JP2000162782A - 光ディスク原盤の製造方法 - Google Patents

光ディスク原盤の製造方法

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JP2000162782A
JP2000162782A JP33357298A JP33357298A JP2000162782A JP 2000162782 A JP2000162782 A JP 2000162782A JP 33357298 A JP33357298 A JP 33357298A JP 33357298 A JP33357298 A JP 33357298A JP 2000162782 A JP2000162782 A JP 2000162782A
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intensity
exposure
contrast enhancement
photoresist
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JP33357298A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Miyata
弘幸 宮田
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Publication date
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  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】コントラスト増強層と超解像の組合せとフォト
レジスト感度の最適条件を明確にしてサイドローブによ
る不要露光を安定して防いで、幅が小さい溝とピットを
安定して形成する。 【解決手段】コントラスト増強層3が不透明状態のとき
の波長λに対するコントラスト増強層3の透過率をτ
0、コントラスト増強層3の透過率がτ0から上昇し始
める波長λの光強度をP0、フォトレジスト単体を波長
λで露光したとき膜厚変化が開始する光強度をE0と
し、露光ビームのサイドローブのピーク強度をIsとし
たとき、Is<P0で、かつ(τ0×P0)<E0の関
係を満たすようにして超解像光ビームのサイドローブに
よるフォトレジスト層の露光を防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光ディスクの製
造に用いられる光ディスク原盤の製造方法、特に微細な
ピットとトラッキング用の案内溝の形成に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】光ディスク円盤にはスパイラル状あるい
は同心円状にトラッキング用の溝やアドレスを表す凹凸
のピットがあらかじめ形成されている。このような溝や
ピットのパターン形成は原盤を形成することから始ま
る。この原盤の形成は、まず、精密に研磨して洗浄され
たガラス基板に、通常、ポジ型のフォトレジスト膜を形
成する。その後、原盤露光装置の対物レンズで形成すべ
きパターンに応じて強度変調された光ビームをフォトレ
ジスト膜に集束して露光して潜像を形成する。この露光
されたフォトレジスト膜を現像することによりガラス基
板表面のフォトレジスト膜に凸凹の溝とビットを有する
原盤を得る。なお、ネガ型レジストでは凸凹が逆にな
る。この原盤の表面に導電皮膜処理やニッケル電鋳処理
し、ガラス基板を剥離してスタンパに加工する。このス
タンパを型として大量のレプリカ基板を射出成形で作成
し、これらのレプリカ基板に記録膜と反射膜を形成して
光ディスク円盤ができあがる。
【0003】この光ディスク円盤を高密度化するため、
原盤の溝やピットの微小化が試みられているが、原盤の
溝やピットの寸法は、主として原盤露光装置の露光ビー
ム強度の幅、すなわちスポット径によって決定される。
通常、原盤露光装置ではレーザ光を対物レンズで回折限
界まで絞り、強度がガウス分布の露光ビームすなわちガ
ウスビームを利用する。ガウスビームのスポット径は、
露光波長λと対物レンズ開口数NAとの比λ/NAによ
り決まる。一般に原盤露光層値の光源の波長波長λは約
400nmで、対物レンズ開口数NAは約0.9であ
り、両者ともほぼ実用上の限界値に近いことから、露光
スポット径及びそれから形成される光ディスク原盤の溝
とピット幅の下限値はほぼ0.5μmとされている。
【0004】このような制約の下で光ディスク原盤上に
形成される溝とピット幅をより微小化する方法として、
例えば特開平6−243512号公報に示すように、フ
ォトレジスト膜の上にコントラスト増強層を形成して超
解像光ビームを用いて案内溝とピットの潜像を露光して
現像する方法が開示されている。超解像では、図2に示
すように、対物レンズ4の入射光の中心部を帯状又は円
状の遮光マスク5で一部遮光することにより、図3に示
すように、対物レンズの0次回折光(メインローブ,ピ
ーク強度Im)の幅を遮光がないガウスビームの場合と
比べて狭くするとともにメインローブ両側に1次回折光
(サイドローブ,ピーク強度Is)を生じさせる。ま
た、超解像メインローブのピーク強度Imは同じ光量の
ガウスビームのピーク強度よりも弱くなる。
【0005】コントラスト増強層は光退色性層とも呼ば
れ、はじめは露光光に対して透過率が低く不透明である
が、露光光を吸収することにより退色して透過率が高く
なり光を通す性質を持つフォトクロミック材料で形成さ
れる。このコントラスト増強層の退色の程度、すなわち
透過率の上昇は強い光ほど大きくなり、透過後のビーム
強度分布の強弱差を拡大してコントラストを増強する働
きがある。このコントラスト増強層をフォトレジスト膜
の上に形成すると、コントラスト増強層を透過した後の
メインローブ強度とサイドローブ強度のコントラストを
広げることができ、適切な条件を選択することにより、
サイドローブによる不要露光を防ぎ、メインローブのみ
で露光することができる。
【0006】特開平6−243512号公報に示された
光ディスク原盤の作成方法では、フォトレジスト膜の上
に芳香族ジアゾ化合物系のコントラスト増強層を形成
し、超解像露光ビームにより回折限界以下に小径化した
メインローブで通常より微小な溝とピットの潜像を露光
して現像するようにしている。例えば波長λ=410n
mのKrレーザ光源と露光レンズ開口数NA=0.93
の場合、フォトレジスト膜を露光する光スポット径を通
常の場合より約30%狭くし、かつコントラスト増強層
によりサイドローブがフォトレジスト膜を露光しないよ
うにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにコントラ
スト増強層によるコントラスト増強効果を有効に利用し
てフォトレジスト膜に溝とピットを形成するには、入射
光強度とコントラスト増強層の感度特性及び使用するフ
ォトレジスト膜の感度特性などの相互関係が重要であ
る。さらに、超解像を組み合わせる場合は、サイドロー
ブ強度とメインローブ強度の関係が重要である。特開平
6−243512号公報では、これらのパラメータの相
互関係が明確にされておらず、フォトレジスト膜に溝と
ピットを形成するときの安定したコントラスト増強層と
超解像の組み合わせ条件が明確にされていなかった。
【0008】この発明はかかる点を改善し、コントラス
ト増強層と超解像の組合せとフォトレジスト感度の最適
条件を明確にしてサイドローブによる不要露光を安定し
て防いで、幅が小さい溝とピットを安定して形成するこ
とができる光ディスク原盤の製造方法を提供することを
目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明に係る光ディス
ク原盤の製造方法は、ガラス基板上にフォトレジスト層
を形成する工程と、フォトレジスト層の上にフォトクロ
ミック効果を利用したコントラスト増強層を形成する工
程と、波長λの光を対物レンズによって集光するととも
に、対物レンズの入射光断面の一部を遮光する遮光マス
クで遮光して形成される露光ビームを出射する原盤露光
装置からの露光ビームにより所定の溝とピットパターン
をフォトレジスト層へ露光する工程と、コントラスト増
強層を除去する工程と、露光済みのガラス基板上のフォ
トレジスト層を現像して所定の溝パタンを形成する工程
を有する光ディスク原盤の製造方法において、コントラ
スト増強層が不透明状態のときの波長λに対するコント
ラスト増強層の透過率をτ0、コントラスト増強層の透
過率がτ0から上昇し始める波長λの光強度をP0、フ
ォトレジスト単体を波長λで露光したとき膜厚変化が開
始する光強度をE0とし、露光ビームのサイドローブの
ピーク強度をIsとしたとき、Is<P0で、かつ(τ
0×P0)<E0の関係を満たすことを特徴とする。
【0010】上記コントラスト増強層の透過率上昇が飽
和して透過率がτ1となる光強度をP1とし、露光ビー
ムのメインローブのピーク強度をImとしたときに、I
m>P1で、かつ(τ1×P1)>E0の関係を満たす
ことが望ましい。
【0011】また、上記フォトレジスト単体を波長λで
露光したときに、膜厚変動がゼロになる光強度をE1と
したときに、(τ1×Im)>E1の関係を満たすと良
い。
【0012】さらに、上記遮光マスクによって生じる露
光ビームのメインローブビーキ強度と、遮光マスクなし
の場合の露光ガウスビームピーク強度と等しくするため
の光源光量の増加量が△P倍とし、原盤露光装置の光量
供給マージンをN倍としたときに、(△P/τ1)<N
の関係を満たすと良い。
【0013】また、上記光源光量の増加量△Pを、△P
<2.0の関係を満たすように規制することが望まし
い。
【0014】さらに、上記遮光マスクに円板遮光部を設
け、遮光マスク円直径/入射ビーム直径で表せる遮光率
が、遮光率<0.3の関係を満たすようにしたり、遮光
マスクに、幅方向を原盤上に形成するスパイラル溝の半
径方向と一致させた帯状の遮光部を設け、遮光マスク帯
幅/入射ビーム直径で表せる遮光率が、遮光率<0.2
の関係を満たすようにすると良い。
【0015】
【発明の実施の形態】この発明の光ディスク原盤の製造
方法は、フォトレジスト膜の上にコントラスト増強層を
形成して超解像光ビームを用いて案内溝とピットの潜像
を露光して現像して光ディスク原盤を製作する。この光
ディスク原盤を製作するときに、コントラスト増強層が
不透明状態のときの波長λに対するコントラスト増強層
の透過率をτ0、コントラスト増強層の透過率がτ0か
ら上昇し始める波長λの光強度をP0、フォトレジスト
単体を波長λで露光したとき膜厚変化が開始する光強度
をE0とし、露光ビームのサイドローブのピーク強度を
Isとしたとき、Is<P0で、かつ(τ0×P0)<
E0の関係を満たすようにして、サイドロープによりフ
ォトレジスト膜に潜像を形成することを確実に防ぐ。
【0016】また、コントラスト増強層に露光レーザ光
を照射したとき、コントラスト増強層の透過率上昇が飽
和して透過率がτ1となる光強度をP1とし、露光ビー
ムのメインローブのピーク強度をImとしたときに、I
m>P1で、かつ(τ1×P1)>E0の関係を満たす
ようにして、メインロープによりフォトレジスト層に潜
像を確実に形成する。
【0017】
【実施例】図1はこの発明の一実施例の製造方法を示す
工程図である。まず、表面が精密に研磨されたガラス基
板1を超純水により洗浄して乾燥し、ガラス基板1に付
着したゴミを除去する。このガラス基板1の表面を、U
V/O3と呼ばれる光オゾンアッシング処理により約3
分間表面処理して、表面の有機物を除去して表面に酸化
皮膜を形成して水に対する濡れ性(親水性)を向上させ
る。ここで親水性を向上させる方法であれば光オゾンア
ッシング処理以外の方法でも良い。例えば、イソプロピ
ルアルコールなどの溶剤で表面を洗浄して有機物を除去
した後、十分に純水で洗浄すると、ガラス基板1の表面
を親水性に置換することができる。しかし有機物の除去
性に優れていることと乾式でガラス基板1の乾燥が不必
要なことから、光オゾンアッシング処理が最も優れた方
法である。次ぎに、ガラス基板1にヘキサメチルジシラ
ザン(HMDS)をスピンコート法により塗布して完全
に乾燥させる。このHMDS処理するときに、ガラス基
板1の表面を光オゾンアッシング処理してあるから、H
MDSの塗布性を向上させることができる。このHMD
S処理したガラス基板1の下層表面に、図1(a)に示
すように、スピンコート法により、例えばポジ型レジス
トからなるフォトレジストを均一に塗布して80℃の温
度で30分間の加熱処理を行いフォトレジストの溶剤を
蒸発させてフォトレジスト層2を形成する。このフォト
レジストを塗布するときに、下層表面をHMDS処理し
て疎水性にしてあるから、フォトレジストを均一に塗布
できるとともに下層表面とフォトレジスト層2の密着力
を高め、現像時のフォトレジストの剥離を防止すること
ができる。このフォトレジスト層2の膜厚は形成する溝
やピットの深さと同じ値に設定する。
【0018】この形成したフォトレジスト層2にスピン
コート法により、水溶性樹脂にスピロピラン系のフォト
クロミック材料を分散させた溶液を塗布し、80〜10
0℃の温度で30分間の加熱処理を行い、図1(b)に
示すように、例えば膜厚が約1000Åのコントラスト
増強層3を形成する。この水溶性樹脂としてはポリビニ
ルアルコールを主成分としたものを使用したり、メチル
セルロース,ポリビニルピロリドンを使用する。
【0019】フォトレジスト層2とコントラスト増強層
3が形成されたガラス基板1を、図2に示すように、対
物レンズ4の直前に対物レンズ4の中心部を覆う帯状又
は円形の遮光マスク5を有する原盤露光装置のターンテ
ーブルに載せ、ターンテーブルを一定速度で回転しなが
ら、図1(c)に示すように、波長λ=400nm程度
のKr/Arレーザビームを遮光マスク5と対物レンズ
4を通して内周側からスパイラル状に露光して溝ピット
の潜像7を形成する。この露光するときに遮光マスク5
と対物レンズ4を通るときの超解像効果により、図3に
示すように、対物レンズ4の0次回折光(メインロー
ブ)の径を、遮光がないガウスビームの場合と比べて小
さくし、ピーク強度Imをガウスビームと比べて低下
し、かつメインローブ両側にピーク強度Isの1次回折
光(サイドローブ)を生じさせた超解像露光ビーム6が
コントラスト増強層3に入射する。ここで帯状の遮光マ
スク5を使用した場合は、帯状の遮光マスク5と直交す
るX方向を、形成するスパイラル溝の半径方向に一致さ
せる。
【0020】例えば図4にコントラスト増強層3に入射
する超解像露光ビーム6の強度分布とコントラスト増強
層3を通過後のフォトレジスト層2に入射する超解像露
光ビームの強度分布を示す。図4において、Aはコント
ラスト増強層3に入射する超解像露光ビーム6の強度分
布を示し、B,Cは強度分布Aの超解像露光ビーム6が
特性の異なる2種類のコントラスト増強層3を透過した
ときにフォトレジスト層2に入射する超解像露光ビーム
の強度分布をそれぞれ示す。図4に示すように、コント
ラスト増強層3の特性によって程度は異なるが、コント
ラスト増強効果によりサイドローブ強度が低減され、メ
インローブの裾が遮断されてフォトレジスト層2を露光
する。
【0021】この露光工程の後に、図1(d)に示すよ
うに、コントラスト増強層3を除去する。コントラスト
増強層3が水溶性樹脂で形成されている場合は純水で洗
浄して簡単に除去することができる。その後、図1
(e)に示すように、フォトレジスト層2を現像し、潜
像7が形成された部分を除去して溝とピット8を形成す
る。この形成された溝とピット8の断面形状を図5に示
す。図5においてA,B,Cは、それぞれ特性が異なる
3種類のフォトレジスト層2を露光して現像して形成さ
れた断面形状を示し、Aは図4に示す強度分布Bの超解
像露光ビームで露光した場合、B,Cは図4に示す強度
分布Cの超解像露光ビームで露光した場合を示す。コン
トラスト増強層3の特性の違い及びフォトレジスト層2
の特性の相違により現像後に形成される溝とピット8の
断面形状が異なる。すなわち、図5においてAの場合
は、溝とピット8がフォトレジスト層2の途中まで形成
され、サイドローブによる不要溝Dが形成される。ま
た、Bの場合は、溝とピット8がフォトレジスト層2の
途中まで形成されるが、サイドローブによる不要溝は形
成されず、Cの場合は、溝とピット8がガラス基板1ま
で形成され、サイドローブによる不要溝は形成されな
い。
【0022】図4,図5から明らかなように、安定した
断面形状の溝とピット8を形成するためには、フォトレ
ジスト層2の感度特性とコントラスト増強層3の特性及
び超解像露光ビーム強度の各パラメータの関係が重要で
ある。
【0023】露光波長λにおけるコントラスト増強層の
透過率特性を図6に示す。図6に示すように、コントラ
スト増強層単体に波長λの光を照射したとき、照射した
光の強度が一定値P0より小さいときは透過率τは低透
過率τ0と一定であり、光強度Iが一定値P0より大き
くなるにしたがって透過率τが上昇し、一定の光強度P
1以上になると透過率τは高透過率τ1で飽和する。
【0024】また、フォトレジスト層2を露光して現像
したときに、フォトレジスト層2から除去される厚さは
露光する光の強度により変化し、例えば露光して現像す
ることにより膜厚減少が生じるポジ型フォトレジストの
場合、露光波長λで露光したときの光強度と除去された
膜厚の残りを示す残膜率の特性は図7に示すように、露
光する光の強度が一定値E0以下のときは膜厚減少が生
じなく、光強度が一定値E0を超えると膜厚減少を開始
し、光強度が増加するにしたがって除去される厚さが大
きくなり、一定の光強度E1で露光が飽和し、残膜率が
「0」になる。
【0025】そこで図3に示すサイドローブピーク強度
Isにおける波長λに対するコントラスト増強層3の透
過率τsとすると、コントラスト増強層3を透過してフ
ォトレジスト層2に到達するサイドローブピーク強度は
(τs×Is)である。そして、図5のB,Cに示すよ
うに、超解像光ビーム6のサイドローブがフォトレジス
ト層2に不要な溝やピットを形成しない安定条件は、サ
イドローブピーク強度(τs×Is)を、(τs×I
s)<E0とすれば良い。さらに、コントラスト増強層
3の低透過率領域を利用し、Is<P0で、かつ(τ0
×P0)<E0とすることにより安定してサイドローブ
によるフォトレジスト露光を防ぐことができる。
【0026】また、超解像光ビーム6のメインローブに
よりフォトレジスト層2を露光して溝とピットを形成す
る安定条件は、図6に示すように、メインローブピーク
値強度Imにおける波長λに対するコントラスト増強層
3の透過率をτmとすると、コントラスト増強層3を透
過してフォトレジスト層2に到達するメインローブピー
ク値強度は(Im×τm)であり、(Im×τm)>E
0とするとメインローブによりフォトレジスト層2が露
光される。さらに、コントラスト増強層3の高透過率領
域を利用し、Im>P1とし、かつ(τ1×P1)>E
0とすることにより、メインロープによりフォトレジス
ト層2に潜像を確実に形成することができる。
【0027】また、(τ1×P1)>E0のときに現像
後のフォトレジスト層2に形成される溝とピットの深さ
がフォトレジスト層2の膜厚より小さくなる可能性があ
る。フォトレジスト層2の膜厚より小さな深さの溝とピ
ットは、露光や現像条件の影響を受けやすく、形状が不
安定になり易い。そこで超解像光ビーム6のメインロー
ブによりフォトレジスト層2に溝とピットをより安定に
形成するために、形成される溝とピットの深さをフォト
レジスト層2の膜厚に等しくすると良い。すなわち(τ
1×Im)>E1とすれば良い。
【0028】また、超解像光ビーム6を照射することに
よりビームは小径化されるが光量も低下する。それを補
うために遮光マスク5と対物レンズ4の結像系に入射す
るレーザ光量を増やす必要があるが、供給可能な光量に
は上限がある。対物レンズ4から出射された超解像光ビ
ーム6のメインローブ強度Imを超解像なしのガウスビ
ーム強度に等しくするために光量を△P倍に増やす場
合、コントラスト増強層3を含めた全体の光量補正量は
△P/τ1である。原盤露光装置の光量供給マージンを
N倍とすると、光量補正量の制限は△P/τ1<Nであ
る。一般に露光光量は最大光量の半値付近を中心に設定
され、さらに透過率τ1の値は最大「1」であるから、
現実的には超解像効果に対して光量の増加させる補正量
の制限値を△P<2.0とすることが望ましい。
【0029】図8は超解像効果を生じさせるために対物
レンズ4の直前に設けた遮光マスク5の遮光率と遮光率
0のガウスビームピーク強度で規格化した超解像光ビー
ム6のメインローブ強度の関係を示す。遮光マスク5と
して円形の遮光マスクを用いる場合、遮光マスクの遮光
円直径/入射ビーム直径である遮光率を30%以下にす
ると、光量の増加させる補正量の制限値△Pを2.0以
下にすることができ、遮光マスク5として帯状の遮光マ
スクを用いる場合、遮光マスク帯幅/入射ビーム直径で
示される遮光率を20%以下にすると、光量を増加させ
る補正量の制限値△Pを2.0以下にすることができ
る。このようにして超解像光ビーム6の光量を増加させ
る補正量の制限値△Pを規制することにより、原盤露光
装置の負担を小さくしながら光強度不足を起こさずに超
解像効果を得てフォトレジスト層2を露光することがで
きる。
【0030】そして開口数NA=0.9の対物レンズ4
の入射ビーム直径の20%の幅を有する帯状遮光部を有
する露光マスク5でビーム中心部を遮光し、図1(c)
に示すように露光した。この露光マスク5の帯状遮光部
の図2に示すX方向すなわち幅方向を原盤上に形成する
スパイラル溝の半径方向と一致させ、露光波長λ=41
3nmのKrレーザを、超解像なしの場合に比べて2倍
の光源光量で入射して対物レンズ4から出射した超解像
光ビーム6のメインローブビーム径は0.30μmとな
り、超解像を使用しないガウスビームの半値幅0.45
μmより20%ほど小径化することができた。また、こ
のときのメインローブのピーク強度Imに対するサイド
ローブのピーク強度Isの比Is/Imは0.25であ
った。
【0031】上記実施例はポジ型のフォトレジスト層を
形成する場合について説明したが、ネガ型のフォトレジ
スト層を形成する場合についても、E0,E1を現像後
のフォトレジスト膜厚増加が始まる光強度と現像後のフ
ォトレジスト膜厚減少がなくなる光強度と置き換えるこ
とにより同様に適用することができる。
【0032】
【発明の効果】この発明は以上説明したように、コント
ラスト増強層が不透明状態のときの波長λに対するコン
トラスト増強層の透過率をτ0、コントラスト増強層の
透過率がτ0から上昇し始める波長λの光強度をP0、
フォトレジスト単体を波長λで露光したとき膜厚変化が
開始する光強度をE0とし、露光ビームのサイドローブ
のピーク強度をIsとしたとき、Is<P0で、かつ
(τ0×P0)<E0の関係を満たすようにしたから、
超解像光ビームのサイドローブによるフォトレジスト層
の露光を防ぐことができ、サイドローブによりフォトレ
ジスト層に潜像を形成することを確実に防ぐことがで
き、安定した露光をすることができる。
【0033】また、コントラスト増強層の透過率上昇が
飽和して透過率がτ1となる光強度をP1とし、露光ビ
ームのメインローブのピーク強度をImとしたときに、
Im>P1で、かつ(τ1×P1)>E0の関係を満た
すようにしたから、メインロープによりフォトレジスト
膜に潜像を確実に形成することができる。
【0034】さらに、フォトレジスト単体を波長λで露
光したときに、膜厚変動がゼロになる光強度をE1とし
たときに、(τ1×Im)>E1の関係を満たすように
規制するから、形成される溝とピットの深さを安定して
形成することができる。
【0035】また、遮光マスクによって生じる露光ビー
ムのメインローブビーキ強度と、遮光マスクなしの場合
の露光ガウスビームピーク強度と等しくするための光源
光量の増加量が△P倍とし、原盤露光装置の光量供給マ
ージンをN倍としたときに、(△P/τ1)<Nの関係
を満たすようにすることにより、原盤露光装置の負担を
小さくしながら光強度不足を起こさずに超解像効果を得
てフォトレジスト層を露光することができる。
【0036】さらに、光源光量の増加量△Pを、△P<
2.0の関係を満たすように規制することにより、光強
度不足を起こさずに超解像効果を得てフォトレジスト層
を露光することができる。
【0037】また、遮光マスクの遮光率を適正に規制す
ることにより、原盤露光装置の負担を確実に小さくしな
がら光強度不足を起こさずにフォトレジスト層を露光す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の製造方法を示す工程図であ
る。
【図2】対物レンズを遮光する遮光マスクを示す説明図
である。
【図3】超解像露光ビームの強度分布図である。
【図4】コントラスト増強層に入射する超解像光ビーム
とコントラスト増強層を透過した超解像光ビームの強度
分布図である。
【図5】超解像光ビームによりフォトレジスト層を露光
したときに形成された溝断面形状図である。
【図6】コントラスト増強層の透過率特性図である。
【図7】フォトレジスト膜の光強度に対する残膜率を示
す特性図である。
【図8】対物レンズの遮光率に対するメインローブの強
度変化を示す特性図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 フォトレジスト膜 3 コントラスト増強層 4 対物レンズ 5 遮光マスク 6 超解像光ビーム 7 潜像

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基板上にフォトレジスト層を形成
    する工程と、フォトレジスト層の上にフォトクロミック
    効果を利用したコントラスト増強層を形成する工程と、
    波長λの光を対物レンズによって集光するとともに対物
    レンズの入射光断面の一部を遮光する遮光マスクで遮光
    して形成される露光ビームを出射する原盤露光装置から
    の露光ビームにより所定の溝とピットパターンをフォト
    レジスト層へ露光する工程と、コントラスト増強層を除
    去する工程と、露光済みのガラス基板上のフォトレジス
    ト層を現像して所定の溝パタンを形成する工程を有する
    光ディスク原盤の製造方法において、 コントラスト増強層が不透明状態のときの波長λに対す
    るコントラスト増強層の透過率をτ0、コントラスト増
    強層の透過率がτ0から上昇し始める波長λの光強度を
    P0、フォトレジスト単体を波長λで露光したとき膜厚
    変化が開始する光強度をE0とし、露光ビームのサイド
    ローブのピーク強度をIsとしたとき、Is<P0で、
    かつ(τ0×P0)<E0の関係を満たすことを特徴と
    する光ディスク原盤の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記コントラスト増強層の透過率上昇が
    飽和して透過率がτ1となる光強度をP1とし、露光ビ
    ームのメインローブのピーク強度をImとしたときに、
    Im>P1で、かつ(τ1×P1)>E0の関係を満た
    す請求項1記載の光ディスク原盤の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記フォトレジスト単体を波長λで露光
    したときに、膜厚変動がゼロになる光強度をE1とした
    ときに、(τ1×Im)>E1の関係を満たす請求項1
    記載の光ディスク原盤の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記遮光マスクによって生じる露光ビー
    ムのメインローブビーキ強度と、遮光マスクなしの場合
    の露光ガウスビームピーク強度と等しくするための光源
    光量の増加量が△P倍とし、原盤露光装置の光量供給マ
    ージンをN倍としたときに、(△P/τ1)<Nの関係
    を満たす請求項1,2又は3記載の光ディスク原盤の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 上記光源光量の増加量△Pを、△P<
    2.0の関係を満たすように規制する請求項4記載の光
    ディスク原盤の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記遮光マスクに円板遮光部を設け、遮
    光マスク円直径/入射ビーム直径で表せる遮光率が、遮
    光率<0.3の関係を満たす請求項5記載の光ディスク
    原盤の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記遮光マスクに、幅方向を原盤上に形
    成するスパイラル溝の半径方向と一致させた帯状の遮光
    部を設け、遮光マスク帯幅/入射ビーム直径で表せる遮
    光率が、遮光率<0.2の関係を満たす請求項5記載の
    光ディスク原盤の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100667768B1 (ko) 2004-11-03 2007-01-12 삼성전자주식회사 정보 저장 매체의 제조 방법
JP2015169914A (ja) * 2014-03-10 2015-09-28 東京応化工業株式会社 エッチングマスクを形成するためのガラス基板の前処理方法

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