JP2000162807A - 電子写真感光体、該感光体の製造方法、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、該感光体の製造方法、プロセスカートリッジ及び電子写真装置

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JP2000162807A
JP2000162807A JP10339735A JP33973598A JP2000162807A JP 2000162807 A JP2000162807 A JP 2000162807A JP 10339735 A JP10339735 A JP 10339735A JP 33973598 A JP33973598 A JP 33973598A JP 2000162807 A JP2000162807 A JP 2000162807A
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electrophotographic
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aluminum
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Shintetsu Go
信哲 呉
Tomohiro Kimura
知裕 木村
Hideaki Nagasaka
秀昭 長坂
Yoichi Kawamorita
陽一 川守田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 いかなる環境においても画像欠陥が発生せ
ず、また電位変動の少ない良好な電子写真特性を有する
電子写真感光体を提供する。 【解決手段】 アルミニウム基体上に感光層を有する電
子写真感光体において、該基体の感光層側の表面がアル
ミニウム、酸素及びチタニウム、または、アルミニウ
ム、酸素及びジルコニウムを含有し、かつ、該基体表面
が接触擦り洗浄されていることを特徴とする電子写真感
光体、アルミニウム基体をチタニウムの塩またはジルコ
ニウムの塩を含有する酸性水溶液で化成処理する工程、
該処理後の基体を更に接触擦り洗浄する工程及び感光層
を形成する工程を有することを特徴とする電子写真感光
体の製造方法、該感光体を有するプロセスカートリッジ
及び電子写真装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真感光体、該
感光体の製造方法、該感光体を有するプロセスカートリ
ッジ及び電子写真装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体は、基本的には帯電及び
露光により潜像を形成する感光層と、その感光層を設け
る基体からなっている。
【0003】電子写真感光体は、適用される電子写真プ
ロセスに応じた感度、電気特性及び光学的特性を備えて
いることが要求される。
【0004】更に、低温低湿から高温高湿のいずれの環
境においても、その特性が十分に発揮されるような環境
安定性を有していることが要求される。
【0005】画像欠陥の代表的なものとしては、画像ス
ジ、白地部分の黒点、黒地部分の白点、白地部分の地カ
ブリ、更には、デジタル複写機やレーザービームプリン
ター等の単一波長を有する光源を使用して露光を行う装
置の場合には、基体の表面形状や感光体の膜厚ムラ等の
要因によって発生する干渉縞等が挙げられる。
【0006】従って、感光体を作製する場合、これらの
画像欠陥が発生しないようにあらかじめ何らかの対策を
施しておく必要がある。
【0007】上記のような画像欠陥の発生に大きな影響
を与える要因として、基体表面上の異物、アルミニウム
に含有される異種元素等の化学的な不純物、基体表面の
バリや微細な孔等の加工時に発生する欠陥等が挙げられ
る。化学的不純物や機械的欠陥が存在すると、そこで電
荷注入が局所的に発生し易く、その結果、帯電不良や反
転現像方式では、白地部分に出る黒点、カブリ等の画像
欠陥、正規現像では黒地部分に白点が現れる。
【0008】この電気的リークを防ぐために、例えば、
電気的ブロッキング機能を有する有機高分子からなる中
間層や金属酸化物を有機高分子中に分散した中間層等を
基体と感光層の間に設けることが提案されている。ま
た、特開平5−34964号公報ではアルミニウム基体
の表面を陽極酸化処理して酸化アルミニウムの層を設け
る方法も提案されている。また、アルミニウム基体の表
面に酸化処理を施す技術として、陽極酸化法以外に、例
えば特開昭54−12733号公報及び特開昭57−6
2056号公報等に示されているような、クロメート処
理を行ってクロメート化成皮膜を生成させる方法や特開
昭58−14841号公報及び特開昭64−29852
号公報等に示されているような、ベーマイト皮膜を形成
する方法、あるいは特開昭57−29051号公報に示
されているような、高温により強制的に酸化させ酸化皮
膜を形成する方法等が知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、陽極酸
化法は、上記技術課題の解決手段としては比較的良い方
法ではあるが、基体表面に膜厚ムラを生じないように均
一に形成するためには、膜厚を一定以上、通常の形成条
件においては5〜6μm程度以上にする必要がある。そ
の結果、残留電位の上昇や、感度低下等の特性劣化を引
き起こし、また、コストアップにつながっていた。
【0010】また、クロメート処理法は、ある程度の性
能の基体は得られるが、処理液がクロムを含有するため
廃液の処理が非常に困難であり、また環境安全上好まし
くない。
【0011】また、ベーマイト処理法は、表面の結晶状
態が必ずしも電子写真感光体の基体に適しているとはい
えず、十分な画質が得られていないのが現状である。
【0012】従って、本発明の目的は、低温低湿から高
温高湿のいかなる環境においても画像欠陥が発生せず、
また電位変動の少ない良好な電子写真特性を有する電子
写真感光体、該感光体を容易にかつ安価に安定して製造
できる方法、及び該感光体を有するプロセスカートリッ
ジ及び電子写真装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
めに検討を行った結果、電子写真感光体に用いられるア
ルミニウム基体の表面に特定の化成処理を施す、即ち、
電気的外力を用いることなく、基体と特定の金属を含有
する酸性水溶液との化学反応によって基体上に特定の組
成を有する不溶性の皮膜を形成し、更に基体表面に接触
擦り洗浄を行うことにより、画像欠陥のない高画質で高
品位な画像を提供し得る電子写真感光体が得られた。
【0014】即ち、本発明は、アルミニウム基体上に感
光層を有する電子写真感光体において、該基体の感光層
側の表面がアルミニウム、酸素及びチタニウム、また
は、アルミニウム、酸素及びジルコニウムを含有し、か
つ、該基体表面が接触擦り洗浄されていることを特徴と
する電子写真感光体である。
【0015】また、本発明は、アルミニウム基体をチタ
ニウムの塩またはジルコニウムの塩を含有する酸性水溶
液で化成処理する工程、該処理後の基体を更に接触擦り
洗浄する工程及び感光層を形成する工程を有することを
特徴とする電子写真感光体の製造方法である。
【0016】また、本発明は、上記感光体を有するプロ
セスカートリッジ及び電子写真装置である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明における化成処理とは、陽
極酸化のように電気的外力を加えることなく、基体を特
定の溶液に接触させることにより、基体上に特定組成の
皮膜を形成する処理である。
【0018】本発明に用いる金属塩の金属は、チタニウ
ム及びジルコニウムであり、これらとアルミニウム及び
酸素が共存した本発明の化成皮膜を有するアルミニウム
基体は、電子写真感光体用の基体として、極めて優れた
特性を有する。
【0019】添加するチタニウムの塩及びジルコニウム
の塩はフッ素化合物であることが好ましい。チタニウム
の塩としてはチタニウムフッ化水素酸及びそのナトリウ
ム塩、カリウム塩、アンモニウム塩及び硫酸チタニウム
等が挙げられ、ジルコニウムの塩としてはジルコンフッ
化カリウム及びジルコニウム硫酸塩等が挙げられる。
【0020】酸性水溶液中の金属塩の濃度は、金属の量
で0.01g〜2g/リットルの範囲であることが好ま
しい。
【0021】また、酸性水溶液中のフッ素イオンの濃度
は、0〜10g/リットルの範囲であることが好まし
い。この範囲では基体表面のエッチング反応が適度に起
こり、均一な皮膜が生成し易い。
【0022】本発明の酸性水溶液のpHは、アンモニア
や水酸化ナトリウム等により、1.0〜5.5の範囲に
調整することが好ましい。pHが1.0未満ではエッチ
ング反応が激しく起こり、良好な皮膜を得にくく、pH
が5.5を超えると皮膜の生成速度が低く、薄い皮膜し
か得られにくいために、本発明の顕著な効果が得られに
くい。
【0023】本発明においては、反応が安定に行われる
という点で、酸性水溶液を30〜90℃に加温して用い
ることが好ましい。
【0024】基体を酸性水溶液に接触させる方法は、浸
漬法及びスプレーによる噴霧法等いずれの方法でも良い
が、生産効率の点で浸漬法であることが好ましい。
【0025】本発明においては、基体表面の化成処理
後、基体表面を接触擦り洗浄により洗浄する。接触擦り
洗浄とは、基体表面に擦り材を直接接触させて水や有機
溶剤と共に表面を洗浄することである。接触擦り洗浄
は、化成処理によって基体表面に化成皮膜が形成された
後、化成処理に用いた処理剤の残留物や、アルミニウム
またはアルミニウム合金と前記化成処理剤との反応生成
物等をより十分に除去する目的で行われる。
【0026】本発明の接触擦り洗浄は、感光層の膜厚が
薄い場合や帯電設定が高帯電条件の場合等、感光体にか
かる電界が大きくなり、前記処理剤の残留物や反応生成
物からの電荷注入が増大するような場合に特に有効であ
る。
【0027】擦り材の材質としては、木綿、絹及び羊毛
等の天然繊維類、ポリアミド及びポリエステル等の合成
繊維類、更には、スチレン樹脂、カーボネート樹脂、ウ
レタン樹脂、塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、エポキ
シ樹脂、シリコーン樹脂及びアクリル樹脂等の高分子化
合物、また、天然ゴム、イソプレンゴム、エチレンプロ
ピレンゴム、シリコーンゴム及びフッ素ゴム等のゴム類
が挙げられる。
【0028】擦り材の形状は、布状、ブラシ状、ブレー
ド状及びフォーム状等が挙げられ、また、擦り方法とし
ては、回転しながらあるいは往復しながら等が挙げられ
る。
【0029】本発明における基体表面の組成は、オージ
ェ電子線分光法やESCA法等の分析方法によって測定
し、基体の最表面から深さ50Å(5×10-3μm)の
範囲におけるものとする。
【0030】本発明においては、チタニウムまたはジル
コニウムの含有量が、アルミニウムの含有量に対して4
〜100atm%の範囲であることが好ましい。
【0031】また、基体表面に形成するチタニウムまた
はジルコニウムを含有する化成皮膜の総膜厚は1μm以
下であることが好ましく、更には50Å(5×10-3μ
m)以上であることが好ましい。膜厚が1μmを超える
と、電荷が逃げにくくなり過ぎ、残留電位が上昇した
り、ゴーストが発生し易くなる。一方、50Åに満たな
いと、本発明の顕著な効果を得にくくなる。
【0032】本発明においては、耐食性や塗膜の密着性
の点で、酸性水溶液が更にリン酸、リン酸塩、タンニン
またはタンニン酸を含有することが好ましい。
【0033】リン酸及びリン酸塩としては、リン酸また
はそのナトリウム、カリウム及びアンモニウム塩やピロ
リン酸、トリポリリン酸、ヘキサメタリン酸及びそれら
のナトリウム塩やカリウム塩といったアルカリ金属塩の
縮合リン酸塩等が挙げられる。また、フィチン酸、ニト
ロジエタノールエチレンホスホン酸、2−ヒドロキシエ
チルメタクリル−1−アシッドホスホン酸、2−エチル
ヘキシルアシッドホスホン酸及びエタン−1−ヒドロキ
シ−1,1−ジホスホン酸等の有機リン酸化合物も添加
することができる。
【0034】酸性水溶液中のリン酸またはリン酸塩の濃
度は、リン酸イオンに換算して0.05〜50g/リッ
トルの範囲であることが好ましい。この範囲において
は、特に均一で良好な化成皮膜が得られ、また、処理液
の安定性も特に良好である。
【0035】タンニンまたはタンニン酸としては、ケプ
ラチョ、デプジト、支那産タンニン酸、トルコ産タンニ
ン酸、ハマメリタンニン酸、ケプリン酸、スマックタン
ニン、五倍子タンニン及びエラーグ酸タンニン等が挙げ
られる。
【0036】酸性水溶液中のタンニンまたはタンニン酸
の濃度は、0.1〜10g/リットルの範囲であること
が好ましい。
【0037】また、本発明においては、酸性水溶液が、
フッ酸、ホウフッ酸、ケイフッ酸及びそれらの塩を含有
することが好ましい。
【0038】これらはアルミニウム基体の化成処理を行
う際に、基体表面をエッチングする機能を有するので、
非常に均一な化成皮膜を得ることができる。
【0039】以上のことから、本発明の化成皮膜中には
リン酸及びフッ素が含有されていることが好ましい。
【0040】本発明に用いられるアルミニウム基体は、
アルミニウムであれば特に限定されるものではなく、純
アルミニウム及びAl−Mn系、Al−Mg系、Al−
Cu系、Al−Si系、Al−Mg−Si系及びAl−
Cu−Si系等のアルミニウム合金が挙げられる。より
具体的には、JIS A 6063等の6000系のア
ルミニウム合金やJIS A 3003等の3000系
のアルミニウム合金等を用いることができる。形状も特
に限定されないが、ドラム状であることが好ましい。
【0041】次に、本発明に用いる電子写真感光体の感
光層について説明する。
【0042】本発明の感光層の構成は、電荷発生物質と
電荷輸送物質の両方を同一の層に含有する単層型、及び
電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含
有する電荷輸送層を有する積層型に大別される。
【0043】以下、積層型の感光層を有する電子写真感
光体について説明する。
【0044】感光体の構成としては、基体上に電荷発生
層及び電荷輸送層をこの順に積層したものと、逆に電荷
輸送層及び電荷発生層の順に積層したものがある。
【0045】電荷輸送層は、主鎖または側鎖にビフェニ
レン、アントラセン、ピレン及びフェナントレン等の構
造を有する多環芳香族化合物;インドール、カルバゾー
ル、オキサジアゾール及びピラゾリン等の含窒素環化合
物;ヒドラゾン化合物及びスチリル化合物等の電荷輸送
物質を成膜性を有する樹脂に溶解した溶液を塗布し、乾
燥することによって形成する。
【0046】成膜性を有する樹脂としては、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメタクリル
酸エステル及びポリアリレート等が挙げられる。
【0047】電荷輸送層の膜厚は、好ましくは5〜40
μm、より好ましくは10〜30μmである。
【0048】電荷発生層は、スーダンレッド及びダイア
ンブルー等のアゾ顔料;ピレン、キノン及びアントアン
トロン等のキノン顔料;キノシアニン顔料;ペリレン顔
料;インディゴ及びチオインディゴ等のインディゴ顔料
及びフタロシアニン顔料等の電荷発生物質をポリビニル
ブチラール、ポリスチレン及びポリ酢酸ビニル及びアク
リル樹脂等の樹脂に分散した分散液を塗布し、乾燥する
か、前記顔料を真空蒸着することによって形成する。
【0049】電荷発生層の膜厚は、好ましくは5μm以
下、より好ましくは0.01〜3μmである。
【0050】単層型の感光層は、上記電荷発生物質及び
電荷輸送物質を上記樹脂に分散及び溶解した溶液を塗布
し、乾燥することによって形成する。
【0051】感光層の膜厚は、好ましくは5〜40μ
m、より好ましくは10〜30μmである。
【0052】本発明においては、基体と感光層の間に、
バリヤー機能と接着機能を有する下引層を設けることが
できる。下引層はカゼイン、ポリビニルアルコール、ニ
トロセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ア
ルコール可溶ポリアミド、ポリウレタン及びゼラチン等
を溶解した溶液を塗布し、乾燥することによって形成す
る。
【0053】下引層の膜厚は、0.1〜3μmであるこ
とが好ましい。
【0054】また、本発明においては、感光層上に保護
層を設けても良い。
【0055】保護層を構成する材料としては、ポリエス
テル、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリスチレ
ン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリアミド、
ポリプロピレン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリ
サルホン、ポリアクリルエーテル、ポリアセタール、フ
ェノール、アクリル、シリコーン、エポキシ、ユリア、
アリル、アルキッド、ブチラール、フェノキシ、ホスフ
ァゼン、アクリル変性エポキシ、アクリル変性ウレタン
及びアクリル変性ポリエステル樹脂等が挙げられる。
【0056】保護層の膜厚は、0.2〜10μmである
ことが好ましい。
【0057】以上の各層には、クリーニング性や耐摩耗
性等の改善のために、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ
化ビニリデン、フッ素系グラフトポリマー、シリコーン
系グラフトポリマー、フッ素系ブロックポリマー、シリ
コーン系ブロックポリマー及びシリコーン系オイル等の
潤滑剤を含有させても良い。
【0058】更に、耐候性を向上させる目的で、酸化防
止剤等の添加物を加えても良い。
【0059】また、保護層には、抵抗制御の目的で、導
電性酸化スズ及び導電性酸化チタニウム等の導電性粉体
を分散しても良い。
【0060】図1に本発明の電子写真感光体を有するプ
ロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を
示す。
【0061】図において、1はドラム状の本発明の電子
写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速
度で回転駆動される。感光体1は、回転過程において、
一次帯電手段3によりその周面に正または負の所定電位
の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービ
ーム走査露光等の露光手段(不図示)からの露光光4を
受ける。こうして感光体1の周面に静電潜像が順次形成
されていく。
【0062】形成された静電潜像は、次いで現像手段5
によりトナー現像され、現像されたトナー現像像は、不
図示の給紙部から感光体1と転写手段6との間に感光体
1の回転と同期取り出されて給紙された転写材7に、転
写手段6により順次転写されていく。
【0063】像転写を受けた転写材7は、感光体面から
分離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けるこ
とにより複写物(コピー)として装置外へプリントアウ
トされる。
【0064】像転写後の感光体1の表面は、クリーニン
グ手段9によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面
化され、更に前露光手段(不図示)からの前露光光10
により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用され
る。なお、一次帯電手段3が帯電ローラー等を用いた接
触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではな
い。
【0065】本発明においては、上述の電子写真感光体
1、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段
9等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリ
ッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカート
リッジを複写機やレーザービームプリンター等の電子写
真装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。例え
ば、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段
9の少なくとも1つを感光体1と共に一体に支持してカ
ートリッジ化して、装置本体のレール12等の案内手段
を用いて装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ1
1とすることができる。
【0066】また、露光光4は、電子写真装置が複写機
やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過
光、あるいは、センサーで原稿を読取り、信号化し、こ
の信号に従って行われるレーザービームの走査、LED
アレイの駆動及び液晶シャッターアレイの駆動等により
照射される光である。
【0067】本発明の電子写真感光体は電子写真複写機
に利用するのみならず、レーザービームプリンター、C
RTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター及
びレーザー製版等電子写真応用分野にも広く用いること
ができる。
【0068】
【実施例】(実施例1)外径29.92mm、内径2
8.5mm、長さ254mmの円筒状アルミニウムシリ
ンダーを用意した。
【0069】有機リン酸としてフィチン酸及び金属の塩
としてチタニウムフッ化水素酸及びチタンフッ化アンモ
ニウムを含有する酸性水溶液(商品名:パルコート37
53、日本パーカライジング(株)製、pH3.8)を
50℃の温度に保ち、この水溶液中に上記のアルミニウ
ムシリンダーを浸漬し、1分間化成処理を行った後、純
水で洗浄後、木綿製の布(商品名:BEMCOT、旭化
成工業(株)製)を用いて、前記化成処理を施したアル
ミニウムシリンダー表面を純水中で擦りながら洗浄し、
更に自然乾燥した。化成皮膜の膜厚は190Åであっ
た。
【0070】次に、オキシチタニウムフタロシアニン顔
料5重量部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:BX
−1、積水化学工業(株)製)2重量部及びシクロヘキ
サノン40重量部をサンドミルで8時間分散した後、テ
トラヒドロフラン60重量部を加えて電荷発生層用の分
散液を調合した。
【0071】この分散液を先に化成処理したアルミニウ
ムシリンダー上に浸漬塗布し、95℃で10分間加熱乾
燥して膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0072】次に、下記式で示されるトリアリールアミ
ン化合物50重量部及びビスフェノールZ型ポリカーボ
ネート樹脂50重量部をモノクロルベンゼン400重量
部に溶解した溶液を前記電荷発生層上に浸漬塗布し、1
10℃で1時間加熱乾燥して膜厚15μmの電荷輸送層
を形成した。
【0073】
【化1】
【0074】(評価)接触擦り洗浄及び乾燥後の基体の
表面を最表面から基体の深さ方向にアルゴンイオンエッ
チングを行いながら走査型オージェ電子分光分析装置を
用いて元素分析を行った。その結果、主な構成元素とし
てアルミニウム、チタニウム及び酸素が検出された。
【0075】表1に、基体最表面及び表面から50Åの
深さにおける元素の組成比をアルミニウム元素の量を1
00としたときの元素比率として示す。
【0076】この結果から、基体表面の化成皮膜は、ア
ルミニウムの酸化皮膜中にチタニウムが取り込まれてい
るものであることが分かる。また、分析の結果、その他
の含まれる元素として窒素、フッ素及びリン等が検出さ
れた。これらの元素は化成処理を行う際に用いた酸性水
溶液中のリン酸やフッ素化合物に含まれていた物が化成
皮膜の中に取り込まれたものと考えられる。
【0077】また、前記電子写真感光体をプリンター用
カートリッジに組み込み、反転現像方式のプリンターを
用いて評価した。評価環境は、常温常湿(23℃、60
%Rh)、高温高湿(32.5℃、85%Rh)及び低
温低湿(15℃、10%Rh)で、各環境に48時間以
上放置した後、画像評価と暗部電位及び明部電位を測定
した。画像評価方法としては、レベルを0から5の数値
化評価とした。0が全く黒点、カブリのない良好なレベ
ルで、数値が増えるほどカブリレベルが悪化することを
示す。レベルを0から5までの6段階で評価した。結果
を表2に示す。表2では、20本のサンプルの平均値を
示し、括弧内にはばらつきの幅(最小値と最大値の差)
を示した。また、電位の評価結果を表3に示す。
【0078】(実施例2)化成処理用酸性水溶液とし
て、タンニン酸及びアンモニウム塩及び金属の塩として
ジルコニウムフッ化物及びジルコニウム硫酸塩を含有す
る液(商品名:パルコート3756、日本パーカライジ
ング(株)製、pH3.2)を用いて化成処理を行い、
純水で洗浄後、更に、ポリエステル製スポンジを用い
て、純水中で前記化成処理を施したアルミシリンダー表
面を擦りながら洗浄した他は、実施例1と同様にして電
子写真感光体を作製し、評価した。化成皮膜の膜厚は1
80Åであった。
【0079】(比較例1)化成処理を行わなかった以外
は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価
した。結果を表2及び表3に示す。
【0080】
【表1】
【0081】
【0082】
【0083】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、低温低
湿から高温高湿に至る全ての環境下において画像欠陥が
無く、また、電位変動の小さい良好な特性の電子写真感
光体、該電子写真感光体の製造方法、該電子写真感光体
を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供
することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカー
トリッジを有する電子写真装置の概略構成の例を示す図
である。
フロントページの続き (72)発明者 長坂 秀昭 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 川守田 陽一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H068 AA42 AA52 CA29 CA32 CA60 EA05 EA43 FA27

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム基体上に感光層を有する電
    子写真感光体において、該基体の感光層側の表面がアル
    ミニウム、酸素及びチタニウム、または、アルミニウ
    ム、酸素及びジルコニウムを含有し、かつ、該基体表面
    が接触擦り洗浄されていることを特徴とする電子写真感
    光体。
  2. 【請求項2】 基体の感光層側の表面のチタニウムまた
    はジルコニウムの含有量が、アルミニウムの含有量に対
    して4〜100atm%である請求項1記載の電子写真
    感光体。
  3. 【請求項3】 基体の感光層側の表面が更にリンを含有
    する請求項1または2記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 基体の感光層側の表面が更にフッ素を含
    有する請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真感光
    体。
  5. 【請求項5】 基体の感光層側の表面が化成処理によっ
    て形成された皮膜である請求項1乃至4のいずれかに記
    載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 皮膜の膜厚が1μm以下である請求項5
    記載の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 アルミニウム基体をチタニウムの塩また
    はジルコニウムの塩を含有する酸性水溶液で化成処理す
    る工程、該処理後の基体を更に接触擦り洗浄する工程及
    び感光層を形成する工程を有することを特徴とする電子
    写真感光体の製造方法。
  8. 【請求項8】 チタニウムの塩及びジルコニウムの塩が
    フッ素化合物である請求項7記載の電子写真感光体の製
    造方法。
  9. 【請求項9】 酸性水溶液のpHが1.0〜5.5であ
    る請求項7または8記載の電子写真感光体の製造方法。
  10. 【請求項10】 酸性水溶液の温度が30〜90℃であ
    る請求項7乃至9のいずれかに記載の電子写真感光体の
    製造方法。
  11. 【請求項11】 酸性水溶液が更にリン酸、リン酸塩、
    タンニン及びタンニン酸からなる群より選択される少な
    くともひとつの化合物を含有する請求項7乃至10のい
    ずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。
  12. 【請求項12】 酸性水溶液が更にフッ酸、ホウフッ
    酸、ケイフッ酸及びこれらの塩からなる群より選択され
    る少なくともひとつの化合物を含有する請求項7乃至1
    1のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至6のいずれかに記載の電
    子写真感光体、及び帯電手段、現像手段及びクリーニン
    グ手段からなる群より選択される少なくともひとつの手
    段を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在である
    ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至6のいずれかに記載の電
    子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写
    手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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