JP2000166478A - 天然液状物の固型化物およびその製造方法 - Google Patents

天然液状物の固型化物およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 食した時に歯にくっつく可能性を極力低減
し、また、ハードキャンディと略同様の硬さを持たせた
極めて取扱い易い固型果汁の提供を図るもので、製造に
おいては、糖分の分解が生じたり、また、褐変が生じた
りすることがなく、スタンピングマシン等のハードキャ
ンディ用の形成装置を用いて成型をなすことを可能とす
る。 【解決手段】 天然果汁を酸量0.1%未満且つアミノ
態窒素量5mg%未満に調整し、この果汁を3%以下の水
分含有量に真空濃縮機2により高濃縮して固型化する。
製造に際しては、この果汁を主成分aとして、減圧下に
て110〜130°Cに加熱しながら水分bを脱去する
ことにより、0.5〜1.5%の水分含有量に高濃縮
し、スタンピングマシン5等のハードキャンディ用の形
成装置を用いて成形する。上記果汁に、酸味料や香料等
の副成分c,dを加えることも可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、単糖類を主成分
とする天然液状物を固型化した物及びその製造方法に関
するものであり、より具体的には、果汁を固型化した物
及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】単糖類を主成分とする天然液状物として
は、蜂蜜や果汁が知られているが、天然の状態では、液
状であるため、栄養価が高い食品である反面、持ち運び
に不便であり、何時でも何処でも、手軽に食するわけに
はいかないと言った問題がある。そのため、蜂蜜を固型
化することに関する提案が日本特許出願公告昭和52年
12109号や日本特許出願公開昭和64年51050
号にてなされている。日本特許出願公告昭和52年12
109号の発明は、純粋蜂蜜を真空濃縮機にて、40〜
60°Cの温度範囲で約1時間内において、水分を脱去
し高濃度にして直ちに成型化することを特徴とするもの
である。ところが、このようにして得られた固型蜂蜜
は、純粋蜂蜜の組成基準を保つものの、水分含有量が
7.48%と、比較的高いため、食した時に歯にくっつ
き易くて、食べにくいと言う問題がある。また、固型で
あるとは言え、比較的柔らかく、簡単に変形して、潰れ
てしまい易いという課題がある。日本特許出願公開昭和
64年51050号の発明は、まず、純粋蜂蜜を真空濃
縮機にて、40〜90°Cの温度範囲で約1時間内にお
いて、水分を脱去し高濃度にする。次に、これを、耐熱
プラスチック容器に設けられた成形型内に充填し、冷却
した後、容器の開口部側をアルミフォイル等の吸湿性の
ないシートで蓋して密封するものである。ところが、こ
のようにして得られた固型蜂蜜の実施品の水分含有量を
発明者がカールフィッシャー法で測定したところ、水分
含有量は約5%にまで低減し得たに止まっており、食し
た時に歯にくっつき易くて、食べにくいと言う問題を充
分には解消し得ていない。しかも、耐熱プラスチック容
器に入った状態で、商品として提供することとなるた
め、嵩張ってしまうという別の問題を発生する。また、
何れの固型蜂蜜でも、前述のように柔らかいため、ハー
ドキャンディの製造工程で多用されるスタンピングマシ
ン等での金型を用いた成型が困難であると言った課題が
ある。
【0003】他方、果汁はハードキャンディの原料とし
て用いられているが、酸の存在によって、糖分の分解が
生ずるため、煮詰めても、キャンディーとなり難いと言
われている。そのため、日本特許出願公告昭和49年1
3983号においては、粉末果汁に少量の水を加えてペ
ースト化した後、マイクロ波を照射することによって、
製品を製造する技術が開示されている。ところが、この
方法では、原料が加熱される際に、温度が上昇し150
°Cほどに達するため、果汁のみでキャンディを製造し
ようとすると、果汁中の糖分の分解が生じ、さらに褐変
も起こるため、冷却しても固型製品とすることができな
いとされている。そこで、天然果汁のみを原料として、
糖分の分解を起こすことなく固型化することができるよ
うにした発明が、日本特許出願公開平成3年21615
4号に提案されている。この技術は、減圧下において、
天然果汁にマイクロ波を照射して加熱乾燥した後、冷却
成型するものであり、特に、果汁の温度が65〜95°
Cとなった時に、マイクロ波の出力を低下させて100
°C以下の温度を維持することによって、良好な固型果
汁を得るようにしたものである。ところが、この方法
は、減圧下にてマイクロ波を照射するという特殊な装置
を用いる必要があると共に、その際、複雑な温度操作を
必要とする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかして、本願発明
は、単糖類を主成分とする天然液状物である果汁につい
て、その果汁の固型化に関する従来の技術の問題を解決
することを目的とするものである。即ち、本願発明の一
つの目的は、単糖類を主成分とする天然液状物である果
汁の固型化物に関して、食した時に歯にくっつく可能性
を極力低減し、また、ハードキャンディと略同様の硬さ
を持たせ、ポケットや荷物と一緒に入れておいても変形
することがなく、極めて取扱い易く、また、製造におい
ても、スタンピングマシン等のハードキャンディ用の形
成装置を用いて成型をなすことを可能とするものを提供
せんとするものである。本願発明の他の目的は、単糖類
を主成分とする天然液状物である果汁の固型化物を製造
する方法に関して、上記の特徴を有する固型化物を製造
することができる方法を提供せんとするものである。特
に、果汁中の糖分の分解が生じたり、また、褐変が生じ
たりすることのない製造方法を提供せんとするものであ
る。本願発明のさらに他の目的は、真空濃縮機という、
キャンディの製造に用いられる通常の装置を利用し、比
較的、単純な温度設定によって、能率的に固型果汁を製
造する方法を提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願発明は、本願の第1
の発明は、単糖類を主成分とする天然液状物を固型化し
たものにおいて、単糖類を主成分とする天然液状物が果
汁であり、この果汁が酸量0.1%未満且つアミノ態窒
素量5mg%未満に調整されたものであり、この果汁を3
%以下の水分含有量に高濃縮して固型化したことを特徴
とする単糖類を主成分とする天然液状物の固型化物を提
供する。本願の第2の発明は、上記の第1の発明に係る
天然液状物の固型化物において、上記果汁に酸味料や香
料等の果汁以外の副成分を加えることにより、天然液状
物の固型化物が、果汁から得られた主成分80重量%以
上と酸味料や香料等の果汁以外の副成分20重量%以下
とを含有するものであることを特徴とするものを提供す
る。本願の第3の発明は、単糖類を主成分とする天然液
状物の固型化物の製造方法において、単糖類を主成分と
する天然液状物が果汁であり、この果汁を減圧下にて1
10〜130°Cに加熱しながら水分を脱去することに
より、0.5〜1.5%の水分含有量に高濃縮し、ハー
ドキャンディ用の形成装置を用いて成形することにより
粒状の固型果汁を製造することを特徴とする単糖類を主
成分とする天然液状物の固型化物の製造方法を提供す
る。
【0006】単糖類を主成分とする天然液状物として
は、天然果汁(濃縮果汁、精製果汁を含む)が用いられ
るが、その水分含有量を3%以下(より望ましくは、
0.5〜1.5%)に高濃縮することにより、果汁は、
ハードキャンディとほぼ同程度の硬さを示し、歯にくっ
つき難く、変形することがなく、また、製造において
も、スタンピングマシンでの成型が可能となる。また、
果汁として、酸量0.1%未満且つアミノ態窒素量5mg
%未満に調整したものを用いることによって、濃縮時に
褐変が生じず、良好に固型化された固型果汁を提供する
ことができたものである。尚、酸量及びアミノ態窒素量
は、果汁飲料についての日本農業規格の測定方法に準拠
する。前述した従来の発明においては、蜂蜜の品質劣化
を防ぎ、純粋蜂蜜の組成基準を保つために、比較的、低
い温度で蜂蜜を加熱するものであった。そのため、水分
含有量の低減に限りがあり、前述の諸問題を解決し得な
かったものであるが、本願発明では、上記の条件によっ
て、前述の諸問題を解決したものである。特に、果汁に
関しては、酸量0.1%未満且つアミノ態窒素量5mg%
未満に調整した果汁を高濃縮して固型化することが望ま
しく、酸量0.1%未満且つアミノ態窒素量5mg%未満
に調整することによって、100°C以上に加熱して
も、褐変を有効に防止し得ることが、本願発明者によっ
て知見され、この知見に基づき、褐変を有効に防止でき
る本願発明が完成されたものである。従って、この条件
に従えば、果汁を減圧下にて100°C以上に加熱しな
がら水分を脱去することにより、水分含有量3%以下に
高濃縮して固型化する製造方法を採ることができる。酸
量及びアミノ態窒素量の調整は脱イオン交換等の果汁の
精製に用いられる方法を採用し得る。例えば、陽イオン
交換によって脱酸性化を図り、カリウム、カルシウム、
ナトリウム、金属類、放射性物質等を除去し、次に、陰
イオン交換によって脱炭酸ナトリウムを図り、燐酸塩、
塩化物、硫酸塩、酸、ポリフェノール(色素)を除去す
る。さらに、ポリッシャーによって、残存する色素を除
去してもよい。
【0007】本願の第3の発明においては、上記条件に
従うことによって、得られた固型果汁は、ハードキャン
ディと略同様の硬さを示し、歯にくっつき難く、変形す
ることがなく、また、製造においても、スタンピングマ
シンでの圧縮成型が可能となるものである。特に、常温
から100°C以上に到達するまで、加熱することによ
り、水分含有量0.1〜3.0%(最も望ましくは0.
5〜1.5%)になし得たものであり、これによって、
前述の諸問題を解決したものである。到達温度が低い場
合には、水分の含有量が多くなり、充分な硬さを得るこ
とができず、また、到達温度が高すぎる場合には、蜂蜜
又は果汁の品質劣化が著しく、固型蜂蜜又は固型果汁の
色が褐色に変色する褐変が生ずるおそれがあるため、加
熱温度は、110°C〜130°Cとする。また、加熱
時間は、1時間以内に常温から上記の到達温度まで加熱
することが好ましい。尚、真空濃縮機による減圧は、6
00〜700mmHgとすることが好ましい。
【0008】そして、上記条件下にて高濃縮して固型化
した後は、湿度55%以下の乾燥雰囲気内にて1個の大
きさが一口大以下の大きさに圧縮成型することにより粒
状の固型果汁を製造し、同乾燥雰囲気内にて粒状の固型
果汁粒を1個ずつアルミ箔等の低透湿性フィルムで密封
包装する。このように、圧縮成型、包装を、湿度55%
以下の乾燥雰囲気内にて行うことによって、固型果汁の
水分含有量が増加することを防止する。そして、1個ず
つアルミ箔等の低透湿性フィルムで密封包装することに
よって、固型果汁の乾燥状態を保ち、通常のハードキャ
ンディと同様、手軽に持ち運びでき、食べることができ
るようにしたものである。
【0009】果汁に関しては、天然果汁のみを使用した
ものであってもよいが、酸味料や香料等の果汁以外の副
成分を加えることもできる。これを加える場合には、濃
縮前に果汁に副成分を加えた後、真空濃縮機等による減
圧下での加熱を行ってもよい、また、濃縮後の冷却工程
中にて副成分を加えてもよい。副成分としては、香料、
着色料、酸味料等の従来よりハードキャンディに用いら
れたものを使用し得る。副成分の配合量は、その種類や
求められる味付け等によって適宜変更し得るが、果汁か
ら得られた主成分が少ないと果汁の特色が生かせなくな
るため、主成分は80重量%以上、香料、着色料、酸味
料等の果汁以外の副成分は20重量%以下とを含有する
ものとする。前述のように、果汁に関しては、酸量0.
1%未満且つアミノ態窒素量5mg%未満に調整した果汁
を高濃縮して固型化することが、褐変を防止する上で望
ましいが、固型化した後に、副成分として酸味料を加え
ることにより、酸量を増加させ、適度な酸味を与えるこ
とができる。同様に、副成分としてアミノ酸等を加え
て、アミノ態窒素量を適当な値に調整してもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の望ましい実施の
形態を箇条書き(形態1〜形態10)にて示す。 1.単糖類を主成分とする天然液状物の固型化物及びそ
の製造方法において、単糖類を主成分とする天然液状物
が果汁であり、この果汁を減圧下にて110〜130°
Cに加熱しながら水分を脱去することにより、0.5〜
1.5%の水分含有量に高濃縮し、ハードキャンディ用
の形成装置を用いて成形することを特徴とする単糖類を
主成分とする天然液状物の固型化物及びその製造方法。 2.上記の果汁が真空濃縮機を用いて600〜700mm
Hgの減圧下にて常温から到達温度110°C〜130°
Cに1時間以内で加熱されたものであることを特徴とす
る形態1記載の天然液状物の固型化物及びその製造方
法。 3.ハードキャンディ用の形成装置がスタンピングマシ
ンであることを特徴とする形態1又は2に記載の単糖類
を主成分とする天然液状物の固型化物及びその製造方
法。 4.純粋果汁のみを真空濃縮機に投入し、この真空濃縮
機にて600〜700mmHgの減圧下で常温から到達温度
110°C〜130°Cに1時間以内で加熱し、水分を
脱去することにより0.5〜1.5%の水分含有量に高
濃縮し、濃縮した純粋果汁を冷却盤上にて板状に伸ばし
た状態で冷却し、スタンピングマシンによって、一口大
の大きさの粒に成型して固型果汁を得ることを特徴とす
る単糖類を主成分とする天然液状物の固型化物及びその
製造方法。 5.上記条件下にて得られた固型果汁を1個ずつ個装し
たことを特徴とする形態1から4の何れかに記載の単糖
類を主成分とする天然液状物の固型化物及びその製造方
法。 6.上記条件下にて得られた固型果汁を、30°C以
下、湿度45%以下の雰囲気に保たれた状態で1個ずつ
個装したことを特徴とする形態1から5の何れかに記載
の単糖類を主成分とする天然液状物の固型化物及びその
製造方法。 7.上記条件下にて高濃縮して固型化した天然液状物の
固型化物を、湿度55%以下の乾燥雰囲気内にて1個の
大きさが一口大以下の大きさに成型することにより粒状
の固型果汁を製造し、同乾燥雰囲気内にて固型果汁を1
個ずつアルミ箔等の低透湿性フィルムで密封包装したこ
とを特徴とする形態1から6の何れかに記載の単糖類を
主成分とする天然液状物の固型化物及びその製造方法。 8.単糖類を主成分とする天然液状物が果汁であり、果
汁やハーブエキス等の果汁以外の副成分を加えることに
より、果汁から得られた主成分80重量%以上と果汁や
ハーブエキス等の果汁以外の副成分20重量%以下とを
含有する固型果汁を得ることを特徴とする形態1から7
の何れかに記載の単糖類を主成分とする天然液状物の固
型化物及びその製造方法。 9.主成分に副成分を加えて上記条件で高濃縮したこと
を特徴とする形態8記載の単糖類を主成分とする天然液
状物の固型化物及びその製造方法。 10.主成分を上記条件で高濃縮した直後の冷却工程中
にて、未だ固化していない状態の果汁に副成分を加える
ことを特徴とする形態8記載の単糖類を主成分とする天
然液状物の固型化物及びその製造方法。
【0011】
【実施例】本願発明の理解を高めるために、以下に、そ
の実施例を示す。 実施例1 実施例1について、図1を参照しつつ説明する。主成分
aとして酸量0.05%、アミノ態窒素量2.0mg%に
調整した天然果汁(120kg)を、真空濃縮機2に接続
されたレシーバータンク1に投入する。レシーバータン
ク1から真空濃縮機2に移された天然果汁は、同機2内
にて、到達温度120°C、減圧600〜700mmHgの
条件で加熱され、水分bが脱去されて、濃縮される。
尚、加熱時間は43分であった。濃縮された天然果汁
は、受け釜3に移され、冷却盤4上にて板状に伸ばされ
た状態で20〜40分間、冷却される。金型による成型
が可能な硬さまで固化された天然果汁は、スタンピング
マシン5によって、一口大の大きさの粒に、成型され
る。成型された天然果汁は、冷却固化され、水分含有量
2.0%の固型果汁80kgが得られた。そして、この固
型の天然果汁は、個装6される。即ち、1個ずつ、アル
ミ箔と合成樹脂フィルムとの2層以上の積層シート製の
袋に、密封される。冷却盤4上での冷却から個装6完了
までは、30°C以下、湿度40〜45%の雰囲気に保
たれた状態でなされるものである。
【0012】表1は、実施例1における真空濃縮機の到
達温度を100°Cから150°Cまで、10度ずつ変
化させて実施した結果を示すもので、他の条件は、実施
例1と同様としたものである。尚、表1の到達温度に達
した時点で加熱は終了するものとし、各加熱時間は35
〜60分であった。表1から明らかなように、固化につ
いては、100°C以上が可能であるが、110°C以
上であることが好ましい。圧縮成型の良好性について
は、110°C以上であることが好ましい。褐変度合に
ついては、150°Cでは、強い褐変を生じてしまい、
140°C以下であることが好ましい。よって、総合的
には、到達温度は、約110〜130°Cとすることが
最も好ましい。次に、表2は、原料となる果汁の酸量を
示したもので、この表2から明らかなように、果汁の酸
量0.1重量%以下、アミノ態窒素量5mg%以下とする
ことによって、褐変を起こさずに、固型果汁を得ること
ができる。尚、酸量及びアミノ態窒素量以外の条件は、
実施例1と同様とした。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】実施例2 次に、実施例2について説明する。この実施例2は、天
然果汁を濃縮した直後に、副成分cとして、酸味料2.
0重量%、香料0.2重量%、着色料0.1重量%を加
えたものである。製造方法は、主成分aとして天然果汁
を120kg、レシーバータンク1に投入し、上記の実施
例1と同一条件で、真空濃縮2を行う。濃縮された天然
果汁aは、受け釜3に移され、冷却盤4上にて板状に伸
ばされる。この冷却盤4上に伸ばされた果汁(濃縮され
ているが、未だ固化していない状態の果汁)に対して、
副成分cとして上記の酸味料2.0重量%、香料0.2
重量%、着色料0.1重量%を加える。その後は、実施
例1と同様に、冷却後、スタンピングマシン5によっ
て、一口大の大きさの粒に、圧縮成型して、個装6し得
た。尚、酸味料は0〜3.0重量%、香料は0〜2.0
重量%、着色料は0〜2.0重量%の範囲で加えること
が望ましい。また、天然果汁と共に、副成分dを、レシ
ーバータンクに投入してもよい。
【0016】
【発明の効果】本願発明は次の効果を生ずる。本願の第
1の発明は、果汁を酸量0.1%未満且つアミノ態窒素
量5mg%未満に調整することによって、褐変を有効に防
止した固型果汁を提供することができたものである。本
願の第2の発明は、上記の効果に加えて、果汁から得ら
れた主成分80重量%以上と、香料、着色料、酸味料等
の果汁以外の副成分20重量%以下とを含有するものと
することによって、果汁以外の種々の味を楽しむことが
できる固型果汁を提供することができたものである。さ
らに、上記のように、酸量やアミノ態窒素量を調整した
場合においても、副成分によって、調整によって失われ
た成分を改めて添加することができるものである。本願
の第3の発明は、真空濃縮機という、キャンディの製造
に用いられる通常の装置を利用し、比較的、単純な温度
設定によって、能率的に製造することができる固型果汁
の製造方法を提供することができたものである。尚、果
汁を上記条件下にて高濃縮して固型化した後、湿度55
%以下の乾燥雰囲気内にて1個の大きさが一口大以下の
大きさに圧縮成型することにより粒状の固型果汁を製造
し、同乾燥雰囲気内にて粒状の固型果汁粒を1個ずつア
ルミ箔等の低透湿性フィルムで密封包装することによっ
て、食べやすく、また、べたつくことのない固型果汁製
品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の製造工程の説明図である。
【符号の説明】
1 レシーバータンク 2 真空濃縮機 3 受け釜 4 冷却盤 5 スタンピングマシン 6 個装 a 主成分 b 水分 c 副成分 d 副成分

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単糖類を主成分とする天然液状物を固型
    化したものにおいて、単糖類を主成分とする天然液状物
    が果汁であり、この果汁が酸量0.1%未満且つアミノ
    態窒素量5mg%未満に調整されたものであり、この果汁
    を3%以下の水分含有量に高濃縮して固型化したことを
    特徴とする単糖類を主成分とする天然液状物の固型化
    物。
  2. 【請求項2】 上記果汁に酸味料や香料等の果汁以外の
    副成分を加えることにより、天然液状物の固型化物が、
    果汁から得られた主成分80重量%以上と酸味料や香料
    等の果汁以外の副成分20重量%以下とを含有するもの
    であることを特徴とする請求項1記載の天然液状物の固
    型化物。
  3. 【請求項3】 単糖類を主成分とする天然液状物の固型
    化物の製造方法において、単糖類を主成分とする天然液
    状物が果汁であり、この果汁を減圧下にて110〜13
    0°Cに加熱しながら水分を脱去することにより、0.
    5〜1.5%の水分含有量に高濃縮し、ハードキャンデ
    ィ用の形成装置を用いて成形することにより粒状の固型
    果汁を製造することを特徴とする単糖類を主成分とする
    天然液状物の固型化物の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102326653A (zh) * 2011-09-26 2012-01-25 合浦果香园食品有限公司 一种果脯的干燥方法
CN107410644A (zh) * 2017-06-30 2017-12-01 阜阳市辉源果桑科技产业园有限公司 一种桑果蜜饯的制作方法

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