JP2000162714A - レンチキュラーレンズシート - Google Patents

レンチキュラーレンズシート

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JP2000162714A
JP2000162714A JP10364485A JP36448598A JP2000162714A JP 2000162714 A JP2000162714 A JP 2000162714A JP 10364485 A JP10364485 A JP 10364485A JP 36448598 A JP36448598 A JP 36448598A JP 2000162714 A JP2000162714 A JP 2000162714A
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light
lenticular lens
lens sheet
layer
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JP10364485A
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Toru Watanabe
徹 渡辺
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外光が反射されることによるコントラストの
低下が小さく、優れたコントラストを有するレンチキュ
ラーレンズシートを提供すること。 【解決手段】 光入射側にレンチキュラーレンズ1aの
形状を有し、光出射側は平坦な面であり、境界面がほぼ
平坦な光減衰率が異なる少なくとも2つの層を備え、該
光減衰率が異なる層のうち最も光入射側に位置する層1
bにおける光減衰率が他の層における光減衰率よりも高
く、各レンチキュラーレンズの中心(cp)から層1b
に垂直入射した光線が層1bを通過するときの光路長を
L1(mm)で、光出射側層1cの表面から垂直入射
し、各レンチキュラーレンズの界面における臨界角にあ
たる点(rp1,rp2)で全反射して再度光出射側の
表面から出射される光線が層1bを通過するときの光路
長をL2(mm)でそれぞれ表したとき、L2/L1≧
2.3なる関係を満足する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレンチキュラーレン
ズシートに関する。このレンチキュラーレンズシートは
フレネルレンズシートと組み合わされてスクリーンを構
成し、該スクリーンは、液晶パネルなどを利用した投射
装置と、1枚あるいは1組の投射レンズと、該投射装置
からの映像が背面から投射されるスクリーンとを備えた
背面投射型映像表示装置に有効に利用される。
【0002】
【従来の技術】従来、背面投射型の映像表示装置の透過
型スクリーンとして、例えば図5に示すような構成のも
のが用いられていた。この透過型スクリーンでは、例え
ば透明樹脂板の表面にフレネルレンズが形成されたフレ
ネルレンズシート9の一方の面より投射装置(図示しな
い)からの発散光束が投射され、フレネルレンズシート
9で発散光束が平行光束または収束光束に変えられて他
の一方の面より透過し、次にこの平行光束または収束光
束が、両面にかまぼこ型の凸レンズ(レンチキュラーレ
ンズ)が水平方向に繰り返すように形成されたレンチキ
ュラーレンズシート10を透過する。このことにより観
察側での水平視野角が拡大され、所望の投射映像が作り
出される。ここで、図5に示す前面板11は、レンチキ
ュラーレンズシートの保護、画面を見たときの質感の向
上等の目的のために用いられる。
【0003】図5に示す透過型スクリーンにおいて、レ
ンチキュラーレンズシート10には、水平方向の視野角
のみならず垂直方向の視野角をも増大させるように、石
英、ガラス、架橋高分子樹脂等の微粒子からなる拡散剤
が配合されている。また、フレネルレンズシート9にも
同様の目的から同じように拡散剤が分散されることがあ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の透過
型スクリーンにおいては見易さの点、特に映像の鮮明さ
およびコントラストの点で問題があった。映像の鮮明さ
およびコントラストを低下させている原因の一つとし
て、室内照明等の外光がレンチキュラーレンズの内部や
表面で反射することが挙げられる。図6に示すように、
観察面側(投射装置とは反対の側)から入射した外光1
2が微粒子拡散剤13により拡散反射され、拡散反射光
14が観察者側に戻ってくるため画面全体が白くなり、
映像源から投射された画像のコントラストが低下するの
である。画像のコントラストが低いという課題を解決す
るために、特開昭49−12943号公報、特開昭58
−59436号公報、特開昭58−134627号公報
などに示されているように、従来、レンチキュラーレン
ズシート10の観察面側表面に光遮蔽部材としてブラッ
クストライプ15を設けることが行われている。
【0005】ところで、上記の構造の透過型スクリーン
は、近年、液晶パネル、DMDなどの周期的な画素構造
を有する投射装置を備えた背面投射型テレビジョンにも
利用されている。このような背面投射型テレビジョンで
は、液晶パネル等の画素とレンチキュラーレンズシート
とが何れも水平方向に周期的な構造を有するために、モ
アレが発生することがある。
【0006】このモアレを目立たなくするために、例え
ば特開平2−97991号公報には、画素のピッチとレ
ンチキュラーレンズのピッチとの比を特定の範囲とする
技術が開示されている。この技術によってレンチキュラ
ーレンズシートの設計を行うと、画像を高精細化するた
めに画素数が増加するに伴ってレンチキュラーレンズの
ピッチを微細化せざるを得ない。このため、レンチキュ
ラーレンズのピッチが小さくなり、ブラックストライプ
の作製が困難になる。そこで、最近では、液晶パネルな
どを利用した背面投射型映像表示装置の透過型スクリー
ンに、出射側にブラックストライプが設けられていない
レンチキュラーレンズシート(以下、このようなレンチ
キュラーレンズシートを「片面レンチキュラーレンズシ
ート」ということがある。)が用いられることが多くな
っている。
【0007】しかし、片面レンチキュラーレンズシート
では、出射側にブラックストライプをもった従来の構成
のレンチキュラーレンズシートのように、外光が微粒子
拡散剤で拡散反射されて観察者側に戻る拡散反射光をブ
ラックストライプで吸収させることができない。このた
め、特に外光下においては、図6に示すようなブラック
ストライプを備えたスクリーンよりも画面全体が白くな
る程度が高く、画像のコントラストが低下する。この拡
散反射光に伴う鮮明さおよびコントラストの低下という
問題を解決する方法として、レンチキュラーレンズシー
トに大量の光吸収剤を添加するという手段が考えられる
が、この方法では、一般にスクリーンゲインといわれる
スクリーン全体の明るさを示す指標が低下してしまうと
いう問題が生じる。特開平9−15730号公報には、
レンチキュラーレンズシートのレンズピッチと曲率半径
との関係を特定することにより拡散反射光に伴う鮮明さ
およびコントラストの低下という問題を解決する技術が
開示されているが、この技術には、視野特性を任意に設
定できないという課題が存在する。
【0008】スクリーンのコントラストを向上させる技
術として、2つのティント剤層を配置するもの(特開昭
63−273850号公報)、波長選択性のある物質を
用いるもの(特開昭58−72935号公報)がある
が、これらの技術には、コントラストを向上させるため
に光吸収剤の添加量を多くするとスクリーンゲインが低
下するという課題が存在するほか、ティント剤層などに
特殊な材料を使用する結果、コスト上昇を招くことがあ
るという課題が存在する。また、上記の特開昭58−7
2935号公報には、出射側が平面で入射側にレンチキ
ュラーレンズが形成された2層構造を有し、入射側にテ
ィント層を備えたスクリーンが開示されているが、この
スクリーンでもやはりコントラストは十分には向上され
ない。
【0009】本発明は上記の課題を解決するためになさ
れたものであり、外光が反射されることにより生じた光
によるコントラストの低下が小さく、優れたコントラス
トを有するレンチキュラーレンズシートを提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する本
願の請求項1に係る発明のレンチキュラーレンズシート
は、光入射側(すなわち投射装置側)にレンチキュラー
レンズの形状を有し、光出射側(すなわち観察者側)は
平坦な面であるレンチキュラーレンズシートであって、
光減衰率が異なる少なくとも2つの層を備え、光減衰率
が異なる各層の境界面がほぼ平坦な面であり、上記レン
チキュラーレンズのピッチをP(mm)で、上記レンチ
キュラーレンズシートの厚さをT(mm)でそれぞれ表
すとき、ピッチPに対する厚さTの比T/Pが30以下
であり、上記光減衰率が異なる少なくとも2つの層のう
ち、最も光入射側に位置する層における光減衰率が他の
層における光減衰率よりも高く、各レンチキュラーレン
ズの中心から当該最も光入射側に位置する層に垂直入射
した光線が当該最も光入射側に位置する層を通過すると
きの光路長をL1(mm)で、光出射側の表面から垂直
入射し、各レンチキュラーレンズの界面における臨界角
にあたる点で全反射して再度光出射側の表面から出射さ
れる光線が当該最も光入射側に位置する層を通過すると
きの光路長をL2(mm)でそれぞれ表したとき、L1
およびL2が下記の式、L2/L1≧2.3を満足する
ことを特徴とする。
【0011】上記の通り光減衰率が異なる各層の境界面
がほぼ平坦な面であることによって、観察側の正面方向
へ通過する光と観察側の斜め方向へ屈折される光とで光
減衰量が異なり、正面方向へ通過する光の減衰量に対し
て斜め方向に屈折される光の減衰量が少なくなる。この
ため、スクリーン斜め方向におけるスクリーン輝度が向
上し、より広い視野角でのスクリーン観察が可能とな
る。これは、正面方向へ通過する光は光入射側にあるレ
ンチキュラーレンズの凸状レンズのほぼ中央部を通るの
に対して、斜め方向への光は該レンチキュラーレンズの
凸状レンズの端部を通るため、光減衰層の通過距離が異
なり、光を減衰させる層を光が通過する距離に比例して
光の強度が低下するためである(ただし、単位長さ当た
りの光の減衰量は層内で均一であるとする)。
【0012】本発明のように光出射側の面がほぼ平坦で
あり、光入射側にレンチキュラーレンズ形状を持つ片面
レンチキュラーレンズシートでは、レンチキュラーレン
ズの主焦点距離と比較して板厚が非常に大きい場合に
は、レンチキュラーレンズにより集光、拡散された光が
出射面上で重なり合うために画像の解像度が低下する。
上記の通りレンチキュラーレンズシートの厚さをT(m
m)で、レンチキュラーレンズのピッチをP(mm)で
それぞれ表したとき、厚さとピッチとの比T/Pが30
以下であることにより、高い解像度を得ることができ
る。上記厚さとピッチとの比T/Pが10以下であれ
ば、より高い解像度を得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】外光による透過型スクリーンのコ
ントラストの低下は、スクリーンを構成するレンチキュ
ラーレンズシート、フレネルレンズシートなどを外光が
通過するときに、各レンズシートの界面で外光が反射さ
れることによって起こる。図4に示すように、レンチキ
ュラーレンズシートとフレネルレンズシートとの一般的
な2枚構成からなり、レンチキュラーレンズシートの出
射側の約45%の面積にブラックストライプが設けられ
た透過型スクリーンを用いた背面投射型映像表示装置を
例に、外光による散乱反射光を測定すると、レンチキュ
ラーレンズシートで反射されて観察者側に戻る散乱反射
光が約50%、フレネルレンズシートで反射されて観察
者側に戻る散乱反射光が約35%、2枚のレンズシート
内を通過して映像表示装置内から観察者側に再度出射さ
れる戻り光が約15%である。したがって、図4に示す
ような構成の透過型スクリーンでは、観察者側に位置す
るレンチキュラーレンズシートの界面での外光の反射を
カットすることが重要であることが分かる。
【0014】本発明のレンチキュラーレンズシートの概
略断面図を図1に示す。このレンチキュラーレンズシー
ト1は、例えば光吸収剤の含有濃度が異なることによっ
て光減衰率が異なる少なくとも2つの層を有しており、
光入射側の層1bにはレンチキュラーレンズ1aの形状
が設けられており、光出射側の層1cの出射面は平坦な
面である。図1に示すように光入射側の層と光出射側の
層との境界面はほぼ平坦である。本発明のレンチキュラ
ーレンズシートでは、外光下でのコントラストを向上さ
せるために、各レンチキュラーレンズの中心から光入射
側の層1bに垂直に入射した光線が該光入射側の層1b
を通過するときの光路長をL1(mm)で、光出射側の
層1cの表面から垂直に入射した光線が、各レンチキュ
ラーレンズの界面における臨界角にあたる点で全反射し
て再度光出射側の層1cの表面から出射されるときの光
路長をL2(mm)でそれぞれ表したとき、L2/L1
≧2.3を満足する。
【0015】以下、本発明においてL2/L1≧2.3
なる関係を満足することによりコントラストが向上する
理由を説明する。光吸収剤が光入射側の層1bのみに存
在するレンチキュラーレンズシートのモデル(図2)を
考えると、各レンチキュラーレンズの中心(図2に示す
点cp)から光入射側の層1bに垂直に入射した映像光
2がレンチキュラーレンズシートを通過する際、光吸収
剤により減衰する光の量は、図2に図示する光路長L1
の長さに依存し、光路長L1中に存在する光吸収剤の濃
度で減衰する光の量が決まる。一方、レンチキュラーレ
ンズシートの光出射側から入り、各レンチキュラーレン
ズの界面における臨界角にあたる点(図2に示す点rp
1,rp2)で全反射して再度光出射側の層1cの表面
から出射される外光3の光路を注目すると、外光3の方
が映像光2に比べて、光吸収剤が存在する光入射側の層
1bを通過する距離が長い。映像光の光路長L1と、図
2に図示する外光の光路長L2(L2=a+b+c)と
の関係が、式L2/L1≧2.3を満足すると、レンチ
キュラーレンズシート内に入り込んだ外光を減衰させる
効果が大きい。L2/L1の値が大きいほど、コントラ
スト向上の効果は高い。
【0016】以上、光吸収剤が光入射側の層1bのみに
存在するレンチキュラーレンズシートについて説明した
が、本発明のレンチキュラーレンズシートでは光出射側
の層1cにも光吸収剤を含有させても良い。ただし、レ
ンチキュラーレンズシート全体の光減衰量が同じであれ
ば、光吸収剤は光入射側の層のみに含有させておくこと
が好ましい。本発明のレンチキュラーレンズシートは3
層以上の積層構造を有していてもよいが、最も光入射側
にある層の光拡散剤濃度が、当該層を除いた他の層の平
均光拡散濃度よりも高いことが好ましい。外光によるコ
ントラスト低下の原因の1つとして、レンチキュラーレ
ンズシートの光出射側表面で外光が散乱反射することが
挙げられる。すなわち、レンチキュラーレンズシートに
含有された光拡散剤等により光出射側の表面が凹凸状に
なっていると、光出射側表面の平滑性が乱れ、外光の散
乱反射が増大し、画面全体が白っぽく浮いて見えること
がある。光吸収剤を光入射側の層のみに含有させる、あ
るいは最も光入射側にある層の光拡散剤濃度を、当該層
を除いた他の層の平均光拡散濃度よりも高くすることに
よって、光入射側の層中の光拡散剤の含有量が、光出射
側の光拡散剤の含有量より多くなるように偏らせること
で、光拡散剤等により光出射側の表面が凹凸状になるこ
とを防ぐことによって、外光によるコントラスト低下が
一層防止される。
【0017】なお、各レンチキュラーレンズに光出射側
の表面から入射した光線が各レンチキュラーレンズの界
面における臨界角で反射し、そのままそのレンズに当た
らずにレンチキュラーレンズシートを通り抜けて光入射
側から出射してしまうことが、各レンチキュラーレンズ
の形状、材質等が特定の条件にあるときに起こり得る。
しかし、このような特定の条件を満たすときには、十分
に大きい視野角を得ることができず、実用に供されるレ
ンチキュラーレンズシートでは、上記の通り、各レンチ
キュラーレンズに光出射側の表面から入射した光線は各
レンチキュラーレンズの界面における臨界角にあたる点
で全反射して再度出射側の表面から出射される。
【0018】ここで、図3(a)に示すように、レンチ
キュラーレンズシートの光入射側に設けられたレンチキ
ュラーレンズのレンズ高さH(mm)が小さい場合に
は、光路長L2と光路長L1との差が小さくなり、図3
(b)に示すようなレンチキュラーレンズのレンズ高さ
Hが大きい場合に比べて、L2/L1の値が小さくなる
結果、コントラスト向上の効果が十分に得られない。そ
こで、レンズ高さHはある程度大きな値であることが好
ましい。また、十分な視野角を得るためには、ピッチP
(mm)と、レンチキュラーレンズのレンズ高さH(m
m)との比(P/H)がある程度小さな値であることが
好ましい(図3(a)に示すような形状よりも図3(b)
に示すような形状である方が広い視野角を得ることがで
きる。)。一般には、P/Hは3.4より小さいことが
好ましい。そして、映像光の光路長L1が大きくなりす
ぎると、L2/L1の値が小さくなり、コントラスト向
上の効果が低下するので、光路長L1はある程度小さい
ことが好ましく、一般に0.6<P/L1なる関係を満
足することが好ましい。一方、光入射側の層が薄くなり
すぎると外光の光路長L2が短くなり、コントラスト向
上の効果が生じないために、L1はHよりも大きい値で
あることが好ましい。したがって、上記の通り定義され
るP、HおよびL1が 0.6<P/L1< P/H<3.4 なる関係を満足することが好ましい。
【0019】また、本発明のレンチキュラーレンズシー
トは、外力が加わっていないときに光出射側が凹になる
ように反った形状を有しているものであることが好まし
い。背面投射型映像表示装置の所定の枠にフレネルレン
ズシートと本発明のレンチキュラーレンズシートとを固
定したときに両者を密着させることができ、両シートが
浮くことによる画質の低下を防ぐことができるからであ
る。
【0020】本発明のレンチキュラーレンズシートは、
充分な強度を保つために板厚が0.7mm以上あること
が好ましい。レンチキュラーレンズシートが0.7mm
以上の板厚を有するのであれば、図5に示すような前面
板をレンチキュラーレンズシートとは別個に配置する必
要が生じず、レンチキュラーレンズシートの光出射側の
面を鏡面状にして前面板の機能を兼ねさせても良い。当
該出射側の面に、反射防止層、ハードコート層、帯電防
止層等を設けてもよい。
【0021】本発明のレンチキュラーレンズシートは、
2層以上の複層構造であり、上記条件を満足するもので
あれば、3層以上の構造であっても良い。また、このレ
ンチキュラーレンズシートは、押出し成形法、ラミネー
ト成形法、多層プレス成形法、2P成形法等により成形
することができる。
【0022】
【実施例】以下、具体例を挙げて本発明を説明する。
【0023】実施例1 図1に示す構成のレンチキュラーレンズシートを2層の
共押出し成形法により成形した。ここで、レンチキュラ
ーレンズのピッチは0.22mm、レンチキュラーレン
ズのレンズの高さは0.086mm、シートの厚さは
1.2mm、レンチキュラーレンズが設けられた光入射
側の層の平均厚さは0.2mmである(したがって、レ
ンチキュラーレンズのピッチPとレンチキュラーレンズ
のレンズの高さHとの比P/Hは2.56である。)。
レンチキュラーレンズシートの光入射側の層には、全光
線透過率が添加前よりも35%低下するように光吸収剤
が添加されている(例えば、三菱化学製Diaresi
nを光入射側の層に適量添加する)。光路長L1と光路
長L2との比L1/L2は2.31である。
【0024】実施例2 実施例2のレンチキュラーレンズシートは、光吸収剤が
光入射側の層に添加されるとともに、光出射側の層にも
添加されている以外は、実施例1のレンチキュラーレン
ズシートと同じ構成(レンチキュラーレンズのピッチ、
シートの厚さなど)を有する。光路長L1と光路長L2
との比L1/L2が、実施例1と同じ2.31になるよ
うに調整されて、光吸収剤が光入射側の層および光出射
側の層に添加されている。
【0025】比較例1 比較例1のレンチキュラーレンズシートは、上記実施例
と同種の材料で構成された、図1に示すような2層構成を
有している。この比較例のレンチキュラーレンズシート
のレンズピッチおよびシート厚さは実施例のものと同じ
である。光出射側の層の平均厚さは0.1mmであり、
光出射側の層には全光線透過率が35%低下するように
光吸収剤が添加されている。また、光入射側の層には、
実施例1のスクリーンと同じ明るさのスクリーンになる
ように調整されて、光拡散剤が添加されている。この比
較例では、光路長L1と光路長L2との比L1/L2は
2.10である。
【0026】比較例2 比較例2のレンチキュラーレンズシートは、光入射側の
層の平均厚さが0.38mmである以外は実施例1のレ
ンチキュラーレンズシートと同様の構成である。この比
較例では、光路長L1と光路長L2との比L1/L2は
1.79である。
【0027】上記のレンチキュラーレンズシートが用い
られた背面投射型映像表示装置の概略構成図を図4に示
す。この背面投射型映像表示装置では、上記のレンチキ
ュラーレンズシート1とフレネルレンズ4とが、LCD
等の投射装置5と1枚の投射レンズ6とともに配置され
ている。ここでは、上記のレンチキュラーレンズシート
を、株式会社東芝製40DW6M(LCD式背面投射型
プロジェクションテレビ)に備えられたレンチキュラー
レンズシートと交換して、外光によるコントラストの評
価を行った。なお、レンチキュラーレンズシートの違い
による効果の差異を明確にするために、上記のLCD式
背面投射型プロジェクションテレビに備え付けられてい
る前面板を取り外して評価した。輝度の測定には、ミノ
ルタ株式会社製色彩色差計CS−100を用いた。
【0028】外光によるコントラストの評価は、プロジ
ェクションテレビのスクリーン面の照度が360LXと
なるように、スクリーンに対して約45度の角度で上方
からハロゲンランプを照らした状態で黒の基準信号を入
力し、スクリーン中央の黒色部分の反射輝度をスクリー
ンから3m離れた位置から測定して行った。その結果を
表1に示す。表1に示すように、本実施例の映像表示装
置であれば、外光の反射輝度が小さく、高いコントラス
トが得られている。なお、表1には、各実施例・比較例
のレンチキュラーレンズシートにおけるL1/L2の値
およびP/L1の値をあわせて示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明のレンチキュラーレンズシートに
よれば、ブラックストライプ以外の構成要素で効率よく
外光を吸収するので、外光が反射されることにより生じ
た光によるコントラストの低下が小さく、優れたコント
ラストを有する背面投射型映像装置を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレンチキュラーレンズシートの断面図
である。
【図2】本発明のレンチキュラーレンズシートにおける
光線の経路を示す図である。
【図3】レンチキュラーレンズのレンズ高さが異なる2
種類のレンチキュラーレンズシートの断面図である。
【図4】本発明のレンチキュラーレンズシートを用いた
背面投射型映像表示装置の概略構成図である。
【図5】透過型スクリーンの構成例を示す図である。
【図6】透過型スクリーンの断面を示す図である。
【符号の説明】
1……レンチキュラーレンズシート 1a…レンチキュラーレンズ 1b…光入射側層 1c…光出射側層 2……映像光 3……外光 4……フレネルレンズシート

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光入射側にレンチキュラーレンズの形状
    を有し、光出射側は平坦な面であるレンチキュラーレン
    ズシートであって、光減衰率が異なる少なくとも2つの
    層を備え、光減衰率が異なる各層の境界面がほぼ平坦な
    面であり、上記レンチキュラーレンズのピッチをP(m
    m)で、上記レンチキュラーレンズシートの厚さをT
    (mm)でそれぞれ表すとき、ピッチPに対する厚さT
    の比T/Pが30以下であり、上記光減衰率が異なる少
    なくとも2つの層のうち、最も光入射側に位置する層に
    おける光減衰率が他の層における光減衰率よりも高く、
    各レンチキュラーレンズの中心から当該最も光入射側に
    位置する層に垂直入射した光線が当該最も光入射側に位
    置する層を通過するときの光路長をL1(mm)で、光
    出射側の表面から垂直入射し、各レンチキュラーレンズ
    の界面における臨界角にあたる点で全反射して再度光出
    射側の表面から出射される光線が当該最も光入射側に位
    置する層を通過するときの光路長をL2(mm)でそれ
    ぞれ表したとき、L1およびL2が下記の式、 L2/L1≧2.3 を満足することを特徴とするレンチキュラーレンズシー
    ト。
  2. 【請求項2】 レンチキュラーレンズシートの光入射側
    に設けられたレンチキュラーレンズのピッチをP(m
    m)で、レンチキュラーレンズのレンズ高さをH(m
    m)でそれぞれ表したとき、P、HおよびL1が下記の
    式、 0.6<P/L1< P/H<3.4 を満足する請求項1記載のレンチキュラーレンズシー
    ト。
  3. 【請求項3】 光減衰率が異なる少なくとも2つの層の
    うち、最も入射側にある層のみに光吸収剤が含有されて
    おり、他の層には光吸収剤が含有されていない請求項1
    または2記載のレンチキュラーレンズシート。
  4. 【請求項4】 光減衰率が異なる少なくとも2つの層の
    うち、最も入射側にある層の光拡散剤濃度が、当該層を
    除いた他の層の平均光拡散濃度よりも高い請求項1また
    は2記載のレンチキュラーレンズシート。
  5. 【請求項5】 外力を受けないときのレンチキュラーレ
    ンズシートの形状が、出射側が凹になるような反った形
    状である請求項1ないし4のいずれか1項に記載のレン
    チキュラーレンズシート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002250807A (ja) * 2000-12-22 2002-09-06 Dainippon Printing Co Ltd レンズシート、それを用いたプロジェクションスクリーン、及びレンズシートの成形方法

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JP2002250807A (ja) * 2000-12-22 2002-09-06 Dainippon Printing Co Ltd レンズシート、それを用いたプロジェクションスクリーン、及びレンズシートの成形方法

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