JP2003317324A - 光情報記録媒体原盤の製造方法および光情報記録媒体原盤の露光装置 - Google Patents

光情報記録媒体原盤の製造方法および光情報記録媒体原盤の露光装置

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JP2003317324A
JP2003317324A JP2002112607A JP2002112607A JP2003317324A JP 2003317324 A JP2003317324 A JP 2003317324A JP 2002112607 A JP2002112607 A JP 2002112607A JP 2002112607 A JP2002112607 A JP 2002112607A JP 2003317324 A JP2003317324 A JP 2003317324A
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exposure
light
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photoresist layer
objective lens
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Application number
JP2002112607A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Miyata
弘幸 宮田
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コントラスト増強フォトリソグラフィ法で微
細パターンを形成する方法において、露光ビームに超解
像を利用する際に、フォトレジスト層に安定したパター
ン形成を行なうための条件を規定することにより、回析
限界以下の凹凸パターン形状を安定させる。 【解決手段】 第3の工程(S13)において、露光光
量Pが、フォトレジスト層102の最適露光光量をP
o、露光ビームが光退色層103に照射された際の光退
色層の透過率をTとしたとき、0.7×Po≦P×T≦
0.8×Poを満足し、かつ、凹凸形状のパターンに対
応する露光部の積算露光量をEp、凹凸形状のパターン
に対応する露光不要部の積算露光量をEl、フォトレジ
ストの露光部と露光不要部に対する累積露光量の対数K
をK=log10(Ep/El)としたとき、K>0.
32を満足する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回析限界以下の微
細な凹凸パターンを形成する光情報記録媒体原盤の製造
方法および光情報記録媒体原盤の露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】CD(Compact Disc)やD
VD(Digtal Video Disc)に代表さ
れる光ディスク円盤には、スパイラル状あるいは同心円
状に情報トラックが設けられている。そして、情報トラ
ックに沿って記録再生用レーザのトラッキング用の案内
溝やアドレス・データを表す凹凸のピットが予め形成さ
れている。このような案内溝やピットのパターンの形成
は、原盤を作製することから始まる。
【0003】原盤の作製は、まず、支持体であるガラス
基板上に、たとえばポジ型のフォトレジスト膜を塗布す
る。つぎに、形成すべきパターンに応じて強度変調され
た光ビームを、原盤露光装置の対物レンズでフォトレジ
スト膜上に集光し、形成すべきパターンに応じてこの光
ビームを強度変調して照射し露光する。露光によりパタ
ーンの潜像が形成される。露光されたフォトレジスト膜
を現像することにより、ガラス基板表面のフォトレジス
ト膜に凹凸の案内溝とピットが形成される。なお、ネガ
型のフォトレジスト膜では凹凸の状態が反対に形成され
る。
【0004】つぎに、フォトレジスト膜の表面に導電被
膜処理を施す。そして、ガラス基板を剥離することによ
り、所定のパターンの凹凸が転写されたスタンパが得ら
れる。このスタンパを型として、ポリカーボネート樹脂
などを材料として大量のレプリカ基板を射出成形で作製
する。最後に、レプリカ基板に記録膜と反射膜とを形成
し、光ディスク原盤ができ上がる。
【0005】原盤露光装置の光源は通常TEM00モー
ドの短波長レーザ(λ=400nm前後)が用いられ
る。そして、レンズ開口数NA=0.9程度の対物レン
ズで、光源からの光を実現しうる最小のスポット径であ
る回析限界まで絞り込んで露光ビームとする。このよう
な露光ビームは、強度分布がガウス分布のガウスビーム
になる。
【0006】ガウスビームの強度分布は、裾広がりの形
状をしている。このため、フォトレジスト膜を露光して
得られる案内溝とピットの断面形状は、ガウスビームの
強度分布の裾広がりに対応した形状となる。図12は、
ガラス基板10に形成されたフォトレジスト層11を露
光して形成される案内溝とピットの断面形状を示す説明
図である。図12からも明らかなように、この断面形状
は矩形にならず、ガウスビームの裾広がりに対応して壁
面がだれて形成され、開口部幅Wtop>底部幅Wbt
mの台形となる。したがって、案内溝とピットの台形の
断面形状がそのままスタンパを介在してレプリカ基板に
転写される。
【0007】また、光ディスクなどにおいて高密度化に
対応して案内溝とピットを微細化するためには、ピット
と案内溝の開口部幅Wtopおよび底部幅Wbtmを小
さくすればよい。このため、露光ビームの小径化が必要
になる。ところが、ガウスビームの最小スポット径は回
析限界によって決まってしまう。回析限界は、露光に用
いる光源の光の波長λと対物レンズの開口数NAとの比
λ/NAに依存する。現在の原盤露光装置では、光源の
光の波長λと対物レンズの開口数NAとの比λ/NAは
ともにほぼ限界値に達している。したがって、露光にガ
ウスビームを用いた場合に、露光ビームのスポット径を
さらに小さくすることは限界がある。このため、露光ビ
ームのスポット径を回析限界よりも小さくするために、
超解像を利用する方法、コントラスト増強フォトリソグ
ラフィ法、およびこれらを組み合わせた方法が提案され
ている。
【0008】まず、超解像を利用する方法について説明
する。超解像を利用して露光ビームのスポット径を小さ
くする代表的な方法は、たとえば特開平6−21540
8号公報や特開平10−302300号公報に開示され
ている。特開平6−215408号公報では、矩形領域
や円形領域を含む遮光マスクを対物レンズの光源側に配
置している。特開平10−302300号公報では、位
相シフトマスクを原盤露光装置の対物レンズよりも光源
側に配置している。これにより、対物レンズの集光位置
に回析限界よりも小さいスポット径のメインビームを形
成させることができる。
【0009】図13は、回析限界まで集光したガウスビ
ームGの強度分布と上述の超解像技術を用いた場合の露
光ビームSとの強度分布とを示すグラフである。ガウス
ビームGは、中心強度Ig、幅Dgのビームプロファイ
ルを有する。これに対し、超解像ビームSのメインビー
ム(0次回析光)は、中心強度Im、幅Dのビームプロ
ファイルを有する。超解像による露光ビームSの幅D
は、ガウスビームGの幅Dgよりも小さい。このため、
超解像ビームSのメインビームを露光に利用すること
で、回析限界以下の凹凸パターンを形成することができ
る。
【0010】また、超解像ビームSは、メインビームの
外側にピーク強度Isのサイドビーム(1次回析光)を
有する。なお、2次以上の回析光によるサイドビーム
は、そのピーク強度が漸次減少するので無視する。サイ
ドビームのピーク強度が大きい場合、フォトレジスト層
に不必要なパターンが形成されてしまう。したがって、
サイドビームは露光に不要なビームである。特開平10
−302300号公報では、サイドビームのピーク強度
がメインビームのピーク強度に対して5%以下であれば
パターンが形成されないとしている。そして、輪帯状の
位相シフトマスクを用いることにより、このようなサイ
ドビームの影響のない超解像ビームを実現できるとして
いる。
【0011】つぎに、コントラスト増強フォトリソグラ
フィ法について説明する。コントラスト増強フォトリソ
グラフィ法を用いて露光ビームのスポット径を小さくす
る代表的な方法は、たとえば特開平6−243512号
公報や特開平9−245383号公報に開示されてい
る。コントラスト増強フォトリソグラフィ法は、光退色
性材料を用いて露光ビームのスポット径を小さくするも
のである。
【0012】光退色性材料は、露光ビームが照射されて
いない初期状態では、透過率が低く光学的に不透明であ
る。これに対して、露光ビームが照射され露光量が増え
た状態では、光反応が生じ退色が進んで透過率が高くな
る。ガウスビームを光退色性材料層に入射させると、ビ
ーム強度の強い中心部分は透過する。これに対し、ビー
ム強度が弱い裾部分は透過しない。このため、光退色性
材料層を透過した後のガウスビームのスポット径は、光
退色性材料層を透過する前のスポット径よりも小さくな
る。
【0013】特開平9−245383号公報では、ガラ
ス基板上のフォトレジスト層の上に光退色性材料からな
るコントラスト増強層を形成している。これにより、ガ
ウスビームはコントラスト増強層を介してフォトレジス
ト層に至る。そして、ガウスビームは、コントラスト増
強層を透過することによりビーム径が小さくなる。この
結果、回析限界よりも小さなスポット径を得ることがで
きる。
【0014】また、特開平6−243512号公報で
は、コントラスト増強フォトリソグラフィ法と超解像に
よる方法とを組み合わせることにより、サイドローブに
よる不要露光を防止し、メインローブのみで露光するこ
とが提案されている。なお、サイドローブとは、メイン
スポットの外側の同心円上の輪帯として若干の光強度分
布を持つ部分のことである。サイドロープのピークは複
数存在し、内周側から順に1次、2次、3次、・・・の
サイドローブと呼ばれる。
【0015】また、特開平9−245383号公報と特
開平6−243512号公報とに開示されている方法で
は、光源光の波長λ=400〜450nm、対物レンズ
のNA=0.9程度の場合、形成されるパターンの線幅
を従来と比較して小さくできるとしている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記に
示されるように、従来のコントラスト増強フォトリソグ
ラフィ法と超解像とを組み合わせて、フォトリソグラフ
ィ層に形成するパターンのさらなる微細化を進めると、
超解像の条件によってはパターン間隔を決めた場合に形
成されるパターン形状に乱れが発生するという問題点が
ある。
【0017】図14は、原子間顕微鏡(Atomic
Force Microscope、以下、AFMとい
う)で観察したときにおけるフォトレジスト層に形成さ
れた案内溝またはピットなどのパターンの形状を示す断
面図である。この図から明らかなように、パターンの凹
凸形状が不均一であり、特にパターンの凸部の高さが不
均一である。すなわち、パターン間隔(トラックピッ
チ)が0.32μmの場合で、フォトレジストパターン
の高さのばらつきがp・p=31nmである。
【0018】本発明は、上記に鑑みてなされたものであ
って、コントラスト増強フォトリソグラフィ法で微細パ
ターンを形成する方法において、露光ビームに超解像を
利用する際に、フォトレジスト層に安定したパターン形
成を行なうための条件を規定することにより、回析限界
以下の凹凸パターン形状を安定させることを第1の目的
とする。
【0019】また、一つの露光装置で、光退色層を有す
る基板への露光とフォトレジスト層のみの基板への露光
および超解像ビームによる露光とガウスビーム露光を、
相互に組み合わせることにより、高密度の光情報記録媒
体を製造可能とすることを第2の目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1にかかる光情報記録媒体原盤の製造方法
にあっては、基板上にフォトレジスト層を形成する第1
の工程と、前記フォトレジスト層の上に光退色層を形成
する第2の工程と、対物レンズによって集光された光源
からの露光ビームを、前記第2の工程で形成された前記
光退色層を介して前記フォトレジスト層に照射し、前記
フォトレジスト層の所定領域を露光する第3の工程と、
前記露光後に前記光退色層を除去する第4の工程と、前
記露光された前記フォトレジスト層を現像して前記フォ
トレジスト層に凹凸形状のパターンを形成する第5の工
程と、前記フォトレジスト層に形成された前記凹凸形状
のパターンを転写し、記録媒体原盤を作製する第6の工
程と、を含み、前記第3の工程において、前記フォトレ
ジスト層上に集光される光のメインスポットの少なくと
も一方向の直径は、前記光源からの光の波長と前記対物
レンズの開口数とに基づいて定められる回析限界以下で
あり、前記第3の工程における露光光量Pが、前記フォ
トレジスト層の最適露光光量をPo、前記露光ビームが
前記光退色層に照射された際の光退色層の透過率をTと
したとき、0.7×Po≦P×T≦0.8×Poを満足
し、かつ、前記凹凸形状のパターンに対応する露光部の
積算露光量をEp、前記凹凸形状のパターンに対応する
露光不要部の積算露光量をEl、前記フォトレジスト層
の露光部と露光不要部に対する累積露光量の対数KをK
=log10(Ep/El)としたとき、K>0.32
を満足するものである。
【0021】ここで、「回析限界以下」とは、前記フォ
トレジスト上に集光される光のメインスポットの周囲に
形成される第1暗環の直径をd、光の波長をλ、前記対
物レンズの開口数をNAとしたとき、d<1.22×λ
/NAを満足する状態をいう。
【0022】この発明によれば、光退色層を透過した露
光ビーム光量を感光性材料の最適光量の0.7〜0.8
倍に規定すると共に、感光性材料の露光部と露光不要部
に対する累積露光光量比の対数を、光超解像ビームのメ
インビームおよびサイドビームを含んで0.32以上と
規定することにより、現像後における感光材料の形成パ
ターンのばらつきを抑制することが可能になる。
【0023】また、請求項2にかかる光情報記録媒体原
盤の製造方法にあっては、さらに、前記フォトレジスト
層と前記光退色層との間に、中間層を形成する中間層形
成工程を含み、前記フォトレジスト層と前記中間層を介
して前記フォトレジスト層を露光するものである。
【0024】この発明によれば、請求項1において、有
機溶媒に溶解した光退色性材料とフォトレジスト層の間
に2層の混合を防ぐ中間層を設けることにより、製造性
や入手性、溶媒への溶解性の点において有機溶媒に溶解
する光退色性材料の利用が有利となり、光退色層を安定
して形成することが可能になる。
【0025】また、請求項3にかかる光情報記録媒体原
盤の製造方法にあっては、前記中間層は、露光波長に対
する透過率を90%以上に設定されるものである。
【0026】この発明によれば、請求項2において、中
間層と光退色層を形成する条件を制御し中間層の露光波
長における透過率を90%以上とすることにより、フォ
トレジスト層の形成パターンを安定化させることが可能
になる。
【0027】また、請求項4にかかる光情報記録媒体原
盤の製造方法にあっては、前記第3の工程において、前
記光源と前記対物レンズの間の光路内に遮光マスクを配
し、前記光源からの光を前記遮光マスクを介して前記対
物レンズで集光し、露光スポット径の大きさが少なくと
も一方向で通常の回析限界以下とするものである。
【0028】この発明によれば、請求項1〜3のいずれ
か一つにおいて、光源と対物レンズの間の光路内に遮光
マスクを追加するだけで、超解像によるパターンを容易
に形成することが可能になる。
【0029】また、請求項5にかかる光情報記録媒体原
盤の製造方法にあっては、前記遮光マスクは、複数の遮
光領域を有するものである。
【0030】この発明によれば、請求項4において、複
数の遮光領域によってサイドローブを複数箇所に分散さ
せることが可能になる。
【0031】また、請求項6にかかる光情報記録媒体原
盤の製造方法にあっては、前記第3の工程において、前
記光源と前記対物レンズの間の光路内に位相シフトマス
クを配し、前記光源からの光を前記位相シフトマスクを
介して前記対物レンズで集光し、露光スポット径の大き
さが少なくとも一方向で通常の回析限界以下とするもの
である。
【0032】この発明によれば、請求項1〜3のいずれ
か一つにおいて、光源と対物レンズの間の光路内に位相
シフトマスクを追加するだけで、超解像によるパターン
を容易に形成することが可能になる。
【0033】また、請求項7にかかる光情報記録媒体原
盤の製造方法にあっては、前記位相シフトマスクは、複
数の位相シフト領域を有し、隣接する前記位相シフト領
域の位相シフト量が異なるものである。
【0034】この発明によれば、請求項6において、複
数の位相シフト領域によってサイドローブを複数箇所に
分散させることが可能になる。
【0035】また、請求項8にかかる光情報記録媒体原
盤の製造方法にあっては、隣接する前記位相シフト領域
どうしの位相シフト量の差がπの奇数倍である。
【0036】この発明によれば、請求項7において、隣
接する位相シフト領域の位相差をπ(ラジアン)、すな
わち1/2波長の奇数倍とすることにより、最も効率よ
くスポット径を小さくすることが可能になる。
【0037】また、請求項9にかかる光情報記録媒体原
盤の露光装置にあっては、基板側から順にフォトレジス
ト層と少なくとも光退色層とを有する感光性基板に光源
からの光を集光する対物レンズと、前記対物レンズを前
記感光性基板に対して合焦するためのフォーカシング部
と、前記フォーカシング部からのフォーカス信号に基づ
いて前記対物レンズに対して所定のオフセット信号を設
定または解除し、オフセット量を制御するオフセット量
制御部と、前記対物レンズに入射する光の所定領域を遮
光する遮光マスク、あるいは前記対物レンズに入射する
光の所定領域の位相をシフトさせるための位相シフトマ
スクを、前記光源から前記対物レンズまでの光路内に挿
脱するためのマスクホルダと、前記マスクホルダの位置
を前記対物レンズの光軸に垂直な面内において直交する
2方向に調整するマスクホルダ調整部と、を備えたもの
である。
【0038】この発明によれば、対物レンズのフォーカ
スエラー信号に対して所定のオフセット電圧を設定また
は解除することにより、露光ビームの焦点位置を制御可
能にする。また、超解像のための遮光マスクあるいは位
相シフトマスクを必要に応じて光路内に自在に挿脱する
ことにより、位置決めが可能になると共に、1つの露光
装置で、超解像による露光と、ガウスビームによる露光
とを選択的に使い分けることが可能になる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる光情報記録
媒体原盤の製造方法および光情報記録媒体原盤の露光装
置の好適な実施の形態について添付図面を参照し、詳細
に説明する。なお、本発明はこの実施の形態に限定され
るものではない。
【0040】[実施の形態1]図1は、本発明の実施の形
態1にかかる光情報記録媒体原盤の製造方法の工程を示
す説明図である。ここでは、基板上にフォトレジスト
(感光性樹脂)層を形成する第1の工程(S11)と、フ
ォトレジスト層の上に光退色層を形成する第2の工程
(S12)と、対物レンズによって集光された光源から
の露光ビームを、第2の工程で形成された光退色層を介
してフォトレジスト層に照射し、フォトレジスト層の所
定領域を露光する第3の工程(S13)と、露光後に光
退色層を除去する第4の工程(S14)と、露光された
フォトレジスト層を現像してフォトレジスト層に凹凸形
状のパターンを形成する第5の工程(S15)と、フォ
トレジスト層に形成された凹凸形状のパターンを転写
し、記録媒体原盤を作製する第6の工程(S16〜S1
8)と、を含むものである。以下、これらの工程につい
て詳細に説明する。
【0041】(フォトレジスト層形成工程:S11)図
1(S11)に示すように、表面処理されたガラス基板
101上に、波長λの露光ビームに対して感光性を有す
るフォトレジスト層102を形成する。ガラス基板10
1には、洗浄処理とフォトレジスト層102の密着性を
向上するための表面処理とがなされている。フォトレジ
スト層102はスピンコートなどによりガラス基板10
1上に塗布される。塗布後、必要に応じて加熱処理、乾
燥処理、または冷却処理などを施す。また、フォトレジ
スト層102は、後述する露光工程の後はアルカリ可溶
となる。
【0042】フォトレジスト層102の膜厚は、スタン
パ表面に形成する溝の深さと同じ程度に形成する。この
膜厚は条件により異なるが、150〜300nm程度で
ある。
【0043】本工程を具体的に説明する。円盤状の研磨
ガラス基板(ガラス基板101)を、UV/O3と呼ば
れる光オゾンアッシング装置で約3分間にわたって表面
処理を行なう。光オゾンアッシング処理は、ガラス基板
101の表面の有機物を除去すること、および表面に酸
化被膜を形成することを目的として行なわれる。これに
より、ガラス基板101に対する水溶性樹脂の濡れ性
(親水性)を向上させ、水溶性樹脂の膜厚を均一化させ
る。さらに、水溶性樹脂とガラス基板101との密着性
を強めることができる。
【0044】また、水に対する濡れ性を向上できる処理
であれば、光オゾンアッシング処理以外の方法での代用
が可能である。たとえば、イソプロピルアルコールなど
の溶剤で表面を洗浄して有機物を除去した後、十分に純
水で洗浄してガラス表面を親水性に置換してもよい。な
お、有機物の除去性に優れている点、乾式でガラス基板
の乾燥が不必要な点を考慮すると、光オゾンアッシング
処理が最も望ましい。
【0045】つぎに、ガラス基板101表面に疎水性に
しフォトレジストの密着性を高めるためにヘキサメチル
ジシラザン(以下、HMDSという)をスピンコートす
る。その後、オーブンにより130℃の温度で30分間
の加熱処理を施し完全に乾燥させる。HMDS処理によ
り、ガラス基板101とフォトレジスト層102との密
着力を高めること、および現像時にフォトレジスト層1
02の剥離を防止するなどの効果を奏する。
【0046】そして、HMDSを塗布したガラス基板1
01上にスピンコータでフォトレジストを塗布する。そ
の後、オーブンにより80℃の温度で30分間の加熱処
理を施す。フォトレジスト材料としては、東京応化製i
P3000系のポジ型i線系フォトレジストを使用す
る。また、フォトレジスト層102の膜厚は約600Å
に調整する。
【0047】(光退色層形成工程:S12)フォトレジ
スト層102を形成した後、図1(S12)に示すよう
に、フォトレジスト層102の表面に波長λに対する光
退色材料の光退色層103を形成する。光退色層103
の塗布は、フォトレジスト層102と同様にスピンコー
ト法により行なう。なお、光退色性材料を分散させる溶
媒は、フォトレジスト層102を溶かさないこと、およ
び現像工程前に光退色層103を容易に除去することが
できることが望ましい。このため、光退色材料を水溶性
樹脂溶媒に分散させて塗布することが好ましい。光退色
層103に波長λのレーザビームを照射すると、ビーム
中心部の透過率だけが初期値ToからTへ上昇する(T
>To)。
【0048】本工程を具体的に説明する。スピンコータ
で、水溶性樹脂にスピロピラン系の光退色性材料を分散
させた溶液を、フォトレジスト層102を形成したガラ
ス基板101上に塗布する。その後、オーブンにて80
〜100℃の温度で30分間の加熱処理を施す。水溶性
材料としては、東京応化製のTPF(商品名:主成分は
ポリビニルアルコール)を使用する。光退色層103の
膜厚は約1000Åに調整する。水溶性樹脂材料として
ポリビニルアルコール以外に、メチルセルロース、ポリ
ビニルピロドリンを使用してもよい。この光退色層10
3の透過率は露光に用いるλ=413nmに対し、上昇
前は約20%であり、上昇後は約80%になる。
【0049】(原盤露光工程:S13)光退色層103
を形成した後、図1(S13)に示すように、フォトレ
ジスト層102に対して露光を行なう。露光には、波長
λ=400nm程度の光を供給するレーザ光源を備える
記録媒体原盤の露光装置を用いる。なお、図1(S1
3)では、説明の便宜のため露光装置本体の構成は省略
し、対物レンズ104のみを示す。
【0050】露光工程では、まず、回転テーブル(不図
示)に載置(チャッキング)したガラス基板101に対
して対物レンズ104(NA=0.9程度)の焦点位置
を合わせる。回転テーブルによって、フォトレジスト層
102が塗布されたガラス基板101を回転させる。そ
して、対物レンズ104をガラス基板101の半径方向
に移動させながら、レーザ光105を光退色層103を
介してフォトレジスト層102に照射する。光退色層1
03では、照射されたビーム照射領域106のうち積算
露光量が所定値以上である領域において光反応が生じ
る。そして、光反応が生じた領域は退色し、光が透過す
るようになる。これにより、フォトレジスト層102に
対してスパイラル状または同心円状の情報トラック上に
凹凸パターンの潜像が形成される。ここで、連続してレ
ーザ光105を照射する場合は、トラッキング用の連続
案内溝が形成される。また、必要に応じて断続させてレ
ーザ光を照射する場合は、アドレスなどの情報ピットが
形成される。
【0051】対物レンズ104によってフォトレジスト
層102に集光されたレーザ光105のスポット径は、
後述する遮光マスクや位相シフトマスクを用いて回析限
界よりも小さくなるように設定する。
【0052】ここで、上記露光工程における露光光量P
が、フォトレジスト層102の最適露光光量をPo、露
光ビームが光退色層103に照射された際の光退色層1
03の透過率をTとしたとき、0.7×Po≦P×T≦
0.8×Poを満足し、かつ、凹凸形状のパターンに対
応する露光部の積算露光量をEp、凹凸形状のパターン
に対応する露光不要部の積算露光量をEl、フォトレジ
スト層102の露光部と露光不要部に対する累積露光量
の対数KをK=log10(Ep/El)としたとき、
K>0.32を満足するように露光を行なう。
【0053】本工程を具体的に説明する。露光には、光
源波長λ=413nm、対物レンズNA=0.9の原盤
露光装置を用いる。この場合、回転数を可変にし、線速
度が一定(約7m/s)のCLV(Constant
Linear Velocity)方式で案内溝を露光
する。このときのガウスビームの回析限界のスポット径
は1/e2強度で約0.40μmである。この実施の形
態では、対物レンズ104の光源側に、厚さ0.6mm
のBK7ガラスにZn/SiO2膜(屈折率2.26)
をスパッタした位相マスクを配置する。
【0054】図7(a)は、位相シフトマスクの構成を
示す説明図である。直径D=1.05mmの円形領域が
位相ずれδ1を与える位相シフト領域である。対物レン
ズ104の瞳径φに対する比率は0.3である。Zn/
SiO2膜の厚さは169nmである。これにより、位
相シフト量がゼロの部分との位相差がπラジアン、すな
わち1/2波長となる。
【0055】また、他の薄膜材料SiOやSiO2、S
iNなどを次式を満足するように形成してもよい。 (膜の屈折率−1)×膜の厚さ=1/2波長(位相差
π)、またはその奇数倍 さらに、薄膜を形成する代わりに、ガラス自体を円形に
エッチングしてもよい。なお、薄膜パターンはフォトエ
ッチング法により容易に作製することができる。このた
め、フォトエッチング法を用いると、ガラスエッチング
法により簡単に位相シフトマスクを製造することができ
る。
【0056】(光退色層除去工程:S14)露光工程の
後、図1(S14)に示すように、フォトレジスト層1
02上の光退色層103を除去する。光退色層103を
構成する光退色性材料を塗布したときの溶媒が水溶性樹
脂の場合は、水で容易に光退色層103を除去すること
ができる。具体的には、水溶性樹脂で構成される光退色
層103を純水を用いて洗浄除去を行なう。
【0057】(現像工程:S15)光退色層103を除
去した後は、図1(S15)に示すように、現像処理を
行なう。露光されて潜像が形成された潜像107のフォ
トレジスト層102をアルカリ性溶液により除去する。
その後、純水でリンスして、乾燥する。現像工程後に
は、フォトレジスト層102にピットあるいは案内溝の
凹凸パターン(パターン凸部108a、パターン凹部1
08b)が形成される。
【0058】本工程を具体的に説明する。東京応化製i
P3000系フォトレジストの所定のアルカリ現像液D
E−3で120秒間現像し、純水でリンスし、高速回転
で振り切り乾燥を行なう。現像液の希釈率は33%(総
アルカリ濃度は約0.2N)、現像液温度は23℃であ
る。
【0059】(金属被膜工程:S16、電鋳:S17、
剥離・研磨・洗浄・内外径加工工程:S18)現像工程
の後、図1(S16)に示すように、凹凸パターンを有
するガラス基板101表面に、スパッタでニッケルなど
の金属被膜109を形成する。金属被膜処理後に、図1
(S17)に示すように、被膜付きのガラス基板101
を電鋳することにより、電鋳110を積層する。そし
て、図1(S18)に示すように、電鋳されたガラス基
板101から積層した電鋳110の裏面(凹凸パターン
が形成されていない面)を研磨し、表面に残留し付着し
ている下層水溶性樹脂を洗浄し乾燥する。最後に、内外
径を所望の寸法に加工することにより、光ディスク原盤
(成形による基板量産用スタンパ)が完成する。
【0060】本工程を具体的に説明する。金属被膜処理
工程では、スパッタにより、下層表面にニッケル膜(膜
厚500〜1000Å)を成膜する。電鋳時に、ニッケ
ル膜を電極とする。電鋳工程では、板厚が約300μm
になるまで、電鋳法でニッケルを積層させる。剥離工程
では、ニッケルの板をガラス基板101から剥離する。
剥離後、純水により表面に残留し付着している下層(水
溶性樹脂)を洗浄して除去し、乾燥させる。ここで、残
留付着物を十分に除去できない場合、水溶性樹脂の溶解
速度が大きくなる特性を利用し、温水を用いることが望
ましい。
【0061】(中間層形成工程:S22、およびその除
去工程:S26)さて、図1に示した光退色層103の
塗布と剥離を簡略するため、光退色性材料を水溶性樹脂
に混ぜて塗布している。しかし、これに限らず、光退色
性材料を有機溶媒に溶解してもよい。製造性、入手性、
および溶媒への溶解性の点では、光退色性材料を有機溶
媒に溶解した場合の方が、水溶性樹脂に混ぜる場合に比
較してやや有利である。光退色性材料を有機溶媒に溶解
した場合の光情報記録媒体原盤の製造工程を図2に示
し、以下に説明する。
【0062】図2に示す製造工程は、有機溶媒に溶解し
た光退色性材料からなる光退色層103とフォトレジス
ト層102との間に、両層の混合を防止するための中間
層111を形成する中間層形成工程(S22)を設け、
さらに光退色層103を除去した後に中間層111を除
去する中間層除去工程(S26)を設けたものである。
したがって、他の工程は図示のごとく図1の内容と同様
であるので重複する工程の説明は省略する。
【0063】図2(S22)に示すように、中間層11
1はフォトレジスト層102の上に形成される。中間層
111は、ポリビニルアルコールなどの水溶性樹脂をス
ピンコートすること、あるいはIn23などの誘電体膜
をスパッタすることにより形成される。さらに、図2
(S26)に示すように、中間層111の除去は、中間
層111が水溶性樹脂の場合は純水により、あるいは中
間層111が誘電体膜の場合は酸などにより行なう。
【0064】また、後述するように中間層111の露光
波長における透過率を90%以上にすることが望まし
い。これにより、フォトレジスト層102に形成される
凹凸パターンの形状を安定させることができる。
【0065】ところで、上述した光情報記録媒体原盤の
製造工程において、形成されるパターン間隔を小さくす
ると、図14で示したように超解像の条件によってフォ
トレジスト層102のパターン形状、特にパターンの高
さが不均一になる場合がある。パターン間隔が露光ビー
ム径程度まで小さくなると、隣接するパターン同士で露
光ビームの強度分布の裾部が重複する。そして、強度分
布の裾部の重複が累積することによって、フォトレジス
ト層102が露光されない領域、すなわち現像後におい
て図1(S15)のフォトレジスト層102のパターン
凸部108aに対応する光退色層103の部分にも透過
率の低下が生じる。この結果、露光ビームがフォトレジ
スト層102の露光不要な領域に達することになる。こ
うして、現像後のパターン形状が不均一となる。
【0066】図3は、ガウスビームでスパイラル露光が
発生するパターン間隔、すなわちトラックピッチ(T
P)を狭めたときにおける露光ビームの裾部の重なりに
よる累積露光量を示すグラフである。図における横軸は
半径方向の位置(μm)、縦軸は累積露光量(相対値)
である。超解像では本質的にサイドローブを除去するこ
とができないためこの現象が顕著となりやすい。この現
象は、案内溝を形成する場合は、情報トラックに対して
垂直方向、すなわち光ディスク原盤の半径方向にのみに
発生するが、情報ピット形成の場合は、半径方向のみな
らず情報トラック方向にも起こり得る。
【0067】そこで、この実施の形態では、フォトレジ
スト層102への実質的な露光量を従来と比較して低く
抑えることにより、光退色層103の部分的な透過率の
低下を防止し、現像後のフォトレジスト形成パターンの
ばらつきを抑制する。このため、露光量は従来の最適露
光量(フォトレジスト単体を露光する際の最適光量P
o)に対して0.7〜0.8倍とする。露光量が0.7
倍未満であると現像を行なってもパターンを形成するこ
とがパターン高さ15nm以下となって困難であり、ま
た0.8倍を超えると、高さのばらつきが30nm程度
となってばらつきを小さくする効果を期待することがで
きないことが実験により検証された。そこで、光退色層
103の上昇後の透過率をTとすると、露光ビームの光
量Pを、0.7×T×Po≦P≦0.8×T×Poを満
足するように設定する。
【0068】さらに、この実施の形態では、フォトレジ
スト層102に形成される凹凸パターンに対応する露光
部と露光不要部の累積露光量をそれぞれEp、El、条
件式K=log10(Ep/El)としたとき、K>
0.32の超解像露光ビームを用い、フォトレジスト層
102に均一なパターン形成を行なう。
【0069】つぎに、上記に示した条件式K>0.32
を実験的に求めた例について説明する。ここでは、ま
ず、ガウスビームを利用し、トラックピッチを変えるこ
とによりKを変化させてコントラスト増強フォトグラフ
ィ法にしたがった露光を行なう。続いて、Kをパラメー
タとしてフォトレジスト層パターン形状をAFMにて観
察評価した結果、トラックピッチ0.34μmまではフ
ォトレジスト層パターン形状に問題ないことが分かっ
た。
【0070】図4のガウス露光量比logは、トラック
ピッチとKとの関係を示すグラフである。図4におい
て、はガウスビームによる露光、は30−45%位
相輪帯での露光量比logであり、図7(b)に示す位
相シフトマスクを用いた場合の露光、は30%位相円
露光量比logであり、図7(a)に示す位相シフトマ
スクを用いた場合の露光における関係をそれぞれ示すも
のである。これから、ガウスビームのトラックピッチ
0.34μmはK=0.32に相当する。この結果、K
>0.32ならば均一なフォトレジスト層パターンが形
成されることが明らかになった。Kは露光ビームの形状
に依存しない。このため、超解像を利用する場合にもこ
の条件式は有効である。
【0071】30%位相円露光量比log、30−45
%位相輪帯露光量比logは2種類の位相シフトマスク
(位相ずれπ)を施した超解像ビームにおけるトラック
ピッチとKの関係を示しており、K=32に相当するT
P条件はガウスビームより緩和される。位相シフトマス
クに関しては後述する。
【0072】また、この実施の形態では、集光された露
光ビームのスポット径を超解像により回析限界以下に絞
っている。超解像では、対物レンズに入射する光の一部
を遮光すること、あるいは位相ずれを生じさせることな
どにより行なう。そして、遮光領域または位相ずれ領域
の形状、配置、大きさ、または位相ずれ量を適当に設定
することにより、対物レンズにより集光される露光ビー
ムのスポット径を、通常の回析限界のスポット径より小
径化することができる。
【0073】超解像では、大きなピーク強度を有するメ
インビーム(ピーク強度lm)と、小さなピーク強度を
有するサイドビーム(ピーク強度ls)が形成され、メ
インビームのビーム径は超解像を施さないガウスビーム
のビーム径と比べて小さくなる。超解像のメインビーム
を利用すれば、回析限界であるガウスビームよりもビー
ム径を小径化することができる。したがって、フォトレ
ジスト露光部分の底幅Wbtmもガウスビームに比べて
狭くすることができる。
【0074】図5(a)〜図5(d)は、遮光マスクS
Mの構成を示す説明図である。遮光マスクによる超解像
では、たとえば、図5(a)に示す矩形遮光領域S1や
図5(b)に示す円形遮光領域S2を有する遮光マスク
SMを用いる。遮光マスクSMは、矩形遮光領域S1、
円形遮光領域S2の中心と対物レンズ104の光軸とを
一致させて対物レンズ104よりも光源側に配置する。
【0075】また、図5(c)に示すように複数の矩形
遮光領域S3を縞状に設ける遮光マスクSM、または図
5(d)に示す円形遮光領域および複数の輪帯状遮光領
域S4を設ける遮光マスクSMでもよい。これらのマス
クの場合も、複数の矩形遮光領域S3、円形遮光領域お
よび複数の輪帯状遮光領域S4の中心と対物レンズ10
4の光軸とを一致させて対物レンズ104よりも光源側
に配置する。これにより、サイドビームを複数箇所に発
生させることにより、その強度自体を分散させることが
できる。
【0076】図6(a)〜図6(d)は、位相シフトマ
スクPMの構成を示す説明図である。位相シフトマスク
は、対物レンズに入射する光の一部に位相ずれを生じさ
せる位相物体から構成されている。図6(a)は、位相
ずれδ1を生じさせる矩形領域P1と位相ずれδ2を生
じさせる外周領域P2とを有する位相シフトマスクPM
の構成を示している。
【0077】図6(b)は、位相ずれδ1を生じさせる
円形領域P3と位相ずれδ2を生じさせる外周領域P4
とを有する位相シストマスクPMを示している。図6
(c)は、位相ずれδ1を生じさせる矩形領域P5と、
位相ずれδ3を生じさせる矩形領域P6と、位相ずれδ
2を生じさせる外周領域P7とを有する位相シストマス
クPMを示している。図6(d)は、位相ずれδ1を生
じさせる円形領域P8と、位相ずれδ3を生じさせる輪
帯状領域P9と、位相ずれδ2、δ4を生じさせる外周
領域P10、P11とを有する位相シフトマスクPMの
構成を示している。
【0078】かかる構成の位相シフトマスクPMは、位
相シフト領域の中心と対物レンズ104の光軸とを一致
させて対物レンズ104よりも光源側に配置する。これ
により、サイドビームを複数箇所に発生させることでそ
の強度自体を分散させることができる。また、位相ずれ
領域間の位相ずれ量(たとえば、|δ1−δ2|など)
をπの奇数倍とすることが望ましい。これにより、露光
ビームのスポット径を小径化する効果を高めることがで
きる。
【0079】このように、ガウスビームと比較すると、
超解像においてはメインビームを小径化することができ
る。しかし、超解像におけるメインビームの強度は低下
する。同一のビーム径を与える遮光マスクと位相シフト
マスクとを比較すると、位相シフトマスクの方がメイン
ビームの強度が大きい。したがって、光源の光量の少な
い場合は、位相シフトマスクを用いて超解像を行なうこ
とが光量を有効に利用できるので望ましい。
【0080】このような遮光マスクや位相シフトマスク
は、原盤露光装置に常時固定し設置させるものではな
く、必要に応じて設置する構成であれば、通常のガウス
ビーム露光を行なうこともできるので、原盤露光装置を
効率的に使用することができる。そのためにはマスクを
装着するためのホルダと、ホルダの直交2方向への移動
調整手段が必要である。また、マスクの位置決めは、ビ
ームのスポットが所望の形状になるように行なうため、
対物レンズ下のスポット像あるいはガラス基板101か
らの反射スポット像の観察手段と、好ましくはビームス
ポットの計測手段が必要である。また、ビームスポット
を直接観察する場合、観察手段には焦点合わせ手段が用
意されていれば効果的である。これらを実現する構成例
については後述する。
【0081】この実施の形態では、上述したように図7
(a)に示す構成の位相シフトマスクPMを用いる。円
形位相シフトマスクを用いた場合のメインビームの計算
上のスポット径は0.36μm、K=0.32となるト
ラックピッチは0.33μm(図4の30%位相円露光
量比log)となる。この露光ビームの強度のプロファ
イルを図8に示す。
【0082】実際には上記円形位相シフトマスクによる
露光メインビームスポット径は0.37であることが確
認されている。また、露光ビーム光量は2.0mWとす
る。この値はフォトレジスト単体への最適露光パワー
1.9mWの1.05倍である。すなわち、1.9×8
0%÷75%(=光退色層透過率T)=2.0となる。
以下、露光工程後の前述した工程を行なう。
【0083】上述した諸条件にしたがった本製造方法に
よれば、フォトレジスト層102にトラックピッチ0.
33μmの均一な形状のパターンを安定して形成するこ
とができる。図9は、本発明の実施の形態にかかるフォ
トレジスト層102に形成されたパターンの形状をAF
Mで観察した結果を示すグラフである。この図9からも
明らかなように、均一な形状のパターンが形成されてい
ることがわかる。
【0084】[実施の形態2]この実施の形態2にかかる
光情報記録媒体原盤の製造方法は、露光工程において、
輪帯状の位相シフトマスクPMを利用して案内溝の露光
を行なう点が上述した実施の形態1と異なる。その他の
工程は実施の形態1と同様であるので重複する説明は省
略する。位相シフトマスクPMは、図7(b)に示すよ
うに、内径D1=1.05mm、外径D2=1.58m
mの輪帯形状である。位相シフト領域は、位相ずれδ1
を与える。対物レンズの瞳径φに対する比率は0.3〜
0.45である。膜厚、位相差その他の条件は上述した
実施の形態1と同じである。
【0085】この実施の形態2では、計算上、メインビ
ームのスポット径は0.36μm、メインビームのピー
ク強度はガウスビームのピーク強度の0.55倍であ
る。また、メインビームと1次/2次サイドビームとの
ピーク強度比は0.06/0.04となり、K=0.3
2となるトラックピッチは0.32μm(図4の輪帯
0.3−0.45)である。露光ビームの強度プロファ
イルを図8に示す。実際に実施の形態1と同じ工程を経
て、トラックピッチ0.32μmで、フォトレジスト層
102に均一な形状のパターンを安定して形成できるこ
とが確認された。この実施の形態2では、同じビームス
ポット径となる円形位相シフトマスクに対し、トラック
ピッチを若干小さくすることができる。図8にフォトレ
ジスト層パターンの形成結果の例として、フォトレジス
トパターンのAFM観察による断面図を示す。ここで
は、従来(図14)と比較した場合、フォトレジスト層
パターンの高さのばらつきp−p値を31nmから10
nmにすることができる。
【0086】[実施の形態3]この実施の形態3は、光退
色層103を構成する光退色性材料の溶媒を水溶性樹脂
の代わりに有機溶媒とした点が上述した実施の形態1と
異なる。その他の工程は実施の形態1と同様であるので
重複する説明は省略する。フォトレジスト層102を形
成した後に、フォトレジスト層102の上層にポリビニ
ルアルコールの水溶性樹脂をスピンコートにより膜形成
を行なう。つぎに、水溶性樹脂を塗布してから80〜1
00℃でベーキングして溶剤を蒸発させる。中間層11
1のポリビニルアルコール膜厚は400Åである。ま
た、中間層111の透過率は約95%としている。
【0087】中間層111の材料は他に、ポリビニルピ
ロリドン、メチルセルロースなどの水溶性樹脂でもよ
い。また、中間層111としては水溶性樹脂の代わりに
誘電体膜をスパッタあるいは蒸着によって形成してもよ
い。誘電体膜としては、In23、Al23、Si
2、MgF2、ZnS、CeF3、ZrO2、TiO2
CeO2などの物質が望ましい。いずれの場合も、中間
層111と光退色層103との屈折率および膜厚を制御
し、中間層111の露光波長に対する透過率を90%以
上に保つことが望ましい。これにより、フォトレジスト
層102に均一な形状のパターンを安定して形成するこ
とができる。
【0088】また、中間層111上に光退色性材料の光
退色層103を形成する際に、光退色性材料を有機溶媒
にバインダ成分と光退色性材料とを溶かしたものをスピ
ンコートによって塗布する。バインダ成分としては、た
とえばポリエチレングリコール、酢酸ビニル樹脂などを
使用する。光退色性材料としては、スピロピラン系の材
料を用いる。この有機溶媒にバインダ成分と光退色性材
料を溶かしたものを中間層111に塗布した後、80〜
100℃でベーキングして溶剤を蒸発させる。これによ
り、膜厚が約1000Åの光退色層103を形成する。
【0089】また、超解像を含め原盤露光の諸条件は実
施の形態1、2と同様である。この実施の形態3では、
光退色層103の0.14μm(ガラス基板101側)
がフォーカスエラー信号のゼロ点になるようにフォーカ
スエラー信号にオフセット電圧を印加している。これに
より、パターンのだれをなくすことができる。なお、フ
ォーカスエラー信号のオフセットについては、後述する
実施の形態4において詳述する。
【0090】さらに、露光後に光退色層103を有機溶
媒によって除去し、続いて中間層111を除去する。中
間層111が水溶性樹脂の場合には純水によって除去す
る。また、中間層111が誘電体膜の場合は酢酸などの
酸により除去する。現像以下の工程は、上述した実施の
形態1と同じであるので重複する説明は省略する。これ
により、均一な形状のパターンをフォトレジスト層10
2に形成することができる。
【0091】このように、上述した各実施に形態の光情
報記録媒体原盤の製造方法によれば、従来の製造方法と
比べ、フォトレジスト層102に形成される凹凸パター
ンのばらつきを1/3程度に減少させることを確認し
た。
【0092】[実施の形態4]図10は、本発明の実施の
形態4にかかる光情報記録媒体原盤の露光装置の概略構
成を示す説明図である。光源であるKrレーザ200か
らの光は、折り曲げミラーM1、M2により光路を折り
曲げられてEO(電気光学結晶素子)変調・偏向器20
1に入射する。EO変調・偏向器201は、Krレーザ
200からの光を入力信号に応じて変調し出力する。ま
た、折り曲げミラーM3を用いてAO(Acoust−
Optic)変調器202により光源光を変調してもよ
い。
【0093】EO変調・偏向器201を射出した光は、
位相シフトマスクPMに入射する。位相シフトマスクP
Mは、上記各実施の形態で述べたように、入射光の一部
の領域に位相ずれを生じさせて射出する。位相シフトマ
スクPMはマスクホルダ203に保持されている。マス
クホルダ203は、対物レンズの光軸に垂直な面内にお
いて直交する2方向(XY方向)にそれぞれマイクロメ
ータ(マスクホルダ調整部)により移動調整できる。ま
た、マスクホルダ203と位相シフトマスクPMは、必
要に応じてAO変調器202を射出した後の光路に設け
てもよい。さらには、EO変調・偏向器201を射出後
の光路内と、AO変調器202を射出後の光路内との双
方にマスクホルダ203と位相シフトマスクPMを設け
ることもできる。位相シフトマスクPMを射出した光
は、折り曲げミラーM4、M5により光路を90度折り
曲げられて対物レンズ204に入射する。
【0094】対物レンズ204は入射光を焦点位置fに
集光する。また、対物レンズ204の射出側にはスポッ
ト像観察モニタ206が設けられている。図10では、
スポット像観察モニタ206がスポット像を観察する観
察位置にある状態で示している。スポット像観察モニタ
206は、顕微鏡レンズL1とリレーレンズL2とモニ
タカメラMNとを有する。顕微鏡レンズL1は、不図示
のマイクロメータとピエゾ素子により対物レンズ204
の光軸方向を含む直交する3方向(X,Y,Z方向)に
粗微動可能である。このマイクロメータとピエゾ素子と
を用いて顕微鏡レンズL1の位置決めを行なう。リレー
レンズL2は、顕微鏡レンズL1で拡大されたスポット
像をリレーする。これにより、対物レンズ204により
集光されたビームのスポット像を直接観察することがで
きる。
【0095】その後、モニタカメラMNでスポット像を
観察する。スポット像観察モニタ206には、スポット
径測定装置207が接続されている。スポット径測定装
置207は、露光ビームスポット径を実寸法に換算可能
な画像処理装置である。これにより、露光ビームのスポ
ット径の実寸を測定できる。オペレータは、スポット像
観察モニタ206による像を観察しながら、スポット径
測定装置207の測定値が所望の値になるまでマスクホ
ルダ203の位置調整を行なう。
【0096】また、スポット像観察モニタ206は、ス
ポット像への焦点合わせ部216を有する。これによ
り、スポット像観察モニタ206自体の移動によりスポ
ット像への焦点合わせを行なうことができる。したがっ
て、露光装置の対物レンズ204を駆動しないので、ア
クチュエータ205に負荷を与えることがない。
【0097】また、スポット像観察モニタ206の代わ
りに、ガラス基板213からの反射スポット径を観察す
る反射ビーム像観察モニタ208を使用してもよい。反
射ビーム像観察モニタ208は、ガラス基板213を露
光位置にセットした状態で、露光ビームのスポット像を
観察できる。反射ビーム像観察モニタ208は、拡大レ
ンズL3とモニタカメラMNとで構成される。さらに、
反射ビーム像観察モニタ208には、反射スポット径測
定装置209が接続されている。反射スポット径測定装
置209は、スポット径測定装置207と同様に露光ビ
ームのスポット径の実寸法を測定できる。
【0098】つぎに、反射ビーム像観察モニタ208に
よるマスクホルダ203の調整の手順を説明する。ま
ず、位相シフトマスクを概略位置決めした後、ガラス基
板213を回転ステージ214に載置する。回転ステー
ジ214は、モータ215により回転される。つぎに、
フォーカスエラー信号生成部211は、対物レンズ20
4の焦点位置ずれ量に対応するフォーカスエラー信号を
生成する。
【0099】フォーカスエラー信号はフォーカスサーボ
回路210へ送られる。アクチュエータ205は、フォ
ーカスサーボ回路210からのフォーカスエラー信号に
応じて対物レンズ204を駆動する。これにより、自動
焦点合わせが行なわれる。オペレータは、反射ビーム像
観察モニタ208によりガラス基板213からの反射ス
ポット像を観察する。つぎに、反射スポット径測定装置
209によりスポット径を測定する。そして、スポット
径の測定値が所望の値になるまでマスクホルダ203の
位置調整を行なう。
【0100】また、位相シフトマスクPMの代わりに、
図5(a)〜図5(d)に示すような遮光マスクSMを
用いてもよい。この実施の形態では、これら位相シフト
マスクPMあるいは遮光マスクSMをマスクホルダ20
3に着脱可能な構成とすることにより、これらのマスク
を光路内に容易に挿脱できる。このため、位相シフトマ
スクPMなどを光路から退避させれば、従来のガウスビ
ームによる露光を行なうことができる。したがって、多
様なパターン形成に対応させることができるので、光情
報記録媒体原盤の露光装置として効率的に使用すること
ができる。
【0101】つぎに、対物レンズ204の焦点合わせ方
法について説明する。ガラス基板213に露光するとき
には、上述したように、アクチュエータ205は、対物
レンズ204の焦点位置ずれ量に対応するフォーカスエ
ラー信号にしたがって、対物レンズ204をサーボ駆動
する。これにより、自動焦点合わせを行なう。
【0102】この焦点合わせ方法によると、図11
(a)に示すように、ガラス基板101上にフォトレジ
スト層102のみが形成されている場合、合焦位置fd
はフォトレジスト層102上である。したがって、フォ
トレジスト層102におけるスポット径d1を最小とす
ることができる。これに対して、フォトレジスト層10
2上にさらに光退色層103が形成されている場合は、
図11(b)に示すように、合焦位置fdは光退色層1
03上である。したがって、フォトレジスト層102に
おけるスポット径d2は焦点外れのため大きくなってし
まう。この焦点外れによりフォトレジスト層102に形
成されるパターンがだれてしまう。
【0103】そこで、この実施の形態では、オフセット
電圧設定部212がフォーカスエラー信号生成部211
に所定のオフセット電圧を印加する。これにより、光退
色層103の0.1μm下方(ガラス基板101側)を
フォーカスエラー信号のゼロ点とすることができる。こ
の結果、光退色層103が形成されている場合でも、フ
ォトレジスト層102に対して最小のビーム径となるよ
うに合焦することができる。
【0104】ところで、本発明者は、先に特願2001
−220414号において、露光ビームに超解像を適用
することで形成パターンを微細化し、同時に、形成凹凸
パターンに対応する露光部と露光不要部の積算露光量を
それぞれEp、El、K=El/Epとしたとき、その
露光ビームがK<0.45を満足することにより、形状
パターンを安定化させる方法を提案している。本発明は
さらに上述したように、露光光量の工夫により、上記露
光ビーム条件を緩和することを狙ったものである。すな
わち、本発明によるK>0.32は先願のKに換算する
とK<0.48に相当し、若干、規定値が緩和される。
【0105】なお、上述してきた各実施の形態では、フ
ォトレジスト層102は、露光された領域が現像工程に
おいて可溶されるポジ型のフォトレジストである。しか
し、これに限定されず、非露光部が現像可溶されるネガ
型のフォトレジストに対してもパターンの凹凸形状が逆
転するだけであるので本発明を適用することが可能にな
る。
【0106】さらに、上記実施の形態それぞれにおいて
は、光ディスクなどの光情報記録媒体原盤の製造方法と
その露光装置について説明している。しかし、これに限
られず、類似の光記録媒体、たとえば光カードなどの原
盤の製造方法とその露光装置に対しても同様に本発明を
適用することが可能になる。
【0107】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる光
情報記録媒体原盤の製造方法(請求項1)によれば、光
退色層を透過した露光ビーム光量を感光性材料の最適光
量の0.7〜0.8倍に規定すると共に、感光性材料の
露光部と露光不要部に対する累積露光光量比の対数を、
光超解像ビームのメインビームおよびサイドビームを含
んで0.32以上と規定することにより、現像後におけ
る感光材料の形成パターンのばらつきを抑制することが
可能になるため、フォトレジスト層に回析限界以下の凹
凸パターンを安定して形成することができる。
【0108】また、本発明にかかる光情報記録媒体原盤
の製造方法(請求項2)によれば、請求項1において、
有機溶媒に溶解した光退色性材料とフォトレジスト層の
間に2層の混合を防ぐ中間層を設けることにより、製造
性や入手性、溶媒への溶解性の点において有機溶媒に溶
解する光退色性材料の利用が有利となるので、光退色層
を安定して形成することができる。
【0109】また、本発明にかかる光情報記録媒体原盤
の製造方法(請求項3)によれば、請求項2において、
中間層と光退色層を形成する条件を制御し中間層の露光
波長における透過率を90%以上とするため、フォトレ
ジスト層の形成パターンを安定化させることができる。
【0110】また、本発明にかかる光情報記録媒体原盤
の製造方法(請求項4)によれば、請求項1〜3のいず
れか一つにおいて、光源と対物レンズの間の光路内に遮
光マスクを追加するだけで、超解像による露光ビームを
容易に得ることができる。
【0111】また、本発明にかかる光情報記録媒体原盤
の製造方法(請求項5)によれば、請求項4において、
複数の遮光領域によってサイドローブを複数箇所に分散
させるため、積算露光量比が改善され、パターン間隔を
さらに小さくすることができる。
【0112】また、本発明にかかる光情報記録媒体原盤
の製造方法(請求項6)によれば、請求項1〜3のいず
れか一つにおいて、光源と対物レンズの間の光路内に位
相シフトマスクを追加するだけで、超解像による露光ビ
ームを容易に得ることができると共に、遮光マスクを用
いた場合と比べて光利用効率が向上する。
【0113】また、本発明にかかる光情報記録媒体原盤
の製造方法(請求項7)によれば、請求項6において、
複数の位相シフト領域によってサイドローブを複数箇所
に分散させるため、積算光量比が改善し、かつパターン
間隔をさらに小さくすることができる。
【0114】また、本発明にかかる光情報記録媒体原盤
の製造方法(請求項8)によれば、請求項7において、
隣接する位相シフト領域の位相差をπ(ラジアン)、す
なわち1/2波長の奇数倍とするため、最も効率よくス
ポット径を小さくすることができる。
【0115】また、本発明にかかる光情報記録媒体原盤
の露光装置(請求項9)によれば、対物レンズのフォー
カスエラー信号に対して所定のオフセット電圧を設定ま
たは解除することにより、露光ビームの焦点位置を制御
可能にするため、フォトレジスト層と光退色層とを有す
るガラス基板への露光と、フォトレジスト層のみを有す
るガラス基板への露光とを使い分けることができる。ま
た、超解像のための遮光マスクあるいは位相シフトマス
クを必要に応じて光路内に自在に挿脱することにより、
位置決めが可能になると共に、1つに露光装置で、超解
像による露光と、ガウスビームによる露光と、の2つの
露光機能を選択的に使い分けることが可能になるため、
単独の露光装置を極めて効率よく使用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる光情報記録媒体
原盤の製造方法の各工程を示す説明図である。
【図2】図1における光情報記録媒体原盤の製造方法に
中間層形成およびその除去工程を付加した例を示す説明
図である。
【図3】トラックピッチ(TP)を狭めたときの露光ビ
ーム裾部重なりによる累積露光量の様子を示すグラフで
ある。
【図4】トラックピッチ(TP)とパラメータKとの関
係を示すグラフである。
【図5】(a)〜(d)は遮光マスクの構成を示す説明
図である。
【図6】(a)〜(d)は位相シフトマスクの構成を示
す説明図である。
【図7】(a)、(b)は他の位相シフトマスクの構成
を示す説明図である。
【図8】ガウスビームと超解像ビームとのビームプロフ
ァイルを示すグラフである。
【図9】本発明の実施の形態1〜3で得られるパターン
の形状を示す断面図である。
【図10】本発明の実施の形態4にかかる光情報記録媒
体原盤の露光装置の概略構成を示す説明図である。
【図11】(a)、(b)は合焦の状態を示す説明図で
ある。
【図12】ガウスビームにより露光されたパターンの状
態を示す断面図である。
【図13】ガウスビームと超解像によるビームとの形状
を示す説明図である。
【図14】従来におけるパターンの形状を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
101 ガラス基板 102 フォトレジスト層 103 光退色層 104 対物レンズ 105 レーザ光 106 ビーム照射領域 107 潜像 108a パターン凸部 108b パターン凹部 109 金属被膜 110 電鋳 111 中間層 SM 遮光マスク PM 位相シフトマスク 200 Krレーザ 201 EO変調・偏向器 202 AO変調器 203 マスクホルダ 204 対物レンズ 205 アクチュエータ 206 スポット像観察モニタ 207 スポット径測定装置 208 反射ビームスポット像観察モニタ 209 反射スポット径測定装置 210 フォーカスサーボ回路 211 フォーカスエラー信号生成部 212 オフセット電圧回路 213 オフセット電圧設定部 213 ガラス基板 214 回転ステージ 215 モータ M1〜M6 ミラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/135 G11B 7/135 Z Fターム(参考) 5D090 AA01 AA03 BB01 CC01 CC16 DD01 EE01 FF11 KK01 KK03 LL03 5D118 BA01 BB09 CA11 CD02 DC03 5D119 AA22 AA23 BA01 BB09 DA01 EB02 HA45 JA58 JC07 5D121 BA05 BB04 BB26 BB38 BB40 5D789 AA22 AA23 BA01 BB09 DA01 EB02 HA45 JA58 JC07

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上にフォトレジスト層を形成する第
    1の工程と、 前記フォトレジスト層の上に光退色層を形成する第2の
    工程と、 対物レンズによって集光された光源からの露光ビーム
    を、前記第2の工程で形成された前記光退色層を介して
    前記フォトレジスト層に照射し、前記フォトレジスト層
    の所定領域を露光する第3の工程と、 前記露光後に前記光退色層を除去する第4の工程と、 前記露光された前記フォトレジスト層を現像して前記フ
    ォトレジスト層に凹凸形状のパターンを形成する第5の
    工程と、 前記フォトレジスト層に形成された前記凹凸形状のパタ
    ーンを転写し、記録媒体原盤を作製する第6の工程と、 を含み、 前記第3の工程において、前記フォトレジスト層上に集
    光される光のメインスポットの少なくとも一方向の直径
    は、前記光源からの光の波長と前記対物レンズの開口数
    とに基づいて定められる回析限界以下であり、 前記第3の工程における露光光量Pが、前記フォトレジ
    スト層の最適露光光量をPo、前記露光ビームが前記光
    退色層に照射された際の光退色層の透過率をTとしたと
    き、0.7×Po≦P×T≦0.8×Poを満足し、 かつ、前記凹凸形状のパターンに対応する露光部の積算
    露光量をEp、前記凹凸形状のパターンに対応する露光
    不要部の積算露光量をEl、前記フォトレジスト層の露
    光部と露光不要部に対する累積露光量の対数KをK=l
    og10(Ep/El)としたとき、K>0.32を満
    足することを特徴とする光情報記録媒体原盤の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 さらに、前記フォトレジスト層と前記光
    退色層との間に、中間層を形成する中間層形成工程を含
    み、 前記フォトレジスト層と前記中間層を介して前記フォト
    レジスト層を露光することを特徴とする請求項1に記載
    の光情報記録媒体原盤の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記中間層は、露光波長に対する透過率
    を90%以上に設定されることを特徴とする請求項2に
    記載の光情報記録媒体原盤の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第3の工程において、前記光源と前
    記対物レンズの間の光路内に遮光マスクを配し、 前記光源からの光を前記遮光マスクを介して前記対物レ
    ンズで集光し、露光スポット径の大きさが少なくとも一
    方向で通常の回析限界以下とすることを特徴とする請求
    項1、2または3に記載の光情報記録媒体原盤の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記遮光マスクは、複数の遮光領域を有
    することを特徴とする請求項4に記載の光情報記録媒体
    原盤の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第3の工程において、前記光源と前
    記対物レンズの間の光路内に位相シフトマスクを配し、 前記光源からの光を前記位相シフトマスクを介して前記
    対物レンズで集光し、露光スポット径の大きさが少なく
    とも一方向で通常の回析限界以下とすることを特徴とす
    る請求項1、2または3に記載の光情報記録媒体原盤の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 前記位相シフトマスクは、複数の位相シ
    フト領域を有し、隣接する前記位相シフト領域の位相シ
    フト量が異なることを特徴とする請求項6に記載の光情
    報記録媒体原盤の製造方法。
  8. 【請求項8】 隣接する前記位相シフト領域どうしの位
    相シフト量の差がπの奇数倍であることを特徴とする請
    求項7に記載の光情報記録媒体原盤の製造方法。
  9. 【請求項9】 基板側から順にフォトレジスト層と少な
    くとも光退色層とを有する感光性基板に光源からの光を
    集光する対物レンズと、 前記対物レンズを前記感光性基板に対して合焦するため
    のフォーカシング部と、 前記フォーカシング部からのフォーカス信号に基づいて
    前記対物レンズに対して所定のオフセット信号を設定ま
    たは解除し、オフセット量を制御するオフセット量制御
    部と、 前記対物レンズに入射する光の所定領域を遮光する遮光
    マスク、あるいは前記対物レンズに入射する光の所定領
    域の位相をシフトさせるための位相シフトマスクを、前
    記光源から前記対物レンズまでの光路内に挿脱するため
    のマスクホルダと、 前記マスクホルダの位置を前記対物レンズの光軸に垂直
    な面内において直交する2方向に調整するマスクホルダ
    調整部と、 を備えたことを特徴とする光情報記録媒体原盤の露光装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100667768B1 (ko) 2004-11-03 2007-01-12 삼성전자주식회사 정보 저장 매체의 제조 방법

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