさらに進み、
脱水後、油分濃度1,500mg/kgの修復土壌を得ることがで
きた。
土壌を篩い分けして石や植物残渣等の異物を除去し、副
資材として大鋸屑を乾土重量当たり10%となるように添
加した。また、栄養塩として油分:窒素:リン= 1,00
0:11.5:5 となるように徐放性の固形肥料を加えて混
合した。前記の実施例1の場合と同様に、通気および散
水性の塩化ビニル製パイプを埋設したパイルを造成し
た。パイルは温室内に設置し、気温を18〜24℃に管理し
て処理を実施した。通気流量は、パイル内の酸素濃度が
5〜15%(酸素消費速度 500〜200mg O2 /kg-soil/mi
n. )となるように制御した。処理実施中は、パイルを
ビニルシートで覆った状態で運転し、パイル土壌の含水
率を18%程度に保つことができた。約3か月間の運転期
間中に栄養塩の補給を1回実施した(水溶性リン酸塩の
供給)。土壌の油分濃度は30日目で約17,000mg/kg へ、
60日目で約14,000mg/kg へと減少し、3か月間の処理後
には12,000mg/kg まで減少した。このバイオパイル処理
土壌を用いて土壌洗浄法による残存油分の分離・除去を
実施した。バイオパイル処理土壌は、パルプ濃度 17 %
で解砕して、泡沫浮上分離装置で処理した。
ス)は全土壌の重量分布で13.8%であり、油分濃度85,3
00mg/kg にまで濃縮されて回収された。残土壌(重量分
布86.2%)は、油分濃度1,066mg/kgとなり、低濃度の洗
浄土壌として回収された。
レメディエーション処理において、微生物は、油分を分
解させると共に、油分の分解過程で界面活性剤(バイオ
サーファクタント)を生成し、土壌粒子の微細孔に付着
した難分解性の油分を遊離させる等有効に作用するの
で、高濃度の油分や微生物に難分解性の油分を効率的に
分離できるが、油分の付着条件に左右されることの多い
土壌洗浄法と併用することにより、汚染油の濃度や組成
に係わらず相乗的な油分の分離効果が得られるものであ
る。
ーションによる油分解処理を行うことにより、高濃度の
汚染油についても洗浄処理で効率的に除去し、その洗浄
土壌に付着残存する油分をバイオレメディエーションに
より効果的に除去分離する油汚染土壌の修復方法を提供
できるという効果を奏する。また、前記のように土壌洗
浄後バイオレメディエーション処理し、引き続き再土壌
洗浄を施すことにより、油分の濃度および組成に係わら
ず、さらに効率的に且つ十分に油分の分離除去を可能と
する油汚染土壌の修復方法を提供できるという効果を奏
する。比較的に低濃度の油汚染土壌に対しては、バイオ
レメディエーション処理の後、土壌洗浄を施すことによ
り、効率的に従って経済的に油分の分離除去が可能にな
る油汚染土壌の修復方法の提供が可能になるという効果
を奏する。
ある。
工程図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 微生物を含む油汚染土壌をスラリー化
し、気泡の吹き込みにより油分を分離する土壌洗浄処理
を施した後、得られた洗浄土壌に栄養源を添加し、該栄
養源の補給と酸素と水の供給により微生物を活性化して
油分解を促進させるバイオレメディエーションを施すこ
とを特徴とする、石油系油汚染土壌の修復方法。 - 【請求項2】 前記油汚染土壌に前記土壌洗浄処理を施
した後に前記バイオレメディエーションによる油分解処
理を施し、次いで、得られた処理土壌に再度前記土壌洗
浄処理を施すことを特徴とする、請求項1記載の石油系
油汚染土壌の修復方法。 - 【請求項3】 微生物を含む油汚染土壌に、栄養源の補
給と酸素と水の供給を行い、微生物を活性化して油分解
を促進させるバイオレメディエーションによる油分解処
理を施した後、得られた処理土壌をスラリー化し、気泡
の吹き込みにより油を分離する土壌洗浄処理を施すこと
を特徴とする、石油系油汚染土壌の修復方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34742798A JP3748000B2 (ja) | 1998-12-07 | 1998-12-07 | 石油系油汚染土壌の修復方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34742798A JP3748000B2 (ja) | 1998-12-07 | 1998-12-07 | 石油系油汚染土壌の修復方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000167533A true JP2000167533A (ja) | 2000-06-20 |
JP3748000B2 JP3748000B2 (ja) | 2006-02-22 |
Family
ID=18390166
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34742798A Expired - Lifetime JP3748000B2 (ja) | 1998-12-07 | 1998-12-07 | 石油系油汚染土壌の修復方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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-
1998
- 1998-12-07 JP JP34742798A patent/JP3748000B2/ja not_active Expired - Lifetime
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