JP2000163742A - 磁気記録媒体用ガラス基板の洗浄方法 - Google Patents

磁気記録媒体用ガラス基板の洗浄方法

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JP2000163742A
JP2000163742A JP10335228A JP33522898A JP2000163742A JP 2000163742 A JP2000163742 A JP 2000163742A JP 10335228 A JP10335228 A JP 10335228A JP 33522898 A JP33522898 A JP 33522898A JP 2000163742 A JP2000163742 A JP 2000163742A
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JP
Japan
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glass substrate
dipping
cleaning
medium
alkali detergent
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JP10335228A
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English (en)
Inventor
Koji Tamura
孝司 田村
Masahiko Yokouchi
昌彦 横内
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】磁気記録媒体の基板としてのガラス基板表面の
汚れを有機質残渣まで除去して清浄化できる洗浄方法を
提供する。 【解決手段】ガラス基板表面にスクラブ方式やアルカリ
洗剤浸漬方式などの通常の洗浄を施した後、最終工程と
して紫外線照射を行って有機質残渣まで除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、非磁性基板とし
てガラス基板を使用する磁気記録媒体のガラス基板の洗
浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータなどの情報処理装置の情報
記憶装置として用いられるハードディスクドライブ(以
下、HDDと称する)は、心臓部となる磁気記録媒体
(以下、単に媒体とも称する)と、それに対向配置され
た磁気ヘッドとを備えてなり、磁気ヘッドが高速回転す
る媒体上を媒体の回転で生じる空気流により僅かに浮上
走行することにより、媒体への情報信号の書き込みある
いは媒体に書き込まれている情報信号の読み取りが行わ
れる。
【0003】HDDにおいて、情報信号が誤りなく記録
されるためには、媒体表面が均一,均質で欠陥のないこ
とが重要である。また、通常、CSS方式が採られてい
るので、装置の稼働時,停止時には磁気ヘッドは媒体表
面と過渡的に接触摺動するが、その接触摺動が円滑に行
われることが必要である。さらに、媒体への情報信号の
記録密度は媒体とその上を浮上走行する磁気ヘッドとの
距離(以下、単にヘッド浮上量と称する)に大きく依存
し、この量が小さい程記録密度は大きくなる。小さい浮
上量で磁気ヘッドが媒体表面に接触することなく安定に
走行するためには媒体表面が異常突起などが無く平滑で
あることが重要である。
【0004】媒体は、一般に、ディスク状非磁性基板上
に、無電解めっき法などで形成されるNi−Pめっき膜
などからなる非磁性金属下地層,スパッタ法などにより
形成されるCr下地層,Co系合金などからなる磁性
層,カーボンなどからなる保護層が順次形成され、その
上に液体潤滑剤を塗布してなる液体潤滑剤層が形成され
てなる。
【0005】従来、非磁性基板としては安価で入手し易
いアルミニウム系合金からなる基板が用いられてきた。
近年、コンピュータの小型化,高性能化により用途が拡
大し、持ち運び可能なノートパソコンが普及してきたこ
となどにより媒体の耐衝撃性が従来より必要となり、ま
た、HDDの高記録密度化,高速化への要望が強く、そ
の要求を充たすために媒体の面振れを無くすことが要求
されてきた。これらの要求に対応するため、硬質で平坦
な基板として結晶化ガラス,化学強化ガラスの基板が使
用されるようになってきた。
【0006】また、HDDの記録密度を増大させること
への要望を充たすためにヘッド浮上量は益々小さくな
り、数十Åオーダーにまでなってきている。このような
小さいヘッド浮上量を実現するためには媒体表面ができ
るだけ平坦であると同時に、磁気ヘッドの走行を妨げる
ような突起がないことが重要となる。基板上に形成され
る磁性層,保護層などは極めて薄層であるから、媒体表
面の突起を無くすためには基板表面の突起を無くすこと
になる。突起の生じる要因は種々考えられ対策が採られ
てきたが、特に最近、基板表面の洗浄後の残渣が問題と
して取り上げられるようになってきた。基板の洗浄方法
としては、ブラシを用いたスクラブ方式,高圧水噴射方
式,アルカリ洗剤への浸漬方式などが検討,実施されて
きた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような従来の通常の洗浄方式では、無機質の汚れは除去
できるが有機質の汚れは完全に除去できず、これらの有
機質残渣が無視できなくなってきた。この発明は、上述
の点に鑑みてなされたものであって、磁気記録媒体の基
板としてのガラス基板の有機質残渣まで除去して清浄化
できる洗浄方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、この発明
によれば、磁気記録媒体用ガラス基板の洗浄方法におい
て、洗浄の最終工程として紫外線照射を行うことによっ
て解決される。従来から行われているスクラブ方式,高
圧水噴射方式,アルカリ洗剤浸漬方式などの通常の洗浄
を行って塵埃や塩類などの汚れを除去した後、洗浄の最
終工程として紫外線を照射することにより、残存してい
る洗剤などの有機質の残渣が分解除去される。
【0009】紫外線を照射すると、有機物の化学結合の
切断効果とオゾンの強力な酸化力との相乗効果により有
機質の汚れを炭酸ガスや水などの揮発物質にまで分解し
て除去することができる。このとき、使用する紫外線の
波長と化学結合エネルギーとの関係で、切断される化学
結合の種類が決まる。表1に各種化学結合とその結合エ
ネルギーを示す。
【0010】
【表1】 表1に見られるように、化学結合C=Cは結合エネルギ
ーが大きく、これを切断するためには短波長の紫外線が
必要となる。紫外線源としては、カーボンアーク灯,キ
セノンランプ,水銀ランプなどがあるが、短波長の光源
が必要な場合には低圧水銀灯が最も適していることが知
られている。しかし、低圧水銀灯でも管に用いる材料に
よって分光エネルギーが異なってくる。水銀灯では主と
して波長が253.7nmと184.9nmの紫外線が
得られるが、管材が溶融石英の場合には波長が253.
7nm,184.9nmの紫外線がともに透過して外部
に放射されるのに対して、管材が高シリカガラスの場合
には184.9nmの光は管材に吸収されて外部に透過
してこない。高シリカガラス管の低圧水銀灯ではC−
H,C−C,C−Oの結合は切断できるがC=Cの結合
は切断が期待できない。溶融石英管の低圧水銀灯を用い
ることにより、C=Cの結合の切断も期待でき、同時に
酸素の吸収により生成したオゾンによる洗浄効果も期待
できる。
【0011】紫外線の照射によって揮発性生成物になら
ない塵埃や塩類などが付着していると、それに覆われた
部分には紫外線が照射されず、また、表面の汚染層が厚
い場合にも汚染層で紫外線が吸収されたりして紫外線に
よる除去効率が悪くなる。さらに、汚れの成分によって
は紫外線の作用により架橋や二重結合が生じ、除去しに
くくなることもある。先ず、スクラブ方式やアルカリ洗
剤浸漬方式など通常の洗浄方法で表面の汚染を除去した
のち、紫外線照射を行うことが必要である。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、この発明に係わる媒体の
一例の模式的断面図で、ガラス基板1上に、Ni−P膜
2,Cr合金下地層3,Co系合金磁性層4,保護層
5,液体潤滑剤層6が順次形成された構成である。この
発明においては、ガラス基板表面に、スクラブ方式やア
ルカリ洗剤浸漬方式などの通常の洗浄を施した後、紫外
線を照射する洗浄工程を採る。
【0013】スクラブ方式やアルカリ洗剤浸漬方式など
の通常の洗浄を行ったガラス基板の表面と、さらに紫外
線照射を行ったガラス基板の表面とをそれぞれXPSで
調べた。そのときのスペクトルを図2に示す。図2
(a)は通常の洗浄のみを行ったガラス基板のXPSス
ペクトル、図2(b)はさらに紫外線照射を行ったガラ
ス基板のXPSスペクトルを示す。図2より、紫外線照
射の有無で炭素のピーク強度に差があり、紫外線を照射
した場合には炭素ピークがほとんど認められず、紫外線
照射により有機質の汚れが除去されたことが判る。
【0014】このような洗浄工程を施されたガラス基板
上に、スパッタ法でNi−P膜を形成し、その表面にテ
クスチャー加工を施した後、その上にスパッタ法で、C
r合金下地層,Co系合金磁性層,保護層を順次形成
し、その上に塗布法で液体潤滑剤層を形成して媒体とす
る。
【0015】
【実施例】次に、この発明の具体的な実施例について説
明する。 実施例 表面粗さが中心線平均粗さRa で5Å以下のガラス基板
表面に、最初にスクラブ方式の洗浄を施し、続いてアル
カリ洗剤浸漬方式(アルカリ洗剤浸漬→温純水浸漬→純
水浸漬→超純水シャワー)の洗浄を行い、IPAベーパ
ーでガラス基板表面を乾燥させた。その後、溶融石英管
の低圧水銀灯で紫外線を照射した。
【0016】上述のように洗浄工程を施したガラス基板
の表面をXPSで調べたところ、炭素ピークは認められ
ず、十分清浄になっていることが確認された。このガラ
ス基板表面に、スパッタ法でNi−P膜を形成し、テク
スチャー加工を施した後、その上にスパッタ法で、Cr
下地層,Co系合金磁性層,カーボン保護層を順次形成
し、その上に液体潤滑剤層を塗布形成して媒体を作製し
た。このようにして得られた媒体は、市場要求を十分に
充たす小さいヘッド浮上量を達成することができた。
【0017】
【発明の効果】この発明によれば、ガラス基板の表面を
スクラブ方式やアルカリ洗剤への浸漬方式など通常の方
法で洗浄した後、紫外線を照射することにより、アルカ
リ洗剤などの有機質の残渣まで十分に除去できて清浄化
でき、このようなガラス基板を用いることにより、市場
要求に対応できる低ヘッド浮上量の磁気記録媒体を得る
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる媒体の一例の模式的断面図
【図2】ガラス基板のXPSスペクトル図
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 Ni−P膜 3 Cr合金下地層 4 Co系合金磁性層 5 保護層 6 液体潤滑剤層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気記録媒体用ガラス基板の洗浄方法にお
    いて、洗浄の最終工程として紫外線を照射することを特
    徴とする磁気記録媒体用ガラス基板の洗浄方法。
  2. 【請求項2】照射する紫外線として波長が184.9n
    mと253.7nmの紫外線を用いることを特徴とする
    請求項1記載の磁気記録媒体用ガラス基板の洗浄方法。
  3. 【請求項3】照射する紫外線源が溶融石英からなる管を
    用いた低圧水銀灯であることを特徴とする請求項1また
    は2記載の磁気記録媒体用ガラス基板の洗浄方法。
JP10335228A 1998-11-26 1998-11-26 磁気記録媒体用ガラス基板の洗浄方法 Pending JP2000163742A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20060228493A1 (en) * 2005-04-08 2006-10-12 Fuji Electric Device Technology Co., Ltd. Method of plating on a glass base plate and a method of manufacturing a perpendicular magnetic recording medium
SG146456A1 (en) * 2003-04-23 2008-10-30 Fuji Elec Device Tech Co Ltd Magnetic recording medium and the method of manufacturing the same
WO2011148844A1 (ja) * 2010-05-28 2011-12-01 コニカミノルタオプト株式会社 ガラス基板およびその製造方法

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